ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2006年05月29日(月) 収納を買う

まだ届いていないのだが
先日またぞろオークションで
古い糸ケースを落札した
よく手芸屋さんにあるような
色違いの沢山の糸がひと目で分かる
全面にガラスのついた専用の棚だ

実はその前に
すごく欲しいと思っていた
もうひとつ小振りのがあって
しかも糸つきだったので心惹かれた
それはあっという間に金額が上がり
結局入札しないまま見送ったけれど
いつも糸の収納が気になっていたから
やっぱり買うべきと思った

今度のは絹糸が100個以上ついていて
もうそれを見るだけで
縫いゴコロがうずうずする
持っている糸はもちろん全部入るし
今まで生地が変わるたびに
いちいち手芸屋さんに走っていたのが
絹ものに関してはかなり楽できそうだった

金額が上がる途中迷いながら
これまでにない高額の落札となった
熱くなったワケではなく
それがあることでの利便性は
お金では買えない時間を
手に入れるようなものに思えたのだ

そのことから始まって
他の収納まで気になりだした
解いた布や着物をもっと
見やすく整理できる棚が欲しい
物干しスペースに
畳んだらすぐに仕舞える箪笥が欲しい
いくら洗濯しても一向に減らない汚れ物を
どうにか綺麗に片付けたい

折角使えそうな家具も
展示用に廻したり人にあげてしまったりで
結局家のことは後回しになっていた
けれどこれから
少しずつ快適に整えて行こう
そんなことすら
ようやく可能になる気がする

お米代すらきつかった頃があった
一年先だってどうなっているか解らない
けれどだからこそ
今の幸運を享受したいのだ



2006年05月26日(金) リス邸

予約を入れてからと言うもの
毎日リスはまだかまだかと
念仏のような声
ところが
リス様の邸宅についても
まだ準備できていないのだった

なんとか安く上げたいと探したら
ヤフオクにて中古ながら
ヒーターまでついた一式を発見
満を持してナビつきの入札と相成った
下のコの懐具合と相談しながら
祈るように画面を見つめ
ほとんど落ちたと思ったのに
最後にかっさらわれた

今回は自分の獲物ではなかったものの
少ない落札履歴で
狙ったモノを逃した試しはなく
本人はもちろんだろうが
こちらも初めての敗北感を味わった
がしかし
いつまでがっかりしてはいられない
この間にもリスは輸送中の箱の中で
懸命に走っているかもしれないのだ

気を取り直して
ネットショップをあちこち探すうち
何も予算ぎりぎり払って中古を買わなくても
お手頃な新品があることが判明
狙っていたケージよりは小振りだが
ペットショップで手頃な値段と思って見た
小鳥用のよりはるかに大きくて
しかも送料無料ときている

早速それを注文し
日曜日には届くことになった
次いで中身のリスは
月末前後に到着と確認を取って
ようやくひと段落を迎えたのだが
もっと楽しみに待てるように
飼い方の本を一冊買ってはと提案した

目的の本を探しながら
ムスコはペットの名付けの本を手に取り
既に自分が考えた名前の画数を数え
7画は元気なコになるとの文を見つけ
ほっとしたようだった
まるで産まれて来る子供を待つ親のように
家族として迎える前に
出来る限りの準備が必要なのだ



2006年05月23日(火) リス騒動

飼っているカメ3匹の
環境を整えるべく
下のコの砂利採りに付き合ってから
オレの夢は全ての生き物を飼うこと
という彼の次なる野望が動き出した

一緒に買い物に出かけて
ついついペットショップを覗いたのが
沈静化していたこころに火をつけて
やっぱり犬飼いてーから始まり
以前から時おり言っていたインコを眺め
リスも可愛いなーとなった

だいたいカメだって
毎朝餌やりを人に頼むのに
そんなで他に何が飼えるんだと言ったものの
もう頭の中はリスでイッパイ
昨日は学校から帰るまでに
オレの貯金を下ろしておいてくれとのたまう

図書館から借りた3冊の図鑑を広げ
一応の知識を入れていざ買いに走ったら
お店にいるのは成長しすぎていて
手乗りに育てる小さなシマリスは
予約を入れなければならず
もうすっかり手に入れた気分になっていたのが
肩透かしをくらったのだった

オスを指定して予約を頼んだものの
その帰りの機嫌の悪さったらない
リス代は何とかなるとしても
ケージやその他の分は
到底貯金じゃ追いつかず
人から借金を充てこんでいるくせに
まるでこっちが何か
悪いことでもしたみたいな態度だ

まあそれからというもの
ことあるごとに
リスまだかなと嘆き
うるさい事この上ない
こちらは少しでも安いケージをと
ネットで探し回る始末
はー
早く落ち着きたいぞ



2006年05月21日(日) ハギレ大人買い

この間の喪服に続き
今度は大量のハギレをヤフオクにて
いったいどれ位あるか解らない程
山と積まれた中には
木綿の絣あり
丹前用の反物あり
絹と思われる色柄ものあり

ちょっとこのところ疲れすぎて
落札する気力が湧かず
ウォッチするだけで続々見送っていた
これも見つけたときから
どうしてもと思っていた訳ではない
先日仕入れたのだけでアップアップしてたのに
ひょっとしたらもっと大量に
ハギレが必要になるかもしれず
ちょっと迷ったけれど入札してみた

激しく競うつもりはなかったので
延長にならないぎりぎりに入れたら
僅差で最高額をつけそのまま15入札で終了
落としてから
いったいハギレの相場はいかにと
あれこれ見てみれば
これはとんでもなくお買い得だった模様

届いてから荷解きして
ひとつひとつ点検するのが楽しみだ〜
もし行く先がチャラになったらどうしよう
っていうか
むしろ
縫いに使いたいのばっかだったら
また探しちゃうんだろうか

それができるようになったってことが
全く夢みたいだ



2006年05月16日(火) 着物の買出し

今日は展示会用の
着られる着物を仕入れに行った
どれも一着300円という中で
まず最初に手にした帯が
くすんだ山吹色の半幅だった
この柄はもしや博多ではと思ったら
しっかり証紙がついていた

一発目で
あまりの掘り出しものに驚いたが
着物は単が多く
ちょっと選ぶのに苦労
柄がよくても難ありだったり
どこまでが許容範囲かが難しい
最終的には解きで使いたいかどうかが
線引きとなった

その一方で
はなっから解き用もつい選んでしまった
深緑の別珍の道行
白が茶けた紬
抑えた色が可愛いモスリンの襦袢
鳳凰柄グレーの正絹半幅帯
モノによってはかなり傷んでいて
使える部分がどれ位か怪しいけれど
素材だけは間違いないものばかりだ

うーんちょっと買いすぎか
金額ではなく
新たに加わった素材が
既にある着物や解きものの中に
きちんと混ざりあって
必要な時に選べるようになるには
もう少し時間が掛かりそう

アウトプットがうまく行かないとき
インプットが多すぎると
固まりかけたものが散って
薄まってしまうような気がする
リセットして
もういちど縫いに戻るべし



2006年05月15日(月) 染めのぐるぐる

時間を掛けて出来上がった
白い紬のブラウス
ほんの少し左右の見頃の色が違ったので
月桂樹で染めたら
驚くようなレモンイエローになった
そこによもぎで重ね染めたら
もう少し深みのある黄色になった

こんなことなら
染めずに脱色して済ませるんだった
と思うのも後の祭りで
欲しかった緑に近づけるため
結局化学染料に頼る始末
けれどそれが
さらなる深みへの誘いになった

見慣れている古い着物たちの
どこかくすんだ色とは違い
わざとらしい発色
いやそれは
単に染料のせいではなく
最初の月桂樹のときからだった
要するに時代を経ていない若い色が
見慣れていない眼を戸惑わせる

少しでも退色させたいので
色柄用の漂白剤を二度使い
柔軟剤に浸して干してアイロンと
縫い終わってから一体どれぐらい
洗っているんだろうと思うが
蚕の仕事は素晴らしく
絹の生地は一向に弱ることを知らない

それでもまだ納得が行かないが
これはこれでよしとしなければ
いつ終わりが来るとも知れず
縫いのテンションは下がり
次いで取り掛かったスカートも
出来上がったはいいが
ちょい不具合があり
それをどう解消していいか解らないまま

先に進まないまま
ヤフオク覗きに逃避
また欲しいものがあってウォッチしているのだが
先に終了したのを落とせなかったIDが
わたしの本命品に早くから入札してきて
もうひとり入札者が現れたとたんに競い
終了した価格に10円プラスで最高額をつけた

まだ残り2日もあるのに
こんなに飛ばしてどうするんだ
よっぽど競い負けたのが悔しかったのか
商品価値はこちらの方が遥かに上なのを
知ってか知らずか
新品なら10万は下らないものだけど
今回は縁がないかもしれないな

なんだかこの流れ
またまた妥協を知れってことなのかも



2006年05月11日(木) 着物を売る達人

売り場からの帰りに
こうのとり感謝祭で知り合った
呉服屋さんに寄った
先の台風で浸かった反物が
残っているというので見せてもらった

どれもきちんと専門業者に頼んで
綺麗に洗い済み
既にいくつかは
事情を話して安く売ったそうだが
どれも元は上代で20万円前後
画家の手描きの反物あり
縮緬なのに紬風のものや
まずこれまでお眼にかかったことのない
上等の品々ばかり

知り合ったのは娘さんだったが
この道何十年のお父さんも同席してくれて
着物にまつわるお話しをあれこれ
まずここのところ自分で調べて
ちょっと知識を仕入れた結城紬について
糸を紡ぐのにも適齢があり
織りあがった反物は
感情の乱れすらも検品時に見抜かれ
撥ねられてしまうということだった

その人に似合う着物を選ぶには
初めて会った一瞬のうちに
性格や癖まで見抜けなくてはならないと聞き
思わず居ずまいを正したくなった
お客さまが好みで選んだものと
似合うものとは違うことも多く
売りたいがために推し負けては
結局双方後悔することになるという

振り袖を選びに来た母娘に
お嬢さんに似合う着物は選べないと
断わったエピソードも披露してくださった
親への反発が姿に表れていて
とても着物を着るという心ではなかった所から
まるでカウンセラーのように会話を重ね
ようやく選べるようになったのだそう

着物は着る人の
内面の美を引き出すもの
との言葉
だからこそ
その人の飾らない素が見えなければ
ひとつの反物を奨めることすらできないのだろう
あまりにも極められた
人に対する商いの本質

まるで貴重な授業を受けたみたいに
いつまでも興奮が冷めないままだった



2006年05月09日(火) 麻の喪服

ヤフオクで落とした
黒い麻の5つ紋入り単が届いた
材料用としてはちょっと張り込んだ買い物で
数日悩んだ末
白麻はよく見るし人気もあるし
汚れていても漂白可能だが
黒は自分では染められないと判断
最初から少し高めの設定だったせいで
競わずに落とすことができた

それは喪服とあったのだけれど
正式の礼服に麻はおっけーなのか気になり
あちこち調べまくった
地方の斎場で
麻の喪服がセットになっているのを見た他は
夏の喪服は絽か紗との説明がほとんど

もともと喪服を着る習慣は
白の麻を着るところから始まったらしく
今でも韓国では
生成りに近い麻を着るらしい
特に現在の礼装として扱われている黒の一式は
呉服屋さんの仕掛けによるものと解った
シワになる麻が非礼との情報もあったものの
それがどういう所以なのかは定かでない

なるほど
例えばここらに来て初めて知った
節分にその年の恵方を向いて
巻き寿司を丸かぶりという習慣が
どうにも不自然だったけれど
もともとはなんの云われもなく
海苔屋さんの仕掛けだったというから
商魂は文化をも変えてしまうのかもしれない

着物は実に質のいい麻で
薄すぎず適度にハリもあり
それでいて光にかざした時の透け感と
墨のようなしっとりした色合いが絶妙だった
そのまま羽織ってみると
思わず背筋が伸びるような
とくべつな清潔感があった

喪服としてポピュラーでないなら
解いても後悔せずに済むだろう
むしろこんな素敵な麻を
普段に着られるようにしたい
形へのイメージはないけれど
憧れにも似た感情だけは
たっぷり湧いてくる



2006年05月02日(火) 表裏一体

取り掛かっているトップスに
ようやく灯りが見え
よおしと勢い込んでいたら
糸がなくなった
丁度今日は手芸屋さん二割引の日
ついでにあれもこれもと買い込み
さあてと思ったら事故に遭遇

歩道を自転車で走っていて
横道から出てきた車に追突された
倒れたまましばらく脚が動かせず
痛いことは痛いのに
ややこしいことになると
縫う時間が減るなーと
転がった糸を拾いながら考えていた

結局病院に行き
車椅子で診察を受け
レントゲンを撮り
骨には異常なし
それから警察に行き
現場検証のあと事情聴取
帰ったらもう夕方だった

明日から3日間は売り場なので
今の流れを中断しないうちに
もう少し縫っておきたかった
到底休めないと思っていたけれど
この事故のお陰で
とりあえず明日は養生できることになった

あれ
ひょっとして
縫う時間が欲しくて
招いてしまったのだろうか



2006年05月01日(月) 野のおかず

もう一回蕨を採りたいと思いながら
昨日は売り場から真っ直ぐ帰宅
まだ風邪っぴきだけど
心残りから今日はムズムズ
郵便局へ行く用事があったので
近所で夕飯の材料を調達することにした

目的は三つ葉だったのだけれど
これが驚きの増え方をしていた
去年は斜面だけだったのが
側溝を跨いだこちら側一面に
小さな可愛い葉っぱを揺らしている

先日こごみを採りに行った時も
以前にはなかったはずの離れた場所に
若い柔らかい葉が沢山生えていた
いずれもきっと
一昨年の台風で
土砂が流されたせいと思われる

年末にバカ高くなる
水耕栽培の三つ葉と違い
自生のは茎がしっかりとつやつや緑色で
葉っぱも何倍も大きくなる
手折るととたんに香りが漂って
それが何とも健やかなのだ

たっぷりお浸しにできる位採っても
まだ沢山残っているし
これからどんどん小さな葉が育つ
太い茎はさっと茹でるだけで
すぐに柔らかくなる
今日はボン酢醤油にすり胡麻で戴いた

子ども達は食べないから
これはオトナの楽しみ
今度行ったら
近くでびゅんびゅん伸びていた蕗も採ろう
なんだか緑を見るとついつい
食べられるモノかどうかが
気になってしまうのだった


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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