「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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モックンの期末テストが始まった。 クラスでは「いい点とったら、どんなごほうびもらう?」 てな会話が盛んらしい。
「うちは、どんなごほうびがありますか。」 とニヤニヤしながら訊く息子。
なんだよー。ないのが普通じゃないか〜。 「みなさん、どんなごほうびだっての?」 「ん〜。ゲームとか、おこづかいとか。お小遣いが多いかな。10点アップで1000円とか。」 「10点、1000円。ふーん。1点につき100円ですか。」 「いいねぇ!それ。そうしようよ。1点100円!」
レートを勝手に決めてかかるモックン。 今回のテスト範囲は数学が得意の図形だからと、強気。
「んー。それはさぁ。前回の中間テストより、ってこと?」 「そうそう!」 「だったら、あなたにとって、とってもハイリスク・ローリターンだと思うんだけど。」
モックン、この前の中間テストで数学と英語が悪かった。 でも国語と社会と理科は3教科とも95点越えてた。理科は99点だった。
「う。・・・・そうか・・。1点100円だから。」 「そうそう。リスクで損するんじゃないのかね。」
英語と数学には伸びしろが20〜30点あるとしても あとの3教科で損失が出るかもよ〜。
「んー。ちょっと考えるー。」 「うんうん。結果出てからまたねー。」
ほほほほ。 ヨソのおうちでは「リスク」など請求されてはいないだろうことに いつ気がつくだろうか。うちの息子。
子どもを丸め込むのは 親の重要な仕事です。
ハルがだんだんと意味のある言葉を発音できるようになってきた。
一番最初に言えるようになったのは 「おかー」だったけれど それから 「えいやん」(メイちゃん) 「なんな」(バナナ) 「いってたーい」(いってらっしゃーい) なんて結構むつかしい言葉も増えた。
さぁ、いよいよ感情を伝える言葉がはじまるなぁ〜。 「めー!」(ダメー)とか 「やー!」(イヤー)とか そればっかり言うようになるんだろな〜、と楽しみにしていたら ハルさんは違った。
気に入らないことがあると カッと目を瞠り(なんてことを!)という顔でにらんだあと 口を尖らせて「んも〜〜〜っ」とまず不満を表現。 そして眉間にタテジワを寄せて「あんあんよぉ〜っ」。
この「あんあんよぉ。」は ミーちゃんの「なんなんよぉっ?」である。 そっくり。発音の抑揚も。言ってるときのタチの悪い顔も。
赤ちゃんの真っさらな美しい脳に、 兄姉から暴言辞典が書き込まれてゆくのは耐え難い〜。
舌足らずに「めーよぉ。」(だめよぉ)という赤ちゃんがかわいいのに いきなり足元からガン見して「なんなんよぉ?」とねめあげられてはカワユサ粉砕である。
こりゃいかん。
ハルにお茶を汲んでやろうとして お茶が飲みたくはなかったハルに 「あんあんよぉ?」とやられた兄も
食事の時間にイスに座らせようとして 座りたくはなかったハルに 「あんあんよぉ?」とやられた姉も
こりゃいかん。と実感したらしい。
こうしましょう。
ハイ、みなさん、本音で物申したいことは多々おありでしょうけれども、 今見たようにハルさんは、あなた方の真似をして言葉を覚えておられます。 特に、短い。キツイ。大きい声で叫ぶような言葉は、発音しやすいので覚えやすい。 いやでしょ?こんな小さい子に「うっぜえ!」て言われたら。
なので 今からあなた方は演劇部だと思って、セリフに注意してください。 ということにした。
すべてアドリブで進む演劇部。 モックンが「うるさい!」とマルの鼻歌に怒鳴ろうもんなら 「ハイハイ、今のトコのセリフ、言い直し。」とダメ出し。 「エー、エーと、・・・・・静かにして・・くださらな〜い?」 マダムになる必要はないのだが。
モックンの友だちが玄関を上がるときに 「よお。」 「ハルが真似するから今のリテイク。」 「あ、えー、・・・・こんにちわ。」 出迎えたハルさんもぺこりとこんにちわ。 思春期のややこしい男の子も否応なく巻き込まれる演劇部。
舞台監督がほしいです。
「ハルちゃんが」、というワンクッションがあるので 「なんなのその言葉遣いは!」などと親が直接、思春期の子どもたちにガミガミ言わなくても 軌道修正してゆくのもよいところ。 ハルさまさまです。
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