絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


壮絶な。         2002年04月30日(火)

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祝日中に相棒と話していたら、昔の漫画の話になった。
最近、昔読んだ漫画を思い出して止まらない。

一番思ったのは「キャプテン」を描いたちばあきお。
不思議トーボくんも欲しかった。
立ち読みしてて涙がこぼれた。
中学生だったと思う。
買おう、買おうと思って、その時は手持ちがなかった。
多分今じゃ買えないだろうな。トーボくん。
(キャプテンは全巻買った)


中3の時、ご多分に漏れず受験で。
文学少女にはツライところ。
勉強の合間には、セリフがいっぱい。
項羽と劉邦、三国志、竜馬がゆく、燃えよ剣、そしてキャプテン。

三国志は超雲が「張飛ー!救え!救え!俺を助けろーー!」と言いながら、馬を走らせ逃げてくるところが好きだった。あと関羽さん。

竜馬は人殺しをしないところが好きだった。
だから新撰組はある意味憎かった。

で、キャプテンはテレビでも再放送やっていて、見ていた。
ツライ時も、あぁもうちょっと頑張ろうかなぁ、って思った。

そんな時だったなぁ。作者が死んじゃったの。しかも自死。
秋のはじまり。新聞で読んだ。

ショックなんてもんじゃなかった。2・3日ぼーーーっとしてたっけ。

────

今日、図書館でわざわざ、「消えた漫画家」という本を読んだ。
なんで死んだのか。何故消えていくのか。
もう今は、なんとなく分かっていたんだけれど。

改めて。

────

鴨川つばめのインタビューが面白かった。
20代前半でもう廃人寸前。机にどうしても向かうことができない。

────

もう一つ、忘れていたツライ時代を思い出した。
それは美大受験の頃。孤独だった。ツラかったなぁ。
絵はうまくなったかもしれない。時間的にも一番やってたし。
でも、絵は嫌いだったな。あの頃。なんか。
描かされているのがイヤ。
馬車馬のような気持ちがイヤだった。

目的のためにばく進する事、初めて本当に味わった。
精神論も勝手にすり寄ってくる。

あの頃はノイローゼ気味で。

メガネも叩き割ったっけ。(^^;

────

団体は嫌い。制服は嫌い。
みんな同じなのは吐き気がする。

メガネを割ったおかげで私はその日学校に行かずに済んだけれど、
おかげでずっと学校に行かずに済んだけれど。

────

微熱もいつの間にか治ってしまった。

────

130歳までは生きようと思っている。
そうするとあと100年も生きられるんだよね。

なんか楽しいことありそう。
のんびり生きたいんだけれど。

────

◆参考リンク
恐怖の追跡〜あの人たちは今?〜

徘徊の記録
 ┗■読書履歴
   消えたマンガ家 ダウナー系の巻

by HPY


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遊んで寝て         2002年04月29日(月)

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土・日・月、予想通り。くくぅ。(T▽T)

午前中はチビと公園で遊んで、お昼食べてその後添い寝。
たっぷり2時間は寝ちゃって、夜も作って食べて片づけてその後添い寝。

うーーん。後悔はよそう。
チビは楽しかっただろう。私も楽しかった。
この休息を今週に生かさねば〜〜〜〜!!!!
休みボケしている場合じゃないのじゃ〜〜〜〜〜!!!
(してる)

────

そうそう、29日祝日は、ホントは上野の動物園に行く予定だったんだけれどね。
タダなのよ。マジ。
それについでに雪舟展にも行きたいな……と。


でも、相棒が書類とにらめっこしていて、待っていたらどんどん時間は過ぎ、気が付いたらチビと遊びながら寝てました。


なんかね。人と波長を合わせようとすると、脱力感……というか途端にやる気がなくなるんだよねー。チビならなおさら……寝てしまう。
さっさと2人でいけば良かった。人をアテにしてはいかんな。

────

夜は「免許証がない!」騒ぎがあって。
お昼に遊んだ小学校の校庭まで探しに行っちゃった。夜8時。

そこの小学校、校庭が中学校と合同で、ナイター設備があるのね。
煌々と照らされる校庭では、サッカーの練習が。
駐車場の車の数からすると、全員社会人だと思うのだが、みんな若い。
高校生?大学生?25歳くらい?

若い。明かりに目がくらんで、若く見えるだけなのかもしれないけれど。
なかなか不思議な光景でした。


by HPY


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くせー         2002年04月26日(金)

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久しぶりに絵の具で描いていたら、えれーくせー。(^^;

2週間ぶりくらいだ。
冷蔵庫に入れて置いた卵テンペラ。
タッパに入れて。

無視して描いていたけれど、画面から匂い立つそのにおいにあてられて、もうダメだ。全部捨てて作り直した。


個展宣伝用の文句を考える。
なんか偉そう。
でも、気持ちが決まった。やっと。


ここまで来れば後は楽だろう。
……のような気がする。
時間はあるようなないような。
ゴールデンウィークは嫌い。
描く時間なくなるじゃん。


チビとは平日あんまり遊んであげてないから、土日祝日くらいは遊びまくってやらねばなぁ。……相棒は「久しぶり」状態で。チビの寝た後帰宅し、起きる前に出社するから。
チビはそんなパパを邪険にするでもなく、袖をひっぱって付いていっている。
いい子だなぁ。

私が子供の時は、もう避けまくってたような気がするな。休日はよく分からないコワイ男の人がいるぞって。早く起きて外に遊びに出よう。


「あずみ」の漫画をレンタルビデオ屋で借りて読んだ。
初めて読んだ。こえー。身震いがした。
続きを読みたいけれど、貸し出し中。残念。


ボブ・ディランの昔の映画を借りて見た。
ちんぴらっぽ〜〜い。(^^)
周りにいる人たちは、スタッフか取り巻きか分からないけれど、
あんまりいい取り巻きには見えない。

インタビューは熾烈で、毎日あんな人生問答のような質問を受けていたら、自分は神だだと思うか気が狂うかしそう。


チビ用に「一休さん」と「サスケ」を借りて一緒に見た。
「ゲゲゲの鬼太郎」はびびっていた。おばけはコワイらしい。
「一休さん」はいきなり自殺未遂するのでこっちがびびった。
母の愛を受けられないなら御仏もありません!とか言って。


「母と子の絆」って大事だなぁ。
母の愛を受けられない、というか、拒まれると、
子供は想像以上にダメージを受ける。
動物ならば母とはぐれれば死ぬ。
人間の子供は死なないと思うんだけれど、
精神的なダメージが大きすぎる。何故。
「自分は不要な人間なんだ」と思いこむ。それは何故。


そこまで気を回さなくてもいいと思うんだけれど。(^^;


一休さんはまわりの大人(和尚さん×2)に諭されて元気になる。
へー。
こんなこと、最近あんまりないような気がする。特に物語世界で。
まわりの大人に諭されるなんて。しかもじいさん。
いないじゃん。周囲に。じいちゃん。いるかな?
精神的に。かっこいいじいちゃん。
わたしの周りにはいなかったな。
もちろん、昔に頻繁にそういうことがあったかどうかも知らないけれど。

by HPY


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後ろを向くな、前を向くな         2002年04月25日(木)

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いやぁ〜〜、ばてましたわ。(^^;

火曜日ですが、友人のグループ展に行かねばと準備していたら、チビが寝坊の上、どうしても保育園に行きたくないと言うので、ついでに連れていきました。
約束は「疲れた」「飽きた」「いやだ」と言わない。

まず上野にGO!
プラド美術館展、国画会展を見ました。
プラドを見終わった時点で、チビは飽き気味。

感想は……。やっぱり現地で見た方が面白いですね。
ベラスケスのラス・メニーナス見たい。
あれは不思議な絵です。誰かが『ヨーロッパ史上ベスト3に入る一点』とのたまっていましたが、認めます。画集で見る限りでは分かりませんが。


現地で見ると、土着さが分かると面白いんですよね。
ドイツのグリューネバルドの磔図はやはり教会にあってこそ。
フラアンジェリコも修道院にあってこそ。
ファン・アイクの神秘の子羊しかり。
フランス絵画も、山ほどあってその中からセザンヌやマネが出てきたんだなぁ。最初はヘタだしサロンに嫌われてたんだな……って。

プラド美術館の近くには、やっぱりピカソのゲルニカの美術館があって欲しいですね。

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前回、時間切れで追い出されたので常設展の版画を是非じっくり見たかったのですが、今回もなんかいそいそと駆け足で。
やっぱ昔のテンペラはいいですねぇ〜〜。
19世紀に入ると、いきなり色とりどりの明るい絵になりますが、やっぱ14〜16世紀くらいの絵に惹かれます。

────

国画展は友人が初入選したので。
団体展はたいてい疲れますが、国画は結構好きです。チビは同じく飽きていたようですが、いっちょ前に「この絵はいい絵だね」とかゆってます。

参考になる絵は写真を撮りました。
以前は描いていたんだけれどね。

────

友人のグループ展は西荻窪のマンションの1階にある画廊で。
思ったより小さいところで、友達のうちに遊びに行ったような気分でした。
チビもすっかりくつろいで、お菓子をもらったり、漫画を読んだりしてました。
帰りの電車では爆睡。お昼寝もなしだったからね。

────

次の日は最低最悪。
体が動かない。頭がいてー。思考能力ゼロ。
絵を描く気力も文字を書く気力も、パソコンに向かう気力も何もなし。
ほとんどぼーっとしてました。情けない。

でもチビは、保育園で元気に遊び、夕方以降もはしゃぎまわり大人と一緒に夜更かし。あぁ、子供は一晩寝れば回復するのね。

────

洋なし(ペン)
木曜日はお休みの人が多かったので、割と暇で。
珍しくテンペラを持っていかずに、ペンと鉛筆だけで絵を描いている。

テンペラ下地の上にインクで影付けし、ハッチング。
モチーフは同じく洋なし。
でも……。白は失敗だったかも。
技法的にも、テンペラの上にアクリル絵の具はまずいかなと思う。
でもインクの上の油層もまずいし。
まぁ、実験だったので進めましたが、一番まずかったのは、描きすぎた黒の上に、白でハッチングしたことかな。

なんか甘いしもたるんですよね。

ペン画はなおせない。だから描きすぎに注意している。
注意しているうちが花なのかも。
白で消せると簡単に考えていると、ますます安直に墨をのせ、鋭い感じがなくなってしまう。
ペンだと確かに、木炭やコンテデッサンと違って空間は浅い。

でも、3次元的な形を得るために、ペンの鋭さをなくすのなら、浅い方がましだな、と思いました。

────

硬いなら、硬いで通してもいい。
欠点をなくすために長所がつぶれては何もならない……。
「線が硬い」と批評したら、途端に描けなくなってしまった生徒さんに、今日はそんなことを言ったような気がします。

それはあなたに言ったのか、自分に言ったのか。
前回個展でいろいろ言われたけれど、それが効いているなんて、わたしはみんなに好かれようとしていたのか?いろんな意見を受け入れ、それにそんなにも応えたいのか?

全ての人に好かれることはできない。
全ての人に好かれることはできない。

全ての人に好かれる必要はない。

人の展覧会や出世話を聞いて、途方もなく羨ましく焦るとき。
前を向くな、後ろを向くな、紡がれる言葉は諸刃の剣、
静かな泉、感性を信じるしかない、と。

そんなことを思いました。道を歩きながら。


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◆参考リンク
アート・オブ・ドリアン
ディエゴ・ベラスケス Velazquez, Diego (1599-1660)
 ┗ラス・メニーナス(女官たち) Las Meninas

by HPY


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突貫工事         2002年04月22日(月)

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ちょっと突貫工事になってきている。慣れとは恐ろしいものだ。


一日のうち、午前中30分ほどバイクで出かけるのが好き。
お昼はパソコンに食いついて、全然休憩らしくない。
お昼ご飯、お弁当作って、川にでも行こうかと考えた。

一日のうち例え10時間絵が描ける時間を計算できたとしても、休憩なしではツライ。
昔はそれくらいできたような気もするが、今は2時間が限度で。

そんなことを思っていたら、あ、これって会社のリズムじゃん。
朝の移動時間。1時間弱。
昼の喫茶店。1時間弱。
おやつタイムに珈琲飲みながら、適当に他の人としゃべったり。

休憩って大事。リフレッシュでいつも新鮮な気持ちを。
気持ちまで貧乏になると、本当に貧しい気がするものなぁ。

by HPY


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影となり(2) 〜細密ではない         2002年04月20日(土)

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2枚目を描き終わっての感想。

[細密画]という言葉が便利で、人に言われたり自分でも使ったりしているけれど、私は細密画描きではないな……、と思った。

影となりそれにしても薄墨は良かった。描きやすいし、線も少なくてすむ。
線があんまり多いと、真っ黒になっちゃって、見る分には綺麗なんだけれど、どうもスキャンしたりデータにすると汚いような気がする。

分かんない、気がするだけかもしれないけれど。
実をいうと、着彩画とかスキャンしてモニタで見ると、後ろから照らされる強烈な光のせいで実物よりいいんじゃないか、と思われる絵が何枚かある。

見やすいんだよね。ステンドグラス状態じゃん。

でもペン画に関しては不満かな。
光がきつすぎるのかもしれない。

次は白も使ってみよう。

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兵士昨日は近所のお好み焼き屋さんへ行ったよ。ドリンクついでたら、チビがいきなり鼻血だら〜〜って。

鉄板に手を触れないよう、気をつけていたけれど、まさか熱気でのぼせるとは。(^^;
それなりにうまかったらしく、バクバク食ってました。

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夜、相棒と帳面付けの打ち合わせ。同じ家に住んでいるクセにめったにしないから。
でも気が付いたら夜中4時じゃん。
おそるおそる「……あの〜、わたくし月曜までに仕上げなくてはいけない絵があるんですけれど……」と言ったら解放してくれた。ちょっとずるい。

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友人のグループ展が阿佐ヶ谷である。行きたいけれど……。遠いなぁ……。
電車で2時間、これくらいの距離が一番遠く感じるかも……。

by HPY


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影となり         2002年04月19日(金)

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1枚目の反省。

私は線が好きだ。線を活かして描きたい。
生きた線が描きたい。

でも画面だから明暗対比の問題がある。
細いペンだけで暗部を塗っていくのは、どうも面白くない。

ペンオンリーは難しい。
これなら鉛筆の方が多様性がある。

デューラーの版画を思い出したり。
ドレの版画を思い出したり(ちょっと反面教師)
ドーミエのデッサンを思い出したり。
門坂流さんの画集をもいちど見たりして。


2枚目は薄墨を併用することにした。

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ニュートンの古いインクを皿に1滴、水をスポイトでじゃばじゃば入れて薄める。
試し書きをして薄める。

薄める。
薄める。
薄める。



これでもか、というくらい薄めた。



下絵を軽く描いて、トレースするのだが、今まで使っていた鉛筆風カーボンはやめた。
あれ、鉛筆もペンもはじくんだもの。誤算だったよなぁ。

やっぱ昔センセに教わった、自作カーボンの方が性能がいい。
自作なんで面倒くさいけれど。
それに……作り方もよく覚えていない。

確か、芯削り器にたまった芯を石油で溶いて塗るんだったっけか……。
よく分からないので、今回は直接トレペのウラに鉛筆で塗って作った。
フキサチーフを軽くかけた。
写りは悪いけれど、構図さえ分かればいいんだからこれでいいや。


そう、1枚目の反省は、最初鉛筆で描きすぎたこと。
細かい部分が多いんで鉛筆で描いたけれど、下書き→清書という漫画のような行程になってしまった。これは描きづらい。私はやっぱドローイングというかデッサンだから、輪郭くくって影付けして色塗りする、という描き方はまずい。
それに最後に鉛筆の線は全部消すしね。いらないや。


薄墨はその点うまくフィットした。
薄い明暗対比。構図も分かるし、アタリもできる。分かり易いから作業も早い。
ペンもよく乗る。薄い明暗着色の上のペン描きは、最近の行程と同じだからやりやすい。

印刷で薄墨が出るかどうか心配だったけれど、別にOKなんじゃないかな。
ペンで濃淡作っても、それだってつぶれるだろう。縮小されるし。
実際Webデータとしてスキャン→縮小したのだって、すごくつぶれて汚く見えたから。

線は少ない方がいい。
余計な線は、なるべく抑えて。

by HPY


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細密デッサンとペン描き。         2002年04月18日(木)

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今日は結構楽しかったな。教室。
いつも楽しいけれど、特に。

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嬉しかったことは、迷い迷わせていた水彩画の人の絵が完成度高く仕上がったこと。
今までバックを冒険させたり、筆でデッサンさせたり、いろいろ分からないことが多かったんだと思うんだよね。迷いで鉛筆が動かない。


これはまずい、と思ったよ。
口で言うとなまじっか理解しているような返事が返ってくるのでやっかいだった。
手で分かって欲しい。目で分かって欲しいんだけれど。


今日のモチーフはあえてハスのドライフラワー。色味がなくてそういう意味では面白くないんだけれど、形が抜群で、私は好きなモチーフだ。
彼女は最初つまらなそうだった。単品だしね。モチーフ台にも置かない。


見るに見かねて、出だしを描いてあげた。
本当はこういう風に手伝ってはいけないのかもしれないけれど、彼女は全面的に信頼してくれてるし、毒を喰らわば皿までよ、ということで、私の描き方をしてみせた。押しつけかもしれない。でも他に方法もない。


それがうまく行ったんだ。少なくとも今回は。
最初の構図、明暗対比を取って、接地面、ハスの穴と表面の関係、鉛筆の使い方などをしゃべりながら写し取っていく。自分はかなり楽しくて、そばで生徒さんが凝視しているのも忘れて、鼻歌唄いそうだった。


荒描きをして、詰めをやらせた。詰めに集中できて、完成度もあがって結果的には良い感じ。
もっとも、私が選んだモチーフ、私が描いた構図、私が誘導した形なので、私好みであったことは否定できないけれど(^^;。
でも、詰めができたことが彼女には励みになったと思う。
このままいい方向に言ってくれるといいな。


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もちろん、他の油絵の人もなかなかいい感じ。
一枚として同じ感じのものがない。自分の感性で描いているなぁ、という所がいいな。ちと贔屓目に見過ぎか。


まぁ、センセだもんな。センセが認めなくてどぉするよ。
教え子とは可愛いものよ。(^^;;;


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夜は生徒さんが一人しかいないし、遅れてくるのでほとんど自分の時間。
例の鉛筆画他数枚を荒描きした後、実験的にペンを乗せてみる。


んんんんーーー?ノリが悪いなぁ。
紙が毛羽立つし……。
こんなんじゃ鉛筆で描いた方がいいじゃない。
私の愛するあのペンのタッチはどこへ行ったの……?


ほとんど途方に暮れて、ふと思い当たる。
このごろペン画を全然やっていないから、もしかしてこのインク、古いんじゃないかしら……。


画材売場に行って物色。
ニュートンインク(黒)を買う。他にケント紙を探していたが、スケッチブック売場になかったので、文具売場付属の漫画の画材コーナーに行く。


うぉ。あるわあるわ。漫画用品ってこんなにあるのーーー!?
小中学生の頃、漫画専用品なんてほとんど売っていなかったよ。
インクは製図用インクか墨汁、紙はただのケントか135kg上質紙。
白はポスターカラー。耐水なんかじゃなかったよ。


それが今は、コミックブラックとか言って、一つのメーカーから5種類も出ていてびびった。これはベタ塗りに適している、これは墨汁に色が近い、これは耐水、これはノビが良い……。もちろんメーカーは何社もある。
これ、本当に使い分ける人がいるのだろうか?(苦笑)

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ノビが悪かったのは、確かに古いインクのせいだった。
濃度が濃くなっちゃったのね。
でも、ニュートンインクと漫画用インク、値段は同じくらいで、描き易さは……。漫画用の方が描きやすかった。
ニュートンの方が薄くて、多分薄めると綺麗な色が出るんじゃないのかな。
でも今は細いペンのタッチを重ねたいの。
乗せた後硬くなってくれないと、上に乗せたときに塗膜くずれるのよね。
この点は漫画用インクの方が良かった。


紙も結構いいかな。毛羽立たないというだけあって、割と良いみたい。
ケントの方が紙も厚くて値段は高いんだけれど。


漫画は同人誌なども相まって、描き手の裾野がどんどん広がって、急成長した分野だろう。人数多ければ、画材も豊富になるに違いない。
それにしてもメーカーって、すごいなぁ。


by HPY


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夢。線と色と。         2002年04月17日(水)

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線と色と。
これ、今度の個展のテーマにしよう!と風呂に入っているとき思いついた。

全く夢ばっかり見ている。あと何ヶ月だ?
そろそろDMの用意もしなくちゃ。作品はまだ未知のもの。
頭の中にしかない……。


線で描いていたら、またまた懐かしい気持ちになってさ。
故郷探し。


線。
線の中に居て。昔から、線の中に居て。
それはとても懐かしく、居心地がいいような気がするの。


色。
色は無視できないんだけれど、色でも線を求めているから。


活字が好きな理由は、漢字が美しいからかもしれないなぁ……なんて。
好きなのよ。子供の時によく、テスト用紙のウラに字ばかり書いた。
お気に入りの字は左右対称文字。「車」とか。

「車」の三乗で「轟」なんて字もあったと知ったときは驚き。
「虫」→「蟲」とかさ。

「右」「左」も好きだった。「必」とか。
書き順で字形が変わるんだよ。書き順知ってる?

by HPY


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人の流れに逆らって歩く         2002年04月16日(火)

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考えたのは3案。

「人の流れに逆らって歩く人」。意味はそのまんま。

「公園で寝る人」。桜が散る中、公園で寝ている、素性不明の人たち。

「うずくまる子供」。後ろに大人がいるんだけれど、省くかも。無国籍風。
これは、手前の少年が怒っている感じがいいかな。

────

チビに言う。
「自分で決めたことはやり通せ」

おっと、言ってて恥ずかしくなる。自分はできてないからなぁ。

思い出す。
「俺は俺の信念に後悔するようなことは何一つやっちゃいねェ!」

こういう気持ちになれたらいいなぁ。後悔なんて微塵も感じちゃいない。

────

始めるまでが長いのだが、鉛筆を持てば後は早い。
割と早い。

外は嵐。ベランダの植物がびしばし倒れている。
でも起こせば多分平気。奴らは平気。

────

お義父さんが仕事ついでに引越の手伝いをして、なんか不要品をたくさん貰ってきた。
なんでも「捨ててください」と頼まれたんだそう。
依頼主は老夫婦で、今度ケア付きマンションに引っ越すんだそうで。
一軒家のほとんどのものがいらないらしい。老婦人はその時代の人らしく几帳面で、かなり綺麗に梱包されいてた。

おっ、アフリカ彫刻がある。「捨てるならください!!」と意気込んで貰った。
一時期外国で暮らしていたらしく、他にもなんだかおもしろそうなものがたくさん。
適当にもらってきた。くるまれていた英字新聞は1976年。タンザニア新聞。


静物描くなら面白いモチーフがいるなぁ。昔描いた、ドイツ人形作家の人形は面白かったものなぁ。


ふむ?粗大ゴミの日に、うろうろする人の気持ちが分かるぞ。
うちがだしたキーボード(定価5万円くらいのヤツ)、速攻でなくなったものな。

また面白いもの出ないかなぁ。(タダでなら尚嬉しい。)

by HPY


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コントロール失敗。         2002年04月15日(月)

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金土日と3日間もチビの相手したり一緒に昼寝したりで、全然描かなかった。
しまった。完全にリズム狂う。
夜、きちんと眠くなるもの。
寝ちゃだめだってばさ。

────

水曜日描いていた植物は、どんどん光の方向に成長して……。
細密やってるんだから、動かないでよ。

植物を描くときは、切り花はもちろん鉢植えも油断はできない。
形がどんどん変わってしまう。知ってはいたが、またやっちゃった。(T_T)

このまま形を封じ込め……スプレーかなにかで冷凍化して、ガラスケースに保存していく方法はないものか……なんてSFチックな事を考えたりして。悪役顔で。ふっふっふ。

────

バイクで新しい裏道を見つけた。
へぇ、こんな田舎らしい風景があったのか。
ちょっと気に入った。

やっぱ渋滞にまみれて神経すり減らして進むより、ちょっと田舎道を走った方が気持ちいいね。

────

例のお題のモチーフはだいたい決まったので、とりあえずプリントアウトしておく。あぁ、プリンター、安定しないなぁ。黒色が最初綺麗にでたのに、最後の2枚はかすれまくり。こんなことでいらついてもしょうがないんだけれど、非常にいらつくよ。カラーインクはせっせせっせと詰め替えをした。

────

気持ちをうまく高めて、ノリで描いていることが多い私。
今日は完全にコントロール失敗。

by HPY


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チビの話         2002年04月13日(土)

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チビと二人で日を過ごす。
金曜日は疲れてママは寝てばかりだったけれどね。

────

土曜日。二日ぶりに帰宅するパパを迎えに津田沼駅まで。
私は何故か怒っている。
やっぱ夫が会社に泊まってばかりだと、妻は苛立つらしいね。
それが私でもさ。
何故?

相棒には「好きで仕事をして泊まってでも仕事をしたくて」という状態でいて欲しい。でも相棒はそういうわけでもないらしく、疲れたと言っていた。
膝と風邪で熱っぽい私は、不機嫌。

いないならいないでいいんだけれど。
私、待つ女じゃないよ、と言ったら、向こうも苦笑い。

────

それでも駅までお迎え。朝11時頃。
エスカレーターで駅改札へ向かい、そのまま駅を出る。
エスカレーターにペンペン草が挟まっていた。

チビの心に止まる。
駅を出てしばらく歩いた後で、「かわいそうだからあの草を拾ってこよう」と言う。じゃぁ、帰りにね」と適当にお茶を濁す。

するとまたしばらくして「かわいそうで忘れられない。今助けに行こう」と言う。
何回も言うので、「じゃぁ、そうしよう」ってさっさと折れた。

駅に入るには入場券が必要。
何かを助けようとすれば、必ずこっちにもリスクを伴う。
アフガンにも行けない私は、そんな大げさなことを考えたりして。
140円くらいのリスク、大したことない。

入場券は機械では買えないようだったので、窓口の駅員さんに聞く。
「入場券はどこで買えばいいんですか」
「何をするんですか」と聞かれた。
「忘れ物を……」と言いかけてチビの顔を見ると、なんか妙な表情なので、仕方なく正直に告げた。
すると「あぁ、いいですよ。改札でそう言って入ってください」

関門二つ突破。入れたよ。
少額リスクは人の優しさで償われる。そんな大げさなことをまた思う。

エスカレーターの上部から、草を取る。上がりエスカレーターでちとキケンな作業。指挟まれそう。でも取れた。

チビは嬉しそう。
「公園に捨てて……いや、置いて来ようね」とママ。
すると同じ仲間がたくさんいる所に置きたい、と熱心に言う。

ペンペン草は公園にはなかった。よく手入れがされている。
こんなところに置けば、すぐに伐採されるんだろうな。
探したら公園のすぐ近くの駐車場付近に、奴らはいた。そこに置いてくる。
チビは嬉しそう。

そのうちまた除草剤でも撒かれちまうんじゃないかと思うけれど、当然それは口にしない。知りすぎる事は哀しいな、なんて思ったりして。馬鹿なオトナ。

ただ私は、君のそんな優しさが嬉しかったんだよ。

────

後はチビは遊びまくって、喉が乾いた、鼻水が出る、もっと遊ぶと泣いたり笑ったりごねたり。いつもの調子。相棒はまぁ元気で、両親そろって足が痛いのでひょこひょこゆっくり歩いている。チビが一番早かったな。


久しぶりにチビをよく見た。
そんな休日でした。

by HPY


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ママチビバトル(膝が痛ぇ)         2002年04月12日(金)

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あぅ。油断した。じんじんじんじん。

チビを抱っこして歩いた。(×2)
保育園のお友達にぐるぐる回転をかました。(×2)
教室で折り畳み机を一人で移動した。(×10)
雨が降っている。


この程度で膝が痛ぇ。熱っぽくてじんじんじん。


────

木曜日頃、チビとの格闘はピークに達している。
いかにしてママと遊んで貰おうかと思っているチビ。
遅刻しそうなので「早く!早く!」が口癖になっているママ。
相棒は二連泊でいない。
だから二人だけの世界。自分の要望を通そうとしたら、あの手この手で攻めなければ。まさしくバトル。大抵ドロー。

金曜日。チビの作戦は「ジンマシン」。
ばて気味のママはやけくそになって、保育園を休ませる。
今日は一つ負けてやる。風邪ひきで鼻も出るけれど、「ジンマシン」はチビの作戦。うん、そうだ、作戦だ。今回は一つ負けてやる。


「保育園に行きたくない理由」というのをチビが一つずつあげる。
「○○ちゃんと遊びたくない。イヤだって言っても追いかけて来るんだもん。だから僕、保育園行きたくな〜〜〜い」
その○○君とは、日曜日も一緒に遊ぶほどの親友じゃなかったの。
行きたくない理由としては失敗だったね。君ィ。

「弱虫」

ママは反撃に出る。
「なんだそりゃ弱虫じゃん。情けな〜」
そしたらいきなり涙が目からぶわっと出て、まるで漫画のようにぶわっぶわっと出て、漫画のように泣き出すのでびっくりした。

「泣き虫」

前言撤回せずに追い打ちかけたら、輪をかけたように泣いていた。
泣きながら「泣き虫じゃない!!弱虫じゃない!!」と。

やっぱこの二つは子供の沽券に関わることだと知っているのだろうか。

いつ知ったのだろうか。こないだ4歳になったばかり。
のぼり棒もまだ登れないし、よく夜はおねしょかましてくれるのに。



結構、いい男になるんじゃないか、なんてね。

by HPY


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虚ろ,哀しみ,怒り         2002年04月10日(水)

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今度のお題は「虚ろ,哀しみ,怒り」。

文芸同人誌の表紙絵。
うーん、何だろう。怒りはないな、最近。ははは。
昔の写真を引っぱり出して眺める。

写真から描くことはもうないと思ったけれど。
今までに一番「怒り」を感じた新聞記事は、天安門事件だろうか。

その流れで行くと、読売新聞の写真「アフガン」にシンパを感じるのも私の中で一つの要素だが。今更既存写真家の写真を使うわけにもいくまい。


お題をもらって描くのは面倒くさいような気もする(苦笑)。それでイラストレーション業界に足突っ込むのがイヤなのかも。でも人が見ていると思えばこそやりがいもあるのかな?
うーーん、いい機会なので考えよう。目と手で。

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植物アップした絵は制作中の植物。
ラインはほとんどカッターで。

まるでスクラッチングやエッチングのようで楽しい。
しかも鋭いラインがいいな。ちと硬くなり気味だけれど。

プラスばかりのテンペラ画で、ようやくマイナスの仕事ができるようになって嬉しい。

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今日は相棒は整骨院へ行って、ようやくギプスが取れた。良かった良かった。
速効で酒飲みたい気分になったけれど、しばらくリハビリだそうで、まだ酒飲む段階じゃぁないね。

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バイクのヘルメットの前のプラスチック部分を新調した。結構傷ついて曇っていたからなぁ。はずされたその部分が今机の上に転がっている。あぁ、これもモチーフになるかもな。


by HPY


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油絵         2002年04月09日(火)

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果物カッターと鉛筆でなかなか好調。細いラインが引ければいい。


油絵の具……。迷っている。
いつもなら混合技法なので、ここから油層を作って、テンペラと交互に乗せていく。そうすると、絵の具層の重厚感は出るのだが、ラインが死ぬ。

テンペラオンリーで行こうか……。
これはずっと迷っている。

テンペラオンリーだと、色が白っぽいんだよね。確かに。
あと、絵の具層が少し弱い。全卵プラスオイルテンペラだから、卵オンリーよりは強いけれど。引っ掻くと用意に削れてしまう。これはガラスなし額装の時などやっかいだろう……。ゴキブリさんの心配も出てくるし。


でも描く方から言えば、テンペラだけで充分なんだ。
だから今回はここで終える事にする。

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赤いラインは少々弱気だったか。
静物に構成が入ると、背景作りも楽しい。

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植物次なるモチーフは、ベランダに生えてた菊科の雑草にしようと思っていた。今丁度つぼみ。線香花火のようなつぼみに惚れている。これはなんとしても咲く前に記録しておかねば。

ベランダだと狭くて描きずらいので、窓際の観葉植物をどけ掃除して、そこに置いた。……と思ったらモノを落としてしまって、ぽっきりあっさり折れてしまった。

ショック。

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それで、もう一つの植物を描くことにした。名前は知らない。
知ることに興味はないけれど、名前くらい知っておいた方がいいかもしれない。後で調べよう。花弁のような肉厚の葉。サボテン系。

これは何故か上に伸びず鉢から下に伸びている。太陽の方向には伸びないのか。冬寒かったから地べたを這いたかったのか。疑問。だけれどそこが気に入っている。

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活字はとりあえず読み切った。しばらくおあずけでもいいだろう。
私から最も遠い出来事……恋愛小説を読んでいたよ。
不思議だ。くだらないと思いつつ、読み耽ってしまった。恋愛って、生きる上で必要な事かもしれない。とっても。

by HPY


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線が欲しかったんだよね。         2002年04月05日(金)

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果物線が欲しかったんだよね。

自分にとって一番描きやすいものは何か。
それは線。クロッキーの線。ボールペンとか。絵の具と筆とか。鉛筆とか。

鉛筆は一番馴染みの深い描画用具。

あぁそういえば、テンペラと鉛筆は併用できたな。
インクは油と相性が悪いんだったな。レーキだから、染み出る可能性ありで。

ということで、鉛筆。併用。

言葉で考えずに、なるべく目と手で考えるようにする。
言葉やイメージが脳裏に浮かぶと、手が止まってしまう。
そこに近づくことの困難さに気持ちが萎えてしまう。
だから、なるべく言葉で考えずに、目と手で考えるようにした。


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夜、腹が痛くて参ったよ。
そんなにムリをした覚えはないんだけれど、疲れるとすぐ腹をコワす。
手足が冷たく冷や汗がどっと出た後しばらくして、今度は顔が真っ赤になるほど火照っている。トイレで夜中にそんな葛藤。ははは。


by HPY


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ライン。線。ジェッソ。好きの結論。         2002年04月04日(木)

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イスへこへこに疲れたな。今日。

何が好きか?なんて考えていたら、絶対的に愛しているものはなかった。
強いて言えば、昔も今も、場末の喫茶店で孤独に身をゆだね、煙草をくゆらせながらスケッチするのが好きかな。
なんとなく物哀しい、たまらない気分も。ちょっと胃が痛いのも。
そんな事が懐かしく好き。


あとはライン。線。
うん、線が好き。何よりも好き。

色なんていらなかった。最初は。モノクロ。ペン画。ライン。線。それだけで充分だった。

女の子今は色を持っている。じゃあ、絵の具で何がしたいのか。
線が描きたい。絵の具の色の上に線が。

線は何で描けば良いのか。
インクは下塗りに向かない。下描きに使う鉛筆は硬すぎる。
絵の具のラインは濃度が難しい。

黒色はなんとなく黒すぎる。

茶色に赤味や緑味を混ぜて描くも、複雑だと音を上げてしまう。


棚ルドンの模写をしている生徒さんがいて、彼女は最初さほど意にそぐわないようだった。特に愛着もなく、薦められるがままにその絵を模していく。

今日ぽつりと。
よくよく見ると、いい絵だねぇ……って。

なんか目から鱗。

愛しているものなんて知らない。全面的に愛しているものなんて無い。
愛しているものには必ずどこかに憎悪が宿っている。
それが場所や人、モノであっても。

あぁ、それでいいんじゃないかな。惚れるより慣れろっつーか、嫌々ながらも離れられない、そんな愛もあるんだろうな。

それがわたしと絵、わたしと活字。
珈琲や煙草、自由に見えて怠惰な時間、街、人並み、駅、バイク、ネオン……。

何を描いてもいいんじゃないかな。
切り取るような、現実の風景を切り取るような絵を描いてもいいんじゃないかな。

前回の個展では、びっくりしたような、ボディブローのような、他人の目や意見を忘れられずに、悪夢のようにひきづっていたりしたけれど、この辺で振り切ってもいいんじゃないかな。

飛行機に乗れなくてもいい。
それでも自分の絵が大事に思えるのなら、それでいいんじゃないかな。


そんなことを思えるようになったよ。


果物石膏地を捨てるかもしれない。古典技法を捨てるかもしれない。混合技法は捨てるかもしれない。テンペラは捨てなくてもいい。これは使いやすい簡便な絵の具だから。


今日、初めて試したクサカベジェッソ。油絵・テンペラ用。何年か前に新製品としてサンプルをもらった。今頃使ってみる。
従来のジェッソに比べて、キメが細かく滑らかだ。
えっ??と思うほど滑らかで。
一層塗りだとワトソンの目がはっきり出て、ジェッソを塗ったことを忘れてしまうほど。


石膏地作るのに費やした時間、凝るのもいいけれどそんな余裕がない。
はじけて飛んでいってしまう画像をつなぎ止めるため、既製品を応用するのもいいんじゃないかな。

……と思わせるほど、クサカベジェッソ(軟練)ぴたっと来たよ。

by HPY


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好きなもの         2002年04月03日(水)

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始動したいんだけれど、なかなか手が動かない。

気持ち的には盛り上がっているのだが、手が動かないんじゃ話にならない。


好きなもの考。
絵のテーマはいつもしっくりこなかったような気がする。
わたしは何が好きなの?描きたいものを自由に描けと言われたら、何を描くの?
好きなものを描くのが一番描きやすいし、描いてて楽しいはず。
だったら好きなものって、一体何なの。


自分の好きなものを考えるだけなのに、迷路に入ってしまうなんてね。


昔は……。人だった。動きを見るのが好き。
歴史と音楽は人に通ずる。
友人関係をはぐくむのは苦手だけれど。


植物。建物。光。
日々変化していくのは感動的だし美しいと思うけれど。どの程度好きなのかな。どの程度身近なのかな。もしかして愛してはいないんじゃないかな。利用したいだけなんじゃないかな。ちょっと屈折しているかも。


創造あるいは妄想。
これはあんまり好きじゃない。自分の夢も他人の悪夢も好きじゃない。
特に団体展にある他人の妄想には吐き気がする。

同じ吐き気でも、ホルスト・ヤンセンやオットー・ディックスならいくらでも吐かせて頂きます、つー感じだけれど。(^^;


単純に好き!つーもの、なかったなぁ。
絵を描くテーマ、好きなものを描こうと思ったら袋小路。

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ネイティブアメリカン。
迫害され、同化を迫られる。そこで辛うじて伝える独自の文化。
ワンピ風に言うならば、
「(死ぬくらいなら)簡単だろう!?文化を捨てるなんて!!」

そういえば、神戸の震災の時にも同じ様なことを思った。
「他の土地に移り住めばいいのでは」

わたしにとっては、土地とはその程度の価値しかなくて。

故郷を愛する人にとって、故郷がどういう意味を持つか、最近やっていたテレビ番組で少し垣間見た。下町のほとんどの住民がその土地を出た、その元住民達を追ったインタビュー番組。

天安門事件で国を出た中国人の作家を、NewsWeekの記者が危惧していた。
「言葉の通じない外国で、彼は作家としてのアイデンティティを保つことができるだろうか?愛する祖国を出て、彼は書くテーマを見つけられるのだろうか?中国語で書くのか?英語で書くのか?中国語で考えるのか?英語で考えるのか?彼の作家生命は終わりだろう」という感じだったと思う。

アイデンティティ?
それがどれほど大事だかは、その頃は知る由もなく。

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昨日の「知ってるつもり」は面白かったな。
カエサル(シーザー)の話。最近古代史に興味がある。あんまり詳しくないんだけれど、独裁者で悪いヤツなのかと思った。そりゃネロか。


貴族出身でもなく、庶民の出。古代民主政治の実現を目指し、戦争も連戦連勝。
ガリア人(フランス辺り)を征服するも、自治はガリア人に任せ、宗教も言葉も祭りもそのまま。法律や新しい技術や文化を持ち込んだけれど、民族を根本から変えようとはしない。同化政策はしない。


同化政策ってムリあるものね。早期反乱は間違いない。
そもそもどうして強国はすぐに同化政策をとりたがるのか。(アメリカもそんな感じに見える)
いや、どうして彼は同化政策を進めなかったのか。そっちの方が気になった。
言葉?いっしょじゃないと困るでしょ。困るときは強い方に合わせるのが普通。
自治?支配するなら中央からローマ人持ってきた方が支配らしい。


その番組はシーザーを美化しすぎのような気すらしてきた。
特権階級の元老院(いかにも悪役っぽい)を、ローマ市民が投票で退けたりするしさ。


シーザーの顔が入った古代のコインに、彼の考えが刻まれていて、その言葉は「寛容」。他人の考えを認めよ、という事。
それは、「自分が自由にした元反逆者が、その後自分への刺客になるとしても、わたしは彼を自由にする」「その人には自分とは違う考えがある。それをわたしは認める」という事。晩年の言葉。なんかすげぇ人。


なんかすげぇ人。(@▽@;


ちなみに「賽は投げられた」もこの人の言葉。
今度本を探してみようかな。


塩野七生がゲストで出ていたけれど、はぁ、あんな顔だったのか。
いや、顔よりもしゃべり方が……。ちょっと違和感〜〜(^^)。



by HPY


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活字中毒         2002年04月02日(火)

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活字中毒

活字ならなんでも読みます状態。重傷。

迷路が描きたくなった。建物。

好きなモノはなんだろう?

ものすごく思い入れのある「好きなモノ」というのは、なんか無い気がして。
ネイティブアメリカンの本を借りる。

全くひどい歴史。
その中で受け継がれる文化。消えていく文化。

拝金主義と全く違うネイティブアメリカン(アメリカンインディアン)の考え方。

「戦争が日常」という感じのタイトルの写真集にも目を通す。
映像がどうしても美しくなってしまうところが哀しい。

────

2・3日前に相棒と「ワンピース」(漫画)の話をしていて、「富・名声・力」の全てを手に入れた人物が得る秘宝とは何だろうと。それから、手塚治虫の「火の鳥」を信奉している相棒が「不老不死」について、小中学生の頃に結論づけた考察を語る。

もし、不老不死になれたら(不老はポイントだよなぁ)何をする?
相棒はなりたくないと即答。わたしはね、本が読みたいと考えてから答える。

子供の頃、死んで幽霊になったらやりたいことはたくさんあった。
そのもっともたるは、本屋さんに入り浸ること。(それじゃ地縛霊みたいだ ^_^;)
夜中にこっそり読むの。それから記録士になりたかった。何百年も生きて歴史を記録できたら(しかも事件ではなく生活史)良いなぁ。なんて。

絵でもいいけれど。絵もいいよね。
伊藤若仲が読売新聞の日曜版に出ていて。
1000点もの模写を行ったそうで。
つき抜けてるなぁ。
当時、模写より実写の方が重要……という世間一般の風潮を知っていたと思うんだけれど、模写もやりきってしまう。やるならとことん。


────以下抜粋────
もともとの波の形を、鳳凰の姿をなぞる。絵画論を言う以前に、そうすることが単に鋤だったのかもしれない。いずれにせよ細密かつ執拗な模写の果てに、若仲その人にしか描けないリズムが産まれる。波はいつしか雲形定規や職種のような姿と化し、鳳凰の羽には無数の球体が連なる。〜中略〜

模倣の段階を経て想像へ、という常識的な図式とは別に、「模倣がそのまま想像であるような例も、一方には存在する」 東京大学教授・佐藤康宏

絵師としての特異さはそこにある。

読売新聞文化部 前田恭二

────抜粋終わり────

本当に好きなことならやれる。

by HPY


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