空中楼閣

2004年07月27日(火) 消えない殺意。 食い込んだ爪。

 
ひょんな事から、顔を見せる殺意。
 
吐き気に似た激情に耐える為、腕に爪を立てる。
左手首も右手の指も、双方蒼白。
鈍りきった筋肉がガタガタと震え出しても。
力を更に込め続ける。
 
引っ掻かなくても、血は出る事を知った。
爪を食い込ませるだけで、血が出ると知った。
 
 
次の日。
 
爪の圧力だけで裂けて血を滴らせた腕は蚯蚓腫れ。
三本の爪の形のまま。
舌を這わせるとピリリと痛みが走る。
 
この痕の事には、どうか触れないで欲しい。
 



2004年07月26日(月) 雨の音、風の音、雷の音。

 
アメノオト。
大気を全て埋め尽くすような。
激しい、激しい。
 
カゼノオト。
雨すらも狂い乱すような。
激しい、激しい。
 
イカヅチノオト。
風を容赦無く斬り殺すような。
激しい、激しい。
 
 
光を遮断された世界で。
空を駆け巡る、その輪舞曲は。
震えるほど美しくて。
震えるほど恐ろしくて。
 
僕は、何も掴めない腕を伸ばすだけ。
ガラスの窓に阻まれても。
人工灯に目隠しされても。
 
 
高鳴る胸を抑えきれない僕は。
薄気味悪く歌いだす。
何故だか君も上機嫌だけど。
 
笑おう、歌おう、踊ろう。
猛る獣は眠らない。
笑おう、歌おう、踊ろう。
理由なんて今は必要無いだろう?
 
 
僕が君に伝えた理由は半分。
真実を蓄え続けた理由がもう半分。
そっちは教えてあげない。
爪が剥がれるまで脳味噌掻き毟ってごらん。
そしたらさ、ホラ少しくらいは。
夢に見れると思うから。



2004年07月05日(月) 殺意と恐怖

 
もう殺意すら抱けない
恐怖にも似た思いは
巡り廻り 私に還る
 
トラウマと呼ぶには程遠く
過去に流すにも色濃過ぎる
 
囚われたくないのに
捕われて 囚われて
身動きできずに笑うだけ
 



2004年07月03日(土) 眠り。

 
例え体が眠りを欲しても
意識が邪魔をしてしまう。
戸惑いを隠せない。
これほどとは、正直思わなかった。
このままで保つ筈もない。
どちらが先なんだろうか。
 
体と、精神と。
 



2004年07月01日(木) 心より欲するもの

 
あの人に再び会った時 冷静でいられる理性を
あの過ちを許せる 凪のような心を
忌まわしい過去を忘れてしまえる 狂った頭を
 
罪すらも抱きしめる優しさを
 


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亨 [MAIL]

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