ゆりゆり日記
こうのとりの郷豊岡より
そこで出会うすべてのひとと
日々の想いの種が
なににつながりどこへ行くのか
未来へ続く今の日記

2006年11月30日(木) 和布の帽子

春のイベントには
帽子も作れたらいいなと思い
以前ネットの中で見かけた
職人を集めたサイトの中で紹介されていた
和布のハンチングを再び探し出した
使っているのは本当に上等の生地ばかりで
お値段もなるほどの価格

形の違う数種類の定番があって
生地を選んでのオーダーも可能
素材が良ければ良いほど
それを引き立たせることのできる
これと言うラインに辿り着くには
相応の苦労があっただろうと思う

そうやって見て行くうちに
製作者の名前にふと気付いた
以前は知らなかった名前だけれど
今は知っている
何故かと言えば
好みの紬系着物を
まとめて落札させてもらった後のメールに
同じ名前が記されていたから

ひょっとしたら
自分の作りたいものを作り売る一方で
その素材となる古い着物も
扱っているのかもしれない
だとすると
届いた着物たちの
あの雰囲気も妙に納得できる気がする

試しにメールで訊ねてみると
土日だけだが
店舗で帽子を販売しているそうだった
場所は京都
直売サイトはコチラ
織布orife
http://www.orife.net/index.html



2006年11月29日(水) 布の表現

昨日届いた縮緬の見本帳
綴じた紙の中に
スライドフィルムが収まったみたいに
小さな布が沢山並んでいた
いずれも地色は黒や濃紺やこげ茶の
渋いものばかりで
その上に様々な
小さな小紋柄が染められているのだった

わたしがこれまで見て来た縮緬は
色無地や鮮やかな色柄のものが多かったから
その抑えた表現が逆に新鮮で
こんな生地があったら
ぜひ使ってみたいと思わせるような
魅力に溢れていた

さらには
本命の紬類がまとめて届き
それはもうどれも画像で見たより遥かに素敵で
一着ずつをハンガーに掛けると
それだけで絵になってしまうような
静かな存在感を放っていて
間違いなくわたしの好きを
そのまま体現してくれているものばかり

そして当たり前だけれど
織りの表現も様々で
さらさらとしなやかで美しい藍大島
ざらっとした糸味の紬
節が浮き出ているようなしっかり厚地の紬
上布と見まごうばかりの薄い紬などなど
その違いは手にもはっきりと伝わってくる

果たして
解く勇気が出るんだろうか
たったひとつの着物を
損なってはいけないという緊張感が
早くも押し寄せてきていて
これらを服にするには
相応しい自分の状態が必要だと
思わずにいられない

力技でかたちにするのでなく
無心で布と対話できるように
かつて少しだけ分かっていたようなその感覚を
もういちど呼び起こせるだろうか



2006年11月27日(月) 隠し財宝

ちょっと片付けをして
重なった洗濯ものや
ビニール袋などを掴むと
パラパラと音を立てて
こぼれ落ちるものがある

布団やカーペットの下
時には新聞のページの間からも
発見されるそれは
他でもない
我が家のリス君の隠し財宝なのだった

殻を剥いたヒマワリの種や
粟玉やピーナッツなど
ミックスの餌の中から好物だけを選んで
ほっぺに詰め込んでは
せっせとどこかに消える
そしてしばらく経って澄ました顔で現れる

いちど
そんな風に隠したすぐあとで
カーペットを捲って
あーっこんなとこに隠したな

リスの前で騒いだら
慌てて手で掻き集めようとしたのが
ちょっと可哀相だったので
最近はすぐに暴露しないようにしたりして

それでも
思わぬ所からパラパラと出て来るので
勿体ないから
掃除機で吸い取らずに
本リスに回収させるのだけど
時には匂いだけ嗅いで
興味なさそうにするのは何故なのか

ひょっとしたら
もう既にそれは自分のものだから
より新しい餌を求めているのかもしれない
隠して来た後は
必ずわたしによじ登って
しつこく服を探ったり
繰り返しまとわりついてくる

忙しく動き回る中でも
肩に留まって毛づくろいをしている時に
頬を寄せたり
眼を開けたままぽーっと
どこかへトリップしている時に
そおっと頭を撫でてみる

犬や猫のようには馴れないけれど
ヤツは確実に
この家の動物たちを
リスなりの判りかたで把握し
同居しているに違いないと思えるのだ



2006年11月26日(日) 余白の日

雨の日曜日

こんな日は
電車で
御茶ノ水に出かけ
坂道をとことこと下り
書泉グランデに始まって
神保町から神田あたりにかけて
ゆっくり本屋廻りがしたいなあ

なんて思いながら
叶わないのでアマゾンを覗く
実際に手に取ることができたら
それだけで満足してしまうかもしれない
洋裁の参考本などを
なんとなくの勘だけで注文する

友人がやってきたので
このところ買い込んだ
着物を披露しながらおしゃべり
それで浮上した
来年のイベント話し
それはちょっとワクワクするけれど
そこに至るまでの日々は想像できなくて
気持ちだけがワープする

相変わらず
余白を享受するばかりの日々
でもきっと動ける日が来るだろう
これまでもそうだったように
ただ今は
充電が必要なのだと
自分に言い聞かせる



2006年11月23日(木) 縮緬の見本帳

リメイクジャケットに
キルティングを施してみようと思い
芯地を買って来た
まだ縫いに入る元気はないけれど
それを広げて
洋裁の本をあれこれ眺めているうち
じわじわとシアワセ感が押し寄せてきた

唐草模様のお召しや
細かい柄の古い織りの帯や
極薄の紋入り麻着物や
紗の洗い張りが
続々届いても
いまいち心が弾まなかったのに
初めての試みをするというそのことが
ぽおっと心を明るくしてくれる

本命の紬系はまだこれから届くし
お菓子用のガラスケースも一緒だ
昔じいちゃんのお店にあったようなそれへ
小さなハギレを詰めこんで
眺めながらの収納にするのだ
そうして今日はまた新たに
素材の勉強用にと
縮緬の見本帳を落札したのだった

自分で作った服のリメイクノートにも
デザインとサイズと
縫い手順なんかを書き込んで
使った布を貼り付けているのだけれど
それはわたしが歳を取って
既に手元にはない服たちが
どこかでゴミに出されても
ずうっと残っていくだろう

その見本帳はいったい誰が作ったのか
小さな端布に込められた
仕事への熱を
指先で辿ってみたいと思うのだ



2006年11月22日(水) センセイというお仕事

古物商の申請書類を確認していたら
なんだかややこしく
以前挫けたのは
このせいもあったと思い出す
本籍の役所は遠いし
法務局にも行く必要がある
だからこそ行政書士が代行する
隙間も生まれるのだろうが

昔々
一生できる堅気のシゴトを探していた頃
うっかり司法書士の事務所に勤めたことがあった
そこの司法書士は常々
この仕事は身近な弁護士みたいなもので
弁護士よりは遥かに民間の人の役に立て
それでいて同じように先生と呼ばれる立場なのだ
という話しを口にしていた

けれどわたしがいた間
身近な相談になんて誰ひとりこなかったし
センセイと呼ばれるから何なのかと思った
毎日のように法務局に行って謄本の写しを取り
いろんな登記書類を作ったりしたけれど
そのややこしさの元になる古めかしい決まりごとは
一般の人が自分では無理と思えるように
わざと仕組まれているようですらあった

どこかの事務所のセンセイは
女の事務員さんをお妾にして
ほとんどの仕事をやらせている
なんて話しを何度も聞かされ
ドロリ眼の司法書士が
いったい何を考えているのか解らなかったが
体調が悪くて休んだとき
部屋まで押しかけてきたのにはさすがにビビり
居留守を使ってそのあと
実家で療養することにして辞めたのだった

今のドケドケ状態を思って
何が療養だと言ってはいけない
今よりずうっと大人しく
体重も大人しかった頃のお話だ
隙間の仕事だって
あのセンセイがもっときちんとした
プライドを持っていたら印象は違っただろう
自己顕示欲とプライドは
イコールじゃないと思うんだけど



2006年11月20日(月) 素材としての着物

家に帰ると
立っているのもつらく
ようやく食事の支度をしているこの頃
もうマックスと思いながら
どこまで続くのこの忙しさ

とはいえ
明後日からは
ちょいまとまったオフになる
んで
その間に受け取るべく
ヤフオクで着物を落としている
なんかもうタガがはずれてますええ

つい先日500円の着物ばかり
ようやく選んでいたくせに
好きな絹紬や綿絣を手に入れるには
相応の出費をしようと腹をくくり
結城ではないけれど白耳の糸味のいい着物とか
古い藍大島とか丸帯とか
スタート価格ちょい高めのを
競わずにばんばん

これまで
タダでいろんな着物を手にして
その中には
到底自分じゃ買えないようなものもあり
随分勉強させてもらった
お陰で好みの傾向もはっきりしたが
いざそういう着物ばかりを探すとなると
やっぱりネットが早い

どう使ったらいいのかと
迷うことなく
本当に好きな素材で
自分が着たいと思うものを作る
これから春までの
限られた時間の中では
そういうコトも許されるんじゃないかと
勝手に考えたりして

売れたら困るなあ
と思うぐらい
大好きになれる服が
また作れますように



2006年11月14日(火) 初めての一歩

さいきん
オフの平日に
ふと寄りたくなる場所がある
それは夏にウィンドウチャイムを買った
カバンストリートにある
太田垣さんのお店で
縮緬細工をする奥さんの
お人柄がとても素敵なのだ

カフェが併設されているとは言え
目的はコーヒーよりも
並んでいるバッグやアクセサリーよりも
奥さんとのおしゃべりにあり
お邪魔してはとの遠慮から
なかなか行けずにいたのだが
昨日の帰りに立ち寄った

ちょうど奥で
細かな手仕事をしている最中だったのに
新旧縮緬の生地の違いに始まり
着物の着付けや
洋服のドレスコードに至るまで
そのお話しは全て実体験に基づいているから
説得力に溢れ
刺激になることこの上ない

今日になっても
それらのお話しが種のように落ちて
なんだか豊かな気分なのだ
そうしてようやく
神様っているのね
のかの人に返事を書いて
リメイク服画像のプリントを同封した

あの売り場にいて
そこに添うように小さく固まっていたのが
次第にほぐれ
もっといろんな世界を
臨んでもいいのだということに
少しずつ慣れてきているのかもしれない

それは
こちらに来ることを
考え始めた頃になんだか似ていて
初めて歩き出す時の感覚がして
ちょっといい感じなのだ
でもようやく
わたしはなりたかった自分で
新しく
いろんな人に出会うことができる気がする



2006年11月13日(月) オールドキリム

バスで城崎へ行き
温泉に入った
お年寄りと一緒に乗り込んで
とろとろと走る車窓から
かなり濃くなった紅葉を眺め
ガラガラの温泉で
思う存分ゆっくりした後
しょっぱいお湯をごくごく

街を散策したのち
手作り家具アウゲのギャラリーへ
古い陶器を使った
アクセサリーが見たかったのだが
それはもう扱ってなく
代わりにトルコの手織物である
キリムが沢山あった

ネットで何度か見てはいたものの
本物に触れるのは初めて
小さな玄関マットサイズですら
数万円はするオールドキリムだが
もともとは遊牧民の生活の中で
生かされるために織られたもので
使われる素材も
共に暮らす家畜たちの毛なのだった

着物もそのひとつだと思うのだが
民族色が強く現れた手仕事には
種類や場所を問わず強く惹かれてしまう
ついつい本気で選びそうになったものの
これひとつという決めてに欠け
帰ってから改めて
詳しく調べようと思った

けれど
知れば知るほど
キリムの世界は奥が深く
折り柄にもそれぞれ意味があり
作られた用途も生活に根ざして多様
さらに商材としては
取り入れやすい現代のアレンジによる
アイテム数も豊富
素材の魅力で
ついつい選んでしまいそうになる

結局何を購入するかより
その展開の方向に考えが及び
刺激を受けるに留まったのだった



2006年11月08日(水) 3世代の真ん中

実家から
送ったにごりが届いたと電話があった
健康のために
今では焼酎党になった父は
以前は熱燗で晩酌をしていた
それはまだ
二級酒というものがあった頃のこと

お酒で仕事を乗り越えていたような日々
そのストレスがなくなって
ついこの間までは
ひとりで故郷の浅草まで
電気ブランなぞを飲みに出かけていたはずなのに
最近は急に足腰が弱くなって
それも叶わないという

父の誕生日は過ぎ
母の誕生日も近づいている
ふたりへのリメイクはなかなか進まないまま
わたしの時間と
歳をとったふたりの時間が違うことを思っては
胸がちりちりする

常に本人以上に
先の心配をする親のこころと
何の保証もないくせに
確信に満ちているような子どものこころが
わたしの中に同居している
そうして自分の子ども達を見るとき
そのふたつが重なって行く

だからこそ
子ども達には
好きなように生きることだけを願い
親には
小さな安心をあげられたらと思うのだが



2006年11月07日(火) 180度の転換

売り場の先の行方については
いろんな人の思惑が絡み
その立場によって
そもそもの売り場の成り立ちの捉え方から
今考えられる可能性の判断までが
まるで違うことに驚かされる

ただ事実としてあったことですら
その利害関係によって
なんだか別の話しになってしまっていて
それぞれを突きあわせるほどに
いったい同じ世界を生きていたんだろうかと
不思議に思うばかりなのだ

けれどそれは
今の売り場の状態に辿り着くまで
どこかに属して力を発揮する変遷のなかで
常に浮き彫りにされてきたことであって
この立場にしがみつこうとすれば
相変わらず無縁ではいられないことがら

ようやくお尻が見えてきたその時期に重なって
わたしの蟹座火星時代が終わり
水瓶座木星時代が始まる
望もうが望むまいが
人生のシナリオは
どこかにどっぷりはまる生活ではなく
自由の地平線を目指すことになる

どっちにしろ
180度の落差を移行するためには
相応の覚悟が必要なのだろう



2006年11月05日(日) 古着物の商い

人並みに
日曜日に休めるって
やっぱりいいなーという訳で
古着物を見に出かけた
予算もこれまでとは違い
もう思い切り買う覚悟をしていた

なのに
長年のビンボー生活の悲しさで
ちょっと気に入っても
値段を見ては考え
しばらく持って歩いては
やっぱりヤメを繰り返し
結局500円のを三着に留まった

全体の着物の数は相当なもので
どこもかしこもぐっちゃぐちゃに
広げられた着物がそのまま山積み状態
どういう時代を経てきたものか
持ち主の顔ももちろん判らないまま
沢山のひとの選択に晒されていた

そういう場所で
これまでも何度か着物を選び
ただ安い買い物ができたことなどで
満足していたくせに
なんだか今日は少し違った
それは予定調和に落ち着いた
戦利品ばかりだったせいと思ったのだが

ひょっとしたら
売り物として並ぶ前の
もう少し手前に添いたいからなのかもしれない
最初にその着物を選んだ人の
なるべく近い所に携わることが
わたしの心の満足にも繋がるのでは
ふとそんな風に気付いた

今の売り場で
何が枯れるって
要するにそういうことだったりする
もちろん
完成度という点で
心からオススメしたい商品はあるけれど
素材の段階から
豊かな物語を感じさせてくれるものはない

書類をもらってから
ずっとそのままになっていた古物商認可
買取りも視野に入れて
どこかのお宅に眠っている着物を
少しずつ拝見して行くのもいいかもしれない
ぐるりと廻って戻って
頭で考えていた商いに
心の動機が追いついたような気が
ちょっぴりした牡牛座満月の夜



2006年11月04日(土) 次への誘い

先週だったか
現状の売り場が
3月中旬まで続きそう
との話しがあってから
うすうす覚悟はしていたものの
どうもテンション下がりっぱなし

たぶん
次へ移行する前に
この仕事の究極を体験することになっていて
それでこそ
何の未練も持たずに済むのだろうと
無理やり自分を納得させようとするのだけれど
こんな生活があと5ヶ月と思うと
その長さにちょっとメマイがした

そんな中
来春のこうのとり感謝祭へお誘いが来た
今年出店したときは
次の開催は出石になると聞いていたのが
どういう訳か
コウノピア脇の芝生広場に変更とのことで
最初は消極的だったのに
突然気持ちに火が点いた

売り場が終わるというタイミングに
微妙にクロスしそうな日程で
本当に自分がやって行きたいことを
いつもの売り場のすぐ隣でお披露目する
それはあまりにもはっきりしたエポックで
こんな偶然を逃してはいけない気がした

今の毎日を考えたら
到底無理なのは解っているけれど
だからこそ
ただ日々に埋もれてしまわないように
与えられたチャンスと受け止めたい
なんだか
久しぶりのトキメキを感じている


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