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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2003年06月30日(月)
鎌倉草聞2

 家を出たのは、11時前だった。

 環七に入り、すぐに給油、

 顔をしかめて明細を眺めていて気付いたけど

 夏を迎えて燃費は結構よくなっている。

 道路は・・・混んでもなく、空いてもいない。

 246、環八を経由して、第三京浜に出る。

 第三京浜、用賀入り口は螺旋を巻いて本道に出る。

 気持ちの滓が解き放たれる瞬間で、

 ままよとアクセルはフルスロットル。

 気を失いそうになるくらいの疾走は

 何も考えなくてもよい。というのとは別問題で

 最高速では140キロを記録した。

 とはいえ、疵のある人ならば、

 その疵、きっとその間ばかりは倦んではこないだろう。

 何台車を抜いたか分からない。

 でも保土ヶ谷サービスエリアまではあっという間についてしまう。

 ここで少し休むのもいつものこと。

 デュカティ、ハーレー、トライアンフ。 
 
 といった、普段はあまり見ることの出来ないバイクを見ることも出来る

 ここでは僕のバイクのほうこそ目障りなのだ。

 少し静かな気分で、横浜新道に入った。

 

 藤沢あたりで、すこし勘付いてくるのだけれど、

 藤沢を越えればそれは確信に変わる。

 ここでは太陽の光の具合がまるで違うのだ。

 カミュの異邦人に出てくる太陽みたいなのだ。

 僕は専ら、幸せな気分に浸されるけれど。

 

 でもそれは、原宿交差点を直進した場合のこと

 今回は江ノ島ではなく、鎌倉。

 それでも、そこから鎌倉まで、

 三十分は掛からなかった。

 大船観音を右手に見て

 川沿いの道を、

 それから萎びた商店街、

 北鎌倉は休日の賑わいで

 茶房は何処も満席だった。

 
 一時過ぎ、鶴岡八幡宮の裏手から、若宮大通りに出た。

 



2003年06月29日(日)
鎌倉草聞

 日曜日は鎌倉に行ってきた。

 順番から言うと、

 それは三番目くらいのこと

 イラン人らしい男から

 電話が掛かってきたのが

 まず最初だろう。

 ただの間違い電話で

 僕の番号は僕の番号になってから

 まだ三ヶ月くらいしか経っていない。

 「ムカイサンジャナインダ!」

 とか何とか言って、イラン人は笑って電話を切った。

 窓の外に注意を向けてみたら

 よく晴れている。

 それで前の日に考えていたことを思い出したのだった。

 



2003年06月28日(土)
電気を消して。

たまには・・・電気を消して眠らなきゃ。

光より何も聞こえない、ような気がするから

闇が怖い。

そんな錯覚だ。

その奥行きを

一人で踏破していくのは

なみなみならないことのように思える。



2003年06月27日(金)
ヨテイ

明日どうしよう?

連休は久し振りなので

ひるんでしまう。

鎌倉あたりにいってみようかしら?

あそこは京都に似ている。

日の光は凄く気持ちいい。

晴れたら、行ってみよう。

珊瑚礁のカレーを食べよう。



2003年06月26日(木)
映画

最近、ふと思い出すというか

鮮烈にフラッシュバックする映画は

三年くらい前に観た

「オルフェ」

というブラジルの映画。

あれはいい映画だった。

あれは観るべきだ。

今でも思わず拳を握り締めてしまう。



2003年06月25日(水)

そういうわけで、泥んこハリーを脇に置き

レスターヤングを聞きながら、

ドラガン・ストイコビッチを見ながら、

でも、もうストイコビッチは画面から外れてる。

今はコマーシャル、

そう言えば映画結局観てない。

振り返ると、家ではそこに鏡があり、

いたくギョッとした。



2003年06月24日(火)
レスターヤング

今、ステレオからはレスターヤングのレコードが掛かっている。

メンバーは・・・

レスター・ヤング(ts)

ハリー・“スイート”・エディソン(tp)

オスカー・ピーターソン(p)

ハーブ・エリス(g)

レイ・ブラウン(b)

バディ・リッチ(dr)

並べて見ると、実に壮観!

オスカーピーターソンのこの時期のカルテット(1955)は

最強といっても過言じゃない。

その最強のカルテット相手に

レスターヤングは、うん、まぁいい勝負してる。

追いまくられてる感じもするけど。

とにかく今、流れてるのは「ワン・オクロック・ジャンプ」

ジャンプナンバーで、

その前は「ザッツ・オール」

バラードだった。

ハリー・スイーツ・エディソンのスイーツって

悪魔的に・・・という意味もあるんだって。



2003年06月23日(月)
ストイコビッチ

今、テレビの画面にはストイコビッチが映っている。

パリだろうか?

白いパラソルの下でいつものように

あの苦い顔だ。

引退したのはもう随分前のこと。

それからはそんなに見ていない。

今日は久し振りに

ドラガン・ストイコビッチを見たのだ。

マラドーナを除けば

僕はストイコビッチしか認めないね。

今でも思い出すけど、

90年のワールドカップ

ドリアン・グレイみたいな風貌で

剃刀みたいな切り返しを次々と決めていったことは

忘れることが出来ない。

94年のアルゼンチン対ギリシャ戦も忘れられない。

マラドーナはその次の試合の後、

ワールドカップから追放された。

あんなに素晴らしかったのに・・・

彼らに共通するのは、

不屈の・・・

何だろう?



2003年06月22日(日)
泥んこハリー

日にちは6月28日、日付変わって、6月29日。

ジーン・ジオンの泥んこハリーを読む。

続編は海辺のハリー。

そう言えば海辺のカフカはまだ読んでない。

この作品も三年越し、たぶん単行本になって、ブックオフに並んで、

それからだろう。

ベストセラーにはそれくらいの距離を置きたい。

そのブックオフ、そこでこの絵本を見つけた。

とても可愛い。可愛いものが好きなら

お勧めだね。




2003年06月21日(土)
ロカバイベイベェ

 まず・・・散らかった部屋は片付けよう。

 ゴミだらけだ。

 耳から血が出る。

 ずっとその匂いが気になっていたが、

 なんのことはない

 血の匂いなのだ。

 腐った血の匂い。

 部屋を見回す。

 脱ぎ散らかした服や本に紛れて

 ヴィム・ベンダースの「パリ・テキサス」を見つける。

 今日は帰ってきたらそれを見てみよう。

 自慢じゃないがヴィム・ヴェンダースの映画を最後まで

 眠らずに見通したことは一度も無い。

 だから思い出すことって、情景だけで筋ではない。

 それって素敵だ。

 時々、「東京画」の笠智衆を思い出す。

 眠ってしまってもよいと

 つきはなす映画は得がたい。

 脱ぎ散らかした本に失われた時を求めてが転がっている。

 僕はそいつを摘み上げ

 ポンポンと腹をはたいてやり、

 元々の場所に戻してやった。



2003年06月20日(金)
無風状態。

 汗かいて、眠って、それだけ。

 ジミヘンの「エレクトリックレディランド」をかけてるだけで

 気持ちいい。

 最近はプッスカプッスカ

 おならがよく出る。



2003年06月19日(木)
motown

 なにくそ!

 ほんとに俺はファッキュウさんだな。

 ソウルフルな空気だ。

 いや?ただの梅雨だった。

 モータウンのジャクソン・ファイブじゃないほうのシーディをかけた。



2003年06月18日(水)
晴れ間

 うっすらだけど、雲が割れている。

 光りは、それまで姿を見せなかったことなど

 お構いなしに、素直に落ちてくる。

 僕はそれを見て

 ああそうなんだと

 悟るでもなく、朝を迎えた。

 



2003年06月17日(火)

平日が休みの仕事って、久し振りじゃないかな。

うん。音楽教室でアルバイトしていた時以来だ。

そのときは、###に##をしていて。

金曜日が休み、その先生は出勤で、何だかもどかしい休みだったね。

ぼんやりと、小説を書いていた。

今はジョアン・ジルベルトを聞きながら寝そべっている。

ぼんやりとこれを打っている。

あたりに恋は見当たらない。

昔の気がかりはよく思い出す。

ピアノの先生のことは一番よく思い出す。

ガーベラみたいな女の子。

僕のことを自由と呼んだ女の子

自由なんて、誰とも比べたくはないけれど、

僕自身は僕の自由を知らない。

それは少し哀しい。

もちろん・・・落着とはいかなかったのだ。

それからずっと恋は見つからない。

恋じゃないものには興味すら覚えない。

泥まみれでいかなきゃ、

何も掴めないというに。

今日の日記の題すら決めかねている。

ヒントが欲しいな。

目を瞑ってダイブする勇気ぐらい

いつでも持ち合わせている。

ノックを二回で返してくれたまえ。



2003年06月16日(月)

子供の頃は誰かの影を踏めば、それが糸を引くようだった。

耳を澄ませば、悦に入った子供の笑う声が聞こえる。

それが僕だった。確かに何かを獲得していたのだ。

そういえば、アリス・リドルはユニコーンに向かってこう言った。

「ユニコーンなんて想像上の動物だと思ってた!」

ユニコーンは答える。

「君がそう思うならそうなんだろう。
 でも僕も人間の子供を見るのは初めてなんだぜ。」

「君が君の夢に僕を入れてくれるなら、
 僕は僕の夢に君を入れてあげよう。」

ユニコーンはそう答えた。

 同じフレーズがボブ・ディランの第三次世界大戦を語るブルースに出てくる。

 なんによらず、僕はボブ・ディランが好きだけど、

 結局はこのフレーズがずっと頭の中に残っている。

 ところで、最近僕のよく口にする言葉と言えば、

「ほんとにおまえはファッキュウさんだな。」

 大概、配達中にぶつぶつぶつぶつ呟いている。

 遂に頭がいかれてしまったのかもしれない。

 でも、あれだ。曇り空って、じっと凝視すると

 だんだん頭が混乱してくる。

 抜けるような青空とはいうけれど、

 曇り空だってはっきり言って僕には見通せない。

 もつれっぱなしの僕の頭は、さらに収拾がつかなくなってしまう。

 だが、それはよい。

 結局、糸電話の要領で何かが何かに繋がっているとしたら、

 僕は今、その糸なりなんなりをぎゅっと掴んでるってことだ。

 そうすれば音は聞こえやすくなる。

 そんなの小学生でも分かる。

 小学生の時の実験じゃ、明らかに紙コップからより、

 じかに聞こえる声の方が鮮明だったが、

 原理的には合ってるのだ。

 まちがっちゃぁいないはずだ。

 だから僕は今、ささやかながら幸せだ。

 何かに向かって書く方が、

 気持ちがより熱くなる。

 言葉はきっと原初的なものに変わって行くだろう・・・

 誰かの影をふんずけた感触がありありと僕の足裏に残っている。

 




2003年06月15日(日)
魔女

日がな一日水晶を見ている魔女と

日がな一日テレビを見ている魔女と

どっちが良い?

そもそも魔女はテレビを見ないだろう?

大概、抜け殻だけがテレビを見ている。

その抜け殻は覚えが良く、

それで町にテレビの話が氾濫している。

僕はともかく、魔女が何を祈っているのか覗いてみたい。

言葉でなく、温度で。

その温度を、言葉にして!

これからもその温度を言葉にして!

僕はそれを知りたい。








2003年06月14日(土)
降っても晴れても

今はビニール傘の閉じたり開いたりする音を聴いている。
実際にそんな音がするわけじゃないが、
そんなふうに想像してみるのだ。

車の中で。

チューインガムを噛みながら。

今の気分は全てのスイッチを切ってしまいたくなる衝動に似ているのかもしれない。
無論、そんな気分はただ遊ばせておくだけだが。
どちらも目は冴えている。

でも、もし君が今そんなふうならば、僕は何が出来るだろう?

その通り。僕はせいぜいチューインガム程度のものしか差し出せない。
いまやフェンだって人生相談を放送する御時世だ。
オフコース、オフコースと女の声が連呼している。

君にはリノで買ったお気に入りの一枚をあげるよ。
紅花の匂いがする。
紅花の色のする。
その色に僕の温度を託そう。

君にチューインガムをあげたいな。



2003年06月13日(金)
ラハイナ・カーナパリ

 今、何をしてるんだろう?

 たった今だ。

 多分みんな寝坊気味で

 今、帰ってきたりで

 土曜日なのだ。

 恋人たちなら

 起きているかもしれない。

 カプチーノから上がる蒸気みたいに

 光の具合が優しいから。

 今日、何処へ行くのか?

 そんな予定を夢に恋人に

 語りかけているのだ。

 僕はコーヒーを飲んでいる。

 そんな声が聞こえてこないか

 耳を澄ましながら

 エルビスのハワイアンのアルバムを聞きながら。

 女の子が自分の手首に試し書きするような音楽が

 欲しかったのだ。

 冷蔵庫の中は空っぽ。

 だからコーヒーを継ぎ足した。

 食事は気張ってドトールで取ることにしよう。



2003年06月12日(木)
例えば、チュニジア

朝、起きて、ぼんやりしていた。

 一体どれくらい寝ていたのか数えるのは難しい。

 梅雨入りしたそうで、

 雨は憂鬱だ。

 憂鬱なのは雨のほうだ。

 僕じゃない。

 でも僕は雨のない国に行きたいと思う。

 それで干からびたジャガイモしか喰えなくなっても

 それでも構わない。



2003年06月11日(水)

 いささか信じがたいが、

 今日も仕事だ。

 シャワーでも浴びよう。



2003年06月10日(火)
セゴビア

 曰く

 「ため息が舌に言った。いってさがしてこい。

 自分が言いたいことを言うことの出来る言葉を」

 



2003年06月09日(月)
Let the beauty we love be what we do

曰く

「われらが愛する美が、われらの行動となるように。」

ジェラル・アディン・アルーミ

(イラクの神秘主義詩人)



2003年06月08日(日)
This Here

 とはいえ、今日はいい天気。

 洗濯も済ませたし。

 駅前に出てみよう。

 駅前にはクラシック専門のレコード屋さんがある。

 LPは400円くらいで売ってる。

 チェロのアルバムが何か欲しいと思っている。

 もうすぐ一番日の長い一日が来るのだ。

 何か祝わなきゃいけない。



2003年06月07日(土)
結局、マリガン。

 耳掃除をしている。

 耳かきを鼻先に持ってくる。

 それは自分に関する何かの蓄積を主張する

 実に嫌な匂いだった。



2003年06月06日(金)
名前

 どんな風に呼んでもらっても構いはしない。

 どんな風に呼んでもらいたいか

 僕にも分からない。

 というわけで親に貰った名前で

 間に合わせている



2003年06月05日(木)
ドミノ

 さぼりがちなので、六月五日のことを六月八日に思い出している。
  
 何も思い出せない。

 というわけで思いついたことを

 日を分けて書いていくことにした。

 六月八日のことだって怪しいものだ。

 エルビスのハワイアンのアルバムを聞いてまったりしていたこと

 ボビーズ・ロッキンチェアのアルバムを聞いてまったりしていたこと

 ミラディスのアルバムを聞いてまったりしていたこと

 因みに今はビーチボーイズのアルバムを聞いてまったりしている。

 それもそろそろ針を上げようとしているから、

 次に載せるアルバムのことをもう考えている。

 次に流す音楽のことだけ考えているのはなんと容易いことか。

 ビーチボーイズのアルバムは

 カリフォルニアガールを歌っていたころのものじゃなく

 ブライアン・ウィルソンが色々な意味で行ったり来たりしていた頃のもの

 声がカスカスしていても全然構いはしない。



2003年06月04日(水)
Beer Father

苦いものなんて親父くらいしか思い付かない。

ビールみたいでも無いけれど、

ほら、フェンを聴きながら配達なんかしてると

 ちょうどよくほろ苦くなる

今日はジャニス・ジョプリンが流れていた。

明日はきっとドアーズだろう。



2003年06月03日(火)
蕎麦を茹でる

 配達中、ラジオはだいたいフェンに合わしている。時々一緒に歌いながら。

 それとよく似ている。

 隣の部屋からはティディ・ウイルソンのカルテットが流れている。

 蕎麦を茹でるには丁度いいレコードだ。



2003年06月02日(月)
メッセージ

何事にも深く吸い込み過ぎる。

それで自家中毒を起こしてしまうのだ。

気付いた時には手足が痺れている。

何を吸い込んだのか、もはやあなたにはわからない。

まるで黒い天使が舞い降りてきたみたいだが、

それは違う。

それはあなたが吸い込んだものだ。



2003年06月01日(日)
イノベーション

 しばらくして

 日記を付けることを忘れていたことを思い出した。