しむちゃんのつれづれ日記
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2003年02月28日(金) 口は災いの元

ドタバタ劇のこの時期ですが、ようやく予算書の提出ができました。
とはいえ、担当役員への説明もせずに書類を出しているから説明責任を
問われるかもしれない。

提携先との話し合いに決着を見ていないから基本方針も定まらぬ中の
数値提出なので、ある意味エンピツ舐めたものとなっている。それでも
許されるだろうと思います。だれも数値に対して口を挟めないであろう
ことが、事業の不安定さを表しています。事業環境をマジメに理解して
いる人がいないってことね。

そういえば、今日どこぞのリサーチ会社から問い合わせの電話がありま
して、同僚が電話を取ったのですが、その内容たるや、

「おたくの事業はこの3月で提携解消するんですって?」

というもの。同僚も口がうまくて、

「え?そうなんですか?」

などとトボケた反応をすると、相手さんは困惑した様子だった。
どこで仕入れた話なのかは定かでなかったようですが、競合先なのか、
客先筋なのか、いずれにしても業界筋から仕入れたネタであるようです。
ここでマジメに受け答えをしてしまうと、あることないこと噂されかね
ませんし、まだ決定事項ではありませんので、同僚のすっとぼけはこの
時期としては正解問答。決まってもいないのにあたかもそうであるかの
ように話をして会社にとって不利益になるようなことになるのが一番
最悪のストーリー。推測が現実のものになってしまうから。

景気において心理的に不安になり倹約行為をしていると、それが全体に
行き渡って本当に不景気になってしまうということと同じかな。提携を
解消するとは決まっていないのに、噂が先行したがためにそうせざるを
えなくなるかもしれないからね。

ウチの会社が提携している装置は、シェアとしては競合他社にはそれ程
脅威とはならないかもしれないけど、放っておいても問題にならないかと
いえばそうでもないというやっかいな機種。成熟機種と新機種とがあり
ますが、成熟機種の方は既存のプロセスを取り扱う装置。長期的には
いずれ無くなっていくであろうプロセスを取り扱う装置なので成長性は
ないんですが、広く行き渡っているせいもあり、アフターサービスでの
収益はまあまあです。新機種の方のプロセスは、世界では3社ほどしか
取り扱っていない機種。1社は高価で高性能装置。もう1社は安価で
性能が限定的。ウチの提携先は中途半端に高価で幅広い性能を保有して
いるというもの。そこが売りでもありネックでもある。つくばのとある
R&D会社に採用されたもんだから、日本における影響は大きいと感じ
ているんじゃないでしょうか。競合他社は。

ま、細かいことは置いといて、もともと成熟機種は業界筋では認知度が
あった。そのネームバリューがどれほどのものかを知らないウチの経営者
は、将来の事業に与える影響がどれほどのものかを知ろうとしない。
成長性が現状では認められないし、短期的な収益の見こめる事業ではない
ということで社内のコンセンサスとして否定をされてしまったところが
現場を預かる我々としては不満なところ。ウチの会社が不得意としている
分野の技術習得と客先認知が当初のお題目だったのが、収益を期待される
事業に置き換えられたところからおかしくなったんでしょうかねぇ。

会社の業績が苦しい時にはなりふり構わずシンドイ事業を切り捨てるとい
う姿勢が問われているのかもしれません。会社としての戦略を問われて
いるのかもしれません。というか、無い。(苦笑)

戦略の無い事業は単にお荷物でしかないですからね。

経営に口出しできる技監の方なんは、技術的には正直言ってついていけない
けど、ウチの会社にとっては長期的にはメリットのある新規事業だという
認識を持ってくれておりますから前向きに捉えてくれています。役員連中
(社長や副社長含む)は頭であれこれ考えるだけのいわゆるエリート集団
ですから現場の声(当然ながら客先も含まれます)を軽く見ています。
こういう人たちをうまく説得できなかったわれわれの責任なんでしょう
けどね。結局のところ。

こんな時期なんで、軽々しく決まっていないことを口にすることだけは
謹んで対処しなければ。対外的にも社内的にも。(敵は社内にもゴロゴロ
おりますから、足元をすくわれないようにしないとね。)

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)



2003年02月27日(木) ハウステンボスも先送りのいい例かも

長崎県佐世保市にあるハウステンボスが企業再生法を申請しました。
これは事実上の経営破綻、つまり倒産です。倒産との違いは、この再生法が
適用され、スポンサーが見つかると、文字通り再生の道が開かれることに
なります。以前とは経営や事業スタイルに変化が出てくるものの、ハウス
テンボスという名前や形は残ることになります。

このハウステンボスへは2回ほど行ったことがありますが、1回はヨソの
職場の旅行にくっついて行った時。もう一度は実家の母親を連れて行った時。
実家は久留米ですから高速を使っていけば2時間もかけずに到着しますので、
首都圏でのディズニ-ランドに行くのと時間感覚としては同じです。でも、
このハウステンボスが破綻した理由は、リピーターの確保ができなかった
こと。地方のテーマパークの宿命ともいえます。

近隣の地方だけでは量的に少なすぎる。だから遠距離からの集客をしてきたの
でしょうが、「また行きたい」気持ちにさせてくれなかったようです。事実、
自分もまた行きたいと思ったかというと、そうではない。高いお金を払って
行くからにはそれなりに楽しみたいのですが、ここは遊園地と言うより観光地。
観光地には高いお金を払わなくても他にもいっぱい観光地はある。地形や建物
でヨーロッパの雰囲気を味わうところにすぎないと思えます。要するにバブル
の発想なんです。お金がかかり過ぎているんです。

歴史もないので新しさが妙に目に付いてしまって、逆に違和感すら感じるほど。
こうなると観光地というスポットではなくなるんですね。

ネガティブなことばかり書きましたが、地元にとってはテーマパークという
のは波及効果として観光収入が生じます(ついでに買い物をしたり寄り道を
したりしますよね)から、集客力が大きいほど期待をします。そのあたりは
大型店舗のスーパーとは見方が違うところ。地元に訪れるのは閑古鳥だけだし。

そういう意味では地元と利益を共有する立場にあるテーマパークですから、
独自採算というよりも地元と分かち合うことも必要ではないのでしょうか。
地元は地元で利益の一部を投資という形で態度を表明してもいいのではないで
しょうか。それなしに利益だけを受け取ろうなんてムシのいいことを言っても
結果が悪ければ残るのは廃墟だけなわけだし、いいことありません。

このことは公共工事にも言える話で、地元のメリットだけを主張して政治家を
利用するのは地元の身勝手としか言いようがない。そこで使われるコストは
ヨソの税金や財投からの支援なんだから。そもそも採算計画を立案する時点で
マトモな案を作ってさえいれば悪者扱いもされないで済むことなんだけど。

そのあたりの失敗コストのことを社会コストと言いますが、みずほ銀行の
債権放棄もこれに相当します。必要コストです。これをしなければ破綻をして
しまいますので、残りの債権すらも無くしてしまうことが考えられます。
しかも他の金融機関や投資家からの債権もあるわけですから、それらの代表
として最低限のコスト捻出で済ませているわけだから、社会的には批判される
債権放棄も、他の債権者や当事者であるみずほ銀行にしても、債権のゼロ化を
防ぐという意味では体力の許す限りやるべき行動といわざるを得ません。

でもリスクのミニマム化という観点では結果管理でなく、最初の時点、つまり
投資とか貸出をする段階での借り手の評価をきちんとすることでしょう。
人もモノもカネもきちんと評価することが基本でしょうね。間違っていたら
正す。これをきちんとすること。これを先送りにしてきたのがバブル後の
日本経済。無くした10年というのはこういうことです。

バランシートの健全化は急にやると血を見る。だから常に正しい評価をして
悪いところはその都度正す。これをガラス張りにすることが小泉内閣の構造
改革だと思っています。そういう意味でも先送り体質が日本経済の低迷を引き
起こしている要因のひとつだと言ってもいいでしょうね。仕組みの改革です。

ハウステンボスもそれをやっていれば・・・。(他人事じゃないが。)

はい。今日は晴れ。(東京地方)



2003年02月26日(水) 書物は読めば読むほど知識(財産)になる

目からウロコというか、納得させられたというか。
というのも、景気回復のためには財政政策(国が借金してお金を投じること)
も構造改革(悪い仕組みやそのものを切り捨てたり改善したりすること)も
いわゆる需給バランスを改善するための処方箋ではないという意見を理論を
伴った形で理路整然と記述された著書を見ているから。

内容の詳細は後日に譲るとして、例えば財政で言えば、これは需給ギャップ
(潜在需要と実需の差)を埋めるだけで実需を持ち上げることではないし、
構造改革は長期的なマクロ政策であって、短期的には合成の誤謬(例えば
コストダウン、投資控えをおこなって企業努力(いいこと)をしても全体と
して収入を落とすことになり経済は収縮する(悪いこと))を引き起こすこと
になり、それが経済破綻を引き起こすことも考えられるというもの。

財政はやれば上がるが止めれば下がる、そして残るものは借金だけ。
構造改革は長期的にはやるべきだけれどもやれば死人が出るというもの。

まぁ、財政に関しては政府通貨発行という手段もあるので借金だけが残ると
いうことは一概には言えないんだけど、それでも需給ギャップのことを言われ
るとこれは否定できない。景気回復のきっかけと思いお金をいやというほど
ばら撒いても、それは根本的なところでの解決にはならない。

じゃあ、どうすればいいのかというのはこれから読むところです。
バランスシートの左側を正しく評価しろと言うのがひとつの結論だけどね。
保有株式にしても設備にしても不動産にしても在庫にしても。不良債権処理
というのはそういうことです。金融機関の不良債権処理とは結局のところ
貸出企業のバランスシートを正すということに他なりません。単に業績の
良くない企業を切り捨てるということだけではありません。このあたりの
認識の仕方なんだろうけどね。貸し手も借り手もね。

他にも色々とありますが、また今度ということで。

はい。今日は曇りときどき晴れ。(東京地方)



2003年02月25日(火) 真面目な人ほど陥りやすい罠(原口大使のスピーチ仮訳に対する批判に対して)

今日は小千谷の客先へ打ち合わせのために向かいました。
上越・中越地方は雪が積もってはいるものの、気温としてはそれほど寒く
なく、濡れかかった雪がどこかしら寂しそうにも見えました。降って溶け
ての繰り返しで何層にも積もった雪が重たそうにも見えました。
そろそろ春ですかね。

さて先日の国連安保理で原口大使が行ったイラク問題に対する演説の外務省
和訳にマスコミや国会議員が批判の矢を投じました。

民主党の原口一博議員は、「わざと和訳の表現を弱めたのではないか。」

指摘している部分は次の2箇所。
1."We are aware that in countries around the world, there is ......
There is serious doubt as to the effectiveness of continued
inspections."

"serious doubt"の和訳に「重大な」という訳が省かれており、
「疑問が生じていることは否めない」となっている。

2."The Council should strive to adopt such a resolution."
「安保理は決議の採択に努力すべきだ」→「すべきだと考える」

毎日新聞はもう1点。

3."Iraq now has very limited time."
「イラクに残された時間は非常に限られている」→「限られている」


おいおい、ちょっと待てよ。例え公式HPで掲載されているとはいえ、この
訳文は「仮訳」となっているではないか。正式翻訳とは違うよ。参考までに
載せているだけだよ。こまかいところを突いて自分はキチンと英文が読めると
主張するのもたいがいにしろよって感じです。

1および3については、形容詞・副詞の捉え方なんですが、形容詞や副詞で
強調しているとしても、それは絶対的なものに比べるとかえって弱い表現に
なります。主観が入りますからね。物差しは人によって違ってきます。
形容詞や副詞は物差しの考え方で程度に違いが出てきますから、必ずしも弱めて
いるとは言えない。無くしたほうが逆に強い表現にもなります。批判は批判で
いいのですが、そのあたりを承知した上でないと恥をかくことになります。

2については、その文章だけでは確かに断定していますが、文脈から言うと
前文である、".....we consider it desirable that the Security Council
adopt a new resolution that clearly demonstrates the determined attitude
of the international community."の頭の"consider"を受けていると捉える方
が自然でしょう。ま、これを弱めていると捉えるのも勝手ですけどね。

要するに文字で見るのと発言を聞いているのとでは受け取る印象から理解が
変わるんだなといういい例です。文字を見ると単語を一生懸命見ますから、
発言での雰囲気とは違った捉え方をしますからね。文字通りのね。

外務省は仮訳とはいえ、さすがに掲載和訳には神経を遣ったと推察します。
直訳してしまうと文意を正しく伝えられるかどうかという点でね。大事なのは
直訳でなく日本語訳です。この違いが分からない方には自分が伝えたいことは
一生かかっても分かりません。英語と日本語の大半は1対1対応をしている
わけではないので、単語を直訳すれば日本語が成立すると思うのは間違いです。
これは真面目に学校英語を勉強した人に陥りやすい現象です。

こんなところで「今回の訳文問題も政府の二枚舌の表われで、こそくなやり方
だ」という批判をするぐらいなら、もっと別の所でエネルギーを使って欲しい
ところです。ね?野党さん。北朝鮮はミサイル実験をやっているんですよ。

はい。今日は曇りときどき雪。(中越地方)



2003年02月24日(月) 日銀の野望、第二幕か

日銀総裁の内定が出ました。
元日銀副総裁で、富士通総研理事長の福井俊彦氏です。
大方の予想通りです。

福井 俊彦氏(ふくい・としひこ) 58年東大法卒、日本銀行入行。
94年副総裁。98年3月辞任し、同年11月から富士通総研理事長。
2001年4月から経済同友会副代表幹事。大阪府出身。67歳。

日銀と旧大蔵省OBの交替が慣例となっていたところが今回も日銀出身者。
他に適任者がいなかったんでしょうね。

副総裁にはインフレターゲット論者で経済企画庁出身の岩田一政氏。
それから財務省事務次官経験者の武藤敏郎氏。より財務省の意向が採り入れ
られると思われます。

この先どうなるかが見物です。着任後の動向が注目されます。
政府の経済政策に対する無責任を押し付けられないようにがんばって欲しい。

国民としては政府がこのまま覇権を握っていようが日銀が巻き返そうが、
経済情勢が上向いてくれればどちらでも構わない。というのが正直なところ。

さて、日銀の野望は達成されるだろうか。

はい。今日は雨ときどき曇り。(東京地方)



2003年02月23日(日) ずーっと玉虫色でいい

ここ数日はイラク問題でいろいろと動きが出ており、マスコミもこの問題を取り
上げているところが多いですね。

2月18日に行ったイラク情勢に関する安保理公開会合における原口国連代表部
大使演説の一部を外務省のHPから引用してみます。

"In our view, it is crucial now that the international community remain
united and continue to put strong pressure on Iraq. If the Security
Council fails to act in unity, it will not only damage the credibility
of the United Nations but also send the wrong message to Iraq. It would
also lead to an ongoing threat throughout the world of terror by weapons
of mass destruction.!"

「今、最も重要なことは、国際社会が今後も一致団結した行動をとり、イラクに
対し圧力をかけることであります。仮に安保理が結束して行動できなければ、
国連の信頼性を傷つけるのみならず、イラクに対し間違ったメッセージを送る
こととなります。また、このままでは、大量破壊兵器による恐怖が世界を脅かす
という状況が続くことになりかねません。」(外務省仮訳)

結語に至ってはさらに、

"Japan sincerely hopes that the Security Council will be united and take
effective action to fulfill its responsibilities for international peace
and security."

「日本政府は、安保理が、このような現実を踏まえ、一致団結して効果的な行動
をとり、国際の平和と安全に対する責任を全うすることを期待します。」(同仮訳)

こう何度も「一致団結」を呼びかけるのも、みなさんアメリカの意見を聞いて下
さい、とでも言いたげです。言葉だけを見てみると、いかにも大胆にアメリカを
支持しているんですよと言っているように見えますが、冷泉彰彦のレポートを
見てみますとそうでもないようです。というのも、

”原口大使は「目線」や身ぶり、表情などは一切使わず、座って原稿に目を落とし
ながらの棒読みでした。その英語も、わざわざ子音と子音の間に母音を、つまり
's' を 'su' に変えると言ういわゆる純粋カタカナ発音で、しかも強勢アクセント
を外した平板な早口でしたから、誰にも意味の分からない不思議な演説でした。

私は、今度の国連大使は英語とは縁の薄い方なのか、と思いましたが、そんなバカ
なことがあるわけがありません。これは、完全に儀式であって、会議の席上で外交
力を発揮するつもりは更々ない、そんな意図の演説だったようです。小泉内閣とし
ては共和党政権の戦略に乗っかるのは、既定路線であって、今回の国連演説は国内
向け、つまり政界メンバーの反応をうかがい、世論の反応を探るためのアドバルーン
だったのでしょう。”

サンデープロジェクトでもやっていましたが、アメリカのイラク処理は新保守派と
言われるいわゆるタカ派の議員たちが影響力を持っていて、彼らの力をブッシュが
無視できない状況であることが問題です。国民の6割以上がイラク攻撃を支持して
いるという世論調査もあるとおり、国民もイラク攻撃を支持しているようですが、
一方ではパウエル国務長官のように穏健派もいるわけで、そういう意味では一昨年
の9.11事件はタカ派を後押しした形になっています。こういうきっかけを待って
いたかもしれません。

もし日本政府がホワイトハウスの本音はイラクを攻撃することだと大真面目に考えて
それに同調するならば、手痛いしっぺ返しをアメリカ国民や世界から受けるかもしれ
ません。詳しい考察はこの場では避けますが、軍事面での積極的な姿勢は、決して
日本にとってはいい結果にならないと思っています。ずっと玉虫色か反戦を指示して
いる姿勢を保って欲しいものです。

いずれにしても状況はやさしいものではなく、どちらに転んでも少なからずの影響が
出てくるのは間違いありません。その影響が国益として長期に考えた場合、どちらが
より国益を損ねないか、その判断をきちんとして欲しい。判断できないならば、いつ
までも玉虫色の発言を続けるべきで、態度を表明しないぞという態度を表明する。
このあたりは小泉首相がお得意のところではないだろうか。

アピール度のなかった原口大使のスピーチは、あれはあれで良かった。
言葉としてはアメリカを立てながらも、姿勢としては強行でないことを態度で示した
いわゆる玉虫色。叩けと言えない日本の立場を貫けばいい。軍事面で主体性を出せ
ない日本の姿勢を貫けばいい。日本は所詮、敗戦国なんだから。歴史を背負ってます。

はい。今日は曇り。(東京地方)



2003年02月22日(土) 黙っていることはできないね

今日2月22日はボーイスカウトの創始者であるベーデンパウエルの生誕日。
自分はカブスカウト(小学生の部)しかやっていませんが、この日だけは
しっかり覚えています。この人がどういう人なのかは知りませんが。(苦笑)

さて、風邪もすっかり治ったし、花粉症も心配ないので体調はバッチリ。
なんですが、精神的には考え事が多いので万全とは言い難い。

個人的なこともありますがそれはおいといて、職場の事業の継続が今年度
限りであることが明確になり、4月以降はその清算業務へ移行となります。
清算ですから人、モノ、金の問題を処理することになります。

はっきり言って今回の事業清算は経営の不安定を示しています。
というのも、会社として欲しい領域を理解しないで未来がないから傷が浅い
うちに消してしまえというもの。理解をしていないから消してしまうことの
リスクとかデメリットとか当然理解していない。

足元の財務体質を改善することにやっきになって、事業の将来性はそっち
のけですから、いわゆる企業の成長性に見切りをつけたとも言っていいと
思います。従来産業では収益や成長性が見込めないため連結ベースでのセク
ションとしては保有しているものの、新規の事業部門を保有するリスクを
直接子会社仁持たせずに、当面(3年間)親会社である自分の会社が新規
事業として立ち上げて、その様子見の間に継続の可否を判断するということ
だった。しかもその事業領域に関連する全社の製品、つまり従来の事業部門
に散らばっていたオールドエコノミーだった製品からニューエコノミーに
転換した製品を集約して客先の業界に合わせた製品群を事業体として売り
出す構想であったはずなのに、ウチの職場の事業を消してしまうことがどう
いう意味を持っているのかを経営が理解していないで決定を下した。

職場の同僚は社長や副社長をバカ呼ばわりしております。
なんでバカかというと、製品のこととか、事業のあるべき姿に理解を示す
ことなく、下が判断したことをただ尊重するだけで、自分の意見を述べよう
としない。つまり自分が悪者になることを避けているんです。

事業を撤退しようとすると、そこに関わる誰もが離れようとする傾向は、
どこの会社も同じでしょうが、ウチの社長を始めとした経営者たちは自分の
責任で決断しようとしないところがすごく歯がゆい。

新規事業のプラットホームとして設立されたはずのウチの職場が消滅する
ことで他のニューエコノミー製品はそのプラットホームを失って客先との
ルートをある意味失ってしまって一から出直しとなります。

プラットホームとは商品の販売だけでなく、ターゲットとしている製品領域
における客先へのルート作りがあります。このルートというのは非常に大事
で、客先の声を拾ってこれる情報源です。この声が聞けるからこそ自社製品
への反映ができるわけで、製品戦略もできるわけで、そのルートを切って
しまうことは製品開発への影響が少なからず出てくることは間違いありません。

製品を知らずして経営を語るなというのが我々担当の意見で、その意見に
答えてくれる人が誰もいないのがわれわれの不満であるんです。不満に対し
ては同じ不満を言うことで思いを共有しているといった人たちばかりで、
何らわれわれの答えにもならないことを聞かされてストレスを感じている
毎日です。だから仕事に張り合いがなくなるのは当然です。

会社の方針に従わなければ追われる立場になるだけですが、少なくともどこ
かの機会で自分たちが理解していなかったという無能さを経営者に知らしめ
ることをしてあげないと、「大したことではない」ということで済まされる
心配があります。これこそ企業の不良債権化を進める事由になり得ること
なので、残り少ない時間の中で何ができるかを考えることになると思います。

とはいえ、4月から組織は即座になくなるわけではないので、半年から1年
ぐらいは存続します。でも終了の時期になれば誰からも見向きもされない
組織になっていますので、そうなる前になんとか手を打ちたいところです。
会社が悪い方向に行くということは自分のサラリーも危険にさらされること
になりますので、これだけは防ぎたい。

会社は人体と同じであたらしい血が注ぎ込まれなければ老化を促進するだけ
なので、死亡宣言が出るのも時間の問題となります。新しい経営指標を作る
のは否定しませんが、それだけに満足して本来の事業の考え方を忘れてしまっ
ているんじゃないかというのが心配事。

ここでも不良債権処理の影響が垣間見えます。
(あ、ウチの会社が不良債権会社ということではなくて、金融機関が縛りを
つけられたことで企業もその影響を受けているということです。特に財務
体質にね。経営者もそれに神経を尖らせている。)

はい。今日は曇りときどき雨。(東京地方)



2003年02月21日(金) どうでもいい話

午前中のある時、子会社に出向になった同期入社の人間がウチの職場へ
遊びに来ました。こいつは自分と同じ九州の出身なんですが、どうも自分
とはウマが合わない。

本人のやることはいい加減で、言っていることとやっていることに矛盾の
あることを本人は感じ取っていない。それにもかかわらず、なぜだか知り
ませんが(こちらが敵対視しているわけでもないのに)、自分に対して
攻撃的な発言をしてくる。あるいは見下したような発言をしてくる。お前
はいい加減だ、という風でのっけから。

この背景には自分の過去の発言や行動に起因することがきっとあるはずだ
と思って記憶を辿っているのですが、自分の記憶にもないし、そいつの
言い方にもその理由が出てこない。

ひとつ言えることは、そいつの発言内容に飽きた自分は話を切ってしまう
ことがあるので、そいつはそれが気に入らないかもしれないということ。
もしそれが本当なら、もっと自分と突っ込んだ議論をしたいということに
なるんでしょうかね。それをこちらが突き放したような格好に感じるもの
だから、彼としては面白くないヤツだと思ってしまう。

彼は知識をひけらかすことに誇りを感じているようで、どれだけ知って
いるかが彼の話相手への評価になっています。それに対して自分がそれに
応えていないということなんでしょうかね。投げられたボールを受け取っ
ていないんでしょうかね。見て見ぬ振りをしているように見えるんでしょう
かね。まぁ、ある意味彼を無視しているきらいはありますけど。

いずれにしても、話をしたいというモチベーションがない相手とマジメに
話をすること自体が無理のあることで、その内容が問題なんじゃないと
思っていますから、どこでどう掛け違いが起こったのか知りませんが、
彼とは議論するだけで疲れてしまいます。だから頭が拒否反応を起こす。

つらづら書きましたが、結局自分は彼を毛嫌いしているんでしょうね。
同期の人間が自分と同じ職場におりますから、ヤツの話相手は彼に任せる
ことにして、自分はその話を聞いているだけという状況でした。

そもそも自分は議論好きでないもんだからこうなっちゃうんですかね。
今日はどうでもいい話でした。

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)



2003年02月20日(木) 必要とか不要とか大きいとか小さいとか

今日もまた山手線で傘を車内に置き忘れるところだった。
池袋駅で時間調整のためにしばらく停まっていてくれたおかげで、
ホームを歩いている時に気付いて取りに戻れました。良かった。

さて、医療コーディネーターの報道の中で、そのコーディネーターの
方がおっしゃっていた言葉。「患者の方の医療的な知識が向上すれば
我々コーディネーターは必要なくなる。」

企業の中ではスタッフというのは間接部門の人間のことで、事業部門
とは役割が違う立場にある人たち。いわゆるサービス部門です。

事業部門にいながらも自分も同じような立場にあるので、このコーディ
ネーターの方の発言は理解できる。例えば法務的なこと、あるいは人事
的なこと、あるいは経理的なことを事業部門の人間が自身で理解して
くれると、このスタッフは必要なくなります。自身で処理できる能力を
身につけてくれればアドバイスも必要ない。

スタッフ部門は直接収入を得る仕事をやっているわけではない。
だからこそ専門的な知識を武器にして知識の供与をやっているところに
存在意義がある。間接的に収入の道を開くから間接部門と言われるん
です。事業を行うには不可欠な知識なので、こういった能力を持って
いる人材が豊富なところは、事業以外の所で収益を閉ざすリスクが限り
なく小さい。適切な事業収益があるからこそ彼らの収入も約束される。

そういった一方で、機能として確立してしまえば、そこからその存在の
守りに走ってしまい、自分の殻に入って収入源である事業そのものを
軽く見てしまいがちになります。これは本末転倒。こういった状況が、
いわゆるお役所仕事といわれるもの。オレの言うことに従えといった
高圧的な姿勢になってくる。これじゃイカン。

間接部門はいないに越したことがない、というのが持論。
こういうと自身の首を絞めてしまうことになりますが、あるべき姿と
しては誰も否定できないでしょう。本人が間接部門の知識を体得する
ことができさえすれば、その本人の知る限りの中で仕事を回すことが
できるもんね。そうなると間接部門は余計な人材になります。余計な
負担をしなくても済みます。

話を戻せば、スタッフというのは世間的にはニッチな仕事だと思います。
それでもスタッフの仕事は減ることはありません。時代の要請という
よりも、直接的な仕事が減っていることが要因であるように思います。
労働生産性とか労働効率とかいう言葉でいうのなら、それらが低下して
いることを表します。モノやお金が飛び交わないところで活躍する場が
世間にはたくさんあるということです。

経済の世界では間接部門は政府に例えることができます。直接部門は
民間(つまり企業や家計)ね。大きな政府がいいのか小さな政府がいい
のかという議論にもなりますか。経済を直接回している主体という意味
では民間主体で経済が回ることが理想。政府はなくてはならない存在
ではありますが、これが強大になってしまうと市場の効率性を損なう
ことになりますから、やはり小さい政府であるべしということでしょう。

健全な市場、自立した市場であることを望めば、尚更そうですね。
コントロールする機能や権限があるとしても、直接前面に出てくる
プレーヤーであってはならないと思います。お役所仕事を批判する根源
はここにあるわけで、自分自身を戒する所以でもあります。

冒頭の話で言えば、プレーヤーは患者自身と医者であって、コーディ
ネーターではないということです。介し過ぎては患者のためにならない
という思いが発言の裏にあると思います。もちろん医者にもね。

患者と医者との関係では、多くは知識や経験のない患者が医者の言う
ことを鵜呑みにしてしまって、時には不幸な結果になることもあります。
これを少しでも防ぐことが医療コーディネーターの存在意義です。患者
と医者との良好な関係を築くことが求められているんですが、そのために
患者側の知識の向上が必要となるので、その一助となるべく存在してる。
だから患者側のレベルが上がればコーディネーターは不要となる。
そういうことです。

でもそう言っているからには、今は必要なんだよということなんだけど。
ま、適材適所で効率よくってことで。

はい。今日は雨のち曇り。(東京地方)



2003年02月19日(水) 玉虫色が国益か

日本のエネルギー消費のうち石油の占める割合は52%。しかもその87%を
中東に依存しています。硫黄分の高さで悪名高い東南アジアや中国の石油
(いわゆる純度の低い石油)にも分散させていた時代もありましたが、それら
諸国の経済発展に伴って輸出量の低下(日本からすると輸入量の低下)を招き、
中国に至っては輸入し始めるという始末。だから余計に中東依存になってきて
います。

ブッシュのイラクいじめはOPECにおけるサウジアラビアの発言力を低下
させる狙いがあるとも言われています。どういうことかというと、イラクの
政権を崩壊してOPECから脱退させ、それに伴ってOPECそのものの力を
低下させるということ。サウジはOPECの中でも中核を担う国ですから。

東京電力の原発における不祥事件が発覚し、電力事情は逼迫しています。
CMで東京電力のお願い広告をやってはいますが、われわれに訴えかけるだけ
の説得力がありません。自分たちの失態を使用者に押し付けて我慢してもら
うんだから、使用者側としては冷ややかに見ざるをえません。

東京電力は夏のピーク時に備えるため、現在停止中の火力発電所の設備を再稼動
させようとしています。稼動させるということは、石油を使って電力を確保する
ということですから、当然ながら石油の消費が増えることになります。そうなる
と、東京電力の売りであったバランスのいい電力確保(水力:火力:原子力=
1:5:4)が火力寄りに崩れることになります。4月には原発の一斉点検で
設備の停止が予定されているため、そうなると予備電力もまったく無くなると
言われています。

そうなると余計に日本としてはアメリカのイラク攻撃が起こっては都合の悪い
状況になります。仮にサウジがスイッチをひねって産出量を増やしてくれたと
しても、それはアメリカにとって面白い話ではない。それだけサウジの重要性が
強調されるわけだから。

そういう意味ではイラク攻撃はアメリカにも日本にも利益が生じる行動とは必ず
しも言えません。特に石油資源の中東離れができない日本にとっては短期的には
ダメージを受けることが予想されます。アメリカはアメリカで下手に攻撃でき
ない事情があるわけです。

そんな事情があるのなら、いっそのこと攻撃するなんてことはやめたら?
なんて思いますが、それでは9.11で恐らく建国以来初の本土を攻撃されて
大きな恐怖を覚えたアメリカの(ブッシュの)気持ちは変わらないでしょう。

要は心理的な恐怖からの解放がなければアメリカはどこかをターゲットにして
攻撃を続けていくでしょう。ある時には日本がターゲットになる可能性も否定
できません。日本に対しては武力でなく経済的な手段でね。

アメリカは強いことを堅持し続ける必要を感じています。冷戦の時代が終わった
としてもね。逆に、ロシアとの戦力格差が圧倒的な戦力誇示を助長させている
かもしれません。経済的にも軍事力にしても圧倒的な強さを示すことが彼らの
プライドかもしれません。そのプライドを蔑ろにされることが一番恐れること
だとしたら、それを逆撫でしないことが日本の取るべき道なのでしょうか。
ここにメスを入れることが必要なんでしょうか。

自分の結論としては歴史が示しているとおり、日本はアメリカの飼い犬なので
一生アメリカについて行くしかないと思っています。もし国民の総意として、
今の生活を捨ててもいいというのならアメリカに歯向かうことを考えてもいいの
ですが、誰もそこまでして歯向かう決断ができる人はいないでしょう。

でも一国では不可能なことも集団になれば可能になることもあります。
だから日本の立場としてはアジアにおいて弱腰な姿勢とか信頼に欠ける行動を
してアジアのはじかれ者になってはいけないのです。北朝鮮問題はその試金石
です。小泉内閣の姿勢が周囲から注目されているのはそのためです。国民や
野党がいい加減なことを言って小泉内閣を翻弄するようなことをし、周囲から
足元を見られるような状況になってはいけないんです。
大きな視点で国益を考える必要性があるんです。特に政治家・官僚ね。

政府は発言に苦慮しているように見えます。というのもアメリカに気を遣い、
国内に気を遣い、それからアジア各国の顔色を伺いながら発言しなきゃなら
ないから、いつまでたっても明確な態度を表明できない。はっきりしたいのは
やまやまなんでしょうが、白黒をはっきりできないタイミングなんでしょう。

先日も申し上げました通り、このままイラク攻撃がなくなってしまうことが
一番望ましいストーリーではないでしょうか。問題はそうなったとしても、
北朝鮮問題は片付かないということ。だからこそアメリカの威厳を失墜させる
ようなことをしてしまっては頼みの綱のアメリカに頼れなくなってしまうので
日本は目先のことだけで態度を決めれないんです。これは分かってあげたい。

ま、実質はアメリカの飼い犬でも、個別事情で加担はしないと言うしかない
かもしれませんね。その言い訳として国連があると思えば。残念ながら、
日本には侵略的武力を保持しているわけではありませんからね。
うーむ玉虫色やな。やっぱ憲法の改正が必要か・・・。

はい。今日は曇りときどき晴れ。(東京地方)



2003年02月18日(火) 食の好みは人によりけり

今日は昼間もずっと寒かったですね。
寒かったんで、同僚と一緒に中華料理屋へ行って昼飯を食べに
行きました。せっかくですから坦坦麺を頼みましたが、これが
また全く辛くなくてマズイ。同僚もお怒りでした。

辛くないと言いつつも汗かいているもんですが(笑)、今日の
坦坦麺は本当に辛くなくて、汗のひとつも出なかった。店内で
同僚と顔を合わせてマズイと叫んでしまいました。

さて話は変わって、会社の帰りにあるところへ立ち寄って話を
していたら、食べ物の好みの合う人がいた。というのも、刺身
はダメだけど握り寿司は食う。自分はこういう舌なんですが、
なかなかこれを分かってくれる人がいなかった。で、今日見つ
けました。おんなじ舌を持った人。

そこまではいいんですが、その人は鶏肉がダメ。
牛肉もダメで焼肉は食べないけど、すき焼きは大丈夫。
大丈夫とは言いながらも野菜ばかりを食べるらしいので、やっぱり
肉はダメなのかな。でも豚肉は大丈夫だと言う。自分以上に
好みが難しいかも。わたしゃあトン汁の豚肉は苦手ですけど。

ま、そんなこんなで帰って参りました。

はい。今日は曇りときどき雨。(東京地方)



2003年02月17日(月) 日本政府の態度

遅まきながら今日覚えた言葉。悪の枢軸=axis of evil

さて日本の態度は14日の国連でのアメリカの報告を持って判断するという
ものでしたが、当日のアメリカの報告は明らかな証拠の提示ではありません
でした。

日本政府が明確な態度を表明できないのは何故か。
それは先日にも申しましたが、日本はアメリカの統治国家であるから。
いまだに敗戦国のレッテルは払拭されていません。

攻撃反対の表明をした時点で、北朝鮮の恐怖からの保護が得られなくなる。
日本の危険はイラクよりも北朝鮮の方が圧倒的に高い。だから武力を行使
できない日本はアメリカに守ってもらうしか方法がない。日本が自衛権を
行使するには北朝鮮が日本を攻撃しないとダメだからね。でも攻撃を受けた
時点で日本は大きな影響を被るわけだから、アメリカの圧力を利用した攻撃
抑止力を期待するしかない。そういう意味では日本は北朝鮮にとって武力の
点での脅威はない。日本からの先制攻撃はないんだから。しかも核攻撃も
ない。はっきりいってなめられています。

それでも日本は甘んじて受け止めるしかない。
攻撃の危険性を判断するのに時間のかかる日本は、いざとなった時の機動力
が遅いと予想されます。だからといって情報収集を率先してやれるわけでも
ない。敵国を想定してシュミレーションをすることすらも禁じられている。
(実際はこっそりやっていると思いますけどね。)

アメリカのシュミレーションでは、沖縄や本土からアメリカ軍を撤退しても、
3日以内には北朝鮮を制圧できるとしています。ということは仮に日本が
アメリカ軍を日本から追い出す方向で背いてきたとしても、お前ら勝手に
すればと冷たい態度をしてくると考えられます。しかも日本ができないと
見るやいなや、アメリカが手を出してさっさと制圧してしまい、日本に対し
「ほらみたことか」
と突き放すことも考えられ、結局はアメリカ無しでは自国も守れない弱い
国なんだと思い知らされる羽目になる。お前はどうせ何もできないんだから
黙ってアメリカについてくればいいとね。日本への無言の牽制です。

そんな中で日本政府も考えているわけですよ。
アメリカから見離されないように。そして世界から見離されないように。
その両立をするにはどうしたらいいのか。日本政府が態度を保留している間
にイラク攻撃がなくなるのが一番期待されるストーリーでしょう。仮に世界
の反戦の動きに反してアメリカが動き出したら日本政府は世論に反して支援
に動くでしょう。イラクの次は北朝鮮だからね。そうした時の日本政府の
対応がみものです。かなり国内外から批判されると思うからね。

外務省の官僚はあーだこーだ言いながらも結局自身を守る方向に走るので、
つまり自身が悪者にはなりたくないから逃げ道を作っているでしょうから、
そこは政治の腕の見せどころです。逃げないでね。小泉総理。

でもアメリカが単独でイラクを攻撃するような時は、決して戦場に自衛隊を
送り出すことのないようにして欲しい。あくまで戦後処理に留めてね。
手薄になった時に北朝鮮が動き出したら大変だからね。騒がしい時には
じっと我慢して下さい。頼みます。近所のおじさんは様子を伺っています。

政府の態度保留姿勢は、苦しいながらも正しい判断だと思います。

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)



2003年02月16日(日) 日本の態度

今日はNHKとサンデープロジェクトの両方で与野党の幹事長がイラクと
北朝鮮について議論が交わされました。

与野党ともに意見が合っているのは、日本は国連決議に基づいて行動すべし
ということ。問題は、国連決議でイラク攻撃が採決されないのにアメリカが
強行攻撃に向かった場合に日本はどうするかということ。

日本は自衛権を保有しますが、武力の行使はしないことが憲法上謳われて
いることですので、日本への攻撃が予想すらされない状況では護衛艦の出動
もできない。国連の決議があった場合にのみ出動するかどうかを国内で議論
したあとにやるかどうかを決めるという機動力のない珍しい国です。自国を
防衛するために武力を持つということを否定しています。

自衛隊は明らかに他国から見たら軍隊です。でも武力ではありません。
武力というのは侵略的軍事力ですから、防衛にのみ使用する自衛隊は軍隊の
範疇には入らないというのが日本政府の見解。要するに「見解」であって、
明らかに定義付けがされていないことを意味します。

日本は攻撃としての自衛隊は海外に出ることができません。
問題なのは自衛隊が後方支援ということで海外に出た時はどうなのかという
こと。これは日本の役割が世界の中で大きくなるに従って、世界に対する
貢献も同時に求められています。軍事力についても同じこと。日本は一方的
に守られる側でいてはいけないと見られています。人的あるいは物的な貢献
が望まれているんです。湾岸戦争の時に非難されましたよね。お金だけって。

例えば北朝鮮の場合、彼らが暴発したところでアメリカにとっては痛くも
痒くもない。今のところ核弾頭ミサイルが本国へ届くわけではないんでね。
日本はそういうわけにはいかない。韓国は尚更です。地理的に隣接している
韓国や日本は核や細菌の恐怖に晒されています。テポドンやノドンで攻撃
圏内に既に入っています。その精度は別にして。

社会党なんかは日本は攻撃に荷担しないとなぜ言えないのか、言えよと声を
大きくしていますが、彼らは荷担しないで世界に対する日本の貢献をどの
ように考えているのかが分からないので、ただ平和裡に済めばいいと考えて
いるだけのように思えます。北朝鮮の件で彼らは分が悪い(北朝鮮の発言を
鵜呑みにして、拉致事件はなかったと長年主張してきた)ので偉そうなこと
言うなよと言いたいところですが、まぁそれはどうでもいいとして、行動も
していないのに言葉だけで国民の思いを伝えているが如く述べるのには疑問。
どうも社会党は良くも悪くもポリシーがなくなった。支持率低下もそのせい。
理想論だけで現実対応が考えられていないんです。かつての自民党に対する
対抗(批判)勢力のなごりでしょうか。批判するだけに留まり続けたから
今の体たらくなんでしょうけどね。

さて議論を聞いていると、与党はアメリカ偏重で肩入れしており、野党は
アメリカべったりは止めろとでも言いたげ。どちらも自国での判断はでき
ないというところで意見は一致しているんですが、どこに拠り所を求めるか
というところで違いが出ているようです。

政権与党としてはアメリカを無視できない。歴史的にそうだったから。
つまり敗戦国だからです。アメリカを敵にして自立できない国だからです。
事実ですからきちんと受け止めなければならないこと。現在の経済力も、
敗戦したが故に憲法で軍事力を否定させて、経済的に自立させることを優先
して成功した。今でも日本はアメリカの統治国家なんです。経済以外で発言
力が弱いのもこのせいです。弱腰といわれるのも軍事力というカードを保有
していないからです。経済制裁をしたとしても、貿易立国の日本は資源に
乏しい国ですから、いざとなれば干からびてしまいます。北朝鮮の如くね。
そうならないようにアメリカにいい顔をしてきたのが戦後の日本政治(政府)。

こういうひ弱な日本を守るためにはアメリカを怒らせてはいけない。
こういう思いが政府・自民党内部に占めていると思います。他の与党もね。
もちろん外務省も外向きではそういうことを言うでしょうが、恐らく本音と
しては違うところを狙っているかもしれない。でも小泉首相の出現で、彼ら
の野望も抑え付けられていると思われます。官僚の思い通りにさせてくれなく
なりましたからね。

いずれにしても、イラクあるいは北朝鮮への攻撃は、短期か長期かで大きく
世界の様相は変わってくると思います。少なくとも経済で成り立っている
日本にとっては長期化は避けたいところ。GDPに対して日本は60%が消費
で占めています。長期化すると消費が低下します。そうなるとさらなるデフレ
進行によって国家破綻の道になりかねません。これが日本にとっての脅威。
なーんにも手を打たないとこういうことになります。だから何らかの行動を
起こして短期で終わる道筋を作らなければなりません。これこそ国益を守る
行為。

日本は一貫して攻撃を否定し続けるか、アメリカの様子を見ながら臨機応変
に行動するか。態度をはっきりさせる時期が近づいてきました。

はい。今日は曇りときどき雨。ところにより一時雪。(東京地方)



2003年02月15日(土) 日本の政治は失業率をコントロールできないよね

世間(特に一般企業)では賃金に対する変化が出てきています。
雇用を守るというよりも企業を守るために雇用の形態が変わりつつあります。

日本の企業(役所含む)はまだまだ終身雇用の形態を保っています。
デフレによる業績の落ち込みが大きな要因として存在しますが、その影響は社員の
賃金だけではなく、新卒者の就職率や給与形態にも影響しています。

公務員の来年度の給与は2%前後の削減になります。
物価や一般の状態にあまり影響を受けない安定した職業として公務員は広く世間の
人気を集めていますが、公務員の給料は基本的に住民の税金だよね。
一般企業と同じ考えであれば、税収が減れば公務員の数を減らすか給料を減らす
しかないのは当然でしょう。ただ公務員の給与レベルは物価指数にリンクしていま
すから、一般企業のように業績にリンクしている変動的な給与とはわけがちがう。
右肩上がりだった時代が崩壊して、給与形態も同じく崩壊している一般企業に比べ
て、まだまだ守られている職種です。

総務省統計局が出している年齢階級別の就業者数の統計があります。
この表を見てどう思いますか?

これを見れば分かると思いますが、戦後産まれの団塊の世代の年代で大きく就業者
数が増え、その後に大きく減り、しばらく落ち着いて若年層でまた減っています。
これは失業者数の増加以上に少子化の影響が大きいことを意味しています。それで
も新卒の就職率は下がるばかり。例えば大卒で言うと東大で10%後半、早稲田で
30%前半、慶應で20%後半といったところ。
正社員になりたいという声が多いことを考えると、就職できた人以外は契約社員か
フリーターになるという不安定な仕事しか出来ないということ。でも正社員であっ
ても必ずしも安定的でなくなってきているから、どうしても安定的な職につきたい
のであれば、税収の安定した自治体の地方公務員になるか、有名国立大学を卒業
して上級国家公務員になるかですね。

10年後には団塊世代もリタイアしており、老齢化が加速してしまいます。
就業人口が減ることで有効求人倍率は高くなり、若年層の就業率も高くなるとは
思いますが、若年層が年金層を食わしていかなければなりません。これが今問題と
なっている若年層の年金不払いの根源です。今の年金層は自分が払った以上の年金
を享受できるのに、若年層は自分がそういう年代になった時には払ったお金より
ずっと少なくしか受け取れない。でもこれは人口の増加に伴う経済成長の右肩上が
りが前提であったから。人口の増加が見込めなくなった後でもそれを止められない
のは、政治の問題。若年層ほど年金に疑問を持つのは就職の不安とともに当然の
成り行きでしょう。そういう意味では今は辛い時代。リストラされたおとーさん
たちのことも考えると若年層だけでなくみんなにね。

桑田真澄投手は、成績の出ない苦しかった2000年に古武術を習うことで効率
よく「攻める」ことを覚えたといいます。死ぬか生きるかの瀬戸際では、常識では
あり得ないことを出せるかどうかにかかっているということでね。

われわれの生活は、そういう意味ではそんなに切羽詰っていないのではないでしょ
うか。苦しい苦しいといいながら、それなりになんとかやっています。それと同じ
で国の考えも従来のやり方でなんとかやっています。だからいつまでたっても状況
の好転が見られない。それは状況が切羽詰まっているという認識にないからです。
従来の手法で変えられると信じているからです。政治的には大きな手術をしようと
すると国民からそっぽを向かれるのが怖いという思いもありますしね。小泉首相は
その辛い思いを国民に納得させた。その功績は大きい。だから政治的には今が手術
を行うチャンスなんです。それなのに多くの勢力がそれを実現させようとしない。
その構造が問題なんです。抵抗勢力は政治家だけではなくて、国政をつかさどる
全てです。そのシステムです。

平和を約束されている日本が経済に没頭できた時代が過ぎようとしています。
平和とは何かを真剣に考えなくてはならない時代が来ています。武力の保有にかか
るコストを経済に注力できた戦後の日本経済。それを受け入れてきたアメリカも
ITバブルの崩壊で日本の面倒を見る余裕がなくなってきた。だから日本は自国内
消費を伸ばさなければならないんです。消費を伸ばすための政策を講じなければ
ならないんです。小渕内閣の時のケインジアン政策は総量としては足りませんでし
たが、下支えをしたという意味では成功だったと思います。
これをもっと大胆に行うことが景気浮揚のひとつの策であると思います。

今はお金の価値が高いから手放して資産の取得や消費に回したくない。
日銀が金融緩和をしてお金を増刷してもマネーサプライはそれほど増えないし、
GDPはマネーサプライの緩い増加に反して下がり続ける。お金を使うこと、
つまり消費や投資をしていないんです。

インフレと失業は常に注目される指標ですが、デフレと失業となるとわけがわか
らなくなるのが従来の経済学の世界。だってフィリップ曲線はインフレ率、失業率
ともにゼロ以上の曲線だからね。

一般的なフィリップ曲線はこういうもの。テキストだと曲線が書けないのには
目をつぶってね。

インフレ率π
  ↑
  |  \    
  |   \
  |    \
  |     \
  |      \
  |       \
  |    
 0 ―――――――――――→ 失業率U

インフレがマイナスのところへ向かうようにX軸を突き抜けていればいいんですが、
数式としては常にプラスになっている。曲線は右下がりの凹型です。現状はその
曲線がそのまま下方へ移動して失業率が高いところでインフレ率がマイナスになっ
ているというもの。

だれかこの現状を理論(新フィリップ曲線)として説明してくれないかな。
え?お前がやれって? えーっと、うーんっと・・・。
4年後ぐらいに卒論で発表することにしましょうか。
その頃には誰も今日の日記のことを覚えていないでしょうから、約束が果たせた
かどうかを確認する人もいないでしょうけどね。(笑)

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)



2003年02月14日(金) 老夫婦がやっている定食屋にてわが両親を思う

時々行っている定食屋が大変です。
ご主人ひとりでお店をやっているからです。

今日なんかは金曜日だからいつもと違ってお客さんが多かった。
お店は夜の10時までなんですが、10時になってもオーダーが
さばけなくて、しかも食後の食器を引く余裕もなく出しっぱなし。

自分がお店に入ったのは9時過ぎ。お店を出たのは10時過ぎ。
普段ならば30分で出て行くところが1時間かかった。
仕事の回転が遅いのは誰が見ても分かるので、お客さんはグチも
言わずにずっと待っていた。食器を片付けようかと申し出る人も
いたりしましたが、ご主人は丁寧に断っていました。そこは職人。

そういうわけなんで、さっさと食べて、ご主人の手の空いたとこ
ろを見計らって、さっさとお店を出ました。こういう現場を見ると、
実家の両親のことが思い出されます。夫婦で商売をしているお店は
そのどちらかが欠けても仕事が回りません。近頃かーちゃんは健康
に不安があるので少し弱気。そんな中、少々モノ覚えが悪くなった
オヤジからあれやこれやといちいち聞かれてはたまらないとグチを
言い出した。

オヤジは店のことをやっていれば済みますが、かーちゃんはウチの
ことも見なきゃならないから、それだけ頭を使います。頭を使うと
いうことは気を遣うってこと。世間の店主はお店の金勘定とか資金
繰りとか気を遣うもんですが、ウチのオヤジはそのあたりが無頓着。
だから余計にかーちゃんは気を遣うことになる。

すっかりかーちゃんを中心にお店が回っているので、かーちゃん抜き
ではお店がやっていけないのは明白。それでもオヤジは自分のプライド
のために、利益の出ないお店を続けたいと言う。

赤字であれば、当然ながら資金繰りにも困る。そうなると貯蓄とか
何かの資産を取り崩してお金にしなきゃならないことをやらなきゃ
ならないんですが、オヤジはそれすらもかーちゃんまかせ。そんな
店主はどこを見渡してもいないよ。ダメな店主のレッテルを貼られても
文句は言えません。誰も口にして言わないだけで、心の中では思って
いるはずだと考えると、自分としては正直言って早く店をたたんで
欲しいと思っている。でないと、いくらダメ店主でもプライドを持って
やっているオヤジの心はボロぎれの如くズタズタになるでしょう。

でもそんなことはオヤジには関係無いようです。
今、目の前のことしか頭にないから。つまり、店を止めた後に自分に
何ができるかと考えると怖くてやめれないと言うのです。他のことを
やれる自信もないしやれないと諦めている。ひとつのことだけに40
年も没頭してきた人なので、身体に染み込んでいるんですね。だから
余計に他のことをやれる自信が無いという。

それは分かる。分かるんだけれども、今やめるか後でやめるかの違いで
あって、いずれはやめないといけない。同じやめるならまだ頭のはっき
りしているうちにやめた方がいいに決まっているんですが、それすらも
先送りです。自分の身体がもつ限りは続けると頑なです。先のことなん
て、なーんも考えていない。まるで問題先送りしている日本の政治家や
官僚となーんら変わらない。

仕事をやめるつもりもないからきれいな店の閉じ方なんか考えもしない。
かーちゃんが元気なうちはまだいいんですが、健康を損なってしまえば
即座に店が回らなくなる。何回も経験してきたことなのに、それでも
分かろうとしないところは息子ではどうしようもない頑固さです。

こちらも今では腹を据えて、どうにかなるまでやらせようと考えてます。
突然死なんてことにはならないように祈るばかりです。年だしね。

話は戻って定食屋ですが、おかみさんは恐らく持病で入院しているの
でしょう。以前聞いた話では、現在の医療技術では一生治らない病気
だとか。しかも手術をすることも体力的に難しいとか。だから痛みが
なくなる応急処置をするしかないと。

おかみさんのいないお店は前述のようにご主人だけでは切り盛りする
のが難しい状況。だからこれが実家の両親だと結果は明白。

他人の家を見て自分ちを振りかえることができるという参考です。
ご本人たちには申し訳ないんですが、両親に話をするサンプルにさせて
もらおうかと思っています。誰だってお前の仕事はダメだと言われたら
いい気になる人はいないでしょうが、生活ができないレベルであれば
気持ちの問題じゃなくなります。息子からぎゃーぎゃー言われても
いい気にはならないでしょうから、自分で気付いて欲しいと思います。

世間ではバレンタインデーというものだったらしいですね。

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)



2003年02月13日(木) どうせマイナス金利なら

今の日本の経済状態が続けばどうなるか。
国家破綻という怖いことは置いといて、為替に関していえば円安方向。
つまり円の信用が低下するということです。

金利市場ではマイナス金利が発生しています。
これも円への信頼が落ちていることの表われ。
買いたいと思う人より売りたいと思う人のほうが多いんだから。

外銀はマイナス金利で調達した円は余ったお金だから日銀の当座預金へ
入れればいいのですが、本国からの指導で運用に出さなきゃならない。
だからここでもマイナス金利で貸し出す。(とはいえ最初に調達した
マイナス金利より小さなマイナスだから、合わせるとプラスになる。)

お金の出し手は外銀もしくは地銀。
特に地銀の場合は地元で預金を集めて企業へ貸し出すことで収益を上げる
体質なんですが、その借り手である企業からの需要がない。そうなると
手元の資金が溢れてどうしようもなくなる。国債を買うにしてもほとんど
金利なんかないから短期運用としてはコストがかかる分だけ損をする。
これじゃいかんから仕方なく金利を払ってでも借り手を探す。異常です。

とはいえ、従来の考えでは異常だったのですが、現金を持つことが資産を
持つよりも価値がある現状(つまりデフレ)では、お金の流れが止まる
ことを意味していますから、それでは金融機関の存在意義がないし、お金
の流れが止まると金融機関の収益チャンスがなくなることを意味します。
だから市場に流通させてお金の流れを止めないようにしているわけです。

こういう状況では預金集めと資金貸出のセットで収益をあげていた地銀の
生きる道を閉ざすことになりますから、他の方法を考えなければならない。
そうなるとターゲットは個人になるんでしょうね。住宅ローンの販路を
拡大しているところが多いのも、その表われでしょう。企業よりも信用
調査がやりやすいのでリスクも小さくて済む。

ここに政府の手が入るとおもしろいんですけどね。
つまりマイナス金利で貸出をし、その補填を政府が行うという図式。

同じように減税をする。減税といっても5%から3%とかいうことではなく、
マイナス5%というふうに大きく減税をして、その補填を政府が行う。

それらの補填は国債の発行によることではなく、政府通貨の発行によると
いうのがミソ。借金をしないで景気回復のきっかけを作り出す。これらは
お金のバラまきよりも長期に渡って効果が現れると予想されます。

お金を使うと得をすると思わせることが重要です。
上の例でいうと、お金を借りると得をするのでお金を借りれば今度はお金
を使うことになりますので消費が増える。企業も有利な借金で投資に使う。
借りっぱなしでも少しずつ金利分だけ減っていきますから、金利返済を
していた頃と比べれば大きな違い。マイナス課税の場合だと実質の値引き
になりますからお買い得感が出る。購買意欲の向上です。

公的資金や公共工事、郵貯の運用なんかで大損をくらっている現状に比べ
れば、負担する費用としては経済にプラスの効果を幅広く与えることが
できるという面で、これこそ税金支出の公平感を抱くのではないでしょうか。
しかも景気が上向けば税収も増える。税収が増えれば国債の発行も減ります
から、国の台所事情も改善する。

ま、いいことずくめのようですが、どこかに落とし穴があるようですから
それに気付かずに採用するわけにはいかないようなんですけどね。だから
しっかりと研究をして、失敗するようなことのないところまでしっかり
議論がなされれば、これこそマジメに考えてもいい方法だと思う。どう?

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)



2003年02月12日(水) さてどうしようかね

今日は営業会議だったので、ささやかながら上司につっかかって
みましたら分かりました。自分と上司の契約に対する認識の違い。

今回は契約の終了(清算)と移管契約の締結(新規)を同時進行で
やらなきゃいけない。その期限は3月末。期限は刻々と迫っている
のに、両者の決断がまだだという状況。このままでは自然消滅。
4月1日からは空白の期間が待っています。それは阻止したい。

上司は清算は長期に渡るから急がなくてもいい。それよりも移管の
方を急がなきゃならないが、以前の契約を引用すればいいじゃないか
と言う。しかしながら、オリジナルは移管を前提としていないから
移管に関する項目や内容は一切記されていない。にもかかわらず
引用せよとは自分には理解できない指示。引用できることがないんです。

延長を決めた後の現契約は移管を視野に入れたものですが、細かい
内容は別途決めるとなっています。しかもその別途の内容を決めて
いないもんだから、ここからの引用も不可。ということは、どこから
も引用するところがない。自分は新たに作らなきゃいけないと思う。
だから時間的に苦しい、あるいは時間切れが予想されるので、その時は
現契約の猶予期間として暫定的な延長を提案したのですが、あえなく
却下です。延長まかりならぬと。

うーむ。苦しい時にはなんらかのいい知恵が出るもんですが、自分の
頭の中にはいい知恵がない。切り返して「どーだ」といわんばかりの
アイデアが欲しい。そんなこんなで会議も時間切れ。胸くそ悪い。

晩飯に寄ったファミレスでおつりを間違えやがるし。(本文とは関係なし)

また明日考えます。ねむたいし。んじゃ。

はい。今日は曇りときどき晴れ。(東京地方)



2003年02月11日(火) 見えてきたところにあるのは葛藤か

そんなに大きな記事ではないんですが、産業再生機構の初代社長人事に
ついて載っていました。その有力候補が大和証券SMBCの清田社長です。
大和証券SMBCとは、大和証券の法人企業相手の会社で、三井住友銀行と
合弁で設立した会社です。大和は住友系だからね。

ウチの職場の上司は、ウチの会社の格付けはBBB(トリプルビー)という
B格だから、産業再生機構にも相手にしてくれない会社だと言いますが、
本人にも言いましたが、あなたの発言は格付けに対する理解と産業再生機構
の役割を全く理解していないことを言っているんだから、そんなことは言わ
ないほうがいいですよ、自分はバカだということを自らお披露目している
ことになりますから、と。

まず一つ目の間違いは、「B」という文字がついている格付けは、世間から
全く相手にされないものだという理解。もしそれが正しい理解であるならば、
格付けをされうる情報開示をした大手企業の多くは、RCC行きか産業再生
法の手を借りていなくてはならない。しかも格付け会社によっては格付けを
していない場合もあるので、一概にBというランクで評価すべきではない。

格付けに対しては多くの説明が必要ですが、この場では省略します。
興味のある方はR&IとかJCRを見てもらえば。

優良であった多くの日本企業もバブル後にはその格付けを落としています。
Aランクに位置していた優良企業の一部はBランクに落ちています。
BといってもBBBランクですが、この表記は長期債についてだから、CP
などの短期債はまた別の表記になりますけどね。つまり分布がAクラスから
Bクラスへ流れてきているのです。全体が下方へ移動していることの表れ。

少なくとも部下を目の前に自分の会社はゴミ同然だなんてことは上司として
口が裂けても言ってはいけないこと。本気でそう思っているのら、自身が
会社から離れればいいこと。よく理解していない社員からすると、本当に
そうなんだと誤解してしまうじゃないか。今度同じことを口にする場面に
出くわしたら、本当に怒りますよ。あるいは罵倒しますよ。

ふたつ目の間違いは、借金の金利返済が出来ていて、資金調達ができていて、
業績としても赤字でない会社であるならば、RCC行きなんてとんでもない。
政府が口を出すまでもない。つまり産業再生機構の対象会社になる必要もない。
そういう意味では相手にされないんですが、救ってくれないという意味で
相手にされないと言っているのですから、とんでもない無知としか言いよう
がない。悲しいかな。

ま、この発言にはいろいろと本人の思うことがあってのことですから、そう
めくじらを立てて怒る必要はないんですが、それにしても本気で思っている
のなら、正してあげないといけない。こんな管理職がいるから部下も余計に
ダメになってしまうと思うから。

会社を批判することは大切なんですが、それが誤解に基づくものであるなら
それを正してあげないといけない。誤解を正した上で、それでも批判すべき
ことであるならば、それは批判対象をどうにかすべく行動にでなきゃならん
でしょうね。それは管理職だろうが担当だろうが同じこと。

自社の評価、とりわけ株価や格付けに代表される評価について冷静に理解
しているならば、どうして今のような状況なのかが分かっているはず。だから
どういう方向に向かえばこの会社はどのような道を進むのかが見えてくる。

かつて3年目研修でどこぞの営業部長が講師として言っていましたが、会社を
冷静な目で見続けろ、と。長いこと会社勤めをしていると、会社のことしか
分からなくなるから、1歩も2歩も自身の身を引いて、少し距離を置いた立場
から会社を眺めることが必要だ、とね。今でもこの言葉は覚えています。

目の前のことだけを一生懸命やれば報われた時代は終わりました。
あるいはいいものを作れば買ってくれる時代は終わりました。
だからといって技術の蓄積のない製造業者は未来がありません。
さらには財務体質の脆弱な企業は、投資家から見離されてしまいます。
そのあたりのサジ加減が経営者の腕の見せ所なんです。

今まで成功してきたビジネスモデルを捨てて(つまり今では通用しない)、
別のビジネスモデルを構築するために何をすればいいのかを考える時期なのに
いつまでたってもあーでもないこーでもないと議論をしたり、ひとつの転換を
決めて導入したわれわれの職場の事業なのに、これを簡単に捨ててしまおうと
している今の状況に自分は納得していません。だから今月は恐らくそのあたり
で上とぶつかる機会ができるでしょう。今までそういうことがありませんでし
たから、ある意味チャンスなのかもしれません。がんばるよ。オレ。

はい。今日は曇りときどき雨。(東京地方)



2003年02月10日(月) ようやく経済白書を読み終えた

穏やかです。何もかもが穏やかです。まるで嵐の前の静かさです。
会社もそう。自分もそう。政治も経済もそう。

なんにも起こっていないわけではないけど、インパクトのある
できごとがなーんにもありゃせん。もちろん悪い方向のできごとが。
期待しているわけでもないんですが。できることなら記憶の残る
いいことが起これば最高なんですけどね。

明日は勤労感謝の日で祝日なんですが、この時期の休日は非常に
ありがたい。年末年始で崩れた生活のリズムが尾を引いて、しかも
寒さによる体調の不良も重なって、週休2日では取れなかった体の
だるさとか重さとかをゆっくり治せる日に充てられる。

たかが1日だけで?なんてなめちゃダメ。この1日が大事です。
丁度今の時期は忙しい時期の谷間であり、少々気の緩みが許される
時期。だから下手をすると大きく体を壊してしまうかもしれない。

通勤電車の中で前の人がゴホゴホやっていると最悪です。しかも
こちらを向いてセキをされた時にはマスクぐらいしろよと文句の
ひとつでも言いたいのですが、電車の中では大きな声を出せないし、
結局降りる駅までなるだけ大きく息を吸うことをしないようにする
しかないですね。あるいは頭を横に向ける。手を口に当てる余裕
なんか全くないから。混んでて手を動かすことすら難しい。

そんな状況が1日でもなくなることはありがたいことです。
自分で勝手に風邪にかかるのは諦めがつきますが、人からもらった
ときには悔しいもんね。オレもバカじゃなかったなんてお気楽な
モードなんかにはなれません。

それはそうと、ようやく経済白書を読み終えました。
なかなか読み応えがあったというか、いわゆる数式に基づいた論理を
つらつらと書かれて眠ってしまったことが多かった。理解できずに。

とはいえ、構造改革応援団の様相だったのである意味いやがらせかと
思いましたが(笑)、なかなか勉強にはなりましたよ。恐らくこの本の
文筆は若手でしょう。学校で覚えたばかりのことをこれみよがしに
書いている文章ですから、勉強としては役に立った。一方、現状に
対する提言という観点では、いわゆる教科書的で面白味がない。特に
デフレという言葉の意味が取り違えられている恐れもあり、読者に
誤解を与えかねない表現もあります。これもやはりデフレという概念
が教科書に詳しく出ていないからでしょうか。自分の頭で現実を捉え
ていない可能性も指摘できます。

やはり経済白書の性格からして、日本の経済状態を客観的に分析する
ことに重点が置かれておりますから、その状態をどうしたらいいのか
という政策に関してはうまく説明できない、あるいはその政策すら
客観的に発言せざるをえない立場ですよね。そういう意味でも経済
白書は現状のレポートです。それ以上のものではない。

あとはここに記してある数字や表現をどう捉えるかは我々の判断。
まかり間違ってデフレの理解だけは経済白書を倣ってはいけないこと
だけは分かった。とあるメルマガに書いてあった通りだ。

とはいえ、植字のフォントが大きいので読みやすいというのが正直な
印象です。しかもカラーを多用しているので見分けやすい。その分、
紙の数が多くなっているので見た目が分厚いのが難点。製本としては
うまくいっているんじゃないでしょうか。

まぁ、自分の立場としてはまだ経済学部生1年生ですから、批判を
するだけの知識もないので大きなことは言えませんが、学生にも読み
こなせる入門版でも作ってくれればありがたいですね。そうなると
市中で売られている雑誌と格が変わらなくなりますか。あはは。

品格を保ちながら親しまれる白書。むずかしいっすね。

はい。今日は曇りのち雨。(東京地方)



2003年02月09日(日) 若村麻由美と天海祐希

いつもならNHKを観ている時間帯でしたが、つまんなかったのでテレビ朝日に
変えてみましたら、なんだか見覚えのある美女が映し出されていた。

名前なんだったっけ。テロップ見てると「若村」とある。若村志保だっけ?(笑)
お友達として天海祐希が出てコメントしている。天海祐希って自分と年が近いん
だよね。確かふたつ下ぐらい。ということは、この若村何某さん(失礼)も近い
年だろう。

んーと。思い出しました。若村麻由美です。ネットで検索して確認しました。
若村麻由美も天海祐希もいい年の取り方をしているね。

日曜日の午前は経済とか政治系の番組ばかりを観ていますから、美女が出てくる
番組はあるいみ新鮮。いやぁ、目の保養ですね。どうせこの後は田原総一郎の
サンデープロジェクトですから、きれいどころは出てこないんで、今のうちに
しっかり観ておこう。

自分の同級生を見ていて若いなぁと思うひとは、ひとりもんの劇団員です。
田舎で奥様になってしまったひとは、それなりに年を感じさせます。自分のこと
をそっちのけでこういうことを言うのも何なんですが。30代も半ばを過ぎて
自分のやりたいことをやっていて、しかも多くの人から見られる立場にいる。
そんな中で自分を見せる立場にあるということが年を取らせないんでしょうね。
新しい世代が後からどんどん入ってきますから、役柄としては変わらざるをえない
とは思うんですが、そこはモチベーションの問題でしょう。

同級生の女性には専業主婦も劇団員も商社マンも官僚も医者も家事手伝いもいま
すが、彼女らは男どもには負けないパワーを持ってます。いやぁ強いですよ。
会社の同期入社のヤツもそうですけどね。(これがまた変り種で、一橋でインド
哲学を専攻していたヤツ。事務系では唯一入社した女性。)

ただ、主婦をしているひととそうでない人の違いは、自分に費やせる時間とお金
のかけ方だと思います。(ここで「主婦」と限定して言っているのは「主夫」が
まだまだ認知されていないからであって、女性は家庭に留まることを前提にして
いるということではありませんので念のため)

自分のことを振り返ってみても同じことなんですが、自分に費やせる時間がどれ
ほどあるのかと考えれば考えるほど結婚というものから遠ざかる感じ。頭の中で。
ひとりでずーっと過ごしてきて、その生活に慣れてしまうと、そうでない生活は
ありえないと思ってくるようになります。(本意ではありません。これ重要。)

環境を変えなきゃとはいつも考えていること。会社生活がまったりとしてきている
こともあるんですけどね。自分が安定してしまっていては、会社に活力を入れる
こともできないし。会社が安定しているとは決して言えない状況なんで、自分が
安定していると勝手に思い込んでいるだけです。

経済の安定は幸せなことですが、生活の安定は時として人を怠け者にします。
渇を入れなきゃならないときでもそれに気付かないで見過ごしてしまうことも。

あぁ、何を言っているんだろう。(苦笑)
若村麻由美と天海祐希の美しさをお伝えしたかったんだけど・・・。

とりあえず参考までにオフィシャルサイトを紹介しておきます。

若村麻由美
天海祐希(研音HPより)


はい。今日は晴れ。(東京地方)



2003年02月08日(土) 人生は危険で一杯とは言うけれど

ケネス・アローはリスクマネジメントの父と言われますが、そのリスクについて
オマル・ハイヤームの詩が引用される時がありますので1文を紹介します。

「あることはみんな天(そら)の書に記されて、人の仕業を書き入れる筆もくた
びれて、さだめは太初(はじめ)からすっかり定まっているのに、何になるかよ、
悲しんだとてつとめたとて!」『ルバイヤート』小川亮作訳 岩波文庫1949より

自分には解釈に苦しむ日本語ではありますが、ひとつの捉え方としては、人間の
運命やその中での行動は全て決まっているので、あれやこれやとあがいても仕方がないんだ、いちいち悩まず前向きに生きよ、ということ。

他の捉え方としては、定まった人生であってもあらかじめ知り得ることはできな
いので、未知の事象に最善の対処をすべく知恵を絞り、手に入る情報を活用する。
リスクは障害ではなく必然性から解放してくれる活力源のひとつである、とも
理解できる。回避するも善し、取り入れてしまうも善し。

人生の考え方でもあり、リスクをどう捉えるかということを教えてくれる文章
でもあると思います。前向きに考えるか後ろ向きに考えるかでかなり解釈は違っ
てくるかとは思いますが、いずれにしても見えない事象、つまりリスクが存在し、
それがどのようなものであるのかを理解できれば、そのリスクに対して逃げるの
ではなく向かっていくことができることを教えていると思います。

オマル・ハイヤームとは、イラン北東部の拠点都市マシャドから西に約80キロ
の地方都市ネイシャブールで生まれ没した。中央アジア発祥のセルジューク朝
(11―12世紀)で重用された教養人(1048―1131年)。

作品について黒柳恒男・東京外国語大学名誉教授の言葉を借りると、
”ルバイヤートは「四行詩集」という意味で、ハイヤームの作品は四行詩の最高
傑作とされる。また、友人にあてた詩形をとり、平易な表現で本音をつづって
いるため親しみやすい。「天国に黒い瞳の天女がいて美酒(うまざけ)も蜜も
あると人は言うこの世で酒と恋人を選んだ我ら何を恐れよう、あの世とてこんな
もの」”

原本は『サマルカンド手稿本』と言われています。

”その詩の内容はと言えば「夜中にひとり外で酒を飲んでたら満月がきれいで
楽しかった」といった感じで、つまり(1)酒が旨かった(2)人生は儚いもので
あるなあ(3)それにしても酒はンマイ、という話ばかりなのである。”
といった受け止め方も一部ではあるようですが・・・。


これを経済活動に当てはめて見ると、経済成長や発展が見込めない場合でもリスク
を取る活動に積極的に携わるようになり、そのような活動に駆り立てられるように
なったのはマーコビッツがクープマンスの線型モデルを応用したことにあると
いいます。つまりポートフォリオのリスク管理(回避)ね。難しいことを言って
いますが、リスクの分散のことです。減らすと考えるか均すと考えるかの違い。

株式投資はリスクが高いと言いますが、国債や公債に比べれば確かに高いです。
個別の銘柄のみで見ればそのリスクの大きさが計れないので、複数の株式を集め
てひとつのポートフォリオを作れば、そのポートフォリオのリスクは個々のリスク
ではなく、ポートフォリオ全体の動きの傾向で決まる。こうやってリスクを取り
ながらリスク回避を行う手法を作り出した。そのポートフォリオの組み合わせ
全体はおおむね市場全体のリターンをなぞるというもの。

定めは決まっているのでしょうが、何もしないで定めに従うか、行動を起こして
結果的に定めになるのか。このあたりは生き方としては大きな違いでしょう。
人が人として生きていることを実感するにはやはり後者でしょうね。だからこそ
経済活動が存在するわけだし、国家が存在するわけだし、自分が存在するわけで。

そういう意味じゃ、安住の地「日本」にいるわれわれはこのリスクの考え方を
知らずに戦後を生きてこれた世界でも数少ない国に生まれ育っているのかもしれ
ません。だからこそ日本の常識は世界の非常識になっているわけで、一部では
「勘違い」世代もはびこっているわけで、常識世代には考えられなくなってきた。

でもこれは考えようで、常識人では打ち破れなくなった時代を打ち破ってくれる
世代が出現したとも言えます。これもある意味「定め」なんでしょうか。リスク
をリスクとしない、あるいはリスクをリスクと考えない時代がやってくるかも。

経済が人間の心理も考慮すべきとしているのは、景気の上下は人間心理に大きく
左右されているからです。そういう意味じゃ、経済を研究する人は人間観察も
しなければならないかもしれませんね。

はい。今日は曇りのち雨。(東京地方)



2003年02月07日(金) マイナス金利での取引

こんな記事がありました。


マイナス金利が“定着”=外銀など一部で連日の取引成立

金融機関同士が短期資金を融通し合うコール市場で、利息を払って資金を借りて
もらう「マイナス金利」が定着してきた。資金の貸し手は外資系銀行で、借り手
も外銀や信用力の高い邦銀など一部に限られるものの、マイナス金利での取引は
初成立した1月24日以降、少額ながらほぼ毎日続いている。 (時事通信)
[2月7日17時4分更新]

こんなレポートもありますので覗いてみて下さい。

さて、1月24日の時はどういうことだったかというと、

”この日は、無担保コール市場で、外資系金融機関が別の外資系銀行に、金利
0・01%を支払って貸し出す取引が成立した。マイナス金利は、邦銀が外資系
銀行に円を貸してドルを借りる取引では恒常化している。邦銀の信用力が低下し、
金利面で損をしてでも外貨を調達する必要が出ているためだ。

今回の場合、外資系銀行は邦銀から円を借りた時のマイナス金利で「利益」を得て
いるため、コール市場で金利を払って貸しても、通算で損失にはならなかった。”

ということです。

円がセロ金利下の国内でじゃぶついていることの象徴です。
東京新聞の解説を見てみましょう。

Q なぜ、お金を払ってまで資金を貸すの?

A 海外の銀行は銀行内の規則で、日本通貨の「円」の保有制限を設けていることが
多い。背景には日本経済が低迷し円の信用が落ちている現実がある。「これ以上、
円を持つと危険」という“自主規制”だ。B銀行は制限を超えるほどの円を持った
ため、仕方なく、マイナス金利でお金を貸したとみられる。

Q でも、損をしてまでお金を貸すとは…。

A それが単純に損を出したわけでもないようだ。マイナス金利でお金を貸した欧州
のB行はそれ以前に、市場の信用を落とし外貨調達に苦しんでいた国内銀行との間で、
かなり有利な条件で円と外貨を交換する取引を成立させたらしい。このもうけはマイ
ナス金利で出た損を大きく上回っており、総合的には利益を上げたとみられている。

Q マイナス金利はまた発生しそうなの。

A 海外銀行の国内支店も、低金利と株安で円を運用する手段を見つけにくい。
これらの外資は邦銀と同様、日銀に「日銀当座預金」を設けるが、ここにも「これ
以上、お金を置いてはダメ」と自主規制しているケースがある。さらに邦銀の信用
ダウンで外資の預金は増加傾向だ。つまり、優良な外資は手持ちの円が余っている。
保有制限を超えた円を持つ外資が、マイナス金利でお金を貸すケースは、また出て
きそうだね。


技術的には難しいと言われたマイナス金利。取引コストや自主規制のために可能と
なった。とはいえ、他の取引で利益が出ていなければできなかったこと。それでも
こんな取引は例外中の例外。通常われわれが目にすることは出来ない。

実際の貸出金利が実質金利になってくれれば、借り手としては苦しまずに済むの
ですが、それでは貸し手に利益が生じない。ただ、デフレ状態では貨幣価値の方が
資産や債券よりも価値が高くなっているのは事実。だから借金せずに返済をする方向
となる。そうなると貨幣は滞留し、経済は収縮する方向へ向かう。これが一方通行
である状態が現在の状態。政府の出番はここにあるんじゃないでしょうか。

死んだ貨幣を生きたものにするには、貨幣が流通しなければならない。
流通するためには貨幣の取引が生じなければならない。健全なお金の流れは、

政府・日銀→市中銀行→企業・個人

こうなることで消費や投資が進むことになる。今はこの流れが逆。消費や投資を
抑えて返済をしているから、いくら金融緩和をしても貨幣がじゃぶつくだけ。その
結果、上記のようなマイナス金利の取引が成立する。一方では資金不足に苦しむ
中小企業や個人は高利で借金をせざるを得ないというアンバランスが起きています。
資金不足というのは収入の減少のことです。ここにメスを入れなければいけない。

デフレ政策のセイフティ-ネットとは、こういうことだと思います。収入を増やす
ための政策です。そのための解決策として政府通貨発行なんですが、なかなかこの
議論が前向きになりませんね。従来の常識を壊してでもやって欲しいんですが・・・。

はい。今日は晴れ。(東京地方)



2003年02月06日(木) 竹中大臣の記事を見ながら「大したことない」問題を考える

竹中平蔵氏が毎日新聞のインタビューに答えた記事があります。
気になったのは2点。

1.日銀にはマネーサプライを増やして欲しい
  
マネーサプライを増やす考えには同意。
しかし通貨供給できる権利を持つのは日銀とともに政府にもある。
それを従来の考えで政府の役割と日銀の役割を割ってしまうのは
日銀の独立性をあまりに考慮しすぎた結果だと言わざるを得ない。
しかもその責任を日銀へ押し付けていると受け取れる発言はまるで
政府の人間(つまり代議士のことね)であるかのよう。これでは
せっかく民間から登用してくれた小泉首相に申し訳ないだろう。
つまり細かい経済理論やら手法を知らない小泉首相に従来の考えを
押しつけることで結果的に小泉首相の目的を達成しないことになる。

2.金融から経済の底割れを起こすことは絶対ない

「絶対」という言葉を使うことに疑問がありますがこれは不問。
担当大臣としては100点の言葉でしょうが、裏を返せば金融面で
ないところで底割れを起こしたとしても自分の責任ではないという
ことを意味しています。金融機関の危機に関する質問への答えです。
つまり金融機関へは手当てするが、一般企業への手当てまでは考え
ていないということ。それじゃあ、片手落ちというもの。株価急落
などで金融危機に陥っているということは、金融機関だけじゃなく
一般企業や個人も危機に陥っているということ。そうなると金融機関
だけを救うという姿勢が批判の的になるのは必至です。当然ながら。
これは上記1の逆で、民間人だから言えることかも。いくら担当だか
らといって産業を無視するということは、その業界からの反感を買い、
選挙の時に不利になりますからね。その姿勢を見られてね。平沼大臣
は、この発言を見てどう思ったんでしょうか。恐らくあまりいい気
にはならなかったんじゃないでしょうか。

竹中フリークからすると彼の発言や主張はまったく正しいものだと
映るでしょうが、冷静に見れば見るほど疑問を感じざるを得ないと
思います。ただ、その提言やら意見には従来にないことをたくさん
盛り込んでくれていますので、官僚に操られてきた従来の大臣には
無い知識やら能力があるのは間違いない事実。専門家だしね。その点
では従来の代議士にはできないこと。だから思いきりやって欲しい。
個々には疑問もあるでしょうが、トータルとして国益になるのであれ
ば、個々の議論に問題があっても「大したことではない」。

小泉首相の言いたいことはそういうことではないでしょうか。
方向性が誤っているのか正しいのか。一国の首相が考えることは、
そういうことでしょう。首相でない人達は与野党を問わず大いに議論
して、より正しい方向に持っていけるようにすればいい。そんだけ。
自分はそう思います。

はい。今日は曇りときどき晴れ。(東京地方)



2003年02月05日(水) あなたは松下派?ソニー派?

多摩地区は雨模様です。
都心では降っていなかった雨も、郊外では降っているという自然の
不思議を感じながらウチへ戻ってまいりました。

この時期の雨は自分にとって恵みの雨。
冬場はずっと乾燥している上に、エアコンで部屋が乾燥しきって
ノドがやられやすい環境にあるので、自然の加湿器とでも言おうか。

それにしても松下は思いきったことをしてきました。
伝統のVHSを捨ててDVDレコーダーに特化すると言います。

松下のVHSと言えばソニーのベータと規格競争をしたビデオの
代表名詞です。結果的にはVHSが圧勝したわけですが、松下は
当初ソニーにVHSの共同開発を持ちかけたと聞いています。しかし
ソニーはそれを断った。独自技術にこだわったからです。
そこで勝った松下がひとつの勝ち製品を捨てたわけですから、これは
企業としては文化を捨てたのと同じ。かなりの企業内葛藤があったと
思われます。

ソニーの特徴は独自技術とブランド力にこだわること。
買いたいと思わせる機能や機構を持つ製品を作り、買いたいと思わ
せるイメージ作りをすることで、ひとつの企業像というものを作り
あげてきました。そのひとつひとつの積み上げが今のソニーを作り
あげてきました。ビデオのような失敗もありますが、多くは成功
したものばかり。裏事情に通じている人であれば知っていること
ですが、内蔵しているものは他者と何ら変わらない、あるいは一部
他社製品と比べると劣るようなものを搭載しているにも関わらず、
買い手はソニーを選ぶ。そう仕向けてきたからです。ここが戦略。

しかも買い手はソニー製品のいいところも悪いところも知っている。
だから納得して買うんです。悪いとかすぐ壊れるとか言いながらも
買っている人が周りにいませんか?

かくいう自分もカセットデッキ(かつてのリファレンス機TC-K
777という高級機)に始まってCDプレーヤーやカーオーディオ
なんかもそう。もちろんプレステⅡも持ってます。ビデオデッキも
以前はソニー製でしたが、ガタが来るのが早くて捨てましたが。
そうそう、PCもバイオノートですからソニー製。
音源は大半がソニー製。唯一例外はテレビがパナソニック製という
こと。そういや高校の頃でかいラジカセを親から買ってもらったなぁ。

自分の場合はソニーが好きだからというわけでなく、結果的に好きな
製品がソニー製であったということなんだけど、ブランドイメージが
心のどこかにあったことは否めません。

ってか、今日は松下のことを書いているつもりがソニーの思い出話に
なってしまいました。(笑) 規格争奪戦はまだまだ続くようです。

はい。今日は曇りところにより一時雨。(東京地方)



2003年02月04日(火) 戦略のないところに戦術はない

ウチの職場は半導体を製造する一部の過程(プロセス)を担う装置を
扱っておりますが、その半導体製造という認識について社内での認識が
まちまちです。というのも、もともとはオールドエコノミーを対象と
する装置を製造・販売している会社ですから、文化として半導体製造
プロセスのことが分かっていない。にもかかわらず、とある米国の
企業と各々50%出資の合弁会社を日本に設立した歴史があります。

しかも、オールドエコノミーが衰退して次の商品を考えなくてはなら
ない頃に、トランジスタを小さくしたチップの製造がテレビ・PC・
携帯・デジタル家電、それからネットワークといったところで応用され、
脚光を浴び出しました。そんな中、オールドエコノミーのニューエコノ
ミーへの転換と称して商品を売り出しました。重厚長大の会社もこんな
ことをやれるという技術力の証として対外的なPRもしました。

しかしながら、それらの商品は半導体製造に関連する装置ではあるん
ですが、いわゆるコアの部分(半導体プロセスとは世間的には前工程と
言われるウェハの化学的処理のことを言います)に直接関わる装置では
なく、ウェハ製造とかチップのパッケージとか、化け学でない世界、
つまり昔ながらのメカニカルな領域で装置の供給を行っています。

ウェハの製造からパッケージングまで全て含めて半導体製造との認識が
社内の大勢を占めていますが、これではターゲットが曖昧で、この会社は
何をしたいのか、何に強いのかが買い手側としてはつかめません。
ということは、装置単独でもし他社が追随できない強力なものを保有して
いるとしても、その前後のプロセスへの理解に乏しければ、次の手が
打てなくなってしまう。買い手からすると、装置メーカとしての実力を
疑うわけです。疑うということは信用が落ちるということ。信用がなけ
れば当然ながら装置は買いません。装置単独で強いなんてことは、この
業界ではありえないことは常識です。半導体製造メーカはそのプロセスに
優劣が掛かっているわけで、装置メーカが後追いでは先行する優位性が
取れません。このあたりが戦略に乏しいということになるわけです。

戦略がなければ当然ながら戦術もないわけで、あなたまかせの受け身の
販売になってしまいます。これは衰退産業の典型です。これを否定して
自分自身を肯定しようとしているから無理がある。このことにウチの会社
の経営者(事業戦略者も含めて)が昔ながらの経営を脱却できない、
つまり自分を否定できない弱さがあるわけです。

自社のことをこの場で批判しても仕方がないので、会社で吠えることに
しますが、定時後にウチの上司と前上司(本社の事業戦略責任者)が
言い合いをしているさまを見てある意味がっかりしたというか。なんで
この時期になって本質的なところで認識が違っているんだろうかと。

ま、そんなこんなでしばらくはいろんな葛藤が起きそうです。

はい。今日は曇り。(東京地方)



2003年02月03日(月) 食い違い

先週の金曜日、人事の担当ちゃんが自分のところへ来て、ウチの職場の
派遣さんが2月末で辞めたいと言っていることを踏まえて、早速その
代わりになる方の準備をしなきゃと、自分が知っている派遣会社の
営業マンを呼んで相談をしたまでは良かったけど、定時前頃に話の
ついでで派遣さんと話をしている中で、2月末で辞めたいって?って
聞いてみたら、何で2月末なんですか?って逆に尋ねられた。

それはキミから言い出したんじゃないの?と言うと、あたしは3月末
までと理解していると。こりゃ、どこかで話が食い違っているようだ。
少なくとも、本人と派遣会社の担当者、あるいはその担当者とウチの
人事の担当ちゃんとの間で話が違ってきている。定時後に担当ちゃん
に電話をして事情を話した。担当ちゃんは当惑している様子。

いずれにしても事実関係だけははっきりしておかないと、派遣さんは
自分が辞めさせたことになる。本人の理解と違う辞め方だとしたら、
イヤな辞め方になってしまう。これはイカン。

こちらの期間の提示の仕方がまずかったのか、単なるコミュニケーション
不足なのか、何らかの意志が働いたのか。派遣会社の担当者を含めて
何でこうなったのかを話し合うことにした。こちらもコロコロ変える
だけの余裕も無いから、そう簡単に辞めてもらっても困るし。

最初の面談の時から3月末をめどにということで本人には伝えていた。
職場に来てもらってからは、期間の変更は伝えていない。会社としての
契約期間をひと月ごとに延長していたという変則的なことにしていた
ことはちと気になることですが。

職場に新しい人を迎えるにもそれなりに準備が必要です。
来ていきなり即戦力なんかありえないことで、少しずつでも会社の
仕組みやら仕事の流れを覚えてもらうしかない。専門的な仕事をやって
もらうわけじゃないから。実務をするにも仕事の流れやらシステムを
まずは覚えないと、いったい自分が何をしているのか、どういう意味が
あるのか分からない。ただ言われたことをやるだけじゃただの下請け。
これじゃモチベーションも上がらない。仕事のやりがいを覚えるには、
自分がどういう立場の仕事をしているのかを理解してもらわなければ
ならないと思っている。やらされている、と思った時点で受け身になる。

派遣さんを雇うにも、1時間あたりの単価は2000円を下りません。
本人の手取りは7割程度でしょうが、会社としての支払を考えると
安いもんではない。もっとも働き具合によっては安上がりになる時も
あるんですけどね。それは採用してみないと分からない。2000円を
下らないのは東京地区の単価ね。大阪だともう少し安いし。

いずれにしても、明日よーく話し合ってみよう。
派遣さん自身がやる気を無くしてしまったら元も子もないから。

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)



2003年02月02日(日) 時にはいろいろと考えることも

週末になると何だかお金を使っているみたい。
遊びに使っているなら以前の自分ですが、コメとか冷凍食品とか
台所用品とかトイレットペーパーとか、ソースとかしょう油とか、
日用品に使うお金が多くなったような。

食事についてはずっと外食かコンビニ弁当だったので意外と食費が
かかってたけど、食べ物ぐらいはと気にもしていませんでしたが、
これが結構な出費になっていた。だからコメ買って炊飯にかけて
おかずは冷凍食品で、あるいは週末に限ってはスーパーで惣菜を
買ってそれをおかずにしたり。

お金を使っているようで、実は以前よりも出費が減っている。
日頃から少ないお金を小刻みに使う方が積み上げると多くのお金を
使っていることになるのを気にもしていなかった。それだけのお金を
使っていたということ。だから週末になるとお金がなくなるとはいえ、
ひと月に使っているお金は以前よりも少なくなっていると思う。

飲みに行ったり遊びに行っていると、そこで使った分だけ借金か
貯金の取り崩しのなるので、小遣いと言える小遣いはありません。
とはいえ、全く行かないわけにもいかないので、その分はちょこ
ちょこ取り崩している。だから貯蓄の残高は明らかに減少の一途。

やっぱり収入の減少は痛いです。
年収で言うと大体100万円だからね。削減額。
会社の独身寮から独り住まいに変わったことも大きいです。
だから独身貴族なんて周りから言われても、自分としては使えるお金が
少ないからピンとこない。寮生活の時には偉そうに酒を飲みに行って
いたのにね。収入が減ることと支出が増えることが一度に訪れました
から、そういう意味じゃ、ひと月の給料じゃ全く回らないお金の使い
方をしていたと思う。貯蓄が激減したことからそう言えると思う。

独りもんでありながらも独身貴族の時代は過ぎました。
でも時には無茶したい。あるいはハメを外したい。そう思っていること
自身、独りでいることが楽しい時代が過ぎたのかなと思わせる。

いやぁ、マジメに考えてはいるんですけどね。
誰かに言われるまでもなく。

ときたま時間がある時に寂しいと感じるようになったのは年のせいです
かねぇ。ゆっくりとした時間があり過ぎると普段は考えもしないことを
考えてしまいますから。自分を見つめるにはいいかもしれませんが、
それがある程度を過ぎると神経質になってきたりもします。

来週はちょっと遠出のドライブにでも行こうかね。

はい。今日は曇り。(東京地方)



2003年02月01日(土) 仕組み作り

まだまだ小泉首相の「大したことない」発言問題が取り上げられて
います。31日の姿勢方針演説に対する多くの論調は公約の修正が
多すぎる、守られなくなったというもの。裏を返せば公約とその
実行をきちんと見ているということ。

しかしながら、多くの人が批判をしながらも、永田町が首相降任に
動かないのはなんでだろう?そりゃ抵抗勢力を自民党内で演じて
いれば、自民党は改革しているんだろうと思わせるからです。

全てがひとつになってしまうと、周りから攻撃をされるばかりの
勢力になってしまうから(政権党だからね)、自党内で敵味方を
作ることによってバランスをとっているんです。これが党の思惑。

首相は党の総裁でありながら党から批判を浴びる存在であることは
実は党にとっては都合のいいこと。オレは正しいと主張でくるから。
もちろん抵抗勢力側がね。首相にあれこれ言いながらも重宝している
はず。小泉首相のように態度がはっきりしている人をね。

自分の身内やら手の届く(声の掛かっている)官僚やらをうまく
取りまとめるのがかつての首相であり、求められる首相だとすれば、
小泉首相はそんなことは関係ないと思っている人。だから従来の
姿勢を堅持したい人にとっては迷惑な存在でしょう。

日本の経済状態が思わしくないのは、経済運営がまずかったことだけ
じゃなくて、政治の仕組み、社会の運営の仕組みに潜む欠陥が露呈
してきたことだと思います。だから小泉首相が登場した。だから
デフレ対策やら不良債権処理やら拉致問題の解決というのは、彼に
とっては二の次の問題でしょう。もちろん彼のことですからひとつと
して蔑ろにするはずがない。ないんですが、彼のモチベーションと
しては日本の仕組みを壊すことにあるんだから、その他については
「彼にとっては」大したことがない問題。言葉にすることが問題で
あるのは彼にも良く分かっていたでしょうが、本音として出たんで
しょうね。それを批判したところで彼の姿勢は変わらないでしょう。
それはそれでいい。

ただどうも不満なのは、小泉首相にということより、抵抗勢力の
勢いが無いこと。というよりも、責めたてることがなくなってきた
からかな。だいぶん首相の角が取れてきたしね。とはいえ、長野県
の公務員給与カットのに見られるように、歳出の削減に努力する
自治体が以前は考えられなかったことをやれる雰囲気にはなって
きましたね。これが国政に生かされればもっといいんですが。

歳出減はデフレ政策ですが、それを実行することで本当に厳しい
状況なんだということを認識してもらう。その効果の方が大きい。
厳しくなったから(つまり収入が減ったから)その分だけ仕事も
しないと考えるか、厳しい状況だからこそ余計にがんばらなければ
いけないと考えるか。その違いは大きい。

前者は公務員の考え方。がんばらなくても収入は変わらないからね。
民間はそうはいきません。がんばって成果を出しても収入の確保が
難しい状況だから、がんばるだけでなく結果を出すことに注力する。
そうでなければ収入は減る一方だからね。

誰でもそうでしょうが、生活レベルは収入に見合ったところで落ち
つきます。見合わない贅沢をすれば借金をすることになり、それを
返済するためにもっと働かなければならなくなる。これは辛い。

こういった状況を経済学者は答えを出しているようで出していません。
というのも意見が分かれるからです。というのも、経済は市場に任せ
るべきという思想と、国が介入すべきという思想があるからです。
これは経済学の領域ではなくて、社会学あるいは哲学の領域なんで
すが、経済学の思想の基盤はここにあります。

国の運営は国がやっているんですから、市場だけでは国の経済が成り
立つわけがありませんから、国の介入は必然です。だからこそ経済学
という学問があり、その起源は政治経済学という政治と切り離せない
学問だったのです。国の介入に対するアンチテーゼとして市場という
ことを考えたと思います。国が全て正しいんじゃないとね。

でも正しいとかそうじゃないとかでなく、そのスピードを求めると
市場ではあまりに遅くて、しかもコントロールの出来なくなって
しまいます。コントロールできないということは、軌道修正をする
役割が誰にも出来ないということです。市場の失敗というように、
市場も万全じゃない。どちらも必ずしも正しくないと言うのなら、
責任所在がはっきりしている国にそのコントロールの役割を担わせる
必要があるわけで、それをチェックするのが国民であるという分担を
明確にすればいい。政治家がダメなら国民が、官僚がダメなら政治家
が落選あるいは更迭すればいい。その分担が明確でないのが今の日本。

小泉首相の切り口は政治家の立場を明確にすること。
つまり官僚をコントロールできるようにすること。このあたりは
中曽根元首相の考えることと同じ。だから中曽根氏は小泉首相を応援
している。政治家の有るべき姿を実現しようとしている。これについ
てはマスコミではあまり取り上げていない。これこそが構造改革です。

政治家は政治の理想を追い求めて、その実現をするために生きている
人種だとすれば、小泉首相はそのひとり。今のポジションにあぐらを
かいている人は政治家の名を語っている政策家。人を動かしたいだけ。

そんなちっぽけなことをやっている人に比べれば小泉首相はまっとう
な道を歩んでいる人。公約が守れなかったからといって、それだけ
をもって彼を批判するのはいかがなもんかと思う。実行していかな
きゃならないことは星の数ほどある。状況は常に変化する。だから
決めた時点と状況が変われば、当然かえなきゃならない約束事もある。

それを政治家として決めたことだからどんな状況になっても守らなけ
ればならないというのは政治家の抗弁であって、国民のためではない。
国政やら自治体に関与している政治家や役人は国民やら県民から給料
をもらっているわけだから、その人たちのために貢献することが彼ら
の義務です。そのことを忘れてしまっていけない。税金は献金じゃ
ない。それが分からないヤツは辞めてくれ。

公務員に対しては国民が辞めさせる方法が無いから政治家にその権利
を、つまりあるべき姿を持たせることを考えているのが小泉首相。
それが構造改革。だと理解している。構造改革って公務員改革だ。
それを第一義に考えている小泉首相に1票。

仕組み作りはどこの社会でも難しいです。

はい。今日は晴れときどき曇り。(東京地方)


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