『平和記念公園』は、先ほどの『ひめゆりの塔』と目と鼻の先である。同じ道沿いなのですぐにわかる。
こちらは公園というだけあって広大な敷地である。さっそく駐車場に車を止めて歩き出すと、またもや呼び止められた。今度は2、3人のおばちゃんが「お花、買ってよ。」 さすがの妻も、今度は無視したようだ。公園内に入っていったが、だれもいないではないか。探せばあっちのほうにちらほら。空気はからっとしているようだが、それにしても雲ひとつないこの空からの日差しはかなりきつい。少し歩いて木の影で一休みだ。どうも娘の機嫌が悪い。「想像していたのと違う!」と。そりゃあそうかもしれない。
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この広さはとにかく半端じゃない。ずっと向こうには、平和祈念堂が見える。あそこにたどりつけば何とかなる。日頃暑さの鍛えがない輩には、屋根の下が一番だ。 また階段が激しい。ほんと助けてくれといいたくなる。やっとの思いで入り込んだだけあって、中はひんやり、そして誰もいない。ちょっと不気味だ。まん中に堂々とした仏像が鎮座している。
案内板には、外に美術館が併設されていることを告げている。どれどれと渡り廊下らしきものを伝って行ってみるが、自動ドアが開かないではないか。あたりを見渡しても誰一人いない。中に入ることができたのだが、けっきょくドアの調子が悪かったみたいだ。
展示されている絵は、日本の画壇を代表する人たちが、寄贈しているらしい。三人で批評しあいながら美術館を後にしたが、館内にちょっと気になるあいさつ文が掲げられていた。 それにはこうあった。(うる覚えだが、意味は同じ・・・)
〜沖縄の最も悲惨な戦場となった、ここ「摩文仁の丘」から戦争の無益さ、平和の尊さを発信しているが、近年訪れる人が少なくなった。ひとつの要因として、観光会社の営業方針があるようだ。それは、各地のテーマパークと違って、観光客を連れてきたからといって何も営業にプラスにならないからだ。だから、観光コースにこの地を組み込まないようになってきたと。〜
まあこういう理由もあろうが、それにしてもこの炎天下で散策するのは私たちだけか・・・。
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目的地『ひめゆりの塔』に着くと、なにやら誘導のおじさんが手招きしている。道の左からも、そして右からも呼んでいるではないか。どちらへ入ればいいのだ。右折はたいへんなのでスッと左にハンドルを切った。
しかし駐車場はがらがらである。車から出ると、「駐車料金は無料ですが、この無料券に店でスタンプを押してもらってください。」と言うではないか。ちょっと考えた。なんで無料なのにそんなものがいるのか。そうか、お店でみやげ物を買わせるためだな。 それにしてもこの炎天下でおじさんたちはよくがんばっている。あの三角形をした帽子が、ここは沖縄を思わせてくれる。気温はそんなに高くない。どちらかというとカラッとしているようだ。しかし、直射日光の日差しは半端ではない。帽子がなければちょっときつい。日傘があれば余裕だろう。
さっそく入ろうとすると、おっと、そんなに甘くはない。今度はおばちゃんが「お供えのお花を買ってあげてくださいよ。」と。こんなところでけちっても失礼だと、ちょっとくたびれた一束200円也のハイビスカスを買った。まあここは花をお供えして三人で拝んだ次第である。
慰霊碑の後ろは、多くの女学生学徒が亡くなった外科豪が、年月を感じさせているが、それでも傍らに建てられている説明の看板を読むと、当時の悲惨さが伝わってくる。 それにしても暑いので、すぐに記念館のほうに入っていった。中では遺品、写真展示とともにビデオ上映がされており、当時の状況がよくわかるように編集されていた。
入り口でパンフレットを販売しているのを見ていたので、購入することにした。私の場合、パンフレット類はなるべく買うようにしている。美術館のカタログは高価だが、今回のものは200円である。係りの人に言ったのだが、どうもお金を出してまで買う人はいないのかピンとこなかったようで、館長さんらしき人が「そこに置いている200円のですよ。」と言ってくれてやっと手にすることができた。
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無料駐車券はめんどうくさいので妻にまかせた。うまく何も買わずにはんこだけ押してもらっていた。おお、さすが。駐車場を出るときには、例のおじさんがきっちり券を取ったが、どうも無駄なことをしているとしか思えない。
次は平和記念公園だ。
〜つづく〜
『ひめゆりの塔』をインプットして車を走らせると、カーナビが左へ曲がれ、右へ曲がれとうるさく指示をしてきた。 郊外に出るまでには那覇の込み入った街中を抜けなければいけない。事前にガイドブックに掲載されている地図を見てある程度のルートを決めていた。まったくはじめての道なので、できるだけ幹線道路を走るように頭の中で組み立てていたのだ。
がしかし、カーナビはせまい路地をあっちこっちへと連れていってくれる。愛車『ニッサン・キューブ』を路肩に止めながら、ガイドブックの地図を片手に確認していたが、ついにわけがわからなくなった。どうもカーナビでは最短コースをたどるようだ。こうなっては指示どおりに走らせることしかできない。 それにしても、交差点なんかピタリと位置が合っている。えー、こんな路地を曲がっていいのかなと勝手に判断して次を曲がると、やっぱり元にもどるはめに。見知らぬ土地では絶対に入り込まないショートカットも自由自在、性能は抜群だ。道を間違ってもそこから誘導してくれる。どうも道を見ているのか、画面を見て運転しているのかわからなくなってしまう。後ろから「前を見て運転しなさいよ!」と警告が・・・。
そうこうしているうちに南岸沿いの幹線道路に出てきた。ふっと沖縄の香りが漂う。一面のさとうきび畑、そしてたわわに実ったパイナップルたち、やしの木、いやがおうなしに、ここは沖縄だと実感する。 カーナビは目的地までの距離、それに到着時間まで表示してくれる。アバウトだろうが、それでも時間表示は助かる。短期間でたくさんの場所を回ろうとすると行動計画をよくしておかないといけないが、このカーナビはとても役に立つ。
そして目指す『ひめゆりの塔』までもう少しになったが、なにやら『琉球ガラス村』の看板が目に入った。即右折だ。一応頭の中には入っていたので、食事を兼ねて『ニッサン・キューブ』をすべり込ませた。 ここでは観光者向けにガラス工芸をしている。いわゆる展示即売というやつである。炉の中で真っ赤に焼けたガラスを取り出し、コップ、皿、花瓶などに加工していくわけだ。加工場の奥には売店があり、無数の商品が並べられている。けっきょく何点か買うことになった。じつは20数年前の新婚旅行は沖縄だったが、そのときもコップやら花瓶やらを購入していた。どうもその時代よりも色が多彩になっており、デザインも豊富な気がする。当時と同じような花瓶だったが、気に入った色があったので送ってもらうことにした。
この『琉球ガラス村』の2階がレストランになっていたので、食事をすることにした。閑散としている。広いレストランではあるが、お客は一組しかいない。この旅行ではじめての食事になるので、まずは「沖縄そば」からということにした。うーん、どうも「そば」か「うどん」かわからないような太さに違和感を覚える。調味料として泡盛に島とうがらしを漬け込んだものがあり(名前はわすれた)、店の人はこれを入れて食べてみてくださいとのこと。泡盛もはじめてだが、ちょっと異様な味に、少しずつどんぶりに垂らしてみると、島とうがらしのピリカラがマッチしているのか、これが沖縄の味と勝手に感心してみた。
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なかなか『ひめゆりの塔』たどりつけないが、〜つづく〜
この『ニッサン・キューブ』だが、室内はなかなか広く感じられる。 まず天井が高いので私のように直立不動タイプで乗車するには都合がいい。シートはベンチ・シート風で、シートとシートとの間のコンソール・ボックスがシートのつなぎの役割をしている。だからシート自体も広々と使えるのだ。 トランクがまたおもしろい。『ニッサン・キューブ』のイニシャルポイントかもしれないが、ハッチが横にカパッと開くようになっている。ジープと同じようなタイプである。
それからレンタカーには全車カーナビが装備されている。じつは後々、このカーナビのおかげで快適な旅を満喫することができるのである。 とりあえず、使用方法がわからないので担当の人に聞いた。行き先を設定する方法として、(1)名所・旧跡をインプットする。(2)電話番号をインプットする。(3)住所をインプットする。(4)テーマから検索するなど数種類の方法がある。 一番早いのは電話番号だが、確実なのは行き先の名前をインプットするのがいいだろう。
荷物をトランクに積み込んでいざ出発だ。めざすは沖縄南部。そう、悲惨な沖縄戦があったところだ。目的地は『ひめゆりの塔』。走り出すとけっこう軽快な動きをしてくれる。
カーナビがなにやらしゃべりだした。
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〜つづく〜
今回の旅行は、けっきょく駅構内にある「TIS」という「日本旅行」に申し込みをした。 インターネットですべてできると思っていたのだが、そう簡単にはいかなかった。よくわからなかったので、電話で問い合わせたところ、パンフレットを見て申し込んでくださいとのこと。どうもインターネットでは主要なもの、それに目玉商品くらいしか掲載されていないようだ。
窓口に行って内容を伝えると、「一番いい日程ですね。うーん、ちょっときびしいかもしれませんね。」と言って担当者はパンフレットをぺらぺらとめくった。 旅行会社ではパックものを主体に扱っている。要するに飛行機の便と宿泊先が決まっているものだ。その中でも「フリーパック」という、行った先ではこちらは自由に行動するものにした。
よく新聞の折込チラシで見かける「二泊三日沖縄旅行39,800円!」などは、行程が決まっていて、いわゆる団体旅行といわれるものだ。おそらく格安になるのは、お客が少ない時期をとっているのと、行く先々の観光地で業者との提携をしているためと思われる。ホテルなんか想像以上の格安なんだろう。当然、遊ばせるよりは、半値以下でも使ってもらったほうがいいに決まっているのだから。
私が申し込んだものは「JALステージ」という航空会社が組んでいるプランだったが、沖縄は車社会ということもあってフリープランではレンタカーも入れておかなければ自由に動くことができない。ところが別途申し込みをしなくてもレンタカーは入っていますよとのことだ。ということはレンタカー不要の場合はどうなるのだろう。割引になるのかな。聞いておけばよかった。
こうして沖縄の地に着いた私たちは、まずはじめにレンタカー会社に行くことになる。空港ロビーには、何社ものレンタカー会社がプラカードを掲げて申し込みをしている人に集まってもらうようにしている。私たちが利用するのは『ジャパレン』という会社である。申し込みをしている人たちが全員集まると、マイクロバスで近くの営業所まで送ってくれた。 手続きを終えると、準備された車に乗っていざ出発となるわけだ。 さあてどれになるのかなと案内された車にいくと、娘が言った。「お父さん、これお父さんが選んだわけ?」「いや、違う違う・・・」「ださいしー、もっとかっこいいのがいいーっ!」
車種は『ニッサン・キューブ』。箱型で室内はゆったりしているし、レトロ感覚もあり、私はお気に入りである。その他はほとんど『トヨタ・ヴィッツ』などだった。その中にひときわ角型のスタイルは目立つ。どうも娘はスタイルよりもその色が気に入らなかったようだが。 この若草色と黄色が混ざったような色はよく目立つが、逆に行く先々で自分の車がどれかはよくわかるようになる。
写真を撮っておくのを忘れてしまった。参考にカタログを掲載させていただこう。
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〜つづく〜
那覇空港の天気は晴れ。 着陸態勢に入ると、あのさんご礁に彩られた青い沖縄の海が目に飛び込んできた。ああ、やはり沖縄は本土とは違う、何か異国の雰囲気がある。
着陸は飛行の中で最も緊張する時でもある。パイロットは全神経を集中させて着陸のチェックをリストどおりこなしていく。その手の書物でもよく読んだが、『魔の3分間』とまでいわれているように、事故の多くは着陸で発生しているのだ。
巨大な物体が出力を落としながら、ふらふらと地上に近づいていくわけだから、危険このうえない。 どういうわけかそれまで安定していたのに、滑走路間際になると期待が左右にぐらぐらと揺れだす。パイロットが進路を補正していることもあろうが、どうやら地上からの気流の影響が原因しているようだ。そのようにかつて書物で読んだことがある。地上近くでは「エアー・バースト」という気圧が急に下がる現象が起こり、事故に至ることもある。
ドスンと車輪が滑走路についてしばらくすると、エンジンの噴出口にカバーがかかってエンジン出力が上げられる。ゴーッという轟音とともに身体が前につんのめるようなGがかかってくる。エンジンからの噴出ガスがカバーにはねかえって前側に放出されるのでブレーキがかかるわけだ。だから逆に出力を上げるほどブレーキが強くかかることになる。
スーッと速度が落ちてくると同時にエンジンの轟音も静かになった。 そして無事到着のアナウンスとともにゆっくりとエプロンに向かってタキシング。 例の空港ターミナルに横付けかと思ったら、そこまで行かなかった。そのうちタラップが走ってきて、私たちは降りた後、空港内のバスでターミナルまで移動することになった。
じつはその前、飛行機が着陸すると近くの御婦人がひそかに手をたたくのを目撃した。内心ほっとしたという感じで誰にも気づかれないようにそっと自分だけで手をたたいていたようだ。 ほんとはみんな少なからずそういう気持ちは持っていたのだと思う。
〜つづく〜
娘は『シグマリオン3』を見て言った。「なにこれ、いつの間にこんなもの買ったの。」「いやいや、これで沖縄に行ってもインターネットができるぞ。」「しょーもな、沖縄で何を調べるわけ?よっぽどこのガイドブックを持って行ったほうがましよ!」うっ・・・
私はそのままカバンから『シグマリオン3』を取り出した。そして思った。そういえばそうかもしれない。どうも私には不要な物をたくさん持っていくくせがあり、いつも妻からとがめられてきた。そしてついに娘からも。
それならばと『日経パソコン』やらガイドブック2冊、それに空港の売店で買った『サライ8月号』を紙袋に詰めることになった。どうも家のことやら空港のことやらがごちゃまぜになってしまったようだ。
9:20の出発だが、9:00頃から機内に入っていった。うーん、これから飛び立つのかと思うと浮かれ気分と同時に少なからぬ緊張が走る。 昔から航空機に関する本をよく読んできたため、へたにきゃしゃな機体構造を知っていると、ほんとに大丈夫かと不安になったりするのだ。
そういえばこの「ボーイング737」が沖縄の石垣空港でオーバーランした事故を思い出した。さらにハワイのアロハ航空が所有する「ボーイング737」が飛行中に期待の上半分が吹っ飛び客席がむき出しとなったまま奇跡的に着陸をすることができたことなども頭をよぎる。 この事故では、機体の老朽化が原因だろうと思うが、飛行機というもの、びっくりするほど長い年数を飛ばしている。20年、30年もの間、部品をとっかえひっかえしながら持たしている。
アロハ航空の事故では、スチュワーデスが飛ばされていなくなったようだが、シートベルトを付けていた人は助かっている。空気の中を高速で飛んだため、空気摩擦でやけどをした人が多かったようだが。 奇跡的な生還は、パイロットの機転の利いた処置が功を奏した。
そんなことを思い浮かべながら、スチュワーデスが案内する非常時の対処方法などを聞いた。そう、降りるまではシートベルトをはずさないぞと。
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〜つづく〜
岡山〜沖縄の道中は1時間45分だ。新幹線でいえば岡山〜名古屋のあたりだろうか。普通に考えると近いように思うが、じつは飛行機はその前後に異常な時間のロスがある。 乗り慣れている人はその辺の事情をよく知っているのでスマートに事を運ぶだろうが、それでも発車ベルが鳴っている最中に飛び込むなんてことは到底できない。なかなか面倒くさいのだ。
旅行会社の人が「搭乗手続きは1時間前からです。」と言っていたので、それに合わせるよう家を出発していた。実際は1時間30分前には到着していたのだが。時間がくるとアナウンスがあった。 しかし切符をどこへ持っていけばいいのかわからないので係りのようなひとに聞いてみると、すぐに席を決める機械に切符を入れて空き席を確認してくれた。え!空きがほんの少ししか残っていないではないか。「3人ですか・・・、続きの席は通路をはさんでしまいますけどよろしいでしょうか。」しかたがないではないか。
それにしてもよくわからない。1番乗りではないにしても、100人もの人が切符を機械に入れて席を決めていたようには思われない。団体さんなんかはすでに決められているのだろうか、そうに違いない、くそ。こちらの席は窓際ではなく、さらに悪いことに主翼の上だ。要するに外の景色は見えない。 ジャンボ機ならば室内にモニターがあって、そのような人のために配慮がなされている。しかし150人ほどの飛行機にはそんな余裕はない。通路は真中に一つで3席3席しかないのだから。
お次は何かというと、手荷物の手続き。バッグなんかを飛行機の貨物室に入れて運んでもらうわけだ。手荷物カウンターに持っていけば、係りの人がコンベヤーに乗せて金属探知機を通してくれる。バッグは全部で三つ、ひとりが一つを持つように妻が準備をしてくれていた。いつもだが、「自分の荷物は自分でしなさい!」とか言いながら、けっきょくは妻が整理整頓をして詰めてくれている。おそらく一週間以上前から少しずつ準備していたようだ。必要な物品も仕事帰りに調達してきていたし。
私が準備するものは、たいていお遊びグッズくらいのものしかない。例の『シグマリオン3』を絶対持っていこうと決めていた。3月だったか購入したとき、使いもしないインターネットや家のパソコンを操ろうと、毎月高い料金を支払って「アット・フリード」の使い放題通信に加入した。けっきょく4ヶ月経った今も全然使っていないわけだが、じつはひそかにこの日のために解約をせずに待っていたのだ。そう、「沖縄の空の下」で優雅にインターネットなんぞをとたくらんでいたのだ。
しかししかし・・・
〜つづく〜
またまた日にちがあいてしまった。ただ今回はわけがある。この連休を利用してひさびさの旅行に出かけたからだ。
この暑いのに沖縄まで行ってきた。この話題で1週間いや2週間はなんとかなるかといいかげんなことを思っている。どうも最近、話題がなくて困っているのだ。いつものかったるい内容よりも、少しは異国情緒がただよう沖縄の風景やらを日記にまとめたほうが、ほんの一部の愛読者へのサービスというものだろう。
ということでしばらくの間は、沖縄の物語でがまんしていただこう・・・。
<第1日目> この日はみなさん、お仕事なので朝は渋滞する。それを見越して朝早く家を出ることにした。9:20岡山空港発なのだが、7:00にはそわそわと家を出たのだ。新幹線と違って相当の時間の余裕をもって行かなければならないのが、飛行機の弱みだ。遅れると次の便がないのだから。とはいっても慣れている人はスマートに事を運ぶのだと思う。どうも朝からそわそわとして落ち着かないのは田舎人の証拠かもしれない。
さすが7:00では車も少ないが、それでも出勤に急ぐ人たちはあわただしくハンドルを持っている。こちらはちょっとしたバカンス気分なので、そういう部分を離れた位置から垣間見ることができる。そしてほとんど渋滞に邪魔されることもなく、空港に到着した。まだ8:00もきていない。しかし、近くの駐車場は満車状態で、かなり離れたところに車を止めることになる。
かなりの大荷物をもってロビーに入っていったが、閑散としている。まあローカル空港なのでこんなものかもしれない。外にはひさびさに見る『ボーイング737』が駐機している。沖縄行きはこの150人乗りの小型旅客機になる。これを見た娘は不満だ。「なにこれ、ちっちゃい! 飛行機はやっぱりブルーだよね。」 じつは数年前、東京に行ったことがあるが、その時はたしか『ボーイング767』か『エアバス』だったように思う。こちらもそんなに大きくはないが、200名以上は搭乗できた。それに比べ、『737』はずんぐりむっくりでお世辞にも格好がよいとは言えない。
ジェット機はどれもそうだが、主翼の大きさがこんなんでほんとに飛ぶの?というくらい小さい。今回の席は主翼のすぐ横だったのであらためてそう思った。
じつは20数年前の新婚旅行は沖縄だった。当時はこの岡山空港はなかったので大阪・伊丹空港からの出発だった。飛行機はジャンボ・ジェット。ジャンボは図体が、けた違いに大きいが、飛行機に乗っているという実感ではあまり興味がない。離陸したかどうかもよくわからないくらい安定しているし、離陸時の背中にかかってくる圧力も弱い。当然上空でも気圧の変化での浮き沈みも少ないだろう。 その点、小型機になればけっこう緊張感がただよってくる。滑走中のタイヤのごとごとした振動、加速したときのG、それにバンクをかけたときの動きも速いから思わずうっと身構えてしまう。
依然にこの日記でもご紹介したが、ヘリコプターにはじめて乗ったときの緊張感はたまらなかった。特に降下するときの身体がふわっと浮くような気持ち悪さはちょっと病みつきになりそうだ。そこまでではないにしても、小型機のほうが楽しいに決まっている。
そんな私の少年のようなはしゃぎぶりにあきれて、二人は寝たふりをしている。〜つづく〜
「コパン・ドゥ・サクソ」のメーリングリストから京都在住の「らいらいけん氏」よりメールが届いている。
内容は、例の『漆塗りウクレレ』の写真を撮ったということで写真が添えられていた。この写真、プロが撮ったということでなんと実物よりも仕上がりがよい?ではないか。この写真では木目がくっきりと写っており、どう見てもインターネットで購入した6,000円なりのキットとは思えない。 実物を手にとって弾いてみると、やはり筋金入りの木工職人だけあって、組み立て、仕上げとも比類ない秀作と感じた。それにキットにはない指板にほどこした貝のインレイなんか心にくい。
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表面板の裏側補強が少ないためか、弦を張ると少し陥没しているが、この写真ではそんな部分は写っていない。おそらく光線の具合がいいのだろう。 ウクレレ歴30年のベテランO氏の試奏によれば「いい音してるじゃん」とのこと。まあ、キットが6,000円なのでそんなにいい音を望むべくもないが、佳作といったところか。そうそう忘れていたが、「漆塗り」の工数を含めると10倍ではきかないと思うが、さらに人間国宝候補も加味するとはたして値段はいかに?
じつは『漆塗りウクレレ』を取り上げたのは、本体そのものよりも写真の写し方でこんなにまできれいに見せることができるのかとびっくりしたからだ。こういうと「らいらいけん氏」には失礼だが、はっきりいって本物よりもいい。塗りそのものは人間国宝級が作業したのだから文句の付けようがないが、それにしてもこのあいださわったウクレレとは思えない写りなのだ。
どのように撮影したのかは知る由もないが、黒の背景、そして鈍い光線の当たりなど、撮影技術に興味がつきない。そういえば料理の雑誌なんかに登場する写真は、おいしく見せるための撮影方法を駆使しているようだ。素人が撮るとそれはみじめな写りになってしまうのである。写真雑誌にもよく例題として載せられていることがある。
ちょっと興味をそそられる写真であった。そうそう、「らいらいけん氏」によれば、ウクレレではなく『うるれれ』だと。
コパン・ホームページ・管理人日記の画像が容量オーバーになった。このホームページはヤフー・BBが運営しているジオシティーズという名前のものだが、無料ということもあってずっと利用させてもらっている。
ただ日記は、ジオシティーズとは関係ない『エンピツ』という有料版を利用している。この日記に使用している写真画像は、これまた複雑でコパン・ホームページの画像データでは『エンピツ』の日記から見ることができないのだ。このへんのことを説明すると頭がこんがらがってくるので割愛するが、日記用の画像は、じつは別のホームページを開設してそこに保存している。 私がそこに開設しているホームページを開くと、すでに一年が経っているというのに、いまだ「いましばらくお待ちください」とか笑ってしまうコメントが入ったままだ。ほんとうは2、3ヶ月たってもデータがアップされなければ削除するとか書いていたと思うが、こういういいかげんな管理で恩恵を受けることもあるのだ。 もうひとつ言うと、『エンピツ』の有料版はこの6月で1年になるので次の分の料金を振り込みしなければいけない。督促がすでにきていて、入金がなければ無料版に移行するとなっている。ポップ・アップ広告が掲載されるようになるのだ。が、ほっといているのだが一向にその気配はないようだ。管理不足かな?うしし。
で、ここに保存している日記の画像データが制限容量に達してしまったということである。今どうしているかというと、新しい画像を入れるために古いものから削除している。まあ、この日記、閲覧者は限られているので(うっ、数人か)、古い画像なんか不要だろうということでそうさせていただいている。
話は変わるが、ヤフー・BBは話題に事欠かないくらい問題が次々と発覚している。データ云々もそうだが、私にとっては、以前からメールがすぐに送れないということと、今困っていることはIP電話の調子がいまいちということだ。メールは最近になって8割方は送れるようになったが、電話の調子はときどき声が変になるので困りものだ。声の音程が1本調子で、ロボットがしゃべっているような感じになり、何を言っているのかわからなくなるほどなのだ。 じつは少し前までは、Mみさんとのホット・ラインはこのIP電話でやりとりしていた。長時間でも無料なのでしゃべり放題だった。が、ついにMみさんちはヤフーをやめてしまった。ロボット音声に悩まされたのが原因である。
ヤフーの問題やら、画像の容量のことやらで、今、プロバイダーの変更を検討している。変えるとなるとこれはこれで大変な手間が待ち受けている。はたしてどうするべきか・・・。
ほんとうのサブ・トーンはいまいちよくわからないが、風の音がズズッとかスーとか入ればいいような気がするのだが。
たしかにアンブシャーを変えることで音色は大きく変化する。特に低音はバリバリからボワーに変わってくる。これがサブ・トーンだと思ってはいるのだが。 雑誌ジャズ・ライフにサブ・トーンをよく使うプレイヤーとして「スタン・ゲッツ」をあげていたが、え、ああいう音がサブ・トーンなのと思ってしまったのだ。たしかにバリバリではないが、かといってそんなにズズッという感じはしないのだが。
歌謡曲の伴奏なんかではけっこうむせび泣くテナーが登場するが、これぞサブ・トーンと言いたいのだがはたして真相はよくわからない。松浦ヤスノブのテナーは、風の音の中に音色が混じっているというくらい、激しく息を漏らしているのか尺八風の音を出している。私はこれがけっこう好きだ。
この夏に予定されていた「コパン・ドゥ・サクソ」は都合で延期されたが、エントリー曲を『鈴懸の径』にしていた。テナー・サックスとCDによる伴奏の市販楽譜である。このシリーズはアルト・サックスもあり、何巻にもわたって出版されているので、重宝している。アレンジがなかなかよくできていて、それなりにジャズの雰囲気を出してくれる。
この『鈴懸の径』もオーソドックスはジャズ・アレンジになっていて、小気味よくスイングすることができる。テーマのメロディー・ラインは中音以上の音を使っているのでむせび泣くことはむずかしいが、アドリブに入ると最低音近くまで降りてくるのでちょっとそれらしいことをしようとか思って練習していた。 この曲は日本の歌謡曲でナツメロになるが、どういうわけかよくジャズアレンジされている。鈴木章二のクラリネットで大ヒットもしたようだ。 我がハワイアン・バンドでもレパートリーとしてよく演奏する。最初は3拍子でスロー・テンポ、次にスチール・ギターのブレイクが入ってハイ・テンポの4ビートに変わる。ベースはせわしなく動き回るが、少々違ってもわからないし、別におかしくもない。4ビートはどんな音でも使えるからリズムさえきちっと出せればアバウトだらけでいいと勝手に思っている。
さあてこれから夏本番、がんがん吹きまくるか、暑さに負けてうなだれるか。どっちでしょう・・・。
先日、ハワイアンの練習中に京都在住の「らいらいけん氏」が訪れた。
かねてより噂の『漆ぬりウクレレ』の試奏のためである。そう、「らいらいけん氏」は漆にかけては国宝級と一部?では言われているが、ウクレレに関してはまったくの素人で弾くことはぜんぜんできないようだ。
ではなぜウクレレと謎は深まるばかりだが、どうも漆塗りのサンプルとしてお客さんに提示するためのもののようだ。おそらくウクレレに漆なんかだれも考えがつかないと思うが、この意表をつくアイデアはやはり「らいらいけん氏」ならではかもしれない。
さっそくウクレレのベテランO氏によって試奏が始まった。いやなかなかシャカシャカと小気味よい音色だ。おそらくO氏の腕もあるのだろうが、他のウクレレと弾きくらべても遜色ない音をしている。音というものは楽器そのものの構造、材質によって決まるわけだが、塗装もそのうちの重要な要素だ。木製の弦楽器にはセラックニスがよく使われるが、最近ではアクリル系の塗料も多いようだ。じつはこの塗料の材質、塗り方で響きが変わってくるようだ。
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はたして漆が与える音響効果は・・・私にはよくわからない。ちょっと考えると、固くて軽いものがよく響くような気がする。おそらくセラックニスはそうなんだろうなと想像する。それにひきかえ、漆はどうか、「らいらいけん氏」から購入したお椀の取り扱い説明書には、半年くらいかけて漆は硬化が進むと書いてあったような気がするが、時とともに固くなっていくのだろう。だとすれば、期待できるような。 それにしても漆は乾燥に時間がかかるので、商売にはならないだろう。このウクレレも20回ほど重ね塗りしているそうだが、一日に一回しか塗れないので、塗装だけで一ヶ月ほどかかってしまうのだ。
こうして京都在住の「らいらいけん氏」には、興味つきない話題をまいてもらっている。
今週も滋賀県のMさんからメールを心待ちにしていた。
http://www.imagegateway.net/a?i=o7ICcadCoJ
なかなか日記に向かうことができないでいるが、こうして写真の便りが届くとほっとする。 前回よりも少しずつではあるが、開花が増えてきているようだ。これ満開になると、どんな光景になるか興味深々である。本数が半端じゃないから圧巻だろう。あたり一面がピンクに染まるのだろうか。いや、蓮の葉っぱがけっこう大きいので、ちょうどよいバランスの色彩になるだろうと期待している。
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ちょっと来週が楽しみだ・・・。
きのうは会社の車で出張だった。
私のポンコツと違って、カーステレオは音響がいい。それにCDをかけられるのだ。当たり前か・・・。我が愛車はカセットデッキが故障して数年になる。もうガーガーとノイズが激しいラジオしか機能していない。歌のいいのがかかっている時なんかは、車を横に止めてエンジンを切る。そうすればノイズが少なくなるので少しは快適に聴くことができるというわけだ。
出張に行くときはCDを数枚用意する。しばしの快適リスニングを満喫できるからだ。きのう持っていったCDは、ジャズとしてアート・ペッパーのアルトサックス、それにフィル・ウッズのウイズ・ストリングスもの、歌物としては、太田裕美の往年の名曲シリーズ、そして山川 豊、ちあきなおみの「黄昏のビギン」が入ったカバーもの。太田裕美の『木綿のハンカチーフ』はリピートをかけて聴くようにしている。淡い恋愛の詩がなかなかいい。そういう経験のない中年男性にとっても、何かしら新鮮味があって心地よいのだ。
ちあきなおみのこのCDはいい曲がたくさん入っている。タイトル曲となっている『黄昏のビギン』は、中村八大作曲、永 六輔作詞の名曲だが、リバイバルヒットしている。それに『星の流れに』『東京砂漠』『黒いはなびら』『宵待草』『カスバの女』などなど、中年以上のおじさんにはこたえられないものばかりだろう。いや、今となっては中年よりかなり上のお方たちということになるかもしれないが。
アートペッパーの『ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ』や『枯葉』なんかはアドリブも抜群に歌っている。ほんとうに真似をしたいフレーズがいっぱいだ。おそらくジャズ通はこうしてレコード、CDを聴きまくり、身体で覚えていくんだろう。こうでなければ音楽なんか身に付かない、と思う。
まあ、こうしていらないことを考えながら、そして聴きふけりながら車を運転していると、もう目的地についた。
仕事が済むと、さあてまた聴くかと力が湧いてくる。不思議と疲れが消えてくる。ほんと不思議だ・・・。
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