消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1907年11月30日(土)

つまらない日だ
知らぬ間に雨が降り始め
知らぬ間に昼も過ぎ
ただ肌寒く薄暗い日
返事もまだ来ない


1907年11月29日(金)

チガヤの穂を見ているのは
ほんとうに気持ちいい
一斉に揺れるけれど
風が過ぎるとどれもぴんと立っている
それぞれ背筋を伸ばして頭の先まで真っ直ぐだ
垂れずに立っている


1907年11月28日(木)

秋の夕暮れは早い
帰り道 夕日の見えていた場所は
もう夜の景色になり始めていた
風は夜の冷たさだ
少し哀しく 
でも落ち着く季節になる


1907年11月27日(水)

悠久なのですね
悠然なのですね
悠々なのですね


1907年11月26日(火)

素敵なひと 
輝いてるひと
そういう言葉に憧れたときがある

今は あたたかなひと
その言葉が好き

男女関係なく
年齢に関係なく
国籍や言葉に関係なく

こころの中のこと


1907年11月25日(月)

神社のそばの小さな畑の残るところで
道脇の叢に白っぽい花穂をひとつ見つけた
ふわりとして 一瞬 何かなと惑わせた
そこに似つかわしくなかったから
野花っぽくなくて

手折ってみたら薄荷のような香り
葉をちぎってもそう

捨てちゃった

指先に薄荷の香りが残った

ミントの仲間とわかったけれど
何ミントだろうね、あんな所に
どこから種がこぼれたのだろうね
一株だけみたいだった
捨てられた土にあったのかね


1907年11月24日(日)

このルートが好き
去年の今頃も よく通った
信号は少ない 飛ばしたくなる
土手沿いに緩やかなカーブが続く
チガヤがいっせいに穂を立てていた
川の水はやや増していて
先の山並みは稜線をしっかり見せた
気持ちいい季節

帰路 Uターンになるところで
夕焼けに稜線が金色に輝くのを見た
涙が出そうだった
うれしかった
このルートが好きだ
この時期でよかったと思う


1907年11月23日(土)

おおいに迷えばいいのです
ひとの言葉に踊らされても
踊りながら自分の足元を確かめればいいのです
自分の感性で決めてください
ひとの言葉はひとの感性
刺激にすぎない 起爆剤でしかない
燃やし続けるのは あなたのエネルギー


1907年11月22日(金)

ねむの木がすくすくと大きくなっている
やわらかに枝葉をのばしている
ひと夏にどこまで伸びるのだろう
山のねむの木はすぐに密林のようになるのだろうか
花も葉もふわふわと風にゆれている
優しい気持ちになる姿です


1907年11月21日(木)

男の子が生まれたら
お嫁さんはデカシタと賞賛される
そういう大変な家って
今でもたくさんあるんだね
今の時代だから大変なのかもしれない
継ぐのは男だけというような仕事の世界もあるし

この国のそういう気持ちは 
そうかわるものではないけれど
ずっと変わらずにきた世界というものも
何かがかわるといいと思う
もっとひろいものへ


1907年11月20日(水)

精根込めて3枚書きました
あなたの好奇心と熱意と努力が
いつか実を結びますように
応援します
頑張ってください
ただ 疲れすぎないように


1907年11月19日(火)

夕風の足音は潮騒に消えて
空は白く虚ろ

満月の夜に開くという南国果実の花は
月が欠けるのを見た


1907年11月18日(月)

やっと出口が見えた
最大限がんばって此処まで来たから
振り返らないし 戻らない
自分に胸を張ります

残りはあと少し
キリが見えている
何をすべきかが分かっている
先のイメージのある作業は楽だ

本来の自分の仕事を優先できるのは
なんと楽しみなことだろう
今まで特に思っていなかったけれど
新鮮な気持ち

汗いっぱいかいたけれど
秋のはじまりをあまり気づけなかったけれど
それでも  よかったよ
がんばった自分の成果が残ることは

嘘のように頭痛がひいた


1907年11月17日(日)

言葉との出会いは一度きりでしょうか
好きな言葉なら 
気持ちにふれた言葉なら
何度も心に繰り返す
見つけた言葉は何度も読み返す

たとえ時が経っていても蘇るものがあるから
こころのどこにしまったか覚えているでしょう?

記した言葉が落ち着かぬとき
いつかぴったりの言葉を得たなら手を入れるでしょう?
それが普通でしょう?
書きっ放しって わからない


1907年11月16日(土)

集中力と根気のいる精神作業なのだから
疲れたまま成り行きに任せて突破してはいけない
結果に後悔を残さぬために
止まるという勇気が必要です
止まっている勇気が必要です

休んで 
気を高めて
それからまた進めばいい


1907年11月15日(金)

久々に
朝から誰もいない
わたしだけ

がらんとして静か
気持ちが軽いような
力が湧かないような
少し新鮮
少し落胆


1907年11月14日(木)

雷がおちるとキノコが出る と
聞いたことがある

こんなに雷が多いと
どこかしらに変なきのこが
異常発生してるかもしれない

見てみたい気がする


1907年11月13日(水)

妙にもったいつけた
もって回った言葉遣いがきらいです
それがあなたの特技だけれど
少し飽きています
鎧のように感じています


1907年11月12日(火)

本当に疲れた日
雨が降る
それは慈雨
それは賜雨
それは天雨
蘇る草木を見る


1907年11月11日(月)

おめでたいことだけれど
とにかくよろしいことだけれど
安堵とともに少し複雑で微妙
コウノトリの気まぐれってあるのでしょうか
運ぶ家を間違ったりしないでしょうか
それとも真実 意味ある神のお使いなのでしょうか

キミは日本代表になるんだよ
存在感のある賢者であってほしい
学問を愛し スポーツを愛し 芸術を愛し
そして ひとを愛する
おだやかで広いこころを育ててください

そして女の子は
自分の存在をそのまますべて喜べる子どもに
育てられてほしい
そしていつか
そのことをわが子に伝える母となってほしい


1907年11月10日(日)

打算のある人はきらいだ
ケチな人もきらいだ

一見どんなに成功している人でも
本人がどんなに自分を自慢に思っていても
それはきっと いつか自分にかえると思う

心こめてもてなすという気持ちは
物やお金とは違う

勝ち組と名乗るための打算や
自分の取り分ばかり気にして
損得ばかり勘定している人には
わからないでしょう


1907年11月09日(土)

晴れ晴れと気持ちよく生きたいから
だから
努力する
いい加減にはしない
いやなことでもがんばろうと思う

成功したいとか
そういうことではなく
力を出し切れば晴れ晴れする
泣くのを我慢はしない

生き方の正統が
しみじみとしあわせを感じると思うから


1907年11月08日(金)

中だるみという気持ちではないけれど
ファイティングポーズをとれないでいる
いやだなという気持ちが出てきて
億劫というのでなく 怖さが出てきて
慎重というか ペースダウンしている


1907年11月07日(木)

そのひとは変なひと
アヤシイ
人格をたくさんもっているのかも
色をたくさんもっているのかも
ふつうのひとの5倍くらい
なのに 
ひとにどう見られるかすごく気にしている
自分本位でゆくと言いながら


1907年11月06日(水)

あの尻尾は どこへいったのだろう
ふさふさと真っ白の

小気味良く向きを変えてジャンプする
あの機敏な尻尾

影を見かけたら教えてください


1907年11月05日(火)

小さなスペースでいい
心ゆくまで美しい清潔な空間
眼を閉じて何もかも忘れ
心が透明にひろがるところ
ゆったり空気を感じるところ
そんな浴室がいい


1907年11月04日(月)

違う世界を広げだして
ふりかえらなくなったね
だからもう
声をかけるのはやめる
離れてゆく後ろ姿に
声を嗄らすのは嫌だ
開けっ放しの白い柵
塗り直さないんだね
もう待つのはやめようと思う


1907年11月03日(日)

早く仕上げようと思ってはいけない
急いてはいけない
急いではいけない
焦ってはいけない
出来の悪いものになる
よいものを心がけよ


1907年11月02日(土)

そのおみくじを欲しかったのに
結局 手に入りませんでした
絵馬をもらいました


1907年11月01日(金)

コツコツと同じ作業を続けている
嫌いではないけれど
好きでしているわけではない
他にしたいこと残しているのに
先が見えなくて疲れてしまう
休憩して犬を撫でている
おまえはいいね
やわらかであたたかい
ひとを元気にする

窓のすぐそばで
ツクツクボウシが高らかに鳴き出した
よく通る声です
一匹だけいるみたいで
朝から場所を変えては鳴いてみている
このあたり 他には居なさそう
仲間を探すなら 
どこか よそへ行けば?




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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