消えてゆく小さなこと


消 え て ゆ く 小 さ な こ と

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1907年10月31日(木)

バカモノ バカモノ オオバカモノ
ウチョウテンナ ヒトハ キライダ
ソレヲ オシコロシテ ヘイゼントスルヒトハ
モット キライダ
ハシャグヒトハ キライダケレド
ウレシソウニシテイルノハ イイカンジ


1907年10月30日(水)

踏ん切りをつけようと思って切りました
でも何をどう踏ん切るのか
はっきりしない
決められないでいる

わかっているのは
切ると断つと絶つとが
同義だということ


1907年10月29日(火)

つめたくてかたい
ゆらぎのない文を書く人だ
きちんとしているけれど
歓びのない文を書く人だ
哀しくなるメールをくれる人だ

気持ちが沈む
重苦しい気持ちになる


1907年10月28日(月)

とりあえず 
という場をつくるから
ものごとが片付かないのだ


1907年10月27日(日)

光が透明になってきた

カーテンやカバーを洗った
窓も鏡もふいた
タイルも陶器も磨いた
汚れはがしに傾倒する

秋の始まりが好き


1907年10月26日(土)

秋が漂う
なにもかも静かに動く
考えることなく汗した昨日と違い
立ち止まっては想う

何からすればよいか
何が大切か
何を尊ぶか

秋の空気は
生き方のベースをひとに問う


1907年10月25日(金)

なんとのんびりぼんやり
お風呂に入っていたのだろう
気づけば まったく時計を見なかった
いつもなら何度か時計を見るのに
部屋に戻るまで時間のこと忘れてた

久しぶりにのんびりした気がする
頭の疲れが消えた気がする

外は激しく雨の音がしていた


1907年10月24日(木)

わたしなら
花屋の店先でキミに贈る花を選ぶより

花野の真ん中へ
花の咲きこぼれる樹の下へ
キミを連れてゆくよ
さわさわと歌い続ける花全部
キミにあげるよ

だから
花屋の花はいらない


1907年10月23日(水)

独断で独走するから
止まり方を知らない
休む場所を知らない

不安なら
もっとひとを頼ればいい
尋ねればいいのに

スピードを気にするばかりに
気づかず進む

ほら そのやり方ではダメなんだよ
結局やり直すことになるんだよ


1907年10月22日(火)

誰もいなくて
読むものもなくて
窓をあけても
何も見えない曇り空
つまらない夜
ひとり眠れない

明日も一人で山ほどの作業
だから夜をぼんやり過ごす
疲れを先にほぐしておく


1907年10月21日(月)

そういえば最近 新しい地図帳を買ってない
テンションが下がっているのかも

地図を見るのがすき
知らない地名を聞くと すぐ探したくなる
市内地図も 道路マップも
全国地図も 世界地図も
時々最新版に買い換える

私は鳥系
空から地図を見る
ナビはいらない
道を間違っても
行き過ぎても戻っても
右折しても左折しても
空から自分の場所が見える
だから迷わない
だから平気

新しい地図はわくわくする
買ってこよう


1907年10月20日(日)

どこへ出かけても
みな淡々と自分の生活をこなして
何の変わり映えもない

日々暮らすって
こういうことかな

どこかへ脱出なんて
有り得ないことだ

気持ちはいつも
天窓から羽ばたく

星ふる風もいいものだ
夜が黒いのはいいことだ


1907年10月19日(土)

取り敢えずの捨て石を置くこともひとつの手段
そう思えるのも大切だ

無駄なく最短に完璧に
そんなことを理想としてはだめなんだ

試行錯誤も含めてもっとロスして
二段三段構えでそれでも崩れて
そういうやり方でもよし

だから時間や日にちのかかることを
気にしてはだめなんだ


人生すごく長いんだ


1907年10月18日(金)

わたしはばかなおしゃべりだ
かるぐちにわるぐちをいってしまった
そのひとをきらいではないのに
わるぎもなかったけれど
しょうじきなきもちだけれど
きこえたかもしれないばしょで
ほんとうにかるはずみなばかになった
けいそつななさけないにんげんに


1907年10月17日(木)

苦い思いをしたことの方がよく思い出される
本当は忘れてしまいたいことなのに
思い出したくないことなのに
忘れてしまえたほうが楽なのに
二度とおこさないようにという
教訓めいた気持ちからなのか
でもね
一度の苦さをいつまでも憶えているのと
何度の苦さもその都度けろりと忘れるのと
どちらが幸せなんだろう


1907年10月16日(水)

貴女が強すぎて
ひとりですべてを抱え込むから
じっと秘密に閉じておけるから
だから
だから辛い目にあうのだと思う
ほかのひとなら 
とっくに諦めているでしょうに
何もかも口外して暴露しているでしょうに

貴女が強いばかりに
絶え間なく渦がまく


1907年10月15日(火)

ふたり 根くらべだろうか
意地の張り合いだろうか
私のひとり相撲だろうか
いつまで続くのだろう
あなたが気づくまで


1907年10月14日(月)

封印されてゆくグリーン
琥珀色の呪詛


1907年10月13日(日)

私が動かなければ
誰も動かない

結局そういうことなんだ
私を思ってくれるわけじゃない
私が動けば動くだけ

過去も未来もなく
イマ動く私だけを気にしてる


1907年10月12日(土)

雨は天の恵み
わたしへご褒美
そう思ったけれど
それは試練だった
でもやりおおせたよ


1907年10月11日(金)

キリのつかない仕事
やっと遠くにトンネルの出口が見えたような
けれど 作業はより増えて 
ちっとも進んでないような
出口の光は小さいまま


1907年10月10日(木)

プラネタリウムのようにすべての星があり 
見たことのないほどの満点の星があり
はっきりとミルキーウェイが横たわり
そして初めて見る形の星座
宇宙ステーションが輝きながら進む
大きなトレーラートラックがゆっくりと音もなく
銀河鉄道のように静かに追いかけのぼってゆく
何かの映画のように広大なドラマ


1907年10月09日(水)

きっと
けろっとして 
後ろめたさもなく
涼しい顔して
丁寧なコトバを並べるんだ キミは

わたしはもう忘れようと思う


1907年10月08日(火)

たどたどしくやってます
細々とやってます
修復だの ぶっ壊しだの

逃げ出した人は勝手に遊んでろ
構ってられないよ
終わらせないと自分のことをできないよ
時間を倍ほしい

清々しい水風景を夢見る


1907年10月07日(月)

補修や、やり直し作業を 延々としている
知恵を絞って 
ひらめきと勘で
イメージ力と判断力
細かいことを器用に丁寧に
根気強く粘り強く投げ出さないで
仕上がりの良さを支えに

そういうのって
嫌いな作業では ありません
私がするのは筋違いと思うけれど
黙って黙々とやります

自分の仕事がストップしたまま
それが嫌だけれど
作業自体は楽しんでやります
でなきゃ やってられない

だから結局いつも
私がする羽目になる


1907年10月06日(日)

貴方が自分ですればいい
貴方がまいた種
コトの始まりは貴方の怠惰
メンドウだから手っ取り早く誤魔化した
それが原因なんだから

自分で刈り取ってよ
汗を流して きちんとやり直してほしい

なんでいつも私ばかりが
やり直し役になるんだか


1907年10月05日(土)

お墓参りに行ったとき
本堂の建て替えがやっと終わって
線香でくすんだような空間は
まばゆいキンキラになっていた

違和感がある

得体の知れない薄暗さと匂いは
奥深く神秘と畏敬だったのに

溜まっていた膨大な時間は消えて
新しい何かつるつるしたものにかわった

まったく別の宗教会館のように感じた
ビジネスなんだなと思った


1907年10月04日(金)

見捨てられた という言葉を聞くけれど
置き去りにされた という言葉は
大人はあまり言わない(自分について)

でも精神的に取り残されるカンカクは
どちらかといえば それに近い気がする

見捨てるというとき
最後の一言を残している気がするけれど
置き去りは それすらない


1907年10月03日(木)

知らないことがたくさんあります
知りたいことがたくさんあります

月下美人の花を見たことがない
どんなよい香りなのか知りたいけれど
うちにはない

夜ゆっくり開くのだから
誰かに招かれないといけない

早朝の蓮の花の鑑賞会というのはニュースで聞くけれど
月下美人に呼ばれてみたい


1907年10月02日(水)

どこにも貴方の姿はなく
でもどこかで汗しているのでしょう

あなたは無口になった
他人のことをもはや気にかけなくなった
そうなることを願っていたから
苦しみはないのでしょう

ひとのことを気にかける必要がなくなって
黙り込んで小躍りしているでしょう

イマハ ラク デスカ?
ダレニモ カカワラナイ イマハ。


1907年10月01日(火)

秋の空だ
天窓をあけて
ふと旅に出る
異次元へ

人それぞれの色の
言葉をくぐりぬけながら

見知らぬ鳥の声を聞いたのだが
新しい街へは辿り着けなかった

濃い色をした木々の葉は
しっかりとざわついていた
風は少し潮の香がした
坂はゆるやかにいつまでも上り
私は疲れて途中で道を折れた

その径を辿ることは
もうないだろう




天窓より          


−ともすれば消えそうになる自分を見失わぬよう−       

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− ささやかに −          

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日付は通し番号として記しています         


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