先日の連休を利用して、東京のお台場に行ってきた。 今話題の「フジテレビ」は、実に超満員の大盛況ぶりだった。7階に位置する球形をした展望台に上がるには、専用のエレベーターを利用するのだが、展望台に入るための500円のチケットを購入しなければいけない。まずチケット購入の列に並び、それからエレベーターの列に入っていくという順序になる。
7階直通のエレベーターを降りて中に入ると、でんと潜水艦の模型が正面に出迎えてくれる。どうやら映画の「イ号潜水艦」のPRをやっているようだ。潜水艦の司令室で実体験できるブースがあるが、なんということか40分待ちだという。おそらく潜望鏡で海面を見渡すような仕掛けになっているのだろうが、なんでも並ぶのが好きな日本人らしい部分だろう。今度の愛知県で開催される博覧会でも、この比ではない長蛇の列にならぶことになるのがなんと悲しい。
この展望台、どうということはないがこれで500円は高い。また下に降りるのに専用エレベーターに並ばなければいけない。 こうしてやっと雑踏から逃れられたが、今度は吉本興業のステージに入ってみることにした。若手の芸人がやっているのだが、ちょうど入替えの時だったのですんなり入ることができた。 まあ、中身は携帯電話「ドコモ」の宣伝をからめたしょうもないものだった。お客を巻き込みながら、ドコモ携帯を持っている人を当てるという、芸とは程遠いゲームをするのだが、なんともすっきりしない。
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トレドの街でひときわ目を惹くのは大聖堂である。 天に突き刺さるようなするどい屋根は、ここトレドに限らず、これから訪れることになるキリスト教関係の建物ではよく見かける。威厳を保つための象徴のようでもある。
中に入って見学することになったが、残念ながら撮影は禁止である。日本の神社仏閣に比べてはるかに雄大である。石造りということもあろうが、身が引き締まるようで厳かな気分になってしまう。 内部はいたるところで修復が行われている。この修復はここトレドに限らず、ポルトガルでもよく見かけることができる。新しく手を加えることになるが、遺産を継ぐということからも重要な仕事になる。
外からこの雄大な大聖堂をカメラに収めようとしたのだが、近くではうまく入らない。ワイドレンズという広い範囲を写すことのできるレンズが必要だろう。しかし、このワイドレンズというやつ、どうも現実に見える形とかけ離れてしまうので好きではない。 よくホテルや会場の紹介写真で、とても広く見えるので入ってみたが、実際には小さかったりすることがよくある。これなんかレンズの魔法だろう。目で見ると同じように写し取ることができるカメラが発明されないものかと思ってしまう。
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2005年03月16日(水) |
スペインの巨匠・ピアノリサイタル |
昨日、ピアノリサイタルがあった。
その日になってyakoちゃんに電話をしたのだが、「そんなに急に言われても・・・う〜ん」とうなって、ひさびさのデートを断念した。 というわけではないが、娘を連れて行くことにした。
このリサイタル、中林淳眞先生から「行かないかね」とお誘いを受けたので、チケットを2枚購入したものだ。 『ウンベルト・クアグリアタ』。プロフィールをみると、私と同じ年齢ではないか。ウルグアイ生まれではあるが、スペインのマドリード在住40余年とある。1995年にスペイン王室文化勲章をカルロス王より授与など、数々の賞を受賞している。
開演前の中林先生の解説では、先生との20数年来の友人であり、競演は100回を超えるという。 ギター界の巨匠である今は亡きアンドレス・セゴビアからも賞賛の辞が寄せられている。
演奏プログラムは1部がクラシックの名曲、そして2部はスペインの音楽となっている。 リスト、ショパン、バルトークの曲を情感たっぷりに歌い上げた。 想い入れのためか、腕、身体のリアクションが激しい。娘に「こういうの、やったら」と言うと、「きらい!」と一言。
2部でのスペインものでは、やはり自身の音楽としての意気込みが感じられた。 アルベニス、グラナードス、ファリャと次々に18番を披露してくれた。 ピアニッシモからフォルティッシモの落差が激しいくらいついている。フォルティッシモではピアノの弦がびびっている。するどい金属音が耳に届くのだ。 会場がシンフォニーホールのスタジオだったため、3メートルほどの近くで聴いたため、余計にそう感じるのかもしれない。
ひさびさに音楽を堪能した感じで、心地よい帰路につくことができた。
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2005年03月15日(火) |
トレド・その歴史と芸術 2 |
トレドの位置的なものは、スペインのほぼ真中、マドリードから南へ50、60kmというところか。 そういうこともあってかどうかは知らないが、長い間スペインの都として栄えていた。それと地理的な環境も少なからず影響していたようだ。
北を除く3方向を、スペイン最長の「タホ川」がぐるっと取り囲むように流れている。そのため敵から攻められたときの自然の要塞として、その地形が大いに役にたったようである。 実際、タホ川の南側に位置する高台から眺めると、実によくできた砦であることがわかる。また、現在の街からも当時の様子がうかがえるのだが、町中をうねっている道は迷路のようになっていて、目印を確認しておかないと迷子になること必至である。
ところでトレドが歴史に登場するのは紀元前というから、ちょっと日本の感覚ではだめのようだ。 イベリア半島に進出してきたローマに征服されたわけだが、このローマ支配の600年もの間に道路網やら橋がかけられるなどして、キリスト教も浸透していったようだ。 そして6世紀に入ると都として栄えていった。その後はイスラムの時代になり、さらにキリスト教徒によるレコンキスタの時代というように変遷していく。 時代はすすみ、16世紀になると、トレドは統一されたスペイン帝国の都として繁栄するようになったということだ。
2005年03月14日(月) |
トレド・その歴史と芸術 1 |
トレドでは有名な大聖堂を見学したが、そこを出るとちょっとした広場がある。そこでは気さくなおじさんがガイドブックを売っていた。 「日本語ガイドブック!5ユーロ!あと少し!」これしか日本語はできないのだろうが、テープレコーダーのように連発をしている。5ユーロというと日本円で700円ほどだ。ちょっとした書物のようになっていて、品質も悪くない。おそらく日本の美術館では2,000円はとるだろう。
両手に抱えながら、売れると買い物袋に入れてくれる。さっそく手に入れると記念写真に応じてくれた。いきなり肩に手を回し、とても陽気である。すると一行も次々に買っていった。10冊ほど持っていたものはすぐになくなったのが、するともう一人がどこやらに走っていって、今度は大量にガイドブックを持ってきた。そんなもんだ。
そのガイドブックの題名は「トレド・その歴史と芸術」となっている。 これを参考に歴史をひもといてみた。
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週末を利用して畑に果樹を植えた。
畑は、田んぼを埋めたものなので水はけはいたって悪い。それにあまり高く土を入れていないので、少し掘るだけで水が上がってくる始末だ。
それでも野菜には問題ないとみえて、長年、無農薬の新鮮野菜を口にすることができている。ただ、同じものが一度に採れるため、食卓はというと毎日同じメニューが並ぶことになる。子供たちにはありがた迷惑なことかもしれない。
「いちじく」には逆にこの水の多さがいいのか、毎年豊作で、その時期には知人友人にあげるため忙しくなる。といっても昨年のように不作の時もあるのだが。
今回植えつけをしたのは柑橘類。 紅八朔、みかん(石地)、みかん(宮川早生)、宮内伊予柑、それにびわ(長崎早生)の5種類である。 はたしてちゃんと大きくなってくれるか心配だが、とりあえず植えつけは終わった。おそらく水はけの関係で、あまり根を深く張ることができないのでそんなにぐんぐんとは大きくならないだろうが、数年後が楽しみだ。
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今日、我がハワイアンバンドの「テクニシャン・ウクレレ」ことO氏が急に訪れた。 といっても家の前を通りかかったら私の姿が見えたので、寄ったということだ。
かなりの間お休みにしている練習のことやら、近況を話し合ったが、やはりけっきょく練習をしなければということになった。神戸で活躍されていたS氏との練習も滞っているし、ここらでてこ入れをしなければと思う。
この管理人日記はほとんどカウンターが上がることはないのだが、それでも細々と増えているということは、ひょっとしてわずかながら愛読者がおられるのかとほくそ笑んだりしてしまう。 「テクニシャン・ウクレレ」ことO氏も日記を読まれているようだ。 「スペインはどうだった?」ときた。いや、ほんとはポルトガルがメインなんだけどと思ったのだが、ここはきちんと最初に旅行の日程を掲載しておくべきだった。
遅ればせながら、列記しておこう。 この旅行、ちゃんと題名が付けられている。 『中林先生とFADOを聴きに行く〜スペイン・ポルトガル・パリ 11日間』
<第1日目> ・関西空港〜パリ・ドゴール空港〜マドリード空港 夜 フラメンコ鑑賞 【マドリード泊】
<第2日目(スペイン)> ・マドリード市内観光 ・世界遺産・古都トレド エル・グレコの家 サンタクルス美術館 サントトメ教会 大聖堂 【トレド泊】
<第3日目(スペイン)> ・トレド観光 マドリード空港〜リスボン空港(ポルトガル) 【リスボン泊】
<第4日目(ポルトガル)> ・オビドス ・アルコバサ ・ファティーマ ・コインブラ 【コインブラ泊】
<第5日目> ・コインブラ ・ポルト 【ポルト泊】
<第6日目> ・シントラ ・ロカ岬 ・リスボン 【リスボン泊】
<第7日目> ・エヴォラ ・リスボンでファドショー鑑賞
<第8日目> ・リスボン ジェロニモス修道院 ベレンの塔 発見のモニュメント リスボン空港〜パリ・ドゴール空港 【パリ泊】
<第9日目> ・世界遺産ヴェルサイユ宮殿 ・ルーブル美術館 【パリ泊】
<第10日目> ・パリ・ドゴール空港へ移動 空路、関西空港へ
<第11日目> ・関西空港到着
トレドの街に入る前に観光スポットで記念撮影となった。
タホ川を眼下に見下ろし、古都トレドを一望するアングルは、いずれのガイドブックにも載っている絶景である。風は少しきついが、最高の天気だ。雲がないため、逆に光線が当たりすぎて陰影が強い。デジタル・カメラでは、一般の銀塩カメラに比べてこの陰影が強く出てくる傾向がある。暗い部分ではデジタル・カメラのほうがきれいに写るが、逆に明るいところでは「白とび」といって白くなってしまう傾向がある。そのへんに写真術のむずかしさがあるようだ。
それにしても絵に描いたような景色とはこのことだろう。「大聖堂」「アルカサル」などの巨大な建物がまわりの古い町並みを引き立てている。
もう時刻は昼を過ぎている。街に入る前に予約をしているレストランに向かう。ちょっと小高い丘にあるこのレストランは、建物がもうトレドというイメージになっている。それにしてもよく「ドン・キホーテ」の像に出会うことが多い。また、どういうわけかトレドに似合っているようだ。 ここでの食事が、いってみればはじめてのまともなメニューということになろうか。
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2005年03月09日(水) |
楽器屋さんにて その2 |
ところでこの楽器屋さんは、中林先生とは50年来のお付き合いになるそうだ。 スペイン留学中に通われていたようだが、当時はかわいい娘さんだったという方は、今は恰幅のよいおばちゃんになられている。スペイン語で楽しく会話を交わしているが、言葉がわからないというのはこういうとき情けない。
こういう場面では記録として、写真なりビデオなりにおさめておくべきだろう。そこで「ディマージュA200」の動画機能を使ってみることにした。これは今でこそデジカメには標準搭載されているが、カメラでビデオが撮れるというすぐれものだ。 この「ディマージュA200」では、512MBのメモリーで15分の動画を撮ることができる。再生した時の画像はどうかというと、今のものはかなり性能が良くなっていて、一昔前のビデオ・カメラ程度はいける。
こうして動画撮影は終えた。よく考えてみるとエプソンのポータブルストレージを持参しているのだから、もっと動画を撮ればいいのだが、このあと一度もセレクターを動画モードにはしていない。撮影に夢中になり、動画モードがあることを忘れてしまったのだ。
もうみんなとの待ち合わせ時間がせまっている。 店先で記念撮影を終えると、すぐにタクシーを拾って三越まで飛ばした。こういうとき言葉ができると簡単だ。一言二言ことばを交わすとOKというしぐさで、車を発進させた。
このあとは目的地「トレド」まで一走りである。
もう一箇所立ち寄るところがあるようだ。 「三越」にてショッピング。いきなりショッピングとはよくわからないが、じつは、みんながお買い物をしている間に、中林先生他、我々数人は楽器屋に寄ることになっている。
お聞きすると、先生は旅行の都度、ギターを購入されるそうだ。今回も事前に連絡をされて適当な楽器を出してもらっていた。他に宮城県のOさん、Sさんもフラメンコ・ギターを買われる予定だ。私も便乗していいのがあったらとついて来たのだが、時間もなく中途半端になりそうなので結局やめたが、あとで考えると決めておけばよかったかなと思ったりする。 どうも日本で買うより、かなり格安になるようだ。あとで聞いて「後悔先に立たず」だ。宮城県のお二人はいろいろと思案されている。デザインはいいが音がいまいち、逆にデザイン的に気に入らなかったりと、これというものがないようだ。
中林先生はというと「外国で買い物をするときは、即決しなければいけないよ。もうその時を逃せば、あとでというわけにはいかないからね。ぼくはもう決めたよ。」と楽器をケースにしまいながら言われていた。
そういえば、中林先生の著書『心の旅・セレナーデはギターで』の中に、スペインで掘り出し物を手に入れられた時のことが記述されている。
パリ美術大学の近くの骨董店でのできごとである。 タバコの焼け焦げがある埃まみれのギターだが、その音のすばらしさに惹かれ買おうとしたが、べらぼうな値段に断念。2年後にふたたびその骨董屋を訪れ今度こそは買おうとお金まで用意していた。 しかし、安くしない店主の無愛想に腹を立て、あきらめた。ここで大きな後悔をする・・・。このあたりのくだりはとてもおもしろく、また、本物を見抜く力量の大切さを教わる部分でもある。そのうち別の機会に取り上げたい。
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今日は二日目、古都トレドに向け出発だ。
その前に、車窓からマドリードをひとまず観光することになる。 さすがマドリードともなると、行き交う車はかなり多い。それでもこの大型バスを、ドライバーは巧みに操りながらすいすいと走り抜ける。
ヨーロッパでは日本のようにいわゆるガイドさんは乗らない。ドライバーひとりですべてをこなすのだ。とはいっても日本のバス旅行のように食べや歌えの宴会は当然ない。それどころか、飲み物や食べ物は一切ご法度だそうだ。例外として水のみOKである。 間違っても、ポリポリとお菓子の袋を出して口にするなど厳禁なのだ。それぐらいヨーロッパのマナーは行き届いている。
おもしろい建物が目についた。こういうのもあっていい。 王宮の前の道べりにバスを止めて、一枚パシャリ。少し朝もやがかかる王宮はまだひっそりとしているようだ。 王宮といっても国王は別の場所に住んでいるので一般公開されている。 150m四方の建物に2,800もの部屋があるというから驚きである。中は贅を尽くした飾り物で埋め尽くされているようだが、見学をする時間的余裕はないので、写真を撮るだけで我慢ということになる。
そしてソル広場に寄る。騎馬像が誇らしげに立っている。こういう騎馬像をいたるところで見ることができる。
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ここマドリードのホテルは地下鉄チャマルティン駅の上にあるホテル・チャマルティン。 一夜明けると、さっそくレストランで朝食である。そういえば機内食で済ませただけに、ひさびさの食事となると少しばかり期待は膨らむ。
しかし、窓の外を見るとまだ暗いではないか。もう8時だというのに。これがヨーロッパ。日本の感覚ではいけないのだ。
指定された時間に行くと、すでに添乗員のMさんがお出迎え。仕事とはいえ、朝から晩まで大変だ。朝寝坊もできない。
和食と違って、洋食はすべてバイキングである。それにしても日本のご婦人方のすさまじさには驚かされる。基本的に全部のメニューを一通り取ることになっているようだ。お皿は2枚3枚とテーブルに並べている。飲み物も一種類だけではない。まずミルクとジュース、その後コーヒーを注ぎに走るのである。 その点、あちらの方はあっさりしている。トマト・ジュースにスクランブル・エッグ、そしてパンをひとつふたつ。
私は、宮城県のOさん、そしてSさんと席を取った。さて何にするか。どうもご婦人方と同じで、少しずつたくさんのメニューを並べたくなってしまう。 食べ進めていくと、どうやらジュース類が日本と一味違うような気がしてきた。なかでも柑橘類の味が濃いようである。
並んでいるメニューのそばでは、時折、オレンジを機械に放り込んでジュースを作っている。じつはこれがとてもおいしかった。
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伴奏は2本のギターだけだが、これに歌が加わるため、3人とはいえかなり迫力のある演奏となっている。 途中で伴奏は控えのグループと交代した。おそらく数時間に及ぶステージなので、いくらプロとはいえ、体力がもたないだろう。
ツアーに参加された宮城県のOさんは、フラメンコ・ギター教室の先生だが、本場の演奏に感動されていたようだ。日本でも来日アーティストはいるのだろうが、やはり現地にいかなければ本物に出会うことはむずかしい。
とはいえ、到着した当日の最初のイベントなので、どっぷりとつかる前に早々に切り上げた。さて帰りのタクシーがつかまるか、と心配して外に出たが、劇場前には数台が客待ちをしていた。準備よろしくホテルのパンフレットを持参しているので、「ここ、ここ」と指差してOKである。
こうして長い初日は終わった。明日からはどんな旅になるかと思いを馳せながら、ゆったりとしたベッドにもぐりこんだ。
さてフラメンコ劇場にお出かけである。 もうバスは帰ってしまったので、タクシーで行かなければいけないのだが、はたして無事劇場まで到着できるか、一瞬不安がよぎる。しゃべれるのは添乗員と中林先生だけなのだから、そのタクシーに乗り合わせなかったら、自分たちで行き先を告げて料金を支払わなければいけない。
事前に添乗員が運転手に劇場の場所を告げてくれたので問題なかったのだが、料金支払いではすんなりといかなかった。メーターは7ユーロくらいだったので、10ユーロの札を手渡した。おつりをくれるものと思って待っていたのだが、何やら身振り手振りでさかんにしゃべっているのだ。ちんぷんかんぷんだが、どうやら「残りはチップとしてくれ」と言っているようだ。 そういえば添乗員が言っていた。「そんなに遠くないので日本でいう1メーターの料金くらいになると思うが、タクシーを呼んでずっと待たしているので、10ユーロを渡してくださいね。」と。どうもまだチップの感覚が身についていないのでとまどってしまう。しかし他のタクシーで行った仲間は、「いや、おつりをくれたよ」とのこと。どうも人をみるのか。
このフラメンコ劇場はマドリードでもそこそこの所らしい。ちょっと期待して中に入っていくと、薄暗い中でステージが明るく照らされ、華麗なギター伴奏にのって踊りが繰りひろげられている。 お客さんもそこそこ入っていて、私たちのすわるテーブルは脇のほうになってしまう。おそらく常連さん達だろう、ワインを酌み交わしながら、静かにステージに見入っている。 料金は一人35ユーロ(5千円弱)ということで、事前に添乗員が取りまとめてくれている。1ドリンク付きだが、高いのか安いのかわからないが、ここヨーロッパにくると、どういうわけか気が大きくなってお金の価値観も変わってくるようだ。
ステージでは踊り子さんたちが、入れ替わりたちかわり切れの良い演技を披露してくれている。我々はもうカメラのフラッシュを焚くことに夢中で、楽しむというところまではいかない。地元の人たちが半分あきれているようにも見えるが、まあ外野席からなので自由にさせてもらおう。 しかし撮った写真、ほとんどピンボケである。暗い中での撮影はそれなりのテクニックが必要だが、如何せん、そういうものは持ち合わせていない。なんとか使えるのがこの1枚だけ。
〜つづく〜
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この日記、会社での休憩時間に書いているのだが、それをフロッピーに入れて持ち帰っている。 しかし、どういうことか昨日はフロッピーがエラーでデータが出てこない。やむなく日記をお休みしたわけである。
フランスのシャルル・ド・ゴール空港からスペインのマドリード空港までは、約2時間少々で到着する。 空港からはバスでホテルまで直行するが、はじめてのヨーロッパの町並みを走り抜けながら、これからの10日あまりにわたるツアーに思いを馳せた。
雨を心配していたが、どうやら快晴のようでひとまず安心だ。こういう旅行では天候で、楽しさも大きく違ってくる。じつは、この恵まれた天気は最後まで持ち応えてくれて、ツアー一行にとってはまたとない思い出を刻むことができたのである。
今夜宿泊するホテルは、駅に隣接する『ホテル・チャルマンティ』。 到着した時刻はすでに22:00になろうとしているが、皆さんはとても元気の様子だ。夕食は機内食で済ませたので、こちらでは用意されていない。といって、やはり疲れか、そんなに食欲もないし、どちらかというとすぐにでも横になりたいという感じか。
しかし、今回の最初のイベントは夜の町に繰り出し、本場フラメンコを楽しむ手筈になっている。 スペインといえば、闘牛、それに情熱的なフラメンコである。特に注目は、踊りもそうだが、フラメンコ・ギターによる速弾きだろう。有名どころでは「パコ・デ・ルシア」がいるが、そこまではいかなくても、本場なんだからおそらく目を見張る演奏が繰りひろげられるに違いない。 そう思うと、疲れもいっぺんに吹っ飛んでしまうから不思議だ。人間とはこういうものか。
まずはチェックインを済ませると、部屋に荷物を運び込まなければいけない。日本だとリゾート・ホテルでないかぎり、ほとんど自分で事を済ませるのだが、ヨーロッパではボーイがスーツ・ケースを運んでくれる。どうも、そこまでしてくれなくても自分でやるよという気分になってしまうが、慣習の違いだろう。 チップは部屋に1ユーロ置いておけばいいと添乗員がアドバイスをしてくれた。これも日本ではないことなので、忘れやすいし、とまどってしまう。 部屋は4つ星ホテルということもあって、バスルームなんかもけっこう充実している。けっきょく海外用にと購入したヘヤー・ドライヤーは、最後まで使うことはなかった。
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