17番の日記...17番

 

 

法政対関東学院 - 2003年11月22日(土)

関東大学ラグビーリーグ戦、法政対関東学院の試合を観てきた。互いに全勝でこの最終戦を迎え、リーグ優勝をかけたこの試合。去年、法政はこの試合で3点差で負けており、雪辱に燃えていた。

関東学院はジャパンからキャプテン山村が戻ってきて、チーム力が向上。ほぼ、ベストメンバーで法政の前に立ちはだかる。一方、法政は怪我から主力の磯岡が復帰。しかしレギュラーの数人が怪我で欠場し、ベストメンバーとは言えない。法政にとっては苦しい戦いが予想された。

戦前の予想通り、関東学院が試合を有利に進める。とにかく関東学院はFWの力が圧倒的に強力。チーム全体でも平均体重が100キロを超え、スクラムでも法政を圧倒。法政も左サイドから突破をはかり、攻撃をしかける。しかし、ゴール前で得たPGを金澤がミスするなど詰めが甘く、いまいち波に乗れない。逆に関東学院は確実にチャンスをものにし、得点を重ねる。前半で勝負は見えてしまった。

後半も関東学院の勢いは止まらない。山村の馬力は脅威の一言。中学時代に相撲に取り組み、九重部屋からスカウトされたというエピソードは有名だが、近くで見た山村の身体は鉄の鎧を身にまとっているかのような強靭さを感じる。タックルに関してはまず、法政の選手に負けている場面はなかった。

法政も終盤で意地を見せる。FBの小吹が見せたセンターライン付近からの華麗なステップは観客の視線を釘付けにした。佐藤崇幸の執念のトライ。法政二高時代、佐藤はキャプテンとしてチームを引っ張り、神奈川代表として花園に出場。そして大学でも今年キャプテンとしてチームをまとめる。今日負ければ、4年生にとってはリーグ戦で入学以来一度も関東学院に勝てずに終わってしまうことになる。負けたくない気持ちは関東学院を上回っていたかもしれないが、しかし、実力では明らかに関東学院が上だった。

結局62−26で関東学院が勝利を収めた。法政の課題はこういった大一番こそ、ミスは絶対に許されないということを認識することだろう。ラグビーでミスをしない試合なんて有り得ないが、僕の言っているのは、相手の得点に直結するようなミスは絶対に避けるべきだということ。自陣ゴール前で、右サイドから中央にパスをした時に相手に簡単にカットされ、そのままフリーでトライされた場面があった。優勝を決める試合では絶対にしてはいけないミスをしていた。観客も緊迫した、リーグ戦優勝決定戦にふさわしい好試合を期待しているわけである。法政には身長151cmのSH穂坂のようなタレント性を持った高クオリティプレーヤーがいるだけに、チーム力としては関東学院に匹敵するだけの潜在能力を秘めているはずである。

大学選手権でのオレンジ旋風に期待したい。


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岡本篤志、プロへ - 2003年11月19日(水)

プロ志望選手にとっての運命の日の今日、ドラフト会議が行われた。

六大学では早大から4人、明大からも4人、法大から1人の計9人が指名を受けた。その中に、僕が応援している選手の一人、岡本篤志の名前があった。

西武からの6位指名。以前から西武が興味を示しているという記事を読んでいたので、予想通りではあった。しかし、素直に嬉しかった。

欲を言ってしまえば、中日に行ってほしかった。明大から中日というお得意ルートを考えれば、現実的に十分に可能だと思っていたが、最後まで「岡本が中日へ」という情報は耳に入ってこなかった。岡本の他に明大から3人の選手が指名を受けたがヤクルト、横浜と、いずれも中日以外の球団からの指名。中日が星野イズムを継承しているのであれば、間違いなく今年の明大の4選手いずれかを指名したと思われるが、それがなかった。明大から中日というルートは崩れつつあるのか。

法大の新里が近鉄から指名されたのも個人的に嬉しかった。僕は数回、新里に取材させてもらったことがあるが、リーダーシップもさることながら、人間的にも非常に魅力的な人だ。課題のバッティングを克服し、プロでの飛躍を願っている。

全国に何万といる野球人の中で、選ばれし者だけが集うプロ野球。4年前の夏、四日市霞ヶ浦球場で泣き崩れた岡本はついに、プロの世界に飛び込む。




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高校球児にとっての明治神宮大会 - 2003年11月17日(月)

明治神宮大会決勝戦を観に行った。大学の部は東亜大対神奈川大、高校の部は愛工大名電対大阪桐蔭。今年の学生野球を締めくくる決勝戦となった。

大学の部は東亜大が接戦をものにし、2度目の優勝を飾った。今年の大学野球は地方大学の躍進が目立った。春の全日本大学野球選手権では日本文理大学が優勝し、地方大学でも日本一になれるということを改めて証明した。

高校の部では愛工大名電が土壇場の9回に追いつき、延長10回に逆転。愛知県勢では初の神宮大会優勝を飾った。今年春夏と甲子園のマウンドを経験したエース丸山が好リリーフを見せ、打っても9回に驚異的な粘りを見せその勢いのまま延長に逆転。見事高校日本一に輝いた。ここ5年間、神宮大会で東海代表校が3度優勝しており、東海地方のレベルの高さを証明している。しかし不思議と「本番」である甲子園ではなかなか結果を出せない東海勢。4年前に優勝した四日市工業、去年優勝した中京高校共に春のセンバツでは力を出し切れず敗れ、夏の甲子園では、共に県予選で敗退。愛工大名電にはこのジンクスを打ち破ってもらいたい。

大学と高校では明らかにこの大会の意味合いが違ってくる。大学はこの一年間、各地方でリーグ戦を戦い抜き、チームとして成熟し、そして今大会に臨んでくる。一方、高校は夏に3年生が引退し、新チームとなってまだ3ヶ月程度のチームで地方予選を戦い、その中で勝ち上がり、今大会に臨んでいる。チームの完成度という点では大学より高校の方が明らかに劣る。

高校生にとって、神宮大会ははたしてどういった位置付けなのか。春のセンバツを占う大会という声もあるが、わざわざ平日に学校を休ませて、出場させるだけの意味はあるのだろうか。日本球界において、大学野球の聖地は神宮、高校野球の聖地は甲子園と認知されている。僕には大学日本一を決める大会に、高校の部を強引にねじ込んだようにしか見えないのである。

大学日本一を決める大会は年2回。高校日本一を決める大会も年2回(国体は甲子園ベスト8のチームしか出場しないので省く)。これで十分ではないか。わざわざ時期的に完成度の低いチームを集めて高校日本一を競わせる意味はないと思う。神宮大会は大学野球をやる者にとっては最後の大会になるため、モチベーションは高い。高校野球をやる者にとっては、まだまだこれからという気持ちで臨んでいるためモチベーションはそれほど高くない。そんな対極した気持ちを備えた両者を同じ大会に出場させるのは明らかにおかしくないだろうか。

愛工大名電の選手達が優勝を決めた瞬間、喜びを爆発しきれない選手達の姿があった。一方、東亜大の選手達は「大学日本一」の名を十分に噛み締めている姿があった。この両者の姿が、現在の明治神宮大会の在り方を物語っている。




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ルーキー・松井秀喜 - 2003年11月13日(木)

松井秀喜がア・リーグ新人王を獲得できなかった事に対して、様々な議論が起こっている。リーグ戦での成績が公平に評価され、その結果、ロイヤルズのベロアが獲得したというのであれば何ももめごとにはならないのだが、今回はそういうわけにはいかない。明らかに投票した記者の曲がった視点が混じっていた今回の新人王選出。落ちた松井も、獲得したベロアもスッキリしない。

「公平に審査してほしい」。スポーツ界において、当たり前で、選手達の誰もが願うことである。今回の新人王選出で、「日本で10年間のプロ経験があり、実績もある選手を新人扱いできるのか」という松井に対してルーキー扱いするか否かというのが問題になった。結局問題扱いしたままで、大リーグ機構は何の結論も出さずに今回の新人王選出に至った。案の定、松井に対して公平なジャッジは下されなかった。松井が新人王にふさわしいと投票した記者がいる一方、最初から松井を新人扱いせずに、他の選手に投票した記者がいる。選考基準は一体なんなんだという憤りを僕は感じる。

野茂、佐々木、イチローと新人王を獲得した選手が、似たような事を口にしている。「日本で実績のある選手をルーキー扱いしてくれるところに、大リーグのレベルの高さ、器の大きさを感じる」。しかし、今回、松井をルーキー扱いしなかった記者が存在した。見方を変えれば、日本人選手のレベルの高さを徐々に認めてきているということになるが、僕は大リーグがそんな姿勢を見せてほしくないのだ。「世界最高レベルの野球リーグ」というアメリカお得意のプライドの高さをいつまでも持ち続けてほしいのだ。そうでないと、大リーグを「夢舞台」として憧れ、日本球界を去り、挑戦した松井が浮かばれない。

年齢にかかわらず、ルーキーはルーキー。大リーグにはこのポリシーを貫いてほしい。


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2003六大学リーグ戦を終えて - 2003年11月05日(水)

気が付けばもう11月。浦和レッズ初タイトル、全日本大学駅伝で東海大初優勝、好調日本女子バレー、競馬の天皇賞、長嶋ジャパン始動などなど、「スポーツの秋」真っ盛りといった感じだ。

東京六大学秋季リーグ戦が早大の全勝優勝という形で幕を閉じた。今季の優勝で四連覇を達成した早大だが、改めてこの強さについて探ってみたい。

まずは投手陣。エース清水は大学初登板以来15連勝という記録を打ち立てた。防御率トップとなる1・32。夏場のタイヤ引きでは20メートル走を120本こなし、下半身を徹底的に鍛え直した結果、このような好記録を生んだ。二番手の越智も防御率4位となる1・85でチームの勝利に大きく貢献。そして今回、中継ぎとしてフル回転した1年生の宮本(関西)の活躍が光った。規定投球回数以下とはいえ、試合数6、打者49、投球回14、安打5、四死球3、奪三振20、自責点0、防御率0・00。中継ぎとして文句の言いようがない内容だった。

関西高校時代に甲子園を沸かせたのでご存知の方も多いと思うが、入学当初の春季リーグでの宮本の選手登録は外野手だった。もともと打撃、走塁のセンスがよく野村監督は野手として宮本を期待していた。早大の打線の柱の一人として活躍した4年の青木も宮崎・日向高校時代は投手だったが早大入学後野手に転向。野村監督は第二の青木として宮本を見込んでいた。しかし、宮本は投手への未練は拭え切れなかった。野村監督と相談した結果、秋季リーグ戦では投手として登録。この秋に宮本は結果を出せなかったら、おそらく再び野手として過ごすことになったかもしれない。宮本にとって投手としてのラストチャレンジがこの秋季リーグ戦だったのかもしれない。

大谷、井上、そして宮本。今後3年間、他大は早大投手陣に苦しめられる事だろう。

そして打撃陣。これほどまでに完成度の高い打線に成長したのはやはり昨年の経験が大きかっただろう。去年のリーグ戦でスタメンにいなかったのは投手以外では7番の米田のみで、その他の野手は全て去年のスタメンそのまま。去年も春秋連覇しているため、普通にいったら今年も連覇して当然というわけが、去年は和田という絶対的なエースがいたため確実視はされていなかった。そんな中で、清水、越智、宮本が投手陣を支え、打撃陣が奮起し、今回の連覇に至ったわけである。鳥谷は最後の慶大戦で2安打を放ち、米田を抜いて首位打者を獲得。徹底マークをされたにも関わらず獲得したというのは立派。阪神に行っても1年目から甲子園を沸かせるに違いない。あと一歩首位打者に手が届かなかった米田も素晴らしかった。スポーツ推薦組で主力を固めたこの世代で、早稲田実業から入学した米田は今年に入ってスタメンに定着。一般入部でも頑張ればレギュラーを獲得し、神宮で活躍できるということを改めて証明した。

去年のリーグ戦で、慶大・長田、法大・土居、立大・多田野という好投手を打ち崩すことができ、確たる自信を得て、今年のリーグ戦に挑んだ早大打線。結果論だが、この春秋連覇というのは当然といえば当然だった。しかし、早慶戦100周年と、4連覇がかかったこのリーグ戦では想像を越えるプレッシャーを選手は感じていたと思う。そんな中結果を出した選手達は、やはり本物だったということだ。

それにしても、早大以外の大学は不甲斐なかった。選手達は一生懸命にやっているというのはわかるが、六大学を更にもりあげるためにも、来季に向けて更なる努力を重ねてほしいと思う。





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