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■ オルフェウスの窓ーー!
オルフェウスの窓を読みました。…世の中にはいい作品がまだまだたくさんあるんですね…感動しました。部室で速攻全巻読みほしました。これから長々と語っていこうかと思いますが手元に本がないため間違いがあるかもしれませんがご了承下さい。 オフフェウスの窓に関わる主人公のユリウスを初めとするさまざまな人達、そしてクラウス(アレクセイ)との運命の恋愛。でも最後には悲しい結末になるという物語りなのですが、戦争や革命などの歴史も折り混ざっていて結構ハードな内容でした。この作品ですごいと思ったのは人物描写が実に巧みなことです。若い登場人物のほとんどが恋愛に身を投じていくのですがそこまでのいきさつ、心理描写がとてもリアルなのです。また1800年後半から1900年前半という時代背景の中、貴族などの身分階級なども明白で、主人公が貴族出身ということもあってブルジョワのどろどろした生活がかいま見れます(苦笑)そもそもオルフェウスの窓とは、主人公のユリウスが通っているドイツの音楽学校の2階(多分)にある窓のことで、この窓を覗いて出会った男女は恋に落ち、そして悲恋の終わるという言い伝えが残っている窓です。この物語の要の人物は、まず主人公のユリウス。この人は女性でありながら家の財産相続の件で男性として育てられており、オルフェウスの窓を通してクラウス(本名:アレクセイ)とイザークという2人の男性に出会います。また、ユリウスはその財産と親族ゆえ母に言い寄る悪い男を殺してしまうという前科も持ち合わせています。クラウスはユリウスと同じ音楽学校のバイオリン奏者として在学していますが本当は反ロシア政府組織のリーダーの弟で生粋のロシア人です。後にユリウスと辛い運命の恋愛をすることになります。ユリウスが女性であることを見抜き、イザークに伝えたのもこの人です。イザークも音楽学校在籍、天才ピアニストでその才能はクラウスも認めるものです。庶民階級の生まれでたまに貴族のボンボンにいやがらせをされたりもしますが周りの人達がいつも手助けしてくれます。基本的にいい人で学校時代はユリウスの親友でしたがユリウスがクラウスを追ってロシアに行こうとした際にたまらず告白してしまいます。音楽学校での主要人物としてもう1人ダーヴィトという男子生徒がいます。ユリウスを気に入ってよくちょっかいを出す人ですがクラウスより早くユリウスが女性であることを見抜いていたキレ者です。更にここぞという時にユリウスや仲間達のピンチを救ったりと結構いいとこ取りの人です。音楽学校編が終り、ユリウスがクラウスを追ってロシアに行ってしまうとイザークの音楽生活編が始まります。ここはなんだか複線って感じがしますね。とりあえずイザークはウィーンでピアニストとして成功し、結局ユリウス以外の女性と結婚することになります。その後指が動かなくなったり妻が子供を産んで死んでしまったりと不幸に見舞われますが残された子供に希望の光を見いだします。その次はクラウスの幼少時代から現在に至るまでの経歴編です。アレクセイ(クラウスの本名)は幼少の頃反ロシア政府のリーダーとして死んでしまった兄の後を継ぎアラウラネという兄の恋人と共に立て直しを謀ります。そしていよいよロシアにやってきたユリウス編に移ります。ユリウスはモスクワに着いた早々争いに巻き込まれ身柄を拘束されてしまいます。その拘束した人物こそロシア編主要人物のユスーポフ侯爵という人物で別名氷の刃という異名を持つ陛下の命令に忠実なロシアの軍人です。当然反ロシア政府組織のアレクセイの敵に当たる人物です。ユスーポフ侯はユリウスがアレクセイを探していることを聞くとアレクセイとの繋がりを疑ぐり、ユリウスを軟禁して監視することになります。しかし途中、ユリウスは階段から落ち記憶喪失になりユスーポフ侯とその妹に介抱されます。その中で記憶喪失のユリウスはユスーポフ侯に頼り、優しさに触れ、またユスーポフ侯もユリウスに心を引かれていったのです。しかしいつまでも本当のことを隠しておけるはずもなく、アレクセイが死んだとの情報も入ったためユリウスがユスーポフ侯のところに留まる理由がなくなりユスーポフ侯はユリウスにドイツへ帰るよう命じます。ユリウスは利用するために側に置いたのかと泣いて怒り、最後は言うとおり出ていこうとします。しかしついに自分に嘘が付けなくなったユスーポフ侯はユリウスをを抱きとめ気持ちを表します。記憶が完全に戻っていないユリウスはこのままユスーポフ侯の元にいたいと言いますがユスーポフ侯にはロシアを立て直す事が第一であり、やらなければいけない使命がどうしても最優先なのです。とは言ってもユリウスのためにアレクセイを逮捕しても殺さず流刑にしたりという配慮までしているところが健気です(苦笑)ユリウスはそんな先を見つめるユスーポフ侯を後目にユスーポフ邸を離れます。その頃アレクセイは流刑にされてしまいますが同志の手助けによりシベリアから生還。そしてまた再びユリウスと再会します。記憶というより本能でユリウスはアレクセイを愛し、アレクセイも今度は二度と離さないと誓います。こうしてユリウスは反ロシア政府組織に身を置くようになりました。一方ユスーポフ侯は反ロシア政府組織の動向を知るため腹心中の腹心の部下、ロフトスキーをスパイとしてアレクセイの元へ派遣し、そしてユリウスがアレクセイの元にいることを知ります。そしてある日ユリウスは食料調達の途中道ばたでユスーポフ侯に偶然会い、とまどいを表します。最後にユスーポス侯は2月までにアレクセイとロシアから逃げろと告げ、去ってしまします。そのことをユリウスはアレクセイに伝えましたがアレクセイは反ロシア政府のリーダーとして最後までロシア政府と戦うことを選択します。そんな戦いの中ユリウスはアレクセイの子を身ごもり、アレクセイの実家で養生することになりました。しかし時代のせいでドイツのスパイというデマを流されユリウスはアレクセイの実家の屋敷にいられなくなってしまい、ロフトスキーをユスーポフ侯のスパイとも知らず彼の力を借り脱出します。そしてユスーポフ侯の計らいとも知らず、あくまでアレクセイの言い伝えでユリウスにユスーポフ邸の隠れ家で養生してもらうということをロフトスキーに命じます。その頃アレクセイは必死にユリウスを探していましたがユリウスからの手紙を手がかりにロフトスキーとユスーポフ侯との繋がりを見つけます。そして同じ頃ユリウスも侍女の一言によりユスーポフ侯によってかくまわれていることを知り、自分が出した手紙によってアレクセイがこちらに来てしまうことを恐れ思わず外に飛び出してしまします。そして……。 …長々と語ってしまいましたがこの辺にしておかないとネタバレもいいところなので打ち切ります。 読んで下さった方お疲れさまです。読んでいてお気づきと思いますが、私はレオニード・ユスーポフ侯がだいっっっ好きなのです。むくわれない想いとは正にこの人を指しているのではないでしょうか。個人的にユスーポフ侯には幸せになって欲しかったのですが、どうやらこの物語に幸せを求めてはいけないようですね(泣)最後にはただただ涙です。本当に惜しい…。仕事一筋で軍服が激お似合いで無口で不器用で目つきが鋭くて一見冷たそうですがやさしさも持っているユスーポフ侯に乾杯です。 ユリウスとユスーポフ侯とアレクセイの三角関係なるものも魅力の一つだと想います。ただユスーポス侯とアレクセイが敵のトップ同士なので2度しか対峙しなかったりユスーポフ侯が若干諦めて縁の下の力持ち役になってたりするのでゆるい三角関係ではありますが。アレクセイとユスーポフ侯もロシアのことを思っての行動なのに敵同士…そしてユリウスとの恋…あ〜〜なんかこう許されない恋っぽくてわたしゃ胸キュンですよ。まだ読んでない方、マジで必見ですよ〜〜!!本日はこれにて!
2003年06月21日(土)
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