なべて世はこともなし
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2004年04月29日(木) 10年ごしの思わぬ再会

1990年代前半。私はQ州にある某県立高校に在籍しておりました。自称「進学校」で、いちおう地元では名の通った高校だったようです。ただし、私はこの高校のやり方に真っ向から反対しており、授業はボイコットするわ、教員と大喧嘩するわで、2年次の進学クラスでの成績は90人中89番…わはは、ブービー賞ってやつですね…で、進学クラスから放り出されるというあまりない快挙を成し遂げた大バカです。


この辺の話は、今にして思えば、私のやり口はともかく、私がおかしいと思っていたことはやっぱりおかしかったわけで、まあ、この辺の話はまたおいおいということで。


で、この日記、かれこれ4年目に突入しましたが、けっこう長い間飽きもせずに読者さんでいてくださっている方もいらっしゃるようです。で、今までいただいたたくさんのメールの中でも、先月いただいたこのメールは強烈でした。


「もしかして、SnigelさんはXX高校出身ではないですか?」


当たり。そういうあなたは…と思って差出人を見ると


おおっ、高校のときの同級生。しかも、片手の指の数くらいしかいなかった友人のひとり


考えてみると恐ろしいことで、彼女、私が高校のときの友人などとはゆめゆめ思っておらず私の日記を読んでくださっていたようです。ところが、件の「指さし」を本名で出版したので、彼女の中で「もしかして?」と思い、ためしにメールを出してみたらしい。


白状するとですね、「指さし」を出す前に出版社から本名で出すかペンネームで出すかを聞かれたんですよ。一瞬悩みました。何でもですね、「ハーフっぽい」名前にすると本がより売れるらしい。たとえば、田中一郎オコナーとか、ほれ、「ハーフ」=「語学が達者」=「立派な本」というミョーな、でも単純な図式が読者の中で成り立つらしい。


あとはほら、ライターさんの中にいませんか、ガンバ佐藤とか、アクセル高橋とかなんだか苗字は本名だけど名前をテキトーにつけたといった趣の名前。さすがにそれは考えなかったけど、本名を出すと仕事もやりづらくなる恐れがあるとか、なんだかいろんなことを考えたわけですよ。


でも、別に悪いことをしているわけでなし、自分にとって誇りになるもんだからと敢えて本名で出版したわけです。それに、上のような姑息な方法で売上を伸ばしても...という思いもあったわけです。結果、まさにひょうたんからこまで上のような驚愕メールが届いた次第。


で、この高校のときの同級生の彼女の名前は「みねまいこ」。私をして二度びっくりさせたことは、なんと彼女はミュージシャン。作詞・作曲もやって、さらに歌う。


音楽的センスのない私に音楽を語る資格はまったくないけど、少なくとも「詞」については語る資格があると思う。


再び舞台はQ州の某高校に戻る。私は高校のときに文芸部の部長なるものをやっていた。別にやりたかったわけじゃない。教室にいるのがいやでいつも図書館にいたおかげで何時の間にか部長になっていたわけ。ちゅうても本人はほとんど作品を書かず。


で、県単位で出している「高校文芸」という高校生の作品を集めた冊子の「小品」(本来は「短い作品」という意味のはずだが、この場合「佳作」といった感じの扱い)の欄に、彼女が書いた作品が載っていた。


この作品を見て、私は驚いたのを覚えている。編集者がどういうセンスをしているのか知らないが、この私小説は間違いなく「小品」扱いではなくもっと大きく扱われるべきだと。それで、10年たった今でもそのタイトルとあらすじを覚えている。自分の書いたものを含めて他はきれいさっぱり忘れ去ったところを見ると、きっと彼女の作品は本物だったのだと思う。


彼女への返信メールに、そのことを書くと、彼女もその自分の作品を覚えていて、「覚えていてくれて嬉しい」と書いてくれた。


ふっと10年という長い期間がひとつの作品を通じて埋まったような気がした…が、それは幻想に過ぎなかった。彼女のサイトを見て、愕然としてしまったのだ。


彼女のサイトを見ると、彼女が高校生だったころの話がぽつりぽつりと出てくる。彼女の目を通じてみた世界と、私の目を通じてみた世界はまったく違っていた。しかも、彼女は病気をしたり大変だったらしい。なのに、私は「片手の指の数しかいない友人」などと言っておきながら、彼女のことを何も知らなかった。


いったい自分は高校のときに何をしたんだろうと思うと暗然とした。勉学に励んで<「一流」の大学に行ったわけでなし、部活動で輝かしい成績を残したわけでなし、かといって、友人とかけがえのない時間を過ごした…というわけでなし。そう、一言でいって何もしていないのだ。何もしていなかったのに周りを見る余裕もなかった...というのは一体どういうことなのだろう。10年の隙間を埋めるも何も、最初から私は、彼女のことを見ていなかったのだ。ふと思うと、高校のときの友人で未だに連絡を取り合っている人は...いない。


彼女に話を戻すと、彼女のホムペから何曲か聞くことができる。上にも書いたとおり、私は音楽センス0の人なのであまり書く資格はないとは思うけど、初めて聞いたときに、何と言ったらいいのやら、「奄美の歌姫」と呼ばれていたあの人の音楽を聴いたときの驚きと同じような驚きを受けた。つまり、既存の音楽と明らかに一線を画している。ぜひ聞いてみてほしいな。


というわけで、私の高校のときの数少ない友人であり、ミュージシャンでもあるみねまいこの公式サイトみねまいこム


世界は広い。でも、世間は狭い。


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2004年04月25日(日) 照り輝く太陽と公共の場所禁煙の思わぬ被害者

地中海などではおなじみでも、アイルランドではめったにお目にかかれないもの、 太陽なるものが、今週の週末にアイルランドに照り輝いておりました。シャワー一つ降らず太陽がさんさんと輝き、気温が17度まで上がるというのは、他は知りませんがダブリンでは十分異常気象の範疇です。


かくして行ってきましたよ。





海へ。


土曜日は出勤だったので行ったのは本日日曜日の昼下がり。向かったのは、ダブリンバスで訪れることのできる最遠の場所の一つSkerries。あ、もちろん車で。そりゃ暖かかったですよ。でも、一緒に行ったおとといドイツから来たばかりのドイツ人の友人は「耳が冷たい!風が冷たい!」と大騒ぎ。この天気はアイルランドにすれば異常なほど暖かい…といくら言っても分かってくれない。




ね?犬も泳いでるでしょ?


でビーチをてくてく歩いていたら、さすがの私をして唖然とする光景。




泳ぐ子供たち。


日本に比べてはるかに寒いアイルランドの4月の海で泳ぐアイルランドの子供たち。この瞬間にアイルランドの女性がくそ寒い中でもへそを出して平気で歩ける理由が分かった。


結論:アイルランド人の肌は日本人のそれより数倍厚い。


で、このあと、当然のようにパブにも行ったのですが、ちゃんと禁煙は守られてました。入口に喫煙者がたむろする形で。


このパブに件のドイツ人の友人と、ひでかすと私の3人で行ったのですが、このアイルランドの禁煙のせいで思わぬとばっちりを食らう羽目になりました。


某パブで昼食をとったのですが、昼食後、私を除く喫煙者の二人は外にたばこを吸いに行ってしまいました。私はひとりでやることもなかったのでぼーっとケータイでテキストを送りはじめたわけ。すると、頭の悪そうなバーマンがやってきて


「(皿を)下げてもいい?」


と聞くから、私は「いいよ」と言う。で、テキストに専念してたのでまったく気がつかなかったのだが、このアホタレバーマン、友人の半分以上残っていたサイダー(リンゴ酒)のグラスまで下げやがる。おいおい、私は確かに皿を下げてもいいとは言ったけど、半分以上残ったサイダーのグラスまで片づけるか?フツー?


案の定といえば案の定、入口で一服して帰ってきたドイツ人の友人が怒り出す。近くを通りがかったウェイトレスに文句を言うと数分後、皿を下げたウェイターがパイントグラスにサイダーを半分入れてやってきて、グラスを叩き付けんばかりにしてテーブルにおいて、私をきっと睨んで


「あんたが下げてもいいと言ったんだろ!」


とキレる。で、そのまま踵を返してカウンターに戻る。私はその後ろ姿に


「俺は『皿を下げてもいい』といったんだよ。このドアホ


と言うが、ウェイターはシカト。せっかく天気もよくて機嫌もよかったのは一気に台無しになる。ただし、当の本人は


「やったー、生ぬるいサイダーが冷たくなった」


と喜んでましたが。


…彼女のようなしたたかさがほしいと本気で思いました。


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2004年04月20日(火) かくあるべき。クイズ「ミリオネ」

毎日11時間勤務して、ついでに土曜日まで働いたら、週60時間以上労働してるやんか…とひとりで指を折って数えて頭を抱えているSnigelです。どうも。


今日も手抜き更新です。すいません。


日本でもやっている「クイズ、ミリオネラー」。各国でやってます。アイルランドももちろん例外ではありません(テレビを見ないのでよくは知りませんが)。


日本でやっていた「ミリオネ」。ちょっとヨーロッパのと違うんですよね。基本的なルールはもちろん一緒。何が違うかというとですね、日本のは、なぜ挑戦者がお金を必要としてるかにスポットが当てられますよね。


ほら、例えば、「自営業のパン屋の新しい機械を買う費用に」とかそんな感じで。で、その分、最初の簡単な数問はカットされたりなんかしていて、これには私、いささかの物足りなさを感じました。私にとって挑戦者がどうしてお金が必要かなんてどうでもいいことで、どちらかというと、クイズそのものを純粋に楽しみたい。そう思うのですが。


こいつは例によっていったい何を言い出すんだ?と、お思いの向きもあるでしょうが、実はですね、本日メールでこんなおバカ画像が届いたのです。これがアイルランド版のミリオネなのか他の国なのかは知りませんが、このレベルからして第一問には間違いないかと。にわかには信じられませんが、これ、本当にあったそうです。



一瞬でこの面白さが分からなかった方、私と同レベルです。私もほんの一瞬ですが考え込んでしまいました。


ね?みのさん。日本も第一問からちゃんとやろうよ。

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2004年04月16日(金) アホアホ郵便局のせいで更新ができない...

朝の8時から夜の7時まで毎日仕事して、明日も仕事だよおぉぉぉ。考えてみると、残業+休日出勤なんて日本じゃわりかし当たり前の話なのかもしれませんが…。

…書きたいことはあるけど、寝ます。すいません。


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2004年04月14日(水) ミニ更新:郵便局のストで2週間遅れで迷惑を被る男

アホアホ郵便局(この言葉づかい、某読者さんのが伝染したと思われます)が1週間以上にわたりストをしたのがもうかれこれ2週間前のこと。で、ストをやっていなかったはずの先週も、なぜか郵便物の数は激減したまま。「200人のアルバイトを率いてバックログ(遅れ)の挽回に努めてます」なんて言ってたけど、いかにもウソくさい。…だって現実問題として、全然郵便物の数は減ったままだったもん。

まあ、そうは言ってもたまった郵便物、日本の一部の正月の年賀状アルバイトの不届き者のようにごみ箱に捨ててしまわない限り、いつかはたまりに溜まったメールを届けなきゃいけないわけで。

…そういう訳だかどうかは知らんが、今週になってようやく郵便物の数が増えてきた。で、風が吹けば桶屋が儲かるの方式で

今日から毎日3時間の残業が確定しました。…しかも期間は無期限。

更新が滞ったり、メールのお返事が遅れたら、そういう理由を汲んでやってくださると嬉しいです。


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2004年04月13日(火) 空港愚客日誌

前々回(4/6)の日記で書いたとおり、私は「通勤路」とも言えるハノーバーロンドン経由ダブリン行きで「パブで飲んでいたから」という同情の余地なき理由でダブリン行きのヒコーキに乗り遅れました。で、昨日、全く同じルートを飛んできました。できれば「愚客リスト」とかに載りたくない私はちゃーんとゲートに行きましたよ。


出発2時間30分前に。


…これ、ウソではありませんが、若干の脚色が入ってます。というのも、私がこのチケットを買ったのはなんと5ヶ月も前の11月の話。行きがグッドフライデー(イースター休暇の始めの日ね)で、帰りがイースターマンデー(イースター休暇の終わりの日ね)という超忙しい日のフライト、早く押さえないととんでもない値段になるのを見越して、5ヶ月も前にチケットを買った次第。おかげで、500ユーロ超にもなるチケットを160ユーロ程度で入手できたわけ。


その代わり…と言うわけでもないんだろうけど、夏ダイヤに変更になったときにハノーバー発のヒコーキが1時間早発になった。かくしてロンドンで3時間ほどの無意味な乗換え時間が生じた。で、イースターの真っ只中にも拘らず、ハノーバーからのヒコーキは定刻通り。フライトコネクションセンターも偶然にもガーラガラ。で、私が「心を入れ替えて」ゲートに着いた時は次の便の2時間30分前だったわけ。


ゲートに行くと、自分の乗るはずの一つ前の便のダブリン行きがもうすぐ搭乗という状態。だめもとでカウンターのおねえさんに聞いてみた。本当はこれが目的で2時間30分前にゲートに行ったんだけどね。


私:「次の便にリストされてるんだけど、この便に乗れない?」
係:「満席です」
私:「んじゃ、空席待ちしていい?」



係のおねえさんは、ちょっと面倒くさそうな顔をしつつも、私のチケットを見せてと言い、コンピュータのキーボードを叩く。


係:「あなたのチケットの場合、変更料金がかかりますね」
私:「いくら?」
係:「いっぱい」



面倒くさいからとテキトーな理由を見つけたな。次の便の方が混んでるんだから、ここで私を前の便に乗せれれば、オーバーブッキングで乗れないやつをひとり救えるだろうが?だいたい「いっぱい」ってなんだよ?いっぱいって?


…と、突っ込もうかと思うが、何せ、この係のおねえさんの言うとおり、私はダブリン=ロンドン間に片道18ユーロ(税含まず)しか払ってない。ここで、いらん文句を言うと、愚客リストに載りかねない!そう考えて、ここはおとなしく引き下がる。


で、搭乗ゲートから離れた人気のないベンチでのんびりと本を読みはじめる。何せ、この搭乗ゲートのエリアまで来てしまうと、ここには何もない。あるのはキオスクに毛が生えた程度のコーヒーショップ(座席なし)と両替、それに自動販売機が数台(ビジネスラウンジもあるようだが縁がない)。乗客の逆流を防ぐ意味でラウンジにも戻れない(戻りたかったらセキリュティコントロールをもう一度受けることになる)。というわけで、ここに来ると、本でも読む以外本当にやることがないわけ。


で、キオスク風のコーヒーショップで、スーパーでなら24本12ポンド(つまり1本50ペンス)で買える瓶ビールを3ポンドも出して買い、それをゆっくり飲みながら本をかれこれ1時間くらい読んだろうか。突如日本語が耳に入ってきた。私くらいの年齢の女性の声。


「はーい。お疲れさまです。現在時刻はイギリス時刻で午後4時45分。イギリスはアイルランドと同じ時刻ですから時計を合わせていない人は合わせてください」


…ツアコンか?と思って顔を上げると、そこには高校生くらいの男女30人ほどが。化粧っ気もなければ、髪も染めていない、ちょっと純情風に見える生徒たち。ということは、この女性はこの生徒たちの引率者か。なんだろな、こんな若いのに海外旅行できていいな…と、パスポートを初めて持ったのが21歳だった私はちょっとひがむ。


引率の女性は続ける。


「ダブリン行きのヒコーキは午後7時30分。今からおよそ3時間後です。その間、ここで自由に買い物等をしてください」


唖然。買い物って、店、ないよ?


「のどが渇いた人は、そこのお店か自動販売機で自由にものを買ってもらってけっこうです。ただ、ユーロは使えないので、そこの両替所で両替してください。ただ、あまり多額を両替すると使えきれなくなるので5ユーロ札か何かを出して両替するといいと思います」


私は、横からツッコミをいれたくなるのを必死でこらえる。つまり…


そこのキオスクふうのコーヒーショップはユーロ他、だいたいの通貨で両替せずにそのまま使えるよ。それから、5ユーロを両替したって手数料をがっぽり取られるから手許にいくらか残るかどうか。しかもそこの自動販売機、さっきから「売切」の文字が点灯してるよ。


そんな私の心の叫びをよそに、この人は続ける。


「荷物はここに置いておいていいですけど、パスポートと搭乗券は必ず携帯してください。あー、それから、さっき通ってきた、チューブみたいなところ(連絡通路)から先に行っては絶対にダメ。戻ってこれなくなります。去年そこから先に行って大変なことになった人がいたので特に注意してください」


うん、これに関してはその通りだ。ここに来ると搭乗券なしでは戻ってこれない。だから、フツー搭乗時間3時間前にここに来る人はいないんだよね。…とか言いつつ自分は2時間30分前に来たけど。まあ、ここにいる限り、ほとんど軟禁状態だから、引率者にとっては楽だなあ…。


「では、6時に一度集合ということで解散とします」


…なんで?搭乗時刻7時30分じゃないの?などと思っていると、生徒たちは散っていく。…いや、散っていかない、大挙して向かったのは両替所。今までお客を見たことがなかった寂れた両替所に大挙して押しかける生徒。なるほど、こういうことがあるからここは潰れないのね。


生徒のひとりが引率者に質問する。


「今、どこにいるんですか」


…お前はそんなことすら知らんのか?


そうかと思うと、私の隣りのベンチに陣取った男の子数人は、今時の話し方で…


「それにしてもよりによってアイルランドに留学なんだろね。フツー、オーストラリアとかアメリカだべ。ダチにも恥ずかしくて言えねえよ」


…そうですか、その程度のご認識ですか。でもそういう認識でアイルランドに来る生徒って少なからずいるんだろうなあ。


しばらくしてようやく私のヒコーキの搭乗時間になる。搭乗ゲートで搭乗券を見せると


係:「あ、ちょっとお待ちください」


と言って、カウンターの奥へ行き、私の搭乗券を別の搭乗券と交換する。新しい搭乗券は、おお、ビジネスクラス。…18ユーロしか払ってないのに。


だいたいビジネスって言ったって、たかが50分ほどのフライト、どんな違いが出せるものか…と思っていると、まず、アイルランドの新聞の配布から始まる。で、離陸後、結構しっかりした食事が出される。私が選らんだのはサーモン。味は…悪くない。ちゅうか18ユーロしか払ってないやつが文句を言う資格はない


で、食べ終わる前からすでにスッチードさんは私の食器を片づけたくてたまらない模様。さらに食べてる途中にお茶を持ってくる。そりゃそうだ。私が食べ終わったときにはすでに着陸体勢に入っていたのだから。…どう見てもこりゃこの短いフライトでビジネスのミールサービスをするのは無理があるぞ。そりゃドリンクを有料化するのもどうかと思うけど、この短いフライトでミールをサービスするのもやりすぎな気がする。…18ユーロが何を言うという感じですが。


ただ、これだけは言わせてほしい。


アップグレードしてくれるくらいだったら、エコノミーでいいから前のヒコーキに乗せてほしかった。


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2004年04月08日(木) No frill(格安航空会社)の涙ぐましい(??)努力

この日記の一つのナゾは、なぜかヒコーキネタを書くと評判がいい。べつにこのホムペはヒコーキオタクのためのサイトじゃないのに、なぜかそうなる。昨日の日記はあんな痛い話だったのに…。というわけで、調子に乗って昨日に続いて、今日もヒコーキのお話。


昨今のNo frillなる格安航空会社の台頭にはめざましいものがあります。なんだか知りませんが、片道1セントとかいう企画があったり、「払いたい額を自分で決めて払ってください」なんてのもあります。


考えてみると、こういうことをやる裏には、涙ぐましいまでのコスト削減の努力があるわけで。まあ、機内サービスのカット(ドリンクの有料化)、着陸料の削減(ロンドンなら着陸料の高いヒースローを避けてルートンやスタンステッドに行くなど)、さらには自由席の採用(チェックインに時間と労力をかけない)…こういうのは、いわば目に見えるコスト削減の努力なわけで。今日のネタは、顧客の側から見えないコスト削減の話。



(資料写真。本文とはカンケーありません)


かの有名なNo frillの某社の場合。社長自ら、「ボールペンはホテルからパクってこい」と檄を飛ばす会社らしいです。で、スッチーさんを募集するのはいいですが、スッチーさん養成費用およそ2000ユーロはなんと養成されたスッチーさん持ち…らしい。


もうこれだけでもすごいですが、まだ続きがあります。この会社の制服、フツー会社の制服って会社から支給されるものだと思うですが、この会社、買い取りです。年に1着。なんと月に24ユーロ給料から天引き!言い方を変えると制服1着288ユーロで毎月24ユーロの12回ローン


これで驚いちゃあいけない。「年に1着、月に24ユーロ」というのが実にクセモノでして。例えば、1/1に勤めはじめて6/30に都合退職した人はどうなるか。答え:7月から12月までに払うはずだった144ユーロが最後の給料から天引きされます。


そこまでやるか。フツー。


これで驚いちゃあいけない。まだ続きがあるのです。


私が知る限り、IATA加盟各社の場合、チェックインラゲージとして預け入れのできる預託手荷物はエコノミークラスで20キロまで。まあそうは言っても数キロのオーバーは見て見ぬふりをしてくれるところがほとんど(中には某くされフランスの航空会社のような例外もあるようですが)。


で、件のNo frillの某社の場合。この荷物の制限重量は20キロではなく15キロ。で、超過料金については1キロあたり4イギリスポンドまたは6ユーロの超過料金を取るとホムペに明記してあります。つまり、理屈の上から行くと、20キロの荷物を持っている人は30ユーロの超過料金。まあ、そうは言っても実際少しくらいの重量超過は文句を…言うんだな。これがっ


搭乗受付カウンターで、No frillの某社の受付のおねえさんが超過料金を取ろうとしているのを目撃したことはありませんか?そこにはれっきとした理由があります。


理由:ひとり一日あたり250ユーロの超過料金徴収のノルマがあるから。


え?という方のためにもう一度書きます。No frillの某社の搭乗受付カウンターに座っている人は一日あたり250ユーロを「超過料金」の名目で顧客から毟り取る徴収するのがノルマとして課せられているのです。


搭乗受付カウンター嬢が16キロの(16キロ超過ではなく1キロオーバーの16キロの荷物ね)預託手荷物を預けた顧客に対して超過料金を取らなかったことをマネージャーに見咎められて、あとでしっかり油を絞られたとかいう、他の航空会社(しつこいけどフランスのあのくされ会社を除いてね)では考えられないような話も報告されています。


さらに、No frillの某社の場合、万一救命胴衣を着用しなければいけない緊急事態の場合は、スッチーさんがひとり20ユーロ(子供用は10ユーロ)を「救命胴衣使用料」との名目で徴収するらしいです。


………さすがに最後のはウソですが、それ以外はどうやらホントらしいです。でも、この会社、万が一のときにも「あんた1セントしか払ってない客だから、死んでもスズメの涙しか払わんけんね」とくらい言いかねない気がする。そういえば、この会社、ダブリン発のヒコーキは、未だに他の大手航空会社が使い古して捨てた20年以上昔のB737-200なんてヒコーキを使っていたような気が…。


それでもあなたはこのNo frillの某社のヒコーキに乗りたいですか?


それと...


そこまでされてあなた、No frillの会社で働きたいですか


作者、イースター休みに突入です。次回更新は来週の火曜日を予定してます。では。

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2004年04月06日(火) やっぱりネタを呼ぶ?アムステルダム(6=完結編)

アムステルダムのお話の続き...いよいよアホタレな最終回です。

その1その2その3その4その5 はリンクをたどってください)


ハノーバーまでのヒコーキは遅れたものの、それでもまだダブリン行きのヒコーキまでは時間があったのでのんびり入国審査を受ける。入国審査官との会話


審査官:「イギリスにはどれくらいいますか」
私:「ダブリンで仕事してます。また明日から仕事です(溜息)」
審査官:「ダブリンで仕事してるの?」
私:「はい。ちなみに言うと、あなた先月私のパスポートにハンコを押してくれましたよね」




ほら、同じ人(笑)



入国審査官氏、私のパスポートに自分のハンコを見つけると嬉しそうにとなりの入国審査官に


審査官:「ねえ!見てみて!この人、先月僕がハンコ押したの覚えてた!」


と私のパスポートを見せながらとなりの入国審査官に報告


誰だ?イギリスの入国審査が厳しいとかいったやつ?ほとんどギャグじゃねえか。


で、入国審査官氏、満面の笑顔で私のパスポートにハンコを押してくれ、通い慣れた通路を通って、離れ小島のダブリン行き乗り場へ。行ってみると


ダブリン行き1時間遅れ。


それでパブで飲みはじめる。


何時まで経っても搭乗の案内でない。仕方ないからもう1杯飲む。


搭乗の案内出た。…飲みはじめたばっかだから飲み終わるまで放置。


飲み終わってゲートに行くと…ゲート閉まってる。


私:「もしかして乗り遅れた?」
係:「乗り遅れた



はい、人生二度め。空港にいつつ乗り遅れる超大馬鹿


…これ、書こうかどうか悩んだんですよ。だって馬鹿丸出しじゃあないですか。で、気がついたのは、読者さん、私が馬鹿なの知ってて読んでいらっしゃると思われるので、いまさら隠しても仕方ないかなって。


それにしても、天候とかでヒコーキに乗り遅れたことももちろん何度もあります。だけど、空港にいつつ、ヒコーキに乗り遅れた…しかも人生2度も…というアホタレはきっとそうそういないぞ。もっとも、数ヶ月前のひでかすのように、空港にチケットを持っていくのを忘れて乗り遅れるのもいかがなものかと思うのですが…。


ちなみに。これ、このホムペのどこかに書いたような気がしますが、人生で始めて空港にいつつ乗り遅れたのは、7年前にストックホルムからフランクフルトを経由してダブリンに帰ってくるとき、フランクフルトでターミナルを変えなければいけないことに気がつかずに免税店を冷やかしていて乗り遅れたという、これまた痛いドキュソな理由です。7年前の経験がまったく生かされてませんな。


さらに脱線すると、今日届いた読者さんからの報告によると、某Ryanairのフライトに、サマータイムになったことを知らずに乗り遅れた…という方も。この読者さんといい、ひでかすといい…


結論:ヒコーキに乗り遅れることはフツーなんだ(←絶対違う)


ちなみに、逆ギレなのは認めるけど、ブリティッシュミッドランド、ヒコーキが1時間も遅れてたから、個人の呼び出しも何もしないでそのまま見切り発車したと思われる。冷たいよなあ。


それはともかく、善後策を練らねばならない。ブリティッシュミッドランドはロンドン=ダブリン間を2時間に1本の割で飛ばしているから、次のヒコーキまで2時間。いや、すでに乗ろうと思っていたヒコーキが1時間遅れていたから次のヒコーキまであと1時間。その間にやらねばならないことは、一度チケットカウンターに戻って新しい搭乗券をもらうこと。で、何としてもお金を払う事態は避けねば。


で、10分歩いてたどり着いたはブリティッシュミッドランドのチケットカウンターどんな言い訳をしようか考えつつカウンターへ。口が裂けても「パブで酒飲んでたから乗り遅れた」とは言えない。


私:「あのー、ダブリン行き乗り遅れたんですけど」
係:「なんで乗り遅れたの」
私:「あの、その、への…」
係:「今日、どっかから飛んできたの」
私:「はあ、ハノーバーから」



で、係の人、私のチケットを見てコンピュータの端末をたたき、


係:「ああ、ハノーバー線が遅れたのね。ご迷惑をおかけしました。はい、こちら新しい搭乗券」

た、助かった。


「ハノーバー線は遅れたけど、それは全然関係なくて、パブで飲んでいたんだ」などと自己申告するはずもなく、いらんことを言われる前にさっさとチケットカウンターからダッシュ逃亡する私。


そして、その足でパブに戻った私は…………


最バカ


ですね。


ちなみにこの日は悪天候のためとやらでアイルランド線全便が遅れており、次のブリティッシュミッドランドも1時間遅れ。午後7時にたどり着くはずが着いたのは午後11時。意味もなく疲れました。


ちなみに、今週末同じルートを飛ぶんですが…。


(あまりに情けないオチですが、これでアムステルダムの話、おしまい)


追伸:これ読んで、腹を立てた愚客をいつも相手にしている空港職員の皆様...スマン

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2004年04月04日(日) 告発!バスエーランに突如降って湧いた盗作疑惑?!

ちょっと前にリニューアルされた、アイルランド国内をほぼくまなく結ぶバスエーランのサイト、確かに、チケットがオンラインで買えるなど便利になりました。それは認めます。




↑リニューアルされたバスエーランのサイト




だけどねえ、あくまで私のひとりごととして聞いて欲しいのだけど、このオンラインブッキングのサイトがドイツ国鉄のサイト酷似していると思うのは私だけ?




↑バスエーランがリニューアルされる前から続くドイツ国鉄のサイト。
たぶん私が知る限りでいちばん使いやすい。




Details for Selection Details for allとかのあたりのレイアウトがパクったとしか思えない…なんてのはきっと私の勘違いですよね。ソ連のツポレフと西側のB727とかいう関係に近いなんてのは、私の思い過ごしですよね。まわか、バスエーランの広報の方、


「ドイツ国鉄サイトを大いに参考にした」


なんて言わないです…よ…ね。ね?ね?

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2004年04月02日(金) やっぱりネタを呼ぶ?アムステルダム(5)

アムステルダムのお話の続きです。。

さあ、4回にわたり引っ張ってきた(その1その2その3その4はリンクをたどってくださいね)アムステルダム旅行記もいよいよ5回目。今日完結させようと思ってましたが、長くなったので今回も含めあと2回続きます。


そんなこんなで帰りのヒコーキ。行きのヒコーキであんなことを言われたもんだから、ちょっと気になって、ハノーバーの地上職員に声をかけてみた。この方、ゲートでいつもパスポートをチェックしている。


私:「いつもお疲れ様」
相手:「お客様こそ。いつもお会いしますね。ではまた来月



…面、完全に割れている。


そりゃロンドン=ハノーバーを定期的(ほぼ月一回のペース)で飛ぶ日本人なんて(ドイツ人とかイギリス人はともかく)そうそういないかもしれないけど、それにしてもここまで面が割れているともう何とコメントしてよいやら。そろそろ自分の生活のパターンについて考えるときかなあ…などと意味深な発言をしたりして。


ともあれ、ロンドン行きのヒコーキは到着便の遅れの関係で30分遅れとのアナウンス。実際には40分程度遅れて離陸。


巡航高度に入りベルト着用のサインが消えてそろそろドリンクのサービスが始まるかという頃突然


スッチードさん:「お客様にご案内致します。お客様の中でトルコ語を離される方は客室乗務員までお知らせください」


という訳のわからんアナウンス。次の瞬間からスッチーさん、スッチードさん総出(と言っても3人しかいない)で、ドリンクのサービスなど忘れたかのように、なぜか酸素ボトルなどを持って右往左往しはじめる。


ををっ、これは急病人か!


野次馬根性丸出しで申し訳ないけど、これはまさに緊急事態。次の瞬間には


「お医者様はいらっしゃいますか」


というアナウンスのあと、もしかすると、


「機長です。急病人が発生したため、ロッテルダムに緊急着陸します」


なーんてなったらこれ以上ないいい日記のネタになる!!


…と心ひそかに期待(こういうことを言っているやつはいつか自分がこういう目に遭う)。ところが、残念幸いなことに緊急着陸には至らず、ロンドンに通常通り着陸。強いて違いをあげれば、ドリンクのサービスが着陸前のシートベルトサイン点灯数分前に行われたことぐらい。


で、滑走路に救急車が止まっているかと思いきや、それもなし。ヒコーキは何事もなかったかのようにゲートに着…あれ、何かが違う。


ターミナル1に到着。…と言ってもほとんどの方はなんだか分からないでしょうが、このヒコーキ、ターミナル2に到着すべきだったのだ。滑走路からできるだけ近いターミナル1にして急病人を降ろそうとしたのか、それとも機材繰りの関係か。ともあれ、スポットには救急車待機中。…ああ、やっぱり病人だったんだわ。


スポット到着後、乗客が立ち上がろうとした絶妙のタイミングに機長がアナウンスで…


「機長です。お気づきとは思いますが、乗客の中に急病人がいらっしゃいます。まずは急病人を先に降ろしますので、乗客の皆様はそのままお席に座ってお待ちください」


で、救急隊員は乗客を担架で降ろせずに、なんとヒコーキの高さまで寝台のスペースがリフトで持ち上げられる救急車(名前を何と言うのかすらわからん)まで呼ばれて、乗客を降ろすまでにさらに30分。結局到着は予定時刻の1時間遅れ。さらには、ターミナル2までバスで10分かけて移動というおまけつき。


痛すぎる最終回に続く。


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