2004年03月31日(水)



【傷痕】


抉る様に削られて
今も尚膿んだままの傷がある


相手はとっくに忘れただろう
私のことなど
そう思うたびに傷がまた疼いて


膿みが今にも吹き出しそうに
ジュクジュクしたまま
異臭を放つ


何処かに治す薬はありませんか
このままだと膿みは
少しずつ少しずつ私の心を蝕んで


きっと全てを腐らすだろう





2004年03月30日(火)



【メシア】


彼の地の王のように
理想を掲げて歩めば良かったのか
たとえ数多の犠牲を出しても
理想の為と割り切れば良かったのか
ただ 空に瞬く星を眺め
メシアを待つのではなく


自ら望み
自ら歩み
自ら殺め


我が手で血塗られた歴史を
もう一度繰り返せば
我こそメシアになれたと


否、否、きっとそれでは
一方はメシアでも
もう一方の人々の目には
地獄のサタンに映るだろう


全てを救う術など
きっと人類絶滅しかありえない





2004年03月29日(月)



【小さなとげ】


友達との会話に隠れる
小さなとげが痛い
無意識?
それともわざと?


どうしても距離を測りかねて
入り込んでは傷つけられたり
締め切ってはこじ開けられたり


寂しいと心は鳴くのに
時々全てが煩わしくなって
寂しい けど面倒くさい
相反する気持ちが態度を曖昧にする


そうして小さなとげを抜けないまま
今日も何気ない言葉を吐く裏で
吐き出せない何かを
心のどこかに苦しく溜め続けてる





2004年03月28日(日)



【すべて】


すべて中途なままに
投げ出されている


編みかけの マフラー
書きかけの 小説
泣きかけの 空の絵


筆を折ったのはいつだったのか


アタシの世界は
中途なそれらで造られていて
それが全てで
泣きたいほどの情熱も
湧き上がるほどの激情も


いつかの雨に溶けて消えて行った





2004年03月27日(土)



【崩れる】


足元から崩れるのを感じた
根底から僕が壊されて行く


望んでいた未来は
こんなものだったのだろうか
両手を見つめながらそう思った


泣きたい位の現実が
僕にはとても残酷で
見据える勇気が僕には無かった


きっとその時から
僕は壊れていたのだろう
哀しい事だけれど





2004年03月26日(金)



【詞 ―コトバ―】


君の詞―コトバ― が
躊躇う僕の背中を
静かに後押しする


走って
進んで
目指して
もっと


そう囁くように
静かに降り積もる詞
やがてそれらは
透明の羽根となり
僕の背中を包むだろう


躊躇うばかりの意気地のない僕を
いつだって励ますのは
君の真っ直ぐな コトバで
足踏みばかりの怖気づいた僕の背中を
いつだって押してくれるのは
君の 真っ直ぐな 生き方





2004年03月25日(木)



【涙】


どうして
泣こうと思った時には泣けなくて
泣いちゃ駄目と思った時ほど
涙は零れて来るのだろう?


我慢しようとすればする程
頬が強張って 涙腺が緩くなる
これかだから女は と
言われるスキを私自身が
生み出している


嗚呼
嗚咽をもらすのだけは嫌
両手で口を抑えた
負けたくないのに
負ける私の未来が見えて


私は視界を閉じた





2004年03月24日(水)



【嘆いていた】


僕はいつでも嘆いていた


目の前の現実に
辟易する自分に
侮蔑的な世界に


今の僕を変えるのは
僕だけなんだと呟きながら
それでも嘆いていた


変わらない僕
飛べない羽根
明けない夜
足に絡み続ける草の根


全てを決めるのは僕自身なのに





2004年03月23日(火)



【雨、空、月】


雨が冷たく打ち付ける地面を
ただじっと見つめていた
僕はじっと
ただじっと
それしか出来ない様に
眺める


空が優しく映る地面
見つめる先には水溜り
僕の顔もおぼろげに映る
絶望に打ちひしがれて
それでも
後戻りする事も
進める事も選べずに
佇んだまま


そのうち夜が来て
月が静かに照らす地面を
ただ僕は踏みしめていた
足だけに神経を集中させて
それでもなお
僕は ここから
動けずに





2004年03月22日(月)



【情けない】


何故こうもみっとも無く
生き恥を晒しながら生きるのか


嗚呼 CDの音が飛んだ
プツリと途切れた
今の僕の道みたいだ
途切れた道は
もう何処にも繋がらない
そんな気さえして


みっとも無い
情けない
下らない
馬鹿らしい


全てがモノクロに見える
そうしてそんな自分さえ情けなくて
もう涙も出ない






2004年03月21日(日)



【言葉】


言葉に詰まる
喉が渇く
慌てて空を仰ぐけど
あっという間に視界が滲んだ


嗚呼


嗚呼


何故こうも僕は
中途半端なまま
生きていられるのだろう
こんなにも吐き気が胸を支配し
あの憧れた空さえ
夢さえ
滲んで霞むと言うのに





2004年03月20日(土)



【止め処ない事】


考えても仕方のない事に時間を割いて
胸に残るのは自己嫌悪と
コンプレックスの再確認


止め処ない事は容赦なく
たった今も僕の思考を絡めとり
身動き出来なくさせるけど


それでも前を向いて
それでも上を向いて


星は今日も変わらず瞬いてる





2004年03月19日(金)



【生きてくこと】


生きてく意味とか
そんなの後付でいくらでも
どうとても
君の好きなように


だから
迷っても、躓いても
諦める事だけは選ばないで欲しい


今君が居る奇跡を忘れないで欲しい


悩むのも苦しむのも
君が人だから、生きてるから
それ以上どんな答えを望むの?





2004年03月18日(木)



【すり抜けて】


この両手から何もかもが
すり抜けて落ちていく
感情さえ僕一人置いて行く


風を受けて
足元からぐらつくのが解るんだ
根本から間違っていたなんて
気づきたくないし解りたくも無いのに


言葉は今も空回り
携帯の待ち受けを見ては
メールも着信も無い事に傷つく


どうしていつもいつも
大事なものから
すり抜けて行くんだろうね





2004年03月17日(水)



【引きずる】


ズルズルと汚く感情を
ずっと引きずったまま
今もきっと生きてる


こんなにもどす黒い何かが
お腹をいっぱいにして
溢れそうになっているのは
それが毒となって
体中に回ってしまったから?





2004年03月16日(火)



【深呼吸】


目を閉じて深呼吸する
何も考えない
何も 見ない


僕はどうしても比べてしまうんだ
他人と僕と生き方を比べて
恥じてしまう
焦ってしまう
嘆いてしまう


僕は小さな人間だから
細かい事を気にしては
くよくよする
そんな小さな人間だから


時々 断絶しないと
苦しくて仕方ないんだよ
息が出来なくなるんだよ
だから 目を閉じて
深呼吸する
深く深く何度でも


僕が僕を認識出来るまで





2004年03月15日(月)



【望み】


答えはとても簡単
シンプルなたった一言
仲良くなりたい

他には何も望まない
そもそも
最初から遠い人だから
近づけるだけで
仲良く慣れるだけで
充分なの


どうか
それより先は望まないと誓うから
どうか
神さま私に自信を下さいな





2004年03月14日(日)



【なんてこと】


想いは簡単に甦る
あの時の胸の痛みさえ
生々しく思い出した
なんてこと


切なさなんて要らないのに
君の声ももう聴きたくないのに
なんてこと


想いが 溢れる
一瞬の後に 想いが溢れる


なんてこと


君が
想いを甦らせてしまったんだよ?





2004年03月13日(土)



【鳥】


遠くへ飛んで行けるのが
鳥だと思っていた
自由なのが
鳥だとそう思っていた
けれど 違うんだね


彼らは何処まででも
飛べる訳じゃない
翼にだって限界があり
大海を飛んでいける強さを
みなが持つ訳でもない


ただ、空を
生きる場所としているだけなんだ
僕らが地上を
生きる場所としているように





2004年03月12日(金)



【消えない】


もう忘れたと思った
もう思い出さないと思っていた
なのに ねえ


君が心から消えてくれないよ


好きだなんて
そんな曖昧な感情
信じられない信じたくない
君は


君はとても遠いのに
会いに行かなきゃ会えない
話し掛ける言葉にだって戸惑う
そんな距離の君を


君を 好き だなんて


行かなきゃ、会わなきゃ
君は消えると信じていたのに





2004年03月11日(木)



【言葉】


言葉が君を傷つけるのなら
僕は口を縫い付けてしまおう


そうしてただ
君を抱きしめて
何も言わずにただ
抱きしめて


言葉が君を切り裂くのなら
僕は言葉なんて使わない





2004年03月10日(水)



【姪っ子の君に】


微笑んでくれたら
それだけで僕は幸せになれる
だって君の笑顔は
まるで天使だもの
無邪気に楽しそうに微笑む君は
まるで天使だもの


2歳と4ヶ月を過ぎた君は
今度保育所に入るんだってね
きっと楽しい事が
君に待っていますように
どうか君に素敵な事ばかりが
待っていますように


そうして
どうか
この純粋な願いが君に
小さな小さな星となって
小さな小さな愛となって
優しく降り注ぎますように


僕はいつでも祈っているよ
君の幸せ






2004年03月09日(火)



【僕は】


空見上げ想う


僕は誰だ
僕は何だ
僕はどうして


泣いているんだ
寂しいわけじゃない
哀しいわけでもない
ただ空があんまり綺麗だから


鳥が近くでチュチュと鳴いた
慰めてくれるの?
少しだけ微笑んで僕は又
空を見上げる


僕は僕だ
きっと多分それだけの事





2004年03月08日(月)



【綴る】


この手から何も
なにも産まれないとしても


綴るよ
それでもやっぱり僕は
吐き出して
言葉を織り上げ
練り上げ
そうして
自分を纏めなければ


僕は僕で在りえないから





2004年03月07日(日)



【どうして】


前に進めない
何も出来ない
足が動かない
泣けない
叫べない
言えない


今もまだ傷は生々しく赤黒い
癒えないのはどうして
踏み出そうと思った瞬間に
囚われる足元


嗚呼 真っ赤な手が
足首を掴んで離さない





2004年03月06日(土)



【1枚の絵】


この手から何かが生まれると
そうずっと信じてきた
でもそうじゃないね
必ずしもそうじゃないね


僕の空っぽな心じゃ
何も生まれないんだ
何も描けないんだ


真っ黒に塗り潰されたキャンバス
それが僕が描けるたった1枚の絵





2004年03月05日(金)



【愛】


何度でも叫ぶよ
君は愛されてる
存在しているだけで
君は地球から愛されてる


傷ついてもいい
泣いてもいい
嘆いてもいい
けれど
死なないで
消えないで
この世から


判らないというのなら
何度でも僕を呼べばいい
幾らでも君を抱きしめるから
子供を愛さない親なんて居ない
愛し方を間違えてるだけだ
道を間違えてるだけだ
君は 愛されてる
大丈夫 愛されてる
この世に生きてるだけで
皆 ちゃんと愛されてる


どうか 自ら命を絶たないで
いつかの君を待つ誰かの為に





2004年03月04日(木)



【勇気】


生きる勇気なんて要らない
そうじゃなくて
ここから歩き出せる分だけの
勇気を
どうか


ここから出たら
全てが変わる気がするんだ
否 たとえ変われなくとも
飛び出した先に
何かがあると信じたい


今 一欠けらの勇気が欲しい
どうかこの空に
虹でも架けてくれないか


そうしたらきっと僕は
笑ってこの足を踏み出せるだろう





2004年03月03日(水)



【震える】


震えるんだ
手が
足が
がくがくと
恐怖で


馬鹿みたいだろ?
まだこんなにも世間が怖い
今だって自分の
無様な未来しか見えないのに
それでも


やっぱり前に進みたくて
やっぱり諦め切れなくて
震える手で顔をたたいた





2004年03月02日(火)



【切り取られた】


羽は切り取られた
いつだったか
もう忘れてしまったけれど


僕の背中からは腐敗臭
もう感覚も無い
なのに
どうしてまだ
飛ぼうとしてるのか
僕にも判らないんだ


羽なんてもう跡形も無いのに
無残な残骸すら
僕の背には残されていないのに


僕は
それでもまだ
飛ぼうとして
飛べなくて
悔しくて
血反吐をなめ
地上を這いつくばって
汚く生き続けてる





2004年03月01日(月)



【握り締めた】


世界が僕を置いて行った


独りとり残された僕は
また空を見上げてため息ついてる


照りつける太陽が
憎らしく思えて
僕は右手で太陽を握り締めた
それなのに
握り締めた手から溢れる光が
やけに優しく頬を暖めるから
僕は涙を必死で堪えた


真っ青に澄んだ空を
小さな鳥が横切っていった






 


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