絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


情緒的空間の中の透視図法         2004年05月28日(金)

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透視図法とドライフラワー

うってかわって情緒的な空間。
この絵はいったいどうなっちゃうんでしょうかね(^^;
舵も取らずに気の向くまま描いていたけれど、
そろそろ終わりかなぁ。
いやいや、方向性がつかめるまでやってみようかな。

色彩の中で描写ができるか、
ペンは最近使っていない、細かい形を追いかける必要が
あるのか。問題はこの辺。

色彩を鮮やかに見せたければ、
形はシルエット的、シンプルな方がいいだろう。

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愛でる〜子供バージョン

このエスキースはデカイ方がいいかな、と思って、
とりあえず100号張って地塗り。
昔は画材屋で一日何枚張っても笑っていたのに、
この日はへばった。最近張ってないからなぁ。

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群衆

絵画教室で庭の花を切って持ってきてくれた方がいたので、
わたしもついでに描いてみる。
群衆は…。難しいわね。
時間切れ・惨敗。

by HPY


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板とキャンバスペーパー、地塗り材         2004年05月21日(金)

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貝

Museキャンバスペーパーに。
気軽に枚数描けるところがお気に入り。

油彩用かと思っていたら、おーぉっと、
油彩は不適・練習用」にって書いてあるじゃない。
やべーやべー。今日一冊追加して買っちゃった。
でも気軽に描けるのは魅力。

アトリエに行ったのはいいが疲れて、
ちょっとのつもりが机上にうっつぶして
3時間ぐらい寝てしまった。
その後、寝ぼけながらも板に油彩実験するため、
いろいろ用意する。

  1. ファンデーション(クサカベ、地塗り材)
  2. キャンゾール(マツダ、速乾性缶入り地塗り材)
  3. ジェルメディウム(リキテックス、アクリル)
  4. ジェッソ(クサカベ、テンペラ・油彩用)

今週読んだ本は、森田恒之の画材本、
「画材の博物誌」「絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科」。

by HPY


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ベタな気持ち         2004年05月19日(水)

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愛でる愛でる

「花を愛でる人」なんて、ねらい通りだけれどあまりにもベタなんで
ふと気がついて妙に気恥ずかしさを感じて。
左は途中、右が完成。顔はそういう理由でつぶした。

それでもこんな感傷的な絵を描いちゃっていいのかしら、
と、やっぱり呆然としている自分がいる。

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14時頃、お腹がすいたのでコンビニに何か調達しにいく。
雑誌コーナーを見やると「プレイボール」があって。
懐かしい!!って、手にとってパラパラと読んでみる。

こどもの時、夢中になって読んだんよね。
キャプテンとプレイボール。ちばあきおさんのマンガ。
ひたすらひたむきに野球に打ち込む主人公らを見ていたら
熱く思い出す。頑張れ頑張れーって応援する。
それから作者のその後を思い出して。中三の時だった。

そしたらなんだか異常に感傷的な気持ちになって、
胸が詰まって苦しい。弁当買いに来たのに見たくもない感じ。
感傷的な気持ちはキライ。生きていくのにそぐわないじゃない。
でもどうしてこんな気持ちになるんだろう、人って。
こんな気持ちを好むんだろう。

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加えて描いてる絵が色彩的、感情的なものだから、
伝える前に自分がゆさぶられる。
花を愛でながら、にぎりつぶしたい衝動が手に見える。
感情を出すのは非常にコワイ、
恐ろしいことをしているのではないかという気持ちになる。

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透視図法とドライフラワー

後半、この絵を引っぱり出してツヅキを描いてみる。
目的は油彩絵の具のぼかしの実験。
透視図法的空間とモチーフ細密描画、
それとゆるいぼかしのバランスを測ること。
思った以上にうまくいかない。(^^;

こういう絵は、描写とか絵の具としての道具の扱いとか、
構図とか構築だけ考えていけばいい。
積み上げる作業。感情はいらないから、
そういう意味では楽だ。

でも閲覧する身になると、旨み甘みは薄いかもなぁ。

by HPY


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色配置キーワード見本と、生きた証〜古代ローマ人と肖像展感想         2004年05月14日(金)

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前回モノクロで筆素描したスケッチ画に、
軽く色をつけてみる。
水彩の特質を活かして…。

以前、いかにも水彩見本〜つー絵を描いて
自己嫌悪に陥ったことがあるが、
うん、これは水彩らしくてかつ自分らしくて
いいんじゃないかな。

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空き時間に、短時間でできる色見本を作ることに。
学生の時に挫折した、色彩論計画のツヅキ。
今度はね、色の配置に名前をつけている本を参考に。

例えば淡い配色で、ロマンチックな、可憐な、
オーカー系中間色で、素朴な、自然な、
マイルドな、いごこちのよい、等々。

固有色の色見本、明暗色相グラデーションの後、
やりたかったのは、混色見本と配置見本。
これは結構面白い!!
いつも通り、本と同じ色が出るまで目でチェックする。
普段使わないような配色を練習して、色幅を広げたい。

時間は結構かかるので、
本当に、空き時間にちょびっとずつ進めるとしよう。

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金曜日は、東京ステーションギャラリー難波田史男展
上野の国立西洋美術館でやってる古代彫刻展、
生きた証−古代ローマ人と肖像を見に行った。

西洋美術館は、金曜日は20時まで。
16時頃入場して、しっかり閉館までいました。

まず、アートというか、文化の流れとはだいたい、
素朴なリアリズムからスタートし、
技術の向上とともに、より一層リアルに、
それから現実を離れて理想化、
完成され爛熟、本質が薄くなりマンネリと過剰装飾、
4つの段階を経て終了する。

昔、美術史の授業でキーを教えてもらって
目から鱗。先生の名前は忘れちゃったけれど
すごく感謝している。
一度極めた人やムーブメントが、
衰退していくのはどうしてか、
努力しても永遠に右肩あがりではないのは何故か、
知りたかったんだよね。

ローマ肖像も、故人を忍ぶためなどの目的で
しごく素朴にスタートし、
後年は皇帝のプロパガンダのために大いに理想化され、
テレビの中で壊される、近代の支配者銅像なんかより
実用作品としても、作品としても素晴らしいと思う。

ところが後半ビザンチンがいきなり現れて!!
文化が断絶したかのよう。
ビザンチン時代になると、みんな子供の落描きみたい。
現実を写そうなどというリアリズムのかけらもない。

そしてキャプションを読んで……これは………
10年しか生きなかった子供の墓標。
落描きのようによたりながら、
大理石を困難に彫り抜く線は祈り。

幼い子を失った家族の慰めといたわりの気持ちが
装飾の少ない、絵と文字の刻まれた一枚板から
痛いほど強烈に伝わってきて、
もうこれはアートじゃないな、と。
こうべを垂れて神妙な気持ちになってくる。

なんというか、あの素晴らしい理想的な三次元的な
丸彫り空間を一切捨て、
この素朴な落描きの線に至るという、
潔いというか、すぎるというか、
なんというか、こちらの方もショックだなぁ。

そして画集ではちっともいいとは思わないのだけれど、
美術館に行くたびに、
ビザンチン、ゴシック、ロマネスクの
あの辺の時代の作品は、忘れ難く心に残る。

あのヘタっぴに見える線画。
頭でっかちだったり、比率がめちゃくちゃな人体。
ルネッサンスにたどりつくまでの時代が気になる。

昔ヨーロッパ美術館巡りで同行した人が、
三次元的空間になってから、西洋美術はつまらん、
と言っていたけれど、その意見に頷いた。
当時も頷いたし、改めて今、頷いている。

ビザンチンいいなぁ!!!
うまいヘタで言ったら、ヘタだよなぁ…。
この強烈に惹かれる気持ちはなにかなぁ?

ここらで一丁、暗黒と言われる中世1000年間の歴史でも
読んでみるか、という気になった。

by HPY


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次にやりたいこと探し         2004年05月12日(水)

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相棒が自宅仕事になり、パソコン戦争が起こっている。
互いに時間をずらして仕事をしているが、
…というか、ほとんど相棒に占領されている。

パソとネットはわたしにとって、新聞であり雑誌であり
手帳であり図書館でありますから
ネットに繋がってないもう一台で主に作業してるけど、
不便なこと極まりないっす。

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それはさておき。
韓国料理店展示のため、作品をいろいろ引っぱり出してみる。
ストックないかと思っていたけれど、
探せばあるものだ。

ドライフラワーと柿と工具と透視図法 3つのオレンジと瓶

これら未完作品は、わけわからなくなって挫折したものだが、
何をしようとしていたのか今なら分かるような気がする。
部分的に今やりたいことと共通点がある。
せっかくなので、しばらく眺めていた。

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水彩にじみ テンペラにじみ

その、やりたいことの予行演習。
まず水彩でのにじみ。
次にテンペラ。テンペラはにじみはやっぱり苦手だね。

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テンペラ構成(失敗だぁ)

垂直線を入れてみる。
硬いなぁ。
イメージ湧かなくていろいろやってみるけれど、
最初がまずくて、まとまりもしない。

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『愛でる』

最後にF4号キャンバススケッチブックに。
電車の中で描きためていた、人物を。

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相棒になにげなく話した、
昔、ジャーナリストになりたかったことがあるの。
愛読は新聞とNewsWeek。
好きなものは報道写真。
それでわたしにとって、絵とは。

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今回顔のない、仕草だけの人を描く。
中央に小さく花を入れるつもり。

by HPY


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隠れたところに…         2004年05月07日(金)

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隠れたところに…(完成)

この作品はこれで終了。
意外に最後はあっさり。
これから紹介文を書かなけりゃ。

隠れたところに…(部分)隠れたところに…(部分)隠れたところに…(部分)

国画、春陽会、東光会を午前中に上野で見た。
東光会ははじめてで、
ちょっと傾向がみんな同じで古くささを感じたけれど、
国画と春陽会は去年も見たから、
覚えてる人もたくさんいる。
毎年見ると、変わったのを楽しむ余裕もできる。

アトリエの人は、
春陽会はいいけど国画は興味ないって、
でもわたしは逆に国画の方が好きだな。

あんなに団体展に拒絶反応を示していて、
一時は見るとマジ吐き気さえしていたのに、
変われば変わるものだ。わたし。

by HPY


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もやもやっとした霧が晴れて         2004年05月04日(火)

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隠れたところに…

もやもやっとした霧が晴れて、
だんだん明るくなってきたのは、気分的な問題かな。
白っぽくなってきたので、白や黄の階調を増やす。

隠れたところに…

風邪も治って、次の案も湧いてきて、
この絵もそろそろ終盤。でもいっこうに未完の感が拭えない。
ものを見ないで本画を描くのは初試みだから、
まぁいいとする。

カチカチッとならずにゆったりと、密度があがると
いいんだけれどね。

隠れたところに… 隠れたところに…

アトリエの4人が全員、同じコンクールに出すというのは
非常に珍しい。だからちょっとは気になるかなぁ。
もちろん、傾向はみんな見事なまでに違うので、
絵として見たときの直感的な良し悪し。

でまぁ、わたしのは特に完成度の点で難あり、
なんだけれど、結構気に入っている今回の寓意的テーマ。

by HPY


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