なべて世はこともなし
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2006年01月31日(火) いまさら始めました

なんだか20年くらい遅れてますが、いまさら、歯の矯正を始めることにしました。いやー、30になってからやるな!と自分でも思うのですが、今まで金銭的にも余裕がなかったのが、そりゃ、今もないけど、ないなりに例の指さしの印税が入ってきたりとかなんかで少しはマシになったし、行きつけの歯医者が「一生に一度の投資だ」と盛んにたきつけるので、ついに行くことにしたのです。


私の歯、1本八重歯があるのです。確かに、よくない。日本では八重歯とか珍しくもないけど、なぜかこっちじゃマイナス要因になる。冗談で「中学校くらいの教室で矯正装置をつけてないコドモはきっと家庭で放置(neglect)されている」なんてのを聞いたことがある。こういう言い方はどうかと思うけど、確かに、中流階級以上の家庭出身の人で歯並びの悪い人はほとんど見られないと思う。


かくして、申込んだのが、去年の2月。そして、指定された最初の診察は10月!いくらアイルランドがのんびりしてるとは言え、8ヶ月も待たせるな!…そして、10月の診察のときに言われたことは、「次は1月の末ね」


そして、昨日のお話。「あ、そういえば、明日が診察だったな」と予定表を見て唖然。


アポ、すっぽかしてしまった。というか、まさに今がアポの時間。アポの時間に、気がついても来るまで30分以上かかる場所にいるから、とてもじゃないけど、着けない。慌てて、その矯正歯科に電話したら、


秘書:「しょうがないわねえ。明日いらっしゃい」


…そういうことができるなら、なんで1年近くわしは待ってるんだ?


そして今日、会社を早退して行きましたよ。某、市内にある矯正歯科。知り合いにもこの矯正歯科を知っている人は多く、結構その筋では(ってどの筋?)有名な先生らしい。


受付では、「あんた、今日アポが偶然取れたのは偶然キャンセルがあったからよ。ラッキーだったわねー」とさんざんイヤミを言われる。確かに、アポをすっぽかしたらその分課金されても文句は言えないのだ。この国じゃ。


ほんで、パノラマX-rayを2枚撮り、歯の模型を作って本日終了。ついでに、ぬく予定の歯の間にピンを押し込まれた。なんでも歯と歯の間に隙間を作って抜きやすくするんだと。…って健康な歯を4本も抜くんですか?


このパノラマX-rayで、意外な発見。なんでも親不知が1本横向きに生えていて、これも近々抜く羽目になりそうだと。…って、都合5本も歯を抜くんですか?


今後どうなるのか…続く。


2006年01月28日(土) アイルランド就職戦線異常アリPart3(3)

まずは業務連絡。前日の日記、半睡眠状態で書いたひどい内容だったので、書き直しました。何せ、午前一時にコンピュータを前にして居眠りしてましたから。前日の日記をお読みいただいた方ももう一度ご笑覧いただければ幸いです。


件の前日の日記で書いたEuroMillions。なんとなんと、Jackpot(一等)は再び出なかったそうな。これの意味するところは、今度の金曜日の抽選はJackpotは€1800万(243億円)に膨れ上がるそうな。


今度こそは。


と思っている金の亡者は私だけじゃあないはずです。私も、翌週に会社の金の亡者有志を募ってもう一度挑戦しようと企んでます。あ、ひでばかすからも再び€5ふんだくります。


250ユーロ費やして、いくら当たったかとお思いの方、末等の10ユーロが3本、中間くらいの30ユーロが一本。計60ユーロ。ははは。まあ、宝くじなんてこんなもんでしょうね。わかってるなら、来週買うなよ。


で、St Stephen Greens Shopping Centreに行ったのは、もちろんわざわざ宝くじを買いに行ったのではないのです。実は、某Recruitment Agencyがこの界隈でOpen Dayをやっているというのでアポを取った上で遊びに行ってみたわけ。


上の文章、英語混ざりなのでちょっと解説。Recruitment Agencyというのは、人材紹介会社…と訳すのが適当でしょうか。仕事を探している人と、人材を探している会社の仲立ちをしている会社。


ネット全盛の世の中、旅行代理店を通じて航空券を買うより航空会社のホムペに行って航空券を買う方が割安なことも多い世の中、こんな職種、すたれても良さそうですが、なかなかどうして少なくともアイルランドでは、未だに幅を利かせてます。蛇足以外のないですが、紹介手数料は紹介者の一月分の給料が相場だそうです。


かくして、ちゃんとアポを取っていたというのが功を奏して、私が行くと、担当者氏は「ああ、あなたがSnigelさんね」と暖かく迎えてくれまして。私が過去6年分の身の上話をして、どんな仕事を探しているか、いつぐらいに転職したいかなどの相談に親身になって乗ってくれました。


6年のアイルランドでの経験もさることながら、やはり、「就労許可証不要」というのはかなりのウリになりそうな雰囲気。つまり、アイルランド人と同じ土俵に乗れるということ。そこで、日本人である(日本語を堪能に話す)ということが長所になる仕事があれば、まさに渡りに船状態になりそうな印象を受けました。


で、私は(年収を)いくらほしいかと聞かれたので、今の給料とほぼ同じ額を言いますと、


担当者:「そんなもんでいいの?」


と聞かれてしまいました。


私はこの一言で自信をつけました。今までいろいろ不安に感じてましたが、何のことはない、こりゃ結構簡単に転職できるわ。


ただし、5月に引越しをする人が今から部屋を探すのは無駄なのと同様に、今から転職先を探すのは早すぎるそうな。どうやら実際に動き出すのは3月も終わりになってからのようです。4月に3週間も日本に行くので、5月は「充電期間」にするつもりで6月から新しい職場で仕事というのも悪くないかと今からいろいろ考えてます。


2006年01月26日(木) 200億の男

(作者謹告:この日記、半分眠りながら書きましたので、翌日に書き直してます。)


€150,000,000


日本円にして、200,000,000,000円。


200億円。


想像もつかない大金です。ひでばかすいわく、「ジャンボが一機買えるだけの金額」だそうですが。ともあれ、これがロトで当るというのだからそりゃもう大騒ぎです。金の亡者どもが、Euromillionの宝くじを買ってます。


200億円…。想像もつかない大金ですが、無理して想像してみましょう。


諭吉さんが200万枚。
一葉さんだと400万枚。
五郎さんだと2000万枚(なんか違うぞ)。



諭吉さんの重さ、一億円で10キロだそうです。
つまり、200億円って、一万円札2トン分ですな。…うーん、2トントラックに諭吉さんが満載というのはなかなかすごい情景になるような気がする。


かくして、またLimerickに住む変なおばさんが当てたらかなわないと、私は社内でロトの共同購入を募りました(おーい、誰が金の亡者なんだ)。


すると、お金が集まる集まる。わずか一日で250ユーロ(34000円)集まりました。で、買ってきましたよ。一口2ユーロで125口。






で、買ったのは、St. Stephens Green Shopping Centreの入口にあるロトの販売所。ここで、「250ユーロ分の、ユーロミリオンちょうだい!」と高らかに言ったのです。私としては、私くらいの年の頃の店員の男性が...


店員:「まじっすか?」


とか


店員:「冗談でしょ」


なんていうのを期待していたのです。だって、どこのアホタレが、250ユーロ分も宝くじを買うというのでしょう。ところが、店員さんは、顔色一つ買えずに、


店員:「はい」(Sure)


Sure? Sure?? Is that all you say?????


頭の中で思いましたね。なんでこの人は驚かないんだろうって。そして気がついた。何のことはない。驚くには値しない話なんだろうなって。読者さんも、「うちの会社でもやってます」なんて言われてるくらいだし。


閑話休題。なんだかんだで、50人くらいの共同購入になったので、一等が当たった場合、ひとり頭の分け前は€3,000,000ユーロ。日本円にして4億円。それでも派手にしなけりゃ一生遊んで暮らせるだけの金額です。


私の友人が、当たったらどうするかというとんでもない夢を披露してくれました。


彼いわく、150億のうち1億を現金化して、Ha’Penny Bridgeからリフィー川に投げ込む。で、人が下流のオコンネル橋まで走っていって川に飛び込むのを見るという。非常にえげつない話ですが面白そうではあります。


ちなみに、Euromillionの一等の当選確率は、1/76275360。で、今回125通り買ったので、確率は1/610202…急に夢が遠ざかりました。


金曜日の夕方までチケットは購入可能。モノは試しで買ってみてはどーでしょ?


2006年01月25日(水) アイルランド就職戦線異常アリPart3(2)

はい。会社辞めますよ♪


で、どんなにひでー会社か今から連続で書こうと思ったら事件発生。


どうも会社内で私が辞めるという噂がまことしやかに流れている模様。


そりがどーしたという方。いや、実に信じられないのです。あって、ほとんど誰にも辞めるとは言ってないんですよ。だけど、人の口に戸は立てられないというのはまことに正なりで、どっからともなく信用できると思っていた筋から情報が漏洩してます。反省して今後は誰にも言いません。


翻ってこのページ。まー、ないとは思うのですが、ここで悪口を書いてるのが何らかの理由で会社にバレたりしたら、あまりいいことにはなりそうにないので、とりあえず、ボーナスをもらうまではおとなしくしとくことにします。…そのあとは、ふっふっふっ(邪笑)。


まあ、そんなわけで、何はともあれ、履歴書を作り直そうと、4年前に作った履歴書をコンピュータ内に探したら…あ、あった。で、見てみると、…もう6年以上アイルランドで仕事をしているという事実に気がついてしまった。ってことは、東京に住んでいた時間よりも長い時間ダブリンに住んでいるわけでして。


今だから書きますけど、前の会社にバブルに乗じて何とか就職したとき、年収は12,000アイリッシュポンドでした。ユーロに換算すると16,500ユーロ。現在のレートで日本円に換算するとおおよそ222万円。よくこんな金で生活できてたもんだと感心します。


そんで、今、ウェブ上で調査を開始したのですが、まー、いろんな仕事がありますな。さてさて、現在と同種の仕事を続けるべきか、はたまたキャリアの路線変更をすべきか。考えはじめて、ネットサーフィンをちょっとしただけで、疲れ果てました。


一つ自分で嫌だなあと思ったことは、自分が変化に対してものすごく臆病になっていること。つまり、下手に動くくらいなら、現状維持のほうがいいんじゃないか…なんて考えが頭をもたげるんですよね。現在、とんでもない環境ながら、やっている仕事に比べれば悪くない給料をもらっているし、車通勤は快適だし…とかいろいろ考えはじめますが、とりあえず、このぬるま湯思考は何とか捨てないとあの会社に飼い殺しになる…。


…というわけで、今晩は履歴書を完成させ、いろいろ見てまわって、自分が何をしたいか考えてみます。


あ、そうそう、現在仕事を探している方。2月末日に、アイルランド最大のジョブフェアOpportunities 2006が開催されます。行く価値はあると思うので、まだ先の話ですが、カレンダーに印をしておきましょう。


2006年01月23日(月) アイルランド就職戦線異常アリPart3(1)

皆様にお知らせがあります。


すぅ(息を吸い込む音)。


会社、辞めます。


今日という今日は愛想が完全に尽きました。今度は本気です。4月末日付けで、このくされ会社を辞めさせていただきます。すでに、直属の上司には、非公式ながらその旨伝えました。


実はですね、今年の3月で今の会社勤務まる4年になるのです。で、3月の給料日に勤続ボーナス2,000ユーロ(27万円=税前で税金として推定40%持っていかれる)が入ります。4年努めてたった2,000ユーロかい!というツッコミはごもっともですが、ビンボー人の私には十分な大金。


今後の予定


3/27日に、ボーナスが入っているのを確認

入金確認後、その日のうちに辞表提出

翌週から年休を駆使して日本へ行く

日本から帰ってきたら数日会社に行っておしまい(4月末日)

ウマー(゚д゚)



果たしてこううまく行くか謎ですが、取り合えずこの方針で行きます。


次の仕事ですか?


まだ、探してもいませんが何か?


ま、ジンセー何とかなるものよ…といって実際何とかなってきたという、運だけで生きていた私。何とかなるべえと、なんの根拠もないのですが。


というわけで、「アイルランド就職戦線異常アリ」本日より、現在進行形で再開です。お仕事にお心当たりの方は、作者までご連絡を。


2006年01月21日(土) 読者さんから怒りのメールが届く

読者さんからこんなメールが届きました。


実は、今日は、伝えたい事があって、メールしました。
女性雑誌でUという雑誌(1.95ユーロ)をご存知ですか?
それの28ページ、メモワーズオブゲイシャの事が紹介されて
いるのですが!!日本人ならかなりキレルと思います。


The highs: Stunning Chinese scenery, beautifully shot and
starring the cream of Chinese acting talent.
The lows: The film serves to remind us how Chinese women
were treated in pre-war China.


いつからゲイシャは中国のものになったのですか??
文句の電話を入れようかと思うほど、切れました。ちなみに
私の彼(編集者注:アイルランド人)は、「なんて無知なんだー!!!
この編集者は、調べもせず、勝手に全てを作り上げてるーー!!」と
怒っていました。


是非、ウェッブサイトでもこの事紹介してください。



…はあ、そうですか…と思っていたら、今度は、この映画(Memoirs of a Geisha)を見たという友人から電話がかかってきまして、どうも、キモノの着方が日本人の目からみたらあまりにだらしなかったり、さすが、アメリカで撮影された映画、途中に出てくる軍用車がなぜか左ハンドルだったりとツッコミどころが満載だったとのこと。


おおもとに立ち返ると、なんでまた主人公のSayuriがチャン・ツィイーなる中国人女優が抜擢されたのか。日本人の俳優も出演しているという中で、ヒロインが中国人の理由。推理ですが、監督さんが、日本人だの中国人だのにこだわってなかったからではないかと。きっちり時代考証だのをやるつもりなら、キモノの着付けにだってこだわったろうし。


かくして、このUなる雑誌の編集者も、主演女優が中国人だからということで、なーんも考えずに、上のようなコメントを書いたのではないかと思われますが、どうでしょ。この編集者にとって、ゲイシャもフジヤマもハラキリも、どっか遠い東洋の国の話で、そこが中国だろうと日本だろうと変わりはないんだろうなあ。


蛇足ながら、今、ググってみたけど、私のタイプじゃあないなあ…このチャン・ツィイーなる女優。同じちゃんでもアグネス・チャンの方がかわいかった…って古すぎだよ、言うことが。


ちなみにただいま、小説を読んでますが、映画は見に行くつもりはありません。小説を読んだ方、映画を見た方からのツッコミをお待ちしてます。また、この雑誌を読んで、腹が立ったかどうかのツッコミもお待ちしてます。


2006年01月20日(金) まずは一番基本を疑いましょう。

会う人会う人に(と言っても数人)に「日記の更新をしろ」と怒られました。そんなに言うなら代打日記でも頼みたい気分ですが。実は、コンピュータが不調で数日間家からインターネットにアクセスできなかったのです。


うちのネット環境ですが、いちおうブロードバンドで、ターミナルから3本のLANケーブルと、ワイヤレスで、計5台のコンピュータがつながってます。4人の住人がおのおのノートパソコンを持ってまして、それに、私のデスクトップ。各部屋にLANケーブルを引っ張ってるのですが、私だけはワイヤレス。


…こう書くと、自分だけ特別のようですが、何のことはない、私のデスクトップコンピュータがあまりに古くLANケーブルの穴がついてなかったので、ブロードバンドを申込む際にUSBポートからつなげることのできる、ワイヤレスのを買っただけの話。この2006年の世の中、Windows 98 SEがOSで、128MBのRAMに、20Gしかないハードディスクのコンピュータを使ってるやつがいるというのはほとんど化石級だと自分で思います。よくフリーズするし。


ともあれ、ある日突然、このワイヤレスのアダプタが働かなくなってインターネットに接続できなくなったのです。不思議。コネクション状態は最良なのに、ネットにつながらない。まずは、コンピュータ内をいろいろいじって接続を回復しようとしたもののまったくうまくいかない。


もしかしたら、隣近所から何らかの妨害でも入っているのかとも疑うけど、そうでもなさそう。おかしいおかしいと悩むが原因不明。仕方ないので、ひでばかすの部屋のLANケーブルを拝借してノートパソコンでインターネットに接続を試みるも、これまた失敗。まてまて、じゃあワイヤレスアダプタのせいじゃあないのか。ことここにきて、私の手には負えない予感。


その時、私の中にふっとひらめくものがあったのです。部屋を出て、ターミナルを見てみると


電話線から引っ張ってきていたコードが抜けていた。


…それだけでした。そう、一番単純なことを忘れてああでもないこうでもないと思い悩んでいたのです。


そういえば、Mausiが、キーボードが壊れた!と大騒ぎしたとき、実はキーボードとパソコン本体をつなぐコードが抜けていただけだった…ということがあった。その時私は彼女をクソミソにけなして馬鹿にしたのだが、何のことはない、自分も同レベルと気がついた次第。情けない。


2006年01月18日(水) どなたかに夢判断をお願いします。

昨日の日記で、ここ数日眠れず頭がぬいぐるみ状態と書きましたが、今日も一日なんとなくすっきりしないまま一日を過ごしました。ただし、理由は寝過ぎですが。そう、意識して早めにベッドに入ったら、今度は朝までぐっすり…となった次第。本当にお気楽なアホタレだと自分でも思います。まあ、満月じゃなくなったのでフツー通り眠れる…ということになるのでしょうか。


で、必要以上に長く眠り、眠りが浅かったせいか、夢を見ました。…ちゅうか、夢はいつも見ているらしいのですが、私の場合は覚えてない。だけど、今日に限ってミョーに夢を鮮明に覚えているのです。他人の夢の話など全くつまらないものだと思いますが、夢判断に長けている人は、是非とも夢判断をしてほしいと思う次第。


夢の内容:


私はどこかで自分の車を運転している。あれ、今気がついたけど、そこは右側通行だった。つまり、日本でもアイルランドでもないということになる。なぜだ?ともあれ、踏切の遮断機が下りていたので私は当然止まる。すると左側の追越車線にトレーラーがやってきたかと思うと、遮断機が下りているにも拘らず強引に踏切に侵入。わたしが、あーあーあーと思っていると、貨物列車とトレーラーが接触。


幸いにして、この事故は接触程度で怪我人は出ていない模様。私はケーサツに通報しなければ行けないと思い、車を放置して自分の家に戻る。夢の中とはいえまったくおかしな話だが、踏切の隣りに自分の家があるわけ。で、ケーサツに電話するも、「また、Snigelさんの狂言通報ですか」と相手にしてくれない。そう、どうも私はケーサツへの妄言通報の常習犯らしく、ケーサツはけんもほろろに相手をしてくれない。


私が数時間かけて信じてもらおうとするが、徒労に終わる。そういえば、現場はどーなったんだろうと思い踏切に戻ると、トレーラーも貨物列車もない。その代わりに、道路のど真ん中に放置された私の車が、クソガキと思われる輩の仕業で、ボディも窓もすべてスプレー缶でショッキングピンクに塗られていた。車の脇にはそのスプレー缶が所在なげに放置されていた。


…というのが内容です。「狂言」だの、「ショッキングピンク」だの、夢判断にはこと欠かない内容のような気がします。いちおう名誉のために言っておきますが、私は別に、人に嘘を言い続けているわけでも、踏切事故を目撃したわけでもありません。ともあれ、ミョーにこの夢が気になるんですよ。というわけで、夢判断、よろしく。


2006年01月17日(火) 中庭の象、会社の停電(意味不明なタイトルでんな)

ここ数日、眠れません。…とかいうと深刻な悩みでも抱えているのかと思われる向きもあるかも知れませんが、そうではなく、ただ、眠れないのです。おとといの夜(昨日の朝)は、朝の3時半ごろ目が醒めてそのまま眠れなくなり、あ、眠くなってきたなあと思ったらすでに会社に行く時間。


…かくして、会社で脱脂綿みたいになった頭で一日過ごし、家に帰ってきて、11時くらいにはやばやと眠ろうとすると、ベッドに入った瞬間に冗談のように目が冴えてしまい眠れない。眠ったのははっきりとは覚えてないけど夜中の3時くらいだったような。おかげでかなり本を読めましたがそういう問題じゃあなくて、とにかく日中眠いのだ。


そんな、頭のな中がぬいぐるみさん状態(脱脂綿が詰まった状態)で仕事を片づけてるんだか増やしているんだかわからない状態でいると、同僚のナイジェリア人がにこにこしながらやって来た。彼女、まだ入社して1年も経ってないけど、他がみんな辞めてゆくせいかすでに中堅どころの仕事をしている。けっこうかわいいし性格もいいので私のお気に入りの同僚のひとり。ただ、お気に入りかどうかは別にして、このにこにこには裏がありそうだ。


私:「どしたの?」
彼女:「私、木曜日から2週間ほどナイジェリアに帰るの」
私:「何、お土産は何がいいかわざわざ聞きに来てくれたの?」(←ジョークというか皮肉というかですな)
彼女:「…そうじゃなくて、もし、良かったら、私のいない間、私のクライアントを引き受けてくれない?」



…やはりな。彼女のクライアント、ひとつ、なぜ彼女が持っているのかわからないくらいの大口のがあって、しかも面倒と来たもんだ。しかも、彼女以外にこのクライアントの勝手を知ってるのは私だけだから、まあ、私が引き受けるのは構わないんだけど…眠い。


彼女: 「…おみやげ、何がいいの?」


うっ、無知な私、ナイジェリアといって思いつくものがない。彼女、前にコーヒーは採れないようなこと言ってたような気がするし、サンコンさんはケニア人だ(違ったっけ)。意味不明なことを考えて私の口から出てきた言葉は


私:「うん、象さんがほしい。うちの中庭で飼う」


さすが頭は脱脂綿。言うことが違う…というか幼稚園の園児並みの発想というか。


彼女:「わかった。BA(英国航空)に、象さんを荷物として運べるか聞いてみるわ」


で、脱脂綿の頭はそれ以降数時間にわたり、「もしうちに象さんが来たら」を考え続けることになる。


「いいよなー。象さんがうちにいたら。朝、起きて窓を開けたら(注:私の部屋は中庭に面した二階です)象さんが目の前にいて、窓からえさを上げるなんてオツなもんだな(キリンじゃあるまいしそんなにでかいわけないっちゅうの)。やっぱ、散歩にもつれていかなきゃいけないかな。その時は象に乗って散歩に行けるのかな。うん、なんか、カッコいいぞ(意味不明)。でも、近所のガキなんかが見に来るだろうな。あ、だったらいっそのこと見学料を取ってエサも1ユーロで売るべか。あ、エサ、あのでかい図体だからさぞかし食べるだろうなあ。近所のくされTescoに頼んだら、売れ残りの野菜を提供してくれるだろうか。まて、フンの問題はどうする?ああ、知り合いに無職になったやつがいるからそいつを飼育係に雇うか。あ、そもそも、あのでかい図体の象をどうやって中庭に入れる?だとすると、小象のときから…」


だいたい、ワシントン条約かなんかで保護されているはずの象をダブリンに輸入なんてできっこないし、中庭で象を飼うなどナンセンス極まりないのですが、頭が脱脂綿の私はそんなことすら気がつかない。昼休み、プールで泳ぎながらもずーっと象のことを考え続ける。プールから上がってシャワーを浴びつつも目を閉じて象のことを考え続ける。


で、目を開けたら…そこは真っ暗だった。あれ?何が起こったんだ?と、ほんのわずかな間思ったが、事態はすぐに読めた。


停電。


さあ、この「住みやすさナンバーワン」の国で起こった、過去数ヶ月のうちで何回目の停電だろうか。ただし、非常用電源に切り替わったらしく、窓のないシャワー室とはいえ漆黒の闇にはなってない。更衣室も何とか自分の手許が確認できる程度の明るさをかろうじて保っている。


そこに、ジムの係がやってきた。


係:「いやー暗くてすいませんねえ。どうやら、ここいら一帯すべて停電のようです」


今、ここいら一帯と言った?…ってこたーあーた、うちの会社も停電なの?


ジムを出てみると、なるほど、みんな真っ暗。興味本位でSPAR (コンビニ)へ行ってみると、なるほど、店内は真っ暗なのに、昼休みのせいかお客で一杯。一体レジはどーなってるかと思うと、おお、感心、点内の電灯はすべて切れているが、レジだけは作動して、通常通りスキャンしてる。ただ、手許のおつりの確認はどーするんだ?


で、野次馬根性で会社にも戻ってみると、暗い事務所の中でみんな所在なげに話をしている。おおっ、やっぱりここも停電だよ♪



会社の中もまっくら。私の人生のお先も真っ暗。




私は暇つぶしに、朝、無料でもらった新聞のSodokuを始める。が、いつまで経っても電気は戻ってこない。電気がようやく戻ってきたのは、停電が始まって1時間以上経った午後2時ごろ。


…ちゅうか(いつものことだけど)1時間も平気で停電するなよ。


で、電気が戻ってきたはいいが、ITの担当者がやってきて、


担当:「あ、まだ、コンピュータの電源入れちゃ駄目。システムの復旧をするから」


で、さらに、待つこと1時間30分。なんでシステムの復旧に1時間30分もかかるかシロートの私には相応もつかないのだが、午後3時30分になって、マネージャーが…


マネージャー:「今日はもう、帰っていいよ。悪いけど」


…だったら、停電が始まった1時前の時点でそういってほしかった。…まあ、いつ停電が復旧するかわからなかった以上、マネージャーの判断は妥当だったのですが、結果論でいえば3時間ほど無駄にしました。


で、帰り際に、件のナイジェリア人の同僚がやってきまして、


彼女:「ねえねえ、知ってた?ナイジェリアには象はいないわよ」


…。


さらに、別の同僚がやってきて、


同僚:「ねえねえ、どうしてSnigelが眠れないか教えてあげようか?それは満月だからよ」


…いつから私は狼男になったんだ?


今日こそは眠れることを祈ってます。アホな象の妄想をしないためにも。


2006年01月15日(日) メール・掲示板のお返事完了

終わったー!


掲示板・メールのお返事、ついでにホムペ更新重点期間と勝手に決めて望んだ週末ですが、おかげさまで、掲示板・メールのお返事が完全に終了しました。こと、半月もため込んでいた年末年始にいただいたメールのお返事が済んだことは実に慶賀に絶えません。その上でホムペの更新もしたし、自分で言うのもおこがましいですが、言うことなしです。


じゃあ、ホムペにかかりっきりで週末が終わったかというとそうでもなくて、実はデュッセルドルフで買ってきた山崎豊子さんの「白い巨乳」という本をずーっと読んでました(最近中年っぽいおげれつジョークが多いことは反省すべきですな)。さすが元活字中毒、二日で三冊を読んでしまいました。この日記の更新が終わったらベッドに寝転がって4巻をじっくり読もうと思ってます。


…と、ここで終わっても良かったのですが、とあるローカル雑誌の裏表紙にあった広告、ツッコミ所満載なのでここで突っ込んでおきます。






なんと!€500の整形治療を受けるだけで、Aer Lingusでも最低350ユーロするダブリン=ニューヨークの往復チケットを進呈するとは実に豪気な話です。ただ、うまい話にはどっか引っかけがあるというのは世の常ですので、この広告を疑ってもう一度見てみます。


「条件は有名なMarriottホテルにひとり125ユーロで5泊していただくだけです。」


…すでに雲行きが怪しいです。2人合せて1250ユーロというのは実に大金です。


で、hotels.comで調べたとこによると、このホテル、ひと部屋一泊およそ180ユーロで滞在可能です。つまり、二人で250ユーロという条件ですから、一泊あたり70ユーロ浮いて、5泊で350ユーロ。そう、ひとり分の運賃が浮く計算になります。その上で美容外科のぼったくりを思えばこれくらい当然のような気がします。


2006年01月14日(土) 更新報告:航空会社ウォッチ・ホントにトクなのはどこよ(2)

航空会社ウォッチ・ホントにトクなのはどこよ(2)を更新しました。読まれるとご理解いただけると思いますが、(1)よりも(2)の方がメインです。Ryanairの詐欺っぷりをたっぷりと検証します。


2006年01月13日(金) 更新報告−航空会社ウォッチ・ホントにトクなのはどこよ(1)

本日13日の金曜日でしたが、皆様無事に過ごせたでしょうか。市内ではダブリンバスが歩行者をはねたらしいですが。

本日、日記アーカイブと、航空会社ウォッチ・ホントにトクなのはどこよ(1) を更新しました。意外な結果に書いた本人が驚いてます。

なお、今週末は、久しぶりに時間が取れそうなので、掲示板・メールのお返事、ついでにホムペ更新重点期間とします。よろしく。


2006年01月12日(木) ベッドの下から出てきたモノ(その2)

鼻水が止まらないです。くしゃみも止まらないです。そんな中、SwordsのPavilionsに買い物に行きました。まー、どこもかしこもセール中で実にお買い得。Clarksに行って半額セールの靴を買ってきました。


2003年の9月4日の日記で、ベッドの下から忘れ去られていた靴が出てきた話をしました。で、今日、改めてベッドの下を調べると…






自分の学習機能の無さを呆れました。


出てくる出てくる新品の靴。二足新しいのが出てきました。今日買ったのを含めて都合三足。で、今、自分の日記を読み返して気がついたのですが、上の写真の一番左端の靴は、2003年9月の日記と同じもの。そう、2年以上ベッド下に放置しているのです。


…ただひたすらに、自分のアホさ加減に呆れます。しかも、写真左端と中央の靴、ほとんど同デザインです。


そんでもって、靴を買ったあと、Superquinnに食料品を買いに行きました。で、ここでパスタソースが一つ1.87ユーロのところ、ふたつで2.5ユーロというセールをやってました。ところがこの割引がレジでされない。文句を言ったら、このパスタソースをタダでもらったのみならず、3.74ユーロ返金されました。 都合6.24ユーロ(850円)得した計算。このSuperquinnの対応、私は心から愛してます。どうしてこのスーパーに経営危機が噂されているか私にはにわかには理解できないのですが。


2006年01月11日(水) The Boulevard Cafe

どうも風邪を引いたようです。くしゃみ・鼻水・のどの痛みという典型的症状が出てます。そういえば、周りを見まわすと風邪ひきさん多数。皆様もご健康にはご留意を。


そんな中、気のおけない友人とメシを食ってきました。The Boulevard Cafeというカフェというかレストランというか。場所は、Dame StreetからGeorge Streetに入って、最初の信号のある交差点を左に曲がり、Karaoke bar Ukiyoを過ぎたところにあります。


ここ、メニューとしては、ピザ、パスタがメインのようですが、イタリア人が見たら卒倒するようなピザばかり。つまり、ピザの基本ともいえるマルガリータなどの取り扱いはなし。その代わりに、変わったピザばかりがあります。そもそも私はピザなど食べるつもりはなかったのに、その奇抜さゆえに考えを改めたのです。私の食べたピザ


ダックの乗ったピザ


かれこれダブリンに6年だか住んでますが、こんな意味不明のピザを見たのは初めてです。しかも名前がPizza Singaporeと輪をかけて意味不明。そのあまりの奇抜さに思わず注文してしまったのです。


友人が注文したのはこれまた奇抜の極致といえる、ブルーチーズが乗っかったピザ。たぶんイタリア人が見たら怒り出すな。


で、味はどうだったかというと...実はおいしかったです。私、とにかくダックが好きなのですが、なるほど、こういう食べかたもあったのかと納得。要は、ダックと千切りきゅうりなどの野菜がピザの上に乗っかってるわけ。つまり、ふだんご飯と一緒に食べるべきものが、なぜかピザの上に乗ってるわけです。その一見ミスマッチとも思える取り合わせが実はうまくいっているという。ブルーチーズも同様。これを発明したシェフを私は素朴に褒め称えます。


今朝は朝の5時にひでばかすにたたき起こされて空港まで送らせられた(ちなみに彼は現在日本に向かう途中)ので眠いです。というわけで、オチも何もなしですが、ここまで。


2006年01月08日(日) RECOGNISING OUR PEOPLE

去年の9/5の日記で、いかにうちの会社がアホアホかを書きました。さて、こんなスーパーバイザーの発言をご記憶でしょうか。


スーパーバイザー:「我が社もXX周年を迎え、皆さんの努力の賜物で増収増益を維持している。かくして、会社としてはいかにして、社員に満足感を与え、長く勤めてもらえるかを考えている。何か意見や提案がある人はいるかね」


「社員に満足感を与え、長く勤めてもらう」というあまりに立派で高尚なスローガンをして、この会議の数日後に、会社の壁にこんな訳のわからんものが貼られました。






RECOGNISING OUR PEOPLE


うまく訳すことができないのですが、要は、「会社は社員ひとりひとりを大切にしてますよ」ということが言いたいらしい。で、会社一の大所帯のうちの課の社員ひとりひとりの総勢36人の顔写真が各文字の脇に出ています。こんなバカなもん作ってと、半ば呆れていたのが9月の半ばのお話。


それから3ヶ月半が経ちました。


RECOGNISING OUR PEOPLEなこの課がどうなったのかと、改めてこの写真を見てみました。


…結構な数の人が辞めてます。その辞めた人にX印をつけて見たのが下の写真。






7つのX。そう、36人中7人がこの3ヶ月ばかしの間に辞めてしまったという事実。ほぼ2割の人が辞めたという事実。しつこいですが、わずか3ヶ月での話です。


おい会社、RECOGNISING OUR PEOPLEだったらどうして2割の人間が3ヶ月のうちに辞めちゃうんだよ。…こう書けば、いかに私の勤めている会社の労働環境がよくないか分かっていただけるかと思います。


まあ、これ、よくない労働環境が最大の理由なのですが、あとは、アイルランドの景気が他の国に比べて悪くないので、労働者が比較的気楽に転職できるというのも事実です。極端な話、明日クビになっても来週から新しい職場で働きはじめることは十分可能です。ただ、RECOGNISING OUR PEOPLEを唱えていたスーパーバイザーさん、あんたが率先して会社を辞めてどーすんのよ?


この会社にいる限り、私の将来は真っ暗です。それでなくても真っ暗かもしれませんが。



2006年01月07日(土) スペルマン病院ってなによ?

仙台の乳児連れ去り事件、無事に解決したようなので書きますが...


スペルマン病院ってなによ?


院長がどういう了見でこの名前にしたのか、小一時間(略)。これが産婦人科というのが二度笑えますが。


2006年01月06日(金) 夢のお話

知人からのメール(そのまま転載だけど、個人的な情報は何も入ってないから問題ないべ)


とても寒い日でした。明日も寒いとのこと。でも雪が降らないのが不思議です。
さて、そんな日から仕事始めなのですが、一発目の電話が、訃報でした(涙)しかも自分が担当している取引先の社長(号泣)嫌な1年になりそうです



ふーむ。私の一発目の電話はなんだったかと思い出したところ、


間違いファクス


でした。…私の今年一年とはこれいかに。


そういえばよく、「今年最初のXX」って言い方をしますよね。その典型的なのが姫はじめ…ではなく初夢。初夢占いってのをよく聞きます。ほんじゃ、私の初夢がどうだったかというと…覚えてない。


私が羨ましいと思う人は、寝ているときに夢を見る人。うーむ、みんな夢を見るらしいからこの言い方は適当ではないかも。より正確を期して言うなら、寝ているときに見た夢を覚えていられる人。私の場合、ほとんど覚えていられない。目が醒めると同時にきれいさっぱり忘れてしまっている。で、思い出そうとしても思い出せないのです。たいがいの場合。


まれに、なんとなく覚えていることがあります。あの人が夢に出てきたなとか、あの場所を歩いていたなとか。でもすべてはあまりに断片的で、それが物語になっているかにもかかわらず、とにもかくにも覚えてない。ゆえに、初夢占いなど、無理だったりするわけです。


で、話は私がアイルランドに来たばかりの頃までさかのぼります。よく、「英語で夢を見たら頭が英語で考え始めた証拠だよ」なんてまことしやかに聞かされて、英語で夢を見ることが重要なことのように思っていたような気がします。


当時、「うん、見たような気がする」なんて言ってましたが、ごく正直に言って、英語で夢を見た記憶がないのです。何せ、夢自体を覚えておらず、細かいことなど全く記憶の外ですから、その夢が日本語か英語かなど覚えているはずがないのです。ただ、夢の中に日本語を話さない人が出てきたら、その人とはたぶん英語で話をしているはずなので、たぶん、え夢を英語で見ていることもあるのでしょうが証拠不十分。それとも、私は夢の中で自分の彼女に流暢な日本語を話させているのでしょうか。んなこたあないような気がする。ってことはやっぱ英語で夢を見てるのかな。


どうでもいい話でした。


2006年01月05日(木) 今日からDARTの運賃値上げです。

本日からアイルランド国鉄の運賃が、値上げになるそうな。ところが、聞いたところによると、券売機の機械が運賃値上げに対応してないらしく、旧運賃で発券をしている駅がある(あるいは全部の駅がそう)だとのこと。

いやー、アイルランドって本当に住みやすい国ですね。


2006年01月04日(水) 日本国デュッセルドルフ村

デュッセルドルフというのは実にフシギな町です。ちょっとした理由で、ヒコーキに乗るまで4時間ほどの自由時間ができたので、デュッセルドルフの町に行ってきたのです。


デュッセルドルフの町に行くのは2回目。やはりヒコーキに乗るまでの数時間の隙間ができた前回は、ガイドブックや地図はおろか、文字通りに何の予備知識もなくデュッセルドルフに行き、テキトーに地下鉄に乗ったら旧市街に着き、それから路面電車に乗っていたら突然日本語で「本」と書かれた看板があったので飛び降りたりなどしているうちに時間となってしまいました。


で、この「本」の看板、果たして日本語の書籍を扱っていた本屋さんでした。前回この本屋さんの界隈でミョーなことに気がついたのです。


というのも、その本屋さんの隣は日本のDVDばかりを集めたレンタルビデオ屋さんに日本人向け旅行代理店、反対隣は日本食レストラン、さらにホテル日航、丸紅・三越あげくに在日本総領事館が入ったでかいビル、さらにちょっと進むと、日本食材を扱った店、果てはお惣菜屋さんに至るまで。そう、「デュッセルドルフ日本人村」ができているのです。他にもあちこちにこういうところはあるのかもしれませんが、少なくとも、ダブリン村に住む私にはこういうところに行った経験がない。こりゃ行ってみようというわけ。


この日本人村、中央駅から表口を右に出て、最初の角を左に曲がると嫌でも見えてきます。距離にして500メートルあるかないか。ここに入ると、ドイツ語より日本語のほうが聞こえてきます。かなり冗談ではなく自分がどこにいるのかわからなくなります。


まずは、駅からいちばん近い日本語の本屋さんに入る。あれ、前回もここに来たはずなのに前と店の様子が違う。まるで別の店のよう…って、あれ、別の店だ。ってことは本屋さんだけで少なくとも二軒はあるわけね。で、日本語で「営業中」と書かれたドアを開けると店員の女性が「いらっしゃいませー」。そういえば、アイルランドの店員は、こっちから声をかけない限り何も言ってこないよなあ。どっちがいいかはにわかには断じかねますが。


残念ながら前回行った本屋さんのほうが売り場面積も広かったのでここは早々に退散。この退散した本屋さんの売り場面積は、感覚としてはコンビニの2倍程度…と言えば大体の感覚をつかんで頂けるでしょうか。


じゃあ前回行った本屋さんはといえば、間口は狭いものの奥に広いので結構広大な売り場面積があります。日本のイナカの個人経営の小さな本屋さんより大きいのではないだろうかという感じ。日本語の本屋があるという事実だけでびっくりの私にはこの売り場面積は素朴に驚きです。


その二軒の本屋さんは同じ通りに100メートルくらいの距離を隔てて建ってます。その広いほうの本屋さんはこともあろうに正月休み。昔から、自分の人生に何もいばれることはないけど、本だけは読んできたと思う私にとってはちょっとがっかり。何せ、ちょっとくらい値段が高くても本を何冊か買って帰ろうと思っていたのだ。


がっかりした気分のまま、そのままその通りを進むと、交差点の向こうにはニ軒の日本食材の店がある。「アジア食材」ではなく「日本食材」なとこがポイント。で、その入口になにげに日本語で書いてあったこと。


「古本」


へっ?ふ・る・ほ・ん?


大学生の頃はあちこちのブックオフをはしごして古書を買いあさっていた私にとって、この「古本」という言葉はアムステルダムの飾り窓より魅力的(ちゅうか、チラリズムのない飾り窓などには個人的にはこれっぽっちも魅力を感じないのですが)。吸い込まれるように日本食材の店に入ると一番奥におおお、広さにして8畳くらいと大して広くないものの、私の背丈以上の高さの棚にびっしり詰まった古本(そのほとんどが文庫本かマンガ)が並んでるよ。


で、試しに文庫本を手にとって見ると、一冊3ユーロ程度と日本だったらぼったくりだけど、ここでは良心的といえる値段で売っている。…このあと私がここでしばらく文庫本を1冊1冊吟味したことは想像に難くないかと。結局15冊くらいの本を買ってしまいました。


ちなみに、アイルランドの古本屋は好きではありません。何はともあれ、本が焼けていたりとかで本当の「古本」になりすぎているのだ。私がブックオフを魅力的に思ったのは、あそこは古本を実に見事に古本とはいえないくらいの美しさに再生すること。その点、アイルランドの古本は本当に古本であまり触る気がしないのだ。無論、なんだかんだ言っても英語の本より日本語の本のほうがはるかに読みやすい…というのも大きな理由なのですが。


で、その15冊の古本を腕の中に積み上げて食品コーナーのレジへ。店の中は結構混んでいる。7割くらいの日本人に3割くらいの日本マニアのドイツ人…といった感じか。会計を済ませて外に出る。そこでふっと考えてしまった。この日本国デュッセルドルフ村の意味を。


私が語学留学をしていた頃、よくある話と言えばその通りなのだが、必要以上に日本人を避けていた。ほら、語学学校にいると、日本人同士でも英語で話そうとしたりするでしょ。その努力は確かに必要なんだけど、なんだかそれも不自然な気が今ではする。


じゃあかといって、この日本国デュッセルドルフ村にずぶずぶで住むというのもいかがなものかと。それで楽しいという人もいるだろうし居心地がいいという人も多いだろう。でもその点、アイランドに住んでいる日本人は日本人同士のつながりということに比較的淡白なのではないかという気がする。私としては、このつかず離れずの距離が一番楽だという気がするが果たして本当のところはどーなんだろう。


2006年01月03日(火) あけましておめでとうです。

今年もよろしくお願いします。

明日より通常更新再開です。




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