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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年11月30日(日)
青い影

朝明けの空に見る青い影
誰の心にも届くよな素敵な時間。
甘酸っぱい、冷たい風。思わず知らずベロを出す。



2003年11月29日(土)
コーンポタージュ

コーンポタージュみたいな南風
オカリナみたいな町を駆け巡る。
カンナを引くような音をたてて



2003年11月28日(金)

 既に六時を廻っていた。

 段取りというには程遠いけれど、それなりの始末をつける。

 靴下を買って、銭湯に行き、マックで夕食を済ませる。

 井の頭通りを渡って、最近出来たばかりのドトールへ

 独りでボンヤリしているとき、たいがい僕はドトールにいる。

 永福町にドトールが出来るまで、方南町のドトールに足しげく通っていた。

 でも方南町のドトールには窓がない。

 浜田山のドトールにも窓はなかった。

 窓の近くに座るのが好きだ。

 電車やバス、あと図書館とかもそうだね。

 とにかく永福町のドトールには窓があった。

 その窓からは有名な大勝軒が。

 今日も長い行列を作っていた。

 でも大勝軒のラーメンはお勧めしない。

 その商店街をずっと突っ切る。

 すると方南通りが現れる。

 目の前にはセブンイレブン、隣には大宮八幡宮に入っていく道。

 その角にある「草むら」のラーメンが僕のお気に入りだ。

 値段が普通のラーメンの値段で、しかも大勝軒の味と変わるところがない。

 休みの午後はたいがいここから始まる。

 下世話にスポーツ新聞や週刊誌が置いてあるのも助かるところだ。

 それはともかくドトールでまったりとPory ABC の着メロを探していた。

 着メロ探しをしていると、いつも頭が痛くなってくる。苦労して探したわりには

 芳しいものがない。金を払って取ってきてもガッカリすることが多い。

 クラシックに関しては無料サイトにしっかりとしたところを見つけたけれど

 これはこれで更新が少ない。

 一長一短だ。

 だいたい液晶画面が小さすぎる。

 身も蓋もないけれど。

 何にせよ、少し気分が怪しくなっているところへ

 店内にはジャズが流れていた。

 トミフラからハンプトンホース、ビルエバンスという流れ。

 ビルエバンスは有名なビレッジ・バンガードのライブ盤から

 「不思議の国のアリス」

 あらゆるスタンダードの中で、僕は子の曲が一番好きかもしれない。

 デイブ・ブルーベック・カルテットの演奏もテーマに直戴的で好きだ。

 夜のコーヒー屋でジャズが流れているのは素敵だ。

 でも、これは感じ方なのだけれど、つまらなくもある。

 これではほとんど伝統音楽だ。

 よくわからないけれど、お手軽なのが寂しいんだろう。

 でも求めているものはどこにでも見つけることは出来るのだ。

 
 ドトールを出ると、すっかり湯冷めしていた。

 近くのギャラリーを冷やかしに行くか、決めかねている。



2003年11月27日(木)
test


相変わらず分かってないみたい。
写真、大きすぎるよ。

とにかくこれは三宿近辺で、配達途中の風景
ラジオではスパイクジョーンズの「前歯の無い子のクリスマス」が
鳴っていました。



2003年11月26日(水)
真夜中のマシンガン

朝、起きて、ラジオを捻れば、車のCMじゃなくて、フリッパーズギターの
この曲がカットイン。

ビックリだ。



2003年11月25日(火)
セイレーン

深い眠り。ヤマネみたくヒシと自分を抱き締めて、窓の向こうは押して進んでいけるほどに冷たい。銀色の光。ホラから覗く空。静かな空。

眠りに痺れてしまった指。それから菓子箱を振るような咳。カーテンみたいに体は斜めに傾いでいる。喉の渇き。軽い偏頭痛。すっきりとしない視界。

青い街並みを赤いマントで切るピカデリーが常に頭を離れない。彼のナイフの形でも見たいとでも思っているのだろうか。ズッシリとした石畳を木靴の音がずっと続いていくような、

それから電話だ。その背後には高円寺の薄っぺらい賑わいが。まるで「東京画」みたいな賑わい。

僕はベイビーピンクみたいな女の子のことで頭が一杯。可愛いエレピの音が鳴っている。ケーキになったような気分。それ以外何も考えられない。

それでも、澄んだ空気に濃い蒸気がモクモクと立ち昇る。



2003年11月24日(月)
生そば

窓を開けると、青い空。すごい風が吹き荒れている。

すぐにピタリと閉めてしまった。シャワーを浴びて

次は飯を作ろう。それから掃除をしよう。

とりあえず髭を剃った。

それからおいしい生そばを茹でよう。



2003年11月23日(日)
Hapy-Go-Lacky-Local

きょう、目覚めの一曲目。

Duke Elington Orchestra

Piano in the background より

標題曲は1940年代のHitの焼き直し

更にtightに、更にup tenpoに

Kinda Dukish Rockin'In Rhythm

さぁ 良いサイコロを、良い目が出ますように。



2003年11月22日(土)
バター

知っての通り、みんな自分だけのバターを持っている。
年頃の女の子が口に紅さすのと同じように
もう家族のお下がりじゃ我慢ならない。
そう思い立った君は取っておきのバターを作り始める。
他の誰もがそうしたように。
自分だけのバター
ひっそりとした屋根裏部屋に逃げ込んで、
ただ一人で造らねばならない。
時々、君の母親が様子を見にやって来る。
君の作ったばかりの温かなバターを
こっそり舐めるため。
君の顰蹙を買うけれど。
仕方が無い。
一生に一度、自分の種に敏感になる季節
母親は肩を落として君の部屋からスゴスゴ立ち去る。
喉まで出かかった言葉を飲み込んで。
塩が少し足りなかったのだ。
それから試行錯誤の幾星霜。
今日はいいバターが作れただろうか?



2003年11月21日(金)
神田の古本屋へ

チェーホフの全集と幸田露伴の全集が隣り合って並んでいた。


2003年11月20日(木)
チェーホフと

モーパッサン

それから・・・

あるいは、やはりデューク・エリントンの音楽があれば他は何もいらない。



2003年11月19日(水)
アフリカの花

きっと僕はそいつ見たさに旅に出るだろう


2003年11月18日(火)
オフビート ナンセンス

ギャッツビーの第二章の最後とサテンドールを重ね合わせてみる


2003年11月17日(月)
jazz anecdotes より

「マシンをティルトさせるのは彼のマネージャーなのさ」


2003年11月16日(日)
Jackson5 Remix

あと

Sean Leon In to the Sun



2003年11月15日(土)
ナイト・シェパード

暗黒街の牧師

ひっそりとしたムクドリの巣

指物師のうずくまった通り。

午前三時とそれを闊歩する牧師

それを恵む。それに灯をともす。

それから最初のパンに口つける。



2003年11月14日(金)
ソウル・キッチン

何かを切り刻む。

というより

殺伐とした事後の汗

行く場所に人は居ないマイダス王の寝室



2003年11月13日(木)
ウェイツ、あるいは ブコウスキー

何になりたいというだろう?

それはやはり世界一の酔っ払い。

反論の余地無しにだ。



2003年11月12日(水)
エルトポの太陽

そいつがしっかりと突き刺さってくれればいいのに

と、思うこともある。



2003年11月11日(火)
ブルーピラミッド

際限の無い迷路を克服したようにはとても見えないエジプトのピラミッド

パラドックスとメビウスの環とスフィンクスの謎掛け

退屈な、しかし苛烈な赤道下の光に透けて無くなってしまいそうだった。

砂に時計が狂う。いや、時間すら

近づいてみれば、クフ王のピラミッドも ただの石くれ・・・

本当のピラミッドは 夜、昇ってくる。



2003年11月10日(月)
その他

サイモン&ガーファンクル
「So Long Frank Loyd Right」

スタンゲッツ×ボブ・ブルックマイヤー
「Minuet Circa`61」





2003年11月09日(日)
素敵な・・・

クロディーヌ・ロンジェ

「恋は水色」

アストラッド・ジルベルトより素敵かもしれない。



2003年11月08日(土)
35℃

まだ二度オーバーしている。

また眠らなければいけない。



2003年11月07日(金)
チキンフリッター

手軽に、チキンフリッターでもつまみながら、ピクニック

時々、誰かが踊りだすよな

そんなパーティ

それもボサノバに求めているものだったりする。



2003年11月06日(木)
ウォーレン・ビーティ

 自分に足りないものは?
そんな問いに対して 
「でも、ウォーレン・ビーティだって、ただの田舎のカウボーイじゃない?」




2003年11月05日(水)
富士

今日は富士がくっきり見えたほどにクリアな一日


2003年11月04日(火)

クルクルと毛布に包まれ

汗を出して熱を逃がす

そしてまっさかさまに壁掛け時計を見る

午前0時



2003年11月03日(月)
ハッシャバイ

ユルユルと風邪引き

そんな唄が聞こえてきそうなくらい虚ろな頭




2003年11月02日(日)
0度

ビートルズのサイケな曲みたいに、様々な夢が枕に立った。
緑色の猿がトライアングルをかき鳴らすので、
眠りはひどく浅かったのだ。



2003年11月01日(土)
エトランゼ(風街ろまん風)

「朝日・・・」
そう言って、男は腕を伸ばす。引き戸はパタリと上に開き、すっとカウンターに差し出される。古ぼけた硬貨に、古ぼけた煙草屋。何やら五重塔やら仁王様だの安い土産物が軒を飾っている。じじむさいチョッキをきた親父は目も合わさずに男の金を引き取った。
「ここから四条に出るにはどうすりゃいいかね?」
そう訊くと、親父は胡散臭げに眼鏡を傾ける。
ここをいずこと心得て訊いたろう?烏丸と七条の境、西本願寺のトップリとした社はすぐ目の前だった。西本願寺で四条を訊くは、仲見世で観世音を訊くと同じである。だが親父は泉鏡花の小説ほどにはだんまりとしなかった。すっと竹節のような指で何やらネオンで光っているのを指差す。
「しばらくますぅぐ歩いて、それから右に折れなさい」
と、言った。

 男はポケットに指を突っ込んで厳しく冷たい夜を歩いていく。烏丸の七条、五条と、それを数えるが、夜は全く灯りが消えている。寂しい通りにポンと本屋の灯りが、それを通り過ぎればまた闇に白い息、ポケットの中の温もりが、京都の温かさだった。

 振り返るとライトアップされた京都タワー、それからガラス張りの駅ビルが見える。それは五条大宮からの帰り道によくみた景色。バスから、しかしたいがい黙々と歩いて帰ることが多かった。

 やがて銀行が四辻を占める角へ、阪急の駅からか、勢いよく人が飛び出してくる。男はその人の群れに従い、橋の方へ、橋の方へと流されていく。途中、餡蜜の店に・・いや、それは河原町通りを四条と三条の間だった。新京極を越え、橋の袂へ。いささか疲れた。茶屋の眺めを見たくて橋の向こう側へ、その真ん中で黒い山をわき見する。思い出して、大和屋というジャズ喫茶にいくことに、ここからは更に歩かなければいけない。川端通り沿いに。柳の木はズラリ。四条南座の赤い光。向かいにはモダンな中華料理屋。

 三条の路面電車の停車場は朝までたらふく飲み尽くして、最後に仲間と分かれた場所。更にそこから出町柳まで上る道はとても素敵だった。冬でも生温かな下水の匂いもここまではやっては来ぬ。右手に赤レンガの建物。左手には茶屋の眺め。結局また左に道を折れて、橋を渡る。大和屋は遠くなってしまった。それで市役所までいってみることにする。そのすぐ近くには「檸檬」の八百屋があったはずだった。そしてその道を三条通りを挟んで南に下れば、フランス古書を扱う店がいまだに看板も出さずに店を開いているはずだった。そこに行ってみたかった。若い女の店子が黒いワンピースを着て本の守をしている。かかっているBGMは全てエディット・ピアフの古いシャンソン。丸く黄色い灯りが、本を傷めないようにヒッソリと部屋を少しだけ明るくしていた。奥に黄色いカウチソファが、そこに深々と身を沈めたかった。幾らでも夢をみることが出来るだろう。コーヒーを出してくれて、何が書いてあるのやら分からぬ原書のランボゥ詩集を片手に。渋沢龍彦訳のジャンコクトー「大股びらき」を見つける・・・・

 と、閉じていた目を開く。いつの間にか僕はジャック・フォレスチエみたく涙もろくなってしまっている。それは結局誰にでも起こることだったのだ。