魔法
2002年02月28日(木) さよならを打ち鳴らす鐘 13回鳴った 僕は数えた 12回目のとき 涙が出てきた さよならの魔法を使いましょう 君は正装に身を包み 少し化粧をして飛び出してゆく さよなら 僕の最後の魔法なんだ 出発点 2002年02月27日(水) 夢の先まで 飛んでゆこうか 何色の世界が広がるのか 君の隠した その真っ白な布は 今から何が描かれるのか 僕は言う さよなら さよなら さよなら 君らの道を僕は見守っています さようなら さようなら さようなら 僕は現実にしがみついているのです 鳥篭 2002年02月26日(火) 鳥は空に 恋焦がれるんです だから 空へと飛び立つのです だから その篭から 放してやらなきゃいけないのです 人間は人間に 恋焦がれるんです だから 人に縋りつき 頼り 追いかけ そうしようとするんです だけど 理性が働いて 何処にも動けないのです 自分で檻を閉めているのです 悪魔の虜 2002年02月25日(月) 君にはわかるのだろうか 君に囚われた 僕の心 君のウワベはとても美しいよ? その笑顔も その仕草も その後姿も すべてが儚げで すべて美しいよ? 僕は見たんだ 君の黒さを 真っ白な部分に隠された それはとても血生臭かった 悪魔を見た それでも 僕は君に囚われていた 夕凪 2002年02月21日(木) あなたがまた 泣くというのならば 僕はこの胸を お貸し致しましょう 僕の想像は 僕の妄想は 儚くて 嘘っぱちで 現実味がなくて 絶対 起こらないことばかりで 真っ直ぐ前を見て 夕日が映えるその目 海が凪いだあとのように 流れるその黒髪 僕は見る 僕は強くなれない 実直素直なその瞳に 2002年02月20日(水) なんか知らんけど 気持ちが突然変わるときもあるっしょ まあ それはいいんじゃないかね 変わらない気持ちに 自信があんのかね そんなもの この世に存在すんのかね 今日も 明日も 明後日も 明々後日も その次の日も 僕を思うと そう言うのかね わからんわからんわからん 僕にはわからんぜよ 君のその真っ直ぐな瞳に 負けるぜ 伝達器 2002年02月19日(火) 伝えられないことは 山ほどあるんだ 僕のお腹の中に たまってんだ だけど 言えないんだ それは君の 傷や 命や 過去を 攻撃してしまうのだ だから 僕は鬱病さ 僕の心にいつまでたっても 粉薬が残ってる 片思い 2002年02月17日(日) どうもありがとう の意味も 愛してる の意味も 何もわからなかった ただ 誰かに頼ってはいけないと わかった 誰かに頼れないことだけは わかった 切実に切実に 誰かを求めたって 私の元には来ないことが わかりきっていた あの子の好きは それだけなんですね 私の好きなんて 相手にされないんですね 甘い日 2002年02月14日(木) 何もわからないけれど バイバイしましょ 今のままじゃいられないから 何も変わらないけれど バイバイしましょ 私がこのままだとつらいの わかるでしょ? 知ってるでしょ? 私のすべてを 理解してたでしょ? 独りよがりだって言わないで あの人が死んだ日に 貴方の愛に気付いたんです 偉業を成し遂げた女たち 2002年02月13日(水) この世界に生きるなら 知らないことが たくさんあったって いいじゃないか すべてを知ることは 怖くないか? 何も知らないのは 愚かではないか? この世界は狭いのよ そう言う貴方に 叫んでやりたい この僕の小ささを 彼女の偉大さを 盲目恋人 2002年02月12日(火) 毎朝小鳥の歌を聴くの 緑の木々の匂いを嗅ぐの 花の蜜を嘗めるの 貴方の頬を触るの だけど 何も見えないの 何も感じないの 何も答えてくれないの 真っ暗なの 貴方よ ここに来て 神頼み 2002年02月10日(日) 裸足で歩く 外はドシャブリの雨 そして君は言う 気持ちいいね と 君は泣いている 雨で隠そうとしている だけど私にはわかる その理由も その痛みも どうか神様 彼を助けて こういうときだけの神頼み 神様なんていないのに 帰り道 2002年02月09日(土) どうして走るのか? お前は此処まで来れるか? 無理だね お前は 心臓も鳴っている 息もしている こんなにも 心臓が鳴っている 息も切らしている だけど無駄だね お前は もう帰れないな いいんだ それでいいんだ 傷付けてくれ 2002年02月04日(月) 苦し紛れの 作り笑いも 引き攣った 過ちが膨大 何も変わらんぜよ 笑っても仕方ない 傷付けてくれ 傷付けてくれ 傷付けてくれ ぶん殴ってくれ お願いだから 泣かせてくれ ヒトゲノム 2002年02月01日(金) この単細胞動物め 幸せになれるのは 僕らだけだ [そういうやつらは死滅する] |