「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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それぞれがそれぞれにお気に入りの遊びをしている。 3人が3人とも違う世界にトリップしている。 モックンは、名探偵コナン・ワールド。 ミーは、シルバニア・ワールド。 マルは、アンパンマン・ワールド。
それぞれの世界に大人はいないので、 私はそうっとみんなのいない部屋に移る。
自立って、こういうことから始まってくのかなあ。
一日まとわりついてくるマル。 じゃまだ〜。
じっと動かずにマルのそばにいると、ご機嫌なのはいいけれど、 うちのことは何にもできない。
捨て置いて、ばたばたとうちの中を動き回れば、 ぎゃひぎゃひ怒り泣きしながら追尾してきては、 じゃまに入るので、 これまたうちのことは何もできない。
困った。
だんだん腹も立ってくる。
肩も凝ってくる。
そこで、この暗い空気を一挙に吹き飛ばす、 画期的な方法を思いついた。
腹話術である。
どうせ左腕でずっと抱っこして持ち歩いてるんだし。 大きさも頃合い。 いってみよう!
「マルちゃん、あなたがじゃまするから、なんにもできないわ〜。」 「(甲高い声で、)ええっそれは気の毒だねッ!」 「かわいいからって、甘えるのもいい加減にしないと。」 「(なるべく口を動かさずに)いやぁ〜それほどでもないよーはっはっはっはっは!」 「ほめてるんじゃないのよ!」 「まぁいいから、いいから!」 「もう、あきらめてコーヒーでも飲んじゃおうかしら。」 「じゃ、マルは牛乳!」
「ちがうっ!」 マルが生声で、異を唱える。 「ココア!」
・・・・・・・・。
なに、意志をもった高性能な腹話術人形と思えば!! (おもえないって。)
2001年03月29日(木) |
「抱っこーーーーーッ!」 |
インフルエンザで甘やかしたのがまずかったのか、 マルが私のそばを離れなくなってしまった。
後追いをしない人だったので、 「さすが3人目は心得ている」とほくそえんでいたのに、 ここに来てベーったりである。
仕方がないので、片手で抱っこして掃除機をかける。 マルが「お母さんと一緒」をご覧になるとき、私は座椅子。 メールチェックしてるのを見つかれば、ひざの上にはいのぼったマルに電源を落とされる。 洗濯物はたたんではいけないらしい。ひざは、マルが座るためにあるので。
もちろん、兄や姉を抱っこしたりすると、 ご機嫌は急降下。
「おが〜ぢゃん!!だっこぉぉぉぉ〜〜〜ッ!」 お気に入りのクマの毛布を片手に突撃だ。
しかも抱き方が気に入らないと、そっくり返って、全身で抗議行動。
朝起きてから寝るまで、ずっと抱っこを要求される。 さすがにくたくた。
はぁあ。
実は私、今朝からノドがぐりぐりと腫れている。 風邪かなぁ。
マルが眠くなってぐずってきたので、隣りに寝て、絵本を読む。 あぁ、横になると、体が疲れてるのがよくわかるなぁ。 こりゃあかん、ちょっとだけ寝よ。
15分ほど眠りに落ちる。 目が覚めたら、うつぶせに寝ていた私の腰の上にマルがまたがっていた。
うえん、あたしだって、 「抱っこしてーーーーっ!」
ミーが、「文字」を読んだ!ついに読んだ!
私は、お勉強を教えないお母さんだ。 毎月来るしまじろうのDMはありがたくいただくが 申し込もうとはただの一度も思ったことがない。 体験お試し付録は、いい出来なのでいつも子供と楽しんでる。(ありがとうベネッセの皆さん)
でも、「うちの太郎君がこんなにいい子になりました!」マンガは気に入らない!(すみません、ベネッセの皆さん)
暴れん坊で、手のつけられないわがままで、 お行儀もよくなくて、子供同士の渡り合いも下手、 おまけに字も読めない。 そんな太郎君(仮名)が、「こどもちゃれんじ」をとったとたんに、 しまじろうのトリコになって、めきめきとよい子に!
・・・・・・・。 いや、いいんだよ。そういうお子様はきっとたくさんいますよ。 しまじろうは魅力的なキャラだと思う。 テキストもよく考えて作ってあって、素晴らしい。
でも嫌なの。 何が嫌って、「できない=悪」的な考えに賛成できないの。
小さな子供が、できないことだらけなのは、当たり前。 「できないこと」は、「これからできること」。
この小さい人たちの価値観は、まだ作られ始めたばかりだ。 誰かのマネをではなくて、 いろんな刺激を受けて、影響を受けて、 自分なりに獲得していって欲しい。 ましてや、未知の物にはじめて出会うときに 「これは悪ですよ」と、出会わせたくない
親にできるのは、「待つ」ことだと思う。 近道は知ってる。 痛い思いをしない方法も知ってる。 ことによったら、身代わりにだってなれる。
「できない我が子」には正直言って、イライラする。 こんなこともどーしてできないかー!と怒鳴りたくなる。 はやくしろー!とジダンダ踏んでしまう。
でも、親がしていいのは、見守って、 助けを求められたときに「お手伝い」するところまでだと思ってる。
「何が自分にとって大切か」は、自分で決められなきゃ意味がない。 他人と比べられたって、意味のないことをわかって欲しい。
情報が多いのはいいことだけれど、 何を選んで何を捨てるかを、 自分で見極められる力を持って欲しい。
頑張れ、おかーちゃんがしてあげちゃあ ダメなことなんだよ。
ミーに無理に字を教えなかったのは、 もうひとつ理由があった。
図書館の館長さんのお話をコラムで読んだ。 「6歳ごろまでの子供はうまく字が読めない。 でも、表紙の絵や、その本全体の雰囲気から、 自分が読んで欲しい本を選んでくる。 文字が読めるようになると、文字情報ばかりに頼るようになるけれど、 読めないうちは、文字以外の情報を楽しんでるですよ。」
なんて素敵って思った。 この時期を大事にしてやりたいと思った。 文字が読めるようになるまで、たった、6年間!
今日ミーが、ついに文字を読んだ。 一文字だけでなくて、 つながった文章をたどたどしく読んだ。 「わー!読めたねー!」 「う、うん!!!」 片っ端から嬉しそうにひらがなを読んでいた。
いよかんをむく。
むくのは私ひとり。 口は三つ。
皮をむいて、ひと房ごとに袋をむく。 ひとつむいてマルに手渡す。
ミーの手が伸びる。
ミーは、何でも大きいのがいいヒトなので、 大きいのを選んでむいてやる。
モックンが手を出す。
モックンはきれいでないと嫌な人なので、 そうっと丁寧にむく。
私のひざの上に座ったマルが口をあいて待っている。
とにかくむいて、口に入れてやる。
次ッ!次ッ!次ッ!次ッ!
闘うように、いよかんを3コむいて、 爪が、いよかん色になった。
朝、洗濯物を干していたらミーが手伝ってくれた。
タオルやパンツはよかったのだけど、 小さい子供パジャマが、うまくハンガーにかけられない。
「うーっ!」 無理やり首のとこからハンガーを力任せにつっこむ。 「ん〜〜っあうっ!!」 腹立ってきた。 「や〜っやんやんやんっ!!!」 怒って、ハンガーも濡れた洗濯物も一緒に振り回す。 「できやん〜〜〜〜っ!!」 涙まで浮かべてハンガーと洗濯物を手近にあった ジャングルジムに叩きつける。 がし!がし!がし!がし!! 「き〜〜〜〜っ!!!」
「あのさ、ミーちゃん、やつあたりしてんと、おちついてー。」 「きーっ!」
「できへん!!って思ってると、できることまでできなくなるよ。」
ミーの投げつけた洗濯物を拾い上げる。 「ホラ、こうやって、ボタンはずして、首のとこから、 そーーっとお袖のとこにかたっぽ通して、 こっちもとおして・・ ホラ、できた!な?」 「うひん・・。」 「でけへんって思わんと、どーやったらできるかなーって、考えてごらん。」
その方が楽しいから。
子供たちの具合がすっかりよくなった。
実は今日は一ヶ月前から楽しみにしていたお友達との食事会だ。
子供たちは3人揃って、「いってきていいよお!」 といってくれた。 うれしい。楽しみにしてたの知ってるんだね。
でも。 そう。 ひげ君。
ひげ君、ゆうべ、「ボクも風邪や!」と、帰ってきた。 熱がある!というので測ったら、37.9℃。 うーん。 熱あるね。 さあ、氷まくらだ、冷たくないお茶だ、 マスクを湿らせてくれ、加湿器を強にしてくれ、 たいへん、たいへん、たいへん!!
あーあ。 こりゃ行けないわ。しゅん。 で、お友達にいけなくなっちゃったメールを送った。
ところがだ。 今朝起きたひげ君は、熱がない。 風邪の症状もない。 それどころか、氷まくらも替えて、飲み物やうどんやと、 嫁さんが看護モードになってるのに、 ヤツは、ゲームボーイに熱中。
ぷちーん☆
家出することにしました。
お昼ご飯を食べてから、マルを抱っこでお昼寝させて、 カレーを作り、 おやつを用意し、
「行ってきマース」 と家出しました。
帰ってきたら、ひげ君は元気にゲームボーイをしていて、 モックンは、テレビを見ていて、 ミーは、私にお手紙を書いてくれてて、 マルはオムツにウンチしたまま寝てました。
お子様は大きいのが厄介だと思いました。
朝起きたら、マルの熱もすっかり下がっていた。
よかったー。 でもここで油断して、またぶり返したら大変だ。 ひたすらコタツ周辺でビデオを見たり、お絵かきをしたりしながら過ごす。
ミーが会社ごっこをしていた。 ノートに読めない字を殴り書き、 かばんにおもちゃの携帯電話と、ノートと、筆箱を入れて、 大変忙しそうにしていた。
モックンは読書三昧。
マルは甘えたおしていた。
2001年03月23日(金) |
インフルエンザ警報発令。 |
三重県にインフルエンザ警報発令。 そんな警報出してどうするんだか。
朝、モックン37.9℃ マル、39.6℃
来た。 インフルエンザ後半戦だ。
マルに坐薬と氷まくら。 真っ赤な顔でぐったり。 でも機嫌はいいので、安心。
モックンの熱もあがってきた。 こまったな。 氷まくらしてやりたいけど、ひとつしかない。 頭をなでたり、ポカリスエットを飲ませたりしながら 様子を見ているうちに、 うまい具合にふたりとも寝てしまった。
チャンス!
ミーに、留守番を頼んで、近所の薬局まで走る。 氷まくら追加! 氷が足りなくなるのを見越してスーパーで氷も一貫買ってくる。
12時、モックン、39.2℃ 坐薬。
2時マル、39.7℃ ちょうど前の坐薬から6時間。もう一度坐薬入れる。 でも下がらない。 インフルエンザの熱は、アンヒバでは下がらないと聞いたが、 本当だ。
熱が高いのでしんどいのだろう。 起きたりうとうとしたりをくりかえしている。 起きるとのどが渇いているので、ストローでポカリを飲ませる。
1時間おきに氷まくらを変えてやる。 冷蔵庫の「勝手に氷」君では、やはり間に合わなかった。 一貫の氷もすぐになくなった。
病児ふたりにかまいきりでミーが退屈そうにしてるので、 寝てる間に、一緒に折り紙遊び。 ウサギの指人形を作ったり、 手裏剣を作ったり。
4時過ぎにひげ君から電話。 花粉症がつらいので内科の予約を取ってくれとのこと。 この内科は、電話で診察の予約ができない。 また病児がうとうとしてる間に予約をとりに行く。
7時半、モックンの熱がやっと下がる。 マルは、まだ39.8℃
ひげ君も帰ってくる。 10時前に、みんな就寝。
朝、おきてきた子供たちの熱を順に測る。
ミー、36.6℃ マル、36.5℃ モックン37.2℃。 むむむ。きたか。
でも、3人とも機嫌よく、元気。 本日、風邪の中休み。
今のうちにビデオをレンタルしておく。 入院してるサーちゃんにお手紙も書いた。 折り紙でたくさん動物も作って、お手紙と一緒にかごに入れた。
やっといてよかった。 バトルはすぐそこまで迫っていた。
ミー、セキが出始めた。 やば。 肺炎じゃないだろうなぁ。 インフルエンザで怖いのは、 合併症の脳炎と肺炎だ。 熱はない。食欲ある。 今日はお医者さんに連れて行こう。
インフルエンザの後期の症状と診断。
ひたすらわがままを聞き、安静に安静に・・・・。
ところが、元気なのだ。 兄と妹が遊んでいると、自分も外で遊びたいのだ。
昼ご飯を食べて後片付けをしている間に、 モックンが、 「むしとりにいってくる!」 と出て行ってしまった。 ミーは自転車で、マルは乗用玩具のパジェロ号で、追跡!
ひえー! で、で、でも、とりあえず茶碗は洗っておこう。 銀行にも行かなくちゃいけないから、 ついでにかばんに要るもの入れて・・・。 と、ばたばたしてる間に、 マルの泣き声が聞こえてきた。
どこ? 角を曲がってくるマル。パジェロ号を押している。 「どうしたのー?」 駆け寄ると、靴を履いてない。 靴下がどろどろ。 なに?
シューママが、ミーを抱いて登場。 こちらも靴ナシ。 ????
「田んぼにはまりやってん。」 わはははははははは! ・・・・・いや、笑ってる場合じゃなかった。
ダメージの大きいミーをお姫様抱っこして、 マルには、「がんばれ!」と声をかけて、 うちまで連れて帰る。
風呂場で泥を洗い落として、着替えさせて、 ぬかるんだ田んぼにめり込んでる靴の回収に行く。 シューママがもう拾ってくれていて、感謝。
だが、母にはもうひとつ確認しないといけないことがあった。
いた。 あぜ道でシューちゃんとモックンは網を片手にむしとりなさっておられる。
「こっちに来いッ!」 「なぁにぃ〜??」 走ってくるモックン。 「あんた、何してんの?」 「?むしとり。」 「妹がふたりとも大変やったのに?」 「ボクもはまったよ?」 「自分だけ抜けて、妹見捨てたんかっ」 「ボク・・・靴とろうとしたんやけど・・・とれんかったから・・・・。」 「で?」 「・・・・。」 「シューちゃんは大変だーって、ママに助けてって言いにいったよ?」 「あんたは?」 「・・・・むしとり・・・。」 怒り爆発ーーーー! 「にーちゃんなら、大事な妹が田んぼにはまって泣いてんのに、 心配したれよッ!助けられへんかったら、おかーちゃん呼びに来いよっ! マルなんか、自力で抜けて一人で泣きながら帰ってきてんのに、 一緒について帰ってやれよッ!」
なんやねん、こいつは。 なんて薄情なんやねん。
どうも、モックンはこういうやつなのだ。 前に、ドブにミーが落ちたときも、助けてくれたのは、ショータだった。 そん時コイツは、横で、「がんばれーがんばれー!」って、 ただ言ってただけらしい。 その前に、公園でマルの肩に小学生のおにーちゃんの 投げたボールがあたったときも、 マルを抱っこして介抱してくれてたのは、よそのおにーちゃん達で、 ご注進は、ミー、 コイツは、壁が空いたのをいいことに壁にボールを投げていた。
思いやりってものが、コイツ、わかってないのか?
確かにすぐにでも後を追いかけてやれなかった私の監督不行き届きも認める。 私がついていれば、起こらなかった事故だ。 でもね? 遊びって、大人の出る幕じゃないことがこれからどんどん増えてくる。 そんなときに、モックンのこの態度は、ダメなんじゃないか?
「おにーちゃんなんだから」は、極力避けてきた言葉だ。 だけれど、それが裏目に出たか? なんだよ、妹達のこと、ほったらかしで。 なに遊んでなさるんだよ!
怒り収まらないまま、うちに戻る。 攻撃的になってる自分を止めなくちゃ。
モックンに思いやりがないのは、私のせいなのか。 私がいかんのか。 はぁはぁしながら、気になった本を開く。 「子供が育つ魔法の言葉」 ここにはなんて書いてあんだ、思いやり。
『・・・・・分かち合うことを教えれば、子供は思いやりを学ぶ。 ・・・・・やさしく、思いやりを持って育てれば、子供はやさしい子に育つ。』
モックンの靴も泥んこだ。
「・・・モックン、靴、脱ぎな。」 涙目のモックン。 「なぁ。モックン、思いやりって、わかる?」 ごしごし靴を洗いながら聞く。 「わからん・・。」 「あのなー、困ってる人や、苦しんでる人や、 んー、悲しい気分でいる人をな、 助けてあげたいって思う気持ちのことやねん」 「うん。」 「相手のことを考えてあげてな、 どうしたらその人が、元気になるか考えてあげる気持ちのことやねん。」 「うん・・。」 「それって、大事な心やねん。 おかーちゃん、さっき考えててん。 おかーちゃんに思いやりの心がないから、 モックンは妹達にやさしくないんかなぁって。」 「あるぅ!」 「あるか?ほんなら、モックンも、思いやりわかるか。」 「わぁかるぅぅ。」 「やさしく、なろな?」 「うん。」
子は、親の鏡。 子は、親の鏡。 やさしくなろう。
まだまだへなへなのミーだけれど、 今日は機嫌がいい。 いつもの元気はないけれど。 体温は36.6℃。
「おかーちゃん・・・、」 「なに?おかーちゃんのかわいいミーちゃん?」 「今すぐ、ミルクティーのみたい。作って。」 う。高飛車。 まさに復活のきざし。 食欲も戻ってきた。
安心して、今日一日おとなしく寝かせておくことにする。
そこへ、ユーちゃんが青い顔で車を飛ばしてきた。 「?」 「サー、入院したから、飲みきれへんの。牛乳もらって。」 「へ?なんで!?」 「インフルエンザ脳炎の可能性あるって。 昨日の夜うわごといいはじめて、 40度から熱下がんなくて、 あんまりおかしいから病院連れてったら、緊急入院だってー。」 ひーえー! ゆーちゃんを励ます。 ゆーちゃんからは、ミーにも注意と釘を刺される。
うう。 ミー!あんたインフルエンザなのかもー!
「かわいそうな、おかーちゃんのミー!」 「おかーちゃあん!」 「なに?」 「今日のお昼は、チーズバーガー・・・・。」 う。 「・・・と。シェイクと、ポテト・・・・。」
モスバーガーのチーズハンバーグサンドとバニラシェイクを機嫌よく平らげて、 お気に入りのぬいぐるみを抱いてお昼寝体勢。 「ああ、おかーちゃん、ミルクティはよ作って!」
・・・・このヒトは、つけあがってるのだとは思わないか?
いやいやいや。 まだ、もう少し様子見ないとね。 そうよね。 落ち着け、落ち着くんだおかーちゃん。 ゲンコはもう少しあとでもいい。
モックンの卒園式。
どうする。ミー、大丈夫なのか。 父は休めない。 だんなの実家も今日は忙しい。頼れない。 2時間だけ連れて行くのは、無茶か。 無茶だよなぁ。 でも、ミーを置いていけない。 モックンに式を欠席させるか。 モックンだけご近所に頼んで行かせて、自分は欠席するか。 卒園式なのに? 親子遠足のときも、ミーがおたふくで一緒に行ってやれなかった。 どうしよう、どうしよう。
ミーが起きてきた。 熱が下がってる。 体はだるそうだけれど、 「ジャムパン食べたい」とリクエストしてきた。
いけるか。 2時間だけ、2時間だけだ。
「ミー。だいじょうぶ?」 「うん。」 「きょうね、お兄ちゃん、保育園最後の日なの。」 「うん。」 「ミー、一緒にいける?」 「行く。」
モックンはもう用意できて、はじけてる。 マルもよそいきに着替えて、待ってる。
熱は上がってこないものの、吐き気が少しある。 式が終わってから行くか、病院。 ごめんよ、2時間だけ、我慢してね、ミー。
よそいきに着替えて髪を結って、ミーも車に乗り込む。
卒園式の間、式に出ない子供達は、別室で、保母さんたちに見ていてもらう。 当番の先生に、ミーの体調を説明して、お願いする。
アンパンマンのビデオのついてる部屋に、喜んで入ったマルが、 おかーちゃんが一緒に来ないことに気がついた。 「やーっ!おかーちゃん!」 暴れ泣きしかけるマルを、ミーが、手を引いて 「ねーねが、おるから大丈夫。」
ミーちゃん、大丈夫じゃないんだよ、あなた。 おかーちゃん、泣きそうだよ。 式の始まる前に。ごめんよ、ミー。
式は一番最後についたので、もちろん一番後ろ。 何も見えなかった。 でも、お絵かきクラブの先生のお話と、子供達の歌が素敵だった。
子供達の歌った、歌。
「空より高く」
きみはそらよりかい こころをもっている どんなそらよりたかい こころをもっている だからもうだめだなんて あきらめないで なみだをふいて わらってごらん
(ここから「蛍の光」のメロディーで) きみのこころよ たかくなれ そらよりたかく、たかくなれ きみのこころよ つよくなれ うみよりつよく、つよくなれ
卒園式が済んで、 クラスに戻って、先生から保育証書をもらって、 余韻に浸るひまもなく、 ミーとマルを迎えに行く。
マルはお部屋で元気よくお友達を仕切って遊んでいた。 ミーは、ぐったりと先生に抱っこされていた。
急いで帰って、ミーを寝かせる。 熱はない。 でもやっぱり、病院に連れて行くか? 予約の6時まで様子を見ることにする。
式の終わったモックンの友達が次々と遊びに来た。 ミーが寝ているソファーの横で、騒いで遊び始める。 ミーが嫌がるかと思ったけど、 みんなが遊んでるのを見て、笑ってる。
診察の予約時間が近づいてきた。 熱もない。風邪の症状も、今はない。 どうしよう。 小児科の待合室に連れて行きたくない。 元気こそないけれど、 食欲も出てきたし、機嫌もいい。 悩んで、予約をキャンセルした。
明日はどうなる。
2001年03月18日(日) |
「ミーーーーーーーっ!」 |
昨日は一日寝ていたミー。 39度まで上がったときにアンヒバの坐薬を入れて 氷まくらをしたら、すうっと熱も下がったし、 機嫌もそう悪くなかったし 結局お医者さんには連れて行かなかった。
今日は日曜日。 病院はやってない。 ひやひや。
37℃から下がらない。 おなかは痛くないらしい。 でも食欲はまったくない。 大好きなコーンスープも二口だけしか飲めない。 吐き気もないし、 下痢でもない。 んー。やな感じ。 おなか風邪じゃないのかなぁ。
38.5℃を超えたところでアンヒバの坐薬を一本。 氷枕もして、 大好きなポケモンのビデオを見ながら一日うとうと。
夕方大好きなイチゴを買ってきて、好きなだけ食べさせた。 喜んで少し食べる。
なんだかなぁ。だいじょうぶかなぁ。
夜中2時過ぎ、 隣りで寝てるミーの様子がおかしいのに気がついて起きる。 なんだか震えてる。 けいれん? いや、けいれんほどじゃない。でも、手が震えてる。 (やべ、インフルエンザ脳炎!?) 「ミー?」 「ふえ〜ん。」 「ミー!」 「ふえ。」 「ミーーーーーーッ!」 「なに?」 あ。意識ははっきりしてるのね? 熱は?熱? う。あるな。 アンヒバ入れるか。 入れて少ししたら、またすーっと寝ていくミー。
うわわわわわわ。 どどどどどどーしよう! 救急車呼ぶ? やばいよ! ミー、死んじゃったらどうしよう! ミー!ミーーー!
熱が下がる。 気持ちよさげに眠ってる。 大丈夫かなぁと思いながら、また隣りに横になる。
気配に気がつき目を覚ます。 ミーが起き上がってる。 「・・・すん・・・・くすん・・・。」 泣いてる? どうしたの? うわ!血! 血、吐いたのか!ミー! 氷枕にまいてあったタオルで口元をぬぐう。
あ。ちがう。 鼻血。 あーびっくりしたー。
でも、鼻血が止まらない。 ティッシュをつめる。 鼻をつまんで下を向かせる。
おたおたしていると、隣りで寝ていたひげ君が気がついて起きた。 「うわッ!なんや、鼻血か?」 「うん。とまらん。」 「上向かせろ、上!」 「あかん、気道に血が入る。」 「上やて、上。」 なに手刀構えて首の後ろ狙ってるのよ。やめなさい。 「あのね、鼻血が出てるときは、 気道に血が入らないように下向かないとダメなの。」 「へ・・へえ、そう・・。」 まだ止まらない。 どうしよう。 「脳炎かなぁ。」 「のぼせただけやろ。」 おい、寝るんかい! いや、寝てくれ。
やっと鼻血が止まって、落ち着いたミー。 パジャマを着替えさせて、寝かせて様子を見る。 「家庭の医学」を持ってきて、症状を照らし合わせる。 うー。 寝てしまったミーの横で救急当番の病院に駆け込むか、考える。
でも、熱が引いた。 風邪の症状もさしてひどくない。 様子を見よう。
朝が来た。
ミーがかぜをひいた。(たぶん。)
少し熱がある。 例によってふにゃふにゃだ。 氷枕を作って、コタツに寝かせる。
ハナも出ないし、セキもない。 おなかが痛いというけれど、下痢もしてないし、吐き気もない。 ただ食欲がない。 医者に連れて行こうか迷ってるうちに寝てしまった。
20冊2000円で買った、「名探偵コナン」を、 モックンと読みながら、 様子を見る。
ときどき、「うひうひうひうひーん。」 と泣きながら起きる。 そのたびに、「おなかが痛いー。」 とか、「足が痛いー。」とかいう。 痛いところをさすってやると、また眠っていく。
一日ずっと、ミーをさすってやっていた。
真ん中だから、もうちょっと、 意識して可愛がってやんないといけないんだろうな。 ごめんよ、ミー。
今朝もモックンとミーがもめている。
モックンとマルが作った缶詰のタワーを、 私に見せようと張り切って呼びに来た間に、 ミーが崩して、つくりかえていたのだ。
泣くモックン。 謝らないミー。
「わざとじゃないんだから許しておやり。」とか、 「ミー、モックンとマルに謝りなさい。」とか、 言おうと思うのに、 言葉がつかえて出てこない。 言葉の代わりに涙が出た。
うあ、重症だー。 毎日毎日、私だけが空回りしてるような気がして、 心がささくれ立ってる。 今日はうかつに子供達を傷つけてしまいそう。
よし。 今日は母親を休もう。 主婦も休もう。
モックンとミーに用意をさせて、 保育園に送っていって、 そのままマルとお買物に行くことにした。 今日は、私のものだけを買うのだ!
お迎えの3時半までに私が買ったもの。
・モックンの入学式用カラーシャツとハイソックス。 ・モックンの通学用ジャンパーと長T。 ・ミーのよそ行きワンピ。 ・ミーの好きなシールと、昔なつかしロケットエンピツ。 ・マルが欲しがった100円おもちゃのピロピロ笛。 ・ひげ君が最近凝っているお香用のお香立て。 ・モックンの机の下に置くゴミ箱。 ロボットの顔がスイング蓋になってる。
ここまで買ってから、気がついた。 「あああああっ!私のもの買ってない!」
むか。
・Tバックと、キャミ。 ・ビーズ細工のピアス。
最後に子供達のおやつ用にチョコチップメロンパン。
そのままお迎えに行ってうちに帰る。 「うわああ、たくさんお買物してきたんだねぇ?」 「うん♪」
ボクの、私のと、にぎやかに包みを開ける。 「あれ?おかーちゃん、マル、そのピロピロ笛だけ?」
ふふふふ。 (内緒!イチゴパフェ食べたの!)
2001年03月15日(木) |
壊れたおかーちゃん。 |
ドラえもんのベッドが、お気に入りのモックンとミー。 どっちが上の段に寝るかで、もめる。
どっちで寝ても、あとで、おかーちゃんが、畳に敷いた布団に寝かせなおすのだけれど。
今日は、モックンが上と協議の末決定。
「おやすみなさーい♪」 と、いったん、機嫌よくそれぞれが押入れに横になったのだが、 ミーが、ぐずりはじめた。
上で寝てるモックンには、羽毛のベビー布団がかかってる。 ミーが赤ちゃんだったときに使ってたやつだ。 だから、「わたしの」だ。
「モックン、これミーの。」 寝てるモックンの布団を、いきなりつかんで引っ張るミー。 「ちょっとー!とらんといてよー!」 もちろん、怒るモックン。
マルとふたりで抱き合って絵本を読んでたのだけれど、 枕もとで、兄姉二人が暴れだした。
「ミー。」 知らん顔。 「ミー!」 まだ知らん顔。 「ミイッ!」 「・・・なに・・。」 「とったらあかん!」 「・・・・だって・・・。」
ミーは、わがままだ。 わがままが通らないと、泣きじゃくる。 叱っても、知らん顔だ。 その内なだめられて、 結局、モックンがいつも我慢させられる。 だから、ミーは、大きな顔でわがままを言う。
「ミー、アンタ、わがまま。」 「だって。いるんやもん。」 「じゃあ、モックンのがなくなってもいいの?」 「だって、ミーこれ、いややもん。」 「そういうのなんていうか知ってる?」 「・・・わがまま・・・。」 「そう、それからジコチュー。」 「うひん。うひん。うあーん。」
泣きゃいいと思うな。 夜10時過ぎると、さすがの母もバッテリー切れなのだ。 泣き声が耳ざとい。 いろいろと声をかけるが、 思い通りにならないのでミーの機嫌は治らない。
ダメだ。
キレる。
「いーかげんにしなさいっ!なんやのん!アンタ! いっつも自分のことさえよけりゃーいいんやなっ!」 「寝るの?寝ーへんの?どっち!?」 「さっさと寝たら、どう!」 「もうええっ!寝るなっ!」
もう、矢継ぎ早に言葉責め。
そこに夫が帰ってきた。 グズグズのミーを抱っこしようとする。 「かまわんとって。」 怪訝な夫、ミーに尋ねる。 「ミーちゃん、なにしたの?」 説明を聞いてみれば他愛ないことだ。 だが、母のキレかたが尋常ではない。 「ミー、おかあちゃんに謝りな。」 「おとおちゃぁん」と、甘えるミー。 おとーちゃんを味方につけて、謝る気どころか、 なめてるやん!それ! 「なぁ、かまわんとって。」 「なんで?」 そういって、夫はミーを抱き上げた。
大人気ないとはわかっていても、 崩れた。 母であることが、イヤになった。 「もういい。今から私、おかーちゃんやめる。」
モックンとマルを寝かしつけてから 夫のご飯を作りに下に降りる。
ミーは、夫のそばにくっついている。 寝る気はないらしい。 夫は今から風呂に入るそうだ。 用意してあるスパゲッティとサラダは食べたくないそうだ。 夜遅いので胃にもたれるから、うどんを作って欲しいんだそうだ。 ミーも一緒に風呂に入るんだそうだ。
(もう、ダメだ。) 「好きにしたら。」
「怒らんといてよー。」 わかってるのか。 どうして私がこんなに怒ってるのか。 「きゃおちゃんが怒ってると楽しくないよー。」
ばかやろおっっっっっっ!
「どうして、笑ってられる? 私、今、あなたと娘に否定されたのよ。 かまわないでっていったでしょ。」 「でも、逃げ道は作ってやらないとダメだよ。 僕が怒るとき、いつもそう言うやんか。」 「おとーちゃんが味方についてんもん。 逃げるどころか、私のことバカにしてるわ。」 「何を言うてんねん!」 「わがまま言うて、いつも周りに我慢させてるのはあの子やのに、 またこうして、好き放題してもいいって、 おとーちゃんが後押ししてるんやんか!」 「ちがう!さっきの怒り方はもう、おかしかったよ。あれは怒ってるんじゃなかったよ。」 「そりゃもう、キレてるもん!」 「そんなキレてる時に話してもあかんわ。 明日にしよ。」
正論だ。 だけれど、もう暴走している感情が止まらん。
子供の世話も、 夫の世話も、 イヤになった。
2001年03月14日(水) |
「かたづけなくていい。」 |
保育園から帰ってきて、 力いっぱい遊んで、 うちの中は、もうめちゃくちゃ。
「かたづけなさいー。」 「はーい。」 返事だけ。
「かたづいたー?」 「まだー。」
「かたづけなさいーっ!」 「はーい。」 おもちゃを手につかんで、 片づける代わりに遊びだす。
うーっ!!
「もう、かたづけんでいい!」 「えっ!?」 「もうかたづけるなーっ!」 吼えるおかーちゃん。 いかん!捨てる気だ! 「かかかかっかたづけるー!!」
大慌てで、おもちゃを運んで リビングをきれいにしてくれました。
やればできるじゃん。
2001年03月13日(火) |
ドラえもんのベッド。 |
「おかーちゃん、今日は、二段ベッドの上で寝るわ。」
はい? ミーちゃん、うちにはベッドはないよ?
「ここ!」 ミーは、押入れの上段に上がりこんだ。 布団を出してしまったら、押入れは空になる。 予備の布団を敷きなおし、 お気に入りのまくらもちゃんとセットして、 なかなか居心地よさげなベッドにしつらえてある。
「ミー落ちるよー。」 「ここで寝る!ドラえもんも寝てる!」
た、たしかに。
「寒いと思うけど。」 「いいのっおやすみー!!」
モックンがうらやましがったが、 私の横にへばりついて寝られる方がいいことに満足して、 10時前にみんなで寝た。
2時に目が覚める。
あ?あれ?ミー? あ、そうか、押入れか。 落ちてない? 慌てて見に行く。 ごめんよー。 あなたが寝たら、すぐに布団に寝かせなおしてやるつもりだったのに、 おかーちゃんも寝ちゃったわー。
ミーはドラえもんのベッドで寝ていた。 ベビー布団をはねとばして。 抱っこして降ろして、 今まで私が寝ていた暖かい布団に寝かせなおす。 ごそごそして、ミーが言った。 「おかーちゃん、寒い寒いよお〜。」
しばらく一緒に抱っこして添い寝する。 きゃしゃな子だなぁ。 抱いた感じが、妹のマルより細いよ。
充分に暖かくなったら、手足を広げて眠ってしまった。
ドラえもんも寒かろう。
2001年03月12日(月) |
ファンデーションがいるんかい? |
薬局に買物に行ったら、ミーがどーしても買って欲しいものがあるという。
「なあに?」 「これ!」 「ぽんずだぶるほわいと・・・・・。」 「買って!」 「なんでこんなもんがいるのよー!」 「朝と夜に塗るのー!」 「もう充分白いよー!ミーは!」 「ダメ!これがないとダ〜メ!」
クリームが切れかけだから、新しいのを買おうと思ってたんだけど、 それはいいよ。 おかーちゃん、美白、関係ないから。 だって、もうすぐ海シーズンだよ? ボディボードに、ダイビング。 また、真っ黒けのけーだ。
「イヤン!買ってー!」
にらみあいと説得の末、母が負けました。
うちに帰って、さっそく、 「おかーちゃん、今、お昼?」 「うん。」 「こっちや!」 お日様マークの方を塗り塗り。
夜お風呂から上がって、 お月様マークの方を塗り塗り。
朝起きてきて、顔を洗う前に お日様マークの方を塗り塗り。
「ミーちゃん、それ塗ると、どうなるんですか?」 「えへへへへへ、キレイになるのー。」
まずは顔を洗うとこからだ。
2001年03月10日(土) |
「アタシ、帰らない。」 |
今日は創立記念日で保育園はお休み。 天気がいい。
朝から、庭でシャボン玉をしたり、 砂場でプリンを作ったり、 きょうだいで外遊びをしていたが、 昼には飽きてきた。
お友達と遊びたいなぁ。
土曜日なので、お父さんがお休みのおうちもある。 お父さんがおうちでくつろいでるのに、 上がり込んじゃダメ! っと言い渡してあるので、 モックン一生懸命考えた。
お父さんがお休みじゃなくて、 今日、お稽古してない子。
「おかーちゃん!ショータとこいって来る!」 「ミーも!」 「ぶんもぶんも!」
あ、いや、その、ね?
ショータのところは、おかあさんが、自宅で美容室をしている。 特に土日は、昼ご飯を食べる間もないくらい忙しい。
店で仕事中、子供達はリビングで好き放題に遊べるわけで、 子供達にとっては、嬉しい遊び場だ。
モックンだけならいい。 ミーも・・いいかな?
でも、マルは。 マルは置いとけないよ〜。
やつは、なんといっても、まだオムツだ。 しかも、そのあたりのもを手当たり次第食う。 ダメダメ。 主のいないリビングに私まであがるわけにはいかないもの。
「モックン、ショータんち行って、うちであそぼって、誘っておいで。」 「うん!」 「帰ってくるのよ!」 「うん!」
キャーーと、3人揃って駆け出していった。
帰ってこない。
ダッシュで、行って見ると、 モックンがテレビゲームをしていて、 マルはそれを横に座って見つめていて、 ショータとミーは、ごっこ遊びをしていた。 くつろいでんじゃないよー、あんたたちー。
「うちにきて遊ばない?」 「まだゲームはじめたとこやもん!」 「ショータくんちであそぶー。」
うう、じゃ、マルだけ。 「マル、かえろ。」 「やっ!」 「おやつ食べよ?」 「これ、みてんのっ!かえやないっ!」 「でも・・・・、」 「いいの!ばいばい!かーやん!じゃーねー!」
そ、そんなぁ。
店に回って、ショータママにお願いする。 「ごめんねぇ。呼んで来いっていうてるのに、上がりこんで。」 「いいよ、ショータもたいくつせーへんし、ほったらかしやけど。」 「マルだけつれて帰りたいんやけど、いうこときかんの。 30分だけ、置いてってもいい?」 「うん!いいよ!」
子供達に、のどが渇いたり、おなかがすいたりしたら 帰ってくるように言って、うちに戻る。
でもそわそわ。
あら。帰ってきた。 「おかーちゃん!アイスー!」 「おばちゃん、アイスー!」 しょーがないなー。小さいのいっこずつ。 「じゃーねー!!」 あらら、いっちゃった。 マルも「まってよおおおお!」 とか言いながら、ちゃんと後をついて走ってく。
そわそわ。 見にいこ。
モックンとショータがゲームをしている。 ミーはおままごとをしている。 マル、じーっとゲームの画面を見てる。 もう連れてかえろ。 抱っこすると、暖かい。
店に回って、お礼を言う。 「ありがとう、これだけ連れて帰りますー。」 「こっちこそほりっぱなしでー。 あ、そうそう、アイス食べさせてしもたわ。」 「え?うちにも来たよ!アイスーって。私も食べさせた。」 「あーッ!二個食べとる!」 「やられた。」
そんな話をしているうちに、 抱っこでマルは眠ってしまった。
マル、お友達のうちにおかーちゃんナシで遊びにいけるようになったのねー。 なんだか、ちょっと、つまんない。 楽できるのに。
気になってたらしい。 ずうっと読みたかったらしい。
ついにモックンがハリーポッターを読み始めた。
この本は漢字にルビが振ってあるので、大丈夫だろうとは思ってたけど、 何せ、あの長編だ。 6歳だぜ? 保育園の年長さんだぜ?
この話、面白いんだ。 でも、面白くなるのは中盤から。 もつかなぁ。
心配することなかった。 すっかりのめりこんだモックン。 ゲームボーイも、 テレビのチャンネル権も、 みんなミーに譲って、 ただひたすら読み進む。
「買い物に行くけど。」 と声をかけると、やっと本から顔を上げて、 「行くー。」 え、本、もってくの? 「うん。今から帽子かぶるとこなん。」
車の中でも読みつづけて、 パン屋に着いても、 「行ってきてー、ボクまっとるからー。」
うちに帰ったら、ささっとコタツにはいって、また続きを読む。
夕方お友達がくるまでずっと読んでた。
夜寝る前に布団に持ち込んで読んでたけど、 ページを広げたまま寝てしまった。
帰ってきたひげ長男が、 分厚い本を見つけて 「モックンが読んでんの??」 「うん。」 「ひえ〜。」
母と息子だけで 「ニンバス2000、欲しいなぁ。」 「僕は透明のマントも欲しい。」 などと、物語の世界にふたりで浸れるのが楽しい。
私の昔からの本読み友達とは、 なかなか会えないけれど、 近くに、いいのがおりました。 リンドグレーンや、松谷みよこや、谷川俊太郎に混ぜて、 そろそろ星新一くらい、いっとく? ふっふっふっふ。
今日は、市内のお祭りで保育園がお休み。 と言うことで、うちに子供が集結。
生意気盛りの6歳児は、ゲームボーイについて論じ始めた。
今は、ポケモンクリスタルだけど、もう少ししたら 新しいのが出るんだ!
へえ。 ほんとにそういう事情に疎いので、聞いてみた。 「クリスタルの次は、なんていうのが出るの?」 「知らん!」 勢いよくレー君。 「でも、本当!だって、シューちゃんが言ってた!」 シューちゃんは、同い年だが、番長格の子だ。 勢いあまって、レーはこう付け足した
「だってな、おかーちゃん、シューちゃんのおじーちゃん、ニンテンドーの社長やねんでッ! シューちゃんが言うとった!」
わははははははは!!!! 不意打ちだったので、大笑いしてしまったーーー!
「いつから?」 「前からさ!知らんの?」 「どっちのおじーちゃんさ?」 「ママのおじーちゃん!」 ママのおじーちゃん、元小学校の校長先生。 「パパかもしれん。」 パパ方のおじーちゃん、漁師。
「なぁなぁ、おかーちゃんそれで思い出してんけどな、アライグマの話。」 「なになに??」 「おかーちゃんが小さいころな、近所のおねーちゃんから聞いた話。
あるとき、小学校からの帰り道で、ペットの自慢になってんて。 「私、犬飼ってる!」 「うちは、ネコ!」 「ボクは、ハムスター!」 中で、ちょっと珍しく、アライグマを飼ってる子がいたの。 みんなが、アライグマいいなぁーって、うらやましがってたら、 ひとり、何にもペット飼ってなくって悔しかった子がいたのね。
で、その子が、いったの。 「うちもアライグマ飼ってるもん!」 「えーーーーっ!」 みんなびっくり。 「ねぇねぇ、オス?メス?うちは、メスなの。」 って、ほんとにアライグマ飼ってる子が聞いたらね、 「オスも、メスも両方!」って言うの! 「すごーい!」ってみんなびっくりしてたら、 「こないだ、子供産んで、4匹になったの!」 「ええーーっ!」 「そんでそれがまた子供生んで10匹になったの!」 「ええええええーーーーっ!」 「それがまた子供生んで50匹になったの!!」
さすがに、おかしいと思った子がいてね、 「うそちゃうん!」ていうたの。 そしたらね、 「ウソちゃうもん!昨日もまた今度子供産んだから今は100匹おるんやもん!」
あはははは!」
「あははははは!おるわけないやん!」とレー。 「うしししし。」とモックン。 「そうやろー。」と母。
「で、もう、みんな、ウソやーと思ってね、
「ほんなら今からおまえんちに見にいくぞー!」 って言うたら、 「今日はアカンわ。」 「ウソやからアカンのや!」 「ちがうもん!みんな、おばーちゃんちに預けたあるねん!」 「ほんなら、おばーちゃんちに見に行く!」
困ってさ、その子。 なんて言ったと思う?
「昨日100匹全部死んだ!!」
わははははは!」
「おかーちゃん、そのこ、嘘つきやなぁ!」 「うん!でも楽しいウソやろ! おかーちゃん、この話が今まで聞いたウソの中でNO.1やねん。」 「あはははは!」 「で、さっきのシューちゃんのおじーちゃんがニンテンドーの社長っていうのは、NO.2!!」
「あはははははは!?・・?・・・???」 「?」
「あーーーっ!」
もっと、はよ気がつけー。
子供3人と入るお風呂は、忙しい。
「自分達で洗うー!」 とか言うけれど、 「洗ってるつもり」だから、 耳の裏とか、ひざの裏とか、タオル持ってる方の手とか、 洗いのこしを手伝ってやんなきゃいけないし、
自分がシャンプーしながら、 けんかの仲裁もしなきゃいけないし、
ああ〜。 ゆっくりお風呂に入りたいなぁ。
あ。はいろ。 ええやん。そのくらい。
と、思いついて、 モックンとミーを保育園に送り出してから、 マルと朝風呂にはいることにした。
「マ〜ル、お風呂はいろ。」 「バブ!」 ばぶ?あ、バブね、入浴剤の。 いっつも、兄と姉の取り合いについていけずに 溶け残りのバブしか、手にしたことのない、あなただものね。 よしよし、いいよ、今日は丸々一個、心行くまで堪能なさい。
小さな手に、バブを持って湯船に入る。 ジュワジュワ溶けてゆくバブを、お湯から出したりつけたりして 興奮気味のマル。
ピンクのキューブはどんどん溶けて だんだん小さく、薄くなってきた。 お湯から出して、残り少なくなってしまったバブを じっと見てたマルは、 ぽきんと二つに折った。
あらら。
「おかーやん、はんぶんこっ」
くれるの?
「あげる!」 「ありがとー。」
マルのおかげで、ぽかぽか。 朝風呂、たのし。
私は3人も産んじゃったので、 鏡が3枚だ。
モックンは、ふざけたインテリであかんたれ。
ミーは、要領のいいわがまま。
マルは、ガンコな頑張り屋。
何でやなとこばっかり似るんだろう。
年長さんのお別れ遠足で、今日もモックン遠足である。 今日は二見シーパラダイスに行ってきた。
ここには芸をするゾウアザラシがいる。 水槽からえっちらおっちら柵も囲いも何にもないただの地べたへ出てきて、 前足(前ヒレ?)を、顔に当てて、べろ〜んと舌を出して、 「あっかんべー。」とやるのだ。
ゾウアザラシ君はずらっと園児に囲まれて、ちょっと興奮気味だったらしい。
「アッカンベーしてた?」とモックンに聞いたら、 「うん!でもな、ゲンキくんは、怒りっぽいん。」 「へ?なんで?」 「ゲンキ君、隣りのミナミゾウアザラシにガブッってかみついとった。」 「ひえー!あぶなー!」
ゲンキ君と園児の距離わずか1メートルほどだ!
「かみつかれたゾウアザラシ、血ぃでてな、暴れとったよー。」
きゃー!こわー! 「みんなどーしたの?」 「みんなキャーって逃げたよ。」
めっちゃスペクタクル!
二階のコタツから今日は子供達(ひげ含む)が降りてこない。 今日は一日そこで過ごす気だな? いいか。たまには。
朝ご飯もおやつも昼ご飯も みんなコタツにサービス。 なんとあまやかしてることだろう。
おかげでみんな好き放題。 いつも子供まみれの私は、今日は下でひとりで好き放題。
一区切りついたところで様子を見に上に上がってみる。
マルは、アンパンマンのビデオを見ている。
ミーは、ぬいぐるみの世話で忙しい。
モックンは、本棚の前に座って、本に読みふけっている。
え? じゃあ、さっきからずーっと、ゲームボーイしてたのは?
ひげ長男君・・・・・・・。
「買うときにいぢわるゆーたくせにー。」 「へへへへへっ」
ゲームボーイどころかTVゲームも絶対反対のひげ君だったのに。
モックンに、 「夜と、日曜日は、おとーちゃんに貸してあげんの!」 とか言われて、 「うん、ありがとーな!」 とか言ってていいの???
2001年03月03日(土) |
おかーちゃんのほしいもの。 |
きょうはおひなまつりだ。
私が実家から持ってきたおひなさまは、 お内裏様と、おひなさまだけのシンプルな木目込み人形。 これをお正月から飾ってある。
最近では「女の子にひとつづつおひなさまを」とかって、 雛人形屋さんが暴れているけれど、 気にしない気にしない。 女の子が3人(自分も入れてるぞ、コイツ)いる我が家ではこれっきりだ。
今日のおやつは、ひな菓子。 で、晩ご飯は、ちらし寿司。 ひな祭りの歌も歌って、お寿司も食べて、 ご機嫌で、コタツでテレビ見ながら休憩してたら、 モックンが思いついて言う。
「おかーちゃん、今日は女の子のお祭りなんやろ?」 「そーよー。」 「なんかプレゼント、もうた?」 「あ。もうてないわ〜。」 「ぼく、なんかあげよ!」 「わ〜い!なにくれるん?」 「なにがほしい?おかーちゃん?」
トルコの魔よけの目玉ピアスって言いかけて、 そーいうもんじゃないやつ・・・・って思い直して、
「愛が欲しい♪」と言ってみた。
「愛?」 「うん♪」 「うーん、それはおとーちゃんにチューしてもらわなあかんわ。」 わははっ! 「ええっ!チューなの?おとーちゃんの?」 「うん。」 「愛って、おとーちゃんのチューかぁ!・・・・いいや。」
「チュー」に反応して、マルがやおら近づいてきて、 「おかーやん、ちゅぱッ♪」 「マル、キス上手ねー。」 「ふふん♪」 ほめられて得意げ。
ひげ長男が帰ってきた。 モックンがさっそく、 「おとーちゃん!おかーちゃんが、愛してほしいって!」 でーーーっ!6歳児の口から爆弾発言である。
ムンクみたいな顔になってるひげ君に、ことの経緯を説明。
「そか、そか。」 納得したひげ君、洗濯物をたたんでる私の背中に抱きついた。 「愛してるよ〜。」 「そ、そんな、もたれかかられる愛は、嫌や〜。」
愛って、難しいのよ、モックン♪
さあ、布団をひこう! ばん!と敷布団を畳に敷く。
「きゃ〜〜〜〜〜っ♪」 隣りの部屋からダッシュしてくる、マル。 敷布団にダイブ。 「どいてー!」 「きゃ〜〜〜〜〜〜ッ♪」 続いてダイブしてくるミー。 ひく布団ひく布団にまとわりつく。 「ひけへんやん!どいてー!」
敷布団の次は、シーツ。 ファサっと広げたシーツの下にもぐりこむ。 ピーンと敷きたいのに、くっちゃくちゃ。 「どいてって!」 「うきゃきゃきゃ!」
毛布。 布団の上に寝て、上から毛布がかぶさってくるのを、待ってる。 ご希望どおり、毛布をかけてやる。 毛布の中にもぐって、もそもそもぐら状態。 その上に掛け布団をばさっとおく。
「ひゃ〜〜〜〜〜〜っ!」
ふかふかの羽毛布団にモックンがダイブ。 もぐら姉妹も出てきて飛び込む。 「やー!やめなさーい!」 と言いながら、楽しそうなので、 3人まとめて、布団蒸し。 「肉まんや〜〜!」とモックン。 「肉まん!肉まん!」と自分から布団にくるまれてくミー。 マルは、布団の中でずっとうひゃうひゃ笑ってる。
布団から這い出てきたところを、 また布団をかけなおして、布団蒸し。 何べんやってもきりがない。
疲れたー、とひいたばっかりの布団にひっくり返ってたら、 「おかーちゃんを布団蒸しにしたるー!」と モックンの逆襲を受けた。 バンと布団を私の上にかぶせて、その上に大の字に飛び乗ってきた。 「わははははは!」 なにをこしゃくなっ!
そのまま布団ごとモックンをぎゅうううと抱え込み、勢いをつけてごろん。 形勢逆転。布団蒸し返し。 「ぎゃああああああっ!」
わはは。
あ。
ふとんぐちゃぐちゃ。
どきなさい!もっぺんひきなおすから! しっしっ!
今日はミーの5回目の誕生日だ。 保育園が終わってから、おやつパーティーをすることにした。
早めにお迎えに行って、うちにつれて帰る。
「わぁ!これなに!」 「金魚。」
天井から金魚の形のくすだまを吊ってある。 和紙のピンクのラッピングペーパーで、作った金魚に お菓子を詰めたくすだま。 金魚って言うよりも鯛みたいだけど。
「どーすんの〜?」 「あとでみんなが来てから割ろうねー。」 「わはははは!うんうん!」
お友達が揃うまでの間にケーキのデコレーションをすることにする。 制作は、ミーとショータくん。 生クリームを、絞りだし袋に入れて渡してやると、 ミーは、丸いケーキのふちに沿って でこぼこぐにゅうにゅと、生クリームを絞った。 ショータくんがイチゴをそのクリームの上にねじ込む。
「でーきたっ!」 できたできた。曲がりなりにもケーキだ。
お友達が揃ったので、お誕生日のミーから棒を持って、 金魚のくすだまを割る。
ぱこん!ぱこん! ミーにはなかなか割れない。 選手交代ー。 男の子連中が代わりばんこに叩く。 シュウちゃんがヒット。
ばらばら落ちてくるお菓子に、 「きゃ〜〜っ!」 と子供達が群がる。
わっはっはっはっは! これいいわ。 おもしろいー。
ちゃっかり好きなお菓子だけ持って逃げる子、 体全体で、抱え込む子、 取れなくて泣く子、 ヒトのお菓子を横から奪う子。
ちゃんと人数分いれといたんだけど、 なるほどなー、子供の世界は、弱肉強食だー。
おおげんかに発展しないうちに、 適当に分けて、ケーキタイムにする。
丸いケーキにろうそく5本・・じゃ、ケンカになるので、 7人全員に切り分けてから、 それぞれに1本ずつろうそくを立てて、火をつける。
「はっぴーばーすでー、みーちゃーん♪おめでとー!」 で、全員が自分のろうそくを吹き消す。 満足して、ケーキを食べた。
ハッピーバースデイ、ミー。 体は小さいけど、人一倍しっかりもののミー。 可愛いミー。 いつも我慢させてごめんね。 今日は一緒に寝ようね。
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