絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


雑用とお金         2002年02月28日(木)

----------

今日は雑用ばかりしていたような気がする。(-.-;)

生徒さんの15号を何枚か水張りしてあげる。
春の展示会のために屋外まで作品持っていっては撮影し現像に出す。
本来なら生徒さんが自分ですることだが、作品にタグをつけて、書類をほとんど代筆し、地下1階から4階まで額装作品を運ぶ。
疲れたな。そういう気分でもあったけど。

今日、キャンバス張り希望者がいたら二つ返事で張ってあげてただろう。昔アトリエでバイトしていた時、画材店でのキャンバス張りの注文は、たいていわたしの仕事だった。一日に100号何枚も張る時は、さすがにへたばったけれど、キャンバス張りは好きだった。

最近ずっとキャンバス張ってない。
パネルに石膏地だから。

石膏地はいい地だけれど、地作りに時間がかかりすぎて、気軽な絵には向かないかも。そんな事を思って、支持体をまたキャンバスに戻そうかと思惑する。
キャンバスと木枠が欲しくなって休憩時間に画材店を見やる。

あぁっっっっ、高ぇ…。
キャンバスって高いのね。(>.<)


30号3000円位。高くはないのかもしれないが、まず家に無数にあるキャンバスを再生・使い切ることにしようか…。でも描きたい時に描きたいサイズが手に入らないと盛り下がるなぁ。1枚なら買えるけれど、10枚くらい欲しい。大いに迷ってしまった。

でもやっぱ、木枠よりはパネルに布ばりがいい。綿布を張るのなら、市販の専用綿布でなくてもいい。そうすると画材店ではなく布地売り場の方が安い。

…綿布、家にあるな。買わなくてもいいや。
石膏地ではなく、アクリルジェッソでも塗ってみようか。


画材店で他に物色したものといえば、テールベルトとリンシード。リンシードはまた手製サンシックンドを作りたい。あれは使いやすくていいオイルだった。
こちらも手間がかかるけれど。

テールベルトは思い切って1kg注文した。ホントは300gくらいでいいんだけれど。一瓶使いきるのにどのくらいの時間がかかったかを頭の中で計算する。描けば減るだろう。まぁこれで当分(かなり当分)テールベルトは買わなくて済むな。一生あったらどうしよう…なんて弱気になったりする。
定価3000円、3.5割引で2110円。とてもお得感があるので嬉しい。

プルカをかぶる人画材店では他に、時給1000円の棚卸しのバイト募集(短期)があった。引き寄せられるように躯が傾く。

時間か。金か。
だんだん貧乏も板について、切実になってきた。
でも相棒にたかっているので、まだ飯はたらふく食うことができる。安い喫茶店でなら珈琲も飲める。
贅沢だ。


by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



テンペラでドローイング「クロッキー編」         2002年02月27日(水)

----------

午前中、午後とお手軽ドローイング。
新聞記事の写真や昔のモチーフを出して描いた。お手軽って楽しいしラク。
たくさん描こう。

お祭りテンペラでドローすると、油絵とも水彩ともアクリルとも日本画とも違う筆跡ができる。ガッシュやアクリルとはちょっと似ているかもしれないが、またちょっと性質が違う。

テンペラは乾きが早い。乾くと溶けない。
だから何回もなぞり描きをすると、一本ずつ線が残る。水彩だと溶けちゃうし、油絵だともっと多くの時間を待たなければできない。油絵のような透明感はないけれど、テンペラだってすこ〜し透明表現ができる。


色は限られているが、プルシャンブルーを出す。これ、結構タブー色だったんだけれど、暗色がテールベルトだけじゃ暗すぎるし、茶系は退屈だ。テンペラのプルシャンはいいな。
水彩や油絵だと、他の色を完全に染めちゃうけれど、テンペラのプルシャンはなんか奥ゆかしいのよね。赤茶にプルシャンを足して暗色にした時、そのままでは紺色は見えないんだけれど、布でこすったり筆で絵の具を伸ばすと、いきなりばぁーーーってプルシャンが出てくるの。

かっこいいぜ。プルシャン。


お祭り 2夜はクロッキー会に参加したのだけれど、ちょっと迷って、やっぱりテンペラ絵の具を持っていった。前回はコンテでクロッキーしたのだけれど、手が痛くなるのよね。コマいもの握ってるから。表現も繊細すぎる。

繊細は当分ヤメ。一番粗い油筆で、今日はばんばん線を引いた。
すげー楽しい。人も少なかった。受験生がごそっといなかったんだ。
テンペラを周囲に跳ね飛ばしながら、びんびん線を引いた。失敗したら上描きした。ばんばん紙を無駄にした。楽しい♪♪


プルカをかぶる人 2出かける前は震えてた。武者震い?狭い会場で人とは違った画材で描くのが、そんなに恥ずかしいの?

バイクに乗るのがコワかった。月曜日の遠征の反動か。
おかげで道、間違えちまった。

でも終わったら現金なもので、割とルンルン気分で帰ってきた。
でかい画面に野太い線を引くのは気持ちがいいものだ。

珍しく相棒に見せちった。
「ふ〜ん」とか「あぁ」とかしか返事はなかったけれど、返事はどうでもいいのだ。他者がいれば満足なのだ。


by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



卒展へバイクで。         2002年02月25日(月)

----------

バイクで上野の都美館まで、卒展観に行きました。
バイク。このクソ寒いのにバイク。しかも原付。片道2時間弱。
駅から近いし、電車で行けば本も読めるのに。
好きこのんでバイク。

よくやるよ。

久しぶりの遠乗りはそれなりに面白かったです。
こすっからい奴らが多かった。都心のバイクのり。原チャ乗り。
渋滞を抜ける抜ける、自動車やトラックが前進しようとしているのに、それでも抜ける。あれじゃぁ、いつか引っかけられるよ。
バイクをお嫌いな自動車の方々も確かにおりまして、明らかに「邪魔!」という態度で運転なされている。うざいから無理にでもバイクは抜かさなければならない。これまたこすっからいような気がする。
そんなこすっからい奴らと一団となって、上野まで走っていったのであります。

実は千葉から東京へ行くのに、感動的なシーンが4つある。
川を渡るとき。
これは気持ちいいよ。

子供の時、自転車で川を渡るのが好きだった。
それは隣の市まで約1.5時間の道のりなんだけれど、川を抜けるときは感動した。
「川は生きている」も読んだ。川はいいな。広くて。そして道路はコワイ。

────

えっと、何しに行ったんだっけ????

────

そうだそうだ、卒展観に行ったんだ。
普段軟弱なんで、会場付いたらへろへろで足が笑ってた。気持ちがバイクモードになっているので、緊張してやたら周囲に気を配り、目つきが鋭い。なんかじっくり自己没頭鑑賞モードには入れなかったけれど、卒展はまぁまぁ面白かった。

────

まぁまぁ、というのは、はるか昔に見た時と大差ないような気がして。
芸大の卒展を芸大美術館で見たときは楽しかった。あれ、会場がいいよね。トクしてる。なんか、『お祭り〜〜〜!!』って感じがいいのよね。インスタやビデオはほとんど興味がなくて素通りだったんだけれど、疲れてたし、あの「見てよ〜〜立ち止まって私を見てよ〜〜〜」と誘う、ちゃらい音楽がお祭り気分で良かった。あぁ、楽しいなぁって。虚構。

────

今一番思い出す作品は、知り合いのは別にして、芸大の紅茶パックのオブジェかな。
インスタやビデオは見ないの。面倒くさいから。立ち止まって観る気力体力余裕がなかったの。だから飛ばす。これもなんかな、と思ったけれど、一枚画はその点ラクなのかな。
紅茶パックは良かった。美しいような、汚いような、思わず手にとって立ち止まって、鼻を近づけて臭いがするかと嗅いでしまった。

あとまぁちょっと気になったのは、工芸科の絵かな。イラストレーションや漫画絵。
印刷物になると違和感ないし、印刷物ほど生活にあふれているイメージがあるだろうか。でも、美術館にあると異質な感じで、そうでなくちゃヤだ。明らかに絵画と異なるものの方が面白かった。
そして漫画絵で、でかさを感じると妙で良かったな。印刷物は小さいからね。

────

一番見応えがあったのは、芸大の大学院修復研究科。模写であろうと古典画の方が迫力あるなんて。学生のお遊びも楽しいけれど、何故か虚しくなってしまうのに比べて、模写といえども古典画は充実感を覚えてしまった。不思議といえば不思議。レアじゃないのにね。

────

帰りはヨロヨロになりながらバイク。
地図で確認したはずなのに、「地図の読めない女」、一向に頭に入ってないらしい。右折右折と思っていたら、千葉は左にありました。でも帰れたから良かった。

喫茶店で本を読む。図書館でなんとなく借りた本。
「不幸になりたがる人たち 自虐指向と破滅願望」 春日武彦著 文春文庫。
すごい題名だね。(^^;
精神科医の書いた本だが、突き放したような自分の患者の話ではなく、もっと砕けたエッセイのような、読みやすい本。でも、自虐指向と破滅願望……。壮絶な例がありますな。

結構面白かった。ひとつ思ったのは、今、死がないじゃない。身近に。
そうするとやっぱ動物として不自然なのかね。それで無理にでも引き寄せたくなったり、身近に感じたくなって、バッドなニュースに気持ちが釘付けになってしまったり……
……するのかもしれないなぁ、なんて思いました。


はっ。バイクバイク。これも緊張感を得るために必要な道具であったりして。
往復して緊張してくたびれて、コワイ目にいくつかあって、こすっからい奴らと戦った気分になって、生きて無事帰れたことを感謝して、死を身近に感じることで生を引き寄せようとしているんだったりして。わたくし。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



休み中にお絵描きをする         2002年02月24日(日)

----------

◆金曜日

チビが病気なのでおつきあい。

◆土曜日

チビが少し元気になったので、近所の喫茶店に連れて行ってみる。
が、気持ち悪くなっていたので慌てて帰る。
朝も夜もビデオを見てた。
朝はワンピースでしょ。
夜はロケット少年。これが面白かった。

最初は小さなロケット。だんだん大きくなってきて、ラストでは1mくらいの手製ロケットが、まっすぐ垂直に、飛行機雲をたなびかせながら飛んでいく。
それだけで「うわーーー!!」って感じ。
物体が空を突き進んでいくだけなのに、こんなに感動するなんて。不思議。

お話は実話。NASAのエンジニアの「ロケット少年」という自伝を映画にしたもの。洋題「October Sky」、邦題「遠い空の向こうに」。ビデオ屋の紹介に『地味で公開当時はさほど話題にならなかったが、口コミでじわじわと広がった映画』と書いてあった。
まさにそんな感じ。私からもお薦め。

ただ、題名は『ロケット少年』『Rocket Boys』の方がインパクトもあっていいような気がするけれど。


◆日曜日
チビの顔どうせチビは外に出られないので、開き直ってお家で絵を描いた。
一人でなにやら洗濯ばさみで一生懸命遊んでいる。モデルにいいじゃん。相棒は昼もぐうぐう、夕方もチビと添い寝でぐぅぐぅ、寝だめをしている。禁煙する、という舌の根も乾かない内に、煙草を買ってしまう。

絵の描き始めとセットになっているのよね……。

夕方、ちょっと気晴らしに外に出る。バイクで。
相棒が「行って来れば」と言ってくれたので、一人で風呂屋にも行く。バイクで。

まず図書館へ。いつもは行かない図書館だが、問題なく辿り着く。
5時には早々に追い出され、図書館からそう遠くないはずの風呂屋を探してさまよう。
場所、ワカランぜよ。(^^;

チビ02相棒がいないと道も分からないとはクヤシイので、1時間ばかりウロウロしてやっと辿り着く。あぁ良かった。

さ、サブい。
あまりに体が冷えたので、すぐには湯船に入れない。温度調整のできないシャワーも使えない。仕方ないので膝下だけなんとか湯船に入れて、体が温まるのを待つ。
その横で、太った男の子が潜水していたぜ。熱いのによぉ。

風呂屋は楽しい。人を見ているのは楽しい。
いろんな体系の人がいるんだなぁ。乳房が垂れているのは年齢に関係ないらしい。
そんな気持ちで見ていたら、みんないろんな姿勢でたたずんでいるので、ポーズがたくさんあってめちゃくちゃ楽しかった。

子供もたくさん。子供とお母さん。
で、妊婦さんもいた。
妊婦さんでありお母さんである女性と、小学生くらいの女の子。
いとおしそうに腹をなで、動くのよと女の子に触らせている。
とっても柔らかな場面だった。いいなぁ。

プルカをかぶる人帰りはまた迷って、1時間以上さまよっていた。寒いよもう。冷え冷え。
結局うちに帰ってまた風呂に入っちゃった。



夜、日曜美術館を見る。
田村一村。
家族で感動していた。田村一村って、日曜美術館で取り上げられて人気が出た作家なのね。もしテレビ放映しなかったら、あのまま無名だったのかもしれないと思うとちょっとコワイ。奄美大島へ世捨て人。その後の番組で山本なんとかという人の話をやっていた。シベリアで死んだ人。遺書を仲間が暗記して家族に届けた。世間渡りがヘタで、夢破れて死んだ人たちでも、伝える人がいれば伝わるもんだ、と感動する。









by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



ドローイングの成果(ちょびっと)         2002年02月21日(木)

----------

今日は木曜日。出勤日。

朝からチビの具合が悪い。
「ゲロ吐く〜〜〜」と連発するので、「吐けばラクになるよ」と指突っ込んで吐かせようとしたりして。熱はないけれど顔色悪いし。

でも出勤日なんで、お隣のお義母さんにいつも通り懇願する。
笑顔でOK。ありがたいんです。
そしたらチビは現金にも、いきなり顔色さえ良くなって、遊びまくっている。なんだ、あれは「ママ欠病」?

────

……と思ったら、ホントに病気で、保育園から電話が来た。あぁ。お義母さんにお迎えと病院をお願いする。
流行っているおなかが痛くなる風邪。「感染性胃腸炎」なんだそうだ。

────

ちょっと動揺する。

────

午前中はなんか搾り取られるように一気に疲れて。
でも、例のドローイングの彼女は絶好調で、今日はパネルに水張りして描かせた。
3月に学内展示会があるので、即額装。

これがいいのよ。リトみたい。
軽くて、さわやか、部屋や待合室に飾ってあったら好感度大じゃん。
………量産して売れそうじゃん。

マジでそう思った。(^^;

────

午後、途中から生徒さんに励まされて(何故)、自分も制作というか習作に励むことにする。生徒さんに伝えることと、生徒さんの悩み、全部自分に跳ね返ってくる。なんか良かった。自分を少し客観的に見ることができそう。

午前の彼女を見ていて一番羨ましいのは、楽しそうなことかな。
一番必要なのは、全体のリズム。線は勢い。

勢いのある線は、製図のように正確な線よりも価値があるように思えた。
そしたらヌケた。

────

夜、誰もいない教室で一人。
全体的に下塗りが終わった上に線描をする。
結局線描が好き。わくわくするほど好き。

この絵描いていて初めて、楽しいと思った。

線描は多少乱暴な気もしたが、画面もでかいので遠くから見るとなんかいい感じ。
うん。カメラは忘れた。

「世の中全て、壁さえもハッチングに見えた。」
これは楽しかったという思いなんだ。辛くても、楽しいもの。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



ゲームと焼ビーフン弁当         2002年02月20日(水)

----------

火曜日は何故かゲームをして遊んでしまった。
何回目だろね。久しぶりで前の続きだけれど日中はまってしまった。まずい。でも面白かった。

戦争シミュレーションゲーム。3章からつづき。
前の章でしたことをほとんど忘れている。
でも大筋は憶えている。
だんだん思い出す。今回のロードの目的は、死人を出さないこと。結構楽にできた。うーん、目が痛い。
ゲームは面白いけれど、歯止めがきかないなぁ。
合間に(?)仕事をする。

水曜日は頭が痛くて寝てた。ゲームのつけか。
早起きして相棒にお弁当を作った。
ごはんを炊くのを忘れたので、焼ビーフン弁当。
チビはうまいと言ってくれたので嬉しい。
先週の反動でチビとはあんまり遊んであげていない。ごめんね、ママは一人でいる時間も必要なのだよ。

夕方から仕事をするが、なんか計算が合わないので何度もやり直す。何故だ。

夜、姉からメールが来ていて、会社のデザイナーさんが一人辞めるらしい。独立するんだろうか。わたしが入社した時の数少ないメンバーの一人。わたしは彼女が好きだったな。3階まで階段昇るとゼイゼイ言っていたのが面白かった。煙草やめたらどうですか、と当時禁煙中(2年も!)だったわたしは茶化したりしてた。そんなわたしも今や逆戻り。あぁ、禁煙って難しい。体調もだるくなるし、早くやめたいよ。

夜、仕事を終えてお隣にいくと、チビはもう寝ていた。あぁ、今日もちょびっとしか会えなかったね。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



プルカをかぶる人         2002年02月18日(月)

----------

Woman

ま、こんな感じなものを描いてます。
ちょっと宗教画風になってしまった。別に他意はない。

この先どうなることやら。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



ワンピースの笑い方。         2002年02月17日(日)

----------

チビと暮らす1週間、ママはそろそろ飽きてきた。
チビはどんどん絶好調で、一瞬たりともママと離れまいと頑張っている。
それこそもう、隣の部屋に行くのでも、トイレに行くのでも許さない。(^^;

そして一緒に遅寝・お寝坊、お昼寝付きの暮らし。ちょっと飽きるよママ、大人なんだもの。チビは病気上がりだから外にもあんまり出たがらない。でも、金曜日はVIDEO屋が100円なので、チビを連れてでかける。

我が家のマイブームは「ワンピース」なのだ。
惚れた。
あの顔に惚れた。

大口開けてガハガハと笑う、笑いっぷりを見ているのが楽しいのよね。
最初の方のVIDEO見て、困ってる顔や呆れている顔も面白いなぁと思っている。
内容はジャンプらしいというか、あのよく開くでかい口と呆れ顔がなければかなりひどい惨劇なんではないかと。北斗の拳になっちまうね。

北斗の拳は、敵雑魚キャラが必ず死ぬけれど見ている方に痛みはない。
ワンピースの敵雑魚キャラがやられると私は「うわぁ痛そう」と眉をひそめるけれど、そろそろ雑魚キャラでも死なないというお約束に気が付いて安心している。


まぁとにかく、人が痛快に笑っている顔はいいな。
意味もなく惹かれる。
話の内容は分からなくても、なんかいいなぁ。


実は相棒も気に入ったらしく、二人で1巻から順番に見ている。でも土日で2本は目がツライので、週1本にしようね。

────

他には、また見ちゃいました、カサブランカ。
泣いても怒っても憂いていても、バーグマンは美人じゃ♪
久方ぶりに「君の瞳に乾杯」を聞いて、やっぱり大爆笑してしまった私です。
ん〜〜〜、リックかっこいい。(^O^)


あとは、エディ・マーフィーのドリトル先生。
子供の時、原作の大ファンだったんですけれど、予想と違いました。でもチビは面白かったと言っていたのでいいや。

────

図書館で、ギルガメッシュの冒険 という絵本を読む。
内容はいわゆる子供向けというのではなさそう……。
子供への受けはどうか知らないけれど、絵が綺麗じゃ。
わたしは日本の絵本挿し絵よりも、外国の挿し絵の方が好きじゃ。

あと、「輪切り図鑑 ヨーロッパの城 〜中世の人々はどのように暮し、どのように敵と戦ったか?」輪切り図鑑シリーズ、好きじゃ。彫刻も絵が綺麗だった。

この絵本を読めば、中世の城で人々がどのように暮らしていたか分かる!
この時代、フォークもナイフもなく受け皿もない!調味料もほとんど使えない!(領主様除く)。農民は農民という名前ではなく、農奴である。奴隷である。
領主様の土地に住むので家賃を払い、家畜が領主様の土地の草を食べるので税金を払い、領主様の土地の薪を拾うので薪税を払い、林を抜けるのに通行税を払い、なんと釜戸までも領主様のもので、パンを焼くのに税金を払うのである。

暗黒の中世と言われる所以はこういう生活にもあるのか。
メシはまずそうだ。(^^;

相棒は、南アのアパルトヘイトの本はまさにそんな生活だったと言っていた。
ぎょぎょぎょ。


フランスで城を見た。冬だし石作りの城はひどく寒くて冷たくて、メイン展示場は拷問博物館だったから背筋も凍る。吐き気がした。
ストレスたまると、闘鶏、熊と犬のケンカ、兵士同士のケンカ、槍試合(練習試合なのに死者が出る)などなどが娯楽だったそうで。原始的な農耕や狩猟民族の方がよっぽど安らかで平和な気がする。

そんな時代を経て、今に繋がっていくのね。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



ドローイングと微熱         2002年02月14日(木)

----------

火曜日。
夜中、咳が出てなかなか眠れない。

水曜日。
チビが39.4度の熱を出し、急いで小児科へ連れていく。わたしは呼吸科のある病院に行こうと思ってたんだけれどあさって以降に後回し。

木曜日、出勤日。
今日はドローイングのおケイコ。
みんな思ったよりずっとずっと面白そうに生き生きと描いていたので、少々あてられた。熱出そう。

一番最初にタブローよりドローイングの方が向いているなとそれを勧めた感性の彼女は、予想以上にすばらしい。何より楽しんでいる。どんどんどんどん意欲的になっていて、興奮がびしばし伝わってくる。
これは是非50枚は描いて欲しい、と思う。

もうひとりの彼女は、なにやら辛そう。
そしてわたしも辛い。
なにしろ隣に感性でばりばり描く人がいるからなぁ。
思いや形を貯めてじっくり派のわたしともう一人の彼女はそりゃやりずらいだろ。あてられちゃう。なんて刺激的な。
わたしは何が描きたいのか自分でも狙いが定まらない状態だから、みんながいなくなってから落ち着いて描きたいものを捜していた。

そうしてまた、懐かしい感覚が甦る。
この微熱状態、結構いいね。懐かしい。咳で肺がゼロゼロ言う感じが分かる。そんなのもまた。
懐かしいなんて可笑しいかな。

この懐かしさ、昔のわたしが喫茶店で、イチイチ書き綴っていた思いだ。
思いのほか鮮やかに現れ、わたしを魅了する。

--------

描きたいのが定まってきた。
わたしが描きたいのはやっぱ人物か。
抽象でもなく、植物でもなく、顔でもなく、人型のシルエット。背景の群舞。あぁ、いいね、いいね。

--------

神はわたしに死ねとおっしゃる。
トイレに行く時そんな気持になって、劇的に盛り上がる。
死にゃぁしないんだけれどさ。熱に浮かされている。
50枚の荒行を、わたしもやってみようと頑張ったが、今日は10枚しかできなかったよ。

--------

基調色はテールベルト。この色が好き。
バーントアンバーは嫌いだ。茶が濃すぎるもの。
何故か教室内に置いていた顔料に、茶色はバーントアンバーしかなかった。急いでバーントシェナ(赤口)を買って満足する。

白は袋で買う。小瓶、すぐになくなっちまうからなぁ。

よっぽどアクリル絵の具も買おうかと思ったけれど、またしても思いとどまる。油絵の下絵もドローイングもスケッチも、テンペラ絵の具で充分だ。

愛してるよね、この絵の具。

昔は一向に使いこなせなくて手間ばかりかかって苦痛だったけれど、今はこんなに便利な絵の具はないと思っている。

--------

一週間も待って手に入れたエスキース帳は、思ったより使い辛い。以前のようにクラフト紙を切って使おうと、これも購入。1枚40円。四六判。

--------

最近わたしがキャンバスにトライして描き棄てたもの。な?んだ、ドローイング、紙にやればいいんじゃん。どうして気がつかなかったのだろう?今まで。
そうすればもっとたくさん描き飛ばしていける。

描きたいものを固めていく。その作業にいつも色つき紙にドローイングしていた。忘れていたよ。
考えが固くなっていた。楽しみも忘れていた。
最近のわたしは、過去の足跡をたどって、なぜこの道を選んで通ったのか、ひとつひとつ確かめているようだよ。

そして数々の懐かしい感覚。
咳をしても。微熱とともに。
きっと何にも代え難く大切なものなんだろうな。

--------

今日は久々にホルスト・ヤンセンの画集を見た。
みんなにも見せたら、割と評判が良かった。
美しく鋭く、不安定にゆらぎながらやわらかく存在感のあるライン。
20世紀でもっとも美しい線だと思う。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



風邪         2002年02月11日(月)

----------

この冬は風邪をひかない ──

そう二人で豪語していたのですがね。

母は1月に大風邪をひいて苦しんでいたそうだ。
その娘である私も同じ体質を受け継ぎ、風邪をひくと咳がひどくて見た目にも苦しげでイヤなんですけれど、
この冬は風邪をひかない ──
それは秋口から食べ続けている玄米のおかげか、ビタミンCのおかげか
相棒とのたまっておりました。

先週末から3日間実家に帰りまして。

はい、やられました。
出かける前 ── 木・金曜あたりから妙にだるいなと思っていたのですが、
あらさ、風邪だわさ。

実家に行ったら美術館に行こうとか、昭和会展に行こうかと
楽しみにしていましたのに。ダメでした。

寒気と頭痛には耐えられません。
実家にいる間中、わたしゃ大人しく寝てましたよ。

そして月曜日夕方、相棒までが寒気がするなぞと言い出しまして。
火曜日は徹夜仕事をする予定なのに、参ったなぁって。
そりゃ参るでしょう。

朝早々にギブアップ宣言を出して、同僚に手伝って貰ったらどうですかと申し出る。
はぁ。インフルエンザだね、こりゃ。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



クロッキー会第2弾         2002年02月08日(金)

----------

水曜日、アンディスインディアンの写真集から木の上で弓を構える子供をちょこっとラフで描く。

駐車料金振込。通帳未記入明細通知が来なかったので窓口で問い合わせる。そうしたら未記入明細は今は郵送していないんだそうだ。書類に記入し明細希望を出す。それでも郵送はしてくれないようで、1週間後に窓口まで取りにくる様言われる。ふと周りを見ると、窓口両替有料の張り紙が。不況の波ってこんなところにも。今銀行って相当貧乏しているのかしらなどと思う。


相棒は代休で家にいる。なんとなく落ち着かない。
夕方、クロッキー会に出かける。相棒も誘った。


行きたいんだか行きたくないんだか迷っていた。
しつこく尋ねると躊躇していた理由はわたしと同じ。子供の世話を人にしてもらってまで、自分が好きなことをするのは悪いと感じたらしい。


そんな迷いは何十回もしているわたしは、「クロッキー会は水曜日6時からしかないんだよ。あなたは今日を逃すともう何か月も行く機会はないよ。それこそ何年もないかもよ。」と冷たく言い放ったら、やっとその気になった。


相棒は最近創作意欲がないらしく、絵や工芸に関することには傍観者に徹底している。展覧会で友人の作品を見たあとなどは興奮して、「俺もやりてぇー、もう構想15年だよ」とか言っていたが、最近はそれもなくてちょっと寂しそう。

わたしもその気持を所有する一人だが。


相棒は創作よりも家族のために働くことを優先している。お義母さんは外に出ることもなく、介護と子守、家族の食事に気を配ることを優先している。わたしはわたしを大事にしてくれる人に感謝しつつも自分のしたいことを最優先している。ここで「自分を疎ましく思っている主人公」の物語を思い出した。


大事にしている者のために尽くしたい。でも激情は押さえられず、いつでも自分のためにだけ動いている。恩恵は受けつつも返せない。
そんな自覚はめげるものだ。やりたいことがうまく行かない時は特に。追い詰められるよね。
ま、うまく行けばいいんだけれど。


そんなこんなでクロッキー会。今日のモデルさんは良かった。身体つきも鍛えられ、かつ女性らしい丸みも美しく、ポーズもきりっとしていて良かった。うん。
「綺麗ね。あなた、とっても。綺麗ね???」、という気持で描いていた。まるでカメラマンの褒め殺し。
持っていったコンテがちびたものばかりで、掴みきれず手からぽろりぽろりと落ちていく。
象徴的で目眩。
落ちない様、何喰わぬ顔で画面を横にする。


相棒は「やっぱり久しぶりだとうまく描けない」と言っていた。予想どおり。絶対言うと思った。

やっぱりちょっと寂しそう。
結婚前にわたしが泣いていた時、「何年かかろうと俺はつくることを諦めないよ」と言ったのは君なのよ。
何度でも思い出す。わたしは忘れない。

でも、返す言葉はなくて、寂しがる人に声もかけない。

--------

木曜、寝坊した。絵を描くってなんか疲れないかい。だるい。神経からエキス絞りとられるような感じ。たかだか2時間のクロッキーなんだけれど。高揚したあとはだるい。


そんで朝メシも喰わず、チビはお隣にさっさと押し付けて出勤。腹減った。

買い喰いしたくても金がない。ちょっと切ない気持。でも、「腹減った」感覚も懐かしくいとおしかったりして。あぁ。


朝一で教室の大荷物を整理し、モチーフセットして授業突入。今日は「休学予定」だった生徒さんが来てて、仕事の量を減らしてもやっぱり絵を続けたい、とのこと。仕事は真剣にやればこんなにやりがいのあるモノはないから、選択した彼女に、わたしはただ「そうですか」と微笑する。


彼女は絵を描いた経験はさほどないが、本物の絵を日常的にたくさん観ているので眼が肥えている。初心者絵画教室のいわゆる線描き→固有色べたぬり的な手法では面白くないだろうと、ドローイングをやってみないかと誘った。時間も根気もなく、感性が突出している彼女、じっくり仕上げるタブローにこだわる必要はないんじゃないか。誘ったら大いに盛り上がって、水彩の人を一人巻き込んで、来週から楽しいドローイングにトライしてみることにする。

-------

午後の油絵の人は、もう3か月も同じモチーフを描き続けている。一度納得いくまで描いてみたいという要望を受け入れた。でも、そういえば彼女にはエスキースや構図、構成のことを何も教えていない。ものを描く力はあると思っていたが、全体のバランスに対する配慮が皆無なため、描きこめばいくほど鈍くばらばらで、最初のきらめきは浮かび上がってこない。


描き終わるまで待とうと思っていたけれど、中にはさんで彼女にもエスキースやドローイングを一緒にやろうと誘ってみた。あの絵が好転するか混乱したままかどうなるかはよく分からないが、構図や主題の認識がいかに重要か、彼女が絵に手を加えれば加えるほどわたしの方が切実に感じてしまう。


彼女は混乱の末、「悔しい」と言っていた。
もう一人の油絵の人も「せんせいと同じモチーフを描くのはいやだ」と苦笑していた。

なんか嬉しかった。
わたしたちはきっと仲間になれる。


疑問を与えたのはわたし。
混乱に引きずり込んだのはわたし。
わたしは加害者。
自ら混乱のさなかにいて、導いていく力は不足していると思う。先生と呼ばれるに相応しい人格と技量は持っていないし、だからこそ演技もする。

でも、わたしはあなたがいる地点を確かに知っていた。
迷いながらも通り抜けたことを憶えている。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY



ふるさと         2002年02月05日(火)

----------

えっと、また軽く1週間空いてしまったな…。

金曜日はさすがに描いていた。
森の狩人というか、単にうずくまって得物を取って立ち上がろうとしている人、かな。前方に柱のように存在感のある右腕と見上げるような顔の他には形が全然分からんぜよ。鏡の前でポーズするが、あまりにも厚着、モコモコの服(だって寒いんだもの)、おんなの丸い身体で良く分からない。壮健な男が描きたいのに。

土曜日はチビも相棒も置いて一人で講評会に参加。この頃になると、大分昔の感覚を取り戻せそうになる。昔の感覚とは、常時神経尖っていて、身震いするような、身震いするたびに背中の毛が全部逆立つような、そんな感覚。細かい物音に気をたて動きは鋭く、押し黙ったような思い詰めた顔つき、全神経が眼になってしまったような、ピントばっちりなカメラアイ。そんな感覚が好きだ。うん、好き。何よりも増して懐かしい。そんな思惑で参加する。眠っていたパワーが甦る。


しかし、作品は持参できなくて。しかもいきなり呑み会になってたな。陳列された作品は抽象画多し。
誰かにも言ったけれど、具象に対する抽象ではない。いうなれば心象風景とか、色実検のような。しょっぱなからチューハイがんがん呑んで、久しぶりなので早々に酔いが入る。何しろチビも相棒もいないからなぁ。

そのうち寂しくなってしまった。
それは居るべき家族がいないからではなくて、こんな時間を過ごすことが日常だった頃への憧景。めっきり減ってしまった。切り捨てたのはそしてそれを選んだのは、他でもない過去の自分。居住地が代わるたびにかなぐり捨てていったのはなんだったんだろう?そんなこんなでかなり感傷的になってしまった。うん。酔っていた。


みんなの作品を見た感想は、形がとれなかろうが、技術が拙かろうが、まず粘り強く完成に持ち込まねば何も始まらない、ということ。形が決まらないと挫折する。これも昔からの悪い癖。何万回でもひとり反省会を繰り返す。

────

日曜は二日酔いで一日中だらだらと寝てる。あぁ、風呂屋に行きたいなぁ。でも相棒にその気はなくてやんわりと却下。東京で一人暮らしをしていたころは、毎日風呂屋に行っていたから、またちょっと感傷的になる。一日の疲れや迷いをあの広い風呂で流すと、澱が取れて生まれ変わったようになるんだけれど。長湯好きの私、ひたすら考え事にふけながらサウナにいたりした。


今はわざわざスーパー銭湯に行かなければだから。うーん、日常というか生活の一部にはなりえないだろうなぁ。


一度ならず何度も後悔したのは、結婚してから田舎の一軒家に居住を移したことであろうか。なんとも贅沢な悩みだと思いつつ、家に執着のない私は、根無し草だったあの頃を未練かましく思い巡らす。まぁ、どこでも住めば都なんだけれどね。5年以上、いや、これから何十年も一つのところに居を構えなくてはならないとは、メリットも多いが目眩はやまない。


さらに相棒に頼らなければどこにも行けないというのは実に情けない。そういう意味でも車の免許を取らなくちゃと思い新たにする。本当に一人ならばいいんだけれどね、愛する原チャにまたがってどこにでも行けそう。1日80kmくらいはいけるだろう。これは東京往復の距離だ。昔は何度か通勤したこともあったからなぁ。

しかし原付は二人乗りできないし、できたとしてもさすがに恐ろしくてチビを後ろに乗せる気はない。

────

月曜日は何をしていたんだっけ。いろいろ写真集をみたり、またWEBの小説に詠み耽ったりしていた。溺れているだけなのか、と思ったけれど、プリントアウトして製本して、5回も6回も読んでいるヤツがあって、ほとんどバイブル。製本して初めて気がついた。かなりの量だわこりゃ。一気読みしていつもどうしてこんなに時間がかかるんだろうと思っていたが、文庫本くらいの厚さはあるよ。

そんでね、その何度も読めば荒も見えるし、話の真髄もうっすら分かってくるというもの。それで分かったことがひとつあって、その事に少し驚いた。

主人公は才能も人望もあるのだが、自分で疎ましい人間だと思っている。いつもいつも思っていて、まぁ物語だから途中何度も戦争があったり美しい娘が現れたりするのだけれど、結婚してからも、ずーっとずーっと自分は疎ましい人間だと思い続けながら生きているのね。疎ましいというのは主人公が人殺しだからなんだけれど。他人に迷惑をかけないよう距離を保ちつつ生活しているが、ひとたび戦争となると一番の働きを見せる、人殺し。兵士。舞台は中世。

いくらなんでもずーっとずーっと思い続けるのは辛いんでないかい、とわたしは思っていた。次にこの物語の作者は、どうして自分を疎ましいと強烈に思う人間を主人公にしたのかなって。そんでそれを好んで読むわたしは何なのかな。

彼は殺す理由をずっと考えていて。大勢殺しても自分が生き残る理由をずっと考えていて。生き残らなければいけない理由は時折ちらりほらり浮かぶんだけれど、やっぱり自分が他を差し置いてまで生き残らなければならない理由は見つからない。で、ずーっとずーっと考えている。抽象画は玉ねぎの皮とよくいうが、主人公も皮を剥ききってしまっている。結局そこには何もなかったことに気づいてか気づかずしてか、果てしない時間途方に暮れている。

その辺。

人に迷惑をかけたくないと思う余り、自分よりもっと相応しくあなたを幸せにする人がいるだろう、自分を見捨てるように、と問い諭す。その論理。どこから生まれた?そんなこと愛する人に言われたら言われた方がとっても悲しいんですけれど。


おっとわたしも落ち込むと相棒に良く言っているわ似たようなこと。ははは。


「突発性謝り症」とでも言おうか、他人をみると猛烈に謝りたくなってしまう時々のわたくし。それは何故。

この太宰に気づかされた自死者の論理に強烈に共感を連ねてしまう、それは何故。あぁ、人間故の悩み。(苦笑)


もっともこの物語は世代が代わって一応救いがあるんですけれど。新しく始まる子供はいつでも誰かの希望なのかも。

────

そういえば日曜日、鴨居玲の特集をやっていた。ここにも玉ねぎの皮を剥ききってしまった人がいた。香月とならんで、昭和中期の早死にトリオ。見ていて毛が逆立ったよ。


昔書いた走り書きを思い出す。
からからの砂漠に建っている先人たちの金字塔。
そんな映像がフラッシュする。

────

火曜日は、反動でばかばかしいお話を読んで笑っていた。あ、仕事もした。
そんで笑い飛ばして、思い詰めていた自分がばかばかしくなったりして。自嘲がやまない理由というのはうすうす知っているんだけれど。考えるべき悩みなのか、余計な考えなのか。ただ前に進むだけなら行動あるのみだけれど、効率主義からどんどん身を引き離しているわたしには、それはとても棄ててはおけないことに思えるのだよ。

空は智恵子のように広いと違和で恐怖、でこぼこの四角がいい。あんまり日当たりはよくないが、この辺がわたしの故郷なんだろうな。

by HPY


Diary INDEX  |  BACK  |  NEXT  |  制作日誌をメールで読む | 
HOME GALLERY