なべて世はこともなし
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2007年09月27日(木) ダブリンのシンボルLiffey川の底に迫る




ダブリンのガイドブックなどでおなじみのこの写真。ダブリンに来られたことのない方でも、このサイトに来られる方ならきっと同じような写真をご覧になったことがあると思います。Gratton BridgeからMillennium BridgeとHa’penny Bridgeを望むこの写真。ああ、ダブリンだなと感じさせる写真です。


でもね、この写真、ちょっと引くとこうなります。





き、汚い…。


これらの写真、昨日私が撮ってきました。さすがきれいな中秋の名月が見られただけあって、見事に大潮。ダブリンのドブ川シンボルLiffey川の川底がよーく見えます。


余談ながら、このドブ川で遊覧船を始めた会社がありましたけど、まだやってるんだろうか。もしダブリンに観光で来られるという方、パリやロンドンと違ってこの街には川から見るようなものはほとんどありません。川辺の道から見るだけで充分ですので遊覧船に12ユーロも払う価値はありません…と言い切ってしまった。


もっと言えば、この川の上に遊覧歩道を作ったはいいが、実は、あまり歓迎されない方々が昼間から酒盛りをするような場所に成り下がってしまったようですが、これもこの川底の様子から考えれば、まあ、納得できなくもないような。きっと川底がきれいだったら、このプロムナードももっときれいに使われるんじゃないかなあ…って理論は無理がありますかね。


でもね、上の私の写真なんて、実はかわいいものです。私が写真を撮った場所からおよそ3キロほど上流にあるHeuston駅を使った読者さんはこんなすさまじい写真を送ってきてくれたりするわけです(以下の写真2枚は読者さん提供)。





はい。このように通常は別にきれいとまではいえないまでも、静かな水面をたたえるLiffey川も




大潮のときはこの有様。ひでーもんですね。実際。この写真が撮られたすぐ近所に工場のある「ギネスはLiffey川の水で出来ている」なんて古典的なジョークがありますが、この川底を見たら、そんなジョークを言う気はなくなります。ひどいやつになると、Liffey川など埋めてしまえなどという過激な意見まで出てきそうです(って言っているのは私だけですが)。


まあ、一国の首都の中心を流れる川、これが澄んできれいと言うことはあまりありえないとは思うのですが。でも一度きれいに川底をすくってきれいにするだけの価値はある気がします。…なんかとんでもないものも出てきそうな気もしますが。





Liffey川の素晴らしい川底の写真を初めて見て感動したという方、食事中なのにひどいものを見せるなとお怒りの方、または御用の方はこちらへ(掲示板へのリンクです)。


2007年09月20日(木) ミニ更新:寝ぼけっ面にハチ

夜中。私は自分の狭い部屋のベッドで気持ちよく寝ておりました。そこに聞こえてきたのは虫の羽音


コドモのときからの癖で、こういうときの対処法として、私は無意識に布団(ちゅうかこっちで言うDuvetね)を頭からかぶる。これ、蚊が入ってきたときにそうやって自分を護ろうとしたらしい。もっとも、そのあと布団を蹴っ飛ばしたりしてるから朝気がつくと蚊にさされていて無駄な抵抗でしたが。ともあれ、コドモのときについた癖ってのは大人になってもきっと抜けないものだと思いますがどうでしょ。


で、私は布団で全身を護った上でそのまま目覚めることなく気持ちよく眠り続けようとしたのだがそうは問屋が卸さない。耳元で大音響と言っていい羽音が聞こえたと思ったら、こめかみの上辺りを何かに刺された!


いてー。


蚊どころの騒ぎじゃない。目が一気にさめるほどの痛さ。寝ぼけたままの頭で考えたが、よく考えるとダブリンで蚊を見たことなんかないし、こりゃ、なんだ?しかも、まだどっかでぶんぶん言ってるよ。


飛び起きた私は部屋の電気をつける。その姿は見えず。が、数秒後、ベッドの下から飛び出してきたのは、アブだかハチだか知らんが、その類の虫。ベッド脇のワードロープに止まったので、枕元においてあった文庫本を手に取り迷わず叩き潰す。


そうして、時間にすると1分もない戦いは終わった。電気を消して、寝る。


…ちゅうか、寝ようとしたのだが、刺されたところがかなり痛むのだ。かと言ってまったく医者に行くほどのことじゃないし(行ってもどうせ朝まで待たされるのがオチだろうし)そのまま寝ようとするのだが、無理。ようやくまどろんできたと思ったら、ベッドの下に蜂の巣があってその蜂が襲ってくる夢を見た


翌朝鏡を見ると、髪の毛のおかげで目立たないが、まあ、こめかみの上の部分が見事に腫れている。そして、床には無残なアブだかハチだかの死体が一体。どうやら悪夢じゃなかったらしい。まあ、一晩よく眠れなかったと言うのは、私にとって充分悪夢だが。


まあ、話としてはこれだけなんですけど、でも、不思議。だいたい週末に窓を開けたきり窓はずっと締め切ってあった。つまり、どっからこのアブだかハチだかが入ってきたのかさっぱりわからない。しかも、何をどう血迷ったら、人の布団の中に入ってきて、人の頭を刺そうとするんだ?


あとで気がついたのだが、そのアブだかハチだかを叩き落した文庫本は「真の愛は何か」を語った(サイト名Amazonの書評より転載)三浦綾子の「道ありき」だったというのは一人で笑ってしまった。





未だにこめかみの上が腫れた作者にお見舞いのメッセージをくださる方、作者のバカさ加減をバカにしたい方、または御用の方はこちらへ(掲示板へのリンクです)。


2007年09月12日(水) 信じられないことがおきた。【会社で備品の注文】

私、メールに無意味に「重要度高」マークをつけるやつが嫌いです。たいがい重要でないメールに限ってこのマークをつけてきやがる。あるいは、人によってはすべてのメールにこのマークをつけてくるバカもいる。


私の場合、このマークをつけてきたメールは例外なく一番後回しにします。たとえ、そのメールを読んだ瞬間に解決できる問題でも出来る限り後回し。というわけで、現在、数件のどーでもいいことをわざわざ後回しにしてます。そして日記の更新をしてます(マテ)。


そんなことはともかく、ちょっと奥さん聞いてくださいよ。信じられないことがおきたんですよ。


私の仕事の一部に備品の購入の担当というのがあります。備品と言ってももちろんコンピュータ関係のみ。ボールペンとかの文具は別の人。私は、別に伏字にするまでもないんだけどBrayにある某D社からコンピュータ本体を買ったりとか、別の会社からディスプレイ、机の上の電話機から会社用のケータイ、セキュリティー用のカード(ドアを開けるのに必要)とまあ、いろんなものを注文するわけです。


そう。ディスプレイ。うちの会社全員がフラットスクリーンに移行したんだけど前任者が、某韓国のS社か日本のN社かという二択で、たった数ユーロ安いからという理由で韓国のS社のにしてしまったのだ。


日本人の私としてはいつかN社のにすりかえてやろうと画策しているのだが、今のところ、前例に従って韓国のS社のを15台の見積もりを出した。それが8月の17日のお話。催促をして見積もりが来たのが、8月22日。即日注文。


「いつ着くのか」という問い合わせも無視され、数度目の問い合わせでようやく返事が来たのが8月31日。「来週の火曜日(つまり9月4日)に着くよ」とのことだったが、本日9月13日現在、これらのディスプレイは未だに届いておりません。もう1ヶ月近く経つんですけど…。


ちなみに私ももっとせっつかなきゃいけないのだが、何せ置き場がないし、まだ数台ストックがあるので無視してます。さあ、いつになったら着くのやら。


これのどこが信じられないのかって。信じられますよね。アイルランドのいつもの話ですよね。まったく進歩のない話ですよね。こんな日記はもう読み飽きましたよね。わかってます。こんな話ばかりだから以下の話が信じられないのです。


これは昨日のお話。日本が安部総理辞意表明だなんだで大騒ぎしている頃、アイルランドのこの会社ではそんな話はどこ吹く風、私は各机にある電話を10台見積もりを某社にお願いしました。メールを出したのが朝の9時25分。某社のマネージャーから見積もりが返ってきたのが9時37分。わずか12分。例えテンプレメールを使ったとしても早すぎ。あんたやることないんかい。



で、私が注文を出したのが10時15分(←つまりお前もやることないんじゃねえのか)。そして、午後3時過ぎに受付から私宛に荷物が届いているというから行ってみると、なんと!もう注文した電話が届いているではないか!


お前ら!やれば出来るんじゃねえか!


そりゃね、きっと相手がヒマだったに違いないとか、ちょうど別の配達があったからそのついでにやったに違いないとかいろんなうがった見方は出来ますよ。でもね、アイルランドでこんな高速のサービスを受けたのは多分初めてなので本当に驚きました。というわけで、悪口ばかりではなく、ちゃんと平等を期すために正直に書かせていただきます。


よくやった。


マネージャー宛にきちんとお礼のメールを送っておいた私はやっぱり日本人ですかね。




この経験に同意される方、ケチをつけたい方または御用の方はこちらへ(掲示板へのリンクです)。ちなみに、この日記の更新等はちゃんと休み時間や勤務時間外にやってますからね。念のため。


2007年09月08日(土) アイルランドでSleipnirメジャー化計画

会社の中には当然たくさんの部屋があるわけで、ITになって初めて出入りできるようになったのが、サーバールーム。要するに、コンピュータのサーバーがずらずら並んだ会社の頭脳ですな。ここでつい最近とんでもない事件が起きたのですが、それは今日のネタじゃない。


そのほかに、縦8メートル、横2メートルくらいの窓一つないうなぎの寝床のような小部屋があります。ここ、長い縦の線に沿って長い机が備え付けられてて(だいたい横一列に4人分くらいの机になりそう)その反対側には2メートルを優に超える天井まで届きそうな棚があります。


この部屋がまあ、物置以下の状態。古いコンピュータをはじめとして、新品のコンピュータ、LANケーブルに電源コード、ソフトウェアに電話機、使わなくなったPS/2タイプの(要するにUSB接続じゃない)キーボードにマウス、データ保存用のテープの山にディスプレイ、それから何が入っているか想像もつかない大きな箱…と、まあ、思いつく限りのゴミと備品で本当に床が見えない状態になっており、部屋の一番奥まで進むことは大げさでなく不可能な状態になってました。


こりゃ何とかしなければと思った私は、ある日、ネクタイをはずしその部屋に突進。で、数時間かけてこの部屋をきれいに片づけました。それ以来、私は勝手にこの部屋を自分の部屋として使ってます。実際誰も入ってこないしたぶん昼寝してても誰にも気づかれることはないと思う。


掃除をした時に出てきたのが6台の古いコンピュータ。調べてみると、そのうちの4台はウィンドウズ2000で、ほかの2台はさらにスペックが低くなんとウィンドウズNTで動いていた模様。Pentium4とかなんだか遠い昔に聞いたようなスペックのシロモノ。一部の同僚がいまだに使っているのでよく知っているけど、コンピュータを立ち上げるのに5分とかそれ以上かかるような役立たず。で、2台を除いて他は動かない。電源を入れてもウィンドウズが立ち上がらないとか、エラー音がして何も起こらないとか。


こりゃ面白いやということで、このうなぎの寝床にひきこもって、勝手にこれら6台のコンピュータに勝手にウィンドウズXPをインストール(って実際は、他の業務の合間に出たり入ったりしてたんだけどさ)。ウィンドウズ2000で動いていた4台のうち2台はハードディスクがご臨終らしく再生不能だったが、そのほかウィンドウズNTで動いていた2台を含め4台の再生に成功。ちなみに、再生できなかったうちの1台がなぜ失敗したかは明らか…メモリが取り外されていた(もっと早く気づけよ)。


これらの粗大ゴミ行きから一歩手前で救出されたコンピュータたち、電源を入れてみると、あれま、いらんゴミとかソフトウェアがなくなったせいか、XPが驚くほど早く立ち上がるよ。何せ、デスクトップにあるショートカットはゴミ箱だけ…という状態からかもしれないけど、この低いスペックのコンピュータでXPがちゃんと動くとは素朴に驚きだわ。


そこで私はふと思いついた。そういえば、カフェテリアに一台ネットサーフィン用のコンピュータがあるから、それとこのもとNTのコンピュータを入れ替えれば、カフェテリアにある比較的まともなコンピュータを新しく入ってきた社員用に再利用することができる。それで、もう一台のもとNTのコンピュータもカフェテリアに持っていけばいいかも。


うちの会社、各個人のコンピュータは規制がかかっているのでたとえばウェブメールとかスポーツとかニュースとかのサイトが見られないことが多い。その代わりとしてカフェテリアに規制のかかっていないコンピュータを置いてあるのです。これ、会社のネットワークの外に置かれているから、別にウィルスにやられようとどうなろうと関係ないわけです。


で、いたずら心が出てきた私、一台にウェブブラウザにサイト名Sleipnirをダウンロードしてきて、デスクトップにショートカットを作成。もう一台にはFirefoxのショートカットを作成。クレームが来るのが怖いから、ウィンドウズエクスプローラーはそのまま。ただし、スタートボタンからすべてのプログラムに行かないと見つからない…という状態にしてみたわけ。


Sleipnir。好きなんですよ。インターネットエクスプローラーの7が出る前からタブブラウザとして重宝してて、実は、家のコンピュータも会社のコンピュータも既定のブラウザとして愛用してます。が、IT担当者すらも知らないという日本国外ではほとんどだれも知らないマイナーブラウザ状態。なので、このカフェテリアのコンピュータに導入したら誰かがこのブラウザに興味を示すかもしれない。使ってみたいという人が現れるかもしれない…と考えたのです。


で、数時間後、様子を見に行ってみた。


誰かがデスクトップにインターネットエクスプローラーのショートカットを勝手に作成してた。


やっぱり、使い慣れたブラウザがいいんですかね。Sleipnirアイルランドでのメジャー化計画の一歩は最初の一歩で頓挫しました。




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2007年09月07日(金) まだ9月ですが、実はクリスマスの計画を立てるのにはもう出遅れている…というお話。

前日の日記…と言ってもすでに10日も前なのですが…に書いたとおり、うちのマネージャーさん、奥さんが出産ということで2週間ほど休んでます。前回も書いたけど、ホントにアイルランドっていい国だよね


このマネージャーさんがいてもいなくてもヒラで何も知らない私にはなーんの影響もありません。たった一つのことを除いて。すなわち、年休。この人がいないと年休が取れないのだ。今年はすでに二回も日本に行き、すでに5週間も休んでいるのにまだ休みたりない私は、新人であるにもかかわらずクリスマスに2週間の休暇を申請。


まあ、こんななまけ癖と図々しさではきっとこの国以外のどこの国でも働けないと思います。まあ、新人のこの図々しさにマネージャーも呆れ果てたのか、8月の初めに年休の申請を出したのに音沙汰がないまま奥さんが陣痛で出産で2週間休みで…と会社から姿を消してしまったのです。


で、8月の初めの時点ではドイツはハノーバーまでの運賃は300ユーロ。高えよ!という声が聞こえてきそうですが、飛ぼうとしているのは12月の22日。おそらく年で一番ヒコーキが混む日です。毎年、ヒコーキがキャンセルになったりとか、乗り継ぎ空港で一晩明かす羽目になったり、行きも帰りも荷物がなくなったりとかロクなことが起こらない日。わかっちゃいるけどこの日に飛びたいのよ。


そんな日ですから、フランクフルトでの乗り換えがあって300ユーロはかなり適正な運賃だと思います。たとえば、くされRyanair等もこの日はかなり強気な運賃設定にしているので、鉄道まで考えると、結局これに近い金がかかるので、だったらおとなしくルフトハンザで飛んだ方が賢いという結論に至った私は間違ってないと思う。


マネージャーがいない間、私は怖くてルフトハンザのホムペを見ることができなかった。だって、だんだん空席が埋まってきて、運賃が上がってきている可能性は高いもん。で、いよいよ明日マネージャーが帰ってくるというので、おそるおそるルフトハンザのサイトにアクセスしてみた。


果たして運賃は385ユーロに上がっていた。


しかも、行きの旅程を見て口をあんぐり。


ダブリン→ロンドン→ミュンヘン→ハノーバー


悪名高いヒースローも含めて、2回乗り換えかよ!たかがドイツに行くのに8時間もかかるんかい!ええと、土地勘のない方のために説明すると、札幌から長崎に行くのに直行便がないから、大阪経由のチケットを買おうとしたらそれがすでになく、その代りに札幌発羽田、鹿児島経由、長崎行きのチケットが出てきた…そんな感じです。


そう。私が狙っていた、フランクフルト乗り換えのフライトは完全に値上がり(630ユーロ)。運賃の高さもさることながら、クリスマス前のパニックの日。どこかで乗り遅れるだとか荷物がなくなるだとかそんなことが起こりそうな悪い予感がぷんぷんする。


まあ無駄だと思いつつ、いつも日本行きの航空券でお世話になっているダブリンの日系旅行代理店AWLさんにメールを送ってみる。ここには実に頼りになるお方が勤めてらして、なんかとんでもなくいい考え(たとえば私が思いつかないような経由地を経由しての安い航空券など)を持っているのではないかと一縷の望みをつないでみたのです。


さすが日系会社…なのか個人の資質なのかは知らんが、この前純アイルランドの会社に注文したコンピュータのディスプレイの配達予定日の問い合わせはなしのつぶてなのに、この日系のAWLさんに出したメールの返事はあっという間に来た。


ハノーバー行きのルフトハンザ、ご希望の日のご希望の時間に1席300ユーロ(とわずかな手数料)でご用意できますがどうされますか?


押さえてくれ。今、すぐ。


というわけで、ご親切なAWLさんのおかげで1席押さえることができました。変更も50ユーロで可能ということなので、もう予約します。もし休みが取れなかったら会社、辞めます(いいのか、それで)。


というわけで、今日の教訓。


ことヨーロッパ内の航空券は航空会社のホムペで買うのが一番安いけど、旅行代理店さんに頼んだほうがいい場合もある。


ひでかすがいろいろからくりを説明してくれたけど、でもやっぱ不思議ですよ。航空会社のウェブサイトにない運賃を旅行代理店さんが持っているってのは。


以下、実は書き終わったけどえらく長くなったので明日掲載。





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