水草が、無力にたゆたい。 灯もない水嵩の深く。 ようやくひらける濡れた闇の空。 風下で唸る渦巻きの溝。 夜の空、そんな風だった。 台風過ぎて、晴れてしまうかな。 家にいる日なら雨が好いけれど、お出掛けする日は曇りが好い。
バイト大変。 指先が火傷だらけで、皮膚の奥がヒリヒリと疼く。 小指だけでグラスケースを持ったら、皮の中でお肉がずれた。 ヒリヒリヒリ。 明日もバイトで、11時間勤務。 今日は9時間の筈だったのに、お客さんひかなくて結局、最後まで居た。 夕べ全然寝付けないまま4時間以上が過ぎて、眠ったのは30分きり。 それでお仕事してたから、後半は頭の中がぐらぐらして気絶しそうになってた。 今日は寝れるか。 お薬飲もう。 もう眠くなった。
昨日、電車の中で嘘眠りをしながら。 もう目が見えなくなれば良いのに、と思ってた。 今日、バイトに行く電車の中で、爪の白い半月が前より大きくなったことに気付いた。 あたしは生きてて、最近は毎日忙しくしています。 ギターを弾き続けた小指の先が腫れて、お肉が潰れて、痺れて、感覚が無い。
腕が切りたいなぁ。 血を見たい。 時々、一瞬、血錆の臭いがすると、発作のように腕が反応する。 だけど、理性の有る人間として、バイトの事を考えてしまう。 接客業は好きで、腕の傷は飲食店に無い方がいい。 それは少し分かってきた。 腕を切る病だなんて、何も知らない人にとっては有り得ないことで。 あたしの腕を見て、角で引っ掻いたかなんかだと思っている。 でもそう思われていた方がいい。 だってあたしの左腕はまだ使えるもの。 これからこの傷だらけの躯を、何年引き摺って行くのか考えた。 今日できた傷も、明日できる傷も、未来であたしが決して失くすことはない。
色んなことを思い出してた。 恐い夢も見た、また追いかけられて、一晩中逃げてた。 死んでしまったひとも、忘れてしまったひとも。 あたしの記憶の中には居る。 夢で話した。 自分だけで終わることはない。
8月20日。 また来るその日。 また来る、あたしの終わりたいやまい。
地震こわかった。
居なくなる太陽に灼かれてた富士山の映像が綺麗で、見入った。 今日から少し学校がお休みです。 でもバイトも同じだけお休みなのでやることない。 いま、曲を渡されてて、詞を書いてます。 うまく出来ない。 でも書いてる。 頭の中で、たくさん自分の言葉を探してます。
うたをうたいたくなくなる気分の時があって。 あたしはもう、うたわないひとなんだと思う。 死にたいと思いながら生きている時と同じ感覚で、そう思うけれど。 やっぱり生きているように、結局うたいたいと思ってた。 分かり難いこの脳味噌。 身体は傷付けたいと思うし、傷付きながら生きることが普通なのもわかるけれど。 疲れて仕舞って、全部がいやになる。 あたしはまだまだ大人に成れない。 成りたくもない。
またあとで。
気持ちが悪い朝、泣きそう。 眠ったけれど、足りない。 イライラする言葉は、選ばれない言葉。 愛想笑いの食堂に、目障りなひとたち。 見ただけで吐き気がした、だから違う部屋で朝食を摂った。 甘い味。 パンも、バターピーナツも、半熟の黄身もフルーツ缶も。 甘ったるい、喉の奥が熱くなるような、気分の悪い味。 あぁ、何処かの部屋で電話が鳴ってる。 大嫌いな音。 ヘリコプターも嫌い、雨を嫌って雨の日を不幸がるきみが嫌い。 あのひともあのひとも全部いや。 昨日の楽しさも、今日の苛立ちも、明日の虚しさも、全部いや。 音楽も聴きたくない、何もうたいたくない。 喉を潰して、声を枯らした。 不自然な楽しさ、愛想笑い、目障り。 眠い。 誰も見たくない。 ひとより、あたしが消えれば善い。
緑色のマニキュアを足の爪に塗った。 明日からバイトだよ。
気付いたら学校で上手くやれてるみたい、あたし。 昨日、クラス半分以上の女子に集中突っ込み入れられてた、あたし。 何故か好きだと言われたけれど、あたしには誰かを好きだと言える余裕も無い。 あたし、崩れてゆくようで。 やっぱり誰にも触れない。 あたしはあたし。 此処からは誰も何も入れない。
平均睡眠時間がまた日に日に少なくなってる。 なんて寝付きが悪いのかしら。 晴れたら太陽がすぐに窓枠から光り入れてくるから、もう寝るなと云われてるようで。 短すぎる夜。 夏は近い。 宇都宮に行きたい。 たくさん雨が降って、雷が響いたら、蛙たちが祈るように啼いて。 あたしは眠る、窓を開けたまま、そんな贅沢なお昼寝がしたい。 なんだか忙しかったりする毎日。 時間を巧く食べれない。
あのひとたち、みんなで嘘吐いてるみたい。 そんな気がして、疑い続ける。 居心地の悪い、1時間30分。 腕を。 腕を。 腕を。 刺したい。 傷付けたい、自分。 醜いあたしを、その場で殺したい。
僕の背中にカッターの刃を。
⊂君の不幸を願わない日は⊃ |
2003年05月18日(日) |
あのひと喜ぶと腹立つ。 喜ばないで、潰れたまま、いて。 あんなこと言って、ひとを否定しても。 一番ひとを想っていないのは、あのひとだわ。 あのひとに抱く嫌悪感は、いまでも変わらない。 嘘ついてばかり、知ってるのよ。 皮肉混じりの御見舞いを云った。
母乳や涙の成分中に痛みを鎮める効果が見付かったんだって。 モルヒネに近い効果、ってどのくらいなんだろう。
風邪を引いた。 声が枯れて、安心して。 なにも喋らないで過ごしたい。
傘を買った。 コンビニでビニールの、透明な傘。 今年の雨はこれで大丈夫。 雨の傘より太陽の傘が欲しい、雨より光のがいや。
言葉って怖い。 信じてる、とか見えない圧力だよね。 忘れてた。 あぁ、とても重たい。 いいこにしてろ、ってことね。
午前中は先週から続く吐き気と胃痛で、お薬を飲んで寝込んでたけれど。 授業に出るべく午後は学校へ行った。 そう、ビニール傘と飲物を買って歩いた。 今日は生楽器とうたったけれど、ドラムの音がとても怖かった。 破裂しながら、心臓と噛み合わなく、肺が余計に叩かれて痛かった。 ドラムとベースの音が好きだったのに、嫌になった。 威圧の音がしてた。 帰りに本屋さんに寄ったけれど、突然胃が痛くなってしゃがみこんだ。 暫く病院になんて行って無いし、これからも無理そう。 明日も晴れなくていい。 もう少しの間、太陽は見たくない。 雨の音だけ聞いてたい。
そういえば、実家のてっせんが咲いてた。 綺麗だった。
これ以上、腕へ行ったらバイトも何も出来なくなるの。 知ってるから、じゃぁ次は何処にしよう。 痛めつけるのは、駄目な自分を、殺しても殺しても。 殺し切れないくらい、駄目でどうすればいい。 頭の中で思考が溢れ出し、痛くて眠れなかった。 頑張れない自分、いつもそう。
これからまた、うたの時間。 みんなで仲良く、おうたをうたう。 今日も明日もうたを。
雨降った。 沖縄も奄美も梅雨入りしたって。 傘、買わなきゃ。
心が戻ってこない。 眠るだけ眠っても、頭痛いが続いていやね。 うたをうたいたくなかったけれど、うたわなきゃいけないから。 好きな曲をかけたけれど、部屋の中をただ反響するだけで。 耳の中に来なかった、背中から響いて、音だ、と感じるだけだった。 トロいあたしに、現実は以外と早くてね。 朝なんて、すぐ来る。 そして夜になって、終わる。 瞬きのたびに空は明るくなって、うんざりする。 あぁ、うんざりする、地球も太陽も。
バイトが怖い。 バイトはしていたけれど、何時、不安になるのか。 何時、疲れるのか、何時、息が出来なくなるのか。 何時、眠たくなるのか、怖かった。 笑えなくなった時あの、ひとの群が疎ましくなって。 悲鳴を上げてしまう様な気がする。 でも頑張らなきゃ、生きれない。 普通には生きれない。
うたをうたったら、雲は無くなるようだったけれど。 雨は降った。
自分の言葉が見付からないから、もう寝る。
地震が大嫌いなあたし。 東京に上京してから始めての地震体験に恐怖しています…。 4階に住んでいるのですが、建物が転がるように揺れてるの恐ぃ。 あたしが倒れそうな訳じゃないのよね? これ地震よね…? そのうえ、椅子の上にお座りしていたから更に揺れて恐いのよ。 床にへたり込んだ…。 あぁ、おさまったぽい。 よかった。
木曜日の授業は、ひとが身体だけしかなかった。 あたしが下を見すぎているの、誰の頭も見えなかった1時間半。 苦痛 場違い 早く帰れ 居なくなりたい、居たくない と、 頭の中でたくさん繰り返した。 駄目なあたし、気持ちが何処かで棄てられた。 あまりに冷静過ぎて、あたしは其処に居ず、気がちがいそうで、俯いた。 足下、には何が見えるの。 あたしの足が、一瞬浮いた。 うたえない場所、うたわせてくれないひと、うたえないあたし。 今日も明日もうたをうたわなければいけない。 声を出したら吐いてしまいそう。 でも、言葉をはなすより、うたったほうがとても楽。 喋れないあたしは、うたう。
あたしはもう大人なんだ。 あたしはもう子供じゃない。 あたしが否定している。 大人だけれど、大人じゃない。 子供じゃないのに、子供のようだ。 未成長の肝心な心が、足の甲から、あの日の場所に杭打った。 あの頃の泣きたかった地面に、あたしは立っている。
青空に溶けてしまいそうな一本道。 あたしはオレンジ色のサンダルで、紛れてしまわないように歩いた。 夜になり、湿気帯びた生温い風は、増々の強さで沸きあげて。 脱走を斡旋するかのように、背中から強く吹いた。 走って、見付からないように。 あたしはうたう。 音楽の活動が、一応決まった。 今後の活動状況と音楽性、あたしのペースに因っては潰れて仕舞うかも知れないけれど。 うたう場所は出来た。 目に見えて、続かない。 はぁ、駄目だあたしはきっと。 だけどみんないいひとで、よかった。 空は濁り、流れてたよ、今夜。
あたしらしく居るための大切な事に、今日気が付いた。 でも学校を当て嵌めて考えたら、少し違ってた。 普通な事は学校に行く事だけれど、あたしの普通は音楽がやりたいこと、で。 学校に行く時間を割いて、音楽づくりをしているあたしは間違っているか、とか。 脳内迷子。 思いきりうたいたい、喉の粘膜が裂けて血が出てもいい、耳が潰れるくらい。 なにか叫びたい。 なにか、を強い力で、つぶしたい。
パチンコ屋さんの自動扉が開いたら、 エアコンの冷風と煙草の匂いが、生暑い道に流れ出した。 苦くて乾いていて、裏山の淵の匂いと似てた。
思い出す夏に何時もあたしはひとりで、視界は橙に霞んでる。 毎日たくさん友達と遊んでいた気がするのに、あたしはひとりで庭の中。 何処かとても閉鎖的な気配と、何時の間にか得意になってたひとり遊びの中、屈折してゆく誰かの面影。 裏山には魔女が棲んでいて、あたしも何時か魔女になろうと決めた。 無意識にも居場所を探しはじめてた9歳の夏に、あたしの側には誰も在なくなっていて。 青々と匂い立つ庭も、蝉の耳鳴りも、夕立の唸り声も、あたしには違う側に在る何かだった。 誰かよりも、優しかった。 傷付けず、傷付けられず、息をしているだけの、生きる。 太陽の差す光に含まれて、じめり、と少しだけ夏はあたしを嘗めた。 砂利道に横たわるイメージ。 地球から生まれた草が身体を突き破り、空へと伸びて行く。
焦げた血の匂いを思い出して、明日は今日に繋がり続く、眠りも境にせずに。 一生を昨日と明日に分けて仕舞いたくないのよ。 眠っている間も生きているし、今日の死骸が昨日なわけでもない。
コンビニで温めてもらったお弁当を食べながら、泣いた。 どうしても哀しくて虚しくて、堪らなく苦しかった。 携帯の電源を切って、本当は、電車に乗る前から、ずっと泣きたかった。 案の定、あたしはあの場所で喧噪という孤独に潰されていた。 あまりにも騒がしくて、目の前が分からなくなって、少しだけ鼻の奥がツンと、泣く合図をしてたから。 あたしは逃げ出すように、さようならの挨拶をする余裕もなく、駅へ向かってた。 あたしは今の自分をまだまだ、誇ることは出来ない。 駄目な生き物。 今日、何回にげた。 本屋に逃げた時は死んで仕舞いたかったし、トイレに逃げた時は腕を切って仕舞いたかった。 とても疲れた、でも明日も続く。 あたしはちゃんとひととお話を出来るようにならないと。 出来ない。 脳味噌の真ん中に、石が在るみたいだわ。 何処か引っ掛かって、割れない。 それだけが、どうしても出来ない。
ニュースを見ないと不安で眠れない。 何処かの国で争いが始まる頃から、眠る前、目が覚めた時、携帯でニュース速報を見る。 テレビも何時もニュース。 不安で生きれない。 戦争の反対を街の中で叫んで、意味がないとは思わない。 どう思ってもなにも変わらないなんて、ただ興味がないのと同じ。 幸せを祈る間にも世界中でひとは死に続けて。 誰かの為に涙を流す暇もない。 あたしは今日、とても楽しい時間のあいだ、其れ以外を忘れていたけれど。 座り込んで、気付いて、あたしが楽しんでいた間にどんな事件が起ったのかと思ったら。 ちいさな罪悪感がうまれて、動けなかった。 そんな事を思い始めたらキリが無いの、分かっているのに。 聞き分けない。
明日もあの場所へ。 元気で居れますように。
目がちゃんと覚めるように、携帯の目覚ましを掛けて眠った。 夕べみた夢はひとつきりしか覚えてない、いつもは3つ4つみたのを覚えているのに。 目が覚めた時も朝か夕方か夜か分からなかった。 何もないのだから何時でも良いんだけれど。 でも変な不安だった、目を覚ました病院のベッドの上みたいに。 此処は何処だろうと思って、目を閉じるのが恐かったから、起きた。
夢はなんだろう。 やりたいこと増えて、あたしは何時まで何を出来るか考えた。 やりたいことがあればあるほど、ひとつづつは軽くなりそうでいや。 全部ちゃんとやりたい。 でもひとつのことはひとつ、其れ以外は何時でも捨てれる。 でもそれはいや。 出来る限りの色んなことを真剣にやりたい。 あぁ、難しいな。
心臓が鳴って、耳障り。 目を閉じると腫れ上がったような圧力で心臓が鳴る。 寝ようかなぁ、なんだかずっと眠たいままだから。 明日はお出掛け。 明後日も、明々後日も。 たくさんのひとのなか、もうあたしが呑まれることはないけれど。 でも何か場違いさと、拭い切れない虚しさが取り巻いているようで。 ひとりになりたくないのに、孤独にされる場所へ飛び込む。 ひとの声も、耳鳴りも、同じよ。 ひとりでいればいいのに、あたし。
長い休みはただの長い休みなだけで、やることない。 やることあるけれど、体内時計が壊れてて、眠い。
昨日は良く電話した。 その子は友達の言葉に傷付けられて、苛々が移ったらしい。 其れを上手く宥めるのは苦手だけれど、話をすり替えて楽しい事を話せばいい。 笑うことは忘れることかしら。 でも、忘れたいのだろうから、其れで十分に都合が善い。
テレビを観ていたら、深夜に電話が来た。 打ち合わせ、と1時間以上も喋っていたけれど結局、ひと恋しくなっただけだって言っていた。 いままでひとりで居れたものが、何故ひとりで居れなくなったの。 あたしは彼の中身を崩したかしら。
月曜日にお母さんがコーヒー味のワッフルを買ってくれた。 地元から東京へ戻る、電車の中で食べなさいって。 あれは正夢だったかな、改札口までお見送りに来てくれた。 あたしはお母さんの家に泊まっている間、出来る限り努力して良い子を勤めた。 口ごたえはしなかったし、食器も全部洗うのはあたし、朝ご飯も作ったし、お湯も沸かした。 お布団も干して、妹の代わりに犬の世話も。 怒らせないように、喜ばれるように。 また、出て行け、と云われない為に、目の前のすべてを元に戻した。
あぁ、なんか眠たいけれど、今寝たら夜が眠れなくなる…。 お出掛けしようかな、ジャスコに。
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