2月の限定ショップの チラシが出来上がってきた ちゃんと お金が掛かった印刷で 参加する16ブランドの 趣向の違う画像が並ぶ
それを見ていると すっかり自分もお客気分になり カヌレ美味しそう とか 手作りボタンや 消しゴムはんこ見てみたい とウキウキ
いったいどこに これらの作り手が 隠れていたんだろう 出品者募集から準備まで 自分達の企画なら 製作と同時進行では とてもできることじゃない
実際の店舗が こんな素敵な雰囲気に なるといいのだけれど 行って見たい と思わせてくれるに充分
限定ショップの名前は TSUBOMI本舗 まだ花開く前の 蕾の意味を込めたとか 突っ込みも多々ございましょうが わたしが付けたワケではないので
ともかく どんより但馬も 少しだけ面白くなりそうだ
今日はきっと 最後の診察になるだろう と思いつつ バスの時間を調べておいたが 予報のみぞれも雪もなく 自転車でかっ飛んだ
太陽は西に傾いて 近づく黒い雲を蹴散らすように 光の筋がいくつも射し その空を目指しているだけで 胸が清々しく嬉しい
予約の診察は 一時間遅れと言うので その為に準備してきた 袖のいせ込みをちくちく ムスコは音楽を聴きながら 時折弾むおしゃべり
毎日やっている 筋トレのメニューや これからやってみたい楽器や バイトをどう探せばいいかとか そして自分が如何にラッキーかと ここ暫くの期間の総括
随分良くなった足は このまま続けてもらって もしまた何かあったら来て と予想どおりの診察終了 左右完璧に同じにはならなくても その言葉だけで充分
帰りにCDを借り 本屋に寄ると言うので別れた もっとどんどん遠くへ 自分の好きな所へ飛びなと ポーンと身体ごと 放り投げてあげたい気分だった
この冬の リス様の 仕事っぷりはスゴい
ヤツ専用の 洗濯カゴの中の 古いシーツを粉々作業に加え またやってる畳掘り とは思っていた
ムスコの部屋から 藁屑が目立つようになったので 掃除を促すと 二階の部屋に引越しする時やる なんて言ってからしばし
思い切って 敷物の下を開けて見ると 地球の裏側目指してるがごとく すんごい状態になっていて 見てしまったからには そのままってワケに行かず
かろうじて 畳だけで終わっていたが その下の床板まで剥き出しで 応急処置を施して 全部綺麗にするまで 小一時間も掛かってしまった
なんで掘るかね 絶対そこじゃ寝ないクセに 寝る場所はみんな高い所で 三箇所を使い分けてるクセに やっぱり遺伝子の成せる業か
教訓 リスを放し飼いにする部屋には 畳は禁物 って 希少例すぎて 役には立たないだろうけど
パティシエ志望のコが 久々にバイト先にやってきた 手には何やら可愛い箱があり 中にはクリームがちょんと乗った ガトーショコラが入っていた
もう既に彼は この春から専門学校で 本格的な勉強をすることが決まり なんだか話しを聞いているだけで 新しい生活に希望が膨らむ
本人は至ってクールなのだが それでもお菓子の話しになると キリがなくなり フォンダンショコラの話題で ひとしきり盛り上がった
いつか自分のお店を持ったら 今日のとそのふたつを お店で食べてもらえるようにしたい と言うので わたしの頭の中には既に ガナッシュが溶け出した図が ありありと浮かんでいた
そして彼が帰ったあと 頂いたガトーショコラは この上なくしっとりと 濃厚な味がして 今まで試食した中でも ピカ一の美味しさ
この地を離れてしまう前に ぜひこの感想を 伝えてあげなければ と思ったのだった
これなら 絶対に失敗ない と確信が得られて 充実した眠りに就いた夕べ
バイトから帰って 冷えたカラダを温めて いざ取り掛かかった今日は 最初の縫い目がナナメっていて あえなくやり直し
再びやり直したとこで 最初に入れた切れ目が 意外に広すぎて 作った口布では ギリギリ隠れる程度だった
そのまま強行する勇気はなく もう少し幅のある口布を 作り直して再トライ やっぱり本番は やたら緊張するので 出来た時はホッとした
ともかく いくつもある作り方の 一番綺麗にできるだろうやつが 確実に身についたので なんかぴょんきょん気分
だって箱ポケットができれば パッチポケット用の 共布が足りなくても 袋布は隠れてしまうので いろんな布が利用可能なのだ
表の雰囲気を壊したくない時に きちんとした印象の ジャケットやコートに ばんばん使えると思うと すごく嬉しい
あー 先日縫った自分のジャケットにも 後付け可能じゃん つい調子に乗りかけるが 今はそんな場合じゃなかったわ
なんだか随分 バイトにかまけて 精進ってもんを 怠っていたもんだ
まだまだある初体験 なのに 一旦ぐるり終えたみたいに いい気になっていた 昨年のある時期を反省する
こんな形を作ろう と思ったら 細部の縫い方や手順まで リアルに瞬時に 頭に浮かべられるようになりたい
なのに いくつもの本の 同じ作り方のページを並べ 頭が捻れそうになりながら 試作を繰り返している
ナゼに今 でもたぶん 今やらなきゃ またずっと避けたままになる 自分なりのコツを会得するまで あと少しの感触
何って 箱ポケットでっす ああ本当に 今更の
午前中は 雪に埋もれながら ポスティングをし 午後は 火の気のない町家で 手作りショップの内覧会
この冬いちばんの寒さが 骨身に凍みた 特に町家の畳は 靴下三枚履きでも 指先の感覚が無くなった
建築から85年 空家になって15年 古いガラスケースに茶箱に机 飴色になった柱なんかを見て ようやく二日間だけの 限定ショップの実感が湧いてきた
たった二日だけれども やっぱりやってよかった と思えるようでありたい 幸いにも今回は 運営に関わるあれこれはお任せで チラシさえも作ってもらえる
猶予期間は あと一ヶ月強 そう考えるとオソロシイが 数を焦らず 納得の行くものを出品したい
2010年01月11日(月) |
ブリティッシュテイスト |
長らく逃げていた ジャケットに向かった
パーツが多いのと 布が足りないのと 初めてのテクありで 全部は決定しないまま とりあえず縫い進む
がしかし 途中で難問が発覚 また先送り事項が増え 果たして無事に 出来上がるだろうか
もともとのイメージは ブリティッシュなものだった 細いコードを入れた布を アクセントにと思っていたが それは一種類の生地が たっぷり使えての前提
既に消えかけていたら 偶然古いイギリスの映画を観た カーテンや家具調度のファブリック あまりにもお洒落な 百年以上前のファッションに ひたすら耽溺した
この世界 やっぱり大好きだ それを確認したら なんだかヤレそうな気がしてきた 方法はひとつじゃないし 縫いながらの閃きを待とう
バイト先ばかり せっせと 掃除してるばやいか ってワケで まるで泥棒が入ったみたいな 縫い部屋の掃除を久々に
ちょっといいカンジ になったからって それをキープできるほど 甘くないのがわたしなので 意外と早かったこの行動に 自分で驚く
けれども夕べの夢で 小箱に入った 石炭のカケラの集まりから ひとつを選び取り出すと それは金色に光り 浮き彫りになった凹凸が 天使とキリストに見えた
光は直ぐに消えてしまうが その奇跡のようなイコンは これまでに見たどんな夢よりも 心に深く残って きっとあの達成感が 見させてくれたのだと思った
わたしだけの聖なる絵は きっとそんな風に 真っ黒で硬い 石くれのような中にある 誰も見向きもしない ありきたりのものの中に
だからもっと この道を行ってみなきゃいけない 実感は眠る間にも ちゃんと根底からの力へと 変わっているはずだから
2010年01月07日(木) |
自分を好きになる方法 |
久々に 渾身の縫い ってカンジだった 午前三時
布を繋いで 身頃を作るのに 一番時間が掛かった でも どの部分を作るにしても 布目を気にしなくて済むので それがすごく有難かった
もっと時間があれば 開きの方法も いろいろと凝ったはずだけど 日付けが変わり もう選択の余地なく ノーカラーのボタンなし 内側にフックだけつけたシンプル
そう たぶんいつもは お尻がないために ズルズルといつまでも 納得が行くまで 手を掛けすぎてしまう
けれどそれで いいものが出来るか と言えば けっしてそうでもなく 縫い終わったその時から 変更の余地を探している
ひとつに総てを落とし込む なんて 到底できっこないのだから どんどんキリをつけて 前作で思ったことは 次に生かす姿勢なら きっと数も上がって行くのだろう
あー ようやく戻った やればできるじゃん感覚 知っているのになかなかできない でもできた時の気分はサイコー 今夜は寝るぞ
2010と打つのに 手が慣れるのはいつだろう
西暦のこの数字は 便宜的なものでしかなく ましてや誕生日の数霊術なんて なんの意味もないのだ というハナシもあるが 新しい10年期が始まる という占星術の記述に触れて ちょっと考えてみようと思う
1980 1990 2000 どうだろう 若い人はデータ不足だけど こうやって間近な30年だけでも 単純に区切ってみて 各10年期に何か見えるだろうか
個人的にはそれぞれに カチッとスイッチが入ったような くっきりとした違いがある けれどもそれは こうしようと意識したワケではなく 何らか運命的な要素があって 彩られた10年ごとだ
土星の29年とか 或いは金星木星の周期でとか シュタイナーの7年説を 人生の時系列に当てはめることでも それなり納得は行ったが むしろこちらの方が わたしにとっては意味深い
ならばこの先10年は どんなカラーになるんだろう
どうなるにせよ それはきっと 必要があってもたらされる何か に依ることが大きいはずで かつて来た道のつもりで どんと構えて行きたい
予想はしていたけど 風邪は一向に治らず 全く縫い気も起こらず
このまとまった休みに 何か縫えないとしたら もうどうしようもないので 片付けを休止して しばし布に向かう
箪笥に仕舞ってあった 仕上げ途中のを出したり 中断したジャケットを見たり もちろん 二月の出品も頭にはあるが オソロシイほどひんやりしている
トキメキもなく いったい何を ガソリンにしたらいいのか もう本当は とっくにガソリンなんかなくても ひたすら縫うことに ヨロコビを感じられなきゃでわ とか思っても仕方なく
そして目前の 賀詞交換会に何を着るか ってモンダイが浮上し やっぱりどうしても 何か縫わねばなるまいと ようやく覚悟を決めた
京都で見つけて飛びついた フェルトみたいな生地の 黒に地紋入りのコートに ちょうど合いそうな 黒無地の似たようなのを 部屋構築の時に 袋詰めしたのを思い出しごそごそ
おー やっぱりどんぴしゃのマリアージュ こちらも和装用で そっくり同じようなフェルト地 組み合わせたら 何とかジャケット分が取れそうだ
とりあえず 燃料はなくても お尻に火は点くってコトで しかもちゃんと こんなミラクルもあるんだから
大晦日は 開かずの間だった部屋を 使えるようにすべく 家族三人で大仕事
下のコが 自分の部屋を移したい と言い出すまで 二階の長い廊下の奥の部屋は この家に居る限り 放置するつもりでいた
で 一念発起して いくつもの古い箱を開け 古着や古本をより分け スチールの本棚を解体し 運んで組み立ててまた収納 埃だらけのあちこちを 雑巾で拭きまくった
次の廃品回収に出すものが すごいボリュームになり みんなで手分けしたお陰で 残りはほぼ 大きい家具を残すのみ
もっとも それをどう運ぶかが 今年最初の懸案事項なのだが いつの間にか すっかり戦力になった 子ども達の成長に驚かされた
お陰で 心のどこかに わだかまっていたものが スッキリと消えて 気持ちのいい 新年の幕開けとなった
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