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氷砂糖

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幸福の余韻
2008年01月15日(火)

ミスタードーナツの前を歩くとき、たまに、幸福の余韻を感じる。思い出すのは、高校生の夏。暑くて、いきなりの雨が降った日。空いていたお店に入り、好きなドーナツと飲み物を買って、食べながら、買ったばかりのBL小説、シリーズ最新刊を一気に読んだこと。読み終わって外を見たらきれいに晴れていて、思わず一人、笑顔になってしまったこと。あの、幸福感の名残が伝わるのだ。

池袋の、とある交差点の空を見上げるときも、幸福の余韻を味わうことができる。大学のとき、授業が休講になった日のこと。目白から歩いて池袋に行き、当時同人誌を置いてあった書店に入り、好みの本をgetして、適当なカフェを探すわくわくした感じ。信号を待ちながら、見上げた空が高く優しく感じられたこと。無理やりことばにすれば、ああ、わたしのこころは自由なんだな、という喜ばしい気持ち(補:当時わたしは母に、コミケへ行くことも通販することも嫌がられていました)。

他にも、OLになってから買って読んだ、とあるOLさんが主人公のシリーズ漫画。社会人になって大変なことやきつかったことも勿論たくさんあったのだけれど、そのなかでもこうして息抜きできるものはあって、また明日も頑張ろう、という気になれたこと。読み返すたびに、というわけではないけれど、たまにブックケースを整理しているとき、背表紙を見ただけでも、幸福感は甦る。

ひとによって、記憶を喚起させるのは、温度だったり匂いだったり写真だったり、色々だと思う。が、わたしの場合、どうやら本やお店の印象が引き金になっているようだ。まあ余韻はあくまで余韻でしかないので、やがては薄れ、いつかは消えていくのだろう。でも、幸福感は忘れても、幸福だった瞬間はあったこと、は覚えていたいな、と思う。ので、なんとなく書いてみました。



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