なべて世はこともなし
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2004年02月26日(木) |
人にものを頼むとき...献血センターのお話 |
人にものを頼むときって、やはり下手に出る…と言うと言い方が悪いかもしれませんが、「お願いをする」っていう態度って大事ですよね。やはりお願いをされる側が気持ちよくやってくれるようにするというのは大事なことだと思います。特にそのお願いが、相手にとって何の得にもならないとき。
例えば献血。一昔前(大昔?)の売血と違い、献血って完全にボランティアで、献血をしなくても自分の普段の生活には何の得にもならないわけで。そりゃ万が一の事故のときに自分が輸血でお世話になるかもしれない…とかいう感じで回りまわって自分の利益になり得ますが、普段の生活レベルで考えるとあまり自分の得にはならないと思う。
そんな中で私、大学にいた頃は年に2回くらいのペースで某駅にある献血センターに通ってました。まあ「偽善者の血が騒いだ」とか揶揄されそうですが、自分には何の得にもならない献血を定期的にしてたのは、あの献血センターの雰囲気が好きだったからです。
まずあそこに勤めている看護婦さん。私が来たことに本当に感謝してくれます。すごく好意的で親切で、「来て良かった」という気分にさせてくれます。待合室も喧騒な駅の中にあるとは思えないくらい静かできれいで、極端な話献血をしない時でも遊びに来たいくらいのいい感じの場所でした。
やはり、する側にとって何の利益にもならない献血という行為、ここまでしないといけないのかなあ…という気になります。だってそうでしょ。たとえ善意あふれるホトケのような人でも、献血センターに行って不愉快な目にあったら二度と行こうとは思わないでしょ?
はい、ここから本題。
昨年の10月くらいに私、アイルランドで献血をいたしました。ちなみに日本ではアイルランドに長く住みすぎているので献血は断られるらしいです。…だからと言うわけではないのですが。
自分勝手な理由をつけると、一度献血をしておくと、アイルランド版の献血カードがもらえて、万が一輸血するような場面になっても優先的に輸血してくれたり、また輸血の値段そのものが安くなるとかいう特典があるらしい。まあ、すごく自分勝手な理由だけど、ある意味「献血をした人には優先的に輸血がされる」というのは理にかなっていると思う。
で、それからかれこれ4ヶ月とか経つのだが、未だに献血カードは届かない。その代わりに、なにやらアイルランドの輸血サービスの法人から手紙が来た。
Snigel殿
アイルランド輸血サービスは以下のクリニックにて献血を行う。(住所略)上記のクリニックにぜひ参加するように。
最近アメリカに行ったものは西ナイル熱感染の恐れがあるので帰国後28日間待機すること。
疑問があったらドナーヘルプライン(電話番号)まで連絡のこと。
なお、この招待状をクリニックに持参のこと。
以上
…お前らは人にものを頼むときのマナーを知らんのか?
フツーのジョーシキで考えたら、この手紙の書き出しは、
平素はアイルランド輸血サービスに格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。また過日はお忙しい中、献血にご協力いただきまして誠にありがとうございました。
…とかいう感じで感謝の言葉から始まるのがフツーじゃないか?(英語で言えば、Many thanks to ...)あんたらの手紙の書き出しは、ほとんど命令口調で、裁判所からの呼び出しかのような印象すら受けるぞ。
もっと言えば、この前献血に参加してもらったばかりの人にもう一度献血を頼むなら…
現在も輸血用の血液は慢性的に不足しており、多くの患者さんが輸血を必要としています。つきましては先日献血をしていただいたばかりでまことに恐縮ですが、万障お繰り合わせのうえ献血センターにおいでいただけるよう伏してお願い申し上げます
…のように、献血の必要性を説いて頭を下げる…というのが当たり前の常識じゃないのか。なのにこのメール、意訳すれば、
「献血ルームを開設するからとにかく四の五の言わずに参加しろ。ゴルァ」
という最上段に構えた内容でとても私が考えるところの「人にものを頼む態度」ではないのです。一言で言ってしまえば「お役所仕事」。こんな人を小馬鹿にしたような手紙を書いているうちは、二度と献血なんてしない…と勝手に心に決めました。
最後に。裏面には献血に対する一般的な注意書きがづらづら書き並べてあります。その中で...
献血は完全に任意です。義務感に駆られて行う必要はありません。
…オモテ面と態度が全然違うぞ。こらっ。
おまけ:
ちょっと気になったので、「いつになったら献血カードが着くの?」とメールで問い合わせてみました。ちょっと驚いたことに数時間後に返事が届きまして…。
Thank you for your query. Apologies for the delay in issuing your donor cards, however, validation on this element of our computer system is ongoing at the moment and until that is completed, we will not be issuing any donor cards. I have checked with Donor Services and it is hoped that they will be in a position to start issuing donor cards in 6 to 8 weeks.
In the meantime, you can still donate, as your details will be on the system from your last donation.
意訳:今システムのアップグレードをしてるからカードは発行してません。6-8週間したら、カードの発行を開始する…といいなあ。
…ミソは、6-8週間したら、カードの発行を開始するという点。つまりその時点で私のカードが発行されるとは限らないわけ。しかもhopeという「希望的観測」という次元の話のようです(溜息)。
意訳:でも献血はできるからね。
謹んで辞退申し上げます。
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2004年02月25日(水) |
ワカメ、いりませんか?(オフ会告知) |
現在うちに、ワカメ・昆布・ウニ等海産物の山があります。「ダブリン北部のうちまで取りに来てくれる人」という限定条件で差し上げます。ほしいだけ。
英語で言うところの"What's the catch?"(裏はなんじゃい)というやつですが、大したことはありません。某スペインの業者がアイルランドで商売を始めたいらしくそのサンプル品として流れてきたのです。で、いちおうモニター品ということで以下の質問に答えていただけるというのが条件です。
(1)品名 (2)おいしかったか(愚問といえば愚問) (3)いくらだったら買うか
別に私、この商売に首を突っ込むつもりは全くありません。ただ知り合いが「私が日本人だ」という理由だけでこの海産物の山を箱で渡されただけでして。はっきり言って商売になるとも思ってませんしね。困ったことには私、こういう海産物、はっきり言って苦手なのです。ともあれ、ご希望の方は私までメールにてご連絡くださいませ。早い者勝ちです。
で、このワカメが売れ残った際の対策として(あくまで冗談です)、一年ぶりのオフ会を開催いたします。…と言っても詳細はなーんにも決まってません。決めたのは、日時が3/20(土曜日=ちなみに日本は春分の日で祭日)。それだけ。私が今勝手に思っているのは、いつもパブばかりだから、今回はそれに反旗を翻してどこか屋外で何かやる…うーん、ベタベタで申し訳ないけど例えばグレンダロッホとかブレイに行くとかね。そうなると車を出してくれるボランティアを探さねばならない…等々問題はありますが、皆様のご意見を尊重しつつやろうかと思ってます。
ご参加ご希望の方はご要望をぜひ掲示板までお寄せください。(「いや、やっぱパブがいい」とか「車なら俺に任せろ」とか)。
また、多忙(大ウソ)の私に代わって幹事になっていただける方も募集してます。
業務連絡:ダブリン近郊の某町にお住まいで、10日ほど前に私のgooのアドレスにメールをくださった男性の方。申し訳ありません。メールを間違って返信前に削除してしまいました。お詫びいたしますと同時にどうかオフ会にご参加されませんか。
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2004年02月21日(土) |
ダブリンでまことしやかに流れている噂を検証する |
タクシーの中での運転手と乗客(日本人女性)との会話。
運転手:「お嬢さん。どこから来たの?」 客:「日本」 運転手:「日本かあ。オレ、つい最近までダブリンバスで運転手やっててタクシーの運転手になったんだけどよぉ、ダブリンバスに日本人の運転手がいるって知ってるかなぁ」 客:「え?そうなんですか」 運転手:「いやあ、彼はすごいやつでねえ、初めての日に道を間違えてLouth(郡)に行っちゃってさぁ」 客:「ええ?そうなんですか?」 運転手:「それでさぁ、お客は全然怒んなくて記念に一緒にパブに行って帰ってきたんだってさぁ」 客:「アイルランドならではの話ですね」
…という噂話があったという話を聞きました。そのタクシーの乗客の日本人女性から。
絶対ウソだよ。
土地カンのない人のために解説しておくと、この話、「都バスの運転手が初日に道がわかんなくなって気がついたら熱海にいた。仕方ないから熱海の温泉にみんなで入って帰って来た」というのと同レベルです。ありえないでしょ?
だって、お客がLouthまでバスで連れて行かれて途中で気がつかないはずがない。もし運転手が世界一のボンクラでもSword村を出たあたりで気がつく…と思う。ネタとしちゃ面白いけど、ダブリンの市バスがダブリンから北に50マイルも離れたところまで行くとは思えない。本当に百歩譲ってLouthに行ったとしてもパブに行って帰ってきたりするもんかい。…いくらアイルランドでも。
そんな話を会社でしていると、今度は同僚が…
同僚:「その話私も聞いた。ダブリンバスの日本人運転手がBelfield(ダブリン南部)に行くはずがBelfastに行っちゃったんだって」
…Louthを通り過ぎてBelfastかよ。おいっ。しかも聞いて見れば、この噂、けっこうダブリンじゅうに広まっている模様。数名の人から同様の話を聞いたという証言を得ました。
「指さし」を隅から隅までご覧になった方はご存知でしょうが、実は私、この「伝説の」ダブリンバス運転手さんと親交があります。という訳で、本人に突撃取材をしてみました。それがいちばん手っ取り早い。しかもメシまでごちそうになったりして...ええ、これもすべて取材のためです。
結論:彼はこの噂が広まっていることを知っているが事実とは全く異なる…とのこと。
ここで私は真相を暴露してしまいます。そう、「火のないところに煙は立たない」のです。やっぱりなんかあったんですよ。彼の独り立ち初日に。
それは、市内の某交差点。彼は直進しなければ行けなかったところを運行系統を勘違いして左折してしまったのです。お客からさっそくクレームが来て、狭い路地に無理矢理頭を突っ込んでUターンしたそうです。
はい。たったそれだけのことです。悪いですが、私、ダブリンバスが道を間違ったことに一度や二度ならず遭遇しています。はっきり言って別段ネタにするまでもない他愛ない話なんですよね(少なくともアイルランドではそうなのです)。そこに尾ひれ背びれがついて最初のような話になった模様。
そう数メートルのオーバーランが、噂ではなぜか160キロのオーバーランになってしまうという…。ああ、噂って怖いね…という話でした。
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2004年02月18日(水) |
路上のネジがつなぐ一方的なご近所づきあい |
いつもの通りシャワーを浴びて、いつもの通りネクタイ締めて、いつものように車に乗り、いつもの通り家を出た。いつもの朝の光景。何ら変わるところがない。強いて言えば遅番なので既に午前10時を過ぎて太陽が頭上で照り輝いていることか。ところが異変は起こった。
妙にハンドルが重い。
まず疑ったのはパワステオイルが切れたかな…という疑い。もっともそんなもんが切れたらどうなるかなど想像したこともないし、車にはエンジンとタイヤ4つがついている…それ以上のことを知らない私に聞かれたって困る。あ、タイヤ…そう思って車から降りて前輪を見るもやっぱりタイヤはついている。再出発。
数メートル走ったところでやはり変だと思い今度は後輪をみると…うん、ちゃんとタイヤはついている。
空気が抜けてたけどね。
家にとりあえず戻りトランクを開けてみると、さすが日本からの輸入車、スペアタイヤにジャッキが完備。でも…
スパナがない。
どこか抜けてるよなあ。
で、2件隣の今まで面識のなかったお宅にうががう。そう、家の前庭に車が停めてあったのでスパナを借りようとしたわけ。出てきたのは私の母親くらいの女性。裸足にガウン姿。
女性:「え?ああ、2件隣の家に住んでいるの?いつから?あら、全然知らなかったわ。あなたがた静かだもんね。あなた中国人?え?日本人?あらそう、誰が住んでいるの?日本人とドイツ人二人づつ。あらそう。最近アイルランドにも外国人が増えてきたわよねえ。私がコドモの時に初めて黒人の人を見た時は本当にびっくりしたわよ。へえ、こんな人もいるんだって。でも最近、そうここ10年よねえ、急に外国人が増えてきて。あなた、アイルランド好きなの?あら、もう5年も住んでいるの?あらそう、でも天気が悪くて大変でしょう?そうでもない。今日はいい天気だけどねえ。あら失礼。私ったらこんな格好で。きょうはちょっと怠け者な朝を過ごしているのよ。あら、パンクしちゃったの。それは困ったわねえ。おはいんなさいよ。これが私のワンちゃん。このワンちゃんがねえ数年前に私が動物保護団体を通じて助けたのよ。このワンちゃん、ちょっと頭のおかしい人に飼われていて苛められてたらしくて、私が助けた時にはほとんど死にかけてたのよ。でも私が可愛がったら、ほら、いい子でしょう。おとなしいし。ちょっと待ってね。私着替えてくるから」
Snigel、朝から妖怪おしゃべりオババに捕まる。…急いでいるのに。
仕方ないので足元でじゃれている黒い雑種の中型犬と遊ぶ。Q州の家にいる犬にそっくりだなあ…などと思っていると、着替えを済ませたおばさんがやってきた。おれ、おばさんとデートをしようというわけじゃあないぞ。
女性:「あら、お待たせして悪かったわねえ。うちのダンナったらエンジニアで、で、長男はボイラー技師なのよ。だから困ったことがあったらいつでもいらっしゃい。それでうちの娘は今度大学を卒業して先生になるんだって。女優を目指してたんだけどやっぱりそれで生計を立てるのって大変らしくて結局学校でそっち系のことを教えることにしたらしいのよ。自分で言うのもなんだけど、器量よしの娘でコドモの時からお芝居一辺倒で一生懸命練習してたわ。でもねえ、やっぱり好きなことをやるのと生きていくことってやっぱり両立できない時もあるのよねえ。でもうちの娘はラッキーだったわ。だって芸術を教えることで教壇に立てることになったんだもの。そうよ。コドモの時からの苦労は無駄じゃなかったのよ。ダンナだって喜んでいるわ」
あのー、私はただ単にスパナ1本借りたいだけなんですが。21歳の器量よしの娘が近所にいるというのはいいニュースですが、別にそれよりも何よりも私はスパナが借りたいだけでして…。
女性: 「はいはいスパナね。車の中にあるはずよ。(犬に向かって)ダメよ。今はお散歩の時間じゃないのよ。あらいやだ。トランクの中が散らかっているけどこれはダンナがね何日か前に出かけた時にそうなったのよ。あら、こんなところにスペアタイヤがあるのね。あら、スペアタイヤと一緒にちゃんとスパナも入っているのね。いやね私、そんなこと全然知らなかったわ。この車に乗ってから一度もパンクなんかしたことないわよ」
…これ以上しゃべるな。読者が飽きる…。打つのにも疲れてきた。
ほうほうの体でスパナを借りてきてホイールキャップを見ると
…スパナのサイズが違う。キャップが外せない。という訳で、おばさんに捕まっていた20分をまるまる無駄にする。
AA(日本で言えばJAF)に泣きながら電話。最初から電話しとけばよかった。
で、近所の店でチョコレートを買い、スパナを返しに行くと…まあ、おばさん、もうどうにも止まらない。暇なのかなんなのか知らんが、うちの大家さんの奥さんが亡くなった時のことなど近所のゴシップをえんえん30分にわたり話し続けたのでした。私がどうやって解放されたかというと、そう、AAが着いたのでした。
ほうほうの体でオバサンから逃げ出すと、AAのおじさんは慣れた手つきでホイールカバーを外す。スパナなど使わずに。
おじさん:「え?このネジはただの飾りだよ。ここにマイナスドライバーを差し込めば簡単に外れるよ」
脱力。だったらオバサンから借りたスパナで事足りたんじゃないか。
かくしてAAのおじさんがつけてくれたスペアタイヤでとりあえず会社方面に向かって移動開始。すでに時刻は12時。会社の同僚にSMSで「安いタイヤ屋を教えて」と打つとすぐに会社の近所にあるタイヤ屋を教えてくれる。
某パブの裏側にあるという話だったタイヤ屋。なるほど、ほとんどパブの倉庫といった感じでパブという名のテトラポットについたタニシ…といった趣。入口がどこにあるかすらよくわからない。
フツー、タイヤって最低でも2本単位で売りますよね。前輪と後輪とか。ゆえに半年前に変えたばかりの後輪の両方を交換だと思い最低でも100ユーロは覚悟する。で、タイヤ屋のおじさんに言われたこと。
おじさん:「1本でもいいよ。1本35ユーロ」
…何でそんなに安いんですか?日本でも1本5000円しない新品の(再生タイヤではないタイヤ)ってあるんですか?
かくして、予想よりもはるかに安くことが片付いて安心しました。近所のオバサンとも一方的に仲良くなったし。めでたしめでたし...ということにしとこう。
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2004年02月15日(日) |
宝くじがあたったのでこのページは閉鎖します。 |
昨日のお話。
請求書以外に手紙が届かないといつも嘆いているSnigelのもとに神様が哀れんでくださったのか一通の手紙が届きました。
…スペインから。
なんじゃらほいと思って開けてみると
…なんじゃこりゃ?
785510ユーロがスペインのロトで大当たり!!!!
なんですと?
よくよく読んでみると、何でも宝くじがあたったそうで、その宝くじの当選金を払うために私の銀行口座および身分証明書のコピーを送れとのこと。
典型的詐欺メール。
なんとなくそれっぽく作っているのは認めるがなんだかハンコが嘘くさいとかいろいろ見れば見るほどインチキくさい。ただ、これで相手がなにを要求しているのかがよくわからない。私の銀行口座番号を知られたところで別に実害はなさそうだし、私の個人情報だって別にそこまでして集める価値があるか…
はっ。こいつらはどうやって私の住所を調べ上げたのだろう。
今の住所に引っ越したのが4ヶ月前。それ以降私はほとんど誰にもと言っていいほど自分の住所を教えていない。言うまでもなくくだらない懸賞とかにも応募してない。ということはどこからか私の個人情報が漏れ出たと思うのが妥当。 別に住所くらい漏れても実害はないけど、気味が悪いといえば気味が悪い。ちゅうかさあ、それ以前に
スペインの宝くじなんて買った覚えがないぞ。
インターネット以外でもこういう詐欺メールってあるんですね。うーん。
ともあれ、騙されなかった私はあいも変わらずビンボーで、当然この日記はこれからも続きます。
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2004年02月14日(土) |
冬にアイルランドなど旅行するもんじゃない...というお話 |
今日はバレンタインデーですな。未だに私は何のお祝いの日だかその由来を理解していないのですが…。ともあれ、一つ確実に言えることは、日本のそれとアイルランドのそれはまったく異質のものです。訳のわからんチョコレートの配布などということはアイルランドではもちろん行われておりません。
あ、ちなみにアイルランドのバレンタインデー、カップルでどこかおいしい食事に出かけたりどこぞのホテルでロマンチックな週末を過ごしたり…という感じのようです。
そんなどうでもいいバレンタインデーの話はさておき、数日前、コネマラ地方に1泊2日で行ってまいりました。言うまでもなく観光客のご案内。ほらほら、コネマラ地方に行ったことのある人ならこの写真を見ると思い出すところがあるでしょ。(ちなみに Kylemore Abbeyといいます)。
で、ここに行ったのはこれで何と3回目。今回言って痛感したのは、ここも完全に観光地化されている。良くは覚えていないけど前回(99年)に行った時にはなかったと言い切れる入口のゲート。バーを押すタイプのたまに空港の展望台とか水族館の入口とかで見かけるようなゲートが設置されている。で、このゲートをくぐるためにはなんと5.5ユーロを払って専用のトークン(コイン)を買わなければならない。だいたいこの建物の中を見るのに5.5ユーロも払う価値なんて…ない。
じゃあ外から見ればいいじゃないかと思われるけど、実はこの写真でいえば湖の向こう側(つまり建物側)に行こうと思えば5.5ユーロを払って件のゲートをくぐらねばならない。やっぱコネマラの果てまで来て中に入らないのもアレだというわけで結局観光客は高いと知りつつ払ってしまうという、まあ観光客用に仕掛けられた罠と知りつつはまる…ということになるわけですな。
それにしても5年も前に書いた「アランアイランド旅行記」、あれを読んでいただけると分かると思うのですが、冬にアイルランドを旅行するなんて根本的に間違ってます。コネマラ地方の中心地、クリフデンというとこに一泊したのですが、実際のところ、推定半分以上のB&Bや7割以上のレストランが冬季休業中。いちおうアイルランドでも飲酒運転に関してはまじめに考えている私、夜はパブで飲みたいからとクリフデンの町中に宿を取ったものの(村外れのB&Bだと飲めない)夜、街を歩いてみると悲しいくらいガーラガラ。宿のお隣りにあったパブへ行くもこちらも中は悲しいくらいガーラガラ。
結論:アイルランドを冬に旅するもんじゃない。
とはいえ、実はいつも雨が降って霧が出ているコネマラ地方、なぜか天気は晴れてはいないものの降ってもいないという感じで悪くなく、宿も飛び込みで難なく取れて、まあ悪くないといえなくもないんだけどね。そう、しょせん「ものは考えよう」なのです。
追伸:「べたべた写真」ですが、デジカメの電池切れで撮ってません。すいません。
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ちょっと訳ありで更新がままならない状態が続いています。次回の更新は多分日曜日。その代わりといっちゃあ何だけど、デジカメをもって出かけるので次回更新はべたなアイルランドの風景写真が見られるかも...。
では。
あ、そうそう、ストリップに行った彼女、ストリッパーとツーショット写真を撮って来てました。
なぜかポラロイド。
ストリッパーの写真はポラロイドと相場が決まってるんですか?(意味が分からないという方、身近でストリップ劇場に行かれる方がいれば聞いて見てください。)
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2004年02月06日(金) |
ちょっとズレてるSnigelの帰国 |
いやー、笑ってしまった。この写真。(Yahooはリンク切れが早いので切れていたらこちらのページを参照)。
自衛隊員さん、イラクへ「指さし」持参。地元住人と笑顔でコミュニケーションを図る…の図。
うーん、これ以上に指さしの宣伝になる写真はないのでは。これでアイルランド版を持っていってくれていれば…(イラクにアイルランド版を持って行ってどうするとかいうツッコミは不要)。
写真を見るからにはちゃんと意志の疎通が図れていそうですね。ほらほら、アイルランドに来られる皆様、「指さし・アイルランド」版をお忘れなく。アイルランド人と楽しいコミュニケーションが図れますよ。
…宣伝はこのくらいにしまして。(ちょっと真顔で:自衛隊員さんたちが無事に帰還されること祈っております)
日本に行くたびに思うのですが、自分があからさまに「ガイジン」化しております。要はだんだん日本の常識とかを忘れてしまって日本人の目から見ればややもすると奇異な行動をしているという…ま、どちらかといえば否定的な話ですね。
実例その1。
ひでかすといっしょに帰国してきたひでかすの同僚、そして私の3人で行って全国チェーンの某居酒屋に行って来ました。だいたいアイルランドでも顔を合わせているのになんで日本でも会わなきゃいかんのだという気がしなくてもないですが、まあそれはおいておいて、ひでかすとその同僚の二人は成田から直行ということで3人は上野で会いました。で、そのままたった1週間ぶりの再開を祝して乾杯。
で、3人で2時間も居酒屋にいたのにさらにジョッキ3杯づつ開けたのにひとり2000円も払ってない。その理由…
食べてない。
ひでかすの同僚が「お腹が空いた」とチャーハンなどをぱくついてましたが、私にいたっては箸を割さえしませんでした(ご飯を食べたばっかだったということもあるんだけどさ)。そう、アイルランドの常識からすると、パブは食べるところではなく飲むところなのです。自宅でも毎晩親と一杯やっていたのですが(けっこう親子関係はいいのです)、私は食べずに飲むばかり。ちょっとこの辺の感覚がずれてしまってます。しかもいい年こいたオッサン3人がスーツ以外の姿(しかもなぜか二人は背中にリュックをしょっている)で上野をうろついているのも人目をひいていたかもしれないなあと思います。
実例その2。
その翌日、ひでかすとふたりでアキバに行きました。アキバの駅で待ち合わせをした。で、ひでかすは駅を出るなりいつもの癖でたばこをふかしはじめます。彼がすい終わると同時に私の目に飛び込んできたもの。
「路上禁煙。千代田区」
…あ、そういえばこの辺は路上禁煙でしたね。どうりでだれもたばこを吸ってないんだ。
この件に関しては知らぬこととはいえまことに非常識でした。ひでかすになりかわり不愉快に思われた方に陳謝いたします。
そうそう、タバコといえば指さしに「2月からアイルランドの公共の場所での喫煙が禁止されます」と訳知り顔で書きましたが、どうやら延期される模様です。ちゅうかさあ、一時期ラジオとかでしつこいくらいに話題になったのに潮がひくかのごとくだれも語らなくなったのはどういうことよ?「2月から禁煙」と書いて本を出してしまった私の立場はどうなるのよ?…ま、いい加減アイルランド王国でこんなクレームをつけるだけ無駄ですが。
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2004年02月03日(火) |
かなり強烈。アイルランド版The Full Monty |
おことわり:日本のことの続きを書くつもりでしたが、緊急で予定変更しました。
私の斜向かいの席に座る同僚が私の机にやってきて言うのだ。
「木曜日にここに出かけるの」
と見せてくれたチラシ。
(注意:この先の日記を楽しんでいただくためにこのあほなチラシを1分かそれ以上凝視していただけると幸いです)
…アイルランド版The Full Monty
いやー、The Full Montyは映画の世界だと思ってましたが本当にあるんですね。イギリスだけでなくアイルランドでも。
ただでさえ男のいないうちの会社。あっという間に女性陣が集まってきました。そして言いたい放題言いはじめます。いわく
「なにこいつらサイテー」 「うわっ、ブサイクじゃん」 「この人、うちの近所で見たおまわりさんに似てるわ」
…ん?言われてみるとこいつらアイリッシュのようですな。アメリカの旗に騙されかけてしまった。ともあれ、悪口は加速していきます。
「うわ、何でこいつら体にオイルぬりまくってるの。キモいよ」 「なんでまあ胸毛が1本もないの」
…ホントだ。全然気がつかなかったけど、こいつら、きれいに除毛してますな。胸毛はともかく足のスネ毛まで。ある意味不自然だわ。それにしてもなかなかの観察力です。
騒ぎを聞きつけてゲイの同僚までやってきます。
「サイテー。この乳首のピアス」 「このタトゥーなんとかならないの」
う、うるさい!おまえら人の机で井戸端会議すな。散れ!散れ!
言われるまでまったく気がつかなかったのですが(何せ男の裸など興味ないもので)、このチラシ、ツッコミ所が満載です。その主なものは上の通りですが、良く見れば最近巷で良く見る「なんちゃって漢字」の意味不明タトゥーや、どこか近所で見たことあるような兄ちゃんたちや…なんだかすごいです。
それにしてもこれを見に行くやつが身近にいるとは驚きです。
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2004年02月02日(月) |
Lost in Translationを見て新宿に行く |
たまに帰る日本っていいですね。たった1週間ですが楽しかったです。
日本に帰国する本の数日前にLost In Translationという映画を見てきました。最近何とかとかいう賞を取ったようですし、評判もいいので御存知の方もいらっしゃると思います。この映画、一言で言うとアメリカのちょっと落ち目の俳優がCMの撮影のために東京を訪れます。
そこで言葉の壁、文化の違いに思いっきり戸惑い、さらにダンナに連れられてやってきた、でもダンナが忙しくて相手にしてもらえない女性と出会い…。書き方が悪いのでこう書くとただのできそこない失楽園のようですがそうではないのです。まともな書き方をした私の言いたいことが半分くらい書かれている朝日新聞のコラムはこちらへ。
まず面白いのは、この映画の半分は大げさだけどかなり多くのシーンで日本語が話されている点。それには字幕も何もついてません。つまり日本語を話さない観客には何がなんだかさっぱり分からない。かくしてこの単身日本に渡った俳優と同じ気分が味わえるわけです。
さらにこのテの「ガイジンが見た日本」という視点の映画は日本文化の変わった部分が恣意的に強調されたり、ややもすると話されている日本語がルフトハンサの日本語の機内放送並みに不自然だったりして、日本人は冷めた目で見てしまうことがあると思うのですがそれがない。ほらルフトハンサの「ごきげんよう。さようなら」なんて誰も言わんぞと突っ込みたくなるような放送は英語など日本語以外で書かれた原稿を無理矢理日本語に直訳するからだと思われます。
ともあれ、話されている日本語はすごく自然ですし、撮影された東京の新宿や渋谷は「確かにこんな街」だと納得できます。あともう一つ、映画の終わり方も例えばハリウッド映画なら私が期待した方向のハッピーエンドに終わりめでたしめでたし…となるのですが、その期待を見事に裏切ってくれます。
私は友人に「ラストサムライとLost in Translationどっちが見たい」と聞かれて迷わず「Lost in Translation」と答えた「いつでも少数派」ですが今回はその選択がいい方向になりました。
何が言いたいかというとですね、この映画を見て撮影された夜の新宿に行って来たんですよ。夜の歌舞伎町に。…あ、と言っても怪しいフーゾク店などに行って来たわけではありません。出版社の方・イラストレーターさんと飲み屋さんでお会いしてきたのです。その話は別の機会に譲るとして(私信:お礼メールまだ書いてません。すいません)あの新宿のきらびやかな夜を見て「ああ、日本ってヨーロッパとはまったく違う国だな」と再確認させられました。そしてあの映画の通りの街に思わず笑ってしまうと同時にLost in Translationの完成度の高さにうなってしまいました。機会があればぜひどうぞ。
日記才人の投票ボタンです(ご協力感謝)
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