日常些細事
DiaryINDEXpastwill


2004年04月30日(金) 植えられちゃって・・・

 普段は福岡に住んでいる大家さんが帰ってきた。我が家に隣接した納屋を取り壊して駐車場を作ってくれるという。
 ありがたいことである。
 今までは100メートル離れた場所にしか駐車場を借りることができず、膝痛でわざわざ遠くから施術を受けに来てくれるお客さんに
「100メートル歩いてきてくださいねー」
と言うのは実に心苦しかった(それだけで来なくなる人もいる)。
 駐車場として使うにはあとしばらく時間がかかるようだが、もうこれでお客さんに不便をかけないで済むだろう。
 まあそれはよいのだが。
 ある日うちの庭に直径1メートルはあろうかという大きな瓶が3つ、どかんと置かれているのに気が付いた。大家さんの仕業である。取り壊した納屋に使いみちもなく仕舞ってあったのだが、捨てるのも勿体無いからといって我が家の庭に持って来ちゃったのである。
 翌日には庭に葱がごっそり植えられていた。駐車場を作るため納屋と一緒に小さな畑も潰したのだが、そこに植えてあった葱を
「勿体無いから」
と言って移植してしまったのだ。
 うーむ。
 実は私は、うちの庭をおしゃれな英国風ガーデンに仕立てようと思っていたのである。そのために本まで買っていたのである。
 小枝で作った素朴なプランターにオヤマリンドウやアイビーなどを寄せ植え、庭の周りにはオールドローズ。緑の芝生にベンチを置いて、3時のお茶にしましょうか。るるるん、るん。
 なんて優雅なガーデンライフを夢見ていたのに。
 葱なんか植えられちゃって・・・(涙)


2004年04月25日(日) 悲しみの理髪師

 半蔵理髪店(仮名)へ散髪に行く。
 今日の店主は元気が無い。
 私の髪を切りながら、時々
「はあ〜」
と溜め息をついている。
「いらっしゃーい」
お客への挨拶も、なんだか上の空といった感じだ。
 体の具合でも悪いのだろうか。 
「今日は髪、短くしてくれますか」
私の注文にも
「はい。短くですね」
 普通の返事をするではないか。
 短髪をこよなく愛し、客の髪を短く刈り上げることに生き甲斐を感じている店主である。いつもの調子なら
「あっ。短くですか本当ですか。わっかりましたあ」
と大張り切りするはずなのに。
 うーむ。気になる。
「元気無いみたいですけど」
さりげなく尋ねてみた。
「なにかあったんですか?」
 すると店主、また溜め息をひとつつき、
「鋏が死んじゃって・・・」
と言う。
「10年間使ってた鋏が壊れちゃいましてねえ。もう、わたしゃ悲しくて悲しくて。とてもよく切れるいい子だったんですよお」
 愛用の理髪鋏との別れに、店主は打ちのめされているのだった。
 そのあと散髪が終るまでの1時間、今は亡き鋏がいかによく切れたか、いかに自分の手に馴染んでいたか、自分にとってどれほど大切なものであったか、切々と語る店主の姿に、私は半ば呆れながらもある種の感動を覚えたのだった。


2004年04月17日(土) わたしはわかる

 私は自称整体師にして占いもやる。しかしあまり儲からないので(涙)、現在は百貨店の警備員もやっているのだ。
 先日、そこの課長に呼ばれて注意された。
「伝言間違い、扉の閉め忘れ。君、最近ミスが続いているぞ。いったいどうしたんだ」
「はい。それはですね」
と私は答えた。
「今月は九星のうちの九紫が中宮に回座するため三碧木星の私は北東方向が本命殺となります。この店は自宅から北東にあります。したがって私はミスが多くなるのです」
 わけのわからん言い訳するなっ、と余計に怒られてしまった。


2004年04月08日(木) 本当なのに

 一時停止違反で白バイに捕まる。
「たしかに停止線ではぴたりと止まらなかったかもしれません。だが限りなく停止に近い徐行でした」
と抗弁してみたものの受け入れられず、結局反則切符を切られることになってしまった。
 警官はバイクのサドルに書類を広げると、慣れた手付きで必要事項を記入していく。しばらくその様子を眺めていたのだが、
「おまわりさん、あなたは災いを招きやすい手相をしている」
 私は彼に忠告することにした。
「そのうち事故や災害で大怪我するかもしれません。気をつけたほうがいいですよ」
「そうですか。それはどうも」
中年の白バイ隊員は、そう答えながらも淡々と書類を書き続けている。
 うーむ。ぜんぜん信用しとらんな。
 捕まった腹いせに嫌がらせでも言ってると思っているのかな。
 本当なのに。
 手のひらに×印の多い人、お気をつけ下さい。災いを招きやすい手相です。


2004年04月01日(木) マイナスイオンが出ているぞ(たぶん)

 先日買った空気清浄機にはマイナスイオン発生装置も付いて、スイッチを入れると機械が勝手に作り出す仕組みになっている。
 マイナスイオンというのはこのところよく聞く言葉で、なんとなく体に良さそう、という認識はあるのだが、
「じゃあなんなの?」
と聞かれたら、ちょっと返事に困る。
 調べてみると、空気中に漂っているイオンという微粒子にマイナスの電子がくっ付くいてマイナスイオンができるそうだ(プラスの電子がくっ付くとプラスイオンになる)。
 そしてマイナスイオンは人間の副交感神経に作用して、
鎮痛
安眠
精神の安定
などに効果があるという。
 なかなかスグレものの物質ではないか。
 ただ、なにしろ微粒子だから目にはまったく見えない。色も匂いも無い。くだんの空気清浄機にも緑色の小さなランプが灯って、
『マイナスイオン発生中』
と表示が出るだけである。
 『発生中』はあくまで日立EPX-10の自己申告によるものなのだ。
 猜疑心旺盛なこれまでの私なら
「おらおら。マイナスイオン発生中とかいったって何にも見えねえじゃねえか。証拠の一つも出してみんかい」
と空気清浄機を小突きまわしているところだが、近頃は
「ふーん。機械がそういうならそうなんだろうな」
と、妙に物分りが良ろしくなった。
 ひょっとして、こういうところがマイナスイオンの効果なのだろうか。


高橋もんだる院 |HomePage

My追加