後悔日誌
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2009年10月31日(土) 反転


急病人が出てUターンをした。
夕暮れ時の東京湾口、あちこちの光が幻想的でとても綺麗だった。

病院へのアクセスや陸上からの支援。
色々な状況を想定しながら少しずつ形が作られていく。
もしものためのフローチャートは、やっぱり書き物。
一般的な話なんて、役にたたないものだと痛感させられた。

中の瀬(東京湾の真ん中にある浅瀬)で投錨し、有事に備える。

感染力の高いウイルスの侵入。
とても心配だ…。



2009年10月26日(月) 人体実験


胃の検査を受けた。
なんのことはない定期健診だけど、実はデビュー戦。
ドキドキしながら診療所に入った。


病院でお馴染みの青い服に着替えて順番を待つ。
胃が動かなくなるという注射を打たれるといよいよ検診開始。
炭酸みたいな粉と、バリウムを飲まされた。

その後は変な機械に乗せられて、色々ポーズを取らされる。
その光景がなんだかおかしくて、宇宙人に誘拐されて人体実験されてるみたい。
何回転も台の上で転がされた。

一生懸命、前日から飲まず食わずした割には呆気なく検診は終わって。
あまりの空腹にコンビニのおにぎりをかじりながら船に帰った。


最後に飲んだ下剤が怖すぎて、仕事にならないけど。
2時間でお通じが来たのには驚いた。

先輩たちが苦しむ中、なんか物足りない気分だったけど。
最短2時間で通過しちゃうんだ、って分かったことは今日の収穫のような気がする。

勢いよくバルブを開けて、水を流した。
「さよなら、白いうん子ちゃん。」

ちょっとだけ、名残惜しい瞬間だった。



2009年10月25日(日) 大トトロ


お休み2日目。
今日は幼稚園の秋まつり。

低気圧が連れてきた雨のせいか肌寒い朝。
合羽(かっぱ)を着せて、チビと出掛けた。


10時ピッタリに花火が上がると、お祭りがスタート。
お母さんやお父さんが協力して出す模擬店が大盛況で驚く。
つきたてのお餅や丸焼きになった肉など、結構面白い。
教室では音楽コーナーやお化け屋敷なんてのもある。
ただ、年少組の子供たちにはあまり興味がないみたい。


息子がクラスメイトたちと遊んでいるのを眺めるのも初めてだったけど。
いつの間にか一緒に遊ぶ羽目になって。
いつの間にか2人乗せ肩車をやらされていた。
男の子4人に女の子2人。
喜ぶからついついサービスしちゃうけど、重かったナァ…。


みんなで遊びだしてからはあっという間に時間が過ぎて。
気がついたらもうフィナーレ。
水溜まりでドロドロになっちゃったけど、無邪気な空間でリフレッシュできた。

どこでも遊んじゃう。
我ながら感心。
でも、誰のための秋まつりなんだろうって、帰りながら思った。


ちなみに、嫁さんはトトロの格好でジュース売り。
ココだけの話だけど、お腹が大きいからよく似合ってたデス(^^;)


怒られそうなのでこの辺で…。



2009年10月24日(土) 芋


我が家にはマネージャーがいる。
休みに合わせて、しっかりイベントが計画されているのだ。

今日は収穫体験。
芋を掘りに出掛けた。


農園に着いて受付を済ますとあとは掘るだけ。
ふわふわの土で育っているので引っ張っても抜けてくるくらい。
ひとつふたつ、芋をゲットすると早速チビがあちこち引っ張り出した。

「ダメダメー!ちゃんと掘らないと折れちゃうじゃん!!」
悲鳴にも近い叫びで指示しながら次々掘り起こす。

根っこは思ったよりも長かったり。
予想もしないところで芋になっていたり結構面白い。

こうして収穫してみると、ほんとに不揃いで笑っちゃうくらい。
貧乏性だなって思うけど、ちょっとでも膨らみがあれば”いける!?”なんて思ってしまう。
しっかりお持ち帰りにした。


自分で掘った芋ってのはやっぱり美味しく感じると思う。
子供たちには”食育”といってこれも勉強なんだそうで、こうした体験は良い経験になるらしい。

もっともっと、色んな作物と触れ合って。
とりあえず野菜嫌い何とかならないかな、我が子。
しっかり食育しなくちゃ、と気を新たにした。


芋掘りも終わり、汚れた手。
粘土質のせいか、なかなか落ちない汚れに怒るチビ。

「いいのいいの、そのうち落ちるって♪」
潔癖っぽいの誰に似ちゃったんだろう…(謎)

野良仕事だもん。
土と仲良くならなきゃネ。

終わってみればとても楽しい収穫体験。
家にいる仕事になったら、畑を作ろうかな。


またひとつ、野望が増えた。



2009年10月22日(木) あれ


そういえば、嫁さんから連絡があった。
「今のとこ順調みたい。あれがクッキリ写ってたよ!」

妊娠が発覚して、うちのチビが勝手に名付けた”バスヲ君”。
それが検診で男の子確定となり電話で聞かされた。

受話器の後から、弟ができることになって喜んでる子供の声。
「名前はゴクウでいいよ〜。」
なんてキャッキャ笑ってる。


なんて名前を付けたらいいんだろう。
親からの最初のプレゼント。
なんだか久し振りに漢字を調べてみたりした。


それにしても、”あれがクッキリ”なんて!
一度言われてみたいもんだね。

初対面のとき、下半身を見てしまいそうで怖いヨ…(^^;)



2009年10月21日(水) 肴


ずいぶんひどい気圧配置だった。
天気図の上にたくさん低気圧があって、見たことない感じ。
案の定、風が吹き始めてそれが二日間続いた。

ようやく凪いだ朝。
ちょこっとだけ釣りをした。


動かないけど遠くに漁船がかたまっていて、なんだかあっちは魚がいそう。
何か来ないかなー、と思っていたら遠くに魚の波が立ち始めた。
ラッキーなことにちょうど下までやってきて、その瞬間にヒット。

30センチくらいだけど銀色ボディに黄色のライン。
イナダにしてはちょっと小さいかな・・・。
でも嬉し!


他の人が釣れてないから、ついついニヤニヤして。
夜は刺身パーティにした。

室蘭の沖で作ったスルメが絶品だったり、先輩のタチウオが出たり。
自給自足の夜食たちに驚きながら過ごした。

少しずつ、新しい船に染まりながら。
少しずつ、自分を出していく感じ。

意外に適応力高いなって自分で思う。
”昨日の敵が今日の友”になれたらいいネ。



2009年10月15日(木) 慕


「こんにちわぁ。」

またまた訪問者。
同僚たちもビックリするけど、この子もやっぱり後輩で。
いまでも現役で海の上でお仕事をしている、いわば同業者。
なんかいい匂いだナァ…なんて、ボーっとしながら船内案内をした。

たまたま居合わせた先輩も交えて、コーヒーを飲みながら昔話に花が咲く。
「もう戻りたくはないけど、懐かしいですねー。」
嬉しいような、嬉しくないような、そんなコメントに苦笑い。


あの頃、自分はまだまだ新人で。
仕事で大失敗して凹んだことも多かった気がする。
よく怒られて、部屋で一人、悔し涙を流したことも多かった。
そんな時に支えになってくれた仲間たち。
戻りたくないけど、懐かしい。
ほんとその通りだと思う。

あれから10年は経って。
自分の方はそれなりに仕事もこなすようになった。
でも、会社の嫌な面もたくさん見えるようになってモチベーションがいまひとつ。
誰かのため、何かのため。
それが分からなくなってしまった。


「今の仕事はいいですねー。でも結婚できないかも!」
自信満々で話す姿にちょっと嫉妬心。
人の会社って、青く見えるもの。
そう思われるようになりたいけど、いつの事だろう。


とっても輝いている彼女に、魅力的になったねと伝えると。
「あたしのファンクラブにはいりますか??」なんて軽く返される。
それがなんだか嬉しくて、とっても充電できた。


慕ってくれる後輩たちがいる限り、頑張りたい。
気を新たにして、また歩いていこうと思う。



2009年10月14日(水) 55


行きつけのスナックに顔を出した。
「ボトルでいいんでしょ。」
大ママににそう聞かれて、笑顔で頷いた。

なんだか店が繁盛していて、知り合いの子は他のお客さんと盛り上がっていたけど。
変わらない店の中に安心した。


昼も夜も働いてます、なんていうバイトの子が水割りを作りながら。
「55番って凄いですね、いつのお客さんなんですか?」
なんて言い出した。

知らなかったけれど、ボトルのナンバーで今や相当古いらしい。
船の仲間が適当につないでくれているので、いつまでも悪乗りした日のまま残っているのだ。
ボトルの名前は「NOVAボトル」だったはずなのに。
いつの間にか「NOVAうさぎ」に変わっていた。
これがまた不思議らしくって、「どうして?何で?」の連発でこっちも分からなくなってきた。


「歳くったねー、人の事言えないけど!」
帰る間際でようやく昔を知ってる子が挨拶に来た。
あれから何年経ってんだろう、なんて思ったけれど。
こうして笑ってられるのはいいことだと思った。


歌合戦も一息ついて、気がつけば照明がぐっと明るくなって、今夜もお終い。
点滅する歩行者信号をスキップで渡って、コンビニへ流れ込んだ。

やけくそにアイスを買う仲間たち。
その勢いに、これは勝ち目がない…と悟る。

やっぱり歳くった?
なんだか悔しい夜だった。



2009年10月13日(火) 歳月


4年という歳月が街を変えていく。
フェリーが撤退して、ガラ空きになったターミナル。
撤去されたアーケード。
店構えは同じはずなのに、なんだかまるで違う場所のよう。

屋根のついた煙まみれの商店街で燻されながら、たまらず焼き鳥屋に駆け込んだ日々。
もう遠い思い出になってしまったようで残念。
室蘭。
自分にとっては、とても思い入れのある場所なのに。


「お久し振りです!」
たまたま隣に泊まっていた船から、後輩が挨拶に来た。
最後に会ってから1ヶ月あまり。
それなのに、見違えるようにしっかりしていて驚く。
環境が人を育ててくれるんだと思う。

心底嬉しくて、夕飯を食べに行った。
「自炊してるんで、飯屋さんは分からないんですよ。」
そんな話を聞きながら、やっぱり焼き鳥屋さんへ。

一緒に船に乗っていた頃のこと、今の会社のこと、仕事のこと。
すっかり本音が語れるようになっていて、良い時間を過ごした。


帰り道、新しくなった街並みを眺めながら。
これはこれでいいような気がした。

次は次で、今日の事を思い出すだろうし。
その時にはきっと、彼も一人前になってることだろう。


頑張れ。
また会う日まで!!



2009年10月11日(日) 寒


ぐっと気温が下がった。

空調機の冷房を手仕舞いしながら外に出る。
帽子が飛ばされるのをこらえながら長い一日だナァ…なんて浸っていた。

どこからともなく陽気な声。
「上野発の夜行列車〜♪、ですね!」

「そうだね…、津軽海峡だよね。」
ふと見上げれば、恵山の岩肌。
台風の後のせいか、くっきりとした視界でガスも確認できる。
遠くに駒ケ岳も姿を見せて、よくよく見れば噴火湾の絶景ポイントだった。


ちょっと元気をもらったようで嬉しい。
何をしてもモチベーションがあがらなくて、いわばスランプな時期。
視野は広く持たなきゃ・・・ね。

夕刻、仮泊した。
コンビナートの明かりと、浮かび上がる白鳥大橋。
そして測量山のアンテナ群。

久し振りの景色に懐かしさがこみ上げた。
早く”やき鳥”が食べたい。



2009年10月09日(金) 悲


親しき仲にも礼儀あり。

別に親しくはないけれど。
困った上司に、大事にしていた酒瓶を一本取られた。

琉球ガラスのデカンタで、お気に入りのボトル。
泡がほどよく入った水色で、控えめな大きさがとても良かったのに。
無残にもラベルははがれ、ゴミ箱の中にキャップが捨ててある。
見た瞬間に逆上したけど、騒いでも時間の無駄と思って諦めた。

一輪挿しに使いたいんだとか。
お揃いのぐい呑みはどうすればいいんだヨ!

礼儀というか、常識の問題で。
相手を思いやる気持ちが全くないんだろう。

どうしても欲しいと、嘆願されれば喜んで手放すし。
お世話になっている人なら悔しいなんて微塵も感じないはず。

呆れるというか、なんというか…。
なんだか悲しいネ。



2009年10月08日(木) 墨


もう寝ようか、そんなタイミングで先輩が獲物を持ってきた。
墨烏賊って名前のとおり、小さいくせにたくさん墨を吐くやつで、すでにバケツが真っ黒け。
弓削島の沖はずいぶん烏賊がいるもんだネ…。

早速お手伝い開始。
あちこち汚さないように慎重に、慎重に。
ところが、胴と足をばらしていたら突然動き出したりしてかなりスリル満点だった。

墨は本当にしつこくて、なかなか取れないんだけど秘密兵器発見!
実は海水で洗うとあっさり流れていってしまうんだとか。
それを知って、ネットに移すと早速海の中に放り込んでジャブジャブやった。

これがまた大成功で、すっかり真っ白になったので。
そのまま塩してまた一夜干し。

どんな味になるんだろう。
早くも明日の夜が楽しみです♪



2009年10月03日(土) 牛


職場もいろいろメンバーが変わったということで。
顔合わせも兼ねて一杯やった。

つまみが神戸牛!

なんだか手違いとかで黒毛和牛が化けたんだとか。
有難く、白いサシがたくさん入ったやつを炙(あぶ)って食べた。

!!
溶けるような肉。
塩をまぶしただけなのに、本当に美味しい。
普段は飲まないビールも、ついつい進んでしまう。

家の人には申し訳なくて言えない…。
そう思いながら、あと何枚食べれるかこっそり数えてみたりして。
楽しい夜になってきた。

ところが、さすがに良い肉。
脂がこってりだから途中でペースダウンしちゃうのね。
最初はがっついていた後輩たちも大人しくなって、無事終了となった。


とても納得したけれど、やっぱり高価なものが美味しい…という訳ではなくて。
希少価値の高い、究極の味に驚いたりするのが楽しいのかな。
大トロしかない寿司屋さんとか、あってもきっと行かないと思う。


明日の朝は胃もたれ確定だ!
なんて思いながら、慌てて黒烏龍茶を作ったり。
すっかり肉の匂いになったTシャツを洗濯したり。
気がつけば朝3時。


自分ながら呆れる。
でも、しっかり者になっちゃったらガッカリするでしょ。

まだまだ、やめられそうにないや。



2009年10月02日(金) 前夜


出港前日、当直の夜。
前にもこんなシチュエーションがあったのを思い出す。


ピンクリボン運動で今夜はポートタワーがピンクなんだとか。
そう聞くと、ついつい眺めてみたくなるけれど、それすら見れない。
ポートアイランドにまたぐ赤い橋だけ見て、早々に部屋に戻った。

神戸の街には、「おかえりなさい。」と言ってくれる店が多い。
それぞれの店長さんも、そのお客さんもいつの間にか仲良くて。
ついつい、無理しちゃうんだよね。
この間はお客さんの持ってきたワインをご馳走になって。
そのまま皆で、バーへと流れてみたりした。
いつもいなくても、ちゃんと居場所を作ってくれる居酒屋さん。
「またね!」が言えなかったのが少し心残りだ。


海に出るのは、楽しい。
けど、陸地に別れを告げるのは、寂しい。

ルミナリエが灯る頃、また飲みに行きます。
みんな元気でネ。



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