後悔日誌
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2003年05月29日(木) 地下


沼津の地下。
通称ヌマチカ(嘘)で一杯やった。
出来たばっかりっぽい居酒屋でそこそこ雰囲気が良いせいか客も多かった。

しかし変わったよなぁ。
サラダ、たこわさ、ざる豆腐、大根おでん、山芋ステーキ、etc…。
いつしか油っこい料理を好まなくなってきている。

大きな弁当箱にぎゅうぎゅう詰めのご飯、ご飯が見えなくなる位乗っけた肉。
そんなの食べてたよなぁ、なんて思い出話に花が咲いた。

歳をとるのはあっという間。
だから、何か切ない。



2003年05月28日(水) 思親山


「山頂からは富士山、そして駿河湾も」
素晴らしいキャッチフレーズに挽かれて電車に飛び乗った。

身延線内船駅。
天気は可もなく不可もなく。


駅を離れるとずっと登り坂。
杉の木の間隔は狭く、斜面は急だ。

登山道というより、狭い林道をひたすら登りつめると峠に出る。
とにかく遠くて、すでに疲労気味だった。

峠からは尾根の道。
休憩の後に、気を取り直して登りにかかるとあっという間に頂上だ。
峠までは車で入れるので、こりゃ気軽な山なんだろうな、本当は。
登ったというより、むしろ下った気がした位楽チンだった。


山頂、1030.9m。
眼下には富士の街並みが広がる。
その裾野の向こう側に、きっと富士山があるんだろう…。
雲のような厚いもやに囲まれてしまって残念ながら姿は見えなかった。


下山は別ルートを使い、途中からショートカットのため一般者立ち入り禁止の道を下る。
倒木と土砂崩れ。
緊張するコースだった。


それにしても疲れた。
勢いにまかせて登るもんじゃないナァ。



2003年05月26日(月) 行動力


グラスを軽く傾ける頃、一本の電話が入った。
声の主は200キロ離れた所にいる友人だ。

今夜も一杯飲むために、自転車を漕いだ。

太平洋は思ったより荒れていてテトラポッドを乗り越えて飛沫が散っている。
少し疲れてきた頃、蛙の鳴き声が騒がしい登呂遺跡を過ぎて静岡駅に到着した。


3年前、お世話になったバーがあった。
渋いマスターのいる店だったが、今夜も電気は点いていない。

「看板だけが残っているんです」
「しばらくうちで働いていたけどお客さん逃げちゃってねぇ」
隣の店のママがそう言っていた。
思い出はあぶくになって消えた。


静岡の夜は早く、雰囲気の良い店は次々に電気を落とす。
真っ暗な街の中でひっそりと飲んだ。


明け方、ひどい雨。
自転車と酔っ払いにゃつらかった。



2003年05月21日(水) 温泉場


韓国人は温泉を好む。
結構、日本人と感覚が近いのだ。
仲がいい奴に限って結構喧嘩したりする。
韓国にとって日本はいいライバルなのかもしれないね。

話は戻って温泉。
ちょこっと暇なんで行ってきたのだ。

入っていきなりのイメージは動物園。
すっぽんぽんのおっちゃん達がひっくり帰ってる様はまさにトド。
湯に浸かっちゃ、外のサマーベットみたいのに横たわってる。
優雅なもんだね。

まねして寝っ転がったらあまりの気持ちよさに不覚にも熟睡。
目が覚めたら寒いし、背中には跡が付いてるし散々だった。


気を取り直して垢すりにチャレンジ。
ベットに寝かされると、パンツ一丁のお兄さんが出てきて凄い力でこすられた。
綺麗なお姉さんが出てくると思ってただけに(んな訳ないっすね)残念。
しかも、兄ちゃん結構ギリギリなとこまで攻めてくるんだよ。
これには正直参った。
最後は軽くマッサージしてくれて終了。

異国の地で心細かったけど終わってしまえばたいしたことないみたい。
効果は絶大で、しばらく肌はツルツルになったとさ。



2003年05月20日(火) 屋台


辛いものを食べるのにも慣れてきた。
お腹の調子がすこぶる良いのは、気のせいなのだろうか。
恐るべし、キムチパワー。


さて、街中にはあちこちに屋台が出ていて地元の人たちはそれぞれに楽しんでいる様子。
これは行かなくちゃと、さっそく屋台で一杯やった。
鳥肉と餅みたいのがくっついた串が、辛〜いスープに入って出てくる。
香辛料がまさにアジアって感じで好みの味。
とても美味しかった。

辛さを打ち消すような甘い焼酎もたまらない。
やっぱ、地元の酒には地元の料理が一番似合うんだね。


良い夜だったんだけど。



ある時、目を疑った。

隣で食べてた男の子が帰ると、おばちゃんが器の中のスープをおもむろに鍋に戻したんだよね。
あっ、って思ってたらくるくるーっとかき回せて知らん顔。
ってか、そのうちご好意でスープを足してくれる羽目になってさ。

おいら、何人分のだしが入ってるんだろうって、複雑な気分で飲んださ(涙)
ちょっとショックだったぞ。


屋台には気をつけよう。



2003年05月19日(月) 透明ピンク


「懐かしいな、話のネタに見に行ってみるか?」
そんな先輩の誘いに、社会勉強をしようと皆で色町の見学に出掛けた。

地図を見てどこだったっけ、と言ってた先輩は歩き出したら止まらない。
街を体で覚えてるなんて、相当通ったんだろう。

魚市場を抜け、光り輝く教会の十字架を抜けて坂道を登ると…。



衝撃的だった。


輝くピンクのネオン。
ショーウインドウに並ぶ薄着の女の子達。
そんな店が何十と軒を連ねている。


呼び込みのおばちゃんが片言の日本語であちこちから飛び出してきた。
こちらも大人数だが、向こうも意地になって行く手を遮ろうとする。
かなり強引だ…。

誰かがつかまっている隙に周りを眺めた。
窓越しに、あちこちの子がおいでおいでと手を振っていて吸い込まれそうだった。



怖い町。
坂を下った所で脱力した。

頭の中には大きなガラスに反射するピンクの光と女の子の妖しい目。
もやもやを消したくて缶ビールを2本、一気に開けた。


あの坂は、人生を狂わせる坂。
もう来ちゃいけない坂。



2003年05月18日(日) 異文化


両替をした。

韓国の通貨はウォン。
ちょうど1円が10ウォンということで分かりやすい。

街へ出て、驚いたのは交通機関の料金の安さ。
バスはどこまで乗っても700ウォン。
地下鉄で遠くに行っても800ウォン。
これはやめられない。

タクシーだって初乗り1500ウォン。
日本もこの位ならいいのに。



ところで、止まっているタクシーにみんなで相乗りすることになった。
助手席に乗ろうとドアを開けたら運転席だった。
運転手さんは大笑いしてたけど、こっちの道路は右側通行ってのは知らなかったナァ。
アメリカみたいだ。

車の運転はすこぶる上品で、日本とそう変わらない。
韓国政府は外車に重税をかけているそうでほとんどが韓国製。
日本車はおろか、ベンツもアメ車も全く走ってないのには驚いた。

NOと言えない日本人と違って、はっきりした国柄なんだろうな。
急成長の社会、徴兵制が養う団結力。
隣の国は南も怖いぞ。



2003年05月17日(土) 距離


九州を北上し、対馬の沖。
島影が消えて、携帯電話が圏外になったらそこはもう韓国。

日本と韓国の間はもっと広い海があると思ってた。
けど違ったんだ…。


あまりの近さに困惑した。
これなら漁船が入り込んでくる訳だ。

その距離、たったの50キロ。



2003年05月13日(火) 赤い海


横浜の海は赤い海。

赤い海。
ヨットをしてた頃はよく見たものだ。

汽車道から周りを見ると、ランドマークタワーにワールドポーターズ。
赤レンガ倉庫に新しくなった大桟橋。
洒落た港になったもんだと、つくづく思う。

けど、開発が進んだ港の中は潮の通りも悪くなってやがて死んでいく。
一番、奥まった所にある水上バスの乗り場なんてとても海とは思えない。
よどんだ水面に浮かぶ茶色の泡、海は茶に赤を足したような色。
きっと魚たちは住めないだろう。

何ともいえない赤潮の香りを胸いっぱいに嗅ぎながら。
複雑な気分の朝。



2003年05月12日(月) みどり


街は成長する。
大きな空き地にマンションがにょきにょき建った。

十年前は絶景だった十階からの眺めも、今じゃ行く手を遮られているばかり。
なんかがっかりして下を向いた。


緑が綺麗だった。
道路が見えないほど街路樹が茂っていて、ちょっとした森みたい。
十年間でこんなに成長したんだね。



少し嬉しくなって、朝ご飯のサラダスパゲティを食べた。



2003年05月11日(日) 指輪


指輪をプレゼントした。

彼女とは、色々初めてなことが多い。
二ヶ月前、おっかなびっくりしながら入った指輪屋さん。
色々、石についての説明を聞きながら真剣に選んだっけ。


サイズを調整してもらうために一度工場へ出掛けた指輪。
今度は名前を彫ってもらうために、もう一度工場へ。

お世話になった担当者も変わってしまったけど。
世界に一つの、初めての指輪が出来上がった。


彼女を海へ連れてって、砂浜の一角を掘ってもらうと指輪が出てくるとか。
映画館で映画を観ているうちに、さりげなくつけてあげるとか。
そんなロマンチックなやつがいいななんて、頭の中では描いていたけど。

結局、街のコーヒー屋さんの大きなソファに座りながらプレゼント。
彼女の左手で誇らしげに輝いてる指輪になんだか満たされた。


あと、もう少し。
七夕まで忙しい。



2003年05月02日(金) 夜釣り


隠岐の沖は鯛だらけ??
先輩たちの竿を勢い良く曲げる鯛くん達。
ちょうど卵を抱いた乗っこみの時期で、小型でもずっしり重い。

これは大変だと慌てて竿をセットして、今か今かと竿先を眺める。


一時間経ち、二時間が経ち。
日付が変わってからは仮眠をはさみながら餌の点検に通い続けて朝。


うつろな目でリールを巻き上げると、元気な餌が踊っていた。
こりゃついてないや。

相手にもしてくんないなんて、ずいぶん嫉妬深い鯛だね。
なーんて、思い込みすぎ?



2003年05月01日(木) 魔天崖


隠岐の崖の上に立った。
落差200メートルを越す、海から突き出た崖だ。
崖の上は緑の原っぱが続き、放牧された馬や牛が気ままに歩いている。
予想外にいい所で驚いた。

魔天崖と呼ばれるこの景勝地。
自然の豊かな雰囲気は外国のような気もする。


風が走る中で弁当を食べ、景色に感動したり、笑ったり、走ったり。

いつかまた、大切な人と来てみたい。



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