なべて世はこともなし
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2003年02月26日(水) 作者不在のお知らせ

作者、ただいまドイツに行っております。次回更新は月曜日になりますのでご了承ください。

今回は残念ながらネタになるようなことは起きない...と自分で決めましたので何も起こりません。何も起こらないんだってば。


はい、今週は更新がいい加減でした。大変に申し訳ありません。来週はもっとまじめにやります。


それでは皆様、良い週末を。


PS これじゃああんまりなので、O'Connell Streetにあるコカインの針の「本当の意味」を紹介したものを発見しましたのでこっそりリンクを張っておきます。こういうことだったのですね。



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2003年02月25日(火) ガソリンの値段が上がった(まだ書きかけ)

ここ数週間で、ガソリンの値段が一気に上がりました。例えば、12/9の日記で紹介した町中のDorset Streetのガソリンスタンド。ここ、一気に5セント値上がりしました。別にここだけじゃなくて他もしかり。考えられる理由はただ一つ。この御人のおかげというのは多分間違いないかと。




念のために申し上げますが、左の女の子のせいじゃあありません。絵本を上下逆さまに読める特技のあると思われる写真右側の方です(もっともこの写真も例の「フォトショップ」じゃないかというもっともな説もありますが)。

すいません。とにかく忙しい!気が向いたら昼休みにこの続きを書くかもしれませんのでよろしく。


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2003年02月24日(月) <特別投稿編>Serbia i Crna Gora真実紀行

管理人、ここ数日忙しくて更新してる暇がありません。折りも折りにベオグラードから投稿が届いたのでこちらを紹介します。アイルランドすらを超越したすごいところのようです。


日記楽しく毎回読んでいます。最近思うのですが、もしもSnigelさんが、ここベオグラードにいたら・・・・と考えると、もっとすごい内容になるのかなと思ってます。


とりあえず、ここベオグラードはカオスそのものです。
バスの時刻表なんてないし、気温も最近マイナス10℃くらいで、爆竹がそこらへんで鳴ってます。ユーゴって国名も変わり今では、Serbia i Crna Goraとなりました。新聞なんかでは、SCGと略されています。スツグ。なんのこっちゃ最初は分かりませんでした。
とにかく、聞いてください。最近変な法律ができたんです。


もう少し経つと、ベオグラードの街中に大量の検査員みたいなのが撒かれるそうです。
その検査員は何をするのかというと、街で買い物し終えた客を捕まえて、「レシートを持っているか」聞きます。それで、その客が持っていなかった場合、レシートを出さなかった店が2000円くらい、客が1600円くらいの罰金を払うということになります。
それでおかしいのが、レシートは「買った店から500m以内は持っていないといけない」ということです。
政府がお金を持っていないのは分かりますが、完全にこれはどうかしてると、ここのセルビア人も言っております。


あと、特記すべきここの変な法律は、
「セルビア到着後3日以内にビザの申請をしなくてはならない。更新時は期限切れの日にち3日前まで。」ということです。
これで、知り合いの日本人が、到着一週間後、知らずに警察署に学生ビザ申請に行って、なんと簡易裁判、昼12時から夜中3時まで軟禁、 罰金6000円・・・・


日本人は旅行目的の場合、3ヶ月以内の滞在ならビザはいりません。
それで、俺は全くそんな事も知らず、ぼーっと8月から10月まで語学学校行って、夜は友達の飲みに行って・・・といった生活をしていました。
しかし、いざビザを取りに行こうとした時、そのこと(罰金、裁判、軟禁)を知りました。
俺の場合、2ヶ月遅れです。
知り合いのセルビア人が一言、「かなりの罰金か、刑務所。」
???


つまり、あまりに罰金が高額なら刑務所に3日いればいいという。こうなりゃハンガーストライキでもするか・・・・と腹をくくっていたところに、ギリシャ人の友人が「アテネまで遊びにいらっしゃい」と言うので、トルコ・ギリシャ旅行に出かけ、10月戻って来てすぐにビザ申請。
一回国外に出て、また入国すれば、入国時からカウントされるだろうと思っていたが、それがまんまとOK。軟禁、罰金、刑務所を逃れました。


この話に似たケースがまだあります。


「引越しの恐怖」


ここでは、12月まで学生寮にいましたが、クリスマスの日友達とすむ事に決めて引越しを決行しました。んで、今年に入って1月の中旬。あることに気がつきました。


ここでは、宿泊証明書という白い紙を外国人は常に携帯しないといけないのです。
その白い紙は警察署で作ってもらうのですが、俺はそれを持っていないことに気がつきました。


つまり、新しい住所に更新しないといけなかったのですが、パーティーやらなんやらで気にしませんでした。
それも引越し完了後、3日以内に更新しないといけないのです。


慌ててここの法律に詳しい、ある方に相談したところ、「裁判、罰金。もしくは3日間の拘留」


また裁判+罰金 or拘留。


それで、もうこうなれば拘留を選んでハンガーストライキでも起こして、国を巻き込んでやろうくらいの勢いで大家さんを呼んで一緒に警察へ。
大家さんは年齢80歳、よぼよぼのおじいさんです。


警察署へ行くと、たちまちその期限切れ(3日以内)に気付かれ、署長室みたいな場所へ。


「ああこれね、一ヶ月も何をしていたんだ。」
「大家さんがなかなか来てくれなくて、来られませんでした。」
「ん〜、まあ、こんなお年寄りを裁判のために何回も警察署に呼ぶのはちょっと辛そうだな。」



ポンとスタンプを白い紙に押され、終了。


それをさっき出てきた法律に詳しい人に説明したら、「ありえないなあ・・・・いや、でもラッキーだったね。」


ということです。


先日、郵便局に行きました。そこで、言われたのは、


「切手ない。」

俺もさすがに切れて、「なんでないの?」と聞くと、「ないもんは、ないって言ってるでしょう!はい、次の人!」

逆切れ。


投稿ありがとうございました。Snigelです。すごすぎる...の一言に尽きますな。いい加減なところはアイルランドに通じるものがありますね。それにしても切手のない郵便局って何?



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2003年02月23日(日) アイルランドの鉄則「なにごともまず疑うべし」(ミニ更新)

「なにごともまず疑うべし」


掲示板、ひよこさんの発言より。いえ、これは発言ではありません。アイルランドの現実を言い得ている金言です。具体的な例を検証してみましょう。


先週のお話。私の友人の女性のお話。この方、コウノトリさんがお腹に赤ちゃんを運んできたらしく、あと数ヶ月で出産と相成った。で、今、彼と住んでいる町中のアパートはとても育児ができるようなスペースがないので引っ越すことにしたそうな。確かに彼女のアパート、とんでもなく交通至便なところにあるが反面彼とケンカしてもお互いトイレ以外に行き場所がない。こんなところじゃ確かに子育ては無理だわ。


かくして賃貸の家探しを始めたのが数週間前。先週の日記にも書いたとおり、現状ダブリンでの家探しは過去に比べ非常に簡単で(昔がひどすぎたという説もあり)、彼女も1週間程度でちょっと郊外ながら、悪くない一軒家を見つけたそうな。


で、新しい家の大家と話をつけ、先週末に敷金を払うことで同意。で、前の家の大家とは先週末に敷金を返金してもらうことで同意。そう。敷金を右から左に流そうとしたわけ。


日本的な常識からはあまり考えられませんが、アイルランドの場合敷金は退去時に返ってきます。日本のように壁が汚れただの鍵交換だのといって、敷金を返還しない…ということにはあまりならないようです(もし敷金が返ってこなかった経験のある方、掲示板等でご報告ください)。


で、土曜日の昼間。前の家で大家が敷金を持ってくるのを今か今かと待っていた彼女。大家は定石通り約束した時間に現れず、いい加減彼女が痺れを切らせた頃にやってきた。そしてひとこと


大家:「えへっ。ごめん。今、金、ない」


現在彼女は資金繰りに東奔西走しております。新しい家の敷金を払うために。合掌。


話は変わってここ、私の会社(私が社長というわけでなく、私が勤める会社という意味です←説明はいらなかったか)、金曜日にちょっとした異変が起こりました。


私:(隣の席の同僚に向かって)「あれ?Eric(仮名)は今日休み?」
隣の席の同僚:(囁き声で)「クビになったよ」



またですか?今年になって何人目だ?


この会社、なんだか知らないですが、人を平気でクビにします。Ericの場合、まあはっきり言って使えない人でしたが…だからといって、ある日突然同僚があいさつ一つなくいなくなるのは気分のいいものではありません。ましてや私が新人教育担当だったりした場合は特にねえ…。ちょっと忸怩たる思いがありますが、あまり書けないネタなのでこれ以上は控えます。が…。



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2003年02月21日(金) 医者はいずこ?たかがホームドクターすら見つからない超越先進国アイルランド(2=完)

前日の日記の続きです。前日の日記をお読みでない方はまずそちらから。


うちから徒歩2分のところにある最寄りのGP。ここもまた例外なく目立たない。毎朝目の前を通っていたが、そこがGPだとはまったく知らなかった。確かに私に観察力がないというのも立派な理由の一つだが、それ以上に本当に目立たないのだ。玄関先に確かにA4の紙サイズの看板で、「Fairview Family Practice」(仮名)と書いてあるが、これがまったく目立たない。外から見る限りではとなりの家とまったく変わらない。脱線しますが、Family Practiceと初めて聞いた時に「家族計画」と訳した私はやはり変態バカですかね。


で、ここを発見したのが数日前。で、まず、ここを通り掛かりに観察したのだが、そこのドアには看板より大きな紙に


STRICTLY BY APPOINTMENT ONLY


と書いてあるのだ。「予約のみ受付」これを見たので、私はうちから2番目・3番目に近いGPにまず行ってみた訳。結果は散々だったことは昨日の日記の通り。まあ私は


「アイルランドは予約をしないと医者にもかかれないアホな国。もういい。おとなしく予約しよう」


と思い、とりあえず予約をするべくその「STRICTLY BY APPOINTMENT ONLY」と書かれた(意訳)「一見さんお断り」のドアを叩いたわけ。


ドアを叩くと中から受付担当と思しき中年の男性が出てきた。中も、この地区のほかの家の造りとまったく同じ。1階に台所とレセプションルームにリビングルーム。2階には推定3部屋のベッドルーム。で、どうやら台所が待合室。レセプションルームが受付、リビングルームが診察室に当てられている模様。なんかどっかで見た家だなあと思ったがその理由はすぐに気がついた。私が語学留学でお世話になった最初のホストファミリーの家とまったく同じ作りだわ。ここ。


私が受付の男性に「予約したいんですが」と言うと、まず私の名前等を聞いてくる。で、電源の入ったコンピュータがあるのでそこで予約の時間を管理しているかと思いきや、コンピュータの横にある大きな、そして黄色く変色したノートをめくりひとこと。


受付:「ちょっと待ってて。診察できる時間がありそうだから」


…何のために「STRICTLY BY APPOINTMENT ONLY」と書いてあるんだ?


そう思ってみると、待合室には5人ばかしの人が待っている。「STRICTLY BY APPOINTMENT ONLY」なのに5人ばかしの人が入れ替わり立ち代わり待っているのはおかしいような。


…何のために「STRICTLY BY APPOINTMENT ONLY」と書いてあるんだ?


待つこと1時間30分。ちょうど読みかけの本が最終章のどんでん返しのところに来ており、本に完全に夢中だった私は待ち時間はまったく気にならなかったが、長い待ち時間なことは疑う余地がない。


で、私が中に入るとそこには、おっと、ちょっと意外、けっこう若い(推定30代前半)と思われる女医さんが。こう「医者は男性。受付は女性」というカビが生えた男尊女卑の発想を根底から崩してくれる素晴らしいGPだわ。ここ。


医者:「で、どうしました?」
私:「はあ、足に湿疹と思しきものができまして」
医者:「見せて」



私が患部を見せるとセンセイはひとこと


医者:「あなたプールに行ってるでしょ?」


おお、なんと。うちの近所のGPは実は名医?いきなりにして私の病気の原因をつきとめたぞ。アイリッシュの医者の皆さん、疑って悪かった。私は今後あんたらの悪口は言いません。


私:「はい。それが原因?」
医者:「そうね。これ、プールで良く伝染する感染症なのよ」



がっくーん。健康になるため(ダイエットの目標を達成するため)向かったプール。そこで確かにダイエットの目標は達成したものの、ついでに病気までもらってきたわけね。…この瞬間に、ジムに行く気が90%なくなりました。90%になったんじゃありません。90%減ったんです。誤解なきよう。


医者:「処方箋書くから。その薬を患部に塗って、4週間経って直んなかったらまた来なさい。以上」


所要3分。1時間30分待って所要3分というのは、オープンしたてのディズニーランド(=つまり私が小学生の頃の相当昔の話)でダンボののりもの(ただ地上10メートルのあたりをぐるぐるまわるだけ。ダンボでなければ別にどこの遊園地にもある)を待った時とほぼ同じ効率の悪さだぞ。ちなみに費用は40ユーロ。1分当たり13ユーロ。悪徳弁護士もびっくりのレートだな。


時刻は6時30分。近所の「Late Night Pharmacy」(深夜営業の薬局)はこの時点にすでに閉まっており。ええ、もう「どこが深夜営業やねん」などと突っ込む気力は私には残ってません。おとなしく翌日、薬局へ。


で、町中の某薬局に行くと、カウンターの薬剤師と思われる女性はカウンターの奥の棚をごそごそと引っかきまわし


薬剤師:「はい。これね」


と渡されたチューブに入ったクリーム。軟膏ともいいますが。あ、ちなみに、私がかかったのは決して水虫ではありません。念のため。


私:「じゃあこの薬がまたいる時はまた医者から処方箋をもらわなきゃいけないわけね」
薬剤師:「いや、これは処方箋無しで買える薬だから処方箋なしでもいつでも出せる薬よ」


…ああ、一瞬でも「名医」とか褒め称えた私がアホタレだった。私の言いたいことはただ一つ


「金返せ!」


それから一月後、あまり症状が改善したとも思えあい私。近所の薬局の薬剤師さんに相談。


薬剤師:「ああ、その薬だったら、こっちの方が安くて量も入っているわよ」
私:「あまり効いてないような気がするんだけど…」
薬剤師:「それなら、こっちのこの薬と併せて使うと効果てきめんよ」


…かくして、近所の薬剤師さんに相談したところ、10分近く話し込んだのに嫌な顔一つせず、むろん40ユーロ取られなかったばかりか、同じ効用でより安い薬を紹介してくれ、しかも親身に助言をしてくれた


もう二度と行かん。アイルランドのGP。


…ちゅうわけで、VHIの保険、解約しようか真剣に考えています。



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2003年02月20日(木) 医者はいずこ?たかがホームドクターすら見つからない超越先進国アイルランド(1)

私が未だダイエット中だった頃…つまりかれこれ数週間前の話になりますが、ある日私は自分の足に異変が起こっていることに気がついた。


湿疹?


思い起こせば、私が大学生だった頃、やはりダイエット中に手に湿疹ができてなかなか治らなかった経験がある。痛くもかゆくもない湿疹ながらその時のことも思い出して医者にかかることにした。


私の勤める会社、VHIという任意の健康保険に入っている。これ、ほとんど医者にかからない私にはほぼ無用の長物。乱暴に言ってしまえば入院でもしない限り使うことはない(厳密に言うとちょっと違うけどこの際そういうことにしときます)。


ところが去年の暮れになって、会社が「自分で保険料を足せば、外来でも保険が効くようにしてあげるよ」というので、私は月に10ユーロほど余計に出してこの保険に入ることにした。


これに入っていると、GP(自分のかかりつけの医者、ホームドクター)にかかった時も1回につき25ユーロ返金してくれるらしい。で、これに入ったので、GPにも気軽に行こうかという気になったわけ。さもなきゃ死にかけてもない限り医者にかかろうなんて思いません。アイリッシュの医者にかかるのとかからないのはどちらか安全かというのは議論の余地がありますが。


が、まず最初の問題発生。


私にはGPがいない。


アイルランドに来てはや5年。5年も経つのに、GPにかかったのはたった1度きり。その時は、前の会社が紹介してくれたGPに行ったのだが、このGP、うちから無意味に遠い。


まあこれから何が起こるか分からないし、うちの近所のGPを知っていてもそんはないなあと思い、まずはGolden Pages(日本で言えば「イエローページ」アイルランドは同じ色のくせして「金」を名乗る図々しさ)で、うちの近所のGPを探してみた。これがけっこうある。


で、会社の帰り、つまり午後4時過ぎにうちから2番目に近いGPへ。(なぜ一番近いところに行かなかったかは後程説明します)。


N1(国道1号線)ぞいにあるGP。外から見ると普通の家ですが、"Surgery"と書かれた看板がさりげなくここが医者であることを示しています。


中に入るとけっこう多くの人が待ってます。入口からちょうど死角になるところに受付発見(そんなとこに受付を置くアイリッシュはある意味バカすごいですが)。


が、受付のおばさん、というかもはやおばあさんと呼んだ方がいいかもしれない女性、私を見るとあたかも私がストッキングを頭にかぶった強盗かのように脅える。


…俺ってそんなに恐い顔してたっけ?


確かに私は客観的に見てもハンサムとはいえません。だけど、そんなに脅えられるほどの怖い顔はしていないと自分では思っているのですが。


で、私が近寄るのを脅えた表情で見つめるおばあちゃん。ああ、前にもこんなことがどこかであったなあ。このダブリンですら、ここ10年の国際化の波に取り残された人がいるんだなあ…などと思いつつ、話しかける。するとおばあちゃん、私が英語を話すことに少し安心した様子ながら、目は親に「知らないおじちゃんについて行っちゃいけませんよ」と仕込まれた子供。完全に疑ってます。


おばあちゃん:「今日はXX先生しかいないのよ。XX先生は、予約じゃないとだめね。明日なら、予約なしでもOO先生に書かれるけど…」


何ともいえない国です。アイルランド。たかが風邪を引いたくらいでも予約をしないと医者にも看てもらえない国です。まだ痛くもかゆくもない湿疹だったからいいようなものの、高熱で死にそうなほうほうの体でここにやってきてそんなことを言われたら私はまずそこで力尽きます。


「じゃあ、いい。気にしないで」といい残し、私はうちから3番目に近いGPへ。そこには


「受付時間。午前9時から10時。予約はこの時間のみ受け付けます。それ以外の時間は予約のある方のみ受け付けます」


…この国では医者にもかかれないのか?


参考までに救急車も有料です。一度呼ぶと多分推定200ユーロは取られます。しかも救急患者を受けつける病院はいつも混んでおり、この前も「駐車場で手当てを受けた!」とかいう信じられないことをラジオで言ってました。…念のために申し上げますが、その病院は内戦の続くどこかの国の野戦病院じゃあありませんよ。小国ながらもEUの一員、アイルランドの話です。


で、この後、私はうちからいちばん近いGPへ向かうのですが、ここから先は後半に続く。



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2003年02月18日(火) 超越パスタと超人ハルク

今週の私は11時から7時までが勤務時間というシフトです。前にも書いたような気がしますが、このシフト、私は大嫌いです。何せ、朝は確かに8時から始まると時に比べ格段に余裕があるものの、この「余裕」「無駄」に他ならないわけで。ただ、何もせずにぼーっとしているだけで無駄に時間が過ぎていきます。半面、いざ勤務時間が終わると、もう一日も終わり。7時ともなるとジムに行く気もしませんし、買い物に行こうとももうたいがいの店は閉まってます。


先週末ダブリンにいなかった私は、買い物にも行ってません。で、月曜日の夜、腹が減ったと台所の冷蔵庫と自分の食べ物の棚を引っかきまわすも、見つけたのはパスタとツナ缶とパスタソースだけ。しかもパスタソースはトマトソース。…一瞬悩みましたが、すでに来月分の給料は全額クレジットカードの支払いに充てることが(本人が望む望まないに関係なく)決まっている私。考えてみれば、給差が入っているのと同じような状態です。かくしてチャイニーズテイクアウェイなどを取るお金もないので、仕方なく、この3つでSnigelスペシャル、ツナのトマトソースパスタを作りました。しかもパスタソースが足りなかったので、アイリッシュに習ってケチャップを足す素晴らしさ。


ゲロまず


でした。そりゃそうだ、トマトソースとツナが合うわけがない。やってることは、一昔前のビンボー学生と何ら変わらない。アイルランドに住んでいる限り、私は日本国憲法の言う「健康で文化的な生活」を営むことは遠い夢のようです(日本に住んでいないんだから日本国憲法は意味がないのか)。日本で「アイルランドで就職したい」と思っている方、これを読んでもあなたはまだアイルランドで就職したいですか?まあ、「お前がビンボーなだけだろ」と言われりゃ、私は返す言葉がありませんが。


かくして、私は貧乏ながらも少しでも「健康で文化的な生活」に少しでも近い生活をするため、買い物に行くことに。が、冒頭に書いた理由のため、勤務終了後に買い物に行くことはできません。そりゃ近所の店は開いてますよ。でも出来る限り近所の店では買い物をしたくない。高いし、なんとなく鮮度にも問題があるような気がする。ほら、主婦の方はあんまりコンビニで買い物をしたがらないでしょ(←ホントかよ)。あれと同じ。


ではどうしたかというと、私は発想を変えて、朝、勤務が始まる前に行きました。…とはいえ、郊外の大型スーパーに車を停めて…なんて呑気なことをやっている暇はありませんから、会社への通り道にある中型のスーパーということになります。


そこで目をつけたのは、通勤路にあるIceland、Irelandじゃありません。Icelandです。この店、別にIcelandの会社というわけではなく(考えてみれば紛らわしいともいえなくもない名前ですが)、ここの専門は冷凍食品。反面生鮮食品、たとえば野菜は一切置いてません。野菜が欲しければ冷凍ものを買うことになります。


私はこの店で買い物をすることはほとんどありません。理由は簡単。うちの超小型冷蔵庫。冷凍庫は直冷式で霜とりが面倒なので私は使っていないのです。誰も面倒を見ない冷凍庫。扉は凍りついてしまっていてちょっとやそっとじゃ開きません。そんなもんの手入れをするくらいなら、冷凍食品を買わない方がなんぼか楽かしらん…というのが私の発想。


私が訪れたIceland、表紙写真(←この日記を「過去ログ」でお読みの方のためにいちおう写真にリンクを貼っておきますね)でもお馴染みのBallyfermotというとんでもない「よくない」エリアにあります。


数台しか止めれない駐車場に車を停め店の入口に。自動ドアの前に立つもドア、開きません。中に数人のお客がいるところからして、開店時間前というわけではなさそうです。自動ドアのセンサーが壊れているのかと思い一歩下がってみるが無反応。見上げるとドアの上にセンサーがあるのでそこに手をかざしてみるがやはり無反応。


すると後ろから超ガタイのいい地元のジャージ姿のおばさんがやってきて、


むん!


と両手でドアをこじ開けます。その姿はまさに超人ハルク。おばさんはドアをこじ開けるとずんずんずんと中に入っていきます。



(注:私の趣味・好みとは対極の存在ですので念のため。)




そっかー、Ballyfermotではこうやって自動ドアを開けるのか。


ダブリンに住んでかれこれ5年が経ちますが、まだまだ知らないことだらけです。


で、あまり時間のない私はパンなど必要にして最小限のものをカゴに放り込んでさっさとレジへ。所要時間2分以下。レジに行くと、朝早いせいかレジはひとつしか開いておらず、そのレジはトローリー(買い物カート)いっぱいに冷凍食品を満載したおばさん二人組。こんなに冷凍食品を買うってことはさぞかし大型の冷蔵庫か冷凍庫を持っているんだろうなあ…と感心する私。まあ、冷凍食品ばかりを食べさせられる家人がシアワセかどうかは多いに議論の余地があるところですが。


ところがこのおばさん方、レジで大モメ、「あれはいらない」「これはこっちに変えろ」と大騒ぎ。そのたびにレジのおばさんが冷凍食品の棚から別の商品を持ってきます。またレジのおばさんものんびり歩くし、しかもその商品が気に入らないと客のおばさん二人も騒ぐし。


所要10分。気がつくとレジの前には結局買わなかった冷凍直品の山ができてます。


あのー、これ、冷凍庫に急いで戻さないと溶けるよ。


小学生でも知っている常識、一度溶けた冷凍食品は再冷凍してはいけない…という大原則に従えば、レジの前に冷凍食品を放置するなどもってのほかだと思うのですが。…よくわからん買い物体験でした。ひとつだけ確実に言えることは…もう行きたくないぞ。BallyfarmotのIceland。


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2003年02月17日(月) 「ダブリン家がない」から2年。現在のダブリンは...

すいません。かれこれ1週間近く日記の更新をサボっております。週末はアイルランドから脱出しておりまして、あ、この話はそのうちオチのないだらだら旅行記にするかも…で、木・金・月曜日は会社で私はひとり忙しくパニクっており、家ではドイツ語のコースの宿題にひいひい言っておりまして。


ちなみに現在、火曜日の午前10時45分です。今日は11時からのシフトで今日も忙しくなるの羽目にみえております。そう、現実逃避。嵐の前の静けさというやつ。


ところで、新設したマターリ進行中(…だと自分では思っている)の「よしなごと掲示板」に私が「部屋あります」という掲示を出したのをご覧になられたでしょうか。実はこれ、今月末にオランダに行ってしまうドイツ人の同僚の女の子が私の机に来て、


「ねえ、Snigel、誰か部屋を探している人いない?」


というので私が調子に乗って、


「おっしゃー、俺に任せておけ!」


とあそこにカキコしたのですが。


あれから3日。反応は0です。まあ、あの掲示板自体の知名度がまだまだ低いというのも理由だと思うのですが、それ以上にどうも今、部屋探しはかなり楽なようです。


ちなみに、まあ契約書にもよりますが、ダブリンで家のシェアをしている場合はとりわけ、退去時に新しい店子を見つけてくるというのは契約時の条件に入っていることが(契約書に書いてある書いていないを別にして)多いようです。かくして、彼女も誰かを探さねばいけないわけ。


私が「ダブリン家がない!」を書いたのはかれこれ2年以上昔のこと。で、あこ頃に比べると家探しはだいぶ楽になったような印象を受けます。で、特に今時期、くそ寒い2月の半ばにダブリンに来て部屋を探そうという人間などほとんどいないらしく、いつまでこの状況が続くかは全く分かりませんが、今、この瞬間、ダブリンでは割と簡単に部屋を探せるようです。


で、ドイツ人の彼女、インターネットの家探しの情報板に情報を出したものの反応は鈍く、ついに30ユーロだかを払って、Evening Herald(ご存知ダブリンの夕刊紙)に広告を出したようです。それが昨日の話なので、それからどうなったかは知りませんが。


彼女いわく、


「今、どこの会社も社員数を減らすことはあっても、社員を募集しているところなんかないわよ。Eastpoint Business ParkにあるA社にも掲示を出したけど、あそこ、今、自主的な退職者を募集しているらしいし、B社も新しい人を募集するつもりはないらしいし…」


そういえばうちの会社もいなくなった分を穴埋めしているけど、去年、私を採用した時みたいに大体的に募集をかけていないし。数日前の会議でも、景気のいい話は全く聞こえてこなかったし。総務の部長いわく、


「誰か知ってる人いない?XXさんが辞めた後がまを探さなきゃいけないんだけど、いま、リクルートエージェンシーに依頼を出すお金なんてないわ」


…そうはっきり言う総務の部長もある意味すごいが。


ましてや前の会社、ただいま、大々的にリストラの真っ只中だそうな。数ヶ月前になるけど、ラジオのニュースを聞いていたら、


「XX社はン十人の解雇を発表」


…と自分が前に勤めていた会社の名前を聞き、思わずハンドル操作を誤りそうになったりしました。


という訳で、現在、ダブリンもご多分に漏れず不況の真っ只中のようです。



メール・掲示板のお返事遅れております。申し訳ないの一言です。


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2003年02月12日(水) 日本発!スカートの中の下着が透けるスカート(写真付)

「日本で大流行している」スカートという触れ込みつきで、こんな写真が会社のメールアカウントに流れてきました。残念ながらこれが、「アイルランド人が描く日本人像」です。お願いですからこれが間違ってもこれが東京で本当に流行っているとは言わないでください。





(おいおい、この角度でこの場所からの撮影は一歩間違えば「ミニにタコ」状態だぞ。)







ちなみに、メールの本文はこんなのでした(原文そのまま)。

What you see attached are not see-thru skirts. They are actually "prints" on the skirts to make it look as if the panties are visible and the current rage in Japan.


うちの会社の同僚の言葉。


「ヘンタイじゃないの?日本人って」
「ビョーキだ」
「これはいくらなんでも...フォトショップかなんかじゃないの?」
(←一番常識的な意見だった)


そういえば私が某、♪新宿西口駅の前の某家電量販店のカメラコーナーに勤めていた頃、何度か韓国人および中国人のお客さんとこんな会話を繰り広げたのを思い出した。


お客:「服が透けるフィルターここにある?」
私:「ハァ?」
お客:「韓国で禁止された服が透けるフィルター」



これが初めてのときで私は先輩の販売員に助けを求めたのだが、なんでも偏向フィルターの一部で白い服を着ている人が被写体になると、透けて見えるようにみえる(つまり実際に透けているわけではない)フィルターというのが存在するらしいのだ。っていうか、白い水着なら何もしなくても透けているときがあるじゃん。


私もこれらの写真は多分フォトショップか何かで男が作ったんだと思います。男のスケベ心は人類が繁栄している限り途切れることはないでしょうね。それにしてもこういうのが流行っているといって信じられる日本の文化っていったい...。


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2003年02月11日(火) コメディ菌保菌者の2泊3日ドイツ旅行(3=完)

続きです。その1、。その2をお読みでない方はまずはそちらから。


パスポートが本物であることを証明するために使える身分証明書なんて思いつきませんよね。普通。私がその時持っていた唯一の写真付の身分証明書はアイルランドの威厳のかけらもないペラペラの運転免許証。こちらは数年間財布の中で不自然に折り曲げられているのでさらに胡散臭いことこの上ない。


私:「運転免許証は?」
審査官:「Maybe…」



何がMaybeだ、おまえは中島みゆきかと暴れだしそうになりましたが、Snigelもいちおうオトナ。電車に乗り遅れてはかなわないと、ポーカーフェイスで運転免許証を提出。するとこの入国審査官氏、今度は私の免許証を逆さにしたり透かしてみたり。


ちなみに私の後ろには未だに数十人の人がこのくだらない茶番劇が終わるのを待ってます。後ろの人がイライラしているのが背中から感じ取れます。他方私の唯一の心配ごとは9時発の最終のICE(特急列車)に間に合うかどうか。後ろのことなど構っている暇はありません。


入国審査官氏、私の後ろの人の怒りのオーラを遅れ馳せながら感じたのか、私のパスポートと免許証を私の顔を見ずに投げてよこす。ちなみに今までただの一度もドイツでスタンプを押されなかったことなどなかったのに、この入国審査官氏、スタンプを押さず


スタンプを押されなかったこと自体は嬉しい。なにせ私のパスポート、あと数年有効なのに、もうスタンプを押せるスペースがほとんど残っていない(しかも再発行のパスポートなのに)。いえいえ自慢でもなんでもありません。何せ、そのスタンプのほとんどはヨーロッパので、言ってみりゃ県境を超すたびにスタンプを押されてるだけの話ですので。


ともあれ、私が推察するにこの入国審査官氏の頭の中では…


「なんだかなー。うぜーパスポートだなー。ホンモノかどうかわかんねーけどもうめんどくさいしみんな後ろでイライラしながら待ってるから行かせちまえ。ま、オレのスタンプ押さなきゃオレの責任にはならねーしな」


なんて考えていたんだと思う。たぶん当たらずしも遠からずな推論だと自分では思うのですが。


かくしてたかが入国審査に並んだ時間も合わせて30分も費やしようやく解放される。時刻は8時40分。あと20分。まあ何とかなるというタイミング。私は小走りで勝手知りたるデュッセルドルフ空港のモノレール駅へ向かう。が、そこに待ち構えていたものは…




(超意訳:モノレール故障中。階上のモノレール駅には行かずに階下に行って臨時のバスを使ってね)


自分のコメディ菌を怨みました。本気で。(言うまでもなく写真は帰りに撮ったものです)


この世に神も仏もあるものか…と恨み言をひとりで言いつつ階下に行って外を見るとおお、臨時のシャトルバスのバス停がある。で、バスも待機中。あと15分あるので、もしこのバスがすぐに発車してかつ、どこにも寄らなければ多分間に合う。ただ、モノレールも途中に駅があるのでさあどこにも寄らないという保証はない。


で、永遠とも思える数分が経ちバスはようやくエンジンをかけ発車。バスは幸いどこにも寄らず空港駅に着いたのは午後9時10分前。間に合った


で、ホームに行ってみると案内板には…


「今度の発車のハノーバー行きのICEは10分遅れます」


だ、脱力。



で、ドイツが誇る新幹線ICEは15分遅れで到着。中は最終電車ということもあってか見たこともないくらいガラガラ。私は席を確保するとそのままビュッフェに行き


「ビール!」


この時に飲んだビールのおいしかったことおいしかったこと。で、座席でうとうとしていると2時間30分が経ったとは思えないくらいの早さでハノーバー着。むかし横浜線で通勤していた時のよう。いつも私の中では大口の次の駅は橋本か八王子みなみ野(ローカルですいませんね)と途中駅の記憶がすっぽり抜け落ちている。今回もハノーバーの一つ手前のMindenという駅までの記憶がきれいさっぱり抜け落ちている。


ハノーバーでの乗換えは乗換え時間が30分程度あったのでまったく問題なく乗り換えることができる。最終の推定6両編成の列車はまさにすかすか。私以外に乗っている人がいない。長くなって寝て過ごす。途中で車掌が検札に来て起こされましたが。


で、Mausi(私の彼女=仮名)が迎えに来てくれた某駅についたのは日付などとっくに変わった午前1時。疲れました


帰りは帰りでこれまた大変でした。一分一秒でも長く滞在したい私は、デュッセルドルフでヒコーキに乗れる最後のICEを予約。ドイツ国鉄、私が知る限り多くのところは1時間ごとのパターンダイヤです。つまりハノーバー発の私が予約したICEに乗り遅れると、ヒコーキにも自動的に乗り遅れるという算段。


問題はハノーバーでして、彼女の住む町の最寄り駅からハノーバーまではこれまた毎時1本しか列車がない。で、ハノーバーでの乗換え時間は9分。ハノーバー駅は私、Connolly駅(ダブリンのいちおう中央駅と思われる駅)よりよく知ってるので、9分の乗換え時間があれば余裕。かくしてこれで行こうと思ったら、Mausiが私に言うのだ。


Mausi:「もしハノーバー行きの列車が遅れたらどうするの?9分しかないんだからICEに乗り遅れるよ。もしICEに乗り遅れたらどうなるの?」
私:「ヒコーキに乗り遅れる。ゲームオーバー」
Mausi:「ヒコーキに乗り遅れたらどうなるの?」
私:「安いチケットだし、たぶん、ジ・エンド、新しいチケットを正規料金で買うことになるだろうね。たぶん200ユーロくらいじゃない?」
Mausi: 「1本早い電車にしなさい!」



女性には逆らえません。仕方なく、1本早い電車で行くことに。


で、1本早い電車にのるべく駅に着いた私たち。むろんMausiは見送りに来ただけで、列車には乗りません。で、電光掲示版を見ると…


「ハノーバー行き、15分遅れます」


かれこれ3年目にしてMausiに初めて後光が差しているのが見えました。もし私が何の心配もせずに次の列車に乗ろうとしてたら、たぶん次の列車も遅れるでしょうから、当然ICEに乗り遅れ、結果的にはヒコーキにも乗り遅れていたはず。親と彼女の意見となすびの花は千にひとつも無駄はありません(←ホントかよ)。彼女に素朴に感謝いたしました。


と同時にひとつの事実に気がつきました。


私の中にコメディ菌が住みついているのではなく、私が勝手にコメディ菌を作り出しているだけである。


そう、フツーの人はフツーの感覚で、空港には早く行くのです。乗り遅れる可能性があるならより早目に行くのです。それをしないで私は自分をリスクに晒して、でコメディ菌だなんだと文句を言っているのです。そう、私はある意味治療が必要なのです。そして私がこんな性格をしている限り、この日記は永遠に続きます


さてさて。数行上に「ハノーバーから某駅までの列車は6両編成」と書きましたが、何だか知りませんが、一日に数便例外があります。なぜかたまにHarz Express(名前はかっこいい)と書かれた赤いディーゼル車がやってくるのです。これ、ふだん3両編成でこの列車、例外なくいつも混んでます。いつもこの列車が来るたびに、なんでまたこの列車は編成を長くしないのだろうかと疑問に思います。


で、15分遅れでやってきたこのHarz Express、ドアーが開くと穴のあいたダンボール箱からイモが転がり落ちるかのように、数人の人が降りてきます。「ん?」と思ってみると、いつも3両編成で満席なのに日曜日の今日はなんと2両編成


頭悪いだろう。ドイツ国鉄。


で、ホームには相当の人が待ってます。私としては最後に列車に乗って、ドアーのガラスに額をつけて彼女が見えなくなるまで見ていたい(BGMの伊勢正三の「なごり雪」は恐縮ですが各自でご用意ください)。が、この状態でそんな悠長なことを言っている暇はありません。


で、私が満員の列車に乗ろうとすると、ステップに立っている若い女性が(当然ドイツ語なので推察。こう言っていたという自信はありますが)


「もう満員よ。次の電車を待たなきゃだめよ」


私はこの瞬間にこの国には住みたくないなと思った。何度も繰り返しますが、次の列車は1時間後です。銀座線の3分後の地下鉄を待つのとは次元が違うのです。なのに、まだ数人が乗れるスペースがあるにも拘らず、この女性は自分が乗れたことをいいことに「もう乗れない」とほざくわけです。これまた何度も繰り返しますが、この列車が15分遅れていることからして次の列車も遅れます。もしICEに乗り遅れると、ヒコーキにも乗り遅れます。つまり私にはこの女性が何と言おうと選択の余地はないのです。


…言うまでもなく乗りましたよ。文句を言っていたので、私は英語でかなり口汚ないことを言ったような気もしますがたぶん気のせいです。


と、まあMausiの有意義な助言もあって、ハノーバーではICEに無事乗れました。彼女が助言してくれなかったら、私はまず間違いなく乗り遅れてました。


以上がドイツの旅行記でした。滞在中は何をしていたかというと、彼女とGöslarという町に行ったり、友人の誕生パーティーに行ったりしましたがネタにするほどでないので省略。ひでかすにこの日記に書く前にこの話をしたら、「一つもなんでこんなにネタになるの?」と呆れられてしまった。そして、次のドイツ行きはたった2週間後です。乞うご期待。...いや期待しないで。


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2003年02月09日(日) オフ会報告

土曜日、ダブリン北部の私のお気に入りのパブ、「The Yacht」にてオフ会を開催いたしました。いい加減な性格の私は何人の人が集まってくださるか全く掌握しておりませんでしたが、いざフタを開けてみると


15人


もの人が集まってくださいました。


考えてみるとちょっと異様な集団だったと思います。ちょっとそこのあなた、アイルランドのパブで15人もの日本人が集まってるのを見たことありますか?パブ以外なら、ほら、土曜日にIrac Centreの図書館でやってる、Language Exchangeくらいじゃないですか?(行ったことないけど)もっとも日本人「だけ」の集団というのは非常に珍しかったのではないかと思います。気がついたら、後ろの席にいたアイリッシュのおばちゃん数人消えてたもんなあ…。


で、15人の方、力ずくでひとつの絵にまとめるとこういう人たちです。




とにかく濃い!


そこ、「類は友を呼ぶ」なんて言わなくてよろしい。


基本的には、私と同類の(「同類」にはされたくないでしょうが)こっちで仕事をしている現地採用組が一番多かった気がします。で、それから日本から数年単位の契約で来てる方、家族まで連行いっしょに赴任してこられた方、アイリッシュのダンナがいる方その他、かなりの方がいらっしゃったので驚きました。


参加者の皆様にお願いです。


ネタを提供してください。


はっきり言って、聞き流すにはもったいなすぎたネタが多すぎました。どうかどうかメールにして送ってくださいませ。よほどのこと(あまりに掲載すると問題がある等) がない限り必ず掲載します。


それにしても私も久しぶりにパブで楽しみました。気がつきゃ午後2時から始まったオフ会、四次会までいって、夜の11時でしたもんね(さすがに最後はへばってました)。で、主催者冥利に尽きるようなメールも頂いたりして。


Snigelさんありがとう。あなたの努力は無駄になってません。本当に私はSnigelさんのホームページに救われています。あんまりお話できませんでしたけど、私こっちにきてから、本当にろくな事なくて、何度もくじけそうになってるんですけど、日記読ませてもらって、一人でくすくす笑ったり、とにかく異国で同郷の人ががんばって生活してるって思えるだけで、勇気が湧いてきます。
また近いうちにお会いできるのを楽しみにしてます。では。



ダメだよ。おじさん最近涙腺緩いんだから。こんなふうに書いて頂くと、さらに頑張って更新しようという気になりますです。ありがとね。


次回もご希望があればアレンジしますのでご希望の方は掲示板によろしくです。という訳でオチはありませんがあしからず。


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2003年02月07日(金) コメディ菌保菌者の2泊3日ドイツ旅行(2)

2/4の日記の続きです。今回のデュッセルドルフへのフライト、私はエアリンガスに何らの文句も言う権利も資格もありません。見てくださいこのチケット。片道28ユーロしか払ってない。





日本も含めてそうですが、航空会社のここ数年の価格破壊は目を見張るばかりのものがあります。1999年にTesco(イギリス系の大手スーパー)が10ポンド使うと1枚クーポンがもらえて、30枚だかを集めるとエアリンガスのチケットが格安で手に入るという企画を立てた。私は血相を変えてクーポンを集めたのだが、その時のダブリン=デュッセルドルフの運賃は120ポンドだったと思う。ユーロに換算して152ユーロ。で、今回の運賃は税金を含んで89ユーロ。確かにこれは破格の安さだが、現状冬なら150ユーロ出せば、たいがいデュッセルドルフまで行ける。


で、B737の1席・1キロ当たりの燃料消費は0.045リットルだそうな(←SASの機内誌に書いてあった。厳密に言うと機材が違いますが、そういうマニアさんのツッコミはこの際放置させていただきます)。でデュッセルドルフまでよくは知らんがたぶん1000キロ程度。つまり私のために45リットルの燃料が消費される計算になる。それから機長およびスッチーさん、地上職員の人件費。んなもんを考え合わせると、28ユーロという運賃で「メシを出せ!」「酒をくれ!」と威張るのには無理がある。


かくしてブリティッシュミッドランドは機内食のサービスを止めてしまった。半面酒は飲み放題。考えてみたら、日本の国内線は機内食は出ず、かつ酒は有料とサービスのレベルは低い。すでに低コスト体勢は出来上がっていたのかな...とも思う。


で、くだんのエアリンガス。45分という「わずかな」遅れのあと、ヒコーキは順調に高度を上げ、機内サービスが始まる。まず配られたのはサンドイッチ


そして数分後に、お茶用の小さなマグとクリームが配られる。


実は私、乗る前からオチは知っていました。読者さんからの報告によると、エアリンガスは機内食を残す代わりに、アルコール類のサービスを止めてしまったそうな。「うーん、さすがはアイルランド」という考えが一瞬頭をもたげましたが。なんだかさもありなんという気がしません?サンドイッチを止めるより、ビールを止めた方がコストがかからない…アイリッシュならあり得ないとも言い切れない話です。


で、お局スッチーさん(私が言ったんじゃありません。そう名札に書いてあった)がお茶を配りに来た時に聞いてみた。


私:「のどがすんごく渇いてるんだけど、何か冷たい飲み物はないの?」
スッチーさん:「水かオレンジジュースならあるわ(=アルコールはない)」



ああ、読者さんの報告は本当だったんだ。


私:「うーん、ほら、水に似て透明なウォッカとかそういうのはないの?」(←私は英語でオヤジギャグの飛ばせる数少ない日本人…だと思う)
スッチーさん:「アルコールはサービスしてないのよ」
私:「ええ?
(←テレフォンショッピングのサクラ並みのわざとらしい驚き)いつもエアリンガスで飛んでるけど(←ウソ。スタアラで飛んでる)いつからアルコールのサービスやめちゃったの?」
スッチーさん:「これがいろいろごたごたがあって、数週間前までは機内食を止めて、ドリンクのみのサービスをしてたんだけど、いろいろごたごたがあって数週間前からは…おっと、こんなことをバラしたらクビになっちゃうわ



しっかりバラしとるやんけ!(それをここでばらす私も私だが)


で、お局このスッチーさん、数分後「はい。ご希望のウォッカ」と言いつつ、氷入りの水を私の席までわざわざ持ってきてくれた。


私はアイリッシュのこういうジョークのセンスが大好きです。


で、さらに数分後、私が水を飲み干したのを見計らって、お局スッチーさんは「はい、もう1杯」と言いつつ水を持ってきれくれた。


私はアイリッシュのこういうジョークが本当に大好きです。このお局スッチーさんもきっとこの仕事が大好きなんだろうなあと思う。こうやってにこにこしているとこっちまでシアワセな気分になってしまう。エアリンガスのスッチーさんがいい感じというのはきっとこのへんから来ているのだと思う。


話は前後しますが、このあと私は電車でハノーバーに向かいます。で、道中、ビュッフェに行き、ビールを買いました。ここのウェイトレスさん、バイツェンビールをそりゃもうプロとしか思えない慣れた手つき(←ってプロなんだけどさ)で注いでくれ、カンペキなビールを作ってくれました。私はいつもの調子で「うまいねえ」なんて言ったのですが、ウェイトレスさんは愛想笑いを浮かべるばかり。


この時にふっと気がついたこと。アイリッシュは見知らぬ人にも平気で話し掛ける。私はまったく気がついていなかったが、どうやら私も見知らぬ人に平気で話し掛けれるようになった。アイリッシュは表面上のつきあいのうまい人種なんだろうなあ。


とりあえずヒコーキの中に話を戻しまして。ヒコーキは結局定刻よりちょうど30分遅れでデュッセルドルフ着。駅までの移動時間に55分取れることになる。預託荷物のない私は余裕だと踏む。が、次の瞬間…


絶句。


パスポートコントロールに2人かいなくて、その前には最低でも50メートルはあろうかという行列。行列は蛇行して、枝わかれして、いったいどこが一番後ろなんだかよく分からない。ここを通過するのに30分はかかりそうな気配。


仮にここを通過するのに30分かかったとしてもまだ25分の余裕があるなあと思いつつ並ぶ。列は進まない。15分くらい待ったところで、別の窓口が開きそこに人が殺到。私はすばやく列のかなり前の方に陣取る。


で、いよいよ次ぎは私の番という段階に。時刻は午後8時30分。あと30分ある。で、パスポートをカバンから出し、準備万端になったところで、私は前の推定イギリス人乗客が信じられないことをいっているのを耳にする。


イギリス人乗客:「パスポート、どうもヒコーキの中に無くしたみたい。えへっ」


…いいから退け。ボケッ。


で、それで数分のロス。そしてついに私の番に。


審査官:「どこから来たの?」
私:「アイルランド」
審査官:「いつまでいるの?」
私:「日曜まで」
審査官:「何しに来たの?」
私:「友達に会いに」
審査官:「どこに行くの?」
私:「ハノーバー。電車乗り遅れそうなんだから早くしろよ。



どうやらこの入国審査官氏、私のパスポートがニセモノだと思ったらしいのだ。


私のパスポート、限りなくニセモノくさいのです。私の名誉のために言っておきますが、ニセモノくさいだけで決してニセモノじゃあありません。このニセモノ臭いパスポート、以前パスポートをなくした時に某在愛日本国大使間で再発行してもらった代物なのです。


まず、写真が皆さんのパスポートのように特殊印刷されたものではなく、直接貼り付けてます。サインも印刷でなく自分でボールペンで書き込みました(ホントだって)。さらに駄目押しは、パスポートの一番下にある機械で読み取るための番号欄、私のは


THIS JAPANESE PASSPORT IS NOT MACHINE READABLE


と書いてあります。かくして私のパスポート、他の人に比べ倍は大げさですが他の人よりもイミグレーション通過に時間がかかります。


で、この入国審査官氏、私のパスポートを文字通り逆さにしたり透かしてみたり。側面に不正の跡がないか調べたり。で、ひとこと。


審査官:「他に身分証明署ある?」


生まれて初めて聞かれました。この質問。パスポート以上に信用性のある身分証明書なんてこの世に存在しないような。


さて、私はこの問題をどう解決したか。次回に続く。


オフ会、いよいよ本日です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。No showの方にはペナルティがあります(←ウソ)


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2003年02月06日(木) 燃えるバス会社...ダブリンバス

未確認の情報で申し訳ないんですが、ダブリンバス、数日前にまた燃えたそうです。路線はウワサの(ってこのサイトでしかウワサになってないけど)マイナーバス76A。はい、まずはここからこの76Aについてお勉強しましょう。


(ここから先は上の過去日記をお読みになったという前提の上で話を進めます)で、このマイナーバス、なんとこともあろうに高速道路上で燃えてしまったらしい。聞いた話だからどこまで本当かは保証の限りでないが、おおよそこういう内容だったらしい。


高速道路を走っていると後ろの方に座っていた乗客が運転席にやってきて、


客:「運転手さん、エンジンから煙が出てるよ」


運転手さんはバスを停車させ乗客を降ろす。そののちバスは火に包まれた…。


で、私が調べたところによると、この話実はあまり驚くには値しないようです。というのも、なにやらダブリンバスの車両、2000年以降すでに3台のバス(今回を除く)がすでに火災により全損…つまり焼失しているらしい。


皆様、バスにお乗りの際は非常口の確認をお忘れなく。かばんの中にハンマーを忍ばせておくのもテかもしれません(←重いし犯罪者かと思われるのがオチだって)。


ところで、明日(土曜日)いよいよオフ会ですが、読者さんからの目撃情報によると、なんとダブリンバスの運転手さんに日本人の方がいらっしゃるそうです(驚愕)。もしこの日記を何かしら間違ってお読みでしたら、ぜひ明日のオフ会に参加してください。来てくだされば、むこう2ヶ月くらい日記のネタに困らない気がする。


はい。ドイツのネタは明日です。約束します。そして皆様にお会いできるのを楽しみにしております。



オフ会、いよいよ明日(土曜日)です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。


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2003年02月05日(水) 催眠商法がどうした?布団の押し売りもびっくりアイルランドの「合法」悪徳商法

家に帰ってくるとたまに郵便物に紛れ込んでスクラッチカードが紛れ込んでいることがあります。たいがいの場合、私はそのままごみ箱に捨てます。…というのもこのスクラッチカード、必ず当たるのです。


そもそも出所がはっきりしない。いったい郵便配達員のPaddyが一緒に配達したのかそれとも誰かが勝手にポストに投げ込んだのか。仮に出所がはっきりしても、毎回何かが当たるというのはあからさまにおかしい。何かの景品を得るためにうちの住所を教えたら、一発で、ダイレクトメールの山がポストに押し寄せ、ついでにセールス電話の攻勢が来るような気がする。実際、日本でケータイ電話を当てた後にそうなった。


で、まあ当たるものもなかなかすごい。


「現金1万ユーロ」だの「新車のローバー」などなど。


こういう商品の時にはこんな但し書きがある。


「当たりはこの賞品が当たることを保証するものではありません。最終の抽選者リストにお客様のお名前をお載せするものです」


…つまり当たってないんじゃねえか。


で、この前もやはりスクラッチカードが来て、私が捨てようとすると、例のダイエットバトルの敗者のドイツ人…うーん、めんどくさいから名前をつけよう。そう、ここから彼女の名前はSamantha(仮名)にします。で、Samanthaが私が捨てようとする2枚のカードを奪い取り、カードをこすると…


「おめでとうございます!宿泊無料招待券が当たりました!」


「おめでとうございます!ロンドンまでの無料航空券が当たりました!」



素朴に喜ぶ彼女。おめでたい人間。


「んなもん、なんか引っかけがあるに決まってるじゃん。チェックインタイムが午前2時とか、航空券は毎週水曜日の夜の最終便しか使えないとか…」


となだめる私に彼女は聞く耳持たず。で、彼女は当たり券を見て


「別にそんな引っかけないわよ。自分で住所を書いてスタンプを貼った封筒をこの住所に送るだけだって」


…ええまあ勝手にしてくださいと、その場はそれでおしまい。これが確か12月の初め頃の話。


で、今日、2/4。彼女のもとに2通の手紙がやってきた。中には…




無料宿泊券。そして




無料航空券。


嬉しそうにバウチャーを見つめる彼女を横目に、私はもくもくと夕飯のパスタを食べる。


ものを食べている時って、口と手は動いていますが、目は完全に遊んでいます。で、バウチャーの利用条件を読む彼女を見ていると、だんだん顔が曇ってくるのが分かる。


「ちょっと見せてごらん」




まずは、ホテルの無料宿泊券。有効期限は今年の11月までとまあ悪くない。問題はここ。


「宿泊客は、毎晩ディナーと毎朝朝食を買わなければならない。そして右に明記している各ホテルの『最低利用料金』を支払わなければならない。」


で、右の各ホテルの「最低利用料金」を見ると、やれ50ユーロ(注:部屋単位じゃありません。各自でです)だなんだって。


…そんだけ払えばフツーのホテルに朝食付で泊まれるじゃん。




床で笑い転げそうになるのを必死にこらえ、お次は「無料航空券」


「各種税金は各自の負担となります」


まあそうだろうなあ。航空会社のマイレージで飛ぶ時も税金は各自負担だもんなあ。これはまあいい。


「目的地に最低3泊しなければならない」


ふーん、格安航空券の時のよくあるお約束は「土曜日に目的地にステイすること」ってあるけどこれはさらに厳しいやね。


で、お次を見た瞬間に私は思いきり吹き出してしまった。


「予約は弊社指定の旅行代理店でのみ承ります。航空券の予約と同時にホテルも予約しなければなりません。一晩ひとり150ユーロからになります」


アホか!一晩150ユーロx3晩で450ユーロ使わないと無料航空券はもらえんのかい!おまえ、ANAとJTBなんかは共同で「北海道2泊3日19800円カニ食べ放題」とかやってるぞ!そのほうがよっぽど安いじゃねえか!


更なる駄目押しとして、「このバウチャーは表の日付より3ヶ月有効です」と書いてあり、その日付はなぜか12/13。あと1ヶ月しか残っていない。さらにさらに、「2週間前までに予約してください」...使う暇ないやん。


まあ私が当てたんじゃあないですから別に私が暴れる必然性は全くないわけですが。


Samanthaはふたたび


カナーリ(´・ω・`)ショボーン。


状態になりましたとさ。ちゃんちゃん。


実はここまで書いたのは2/4のお話。で、昨日2/5に私はインターネットから家の電話代の明細付の請求書をダウンロードしたのだが、私は呆れ返ってしまった。


「プレミアムダイヤル1580(日本のダイヤルQに相当)
1/19 XX時XX分 4分32秒 7.13ユーロ
1/19 XX時XX分 4分23秒 6.89ユーロ
1/19 XX時XX分 4分32秒 7.13ユーロ
計21.16ユーロ。」



ちなみに税金21%は含まれておりません。つまり、25.6ユーロ彼女はドブに捨てた使ったわけ。で、私は彼女が何をしたか知っている。「このダイヤルにかけると何かが当たる」という懸賞のサービスの番号なんだそうな。さあ、再び彼女に無料宿泊券が当たったのか、はたまたパリまでの無料航空券が当たったのか、それは...もうすぐ分かります。ねー、Samanthaさー、知ってる?私が前回マンチェスターに行ったとき、私は航空券に35ユーロしか払ってないよ。


結論:このスクラッチカードはやっぱりサギ。甘い話にはやはり裏がある。


オフ会、いよいよ明後日です。「詳細聞いてないよー」という方は1/28の日記をご覧ください。


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2003年02月04日(火) コメディ菌保菌者の2泊3日ドイツ旅行(1)

コメディ菌【名詞】一部特定の人のDNAに組み込まれた生活に問題を作り出す細胞。ただし医学的には証明されていない。〜保持者=コメディ菌を体の中に持つ人。保菌者がことを起こすとほぼ絶対の確率でコメディになる。(大莫迦社「超ハイパー新語辞典」より転載)


こんばんは。コメディ菌保菌者のSnigelです。


週末を使ってドイツに行ってきました。たかがドイツです。アイルランドからなら直線距離でおよそ1000キロ。ヒコーキに乗ればたった1時間30分という近さ。考えてみたら東京からQ州に行くのとほとんど変わらない。


なのに。なのに。なんで行くたびにコメディになるのだろう。これはもう、「コメディ菌保菌者」の宿命というものかもしれない。


今回の私の旅の旅程表、行きの分だけ簡単にまとめます。


1/31(金曜日)

午後2時までフツーに働く。

午後2時45分。帰宅

車を自宅においてバスで空港に移動

午後4時45分。EI698便にてデュッセルドルフへ

午後7時35分。デュッセルドルフ着

午後9時。デュッセルドルフ空港駅より
最終のICE(特急)でハノーバーへ

午後11時37分。ハノーバー着

日付変わって午前0時13分。最終のローカル列車で某駅へ

午前1時ごろ。某駅着




見ての通り、計画にさほどの無理はありません。自宅から空港まで1時間30分(空港には出発30分前には着いていないといけない)見て、しかもデュッセルドルフではほぼ1時間30分の乗換え時間を取っています。これ、詳細は省きますが、空港のターミナルから空港駅までおよそ5分のモノレールでの移動を計算に入れても十分な時間。ここでこの最終のハノーバー行きのICEに乗り遅れるとデュッセルドルフで一晩明かす羽目になりますが、とはいえ1時間30分の乗換え時間があればまあ問題はないわけで。かくして私は今回の旅の計画に何らの不安も持っていませんでした。


で、話は金曜日へ。


とにかくいつもより2時間早い午後2時までに仕事を終えてしまおうと、前日のうちから仕事を前倒しして、しかも朝7時30分に出勤するとてもSnigelとは思えない用意周到さ。ただし掲示板・メールのお返事をしてましたが。


予定が狂ったのは午前10時ごろ。突如やってきたクレーム。こっちは何も間違ったことはしていないのに図々しい理不尽なクレーム。適当にあしらっていたら相手の会社の「CEO」までのこのこ出てきて騒ぎに。くされ会社のくされCEOなど恐くもないのだが、私のことなかれ主義のマネージャーが「political decision」(政治的判断とでも訳すのが適当でしょうか)で相手の言いなりになることに。で、私はマネージャーと言い争いをしてふっと気がつくとくだらないことに2時間以上も費やしている。


で、マネージャーが「ン十万くらいくれてやれ!」というので結局鶴の一声でそうなったのだが(私のそれまでの苦労は水泡に帰しました)、気がつくと完全に仕事の計画は崩れ、私は昼休み返上でとにかく機械になって仕事を片づける。


午後2時。机も片づけずにそのまま会社を出る。


日中にも拘らず道路は渋滞。自宅についたのは午後3時前。予定より15分遅れ。そのままバス停に。空港行きのバスをタッチの差で逃す。で、15分後にやってきた次のバスの運転手は…


「空港?行かないよ」


一日に数便しかない空港に行かないバスがやってくるこの巡り合わせの悪さ。コメディ菌の仕業であることは言うまでもない。


で、待てど暮らせど次のバスは来ない。時刻は午後3時45分。仕方なくタクシーに乗る。


午後4時。ダブリン空港着。予定より30分遅れ。が、搭乗手続き終了まで30分あり、まあ余裕の到着。搭乗手続きは預託荷物もなかったので簡単に済む。


午後4時10分。出発ゲートBのパブへ。15分程度しかなかったがビールを飲む。


午後4時25分。搭乗。言うまでもなく、ほぼ一番最後の搭乗。


午後4時40分。搭乗完了。このヒコーキの出発予定時刻は午後4時45分。このままいけばまず定刻通りにデュッセルドルフに着ける。そんなふうに思っていると、機長のアナウンス。


「エアリンガスにご搭乗くださりありがとうございます。当機はEI694便。デュッセルドルフ行きです。このヒコーキの到着時に若干の問題がありまして、ただいま一部の部品を交換中です。スロットは取ってますので部品交換が済み次第デュッセルドルフに向け出発致します。ただいまのところ、出発予定は午後5時30分、およそ45分遅れです」


コメディの定石。一瞬でも「予定通りにデュッセルドルフに着ける」と思った私がアホタレだった。だいたいダブリン空港はエアリンガスのハブ空港なんだからスロットは取れて当たり前だろうが。


で、45分後。機長は…


「再び機長です。ただいま部品交換が終了しました。今書類にサインしてますのであと数分で出発できるかと思います。わずかながら遅れて申し訳ありません(Sorry for this minor delay.)」


45分の遅れも「わずかな」遅れなのね。この国では。まあ驚かないけどさ。


で、45分ほど「わずかに」遅れ、ヒコーキはダブリン空港の滑走路を蹴って一路デュッセルドルフへ。


さてさて。機内にて。エアリンガスの最高にして最大の敵は言わずもがなライアンエア。ライアンエアに対抗するためには運賃をかなり低めに設定するしかない。当然の帰結として機内サービスは簡素になる。


何度も日記に書いてますが、私がドイツに行くのにいつも使うブリティッシュミッドランドはかくなる理由で機内食のサービスを止めてしまった。他方エアリンガス。読者さんからの報告によるとなんでもエアリンガスは機内食を存続させる代わりにアルコール類のサービスを止めてしまったそうな。この報告の真偽を私は確かめようと思っていた。で、離陸後しばらくして機内サービスが始まった。


…この続きは明日。機内食は出たのか、またSnigelは問題なくドイツに着いたのか。明日に続きます。


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2003年02月03日(月) Q州とアイルランドの冬の共通点

「ドイツコメディ旅行」の話は諸般の都合により明日にします。(諸般の都合=原稿を会社にフロッピーディスクに入れて持ってくるつもりがすっかり忘れていた)


で、今朝2/4は実にキョーフの朝でした。


いつも通り8時出勤のために7時15分に家を出るべくドアを開けた私。


車が凍っている。


...と言ってもこれ、初めての経験じゃあありません。慌てず焦らずポットでお湯を沸かします。で、とりあえず車のエンジンをかけようと玄関を一歩出ると


ずるっ


...うーん、地面が完全に凍っております。これはアイルランドでは初体験。


確かに昨夜は小雪が舞ってたりして寒いのは分かってました。でもここまで凍るとは思ってなかった。もっとも、おとといのドイツの方がよほど寒くて雪も路面に残っていたけど、最大にして最高の違いは、慣れ。


ドイツじゃ、タイヤは当然冬タイヤだし、ガラスが凍ってもいいようにしゃんと氷を溶かすスプレーやバッテリーブースターなども車に載っている。


反面アイルランド。Q州同様雪が降ることなど想定してないからタイヤは年中同じやつだし、私の知る限りバッテリーブースターを積載した車など絶無。


これは実はすでに証明済み。昨年の冬。私がドイツに行っている間、ひでかすが私の車を使って某ショッピングセンターに行ったんだそうな。それ自体問題なし。問題は、ひでかすがライトを点けたまま買い物に行ってしまい2時間後車に戻ってくるとバッテリーが見事に上がっていたそうな。


クリスマス前の混雑したショッピングセンター。押し掛けするスペースも無く、しかたなく通行人に片っ端から


「バッテリーブースター持ってない?(懇願)」


と聞いてまわったが誰も持っていない。


困り果てたひでかすはショッピングセンター内にあるカー用品店に助けを求める。


店主:「じゃあ、このバッテリーブースターを買って。で、使い終わったらまた店に持ってきて。返金するから。クリスマスだしねー。」


好きです。こういうアイルランド。


とまあアイルランドではこのように車の冬対策は全くできてないのですが、まあ偉そうに言っても私の車だって同じこと。今朝もガラスの氷をお湯で無理矢理引っぺがし出発。


うちの前の道、道幅はセンターラインが引けるほど広いですが、行き止まりなので交通量はほぼ絶無。ここでちょっと実験。


まず、強めにブレーキをかけてみる。


タイヤは見事にロックして、滑る。


次に、アクセルを踏み込んで前輪に思い切りトルクをかけてみる。


タイヤは見事に滑る。


...とりあえずチコクしてもいいから気をつけて行こうと決める。


で、表通りはいつも以上に混んでまして。怖かったですが、反面楽でした。というのも、無謀な運転をするアホタレがいなかったのである意味安心でした。後ろから突然割り込んでくるタクシーや、突然止まるバイクなどがいなかったので。


かくして、なんとかチコクせずに会社に着いた私。こういう寒い朝の日はたいがいいい天気になるんですよね。現在、日が昇り、きれいな青空が広がりつつあります。というわけでたまった仕事を片づけはじめます。


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2003年02月02日(日) ♪ダダダダダイエット...一月で6キロ。同時進行日記(5=完結編)

ただいまドイツから帰ってきました。ドイツ2泊3日…と書くと悪くないですが、実際はヒサンそのものの旅でした。…というかほぼ絶対の確率で私の体にはコメディを作りだすDNAが組み込まれてます。これに関しては、自信を持って断言できます。今回もコメディ菌爆発だった2泊3日の旅は明日から2日か3日の予定で連載するとして、とりあえず例のダイエットの話を完結させちゃいましょう。


話をおさらいしますね。


1月2日の時点でうちの同居人のドイツ人(女性)と決めたこと


1月30日までに6キロのダイエットに挑戦する。もし失敗した場合は成功した側に50ユーロ払う。もし両方成功したり失敗したらチャラ。


この時点で彼女は体重計に乗るのが恐いというわけで、彼女に目隠しをして体重計に乗せた。


で、数日前の時点で私は6キロやせ目標達成。



ここまでがこれまでのお話です。で、30日になって、私が帰宅途中で渋滞の中、割り込む車をよけているとケータイに彼女からメッセージが届く。


いつ家に帰ってくるの?私はこの苦しみから一刻でも早く解放されたいわ!


というわけで、自宅に直行。


で、まず私が体重計に乗ると


8キロ減。


目標達成。



彼女は


3キロ減。


目標未達成。



…というわけで私の勝ち!


で、まあ、悲惨なのは彼女でして、3キロ痩せたという事実はさておき、彼女、自分の体重は実際の彼女の現在の体重より7キロ程度軽いと思っていたらしく、彼女は自分の体重を知ったことにより


カナーリ(´・ω・`)ショボーン。


状態になってしまった。


…うーん、とても


「おりゃー、オレの勝ちだー。50ユーロ今すぐ払えー」


とは言えない状況。かといって


「3キロも痩せたんだからすごいよ」


とかおためごかしを言ったところで8キロ痩せた人間が言うと単なる嫌味にすぎないわけで。


かくして長いダイエットの戦いは幕を下ろしました。


なのに!掲示板、賑わってます。ほとんどディベート状態。いいんですよ。でも何がなんだか分からない状態なのでとりあえずレスは遠慮させていただきます。あしからずご了承くださいませ。…というか、あの掲示板、管理人なしでも十分機能している気がする。


とりあえず、私、完全なる過労につき寝かせてください。明日、ドイツ2泊3日コメディ旅行の話のその(1)を書きますから。


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