なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2007年08月24日(金) |
英語など恐れずに足らず…なにせ、この程度なんだから。 |
ただいま、金曜日のお昼前。もちろん私は仕事中。同じくシスアドの同僚二人と課長さん、皆さん本日はお休みです。一人は奥さんが出産だからと言うことで2週間休みを取り(いい国だよね、アイルランドって)。残りの二人は某所で結婚式だからとお休み。
かくして何も知らないなんちゃってシスアド(私のことねん)がぽつんと取り残されたわけ。いい根性してますよ。いくらケータイをもって万一の時には待機してるとはいえ、ン百人いる会社のシステムが万が一にもおかしくなったら、その責任はすべて私に来るんですよ。
実際、朝から共有フォルダ用のサーバーが不調でいきなりリセットする羽目になりまして。そりゃ本物のシスアドさんには朝飯前のことなのでしょうが、こちとら真っ青になりましたよ。万が一にも問題を大きくして会社の業務が出来ないようになったら、P45を泣く泣くもらう羽目になりかねませんからね(注、P45とはアイルランドで退職時にもらう納税額などを書いた書類。転職の際に必要。日本で言うとこの「納税証明書」になるのかな?つまり、P45をもらうということはクビになるということ)。
ま、朝の一瞬のパニックを乗り越えると、現在はこうして結構平和なのでセンセイのいない小学校の自習のクラスのような状態。こうして日記の更新を始めたわけですが(いいのか、それで)、今日のお題は、英語についてです。
アイルランドに8年だか住む私、未だに日本語的な発音は抜けないし、前置詞とかで間違えるし。まだまだ研鑽が必要です。
で、よく言われるでしょ。日本人は話せない。文法をまず一生懸命考えるから言葉となって出てこない。とりあえず、口に言葉を出せ。発音も気にしなくていいから何か言え…って。
これ、実際その通りだと思うんですよ。もう、この日記でも何回か触れてますが、アイルランド人の英語なんてたかが知れてますよ。文法的にはめちゃくちゃな人が結構多い。もちろん受けた教育などによってかなりのばらつきがあります。が、平均から話を進めさせてもらうと、こいつらの英語を聞いてたら、上に書いた「とにかく口に出せ」が正しいと思われるのです。
なんでこんな話を始めたかというと、数分前にメールを受け取ったからです。そもそもその内容がアホらしかったので呆れ、で、よくよく読み返してみるとひでー文章であったことにも気がついて、ここにさらし上げすることを決めたわけです。はい。アイルランドの某企業に勤める、ネィティブが書いた英語をそのままコピペします。
Hi Could You please Check i can not print my e-mails it is not set up
うん。よーく読むと、ただ単に句読点がないだけで、文法的には間違ってないかもしれない。だけどさ、大文字にしなきゃいかんとこで大文字にしないで、小文字でいいとこは大文字で、句読点はなし。もう、とにかく単語を並べただけ。
で、この内容そのもの、つまり、「プリンターのセットアップくらい自分でやれボケ!」というあまりにレベルの低い依頼だったので思わずメールを読み返したわけ。なにが言いたいかというと、このメールのおかしさに最初は全然気がついてなかったのよ。
もう言いたいことはお分かりですね。英語力が伸びないとか、英語が話せないとかお悩みの方。所詮ネィティブでもこの程度です。何か言えば何とか通じます。あ、もちろん、指さし「アイルランド」はそれを後押しします(と、かなり無理のある宣伝をしたりして)。
この日記に勇気付けられたという方、または、そんなの嘘っぱちだとクレームをつけたい方、その他御用の方はこちらへ(掲示板へのリンクです)。
2007年08月21日(火) |
神様とITはあなたを見ています。 |
なんちゃってシスアドになって3か月近く経ちました。この間、いろんなことを学び、けっこう知識も増えてきたと思います。
仕事に慣れてくるにつれ、私の仕事でできることの幅広さにちょっと驚いてます。たとえば、社員全員のメールボックスに私はアクセスできます。もっとも別に好き好んでアクセスしようとは思いませんが。または、社員全員のコンピュータに入り込んだりモニターすることもできます。これまた、別に用事がなければいちいちアクセスしようとは思いませんが。
ほんで。初期のころは、誰かのコンピュータに問題があったらそこまで労をいとわず階段を上り下りして行っていたのですが、最近、リモートデスクトップという機能を使いこなすようになってそれにともないグータラになりつつあります。この機能、早い話が、自分のコンピュータから他人のコンピュータを操作できるのです。これがホントに便利。何せ自分の机ですべて片付いてしまうのですから。
で、今日。アイルランド人の同僚から、Lotus Notes(メールクライアント)の調子が悪いとメールが届く。で、彼女に内線で電話しながら、彼女のコンピュータにアクセスする。この時点で、彼女が何をしてるかモニター出来るわけ。もちろん、電話をしてから彼女のコンピュータにアクセスしてもいいんだけど、こうしたほうが時間の節約になる。
彼女が電話に出たのと、彼女のコンピュータにアクセスしたのがほぼ同時。彼女のディスプレイが、私のディスプレイに映し出される。その画面は、インターネットエクスプローラーで、どっかのサイトにアクセスしてる。いわく…
David Shelly (25) Born in Clondalkin, Dublin
で、で、出会い系サイトですか?
まったく朝の9時から会社のコンピュータを使って出会い系サイトにアクセスするというのはいい根性としか言いようがありません(注:会社と彼女の名誉のためにバラしておくと、正確にはこのサイトで、一応健全なサイトであるといっていいと思う。とはいえ、たとえば下手なカキコをしてIPアドレスからうちの会社が割り出されたりしたらまずいということは分かってもらえるかと)。
ちなみにうちの会社、当然といえば当然ウェブセキュリティアプライアンスを入れてます。が、きら星の数ほどあるウェブサイト、全部をモニターすることは無理。かくして、こうやって穴が出てくるわけです。何でもいいけど、なんでこのテの話をしようとすると、カタカナが並ぶんだろ。日頃、無駄なカタカナ英語は極力避けるようにしてるのですが。
私は、電話で…
私:「おはよう。どうよ?忙しい?」 同僚:「もう大変。20日が締め日の会社も多くてね」 私:「(ウソこけと思いつつ)あっそう。大変だね。ところで、今朝ITにメール送ったよね。ちょっとそっちのコンピュータにアクセスしていい?」 同僚:「いいよー」
…と言いつつ、例の出会い系サイトを慌てて閉じるやつ。残念ながら私は最初から見てます。
で、Lotus Notesの問題自体は単純明快。すぐに解決。解決後、すぐにウェブセキュリティアプライアンスにアクセスして、このサイトをブロックしたことは言うまでもないかと。
たださあ、一言だけ言わせてくれ。
あんたつい数週間前に婚約したばっかじゃなかったっけ?
そんなくされシスアドに物申すという方はこちらへ(掲示板へのリンクです)。
2007年08月16日(木) |
新人が日本語で話しかけてきた…ビミョーな内容を。 |
注意:載せようかどうかかなり悩んだちょっとビミョーなネタです。ご注意を。
また会社に新人が入ってきました。日本と違って通年採用しているので新人が入ってくること自体珍しいことじゃない。で、アイルランド人以外の外国人が入ってくることも珍しいことじゃない。かくして中国人の新人が入ってくることも珍しいことじゃない。というわけで、つい最近中国人の新人が入ってきました。
彼がまあ、珍しい感じの人なのです。私とおない年くらいに見える彼、80年代に流行したようなやたらとレンズの大きい眼鏡をかけて、そのレンズの向こうには人を疑ったことがないような純粋な目。そして、ものすごく友好的なのです。握手した時にはしっかりと手を握ってくれて、おおお、真の日中友好はここから始まるのか!とひそかに喜んだりして。
そして、数日後、彼の机の前を通りがかったら、中国語でタイプしたり、メールを送れるようにしてほしいというので、やってあげることに。ご存知の方も多いと思いますが、ウィンドウズXPの場合は非常に簡単にできます。ただし、うちの会社の場合、ヨーロッパ以外の言語をインストールするには管理者権限が必要なので、「自分でやれ!」などと言わずに手伝ってあげることにしたわけ。ちなみに私、会社では何も知らないシステム管理者をやってます。
で、彼、なんと日本語も話せるんだそうな。なんでも大学で日本語を学んでいたらしい。で、「日本語の練習をさせてください!」というので、日本語で話してみることに。
一通り、どこに住んでるかとか、何年アイルランドに住んでいるかとか日本語で話した。彼、実は私と同じくらいアイルランドに住んでいて、そして、年齢も近いという共通項を発見。私と彼の最大の違いは、彼はすでに子持ちという点だろうか(正直偉いよなあと思う。自分と比べて)。
で、彼が突然、「見せたい本がある」と言い出す。ちょうど日本の文庫本と同じサイズの本。当たり前と言えばそうだけど、日本と同じで縦書きでほんの右から読み始める。おお、漢字がいっぱいだ(←当たり前)。なんだかお経みたいだな。で、彼がいきなり言う。
彼:「これ(自主規制)っていう団体の本なんだ。この団体知ってる?」
…って、あれ?その宗教団体って、中国政府から禁止されている団体じゃなかったっけ?それから、たまにParnell Streetあたりで抗議活動してるんじゃなかったっけ?
私にとってこの宗教団体はこの程度の認識で、別に積極的に肯定するつもりも否定するつもりもない(評価するだけの情報を持ち合わせていない)…んだけど、彼がとにかくその話をしたくてしたくてたまらないと言うのがありありとわかるのだ。こっちがさりげなく話題をそらしてもその話題に持ち込もうとするわけ。幸い、彼の日本語能力より私の日本語能力のほうが勝っていたので(負けてたら困るだろ)そっち方面に話が進むことはなかったのだが。
そりゃさ、仲良くなってその上で出てくるならまだわかるけど、ほぼ初対面の状態で政治とか宗教の話を始めようとするのはまずいでしょう…というのが私の中での常識なのだが、うーむ、この常識が通じない人もやっぱりいるんだなと認識。
私、宗教そのものを否定するつもりはまったくないです。例えば、なんかの宗教を信じたらガンが治ったとかそういうこともありえると思ってます。しかしねえ、同時に宗教の独善性ってのが嫌いなんですよ。「この宗教はすごいからお前もやれ」って。そのときの「この宗教がすごい」ってのはあんたにとっての物差しで計ったもんで、それは私と同じものさしであるとは限らないでしょ…と言いたいのです。
平たく言えば、日本国憲法で保障されている信教の自由の裏側には信じない自由もあると思うんですよね。もっと平たく言えば、タバコと一緒で吸いたい人はどうぞ。でも、私は吸わないよ。もし万一吸いたくなったら自分で言うからそれまで放っておいてね。いかにタバコがおいしくても勧めてくれる必要はないよ…ということなのです。
この新人の彼、私と話をもっとしたい模様。それ自体歓迎ですが、もし、このビミョーな話ばかりをしたいようなら、ひとこと言わないといけないかな…とか思ってます。ただ逆に、知りもしないのに胡散臭さだけで、彼と距離を置くようなこともしたくないとは思ってますが。
ビミョーなネタながら、どーしてもコメントしたいという人はこちらへ。ちなみに、こーゆー日記を投稿しておいてなんですが、うちの掲示板、宗教ネタは禁止されております(こらこら)。
2007年08月12日(日) |
謎多き国アイルランド:意味不明なガードの高さ制限 |
ちょっと前から、空港からの急行バスを含む一部のダブリンバスの路線が、127,840,000,000円(Snigelお得意の誤植じゃありません。1278億円。ユーロで7億5200万)というこの小さな島国から考えると気の多くなるような巨費を投じて完成したダブリン港トンネルを使うようになりました。
このトンネル、市の中心部を通過するトラックを排除するために作られたもので、トンネル開通後しばらくして、昼間の大型車の市中心部への乗り入れは禁止されるようになりました。確かに、トラックの数は減ったけど、交通渋滞が緩和されたかといえば、あまりそんな気はしないというのが実感ですが。
ともあれ、この国の意味不明なところは相変わらずで、たとえば空港行き急行バス。空港から町行きのバスはトンネル経由ですが、逆に町から空港行きのバスはトンネルを経由しません。…って誰がどう考えても、より高い定時性を求められるのは空港行きのバスなんだから、空港に向かうバスをトンネル経由にすればいいのに。いや、待て待て、もっと根本的には両方向をトンネル経由にすればいいんだよな。
さらに蛇足なのですが、少なくとも空港発市内行きのバスの正式ルートはトンネル経由なのに、なぜかいまだに多くのバスはトンネルを経由してません。上の写真のように行き先表示にもはっきりと「トンネル経由」と書かれているのにです。
勝手な根拠なき邪推ですが、ダブリンバスの組合は強いので、トンネルを使うようになる→所要時間が減る→勤務時間内に今までより1-2往復多く運転できるようになる→めんどくさいからやだ…などと運転手さんおよび組合あたりが考えてるんじゃないかと…あくまで下衆の勘ぐりです。
ともあれ。空港から市内に向かうバスは空港を出るなりに高速道路に入り、そのままトンネルへ。トンネル出口から右折してEastwall Roadに入りFairview Parkの南をかすめてNorth Strandに入り、Busaras(中央バスステーション)に向かいます。何でこんなに詳しく書いたかというと、トンネル出口からQuay(リフィー川沿い)には向かわないのです。Quay経由にすると、Busarasに向かうために大まわりをすることになるわけ。
で、問題はEastwall Road。ここに、何やら、鉄道のガードがあるのです。
このように。
で、ここには高さ制限があるので、その前に警告のためのバーが取り付けられています。日本では黄色と黒のトラ模様のバーを見かけますが、こっちでは珍しいかも。
このように。後ろの方にガードがあるのが見て取れると思います。
それにしても何だか知りませんが、仰々しいバーです。標識が4種類8枚(左右対称に)ついてます。ちょっと拡大してみます。
上から順に
高さ制限3.6メートル(height restriction) 3トン以上の車(トラック)進入禁止(No Entry) 頭上高2メートル(height restriction) 乗用車以外進入禁止(No Entry)
ごくごく正直に書きます。
頭の悪い私にはまったく理解できません。
ええと、たとえば、高さが2.5メートルある車は入っちゃいけないんですか?それとも「頭上高2メートル」の表示はあくまで警告だから高さが3.6メートル以下の車両なら通行が可能なのですか?
さらに、重さが2.5トンのトラックは進入してもいいのですか?乗用車以外進入禁止の表示の上にわざわざトラック進入禁止の標識をつけた真意はいったい何ですか?
で、ここで終わらないところが、さすがはアイルランド。このバーをくぐりぬけて、実際のガードに向かってみます。ここには…
高さ制限5.26メートルの表示が…。
もしもしー、2メートルと5.26メートルじゃ、2.5倍以上違うんですけど。
今日の日記、ダブリン港トンネルの話から始めたってことご記憶でしょうか。実は、ダブリンバスがこのガードを通過する道を空港からの急行バスのルートに設定したところ、某Gardaさん(警察)からダブリンバスに苦情が来たらしいのです。「高さ制限2メートル(あるいは3.6メートル)のところに高さ4.3メートルのバスを通すとはどういう了見だ」って。
ただねえ、こんな矛盾だらけの標識をタテに文句をつけてくるGardaは十分アホですが、この付近に昔住んでいた住人(私のことねん)として言わせてもらうと、このガード、実は53番のバスのルートなんですよね。つまり、相当な長い期間、すでに2階建てバスはこの下を何度も何度も駆け抜けているわけです。
…本当に謎の多い国です。この国は。
この標識の真意について掲示板で熱く語ってみる
2007年08月07日(火) |
ささやかな、でも決定的なドイツとアイルランドの違い |
某月某日
アイルランド国ダブリン市のBank of IdiotのATMで100ユーロを出金する。
50ユーロ札が2枚出てきた。
某月某日
ドイツ国ハノーヴァー市のSpakasseのATMで100ユーロ出金する。
50ユーロ札1枚、20ユーロ札1枚、10ユーロ札2枚、5ユーロ札2枚が出てきた。
あれ?
何かが違う。何かが。ささやかな違いだけど、利用者の利便を考えている銀行とそうでない銀行の差が、どこかに表れている。
大したことじゃないんだけど、この辺が、もしかすると、ドイツとアイルランドの根本的な違いなのかもしれません。
感想を書いてみる
2007年08月04日(土) |
ドイツで出会った謎のDebenhams投げ売りセール |
ただいまドイツにおります。とんでもなく便利なサイトを使ってこのページをただ今更新中。日本語環境になくても日本語が打てるとんでもないすぐれ者。海外にお住いの方(あるいはお出かけの方)はぜひお試しあれ。
ほんで、今日は某Mindenという街に買い物に行ってきました。何を血迷ったか知りませんが、某デパートの紳士服売り場がえらいことになってました。
この店、なぜかDebenhamsの売れ残り(と思われる)商品を売っている。たとえば、このDebenhamでおなじみのThomas Nashブランド。シャツは15.5ユーロ(2635円)で投げ売りされている。
さらに異常なことには、紳士服ほぼ全商品7割引。
ってことはですよ。15.5の7割引ってことは4.65ユーロ(790円 )。
買いだっ! 買いっ!
と、自分を見失うこと30分、いろんなもんを買い漁りました。
シャツ5枚にスラックス1本、ついでにベルト2本
しめてお会計は55ユーロ(9350円)なり。
あ、ありえねー。
というわけでえらくほくほく顔して店を出ました。
こうして更新しながら思ったのですが
もっと買っておけばよかった。
こんなことを書くから、おばさんくさいとかバカにされるのですが、でもいいのだ。今日はこのまま得した気分でいます。それにしてもこんなにすごい値段で土曜の昼下りだったのに、なんでほとんど客がいなかったのか気になるところ。
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