ゆりゆり日記
こうのとりの郷豊岡より
そこで出会うすべてのひとと
日々の想いの種が
なににつながりどこへ行くのか
未来へ続く今の日記

2005年07月27日(水) 海を渡る新婦

売り場に3人の外国人がやってきて
ちょうど遊びに来ていたHさんが
英語のパンフレットがあるはずと立ち上がり
美人の若い女性はロシア人と解り
片言の日本語どうしで
どうやら郷公園で働く
Oさんのフィアンセだと納得

個人的にはOさんと面識はなく
勝手に名前を知っている程度
漏れ聞いたところによると
まさしくこうのとりの縁で
ロシアに行って知り合ったそうだが
Hさんとふたり
いったいどういう経緯があって
こうなったんだろうねと
まるで女性週刊誌なみの下世話なギモン

彼女は英語ができると言っていたので
やっぱり会話は英語かなとわたし
でもさ
会話はいらないんじゃないとHさん
話すことが必要なのは
うまく行かなくなった時のカップルで
いい時は必要ないのよ

うーん
ひと目合ったその瞬間からってやつなのか
それにしたって
お互いがナニモノなのか
コミュニケーションが成立しなかったら
海を渡って嫁に来るという
驚きの選択に至らないではないか

よく解らないH理論を
頭のなかでころがすうち
ばたばたと周辺は慌しくなり
特注ケーキなんかが
運び込まれてきた
Iさんの奥さんも
白いクリームがかかった
手作りのシフォンケーキを持ってきた

こういうお祝いごとの気配を
身近に感じたのは久しぶり
こうのとりの放鳥は9月に迫っているし
郷公園全体が
いい雰囲気に包まれているみたいだった



2005年07月25日(月) 蚕の家

このところ
引越し先を探す夢をよく見る
最初はアパートの広いワンルーム
次は古い高層マンションの一室
もちろん現実には
どちらも行ったことのない場所

夢のなかでは
部屋を見ながら
実際に引越すことを
頭の中でシュミレーションしていて
それぞれに自分のイメージとは違うけれど
ここもいいじゃない
なんて思っている


夕べは古い木造家屋だった
たまたま何かで訪れたその家の若夫婦が
もう別の家に越すので
もしよかったらと言う話になった
言われるまでは全く考えていなかったので
自分が住むという視点で
改めてその家を見てみた

亡くなった先代は
そこで長く養蚕をしていた
広い土間があり
蚕を飼っていた屋根裏があり
奥には古い箪笥のなかに
古い着物がそのまま残されていた

若い夫婦が暮らすために
後からつけた
新式のトイレや他の水周りと
旧式のものが場所を違えて混在し
壊れた壁は
住みながらなお手が掛かりそうな予感がした

けれどその家の大きな犬が
来客にはしゃいで
広い庭を駆け回るのを見て
キクがいる間に
この場所に出会っていたらと思われて
もういちど犬を飼えそうな気持ちになった

たくさんの蚕が育った家で
蚕が産んだ絹の布を縫う
夢だからこその新天地には
現実に考えだせそうもない
ちょっと素敵な物語があった



2005年07月24日(日) 勇気のたね

もうすぐ行くってのに
東京の地震のニュース
どういう訳か下のコが
かつてない程の大熱を出すし
直撃コースの台風は近づいている

Hさんがいないので
昨日の売り場はKさんに頼み
今日はわたし
どうしてこういう時に限って
と思うけど
子どもの熱ってそういう時に出る

けれど
夕べは39度超えだったのが
朝になって37度台に下がっていた
熱があっても夕飯は食べたし
オレってすげえよな
と調子に乗りかけているのを諌め
ポカリスエットとゼリーを準備した

こうやって
置き去り攻撃を
どれだけしてきたんだろう
夏休みに入った
家族連ればかりを見ては
ちくちくと心が痛む
急いで締めて家に飛んで帰ると
ヤツは寝転がって本を見ていた

これおもしれえと言うので
何かと思ったら
金もーけプロジェクト
これってほんとにあった話なんでしょ
そうそう
自分達で好きなものを作って
それでお金を稼ぐんだよ
すげーよな20万だって

誰に使われるでもなく
自分だけにできることをお金にする
それがどんなに素敵なことか
友人にもらったこの本を
わたしは繰り返し見ては
勇気をもらっていた

既に和食の料理人になる
と宣言しているムスコも
熱の夢のなかに
勇気の種が落ちていくのだろうか
自分の未来は
自分で作っていくものなんだと



2005年07月22日(金) 携帯水没

出掛けに自転車を倒し
その反動で
傍にあった容器を倒し
前カゴのかばんが水浸し
昨日下のコが郷公園で捕った
カニやえびや水草も飛び散った

郷公園の獣医さんと
携帯水没の話をしたばかりだった
わたしのは
どしゃ降りに濡れてダメになったけど
すぐに乾かした彼女のは
一週間経って
データだけは救出できたと聞いた

その話が咄嗟に頭をよぎり
ともかく一刻も早く
電池を取り出してドライヤーだと
開かない裏蓋を
コンパスの先で壊しながら見ると
既に水滴がついていた

ムスコはムスコで
生き物の救出に大騒ぎ
けれどわたしは手伝う余裕もない
いつもより15分早く出ようと思ったのに
何度もドライヤーを止めては確認するも
復活する兆もなく半ば諦め
遅れるので続きは売り場ですることにした

前回も強く思ったように
携帯なしの生活もいいじゃんと言い聞かせ
端っこの床に
電池と本体を並べてドライヤーをセット
Mさんに
暖めたらあかんぞと言われ
ちゃんとクールにしてますと
自信たっぷりの返事が虚しい

しばらくして
電源を入れると画面がついて
思わずMさんにVサイン
でもボタンの音がしないと言うと
ちゃんと乾くまでいろわん方がええ
のアドバイスに再びドライヤーを掛けた

それでも変わらず
天然マナーモードのままで夜になり
ようやく音がしだしてひと安心
下のコの生き物も
全部無事だったようで
罪滅ぼしにアイスを買ったのだった



2005年07月16日(土) 新作届く

涼しい土間で
スカートを手にしていると
新作を持って
Nさんがやってきた
ここで製作してるのよんと言うと
いやー最高やん
と言われてちょっといい気分

既に花柄中心の
パッチワークバッグを預かっていて
今日は絣などの渋めを合わせた
ショルダーバッグが2点
裏地は茶色のギンガムチェックで
肩紐は調節できるようになっている

普通なら
絶対に野暮ったくなる和布ばかりなのに
またまた見事に仕上がっていて
金具も違和感なくマッチ
肩紐の補強に使ってある
化繊の綾織りテープも
全く安っぽく見えない

このセンスは本当にすごい
パッと見ただけでも素敵だけれど
細部の合わせ方が並じゃない
紐を長くして斜め掛けにしたら
若い人はもちろん
年輩の人でも可愛く持てそう

アップはいつになるか
月末に帰郷することになったので
タイミングが難しい
できれば服も一緒にと思うけど
どうしようかな



2005年07月15日(金) 根無し草

昨日郷公園に郵便ポストが新設された
それに伴い
切手の一枚売りをすることになった
ポストがないころ
その提案を真っ先に蹴っていたことを
ちょっと揶揄されたりした

必然性がないのに
ただでさえ煩雑な売り場の業務に
通常の売上げ管理とは
別の商品が入ることに反対したのは
誰が売り場に入っても
把握しやすい形態を目指していたせいだった

提案した側にとっては
売上げを少しでも上げる方向を
わたし達の為に
考えてくれていたのだろうけれど
誰も他に代わりようのない売り場を
どうにかしなければとずっと思ってきた

けれどここにきて
そういう努力への気持ちが切れた
わたしが辞めた後の
仕事の解り易さなんて
考えても仕方がないのかもしれない
ともかく自分がいる間だけ
できることを精一杯やればいい

先日とある場所で
売り場とも遠からず縁のある人から
今のままでも売上げを3倍に出来る
と聞かされた
なるほど
そう思う人がいるなら
頑張ってわたしがここにいる必要もない
と少し楽になった

ともかく
契約終了の3月まであと8ヶ月
どしゃ降りの雨のなか
傘を握りながら数えていた
すぐ近くに落ちる雷の音に
今打たれて死んだら洒落にならないと
ばかみたいに真剣に思って
必死で自転車を走らせた

これからお店を開こうが何をしようが
いつか場所に依存しない生き方をしたい
根無し草のように
ふと思いついて明日は違う場所にいて
それでも同じように呼吸している
そういう生き方を目指して
誰かのためにではなく
わたしのために努力をしよう



2005年07月14日(木) 怒りのスイッチ

先週から
コウノピアの売り場では
自分でも驚くほどよく働いている
お客さんが少ないのをいいことに
今日も大きくディスプレイを動かして
細々とPOP書き
そうして新しい場所を得た商品は
再び生き生きと輝きだす

そのきっかけは売り場での些細なことで
友人には
いつもの黄金律と言われてしまうような
怒り噴出から始まった
けれど自分では
前向きな転換が起きてから
初めてそれに気付くので
この法則をうまく呼び込むのは難しい

誰かわたしに怒りを

商品にひかりを
とか
製作にヒラメキを
なんてコトバと同じ意味を持つなんて
まったくややこしいと自分でも思う

けれど売り場での怒り効果は
家に帰るとすーっと消える
どうも思うように行かないワンピースは
スカートとシャツにかたちを変え
客観的に服として見るととても素敵なのに
自分ではやっぱり着こなす自信がなくて
結局そのまましばらく
寝かせることとなった

うーんモヤモヤ
これを払拭するには
きちんと商品を作るのだという
緊張感のある製作がいちばん
それで
展示会が終わってすぐに作りかけた
夏着物のスカートを改めて手にした

4幅分を繋いだあとにさらに4幅分を加え
銀と青の縦縞に仮縫いで
等分にタックを寄せて長さを測り一度ほどき
青の部分だけ畳んだときと
銀の部分だけ畳んだときと
それぞれまた同じ作業をやってみる

かたちにするのを急ぐ自分を
繰り返し抑えながら
これ以上試すことがなくなるまで
この布にしかないなにかを探す
ああ
やっとこの感じ
怒りのスイッチがなくたって
いつもここに戻って来れなきゃいけない



2005年07月11日(月) ブログへの言葉

先日ネットショップの方で
お買い上げいただいたお客さまから
皆さんが見られるところで感想を
という嬉しいお申し出があり
そこで初めて
せっかくブログがあるのだから
そういうことに使ってもいいのだと気付いた

いずれ新作がアップされれば
今の商品ページは消えてしまうけれど
ブログなら画像はもちろん
お買い上げいただいたその時の気持ちを
リアルに残せるし
お客さんや作者たちとも共有できる

いただいたコメントには
コーディネイトのアイデアや
古いボタンのエピソードもあって
作り手の思い以上に
ひとつのモノの可能性を広げてくれるのは
こうした素敵なお客さまの
存在があってこそなのだと思う

商品数は少ないけど
あせらずゆっくりかたちにして
わをんらしく
大切に歩んで行けたらいいな



2005年07月09日(土) 幸せの源

七夕の下のコの誕生日は過ぎ
今年のケーキはどうすると聞くも
本人は今日発売の
エピソード3のゲームソフトに
こころを奪われているようだった

先行上映を先週観たあと
パンフに載っている広告を見て
なんだか突然盛り上がってしまい
今日はお店の開店時間に合わせて
予約のソフト購入に付き合った

その帰り
もうホールでなくていいと言うので
近くのケーキ屋で
好きなのをいくつか選んで買った
ロウソクも立てない誕生日のケーキなんて
初めてだけれど
吹き消しながらお祈りをするまでもなく
願いは叶っているのかもしれなかった

去年の誕生日のあと
急に来年はオレのオゴリで焼肉と言い出し
次第にとても無理と判断したらしく
こちらも期待はしていなかったが
夜になって
ファミレスならいいから行こうと言う

言い出したらすぐのひとなので
風邪ぎみの上のコには
オミヤゲを買う約束を取り付け
ふたりで自転車を走らせた
11歳の息子にご馳走してもらうのは
なんだか不思議な気分だったけれど
満足そうな本人を見ると
甘えてしまった方がよさそうだった

帰り道
友達に言うみたいに
ついわたしをおまえと呼び
間違えたと笑った
お腹は一杯になったし
家には好きなゲームがあるし
たぶん最高に幸せでリラックスしてるんだろう
単純だけど
シアワセの源はわたしも大して変わらない



2005年07月06日(水) シルエットの秘密

もう丸三日掛かっている
自分用のワンピース
ほとんど出来て
あとは袖と裾の始末だけを残し
試着してみると
なんか想像してたのとシルエットが違う

解りやすく言うと
早朝のゴミ出しに
頭にカーラーを巻いたまま
まだしっかりご就寝モードの
場末のスナックのママが着てるムームー
みたいなのだ
いやそゆ人が実際いるかは知らないけど

見頃は着物の生地4幅分を繋げたので
少し上半身を絞ろうと
肩から細かいタックを入れたのが
ちょうどそのムームー具合を醸し出していた
首元が詰まっているのは嫌なので
自分で線を引いてスクエアに開けたのも
今となってはどうだったのか

はー
そのままでは悔しいので
今度はウエストに紐を通し
前中央で絞ってみたんだけど
もうよく解らなくなってきた
これで後は短めの丈を補うために
裾から覗かせるペチコートを作るはずだった

こうなったら最後まで行ってみるか
悪くても部屋着にはなるだろう

もっと解りやすい例えは
太った後のボーイジョージか
って
そもそも服より
わたしの体型の問題って気もするが



2005年07月05日(火) バブーシュ

展示会の収入で
自分にご褒美の買い物をしていたのが
今日やっと届いた
モロッコからの航空便
見慣れない切手がたくさん貼られた箱
中味はずうっと欲しかったバブーシュ

ケイトブッシュの曲名みたいなそれは
革でできたスリッパ状の靴
最初から踵の部分が内側に折られていて
つっかけみたいに踏んづけて履くもの
つま先が尖ったタイプがポピュラーで
日本ではほとんど室内履きに使われているけれど
かの国では正装にも用いられるとか

かといって
普通はほとんどソールがないので
今回は外履き専用に作られた
丸いつま先とゴムのソールがついたのを注文
本体価格はびっくりの安値だが
そこにモロッコからの送料と
関税を加えると倍近くになる

関税は必ずしも掛かるわけではないらしいので
運がいいことを願いつつ
早速開けてみると
ぽってりした手作り感のある形と
厚い革の印象がとても可愛い
踵は踏まないで立てても履けそう
ちょっと余裕があるので
冬になったら厚い靴下をプラスしよう

インソールはバックスキンの感触が
裸足にとても気持ちいい
なんと言っても
踵を踏むというだらしな状態を
日常堂々と敢行できるのが素晴らしい
んー
問題は
ここが豊岡ってことだけだな



2005年07月04日(月) 廻る夏

壊れていたエアコン
一昨年の夏の途中に入れて
まるまる快適に過ごした昨夏のあと
台風による浸水で
室外機のファンが回らないままだった

取り付けのとき
まるでやっつけ仕事の工事で
それなのに業者からの請求書には
びっくりするような金額があった
知り合いの娘さんの会社だったので
きちんと見積もりを取らず
油断した自分が悪いのだが
その後の対応にも懲りていた

二度とその会社には関わらないつもりが
修理となって困った
けれどどっちにしろ
保障期間は過ぎているし
災害による故障には保障は利かない
なので先の取り付け工事のあと
その金額がまともなのかどうか
相談した電気屋さんにお願いした

電話で室外機の浸水の度合いを話したところ
うちでも修理できるだろうけれど
2万円近く掛かるかもしれないとのこと
出費が痛いので
ずっと連絡できないままだったのが
もうそれで済むならと覚悟を決め
とりあえず見てもらうことになった

約束の時間に
そろそろかなと思っていると
玄関から覚えのある声が掛かり
動かしてみなきゃといいつつ
まるでうちの全てを知っているみたいに
サッとリモコンの所へ行きスイッチを入れた
一緒に外へ出てみると
なんということでしょう
もう室外機のファンはぐんぐん回っている

ひゃあ
いったいどうやって直したのか
まるで魔法みたいな仕業に
ひたすらびっくりするばかり
台風で浸水被害にあった室外機を
たくさん見てきたけれど
こんなケースは数える程しかないそう
しかも修理費はいらないと言われ
せめて出張費だけでもと思うのに
頑なに拒まれてしまった

大手の家電店に押されて
街の電気屋さんの景気はいかばかりだろう
若い人にとっては地味な家業のはずなのに
いつも明るくフットワークも軽い彼を見ていると
次は絶対お金になる仕事をお願いしなきゃ
そう思わずにはいられない
あの工事がなかったら
訪れることもなかったこの幸運に感謝だ



2005年07月03日(日) 着物で洋服

ちょこちょこサイトに手を入れて
だいぶスッキリかたちになった
展示会のあと商品入れ替えのつもりが
マスクは季節に関係なく需要があるし
他のものも
続けて載せて欲しいという声があり
通信形式で更新するのは取りやめた

リメイクトップスは
作者にお願いしてモデル撮影をしてみたり
新たな試みをちょっぴり入れつつ
またのんびり
わをんのものを気に入ってくれる
何処かにいるはずの誰かとの出会いを待とう
なんて思っていたら
突然のご注文に大慌て

直接売るのも楽しかったけれど
サイトにはまた違った喜びがある
しかも今回は
検索サイトからではなくて
着物で洋服というキーワード検索で
たぶんこの日記経由でのご訪問

よかったなあ
引渡し前に再度洗濯をし
アイロン掛けしながら
なんともいえない豊かな気分に満たされた
さて
これが無事に納品できたら
一気に商品が減ってしまう
わたしも自分の服とか言ってないで
次をどうするか考えなきゃいけないな


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