ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2009年08月31日(月) 最後の恩恵

ずうっと
捨てたいと思っていた
三人掛けの重いソファが
ようやくなくなって
替わりに大きな棚がやってきた

それはもともとは
解体される家から
いただいてきたものだが
廻り廻って
いよいよなくなってしまう
わくわく館の
最後の恩恵
とでも言おうか

お陰で
その新たなスペースへ
仕舞いこんでいた着物を
一目瞭然に並べることができる
その作業を思うだけで
楽しみで仕方がない

だって
その気になれば
ほんの少しだけれど
玄関ショップも可能になるし
土間を空けられないジレンマから
随分と解放されるのだ

実際にはすぐ近くに
山積みの柳行李がそのままなのに
ただ傍を通るだけで
まだ見ぬこれからが嬉しくて
この気持ちをもう少し
味わっていたい
とか思ったりして



2009年08月30日(日) 着物アロハ

夕べは
素敵な出会いがあった

友人と飲んだあと
大抵一軒で終わるのに
涼しい夜の空気に
珍しくもう一軒
の気分になったのだが

久しくお邪魔していない
そのお店に入ると
服が少し並んでいて
一番奥の壁にも
ひと目でそれと分かる
着物から作ったシャツが

お店のママが
何か手作りをされているのを
随分前に
チラッと拝見したこともあり
少しお話を伺うと
着物からアロハを作って
夏前にはギャラリーもされたそう

随分好評だったとのことで
いったいそのスペースが
どんな雰囲気だったのか
知らなかったのが残念だけれど
作りかけのアロハの
黒地の銘仙を見ただけで
素材へのこだわりが感じられた

思いがけない出会いに
トキメキつつ
ちょうど
新たなことを始めようとする
このタイミングのリンクに
勇気をもらった気もして
なんだか嬉しい夜だった



2009年08月28日(金) 澱まない工夫

大きな商品がなくなって
スペースが空いたので
バイト先のディスプレイ替え

大勢には影響ないかもだけど
結構動いている小物を
長机ふたつに並べてみた
別に新たに仕入れたワケではなく
場所が狭くて仕舞ってあった
在庫を広々出したのだ

高額商品には
クロスで拭くぐらいしか
手を入れられないけど
小物ならちょこちょこ
変化をつけて
新しい雰囲気づくりができる

今日は
とりあえず並べただけだが
POPを書いたり
ラッピング見本を置いたりと
需要の増える年末に向けても
楽しみが広がる

って考えると
やっぱりそういうコトが
好きなのかもしれない
こっちに来てからずうっと
形や場所は違っても
繰り返しやっていたんだし

何も変えられないような場所でも
何かしらできることはある
っていうより
自分自身が澱まないためにも
工夫して行くこと
が大事かもしれないな



2009年08月27日(木) 船を作る

自分ひとりで
考えていること
ばかりじゃなく
バイト先も
急激に変わろうとしている

それは
まともな考えで
理解しようとしたら
リスクだらけの
危ない方向に思え
そもそも
いったい何所へ行きたいのか
驚くような状況なのだが

なんだか
以前にも
こんなことがあった
と気付いた

既に抱えているリスクを
解消するために
希望ある未来を目指そうと
またリスクを増やして
そのことには眼を瞑り
まだ実現していないことを
既に得たかのように進む

いいこと
を見るなら
それと同じ重さで
よくないこと
を冷静に計るべきで
それは
まだ訪れていない不幸を
あれこれ心配するのとは
ワケが違うと思う

結局
そういう船頭のいる船に
乗っていられずに降りた過去
降りたけれども
次の船なんてなくて
ただウロウロと
迷うばかりだった

だから今度は
降りる前に
別の船を作らなきゃいけない
今回できなかったら
きっと同じテーマが
体験できるような状況へ
また引き寄せられるに違いない

元の船が沈もうが
たまさか
大きな帆船となろうが
それはわたしのテーマではないが
そこから何かを引き出すことを
必要としている点においては
共同体と言えるのかもしれない



2009年08月25日(火) 木星と土星

夏休みがあったから
今月は稼動が少ない
けれどその分収穫は多く
休み後の頭の中は
ヤケにすっきりクリアが
ずっと続いている

チラシは文字だけのと
イラストレーターで
画像入りのカラーのを
新たに作り
ムスコに頼んで
プリントアウトしてもらった

カラーの方は
圧縮してもメールで送れず
ウェブ上に一旦アップして
そっからコピーと
ちょいややこしい手順になったが
とりあえずこれで
原本作成は終了

アップロードのついでに
サーバー上を整理と思い
使っていない画像を
ひとつずつ点検しては削除
していたつもりが
必要なのまでサクッと

しかもそれは
もうページのファイルすら
残っていないし
ましてや元画像も
パソコンリニューアルの時に
救出しないままだったやつ

とりあえずエクスキューズだけ
ページの最初に入れながら
いつかそれらの過去ページも
綺麗に一新してしまうかも
なんて気が突然した

リメイクだけでは
ボリュームが足りなくて
いろいろ並べた過去画像も
いい加減
コンセプトを絞り込んだ方が
自分の中でもブレなくていい

中身はむしろ広げるので
第二室木星を
ようやく有効活用
広げておいて
くっついた土星の
安定堅実化に繋げるのだ

別々のことでしか
使えないと思っていた
ふたつの星
どうか
一緒になって
わをんを照らしておくれ



2009年08月24日(月) 今年の紫式部

まだ新芽の出ない早春に
びゅんと伸びた細枝を
少し剪定した紫式部

コンクリートの隙間から
いつしか顔を出し
知らないうちに昨年は
一枝だけ実をつけていたのが
もう今年は
いっぱしの木のように
たわわな枝をいくつも
しならせている

ちゃんと育てようと
鉢ものをいくつ置いても
必ず枯らしてしまうのに
ほとんど土のない場所は
その劣悪な環境ゆえ
芽を出した時点で既に
成長する強さがあるのだろうか

見ると
薄紫の実が枝先に少し
他はまだ真っ白に近く
風にふうわりと揺られている
朝夕の涼しさが進んで
どんどん色濃くなったら
部屋に飾る分を
いくつか切っても大丈夫そう

来年はそうなるだろうか
と考えて
またここにいるのか
と暗くなった昨年なのに
わたしの中の景色も
枝の成長とともに変わった

本当に必要なら
必要なところへ
きっと移っていける
少なくとも今はまだ
必要がないってコトだ



2009年08月23日(日) 満ちた先

地蔵盆の
片付けのタイミング待ちに
一緒の役の人と少し
商売の話しをした

何か用事で伺うと
別の人がお店にいることがあり
それは扱っている商品の会社から
派遣で差し向けてもらうのだそう
その人件費のために
自分の取り分はほとんどないとか

お店を閉めるのは月三日だけ
日曜日はお客さんが少なく
きっと大型店へ
出かけてしまうのだろうと言う
やはりどんどん
状況は厳しくなっているとのこと

いくつもの路面店が閉まって行く中
生き残るのは簡単じゃないはず
いろんな提案を
積極的にしているのは知っているし
ひょっとしたら
派遣の人がいる間
営業活動に出ているのかもしれない

やっぱり
ひとりでお店をするってことは
そこに拘束されるから
もし人を雇えないなら
お客さんを繰り返し呼ぶための
仕掛けが必要だ

極端に言ったら
お店を構える前に
そういう場所が絶対に必要と
待ち望むお客さんが
既にいる位の
満を持してってカンジが
理想かもしれないな



2009年08月21日(金) 当たり前の青空

雲ひとつない
抜けるような青空が
数日続いたと思えば一転
なんだか不穏な今日の空
でも但馬では
これが普通なのだ

夕べは
少しでも進めておこうと
別仕事に取り掛かった
じっとり汗をかきながら
集中して頑張ったお陰で
数日のつもりが
一気に終わってしまった

最初は
内職並みの
効率の悪さだったが
今やバイトに出るよりいい位
家での仕事でこれだったら
もっと増えても構わない
と思って納品したら
すぐに追加依頼がきた
おお

最初に応募したときは
どん底で辛かったが
思い切ってチャレンジして
本当によかったなあ
やっぱり
現状を変えたかったら
あがかなきゃダメなんだ

とは言え
これも浮き草稼業
いろんな意味で
アテにすることはできない

どんよりと曇った空を
これが普通と思うんじゃなく
スコンと抜ける青空を
当たり前と思いたい
天気は変えられなくても
わたしの人生は
自分で変えられるはず



2009年08月19日(水) でっかい人生

とりあえず
説明書っていうか
案内書作成

ええとそれから
チラシ配る前に
サイトを直して
過去作品参考にできるように
ページ作った方がいいだろうか

とはいえ
あまりにもあぢぢなので
外回りのタイミングは
もう少し先にしよう
別仕事の締め切りも
あんまり悠長に構えてらんない

ふう
なんか
つい数日前が遠い過去

今年は
中身充実したけど
それ故にひとつ
大きな終結の感アリで
いくらヤル気を絞ろうとしても
わをん的動きにならなかった

まさか
こういう展開になろうとは
ホントに自分ってわかんない

原動力は
兎にも角にも
稼がなきゃってコトだけど
その方法は
社会にいいこと

自分の良心に恥じないことが
最低限の必須条件だし

そしてそれが
誰かを今よりもっと
シアワセにできるなら

なんか
これまでよりもずっと
でっかい自分の人生に
出会ったような気がするな



2009年08月18日(火) 奔流

ようやく
行き先を見つけた流れは
怒涛のように迸る

ってワケで
まずはチラシの文面作り
二種類考えたあと
熟考して
もうひとつ書き直し

そして
もし場所がない時のためにと
バイト先に打診してみた
以前から考えてはいたのだが
その時はまだ
先に場所ありきだったので
中身が具体的じゃなく
お伺いを立てるとこまで行かなかった

すると
なんか知らんが
一番広い部屋を
タダで時間貸ししてもいいとのこと
それではさすがに
各方面から非難を浴びるので
きちんと通りのいいラインを
考えておく必要がある

出前が基本だが
バイト先なら
どんな天気でも辿り着ける
いやー
こんな簡単に
懸案事項をクリアするなんて
なんだか拍子抜けだ

こうなったら後は
詳しい内容や料金を
まとめた資料を別途作るだけ
そしたらキャッチのチラシを
小さい範囲からポスティングして
その反響を見ながら後続策を計る

いいじゃんいいじゃん
もうホントに迷いなく
繋がっていく感じがある
自分にできることから
遊離しないように
着実に頑張ろうっと



2009年08月17日(月) パスワーク効果

休み中に
片付けをしながら
あらためて
スペース作りを検討した
けれど

そもそもの店舗企画が
いつか萎んで行った
動かせない要素を
また確認するコトとなり
休みのお陰で充電された
何か変えたいパワーは
とぐろを巻いたまま

これで日々が過ぎれば
またグダグダになるので
何か見つかるかもと
松村さんとこの
パスワークやってみた
選んだのは月のカード

途中
カクンと段階的に移行する感覚があり
クリックアウトを繰り返しつつも
断片的なビジョンを見た
そして終わり近くで
喉元まで上がってくるものを感じ
ほとんど吐きそうになって戻った

自分の持つ月に対しては
日頃穏和なイメージのみだったので
吐くってなんだ
と非常に驚いた
んで
それはそれで
特に解釈もせずだったのだが

ともかく
目覚めた意識のなかでは
先のことが繰り返し思われ
頭打ちになるからには
方向が違っているのだろうと
そもそも店舗と言っても
販売を主にするワケではないことを
改めて考えてみた

すると突然の閃き
まず最初に場所ありきじゃなく
人が居ればいいのだと
何も並べなくても
わたしが出かけて行けば
そこが場所になる

リメイクにはむしろ
そういう草の根的なかたちが
合っているかもしれない
その上で場所が必要なら
また考えればいい

出会った人によって
やり方を変えて行けるのは
まさにわたしの月らしい
そもそも
そういう風に発揮していないから
吐くほどに過剰なのかもしれず

うーん
恐るべしパスワーク
こんなに即効性があったとは
ようやく箱庭の川の
流れる先を見つけた気分
これなら
今の状況のままだって
きっとやって行ける



2009年08月16日(日) 解きの発作

実に
何ヶ月ぶりかで
着物を解いた

母がご近所からいただいて
少し前に送ってきたもの
先方は紬だと言っていたそうで
かなり期待していたのだけど
開けてみたらウールだった

もっとも
ちょっとエスニックな感じの
細かな柄なので
わたしも
着物をよく知らない頃なら
紬と思ったかもしれない

数見てきたウールの中でも
ちょっと珍しく
そして何より
基本的に好きなタイプ
売っても二束三文だが
得ようと思って
見つかる類ではない

穴ひとつないが
衿だけが汚れていて
いつかそのうちと放置
なのに突然解く気になった
いつもの
脈絡のない発作的な症状

こうなったら
眼一杯生地を使って
こういうのができますサンプルを
先のために準備するかな
おっとイケナイ
そんな順序立てて考えると
また萎むのがオチだ



2009年08月14日(金) 巨人の箱庭

昨日までとは
明らかに違う
空気の変わりように
じっとしていられなかった

少し秋の気配も含んだ
はたはたとくるくると
いろんなじっとりを
吹き飛ばすような風
少し高い所に上がって
緑の山にゆっくりと
影を落とす雲を眺めた

空がこんなにも近い

絶景でもなんでもなく
ただ里山と
それに囲まれた
小さな盆地に過ぎないが
人を和ませる
何かがここにはある

その小さい中に
いろんな自然の光景と
人間の生活が詰まっている様は
上からすごく巨きな誰かが
好きにパーツを置いて作った
箱庭のようにも思え

それは
わたしが成した訳ではないのに
自分の中から
ひとつ取り出した無意識のようで

その箱庭のなかに
海に繋がる予感の川があることが
あまりにも
うまく出来すぎていて
やっぱり
人間技ではないと
知るワケなのだが



2009年08月13日(木) 自然な流れ

お盆に帰って来ないの

友人から電話
どうやら
わたしの実家のすぐ近くに
引越ししたので
徒歩での再会を
楽しみにしていたらしい

ひとりでの帰省を考えていたが
日程に余裕なく諦めた
わくわく市から
大物什器を移動するために
それなりのスペースを
確保しておかなければならない

考えては
遠ざかりしているが
この場所にいる限りは
いつかここで実店舗をするのが
やはり無理のない
自然な流れかもと思うこの頃

そのためには
今の状態で
少しずつ準備怠りなく
販売だけではない
食べていくための仕掛けを
固めて行こうという算段

何がしたいとか
もうそういうコトじゃない
使ってくれる所がある限りは
大事にしたい
そんな風に思えるなんて
ようやくわたしは少し
現実的になったのかもしれない

ちょうど
別仕事の依頼があり
前回くらいから
ようやく肩の力が抜けてきたので
お引き受けした
断るのは簡単だが
いただける限りは続けようと

その先でまた
何が見えて何を思うのか
ちょっと楽しみな気もして



2009年08月12日(水) 初めての歌

全員が集まっての
歓送迎会なんて
これまで一度もなかったが
内輪の一部ですら
そういう話が出ないので
三人でご飯を食べに行った

個人的には
近々退職する彼からでなければ
聞けなかった商品のことや
メンテナンスの仕方など
勉強になる話しが沢山あったし
このままひっそりと
いつの間にかサヨウナラでは
どうもスッキリしない

以前から三人でと
誘われていたのだが
まさかこんなに早く
誰かが抜けようとは思ってもいず
急遽予定を合わせた
みんなでシェアしてご飯を食べ
それだけでは納まりがつかなくて
実に久しぶりに
歌なぞ唄いに行ってみた

んで
初めて聴くふたりの歌声は
それぞれに穢れがなくて
なんだか純粋で
あーそうだったのかと
ようやくその本性に触れたみたいで
もっと早くに
こういう機会があったらと思った

ひとりでは動いて行かない組織
だからこそ
仕事とは別の形で
共通の体験を重ねることは
それぞれの違いを
受け容れ合う土壌作りのためにも
すごく大事な気がする

ひとり抜けた後
の様子が想像できなくて
今さらながら
短い期間のあれこれが
貴重なものとして浮かんでくる



2009年08月10日(月) 深い病

バイト先の大掃除を終え
やれやれと一息ついたら電話
久しぶりの知人だった
ずっと体調が悪く
買い物にも出られない
と言うのに
声はすごく元気で張りがある

医療費が嵩み
親に借金をしているのだが
毎月少しでも返したい
でも仕事はできないし
余裕もないので
後は自分を売るしかない

話しは突然意外な方向へ

どういう意味か解らなかったが
自分は病的に痩せているから
見世物になるだろうと言うのだ
テレビでそういう人を見たが
自分の方がよっぽどすごい
でも田舎だから情報がなく
どういう風に売り先を探せばいいのかと

普通ならそれ以前に
旦那と相談するとか
親とちゃんと話しをするとかで
そんな極端な方向へは
行かないはずと思うのだが
彼女の中では
切羽詰っているのだ

これって何なのか
要するに
何もできない自分だけど
それでも価値があることを
客観的に確認したいんだろうか
存在するだけでお金を生む
それを親に示したいのだろうか

すごくマイナスの方向で
でも変なプライドは持っていて
だからこその売り
なのかもしれない
わたしにはあまりに
象徴的な記号のように思えたけれど
その根っこは
すごく深いものなのだろう

なんだか
こうしている今でも
いったいどう解せばよかったのか
あれこれ考えてしまう
他人にどうこうできる
問題ではないにしろ



2009年08月09日(日) 生真面目なタルト

バイト先に差し入れ
手作りのシュークリーム

そうあの
スイーツの道に目覚めたお客さん
けれど折角勤めたケーキ屋さんは
需要の落ち込む夏を前に人減らし
面接当初の話と違うので
かなりがっかりしていたが
今は気持ちを切り替え
既に違うバイトをしている

けれど僅かな期間でも
その経験は彼を大きく動かし
お金を貯めてから
パティシエの学校で学びたいと
新たな夢を描いている

バニラプリンのあと
創作の抹茶プリン
アップルパイにクッキー
そして今日のシュークリーム

うんまー
シューはバターの香り高く
たっぷりのクリームはたぶん
カスタードに生クリームをプラス
ちゃんとバニラビーンズの粒も見える
口に入れると濃厚なのに
すーっと軽く溶けていく

はー
しゃーわせ

なんつーか
彼の作るスイーツは
派手さはないけど
愛すべき生真面目さで
素朴に素材の味が生きていて
もっといろんなのを
食べてみたいと思わせる

ちょっとそんなとこが
今は無き
コールドンブルーを彷彿とさせ
あのバクバクかぶりつけるような
まるで気取っていない
絶品タルトが無性に懐かしく
気がつけば言っていた

今度はタルト作ってきて

こんな図々しい言い様にも
マンゴーがいいですか
それともベリーがいいですか
との返し
まじですか
そりゃもちろんベリーで

もう既に
サクサクでバターの香りの
サブレ生地が浮かんでいる
あー食べたい
きっと美味しいに決まってる
けど食べたい



2009年08月05日(水) 田舎家の夢

バイトから上がって
ほげほげしていたら
友人から電話
急遽物件を見に行くことに

ぐねぐね道を
左右に振られながらしばし
絵に描いたような田舎の
近くの川音が涼やかな
道の際にその家があった

石組みの階段を上がると
南向きに少しの庭があり
玄関を真ん中に
左右に縁側の部屋
屋根は草葺をトタンでカバーした
田舎でよく見るタイプ

ぐるりと家の周りを歩くと
バックヤードには
ちょっとした菜園ができそうな場所
そして
窓から覗き見た部屋の中には
そんなに古くない囲炉裏と
手作り風のテーブルと椅子があり
布が掛かったピアノも

山椒に柿にイチジクにグミ
庭には折々の生り物と
裏側には茗荷と蕗が自生
ここのではないのが残念だが
奥に土壁の小さい離れが見えて
その一角の景色も素敵だった

子ども達が小さい頃
夏休みだけでも
こんな家で過ごせたら
さぞかし楽しかったろうな
大きな石がごろんごろんの
綺麗な川の水で遊んで
縁側に座ってスイカの種を飛ばす

もっとも
徒歩と自転車が移動手段では
日々の生活自体が成り立たず
車が足の友人でさえ
もう少し街が近かったらと躊躇
でもきっと
だからこその600万円

移れる可能性なんて
どっから考えてもないわたしは
タダで別の生活の夢を見て
それだけで楽しかったのだが
さてさて



2009年08月04日(火) 不思議な客

ここ数日
立て続けにやってくる
ちょっと変わった男性

少し前に退院したので
時間がいっぱいある
と言いながら
いつも早口で
すごく急いている
眼はギョロっとして座り加減で
釣り用っぽいベストとか
アウトドア風の格好をしている

素人には難しい
専門書の類を注文
から始まって
次の日には
それを読み解くための
高額な辞典を注文
そしてそれが届かないうちに
また来店の今日

たまたま店にあったひとつを
お買い上げになり
もう一冊を注文
と思ったら
しばらくして再びやってきて
また一冊購入し
続いて4冊の注文
そしてさらに夕方の電話で
二冊増えた

入院していたのは
いったいどんな病気だったのか
計り知れないが
解る人には解るだろう的な
畳み掛けるような省略形の注文を
こちらはあえてゆっくりと
正式なタイトルで確認しなおす

先日は
あまりに高額だったので
内金を入れてもらったが
今日はそのまま
でもこの調子でまた重なるようなら
改めていただいた方が
いいかもしれない

だからといって
犯罪の臭いがする
とかではないし
耳かき嬢目当てみたいのとは
全く違うのだが
なんていうか
突発的な飛び具合がありそうで
用心しなければと思わせる

そういえばお祭りで
いちゃもんつけに
酔っ払いが来たのなんか
ずっと解りやすい位で
出会ったことのないタイプは
まだまだいるもんだね



2009年08月03日(月) スケープゴート

昨日も終わったのは
10時を過ぎて
足腰がぱんぱん
んでもまた
朝からラジオ体操と
バイト先では長い会議
そして今週はフルが増える

なんか
ズルズルと
出る日数が多くなって
今年に入ってから
すごいことになっている
本当はもっと
効率よく働きたいと思うが
なかなかそんな風には行かない

んで今日は
ひとり辞めることを聞かされた
経費節約のプレッシャーの中
思うように業績が上げられないのを
心苦しく思っていた
というのが
表向きの理由だった

実際はそれ以前に
いろいろあったと思うが
常に人件費について
やんや言われていたので
なんだか
スケープゴートみたいで
他人ごとでは済まされない

かといって
今よりずっと
自由な時間が増えたとして
同じように
生活を支えて行けるワケもなく
作ったものが売れなくても
収入を得る手段を
きちんと考えておかなければ

雇用という点では
もう次のチャンスなんて
ないと思うべし
日々流されるのじゃなく
きちんと足を踏ん張って
準備しないとだ



2009年08月01日(土) 軽い売り

恒例の
柳まつり販売

昨年は
暑くてどろどろ
になったが
今年はむしろ
雨と
そのせいでの客足
を心配した


何とか雨がは降らずに
涼しいお陰か
お客の引きもゆっくりで
外販売にも慣れたしで
いいカンジで終われた初日

やっぱり
商いは楽しい

っていうか
その楽しさは
全部を引き受けなくていい
という気楽さと関係アリで
例えば商品を
自分の懐勘定で仕入れていたら
とてもこうは行かない

ましてやもしこれが
わをんの商品だとしたら
いや
それだけの数を揃えられたとして
だけれど
恐らく首根っこを
掴まれたみたいに
どこかで萎縮してしまうだろう

そう思っては
相変わらずなジブンが
ちょっと鬱陶しい

あー本当に
もっと軽い感じで
さくさく作って
楽しんで売れるようになるのは
いったいいつのコトか


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