なべて世はこともなし
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2006年07月31日(月) [告知]みねまい東京ライブのお知らせ

私が天才だと信じて疑わない、私が勝手に「ヨーロッパプロモーター」を名乗る博多の歌手みねまいこですが、ついに東京に進出するようです。ちゅうおうせんな街吉祥寺のライブハウスに半月後の8/16に出没する模様。


こういうインディーズ系のライブハウスなどさっぱりわかりませんが、みねまい公演の4日前には沢田聖子がライブをするくらいだから、なかなかメジャーなライブハウスじゃないのか。ここ。♪あなたからーフェードアウトー(←って誰も知らねえよ)


ともあれ、みねまいに「Snigelのホムペの読者です」と言えば打ち上げにも参加できるように交渉するので、ご興味のある方、ちゅうおうせん沿線にお住まいの方はぜひ足を運んでみてください。


このイベントについて詳しく知りたい方は、みねまいオフィシャルサイトへどぞ(ポップアップで情報が出てくるのでポップアップキラーを使っている方は注意)。

(いちおう以下が詳細ねん)

◆8/16(水)吉祥寺star pine's cafe<-詩宵月->
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1 (0422-23-2251)
JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺」駅徒歩5分
open:18:30 start:19:00
charge:前売2300yen+1Drink(当日2600)+1Drink
共 演:/來々(19:00)/ari(19:50)/みねまいこ(20:40)秋山羊子(21:30)
ご予約(star pine's cafeチケット予約page)
http://www.mandala.gr.jp/spc/utayoi/yoyaku.html
電話予約(おさかなレコード)
090-8629-7964


2006年07月30日(日) O分県のちょっと壊れた自治体のつける信号の名前における一考察

私にはあまり大きな声で言えない趣味があります。


旧道・廃道めぐり


世の中の99.9%の人には理解してもらえない話なのですが、道は、狭ければ狭いほど面白いし、一番好きなのは、現道(現在使われている道)なのに、ほとんど廃道とかいう感じの道。その趣味が高じて、「ORRの道路調査報告書」という全国の旧道・廃道めぐりをされている方のサイトのかなり微力なスポンサーを遠くアイルランドからしていたりするわけです。


で、Q州の中でも某一発屋の歌のおかげで一瞬脚光を浴びた某県についでマイナーと思われるO分県出身の私。やはり99.9%の人には理解してもらえないのですが、実はO分県は、このような旧道・廃道のメッカともいえる場所(らしい)です。意外でしょうが、トンネルの数などは全国でも屈指の多さで、かつ、廃道となったトンネルの多さなどはかなり特筆もののようです。


…かくして、変人の私は春に一時帰国したときに、某O分県のイナカの旧道・廃道めぐりをしてきました。






たとえばここ犬鼻隧道


詳しくは、さっきの相互リンク先の「ORRの道路調査報告書」に任せるとして、こんなとこをはじめとして、この半島に残る国道沿いの廃道などを探索して一日楽しく過ごしました。筋金入りの変人ですな。


そんな中で、この半島は実に謎の多いところだと思わされたこと。半島の海沿いの国道を通っていて発見。






なんじゃこりゃ?


…って何がおかしいのという方に解説すると、私が引っかかったのは信号の名前。まあ、信号に名前がついてるのって珍しくないですよね。「大関横丁」とか「赤土小学校前」とか。推定ですが、これって各自治体の独自の判断でやっているのではないかと思います。


ともあれ、便利でいい考えだと思います。どこか目的の場所を説明するときに、「道潅山入口の信号を右折して…」なんて言えばわかりやすいし目印になりますし(ちなみに、以上の地名は某所に実在します)。だけどさ、


みなと


ってなんだか名前のつけ方が壊れてないか?


気になったので、その「みなと」交差点を山に向かって左折。その数百メートル先に出てきた交差点は…。






よつかどくん


をい!

この信号の名前がありなら、全国の交差点の約7割(推定)はよつかどくんと名付けてもいいということになるんじゃないのか?


そこからさらに数百メートル進むと






なかよし


そして、最後に






おれんじくん


もうこうなると名付けのセンスとかそういう次元の話じゃない。


このO分県の某自治体、変だよ。


ちなみに、「おれんじくん」はこの広域農道が「オレンジロード」と名付けられているからだと思われますが、それにしてももはやコメント不能な壊れようです。


信号つながりでおまけ。


ダブリンのBaggot Streetにある信号機。


これ、私が知る限りでは、ダブリンで唯一残ったかなり貴重な旧型の信号機です。何がすごいって赤信号に






STOP


って書いてあるんですよね。その昔信号機が珍しかった頃、アイルランド人はSTOPと書かれてないと赤信号の意味が分からなかった…そんなことはないと思いますが、ちょっと気になります。なんでいちいちSTOPって書いてあるのか。ともあれ、この信号、かなり近いうちに撤去されると思われるので、鑑賞されたい方はお早めに(そんな人いないか)。


2006年07月27日(木) コドモの目から見たステキなステキなダブリンバス

日本では、毎年暮れになると、いろんな会社がお客様へのあいさつ回りとやらでカレンダーを配りにきますよね。気がつくと、使いもしない銀行や米屋さんのカレンダーの山ができてたりして。


反面、アイルランドでは、基本的にカレンダーは買うものです。結構な金額を出してでも自分の趣味にあうものを買うようですね。とはいえ、Bank of IriotじゃなかったIrelandとか、一部の企業はカレンダーを作っているようです。


私が生暖かくヲチしている…失礼しますた、興味深く見守っているダブリンバスも、実はこのカレンダーを作っているようです。と言っても、もちろんバスの車内で配ったりしてませんから、一般の目に留まることはほとんどなくて、内部だとか、出入りの業者などに配られているだけだと思います。


そんなカレンダーを拾いました入手しました。


いやー、コドモの感性って素晴らしい!


このカレンダー、ダブリン市内の小学生に描かせたダブリンバスについての感想画が載せられてます。たぶん学校の美術(図工)の時間に描かされたもの中で特に秀逸なものを選んで載せているのだと思います。あるいは「ダブリンバスポスターコンクール」とやらがあるのかどうかは未確認ですが。


私、コドモの頃、文は書けるけど絵はまったく描けないというクソガキでしたので、読書感想画というのは本当に辛かった。感想文ならいくらでも書けるけど感想画はちょっと。そんなわけで、感想画が描けるコドモというのは素朴に尊敬します。しかも、その感想画に実に香ばしい詩までのっけたりなんかして。


もう、ごたくは充分ですね。それではご覧いただきましょう。ダブリン市内在住12歳のAislingちゃんの描いたダブリンバス。


(クリックで拡大します)。



以下、詩のコピー。Snigelのホホホ訳もつけてます。ちなみに絵に描かれている確かに25AはAislingちゃんの住むChapelizodを通過します。

Dublin Buses are so cool
ダブリンバスはとってもクール。

They bring me everywhere to the shops or school
ダブリンバスは私を店に学校にとどこにでも連れていってくれる。

I really enjoy using them
私はホントに楽しく使っている。

They're always on time
バスはいつでも定刻通り。

To not use them would be like committing a crime.
バスを使わないことは罪を犯すようなもの。

Now I must leave, here's the bus right on cue.
行かなくちゃ。やってきたバスに合図をして。

It's so clean and shiny
バスはきれいで輝いていて

It looks brand new
まるで新車のよう。



ほっほー(関口宏ふうに)。


そうですか。Aislingちゃんにとってはダブリンバスはいつでも定刻通りで、バスはいつでも輝いていて新車のようなのですか。やっぱり、オトナの眼って輝きを失っているんですね。つまらないものばかりが眼に入るんですね。おじさん反省します。



(輝く新車のダブリンバスの車内の様子の資料映像。本文とはカンケーありません。ないんだってば)



それにしても、「バスを使わないことは罪を犯すようなもの」とは、すごいですね。ダブリンバスの関係者、間違いなく感涙に枕をそぼ濡らしたことだと思います。これからも楽しくダブリンバスを使ってくださいね。


好評なら、ダブリンバスに怒られるまであと11枚掲載します。とりあえず試験掲載ということで。


2006年07月24日(月) 例え日本は梅雨明けしてなくても、アイルランドは夏なのだ

Builder日本語でいえば、建築業者の皆様、今週の月曜日から1ヶ月の休暇に入ってしまいました。いい商売ですよ。一ヶ月まるまる一斉に休んでしまおうというんだから。


うちの会社、今のオフィスがえらく手狭になってきたので引越しを予定しております。去年の暮れの予定が今年の春になり、それが何時の間にか今年の7月になり、そして、つい先日、9月に延期となりました。


理由: 建築業者が夏休みだから。


ホントにいい国ですよね。私はアイルランドが大好きです(ボーヨミ)。


で、思わぬ副作用として、道路の混雑が一気に減りました。学校が夏休みになったおかげでまずクソガキどもご子息・ご令嬢の送迎がなくなり混雑が減ったのですが、そこに輪をかけて、建築業者が夏休みになったおかげで、毎日いつもより10分遅く家を出ても大丈夫。路上でのストレスも少ないです。もうこうなったら、わけのわからんストをまた来週しかけている雲助もといタクシーも路上から消えてなくなってくれれば言うことはないのですが。


2006年07月22日(土) Dublin Port TunnelとGoogle




かなりブレてますが、こちら、本日撮影のDublin Port TunnelのSantry側の坑口です。もう、まもなく開通ということで、写真をご覧になってわかるとおり、トンネル内には電気が点り、入口付近の電光掲示版などの整備も終わり、シロート目にはあとは開通を待つばかり…となっております。一般論としてのひとりごとですが、高速道路運転中に、写真撮影というのは良くない。


このDublin Port Tunnel。市中心の東約2キロのところにあるダブリン港から市の中心を通過して西に向かう交通、とりわけトラックの排除を目的として、市の北部の空港近くのM1(高速道路1号線)まで、住宅地の下を一気にトンネルを掘り抜けてしまおうという計画。全長5.6キロ、トンネル部は4.5キロ。


そりゃ蓋を開けてみなきゃわからないけど、これ、後世には「アイルランドバブルの遺物」として語り継がれる天下の愚策となる気がする。何せ、有効高が4.65メートルと、一部のトラックには充分でない高さ、当初の計画の倍以上の、日本円にして1000億円を超える(!)総工費(ちなみに現在東京に建設中の首都高速のトンネルは1兆円超だそうですが)、西に行くはずのトラックを北に迂回させる無駄(明後日の方向と人は言う)…等々、ど素人の私ですら、十分批判記事が書けてしまいそうな気配。だいたい1000億円の総工費って、アイルランドの国民がおよそ400万人とすると、ひとりあたり3万円近い負担となるわけで。


で、まだ、このトンネルが開通していないにも拘らず、地図にのっけてしまったアホアホ会社があります。Googleです。このGoogle Mapによると…





おーい、トンネルじゃなくて地上の道として開通してるよ。しかも、帳尻合せのために、地上にある住宅街の狭い道を、国道として表記してしまう厚顔無恥さ。


その他、Google Mapは実にツッコミ所満載です。まあ、世界中の正確な地図なんて、制作にどのくらいのコストがかかるか、また、どのくらいの容量になるのか想像もつかないので、この程度でいいのかもしれませんが…でもいい加減だよなあ。


2006年07月20日(木) When they said REPENT REPENT I wonder what they meant

朝の通勤途上に、大好きなLeonard Cohenの中でも特に気に入っているアルバム、The Futureをかなりの大音量で聞きながら運転してました。当然のように歌ってます。


♪When they said REPENT REPENT I wonder what they meant


Repent。あまり効き慣れない言葉ですが、「懺悔する」とかいう意味らしいです。聞き慣れないとはいえ、強烈な言葉です。こと、無反省な人生を送る私としては。


で、この歌のサビが来たところで会社に到着。車を停めていると、私のとなりのスペースにも車がやってきました。


ぎょっとしました。


いきなり、件のRepentという言葉が目に飛び込んできたのです。





… Repent, and believe in the God. Jesus Christ loves you!!!
悔い改めよ。そして、神を信じよ。キリストは汝を愛す。



あたしゃキリスト教徒じゃないので正しく翻訳したかどうか知りません。ともあれ、ぎょっとする車です。


中から出てきたのはなぜだかポーランド人二人。





会社の中から撮影。前から見ても変な車。


で、退社時間になって、さらにもう一度ぎょっとしました。





Repent号の車のキー差しっぱなし。


神を信じるものは、車の鍵をしなくたって盗られないんですかね。


鍵の数だけ不幸の数と、以前の日記に書きましたが、いやー、信じるものは救われる。人を信じることができる人は車の鍵はいらない。感心しました。


…ただ、人を信じることのできない私は車にちゃんと施錠します。盗難防止装置もつけてます。やっぱりRepentすべきですかね?


2006年07月18日(火) SUVに乗る資格なし?タイヤ交換すらできないアホタレな私

過去日記にすでに何度か書いてますが、北アイルランドはいいとこです。


…むろん私はカソリックとプロテスタントの対立だとか、そういう部分に話を持っていくつもりはありません。私が北アイルランドが好きな理由。


ビールが安い!


…それだけかい!という方、はい。それだけですよ。だけど、それだけのために、高速道路を1時間かけて、買い物に行くアホタレというのも実在するのです。


で、ひとりで行くのも退屈なので、例のスウェーデンから臭い缶詰を持ってきた友人を連行することに。めんどくさいから、この人のことを今後は「缶詰男」と呼ぶことにします。


で、この缶詰男さん。北アイルランドは昔々にツアーバスで行ったきりという状態で、北アイルランドはほとんど初めてといっていい状態。いいオッサンなのにはしゃいでます。


缶詰男によると


北アイルランドは道がいい。


言われるまで気がつかなかったが、確かに舗装の表面がアイルランドより滑らかで、路面の凹凸が少ない。帰りに境界を越えた瞬間に舗装の質が悪くなり、アスファルトからゴーッという音が聞こえてきて笑ってしまった。


さらには


店員にやる気がある。


そりゃ、Sainsbury'sしか見てないからじゃないですか。


ともあれ、8ケースのビールをはじめとして食料品を買い込み、いざ帰宅!と思ったら、缶詰男が言うのだ。


缶詰男:「今から高速道路を走るんだから、空気圧をチェックしといたほうがいいよ。ほら、タイヤの空気が減っているよ」


…そっか、タイヤが4つちゃんとついているというだけじゃあ不十分なのね。というわけで、車の中に常備してある空気入れで空気を入れ始める。


右後輪に空気を入れているときに、私は見てはならないものを見てしまった。


タイヤに釘が刺さってるよ。


(タイヤを取り外した後に撮影)



誰だ!北アイルランドの道がいいって言ったやつ!日本の道じゃ釘が刺さったことなど一度もないのに、(北も含めて)アイルランドの道じゃ、もうこれで、今の車になって3回目だぞ!どーなってんだよ。


はい。こういうときは、慌てずあせらずタイヤ交換。


実は、この車でのタイヤ交換は今回がはじめて。何せ、AAに年会費を2万円だか払ってるんだから、困ったときはすぐに呼ばないと。


ところが、この缶詰男はその昔にはスカイラインからジムニーに至るまで、ありとあらゆる車に乗っていたカーマニア。この男のプライドをして、タイヤ交換くらいでAAを呼ぶことはできないらしい。「大の男がタイヤ交換一つできないのは恥ずかしい」というのも実にごもっともな理由でThey Quays Shopping Centreの駐車場で急遽タイヤ交換と相成りました。


私の車、Rav4という小型のジープです。小型とはいえ、ジープなので乗用車に比べると車高が高いです。そこがこの話のポイントになりますのでご留意を。


この缶詰男によると、後輪のタイヤ交換の際は、後輪の近くのジャッキアップポイントにジャッキを当てるのだそうな。


私:「え?どうやるの。やって見せて」


…某国総理も真っ青の丸投げ。


缶詰男がジャッキを当ててジャッキのレバーを上げはじめる。…が、ボディに後づけしたと思われるサイドバンパーのおかげでジャッキポイントにうまくジャッキが当たらない。で、苦労してジャッキを最大のところまで揚げたところで問題発生。


ジャッキの高さが足りなくて、全然タイヤが持ち上がらない。


これは困った。なんで、純正のジャッキの高さが足りないんだ? 一体トヨタはいつからアイルランドの会社になったんだ?…などと悪態をついても始まらない。


私:「AA呼ぼうか?」
缶詰男:「いや、ジャッキの下に板を敷いて高さを上げればいい。というわけで、どっかに行って板を探しておいで」
私:「はーい」



数分後、厚さ3センチ程度のコンクリート片を見つけて持ってかえった私。で、それをジャッキの下に敷いて(つまり、ジャッキの高さを3センチくらい嵩上げして)再度挑戦。


今度は、そのコンクリート片が功を奏して、車がかろうじて、若干、ほんの気持ち持ち上がった。


ばんざーい。ばんざーい。


というわけで、さっそくタイヤを外す。


タイヤを外して気がついたのだが、ジープの場合、乗用車と違いスペアタイヤも同じタイヤ。で、そのスペアタイヤをつけようとしたのだが、とんでもない事実発覚。


スペアタイヤのほうが、ほんのわずかに大きい。


と言っても、走行に影響が出るほどの違いじゃない。言われてみて、タイヤを横に並べてまじまじと見つめても気がつくか気がつかないかくらいの小さな違い。だけど、その差が致命的になる。つまり、


ジャッキで車が十分持ち上がってないから、スペアタイヤが取り付けられない。


(ちょっとやらせっぽい、頭を抱えるSnigelの図)



私:「はい。AA呼ぶね」


最初からAAを呼ぶのと、出来る限りのことをして、やっぱりできないとたかがタイヤ交換でAAを呼ぶのとどっちが恥ずかしいかは一概には決められませんが、ともあれ、AAに電話。


ところが、Newryは、いくらダブリンから1時間でたどり着けるとはいえ、北アイルランド。理屈の上では外国です。これが何を意味するかというと、AAに電話するのも一苦労。


0800(アイルランドの1800、日本の0120…つまり通話料金無料の電話番号)で始まるAAのヘルプラインに電話。これ、どうやら、「イギリス・北アイルランドにいるアイルランドのAAのメンバーのための電話番号」らしい。まずは、AAのダブリンオフィスにつながり、会員資格を確認後、イギリス本土のAAのオフィスに転送されるという、書いててすでに面倒くさくなるようなことをしている。


まず、ダブリンオフィスに電話がまわされ、この電話がイギリス本土に回される。どうやら、イギリス本土ではNewryがどこにあるか知られていないらしく、


係:「にゅーりー?どうスペルするんですか」


と聞かれる始末。


係:「では45分から1時間で来ますから」


で、待つこと1時間。来ない。


(さっきの写真を反対方向から。一体何本のビールを
買ったんだ?というツッコミはなしで。
右に写っているのが缶詰男[画像処理済])



AAに電話。


さらに30分。来ない。


AAにまた電話。


さらに30分。まだ来ない。


結局AAが来たのは2時間30分後。正確にはAAではなく、Newryの地元の修理工場のおじさんでした。


この間に缶詰男よりさんざん説教をされまして。いわく…


缶詰男:「まず、この邪魔なサイドバンパーを外しちゃいな。邪魔なだけでまともにジャッキアップもできない。それから、DIY店に行って板を買って追いで」


うちに帰ってひでかすにこの話をすると…


ひでかす:「お前、純正のジャッキの高さが足りないとかありえると思う?」
私:「ん?」

ひでかす:「お前、ジャッキを当てる位置を間違ってたんだよ。ジャッキを正しい位置に当ててれば、もちろんタイヤ交換できたよ」

ガクッ。あのただぼーっと待った2時間30分っていったい…。それ以前に、缶詰男さん、ジムニーにまで乗っておきながら、なんでジャッキアップポイントを知らないんですか(←自分のことを棚に上げた暴言)。


今日の教訓:タイヤ交換を自分でしようなど無駄なあがきをせずに、さっさとAAを呼びましょう。


…こんなことを言っている限り、私には成長はないな。タイヤ交換くらい覚えようよ>自分自身。


2006年07月14日(金) 【ひでかすブログコラボ企画】本当に人智を超越していたシュールストレミング

私は過去にスウェーデンに10回以上行き、スウェーデンをある程度はわかったつもりでいました。その上で、100の質問には住みたい国に「スウェーデン」と書いたこともあります。しかし、反省しています。


私はスウェーデンのことを何にもわかっちゃいませんでした。


そう私に悟りを開かせたものは…これ。





缶詰。


シュールストレミングという、はえー話がニシンの缶詰…なんだけど、これがまたとんでもない代物らしいのだ。


世界一臭い缶詰。


私の友人が1年以上まえにスウェーデンから買ってきてくれて、開ける機会をいつも逃してしまい今日まで放置してしまっていたわけ。




左が今年の2月ごろ撮影。そして右は本日撮影。


おわかりいただけるでしょうか。この缶詰、成長してます。膨らみが増してます。左の写真だって、去年に比べると膨らんでるのに、最近になって更に爆発寸前といっていいほど膨張してます。言いかたを変えると、中で発酵が進んでます。とってもキケンな状態になってます。


とはいえ、ですよ。どんなに臭いって言ったって所詮は人間が食べるもんです。スウェーデン人が喜んで食っている(と思われる)あくまでも食べ物です。…ってことはさ、臭い臭いと大騒ぎしたところで、実はたいしたことはないんじゃないだろうか。


思えば日本人は納豆を食べる人種です。私は食べませんがひでかすは喜んで食べてます。たまーに日曜日の朝に冷凍してあった納豆をパックごとチンして(環境ホルモン出てるよ。精子の数が減ってるよ。キケンだよと思うが)食べてます。


いくら納豆を食べないとはいえ同じ日本人の私、納豆の匂いはさして気になりませんが、同居人のドイツ人などに言わせると、とても我慢ができるレベルの匂いじゃないそうな。確かにひでかすが納豆を食べていると、誰も台所によりつきません。納豆ですらそうなんだから、くさやなんかの匂いをかがせた日にはえらい騒動になりそうだ。


こうして考えると、このスウェーデンのキワモノの食べ物、魚を喜んで食べる日本人の感覚では実は他が騒ぐほどのことはないんじゃないだろうか…と思ったわけ。


とはいえ、念には念を入れて庭で開缶作業を行うことにした私たち。私とひでかすは撮影を理由にこの缶をスウェーデンから持ってきた友人その人に開けてもらうことにした。


まず。缶切りを使おうとするのだが、この見事に膨らんだ缶に缶切りの刃がささらない!で、刺さったと思った瞬間、振った缶コーラのように中身の液が缶切りの刺さった穴からどぴゅっと勢いよく飛び出す



(流れ出した液が妙に生々しい)


で、勢いよく飛び出したのは液だけではなかった。中身の魚の一部も飛び出し、それだけでは飽き足らず辺り周辺には人智を超越した匂いが充満する。


その匂いがポイントになるので無理やり描写してみると、Temple Barのヨッパーどもがトイレに使っている、アンモニア臭で目までやられそうな裏通りにHowthの魚のマーケットで1週間前に売れ残った魚をさらに1週間放置して、そこに1年前にくさった卵を1ダース投下して割ったところに自分の鼻を5センチの距離まで近づけた感じと言えばわかってもらえるでしょうか…わかんないですよね。はい。素直にさじを投げます。表現不能なとんでもない匂いです。





その匂いの強烈さと言えば、問題の缶詰から10メートルは余裕であるこの距離ですら、その爆裂な匂いが届く。いや、届くなんてもんじゃない、強烈な匂いが屋外なのに充満する。





じゃじゃーん。これが中身(泣きながら撮影してます)。


日ごろ、私がどんなにまずいメシを作っても喜んで食べてくれ、かつ、納豆だって喜んで食べるはずのひでかすが


ひでかす:「ごめん。オレ、食えない」


なんだよお前!いざと言うときに全く役に立たないアンポンタンだな。…というわけで、ここは丈夫(ますらお)となるべく私はフォークで一切れ缶からつまみ出しました。ひでかすは


ひでかす:「うわっ、食うの」





とか言いつつ、人にカメラを向けてます。でも、カメラを向けつつひでかすは完全に逃げ腰。


私は食べましたよ。一切れだけだけど。


まず、アンモニアの刺激が舌にきて、そして、ヌルっとした感触、飲み込んだ後には塩っ辛さ。飲み込んだけど、うまいとか、まずいとかいう次元じゃない。ただ単に腐った食べ物


これを見た、スウェーデンから件の缶詰を持ってきた友人は、Snigelが食ったんならじゃあわしも一口と、一口食べます。





ソッコー吐き出す友人の図。


そのままキッチンへ走っていき口をすすいでました。涙目で何か言ってましたけど聴取不能。


驚いたのは、多数のハエが呼びもしないのに、缶周辺にすぐに集結。確かに、ハエが好きそうな匂いですよこれ。しかも、その匂いの広がりの早いこと早いこと。おそらく近所に住んでいるハエが一気に集結したと思われます。


というわけで、食べることはおろか、ハエが集まりそうで捨てることもままならぬ、スウェーデン産のただひたすらに迷惑な食べ物、友人は一計を案じました。





埋葬処分。


いやー、はじめて本気で「庭付き一戸建てに住んでて良かった」って思いましたね。集合住宅じゃ捨てるのもままならず、困り果てるとこでした。というか、集合住宅であれ開けてたら、まず間違いなく異臭騒動で避難騒ぎになっていたと思われます。


で、この日記を書くにあたって、このシュールストレミングについてWikipediaで調べてみました。いわく…


「多くの航空会社では、飛行中の気圧低下により内圧の高いシュールストレミングの缶が爆発する恐れがあるとして、航空機内への持ち込みを禁じている」


…友人は持ってきてもうたがな。しかもスウェーデンの航空会社で。むろん、爆発してヒコーキの飛行に重大な影響を及ぼすとかでなく、強烈な匂いが充満するだけ…って、それだけでヒコーキの飛行に重大な影響を及ぼしそうだな。


ただ、これが冗談ではなくて、この臭い缶詰を日本に輸入している会社のブログによると…


シュールストレミングがヨーロッパ主要航空会社から空輸禁止の措置をとられました。どうやら、靴爆弾や火気のような扱いをされてしまうようなのです。
(出典:DUVA&LULEA BLOG


しかも、このサイトによると、日本でこのシュールストレミングの缶詰は一缶3780円だそうです。





3780円を庭に埋めてしまいました。


ただ、それよりも何よりも気になったWikipediaの記述(私たちのとった行動があちこちで間違っていたことが分かるので一読を推奨)。


製品によっては気温が高いと発酵が進み過ぎてどろどろに溶けてしまうため、食べるタイミング、製品の選択に充分注意する必要がある。


あれって、一昨年の冬に缶に詰められたものらしい。…ってことは去年の夏に食べるべきもので。あらためて写真を見ると、確かに「どろどろに溶けてしま」っていた気がする。つまり、つまり、考えたくはないが…


本当に腐ってたんじゃないか?


いやー、二度とできない体験をさせてくれたスウェーデンの缶詰に乾杯!そりゃ、他国の文化をむげに否定するつもりはないけど、体を張って食べたんだからそれでも言わせてくれ。


こんなもん食えるか!


異文化との相互理解の道は、まだまだ遠い。


ここで話は終わらない。ひでかすによるAnother Viewまたは続編(本人談)はこちらへ。


2006年07月13日(木) また、通勤途上のガソリンスタンドが潰れました。

今日の日記は、ひさびさにひでかすと同じアップのコラボ企画にしようと張り切ってました。ところが、とんでもない問題が発生しました。


ひでかすが、原稿を書き上げる前に居眠り、そのまま爆睡してしまいました。


というわけで、コラボ企画は明日に延期。ちなみに、私が文字通り体を張ったレポです(…ってあまり期待しないほうがよろしいかと)。


というわけで、プチ更新。






また、ガソリンスタンドが閉鎖されました。


最近の石油高騰はシャレになってないところまできているのは日本でも同じでしょうが、現在、アイルランドでのガソリンはリッター1.18ユーロとかです。本日のレートは(今自分で調べて驚きましたが)1ユーロ=146円。つまり、1.18ユーロは172円。おーい、リッター172円かよ!そりゃ時代も国も違うけど、わしが大学生の頃のほとんど倍じゃないか!


これなんかまだいいほうで、ドイツは1.30ユーロ(190円)。産油国のはずのイギリスに至っては97ペンス(205円)。


で、もともとガソリンなんて、税金を売ってるようなものらしいですから、この石油価格の高騰は末端のガソリンスタンドを直撃したことは想像に難くないわけですが、それにしても、私が見た感じでは、ここ1年で四軒に一軒くらいの割合でガソリンスタンドが潰れてしまった気がします。


まだ、ダブリン市内はいいんですけど、地方のほうにいくと、それこそ夜の中国自動車道のように行けども行けどもガソリンスタンドがない…という状況に陥るのではないかと思う。実際ついこの前もドイツでそんな思いをしたし。


だから何って言われると困るんですけど、以上です。苦情は寝てしまったひでかす別館のコメント欄にでもお願いします。


2006年07月12日(水) とってもいい加減王国らしいサマーセールの掘り出し品

夏です!


…と色を変えて吼えてみても年中秋のアイルランド、別に30度を超える日々が続いて海に行きたくなるとか、そういう次元の話じゃないのが悲しいといえば悲しいですが。


そんな中で、季節を感じさせるのがサマーセール。ただいま、ダブリンの商店はほとんど例外なくサマーセールの真っ最中です。


まずはご存知のない方のために基本をおさらいしておくと、ダブリン、あるいはアイルランド、広くは作者の知る限りのヨーロッパでは売り出しといえる売り出しは年に二回しかありません。すなわち、クリスマス後から新年にかけてのクリスマスセールと、7月の頭ごろに行われるサマーセール。


どうも週末になるたびに新聞そのものよりも量が多いんじゃないかというくらいの折り込み広告が入っていた国に住み、そういう店で働いていたものとしてはこの二回しかないセールというのはいまいち面白味にかけます。しかもセールになると、すべての商品が2割引きとかになるのが当たり前なので、セールじゃないときに物を買う気がなくなるんですよね。


だいたいモノの本質が見えてない私は、通常価格からいくら値引きされているかでモノの価値を判断するんですよね。例えば、ここに二足の9800円の靴があるとします。一足は、いい材質で、デザインもおしゃれで気に入ったものの通常価格で9800円。もう一足は、まあいい材質なんだろうけど、デザインはいまいちで色もなんだか気に入らないけど、こちらは通常19800円のところ、半額処分で9800円。はい。私は迷わず後者を選ぶ人です。


よくよく考えると、半額になる商品は、人気がないだとかそれなりの理由があって半額になっているのでしょうが、その辺まで考えがおよばずに、ただ、「半額だから」という理由で、Timberlandの靴を買ってしまったのは私です。


ともあれ、街にリュックサックを買いに行きました。ちょっとドイツに行ったりとか、通勤にも使えるいいリュックサックがほしいなあと思って、サマーセール真っ最中のダブリン市内へ。


安かろう悪かろうの某カバン専門店には目もくれず、まず向かったのはダブリン北側の商店街Henry StreetにあるデパートArnott's。リュックサックの扱いの数が少なく、値段も2割引程度とあまり嬉しくない。


次に、Arnott’sの真向かいの最近改装して、今まではイナカのどうしようもないといった趣だったのが一気に変わってしまったRoches Stores。ここは、私の探し方が悪かったのか、子供用のリュックサックしか見つからず論外。


さらにGPO(中央郵便局)向かいのClerys。ここの地下にもリュックサックが若干扱っていたが、サムソナイトのリュックサックとかいう訳のわからんもん(あそこはスーツケース専門だと思っていた)が2割引とか、いまいち触手が動かず。


こりゃだめだと、家に帰るべくバス停に向かおうとすると、すっかり忘れていたけど、Clerysの裏にBoyersというデパートがあった。Arnottsを手始めとして、各デパートが改装などで見違えるほど変わってしまったのに対し、ここだけは10年前からまったく変化なし。やる気なし。売る気なし。品揃えもジジババ向けで垢抜けず、入口からしてダメダメなオーラが漂ってます。噂では、Arnottsに買収されたとかされてないとか。


ともあれ、通り掛かりだと中に入ると、入った瞬間に目に入ったのがカバンのコーナー。で、そこにリュックサックが置いてある。ふーん、ブランドもんのリュックサック、通常価格75ユーロ(10,500円)が45ユーロ(6,300円)になってる。へえ、緑にブルーに、いろんな色が揃ってるなあ。デザインもいい感じだし、使い勝手も良さそうだ。でも45ユーロは高いなあ…などと思っていると、私の動きがふと止まった。


色といい、艶といい、もちろん大きさといい、まったく同じカバンがひとつは45ユーロで売られているのに対し、もう一つだけは24.5ユーロ(3,400円)で売られている。おかしい。






周りを見まわす。同じデザインのカバンが各色揃って75ユーロにX印がついて45ユーロになっている。だけど、このカバンだけはなぜか全く同じカバンが45ユーロで売られているのに、45にX印がついて24.5ユーロ。この事実から推論されること。


値段、つけ間違っただろ。


即、レジに持っていきました。レジはいまどきPOS対応じゃない(バーコードを読まない)という20世紀の遺物的なレジで、レジの感じのいいおばさんは、何の疑いも持たずこのカバンを24.5ユーロで売ってくれました。


ラッキー


ドイツにさっそく持っていきましたが、ポケットの数が多くて、しかもよくよく計算し尽くされた、いいカバンです。これが24.5ユーロは信じられない掘り出し物と満足してます。


ただ、あとで気がついたけど、これ、完全にDubカラー(ゲーリックフットボールのダブリンチームのカラー)だな。ガクッ orz




2006年07月10日(月) 爆弾騒ぎを運良く避けたと思ったら、ボヤ騒ぎ

サッカーに微塵の興味もないのにワールドカップ開催中に2度ドイツに行ったSnigelです。こんにちは。


先週の火曜日。ダブリン空港はパニクった模様。なんでも、50くらいのオッサンが突然頭の上にかばんを掲げて


「これは爆弾だぞー。オレはアルカイーダの一員だぞー。みんなー、避難しろー」


と叫んでまわったらしいのだ。


ご賢察の通り、どうもこのオッサン、過去に放火歴などもある刑事責任が問えるかどうかわからない御仁らしく、そっち方面ではうやむやになりそうな気配。とはいえ、誰かが空港で「爆弾だー」と叫んだ以上、これはマジメに取らざるを得ないわけで。かくして空港ビルは2時間にわたり閉鎖され、乗客はおろか空港職員も全員避難。爆発物処理車までやってくる騒動となったらしい。


当然の帰結として、かなりの数のフライトが大幅に遅れたり、キャンセルとなった。そんなキャンセルしたヒコーキの中に中に、翌日(水曜日)私が乗る予定の夕方のルフトハンザのフランクフルト行きも含まれておりまして。いやー、これが翌日じゃなくてよかった…と素直に思った次第。この爆弾騒ぎが翌日にあったら、私は旅行を全部キャンセルすることになっていたと思います。


で、翌日。ダブリンの北の果てにあるダブリン空港から夕方6時のヒコーキに乗るためには、これまたダブリンの西の果てにある会社を遅くとも午後3時には出ないと間にあわない…というわけで、朝5時過ぎに起きて、朝の7時から仕事開始。要は3時までに意地でも仕事を終わらせようという計画(空港までは最速でも車で1時間はかかるので、渋滞激しいダブリンでは、かなり無理のある計画と言えるのですが)。


ほとんど目にもとまらぬ早業といってもいい速さで仕事を一気に片付けて、お昼の時点で3時までには仕事が終わる目処がついた。ところが!神はそう慈悲深くなかったというか、世の中そんなに甘くなかったというかの事件発生。


どうも、臭いのだ。会社が。


会社の窓の外から、タイヤを燃やしているようないかにも体に悪そうな悪臭が漂ってくる。なんだろなと思っていると、突然電気の電圧が下がり、一瞬停電したような感じになる。ん?どうしたどうしたと思っていると、会社中の電気が…


ぶちっ


…という音とともに消えた。またもや停電。


なんだなんだと思っていると、外から黒煙が出ている。野次馬根性丸出しで身の安全を守るためにも様子を見るために外に出てみると、






隣のビルでボヤ騒ぎ。


消防車来てます。消防隊員来てます。煙が上がってます。


…ちゅうか、なんで火災報知機が鳴らないんだよ?


で、この停電が復旧するまでに1時間、さらに停電のおかげでお亡くなりになったコンピュータのシステムの復旧にさらに1時間、計2時間もかかってしまい、コンピュータが復旧した2時30分から30分で仕事を終わらせることなどできるはずもなく…私は仕事をほったらかしで空港に向かうことに。


で、家に車を置いて、タクシーがつかまらないうちにバスが来たので、バスで空港へ(それでもフライトの1時間前に空港に着いた)。


ルフトハンザの搭乗手続きカウンターにて。


係:「悪いけど、真ん中の席以外だと、ほとんど一番後ろの通路側しか空いてないわ」
私:「いいけど、そんなに混んでるの?あ、もしかして、昨日の騒動のせい?」
係:「そう、フライトがキャンセルになったから、昨日飛べなかった人がこの便にも流れてきてるのよね」



かくして、機内。


機内は、完全に満席。そんな中、後ろから2列目の席をあてがわれた私。後部のギャレーではスッチーさん二人がいつまでもくっちゃべってていつまで経っても飲み物のサービスをする気配がない。ついにサービスは前からのみで後ろからは行われず。「この怠け者め」と思って後ろを見ると…お客さんでした。そう。たぶん関係者だとは思われますが、制服ではないフツーの服を着た人二人がスッチーさん用のジャンプシートに座っておしゃべりしてました。…たぶん昨日この人たちも前日の騒動の被害者なんだろうなあ。この辺の事情は、元航空会社勤務ひでばかすの別冊を読まれたし。


ついにやってきた機内サービス。






この手のひらよりも小さいサンドイッチ。中は、チーズとレタスのみ!いくらコスト削減のためとはいえ、この「食事は出しました」という既成事実を作りたいがためだけに出すこのサンドイッチはどうよ?


頼んだ飲み物はオレンジジュースとスパークリングワイン。そう、ルフトハンザの機内サービスではスパークリングワインが未だにタダです。…と言っても、ドイツのスーパーに行けば、スパークリングワイン1本500円程度で売っていることを知っている私にとって、あまりありがたみはないのですが。とはいえ、タダというのはいいですね。やっぱり。…同じスタアラのSASやBritish Midlandのエコノミークラスで無料の機内サービスを止めてしまった昨今、この機内サービスがいつまで続くか謎ですが。






乗換えのために待合室でビールを飲みながら待つ。目の前にあるのは今まで乗っていたヒコーキ。ひでかすはまったく不賛成だけど、フランクフルトはロンドンヒースローなんかに比べると、はるかに良くデザインされたいい空港だと思う。…のりかえ、5分で済むもん。


2006年07月02日(日) 5年経った今から語れる、9.11とひでかすと私

ただいま、アイルランドは日曜日の午後10時30分です。ようやく日も暮れました。さあ、週末も終わり、寝るより楽はなかりけり…って思ったのですが、


あ、日記の更新しなきゃ。


「ほぼ毎日更新中」を標榜しつつ、もう1週間も更新してません(数日前に酔っ払って何か書いた記憶があるけど、とりあえずカウントしない方向で)。これじゃあいかんというわけで、更新開始。途中で力尽きて、色がついてなかったり、誤字脱字だらけだったり、最悪未完かも知れませんけど、それはそれで勘弁を。


約1ヶ月前にはじめたっダイエット、何だかんだでちゃんと5キロ超瘠せました。結構食べていたので、辛くはなかったです。


毎日の夕飯は、これ。





サラダ♪


もともとサラダ、好きなんですよ。これでスモークサーモンとかあったら言うことないですね。あとは、スイートコーンやマヨ系のマカロニサラダなんかも捨てがたいですが、ことマヨまみれのマカロニサラダはどう考えてもダイエットに向いてないので却下。で、これに、自作の和風ドレッシングをつけて、結構おいしく頂いておりました。


本人は楽しくやっていましたが、思わぬ被害者が出ました。うちの同居人ひでかすです。


いつからかは忘れてしまいましたが、私とひでかすの間に不文律の協定ができてまして、気が向いたほう、または家に早く帰ってきたほうが夕飯を作るようになってます。


ひでかすがユナイテッドに勤めていてシフトのパターンによって早く帰ってきたり、遅く帰ってきたりしていた頃は、なんとなく半々の割合でどっちかが食事を作っていたのですが、最近転職したひでかすはほぼ絶対の確率で私より帰るのが遅く、しかも、ダイエットやらで空腹な私は彼が家に帰ってきてからメシを作り出すなど待ってられないので、さっさと毎晩サラダを作ってます。そう、かくして、ひでかすは毎日サラダにつきあわされる結果になったわけ。


ひでかすだって別に嫌なら自分でメシを作ればいいんだろうけど、たぶんめんどくさかったのでしょう。文句一ついわず毎日食べてくれてまして。彼が瘠せたかどうか私は知りませんが、少なくとも、脂っこい冷凍直品を食べ続けているよりはマシだったと思います。ひでかすは私がいつまでもばりぼりばりぼり草を食べ続ける姿を見て、


「お前、そのうち耳から草が生えるぞ」


と言われましたが。


日本ではあまり馴染みのない「ハウスシェア」という方法ですが、ヨーロッパ(たぶん「欧米」って言ってもいいんだろうけどアメリカのことは私は知らない)ではフツーです。現在ひでかすと、ワールドカップで4強に入って笑いが止まらないドイツ人(♀)とフランス人(♂)の4人で住んでます。他は知りませんが、けっこううまくいっていると思いますよ。


私に言わせりゃ、誰も家を掃除しないとか(そういえばひでかすは今日珍しく台所を掃除してた)、ドイツ人は食べた食器等を洗わないとか文句はありますけど、まあ、おおむね良好です。ともあれ、ひでかすとはもうかれこれ5年強も一緒に住んでます。今、こうやって落ちついて考えてみると、家族というわけでもないのに5年以上いっしょのメシを食っているというのはかなり不思議な関係です。


そんな中でもいちばん印象に残っているのは、かの9.11のアメリカ同時多発テロでしょうか。こともあろうにひでかすは二機がハイジャックされたユナイテッドに勤めてまして、この史上最悪のテロはアイルランドに住む私たちにまでえらい騒ぎになりました。


あれから5年も経ったこと、ひでかすが別冊でユナイテッドに勤めていたことをばらしたことなどを考えて書いてしまいますが(ちなみにひでかすの承諾は得てません←をい)、私ですら大変でしたから、ユナイテッドに勤めていたひでかすの苦労はいかばかりかと、今更ながらに思います。


あの日、ツインタワーにヒコーキが突っ込んだという速報が入ったのがアイルランド時間で午後3時ごろ。当時私はユナイテッドのビルから歩いて3分のところにあった会社に勤めてまして、会社にひでかすからSMSで緊急連絡が入りまして、


「アメリカでのヒコーキ事故の話の情報をできるだけ集めて」


と言われまして、慌てて、アクセス殺到で落ちかけていたCNNのサイトのニュースなどを印刷して、ユナイテッドのビルに駆けつけました。


ところが、ユナイテッド社は情報漏洩を防ぐためだかとかで、なんと社員は完全缶詰!ビルから一歩たりとも出ることを許されない、当然私はビルに入ることもできないという状態になったわけ。


で、さっと目を走らせたCNNのサイトのニュースには、2機のヒコーキがツインタワーに突っ込んだだの、11機のヒコーキがハイジャックされただの信じられないことが書かれてまして(これが誤報であったことはご存知の通りです)、いかに鈍感な私ですらとんでもないことが起こりつつあると気がつかされましたが、ひでかすにこのニュースを渡せないんじゃしょうがない。


仕方ない、帰ろうかと思うと、三階のほとんど開かない窓から身を乗り出して私を呼ぶひでかすを発見。


ひでかす:「どうなった」
私:「11機のヒコーキがハイジャックされたって。ユナイテッドのヒコーキも何機か入ってるって」
ひでかす:「ほかには?」
私:「ええとね、ツインタワーに突っ込んだ…」



そこまで言ったところでひでかすはスーパーバイザーに窓から引き離されまして、結局情報交換できず。いやー、当時人間を25年とかやってましたけど、男同士で昼日中にロミオとジュリエットごっこをやるはめになるとは夢にも思ってませんでした。


運がいいとか悪いとか、人は時々口にするけど、そういうことって確かにあって(またこのフレーズが出てきたけど、私はこのフレーズが好きなんですよ)、ひでかすが私と家をシェアしている5年のうちでたった一度だけ日本から友人を招待して、その友人がダブリンに来るという日がこの9.11だったのです。


この時の模様は、ひでかすがユナイテッド勤務であったことを伏せて2001年9月13日の日記に書いてます。この後も、ユナイテッド社は会社に精神科医まで常駐するような戦場になり、日本からせっかく友人が訪ねてきているのにまともに話すらできないひでかすは本当に気の毒でした。


この話をふっと思い出したきっかけは、映画United 93を見たからです。あの映画の中で、情報がいの一番に来るはずの空軍の司令室でさえCNNのニュースに情報を依存していたという笑えないシーン。ヒコーキをハイジャックされて、痛恨にも乗客とクルーのかけがえのない命、そしてヒコーキを失ったUnitedですら、実は社内では情報はなく、外部に求めていたという事実。今だからこうやって遠い目をするように話せますけど、ホントに大変だったんですよ。


あの映画、いい映画でしたが、さあ、どこまで本当なのやら。機内の様子は確かにボイスレコーダーや機内からケータイで乗客の家族やユナイテッドの本社に連絡をされていたりなどである程度は分かっているはずですが、それでも一部始終を目撃した人は全員亡くなっているわけで、「講釈師 見てきたような 嘘を言い」ってことにもなりかねないような。


ホリエモンが感激したという山崎豊子さんの名著「沈まぬ太陽」だってそうですよね。あれ、架空の「国民航空」を題材にしてますけど、それが「日本航空」をさしていることは明らかでして。


あの本は事実を基に緻密に再構成をしながらでもあくまで「事実を基にしたフィクション」なんですよね。映画"United 93"は、たぶんノンフィクションの部類に入るんでしょうけど、乗客の自己犠牲を強調せんとするばかりに、事実を美化・誇張しているところがあるんじゃないかなという気がしました。それをしても、なんとか違う結末であってほしいと真剣に願う自分がいて、本当にいい映画だったことは事実です。


オチてないけど、日付が変わる前に眠らせていただきます。かしこ。




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