なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
何だかんだで、3年間お世話になった会社を今日去りました。来週の月曜日から新しい会社での新しい仕事が始まります。
…それにしても新しい会社様、私のようなアホタレを本気で雇う気ですか?後悔しても知らないよん。
とりあえず今、ちょっと感傷的になってます。何だかんだ言っても、3年間の永きにわたりお世話になった会社です。自分がその会社を去るというのがなんとなく信じられません。
とりあえず、新しいスタートです。応援してください。
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2002年02月27日(水) |
いくら病院でも「サンプル」を持って待合室にいるのは反則なのでは…というお話 |
本日、半日休みを頂いて「健康診断」に行ってきました。まあ私なんて、去年一年間にずるを除いて病欠を一日も取ったことのないくらい健康な人間ですから、そんなものは一見必要ないように思われるのですが、実は、次の会社の入社の条件としてこの健康診断を受けることが条件だったのです。考えてみたら、もしこの健康診断に引っかかったりした日にゃ、私の採用取り消されたりしたのだろうか。
で、まあ、これくらいのことで腹を立ててちゃあ行けないんだろうけど、数週間前にリクルートメントエージェンシーが、今日のお昼12時という時間を勝手に指定してくる。私の都合などお構いなし。こういう半端な時間にアポを取られると、この健康診断ごときに一日が左右されてしまいイヤなので、時間を変えられないか交渉。すると、リクルートメントエージェンシーのおねえちゃん、「何とかして」とひとこと。本当に煮ても焼いても食えん国だと思う。
というわけで、午前中に半日休みを取って、St Stephens Green Shopping Centreのすぐ裏にある某病院へ。考えてみると、アイルランドに来て早4年、初めて病院にやってきた。入口を入ると右側に小さな机があり、おっさんがヒマそうにタブロイド誌を読んでいる。彼が受付と思ってはいけない…と思うと案の定、左手にそれらしい受付が。そう、彼は単なる用心棒。
で、受付に行くと、受付のおねえさん、
受付:「どちらの先生とアポですか?」 私:「知らん!」 受付:「知らんと言われても…。アポなしですか?」 私:「アポは12時にある。が、どの先生か知らん」 受付:「どういう病気ですか?」 私:「至って健康でい。健康診断に来ただけじゃい。XX社の名前でアポ入ってない?」 受付:「XX社?ああ、それを早く言ってよ」
…それを早く聞いてくれ。
すると受付のおねえさん、何やらA4の紙4枚の問診表を取り出してきて、「これに記入して」私にアレルギーがあるか、腎臓に問題がないか、家族は生きているか(←ホント)など、事細かに質問が並んでいる。とりあえず、「お酒は飲みますか?飲むとするとどのくらい飲みますか?」という欄以外はすべて「No」に印をつける。
んでもって、それを記入して受付に戻ると、今度は受付のおねえさん、A4サイズの透明な袋と、「ごはんですよ」の小瓶くらいのサイズの透明の瓶をがさごそと取り出し、
受付:「Now, can you take your sample please?」 私:「何?」 受付:「Your sample. Gent is over there」
へえ。こういう言い方をするんだ。トイレで取ってくるサンプルといえば別のものも思いつくが、まさかそっちじゃあるまいということで、とりあえず「サンプル」を取りに行く。
で、「サンプル」を取ったあと気がついた。これ、どこに持っていけばいいの?
私の今までの日本の経験から言うと、「サンプル」を取った後、そのサンプルはトイレの中に小窓があってその中に提出すればいいと相場が決まっている。が、このトイレはそのようなもののない普通のトイレ。で、繰り返し書くけど、もらったのはA4サイズの透明な袋と透明な小瓶。
これをどうせいというのじゃ?まさか、これ持って待合室で待ってろというのかい?自らの老廃物を袋に詰め、ゆっくり石鹸で手を洗いながら私は悩み込んでしまった。この透明な「サンプル」を持って、待合室に平然と座っている勇気は私にはない…。
というわけで、アホなことこの上ないですが、瓶と袋の口をしっかりと締めて、とりあえず、ジャケットの中に忍ばせて、「早く私の番にならないか」と祈るような気持ちで待っていましたとさ…。
で、アポの時間より10分遅れで私はセンセイの個室に呼ばれる。まずは握手。アイルランドではどうも医者と患者の関係は握手から始まるらしい。先生は私の「サンプル」を取り出して、リトマス紙らしきものに私のサンプルを滴らす。で、残りの「サンプル」は流しからジャーと流しておしまい(まさかと思うけどあんたそこで自分のコーヒー作ったりしないよね…)。で、先生は水で手を濡らして(あれで「洗った」とは私は認めない)、私の方に向き直り、「じゃあ、血圧を測ろう」
で、ジャケットを脱いで、血圧を測定し、聴診器で心音を聞いて、それから大きく息を吸ったり吐いたりしながら再び先生は聴診器で私の背中あたりの音を聞いている。
で、懐中電灯(のようなもの)で目の中を調べて、それから服を着たまま、身長・体重を量る。靴を履いたまま身長を計るアバウトさ。私のClarksの靴、思いっきりかかとが高いから多分3センチは高く計られたに違いない。
「はい。お疲れさん。健康に問題なし」
…え?これだけ?所要時間はおよそ5分。会社を半日休んで所要時間はわずか5分。なんだか、後楽園ゆうえんちで4時間アトラクションを待って、そのアトラクションがクソだった…そんな空しさを覚える。
で、そのまま会社にやってきました。今日はドイツ語のコースがあるのでもうすぐ帰らねばなりません。…何もしていないやね。今日の給料はもらえなくても文句は言えないような…。という訳で、今から掲示板のお返事に入りますが、多分全部は終わらないので、お返事は気を長くしてお待ちくださいませ。
PS 今日、新聞を読んでて、まさに20年目の真実に突き当たりました。私、子供の頃、「戸塚ヨットスクール」と聞いて以来、なぜか戸塚ヨットスクールは横浜にあると信じて疑ってませんでした。愛知にあったなんて…。なぜそう思ったか。横浜に「戸塚区」ってあるでしょ?やっぱ私はアホやね…。
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2002年02月26日(火) |
発表!私の友人のうちで一番きれいな英語を話す人。その意外な人物とは? |
掲示板のカキコより。
アイルランドにありそうで意外ににないものをひとつ。「まともな英語を話せるアイルランド人?」
うーん、これはなかなかいいポイントをついているような気がする。アイルランド人の脳内辞書の英語のボキャブラリーって、下手をしたら100語くらいしかないのではないか…と思う時がよくある。
私が知る限りで、一番きれいな英語を話すのは、知り合いのイタリア人だと思う。…つまり、ネィティブであるべきアイランド陣よりもきれいな英語を話すのが彼女だと思うのだ。彼女、実はそのテの学校に数年間通っており、英・独・伊の3カ国語で同時通訳が出来る脳を持っている(天才とも言う)。で、彼女と話していると、本当に聞いたことのない単語がぽろぽろと出てくる。専門用語もそうなのだが、ちょっと人の感情を表す形容詞とか聞いたことのないものが結構出てくる。話しているだけで私のいい勉強になる。
で、驚いたことに、アイルランド人と話していると、彼女と話している時のように「え?この単語なに?」と思うことが本当に少ないのだ。私の知っている単語ばかりで話が進んでいく。例えば、自称イギリス人のマークちゃんもそうなのだが、話していると結構(私のボキャブラリーが少ないので)知らない単語が出てくる。が、アイルランド人との会話ではその数が本当に少ない。二言目にはFu*kingと、Fワードを連発するばかりで…(無論時と場所と人にもよりますが)。
ある日のこと(…と言ってもだいぶ前だけど)。上の同時通訳イタリア人とアイルランド人と私の3人で出かけた。そこには信じられない光景が。なんと、イタリア人がアイルランド人に英語を教えているのだ。アイルランド人(と私)が単語の意味を知らないのに、彼女だけが知っている。で、アイルランド人の悔し紛れの言葉
「そんな単語普段使わないよ」
その通り。彼は悔し紛れに言った言葉で見事に墓穴を掘ってしまった。アイルランド人のボキャブラリの幅って本当に少ないと自分で認めてしまったわけ。
じゃあ限られたボキャブラリしか使わない彼らの英語が分かりやすいかと言うと、およそその逆。特に、通りにたむろしているガキどもの英語、自慢ですが私は未だに何を言っているのか分かりません。いや、そりゃ分かるけど、かなり苦労します。方言と言うのかアクセントが強すぎるわけ。どんな言葉か聞きたかったら、Roddy Doyleの映画のビデオを借りてくれば分かります。あれをされにひどくした感じ。
…ええと語学留学をご検討中の皆様、この辺も考慮に入れられるとよろしいかも。ただねえ、かれこれ4年間ここに住む私がアイリッシュ訛りで話すかと言うと、全然です。見事なほど日本語訛りです(自爆)。まあ、そんな訳なんで、きれいなクイーンズイングリッシュを話すイングランドのどこかに行けば、きれいな英語を話すかといえば…そうとも限らない気が。まあ、品とボキャブラリはつくでしょうが(真顔)。
ふっと思い出したけど、某「うまくゆく留学」(仮名)とかいう本に書いてあった言葉、
「アイルランドではイギリス英語にもアメリカ英語にも属さない美しい英語が話されている」
という言葉だけは、本気で笑わせていただいた。全然美しくなんかねえよ。
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2002年02月25日(月) |
ダブリンの最終バス。11時30分に一斉に発車するバスの怪 |
実は、今月いっぱいで今の会社ともおさらばです。つまり木曜日が最後の日になるわけです。あと4日(含み笑い)。
で、先週から机の整理を始めました。Snigelさん、Pjorneさんを始めとするぬいぐるみを自宅に持ち帰り、いらん書類等を整理を始めると、まあ私がいかにずぼらか良く分かりました。机の中からゴミが出てくる出てくる。Kinder Surpriseと呼ばれるチョコレートのおまけのおもちゃ数十個。ボールペンは2ダース以上。Lottoのハズレくじ多数。Lemsipをはじめ多数の薬類(しかも一部は使用期限が切れている)。さらには2年前にTop Shopの安売りで買って、存在自体を忘れていたセーターに至るまで。
ゴミだけでダンボール箱3つになった私の机ってなに?実は半年くらい前までは、私の机より汚い人がいたのですが、(スウェーデン人。2001年9月30日の日記参照)彼女が辞めて以来、私の机は「汚い机オブザカンパニー」賞に常にランクインしておりまして。それでも棄てられないこれらをどうしようか…このぬいぐるみたちは誰か里親がつくのだろうか…ナゾです。
ちなみになぜ私の机にこんなにたくさんぬいぐるみがあるかというと、ちょうどこの会社に勤め始めた頃、UFOキャッチャーにはまっておりまして(…とことんアホや)。で、とあるショッピングセンターの機械は設定が甘く、取りたい放題だった時期があったのです。それで数千円をつぎ込んで、ぬいぐるみを取りまくり、現在に至るわけ。はい。私はアホです。それにしても、自分の机の天板の木目を見たのは本当に久しぶりです。
で、先週金曜日、Laughter Loungeに行ったことはすでにご報告済ですが、この帰りのことを書き忘れていました。帰りは最終のバスに乗ったのですが、運転手を見た瞬間私は凍りました。
…木曜日、寝過ごした時と同じ運転手さんだー。
思わず私は、「今日は大丈夫だからね…たぶん…」と言ってしまいました。運転手さん、私の顔を見てにやり…いかん、顔を覚えられた…。
そういえばまだこのネタは書いていないと思うのですが、ダブリンバスの最終バスは午後11時30分に一斉にシティセンターを発車します。何で時間をずらさないのか謎なのですが、西南北各方向に各10台くらいのバスが一斉に走り始めるわけです。
かくして、11時25分頃になると、シティセンターのとりわけオコンネル橋のあたりを走る人を多く見掛けます。11時30分のバスを逃すと、次のバスは約4倍の運賃を払って深夜バス、しかも12時30分まで待たねばならない…と言うわけで、酔ったおっさんやおねえさんが本気で走ります。私も何度かやったことがありますが、バスに乗った後、思わず吐きそうになります。そりゃ酔っている時にダッシュ走をすれば普通の人はどうにかなります。
で、この11時30分のバス、シティセンターで捕まえる分にはいいのですが、シティセンターを出てすぐのバス停で捕まえるのは至難の技です。何せ、10台くらいのバスが一斉にやって来て、しかも、その中から自分の乗りたいバスを見つけて手を挙げて乗車の意思を伝えないと行けない。何せ日本のバスと違って、後ろのバスは平気で前のバスを追い越していきますから、自分の乗りたいバスが無常にも目の前を通り過ぎてしまうこともあり…。
何でそんなことになるかと言うと、なぜかダブリンバスの時刻表には、途中バス停に通過予定時刻表と言うものがありません。バス停に行っても、時刻表があればいい方で、その時刻表には運行されるバスのターミナルの発車時刻しか書いてありません。ゆえに、ターミナルから現在地までの所要時間を自分で想像しなくてはいけません。語学留学を始めた当時、このシステムがわからずに、「何でバスが来ないんだろう」といつも悩んでました。(確かに"From Abbey Street 0845"と書いてあっても、まさかそれがターミナル発車の時刻で、自分のいるバス停の時刻じゃないとか、私の常識と言う枠の想像外だった)
で、話は最終バスに戻るのですが、上のような理由で、最終バスはシティセンターを11時30分に出さえすれば、あと途中のバス停にはいつ着いてもいいと言うことになります。で、「最終バス」である以上、このバスはその運転手にとって最後の業務。一刻でも早く家に帰りたい運転手たちは客扱いのバスということを忘れてそりゃもうものすごい運転をするのでした。
以上のような理由で最終バスはもう最悪です。ダブリンに不慣れな方は、この最終バスをシティセンター以外で捕まえようとは思わない方が得策です。ただ、一度乗ってしまえば、最終バスでの所要時間は他よりもはるかに短いという利点があります。ビールを飲みすぎてトイレに行きたい時なんかには有利です。ただし車酔いする可能性がありますが…。
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2002年02月24日(日) |
何の脈略もありませんが、日本にあってアイルランドにないもの10 |
なんの脈略もないですが、日本にあって、アイルランドに有りそうでないものをテキトーに10個思い浮かべてみます。
シャープペン…いちおう文房具屋の片隅にありますが、種類は1−2種類しかない。
歯ブラシ…むろんあるが、私の愛する「硬めでヘッドの小さい」という種類はない。
缶コーヒー…どうせ飲まないから関係ないけど、缶に入っている飲み物はコーラ系のみ。そういえば烏龍茶もない。Mausiいわく、「お茶缶、ヨーロッパでも売れるだろうに…」同缶…もとい同感。
コンビニの菓子パン、おにぎり…まあ、おにぎりは当然にせよ、パンくらいあってもよさそうだが、ない。パンのコーナーにはいちおうジャムドーナッツなどがあるが、汚い手でガキが触ったような気がして(気だけではないのだが…)最初は買う気がしなかった。コンビニに「小腹の減った時用の食べ物」というものがない。
地下鉄…一応計画は立っているができるまでにあと15年はかかると思われる。
オートマ車…日本でオートマのマニュアルの比率はおそらく8対2くらいでは。アイルランドではその逆。オートマ社は一部のおベンツ等の高級車などを除くと日本から輸入した中古車だけ。そういえば、ダブリンバスはなぜか全部例外なくオートマ車。
CDシングル…すべて12インチ。日本にある8インチシングルは存在しません。考えてみたらなぜなんだ? プリクラ…ダブリン全体でも10台あるかないか。しかもディスプレイには「お金を入れてね」と堂々と日本語で表示してる。いったい何人のアイリッシュが読めるんだろう?
カラオケ…なくていいが、全くない。数年前に数軒できたらしいが絶滅。ごくたまにパブに「X月X日はカラオケナイト」とか書いてあるが、恐くて近寄れない。カラオケボックスは間違ってもない。
Iモード…いちおうWAPとかいうのがあるが究極に使えない。こんなもんに慣れている私は日本のケータイのディスプレーがカラーということすら信じられない。
カラオケで思い出したのですが、たった一度イングランド南部のEastbourneという町のPierのカラオケバーに入ったことがあります。狙って入ったわけではなく、近辺にたった1軒しかないパブに入ったらカラオケ大会をやっていたんです。 はっきり自信をもって書きますが、イングリッシュの歌唱力はドラえもんのジャイアン以下です(かなり本気)。ビールがどうしても飲みたかったので1杯飲む間だけ我慢しましたが、そりゃもうひどいもんです。まあ、「お前はどうなんだ」と突っ込まれたら黙りますが。
で、缶の烏龍茶。これ欲しいです。冷たいものといえばコーラしかないのが悲し過ぎる。ちなみにミネラルウォーターは「水と安全はただ」と思っている私にとって買って飲むものではありません。そういえばアイルランドは水道料金は存在しません。タダです。 …で何が言いたいのかって?またー、そういういけずな質問は止めて。ネタがなかったからに決まっているでしょうが。「継続は力なり」ということで認めてください。
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2002年02月23日(土) |
さようなら。Laughter Loungeさん。 |
行ってきました。O'Connell橋のたもとにあるMurphy's Laughter Lounge。その昔は映画館だったらしく、古く、汚い。同僚の名言:
「昔火災に遭ったとこそのまま使っているみたい」
うーん、言い得て妙なり。
で、幹事として開演前に走り回って、開演したのが午後9時。たぶん二百席くらいの客席は完全に埋まり、立ち見も出ています。この日はBoom Chicagoとかいう6人組みの芸人さんがText in the Cityというお題で出演。要するに、会場からのヤジやケータイのメッセージサービス(SMSといいます)をネタに使ってどんどん話を進めていこうというわけ。
例えば、突然客席に走って行って、
「あなたの名前は?職業は?何フェチ?」
と聞いてまわって、その観客の答えを使ってコメディをしたり、ヤジをそのままネタにしたり、そのアドリブ性の高さには素朴に驚いた。で、まあ面白かったけどそれにしても下ネタばかりに走りすぎていたなあという観あり。最も、観客のレベルに合わせていたのだという説もあるから何ともいえないけど。
というわけで、ショーが終わるなり、二次会パスで帰ってきました。
入場料は19ユーロ。まことに申し訳ありませんが、たぶん自腹を切ってまでは行かないのではないかと思います。今までいつも前を通るたび気になっていましたけど、これからは気にも留めません。さようなら。Laughter Loungeさん。
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2002年02月22日(金) |
酔うと人それぞれ。私の場合… |
昨日は掲示板の常連さんのうにさんと町でちょいと一杯やってきました。うにさんはダブリンのパブのトイレを開かずのトイレにするなどなかなか香ばしいご活躍をされている模様でして。で、いろんな話をした中で、「転送URLを取得せい」というありがたい助言をいただきました。
…ゆえに取得しました。要するに今までの「http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/4079/」は長すぎて誰も覚えてくれないだろうと言うことで(しかもジオは大文字と小文字を区別するし…)、覚えやすいURLを取得してきました。そのURLは「http://www3.to/ireland」です。よろしく。取得はしたものの、これってそんなに役に立つのかな?とりあえず、覚えやすいことは確かだわ。
で、人間って不思議ですねえ。どうして酒を飲むと酔うんでしょうねえ。
まあ翌日もどうでもいいながらも仕事だったので、10時30分にはおいとましまして、タクシーで帰ろうか悩んだ末に給料日前の金欠状態でもあるんでおとなしくバスに乗りました。10分くらいバスを待っていたのですが、アイルランド名物の強風のおかげで寒いこと寒いこと。で、ようやく来たバスの中は暖房は効いていないものの、風が吹きつけてこないだけ暖かく、バスの1階の一番後ろの私のお気に入りの席はエンジンからの熱がシートにまともに来るので暖かく…
そう、寝ちゃったんです。
はっと気がついた時は、うちから数キロはなれたバスの終点の2-3個手前のバス停付近。運転手に聞いてみた。
私:「このバス、折り返しで街に行くよね」 運転手:「いかねえよ。まっすぐ車庫に帰るよ」
…やられたよ。確かに、この時間はすでに町に向かうバスの最終は出てしまっている。
私:「乗り過ごしちゃった。えへっ」(←笑ってごまかすな) 運転手:「どこに行くの?」 私:「XXまで」 運転手:「XX.じゃあのっけてってあげるよ」
というわけで回送バスに乗って帰ってきました。むろん車庫直行の回送バスだったので、最寄りのバス停ではなくそこからちょっと離れたところで降ろされました。まったく自分でもアホだと思います。とりあえず、ご親切に乗っけてくれた運転手さんに感謝です。とりあえず、これでこのバスでの乗り越しは3回目かなあ。日本で電車通勤してた時は乗り越しなんかしたことなかったのに…はっ…
八王子は横浜線でも京王線でも終点だった…。
今夜は問題のパーティー、コメディショーの日でございます。どんなものだったかは、あまりに唖然としない限り明日報告させていただきたいと思います。が、正直言って、面倒くさい、行きたくない。まあ、幹事が行かないわけには行かないだろうから行くけど…。ああ、めんどくさい。
日記才人の投票ボタンです
2002年02月21日(木) |
大噴火。二度とパーティ幹事なんてやらん。怒りまくりの日記 |
本気で頭に来ております。
昨日からの怒りが溜まりに溜まってきております。キケンですので付近を航行中の船舶はう回してください…なんて軽口を叩くうちはまだ大丈夫か…。ともあれ、私は怒っています。そりゃもう怒っております。まあ聞いてくださいよ。
数週間前に、会社のパーティ幹事を引き受けた話をしたことをご記憶でしょうか。で、そのあと、私はレストランだのボーリングだのいくつかの案を出して、大多数の賛成を得て、結局コメディショーということに落ち着きました。バラすとそのコメディショーは今週末です。で、参加対象者(課内の人間)のうち何人が参加するかなどを確認。後はお金を払い込むだけという時点になって突然、スペイン人を中心とした一部の人間が、
「やっぱりコメディはあまりいい考えとは思わないなあ」
などとほざき始める。その時点で予定日まであと1週間。「この期に及んで何を言い出すんだ」と私はこの時点で一度キレる。「イヤなら自分で企画しろ」と言ってしまった。で、それが先週の話。だいたい問題点もすべて挙げた上でお前らがコメディショーがいいと言ったんだろうが(個人的に私はイヤだったのにかかわらず、だ)。
で、私は会計担当者から小切手を切ってもらい、支払いを済ませる。で、チケットが届いたのが今週の初め。すると、私のサブマネージャーにあたるアメリカ人が突然やってきて、やたらと非友好的かつ高圧的に、
「チケットは一枚たりとも無駄にするな」
と突然言い放つ。しかし、人間何か予定ができたりするもので(当たり前ですな)、結局35人中3人が来れそうにないことが分かった。それを伝えると、
「なんでチケットを35枚も頼むのだ」
と怒り出す。私は完全に逆ギレ。35人もいたら正確な人数をはじき出すのはほぼ不可能ということはサルでも分かるのではないだろうか?で、
「会社の金をびた一文たりとも無駄にするな。でもチケットは会社外の人間にやってはいけない」
待てよ、こら。それって究極に矛盾していないか?私にどうしろというのだ?
で、さらに私をキレさせたのが彼の態度。まあ、「態度」というのはとても微妙で主観的で判断が難しいというのは認めるけど、彼、私が彼に辞表を提出して以来、彼の私に対する態度はまさに手の平を返したようになった。今まで私の机まで来て軽口を叩いていたりしたくせに、私が辞めると分かった瞬間から、あからさまに私が疎ましいという態度を取るようになった。私は本気で悲しくなった。なんだかここで働いてきた3年近くの日々が否定されて行くような気がして…。
まあ、活字にすると私の言いたいことの半分も伝わらなくてもどかしいけど、とにかくも、私は完全にキレてしまっている。だいたい、誰も幹事のやり手がなかったから私が引き受けたのだ。そのボランティア精神に対して、このような態度で望んでくることに対して私は我慢ができない。
で、これだけでも腐るに十分だが、昨日は昨日でコメディの会場側とトラブルが起きた。
私は35枚のチケットを注文して、で、35枚分、1000ユーロを超える大金の小切手を支払った。なのに、届いたチケットは34枚。一枚足りない。で、昨日ドイツ語のコースの行きがけにこのコメディショーの会場に寄ってみた。担当者が偶然いたので直接話すことに。
私:「チケット34枚しか入ってなかったよ」 担当:「35枚入れたよ」 私:「34枚しか入っていなかった」
私は動かぬ証拠として、チケットが入っていた封筒を見せる。封筒の表にははっきりと「34枚在中」と書いてある。時代劇ならこの証拠で「ええい、越後屋、これを見てもまだシラを切るかあああ」となるところ。ところがそのばりばりダブリンアクセントの担当者、
「あ、そこには34枚って書いてあるけどちゃんと35枚入れたから。そこ書き直しておくべきだった」
としゃあしゃあとヌカす。
私:「ふざけんな。ちゃんと調べろ!」
と私はキレた。で、本来同封されているべきだったチケットを一枚ゲット。言うまでもなく謝罪の言葉などある訳もなく…。
まあ、そんな訳で本気でキレているわけです。
私は二度と幹事なんかやらない…と心に決めました。苦労してもまったく報われません。中間管理職の悲哀がよーく分かりましたです。
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2002年02月20日(水) |
「落ちこぼれ」の気持ちが分かる今日このごろ… |
それにしてもヒマです。やることがありません。いえ、やるべきことはあるのですが、総務から来たメールに本気で頭に来て、もう仕事をする気が完全に失せました(詳しく書きたいんだけどねえ…)。この会社での残り数日間、ずーっとコンピュータで遊んでいてやろうと心に決めました。で、うちの母屋とも言うべきジオシティは本日サーバーダウンで更新できず。世の中うまくいかないものです…。
駅前留学とやらですっかりお馴染みとなった英会話学校。確かに大きな駅の前には何やら英会話学校が乱立してる。アイルランドからもこの辺の学校に講師として日本に行ったという人の話を聞きます。で、ちゃっかり日本人の女性をお持ち帰りの人もおり。(ちなみに逆パターン、こっちの女性が日本人の男性お持ち帰りは聞かない…なぜだろう?)で、どこかで聞いたか読んだかしたのですが、この英会話学校の講師もなかなか大変なお仕事だとか。
「生徒は3人まで」という少人数制を取っている英会話学校が多いようですが、ここで講師を一年もやると、一度や二度は生徒を泣かせてしまうものらしい。しかも、講師の側からすると、「突然に理由もなく泣き出す」というのだから話は厄介。
泣いた方の論理によると、授業(会話)の流れについていけなくて、何を言っていいか分からなくなって、パニクって泣いてしまう…というのが理由のようですが、泣かせた側の論理では、これはなんとも後味が悪い。何せ、自分としては優しく無理なく教えているつもりなのだから。
なんでこんな話を始めたかというと、今通っているドイツ語の学校の話をしたいから。クラスの人数はこの学校としてはまあ普通といえる12人。で、この12人のうち一番ドイツ語ができないのは議論の余地なく私。まず、前にも書いた通りこのクラスは「一年後期」の授業なので、前期からずっと通っている生徒がほとんどだという点。それから、生徒のほとんどは高校の頃にドイツ語を少なからず習っている点。それから何よりもドイツ語と英語はもともと親類(というか同じ言語)だったという点。まあ以上のような訳で、私は完全な落ちこぼれ(…嫌な言葉だねえ「落ちてこぼれる」なんて…)状態。
この辺の感覚がやはり日本人だなあ…とつくづく思うのですが、できたら恥をかきたくないからなるべく当てないで欲しい。指名されても答えが分からない時はどうしてもセンセイの顔を見れなくなる。うつむき加減になる。そんな訳で、私はクラスでは「実におとなしい日本人」というレッテルを貼られてしまった。わっはっはっ。誰がおとなしいんだか。ともあれ、英会話学校で突然泣いてしまう生徒の気持ちが少しだけ分かった次第。
反面、クラスに慣れてくるに連れて、だんだん恥を恥だと思わなくなってきたので、まあ、この辺の変なしたたかさが自分にはあるなあ…とも感じています。それがあるからこんな国に3年も暮らせているわけだけど。
すごい論理だと思いますが、落ちこぼれがクラスで一番得だと思います。何せ頑張る甲斐がある。自分で言うとかわいげも何もないのですが、結構家でもマジメに勉強をしているので、最初の頃は何がなんだか分からなかった授業も、最近ではその分からない度が下がってきました。考えてみると、クラスでイチバンの奴はきっと授業中退屈をしているわけで。それにひきかえ私は必死。こうなると、授業自体のコストパフォーマンスも私の方が優れているような気がします。どこかの大手学習塾のコピーのパクリですが、「分かる喜び」を最近感じています。こうやってなんでも積極的に捉えることのできる能天気さが私に備わった天性の特技だと思います。繰り返しますが、それがあるからこんな国に3年も暮らせているわけでして…。
ところで、某英会話学校に「テレビ電話留学」というシステムがあるのをご存知でしょうか。実はこの「テレビ電話留学」を一度体験したことがあります。某京O線のターミナル駅で大手家電販売店の店員なぞをしていた時に、なぜかふらふらっとその校舎に入っていってしまったのです。
で、本当になんとなく、「イタリア語のコースってあるんですかあ」とひとこと。あったんです。イタリア語のコース。ただし、そんなマイナー言語を学ぼうとする人はいないので、各校舎にイタリア人講師を配置したりはできない。てなわけで、「テレビ電話」を使った講義をこの英会話学校(この場合は伊会話学校か)でやろうというわけ。
で、「無料体験レッスン」なるものに参加。テレクラのような(何で知っているのか突っ込まないように)小部屋の中にテレビが一台。私が部屋に入るなり、
"Buona sera. Mi chiamo Allicia."(意味がわからんという方、別に気にしないでください)
なんて言って授業が始まる。でおよそ20分の授業を受けた感想。
「分からん」
確かに何せ向こうもこっちの顔色を窺いながら授業をしてるから、一方的な講義ビデオよりははるかに効率がいいことは認める。が、やはり所詮はテレビの向こうなのだ。何となく緊張感に欠けるし、何よりも体のどこかに感じる違和感が私の集中力を削ぐのだ。
で、まあ、結局このコースは取りませんでした。そりゃ数ヶ月に30ン万もかかるとか言われた日にゃ、いくらその頃いくらかの余録があったからといっても…無理っすね。という訳でそれっきりになりました。
で、数年後、今度はドイツ語をやろうとしてるんだからやはり私には成長がないんだろうなあ。とはいえ、第2外国語の必要性を痛感しているので、あと一つくらいの言葉は話せるようになりたい。
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2002年02月19日(火) |
AlitaliaはどうしてAlitaliaと呼ばれているかご存知ですか? |
アイルランドはオランダに次いでEUで二番目にユーロのみが法定通貨になりました。つまり、今アイルランドの店に行ってポンドで払おうとしても払えません。ユーロのみです。で、この移行もフタを開けてみると、確かに最初の数日間に混乱があったものの、押しなべて見れば実にスムーズに成功したといっていいかと思います。どうも他の国にしてもしかり。どの国でもスムースにユーロへの移行に成功したようです。たった一つの国を除いて。その国とは…まあ、皆さんのご想像の通りのあの国でして…。なにはともあれ、このニュース記事をご覧くださいませ。
ユーロ交換遅れで伊銀行、リラ取り扱いを継続
【ローマ18日=秦野るり子】イタリア各紙の報道によると、イタリア銀行協会は18日までに、銀行窓口でのリラの取り扱いを当初予定の今月末で終了せず6月末まで続けることを決めた。ユーロへの切り替えが遅れており、予定通り終了すれば混乱が起きるからだと説明している。実現すれば、最大2か月としているユーロと旧通貨の併用期間が、イタリアでは事実上、延長されることになる。
(出典:yomiuri online 2/19 国際面)
このニュースを読んだ瞬間、「あ、やっぱりね」と思った。
私の会社の隣りの席に座る男は、世にも陽気なローマ出身のイタリア人。毛深くて背があまり高くなく色黒で、私たちが想像するイタリア中南部の男像そのまんまの男。で、陽気な彼によると、イタリアでは、最近までリラで支払いをしたら、リラでお釣をもらっていたそうな。
何が問題かって?EUの各国では各国の通貨が支払いに出された場合、お釣はユーロで出し、その方法で市中に出回った九通かを回収したわけ。ゆえに、リラでの支払いをリラのお釣で返している限り、リラの回収は一向に進まないわけで…。まあ、何だかんだで結局ユーロへの移行は進んでいるらしいが、それでも遅れは避けられないらしい。
実は私のまわりでは、ユーロコインのコレクションがちょっとしたブームになっていまして。ユーロの紙幣はすべて同じデザインなのに対し、コインの裏は各国によって違います。で、それらのコインは各国で利用できるわけで、そうなるとたまに他の国で作られたコインがお釣なんかに混じってきます。で、そのコインを見つけてはほくそえむわけですが、それでは飽き足らないと、先月の今ごろ、私の同僚が、陽気なイタリア人をつかまえて、「イタリアからイタリアのユーロのコインを送って」と頼んだわけ。ところがその陽気なイタリア人の母は、「ユーロコインはまだ出回っていないわねえ」と真顔で答えてくれたそうな…。
イタリアで思い出したのですが、イタリアの国営の航空会社はご存知の通りAlitaliaです。なんでもAir+Italiaで、Atitaliaと呼ばれているというのが公式な見解ですが、非公式な見解ではなぜAlitaliaと呼ばれているかご存知でしょうか。おそらく英語圏にお住まいの方はあまりに古典的な冗談なのでご存知でしょうが、多分日本ではあまり知られていないと思うのでここに紹介します。
Always Late In Taking-off Always Late In Arrival
ちなみに作者はAlitaliaに乗ったことはありません。あ、そう言えば、某京O線のターミナル駅でカメラ屋の店員をしてた時、「Alitaliaの機長」なる人物が「Alitaliaの副操縦士」とカメラを買いに来たことがあったなあ。まあ、陽気な人だったのはいいんだけど、まあひどい英語でして…。これで航空管制官とどうやってやり取りしてるのかすごく不安に思ったことがあったなあ。だれかAlitaliaに搭乗したことのある人、機長が英語を話していたかどうかレポしてくださいませ(多分話しているだろうけどさ)。
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2002年02月18日(月) |
どこかの国で聞いたようなお話。やはりダブリンは悪い方に変わってゆく… |
今朝、バスを待っていた時のこと。バス停にはすでに7-8人の人が並んでいた。そこにやってきたのは白い杖をついた30くらいの長髪の男性。目が不自由であることは明らか。彼がバス停に着くなりタイミング良くバスが到着した。
バスの運転手は多分気を遣ってだろう、目の不自由な男性の真横にバスを止める。が、私たちには全く気にならない段差も彼にとっては難関で、乗るのに少してこずっている。私は列の後ろの方にいたので何もできなかったが、列の前の方にいる人もしかり。誰も手を貸そうとしない。ようやく彼はバスに乗ったものの、朝のラッシュ時空席などはなく、彼は立っている。誰も、優先席に座っている人ですら彼に席を譲ろうとしない。
誰だ?アイルランド人が素朴で優しいとか言ったのは?ことダブリンにおいては、そんなアイルランド人像は、とうの昔に消え去り、他の都市と何も変わらない殺伐とした雰囲気に包まれている。少なくとも、そういう悪い方向に向かっていることは誰にも否定できないと思う。
数日前には帰宅途中にバスに乗っていると、私が過去に体験したのとほぼ同じ場所(ダブリンバス事件簿その3を参照)で再び投石事件。幸い投げられた石はガラスではなくボディに当たったため、誰が怪我をするわけでもなかったが…。運転手は「またか」という風情。
これは聞いた話ながら、知り合いがバスに乗っていると、かなりよぼよぼした老婆がバスに乗ってきたそうな。が、運転手は老婆が席に腰掛けるのを確認もせずにいつも通り乱暴にバスを発車。老婆はしたたかつまずいてしまった。が、バスの運転手は知らん顔。
目の不自由な人に席を譲らない。中にいる人が怪我をすることなんて考えずにバスに石を投げる、年寄りはひところびで寝たきりになるなんて考えもせずに、乱暴にバスを運転する運転手。…どこかの国でも聞いたような話ですよね。では自分がどんなに上人なのかと聞かれれば答えに詰まるだけなのですが、少なくとも偽善者と呼ばれようとも目の不自由な人には席を譲りたい、人を不用意に傷付けない、お年寄りを大切にする…それくらいの人としての最低限のことだけは守りたいと思う。
ダブリンは変わったと思います。5年前とは比較にならないくらい。何が人を変えたのか。バブルと言う名の金か。何とも寂しい限りです。以上、オチも何もないですが、少し世を儚んでいるSnigelの愚痴でした。
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2002年02月16日(土) |
ただのヨッパーのオヤジじゃなかった。Christy Mooreのライブを見る |
ギネスの工場のすぐ近所のThomas Street近辺はダブリンの中でもかなり治安の悪いところです。で、そのThomas Streetの真っ只中にVicar Streetというコンサートホールというかライブハウスというかがあります。で、ここで金曜日から三夜連続でChristy Mooreなるオヤジがコンサートをしています。私はよく知らなかったのですが、このオヤジ、アイルランド人の中では超のつく有名人で、特に現在のアイリッシュミュージックを語る上で欠かせない人物なんだそうな。で、彼、数年前に酒の飲みすぎでコンサート中に倒れて、それから引退したはずなのに、年に数回の割でコンサートを始めたという…(以上ひでかすによる解説)。
ふーん、つまり、ヨッパーのオヤジなのねん
…くらいの認識しか私は持っていなかった。たぶんアイリッシュミュージックを愛する一部の方は今ごろこれを読んで怒り狂っているだろうけど、知らなかったものは仕方ない。とはいえ、この写真のおっさんを見て、いったいどれくらいの人が、彼がものすごいカリスマ性を持ったすごいミュージシャンだと気がつくだろうか。
(数年前にEasonでサイン会をした時の模様。友人(左)より拝借)
EasonのとなりのPennys(安売り衣料品店)で3ポンドで買ったとしか思えないTシャツ、見事に出っ張った中年腹。確かに怜悧そうな顔をしているが、そこを考慮に入れてもダブリンの街中を歩いていたら誰も気がつかないようなフツーのおっさん。蛇足ながら、このおっさんはダブリン近郊のキルデア県出身らしい。
で、まあ、ひでかすに誘われて(やっと話がつながります)Vicar Streetの彼のライブに昨夜(金曜日の夜)行ってきたわけです。
まずこのコンサートホールというかライブハウス、表通りのパブから入って奥に引っ込んだところにあり、広さは、たぶんテニスコート一面程度。二階席もあるが、例え二階席の一番後ろでもステージは良く見えるだろうというくらい狭い。
1階席は横と後ろを除いて4人がけの小さなテーブル席になっており、各自ビールやらワインやらをテーブルに持ち込んでいる。私たちの席は、前から2列め中央、ステージから3メートルもない位置。完全にベストポディションと言える。
で、8時30分。アイリッシュにしては賞賛に値することだが、ほぼ定刻通りにコンサート開始。例のヨッパーのオヤジは何と私たちの目の前。ツバが飛んできそうなところにヨッパーのオヤジは座る。ヨッパーのオヤジは開口一番「健康問題が心配でねえ…」とひとこと。それに会場がどっと沸く。この瞬間に、この会場にはこのヨッパーのオヤジというよりはむしろ、Christy Moore様を慕ってアイルランド中から人が集ってきたことに気がついた。
コンサートは、Christyを含む3人(もうひとりはDonal Lunnyという人でこの組み合わせはその筋の人にはたまらないらしい)で、楽器はアコースティックギターにバウロン(bodhran=資料写真右)というケルトミュージックに欠かせない太鼓、それからごくまれにキーボードという「アコースティックコンサート」と呼ぶにふさわしい陣容。
私が驚いたのは、この3人がステージに着くなり芸能人の記者会見並みにたかれるフラッシュの嵐。こういうとこは撮影禁止だと思っていた私には素朴に驚きだった。よく見ると、ひでかすは録音までしてる。どうやら撮影・録音はご勝手にどうぞ…ということらしい。会場は興奮の中にもリラックスしたムード。
まあ、コンサート特有と言われればそれまでだけど、この会場には不思議な出演者と観客の一体感があった。ただのヨッパーのオヤジではこの雰囲気を作りだすことは到底できないであろう。観客を3時間近く惹きつけるのに十分な魅力を持っていた。アイリッシュミュージックに興味のない私にとっても十分楽しめる3時間だった。何せ、Christyはいい声をしているのだ。ギターもうまいし。
Christy Mooreさん、「ヨッパーのオヤジ」などと失礼なことを言い申し訳ありませんでした。これからは認識を改めます。それにしても、このコンサートでもあなたはPennysで3ポンドで買ったとしか思えない真っ白のTシャツを着てらっしゃいましたね。そんなにすごい人ならもう少しこだわった方が良いかと思います。
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2002年02月15日(金) |
マネジャーは言いました。「行かないで」---あの手この手の慰留作戦 |
今朝もいつも通り8時に出勤。うちの会社、「大体8時から10時の間に来て8時間働けばいい」という(厳密には違うんだけどさ、実質はそうなっている)スーパーフレキシブル出勤制。で、早く帰りたい私は朝8時という早い時間に会社にやってくる。当然この頃は間人影もまばら。
で、私の朝はまず、メールおよび掲示板のカキコ確認、さらに、朝日新聞のサイトをじっくり読むところから始まる(やはり窓際)。掲示板にお返事を書き、朝日新聞を読んでいると、背後に人影。うげっ、キツネ目のマネージャーだ。
このマネージャーさん、私の身近な人からの評価は低いが、私に言わせると、まあフツーのやるべきことを淡々とこなしているマネージャー。私とも割と仲が良い。私も古株の特権で、何か問題が起こると、途中のスーパーバイザーとかではなく、飛び石で彼女のところに相談に行き、解決したことも多い。で、そのドイツ人女性のマネージャー氏、開口一番
マネ:「一体全体どういうことなのよ?!」 私:「え?パーティーの話ですか?(←とぼけているのはご想像の通り)」 マネ:「違うわよ!あなた辞めるの?」 私:「はあ…」 マネ:「何が不満なの?」
私もオトナですから正直に「問題だらけなんだよ。ボケ!」とは言わず、淡々と自分のおかれている現状、そして自分の考えていることを話しました。すると彼女の口から信じられない言葉が。
マネ:「辞めないで!主任さんにしてあげるから!」
あーのーなー、主任さんって、そのポストに今空きはないでしょうが。その後も、昇給だなんだかんだ、あの手この手で私を説得にかかります。私の頭の中では、中学校の時に習った「覆水盆に帰らず」の情景と、この数年間の想い出がくるくると回る。まあ、主任さんでも昇給でもなんでもいいけど、
なんでもっと早くやってくれないのよ
その他にも、某所に栄転とかいう話まで出てきましたが、とりあえず私は「転職号」という列車の切符を買って、今プラットフォームからその列車に乗ろうとしているのです。ここで、自分の彼女が「行かないで」と言ったからって、「じゃあ行かないよ」とは行かないわけです。こうして彼女の話を聞きながら、頭の中では伊瀬正三(かぐや姫=この前から年齢不詳のことばかり言ってるなあ)の「なごり雪」が「覆水盆に帰らず」に続いてくるくる回り出しました。
心に迷いが生じなかったとは言いません。正直なところ、ちょっとほだされもしました。しかし、繰り返しますが、もう遅いのです。30分以上説得されても。まあ、あのまま話を聞いていたら、それこそマネージャーのイスの話まで出てきそうな勢いでしたが(それが出てきたら私も考え直したかも)。ま、それはないでしょ。
きのうの掲示板のカキコ
「日記のキーワードは遠距離恋愛と仕事の両立」
…そうだったのか。
私は別に何も企まずに日記を書いてます。頭の中で最初の数行が浮かんだらさっと書き始めます。オチは考えてません。思いつくままに楽しみながら書いてます。ともあれ、「遠距離恋愛と仕事の両立」というのは日記のキーワードと言うよりむしろ、現在の人生のテーマといても過言じゃないかと…。
今回の転職、かなり悩みました。というか、未だに悩んでいます。ここで今転職をするということは、当然ダブリンにあと年単位の期間滞在すると言うことになります。これはとりもなおさず遠距離恋愛という状況が続くと言うことです。この事態はどうしても避けたかったのですが、かといって、今すぐ彼女のところににいけるかと言えば…当然無理です。
行くだけならできますけど、やれ仕事だビザだとなると、「好きだから」という理由だけではとてもとても乗り越えられない難題にぶつかるわけでして。そうなると、「ボクたち愛し合っているから乗り越えていけるよね」なんてくさいどうしようもない考え方は、B級メロドラマの中の話でして。ということは私には選択肢が実はないのです。
で、今回転職を決める上で、自分勝手な言い草で不快に思われる方もいるかも知れませんが、「『私たち』を中心に考えるのではなく、『私』を中心に考えよう」と自分に言い聞かせました。上にも書いた通り、「好きだから」とか言う理由だけで何かことを起こそうとしても結局うまく行かないと思います。
「私たち」の視点ではなく、「私」の視点で考えれば、今回の転職は、自分にとってとてもいい経験になるだろうし、新たなる挑戦だしいいこと尽くしです。そういうふうに考えて、今回転職を決めたわけですが、「私たち」の視点では、正直なところ現状八方ふさがりです。
去年の9.11のテロの写真を編集したクリップを見たことがあるのですが、その中の写真の一枚に、プラカードを持った男の写真がありました。その男が持っていたプラカードに書かれていた文字が私の心の中に鮮烈な印象を残しています。
Hope is alive
私にできることは、この陳腐ながらも重い響きを持ったこの言葉を胸に、今しなければならないことを淡々とやっていくしかないと思っています。
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2002年02月14日(木) |
赤いバラの与える費用対効果について考える |
昨日のドイツ語のコースに行った帰り、街をボーッと歩いていると、赤いバラの花束を抱えた長身の黒人男性とすれ違った。胸に抱えたそのバラの花束がとてもきれいで、「ああ、いいなー」と素朴に思った。
すると今度は、少し化粧がケバいものの、(アイルランドのレベルにしては)高そうなジャケットを着た女性がやはりバラの花束を抱えて歩いて行く。よく見ると、結構な数の人がなぜか真っ赤なバラを抱えて歩いているのだ。
そう、今日は言わずもがなのバレンタインデー。こっちのバレンタインデーは、女性から男性へ一方的にチョコレートをあげるものではなく、双方向に花をはじめあげたいものをあげる。ついでに愛の告白(うわ、書いてて恥ずかしい言葉だな)ができる大チャンスの日でもある。そんなわけで、これから愛の告白に向かうのだろうか、それとも、愛する彼から花をもらったのだろうか、真っ赤なバラを抱えた人をたくさん見かけたわけで。
で、いちおうMausiにカードくらいは送っておこうと、数日前に某カードショップに行く。こっちでは、誕生日だ病気だ結婚だといろんな機会にカードを送る。で、カードばかりを売っている専門店が町中に結構多くある。で、店の中に入ると、店全体がまっピンク(…という言葉があるかどうかは知らんが)。バレンタインカードというカードがピンクでバレンタインカードがところ狭しと並べられているからだと気がつくまでにそれほどの時間はかからなかった。で、ここに書くには恥ずかしすぎる文面のカード(そんなカードばかりだもん)を買って送る。世間様は花だ指輪だといっているのに私は3ユーロのカードでおしまい。嗚呼素晴らしきかな遠距離恋愛(←そうじゃあないだろ)。
そういえば大昔に週刊誌かなんかで読んだけど、その昔山下達郎が竹内まりあに告白する時に、赤いポルシェかなんかに乗り、真っ赤なバラの花束を抱えてやってきて、それに竹内マリアがしびれたとかいう話を読んだような…(注:作者の記憶なんてあいまいなんであまり信用しないでください)。あの顔の山下達郎に竹内マリアがしびれるんだから、やはり赤いバラには特別な効果があるのかもしれない。ま、ポルシェにしびれたとかいう説は却下。だって、この話は世間の非モテ系の男に「赤いバラさえあればなんとかなる」という夢と希望を与える話なのだ。…話なんだってば。
コドモの頃からバレンタインはあったが、非モテ系の私にとってこの日はきらいな日だった。世の中の男はおおざっぱに3種類に分けることができるわけでして。すなわち、
(1) 合格圏内の(チョコをもらえる)男 (2) 当落線上の(チョコをもらえるかどうか分からない)男 (3) 落選の(チョコをもらえない)男
悲しいかな私はいつも第3の男でして。一度でいいから校舎の裏で女の子からチョコレートをもらってみたかった。こくられて見たかった。そんな甘い思い出が私にはない(悲)。…暗くなってきたから退散。とりあえず、困ったら赤いバラを武器として買おう。
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2002年02月12日(火) |
精神的窓際族。夢は荒野を駆け巡る。 |
お世話になった会社に辞表を出したのが昨日。外はびっくりするくらいの冬晴れのいい天気。とっても寒いのですが、あまりの天気の良さに会社の外で空をぼーっと見上げていると(やっていることはほとんど窓際社員)ダブリン空港に向けて最終の着陸体勢に入ったエアリンガスのB737が飛んで行った。会社の外からどこの会社のどの飛行機かがはっきりと見て取れる日がよくある。その飛行機を真上に見上げながら、「ああ、どこか行きたいなあ」とひとりでぼーっと考えた。
考えただけではつまらないので、インターネットで航空券を探してみた。安かった。そんな折り、私の上司の金太郎(初登場ですね。足柄山でクマに乗っていそうな顔をしたアイルランド人。おなじみの「スーパーアホバイザー」より、10倍仕事ができて、20倍話が分かるので好き。)がやってきて、「お前会社辞めるんなら、年休消化していけよ」というとてもありがたいお言葉。なんでも去年の12月と今年の1月、土曜日に働きつづけたのが3日分の休暇として消化できるそうな。うーん、金はないがどこかに行こうか…そんな気分になってきました。ぼーっと夢を見ていると、さらに私は精神的窓際族の趣に。
昨日とても残念に思ったのは、辞表提出の瞬間。「辞めないでくれ」と泣いてすがられるとは夢にも思わなかったが、少しくらい驚いてくれるかと思ってた。すると、私のサブマネージャー、まさに、「あ、そ」と何食わぬ顔で言われてしまった。まるで女性にプロポーズをするかのようにどきどきしていた私は思いきり肩透かしを食らってしまった。こんなものなのかな、と吹っ切れた気分になった。
そう、自分にとってこの3年近い時間は本当に長かったと思う。大学を卒業して初めて派遣やアルバイトではなく正社員として就いた仕事。何よりも、苦労の末にダブリンで手に入れた仕事。例えやっていた仕事自体がサルでもできるような仕事だったとはいえ、私には一方ならぬ思い入れがあった。でも、会社にして見れば、ただ単に、ひとりの社員がまた去って行く、それ以上のものではないらしい。
アイルランドは好きではないし、ここに骨を埋めるとは到底思わない。それなのにダブリンに新しい仕事を得たこの矛盾。多分、現状では一番いい選択をした(と思いたい)のだけれども、何となくの割り切れなさが残る。自分が何をしたいのか分からないままに、目の前に与えられたことを淡々とこなすうちに何時の間にか26歳になった。
数日前、久しぶりに祖母の家に電話をした。祖母の懐かしい声が響く。
「もうSnigelも25だっけ?」 「26だよ」 「26になるんでしょ」 「27になるの」 「えっ?お前早く結婚しな!」
自分がそんなことを言われる年になったことが信じられない。確かに私が小学生くらいのころ、なんの根拠もないけれど、26くらいで結婚しているような気がした。「オトナ」の年齢だった。自分が、そんな年になっていることがどうしても信じられない。
ふぅ、辞表を出して、精神的には窓際族になったことで、こんなことばかりずっと考えています。多分、誰もが考えていることなんだろうけれど。とりあえず、作者の戯れ言におつきあいくださった皆様に心から感謝致します。たまにはこういうことも書かせてね。
まさに蛇足だけど、この祖母のダンナさんつまり、じいさんも元気に健在です。このじいさん、身内びいきですが、本当に頭と人当たりが良く人に愛されているいいじいさまです。ちょいとばかしお茶目なところもありまして、数年前、どこかの家で酒に呼ばれてその帰り、酔ってチャリンコに乗って自宅に向かっていたそうな。道半ばにクランクカーブがあってじいさんそのカーブを曲がりきれずに、真っ直ぐカーブの先にある建物に突っ込んでしまったそうな。幸い、怪我をすることもなかったのですが。まあ、これだけなら何が面白いのか分からないでしょ。まあ、突っ込んだ建物がフツーの場所じゃあなかったのです。答えは久しぶりに投票ボタンに埋め込みますので押してみてくださいませ。私はこんなお茶目なじいさまが大好きです。
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2002年02月11日(月) |
お待たせしました。結果発表です。 |
洪水に見舞われて見事に30分も遅刻をした面接、まあ、たとえ雨が降ろうと槍が降ろうと面接に遅刻をするわけにはまいりません。という訳で、誠に残念ではありますが、面接の結果は…。
まあ、仕方がないですよ。自分で過去の日記に書いた通り、面接に遅刻をするなんてどんな理由があろうと論外だと思います。Riffey川が溢れたなんて単なる言い訳に過ぎませんからね。まあ、仕方がないということにしましょう。
なんて言いつつ、実は、
採用
されてたりする。で、本日
辞表
なるものを提出しました。
辞表を提出する瞬間、何となく二の足を踏みました。確かに大した仕事じゃないし、上役の人間との軋轢もあるし…。とはいえ、アイルランドではいつくばって苦労して最初に得た仕事です。感慨深くなるのも分かっていただけるのではないかと思います。辞表を提出した瞬間に、ありきたりな表現ですが、自分の中で何かが終わったのを感じました。この選択が吉と出るか凶と出るか。蓋を開けてみないと分かりませんが。
で、今後なんですが、いろいろ微妙な問題が絡んできますんで、転職の経過の逐一の報告はホントはしたいのですが差し控えさせていただきたく思います。次の会社との契約の問題とかいろいろあるのです。まあ、匿名でやっているとはいえどこでどうネタがばれるか分からないですし、とりあえず落ち着くまでは不要な面倒は避けたいので、この件に関してはしばらくノーコメントを決め込みますのでご了承くださいませ。というわけで、どこに転職するのかとか、そのテの詮索に関してはご遠慮いただけると幸いです。日記にも、今後少し歯切れの悪い部分が出てくるとは思いますが、ご理解をお願いしたく存じます。
それにしても、どういう了見で私なんかを採用したんだろう?そんなにアイルランドには人材がいないのか、それとも、履歴書でトランプをして私を引き抜いたのか。嬉しいとかいう以前にすごくギモンです。どうしても、アイリッシュを含めた20分の3に私が含まれる理由が分からない…。
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2002年02月10日(日) |
あなたの知らないアングラトーキョー |
注:今日の日記、良い子は読まない方がいいかもしれません。
数日前の日記と掲示板で、「車を買いたい」などとほざいたことをご記憶でしょうか。やはり車を買った人は少ないのか、情報の集まりはいまいち…というか反応がありません。ゆいいつ、うちの同居人ひでかすが、「この雑誌に日本の輸出代行業者の広告が載っているよ」と持ってきてくれたのが、かなり昔の「メトロポリス」という雑誌。
おそらくたいがいの人は「なにそれ?」といわれるに違いない。この雑誌、東京に住むガイジン向けの無料の英語で書かれた雑誌。私は見たことがないのだが、金曜日の朝早くに、地下鉄の駅を含むガイジンが集まりそうな場所を選んで都内各地いっせいに配られて、あっという間に3万5千部が消えるらしい。なかなか謎めいている。
で、何気なく中を覗いてみると、まずは背の高い「いかにも」という感じのガイジンさんたちのファッション雑誌の趣。すべて英語で書かれており、本当にこれが日本で配られているのか疑わしくなってくる。さらにぱらぱらめくると、催し物の案内や、いろんな広告が出てきて、その合間に記事、で最後の方にTokyo Classfiedという3行広告のページが最後の16ページ、全体の4分の1を占めている。で、この3行広告を何気なく見て、私は唖然としてしまった。その内容のすごいことすごいこと…。ちょっと転載します(さすがにまんまはまずいだろうから、多少変えてます)
Free Japanese lessons and safe sex can be enjoyed with a group of gentle, educated Japanese males who seek woman, 20s to early 30s, of any nationality. No promiscuous or swap parties.
Canadian male model seeks sex friend. I'm good looking, clean, no decease, no fat, have some muscles, all my hair and am funny and nice.
ええと、はっきり言ってこの二つなんてまるでおとなしい方です。こんな広告が目が痛くなるような小さな活字でえんえん続いているわけです。うーん、これはまさに私の知らない東京。だいたい、「日本語のレッスンとセックスをセット」という発想が…うーん、私のコメントなんか無意味だろうから省略。二つ目の広告、「all my hair」ってなんやねん?
これ以外にも多く見かけたのが、
「旧ソ連バルト三国ベラルーシ、ウクライナの女性と結婚しませんか。あなたでも必ずできます」
なんて感じの「いらんお世話や!」という広告。挙げ句には、
「マジックマッシュルーム 1g \500」
という店の広告(しかも地図付)に至るまで。私はドラッグには詳しくないのでこれが合法かどうかは知りませんが、これだけを見ていると、間違いなく東京という街を誤解します。…というか、私が知らないだけで、これって多分東京の別の顔なんだろうなあ。
そんな話を日本に数年住んだことのあるアイルランド人にしたら彼は、
「うーん、東京は本当に広くて孤独な街だからねえ」
と、アンルイスの六本木心中(という歌の歌詞)のようなことをおっしゃる(←またそういうオヤジくさいことを言う)。このメトロポリスという雑誌に興味のある方、www.metropolis.co.jp というページがあるようですので一応紹介しておきます(でもリンクを貼る気にはならないので自分でコピー&ペーストしてくださいませ)。が、この雑誌そのもののインパクトはこのホームページには感じられませんでした。はい。欲しい人は、金曜日の朝、ガイジンが行きそうな場所(アイリッシュパブとか)に行ってみてくださいませ。
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2002年02月09日(土) |
とても誠意を感じた航空会社からの手紙 |
実は先週の話になるのですが、ブリティッシュミッドランドからお返事が来ました。去年の暮れにドイツに行った際に、ヒコーキは遅れ、接続のヒコーキは逃す(実はキャンセルされてたんだけど)、行きも帰りも荷物は無くなる、傷つけられる…とまあ、散々な目にあったのだ。反面、ホテルを手配してくれたり、スーツケースをその場で弁償してくれたりと、とても誠意ある対応をしてくれたのでそんなに怒ってはなかった。
が、まあ、ちょっとあんまりといえばあんまりだったので、ブリティッシュミッドランドに抗議の手紙を書いたのだ。で、手紙を書いた1週間後に「手紙を受け取りました。返事を書きます」という葉書が来て、その2週間後にちゃんとした手紙が届いた次第。で、この手紙、私は素朴に感動致しました。ちょっと人の手紙を読み違え(わざとかな?)してたりするのですが、その内容たるや、ただのコピー&ペーストメールではなく、ちゃんと書いてくれており、ものすごく誠意を感じました。
航空会社に抗議の手紙を書いたのはこれが二回目。一度目は、やはりフライトがキャンセルになったエアフランス。ちょうど一年前の今ごろの話なのだが、未だに返事は来ていない。シャルル・ド・ゴール空港のカウンターの対応の悪さに本気で殺意を抱き、それ以来「例えタダでもエアフランスには乗らない」と決めて、実際、いくらか余計にお金を出してでも他社に乗っている。
それにひきかえ、ブリティッシュミッドランドは現場でのホテル手配などの対応と、今回の手紙で、例え少しくらい高くてもまた乗りたい航空会社になりました。私が毎日チェックしている「電気売場店員のクレーム日誌」のEach Timeさんがおっしゃるとおり、「クレームは固定客をつかむチャンスだ」というのは本当だなあと思いました。
…と、まあここまで書いたらブリティッシュミッドランドから来た手紙を読みたくなるでしょ?はい。こちらに上げておきました。ただし、A4の紙2枚を.jpg画像として上げているので少し重いです。お暇な方のみクリックしてやってくださいませ。
PS ブリティッシュミッドランドさん、300ユーロしか払ってない客に、90ユーロもホテル代とバス代出して、壊れた荷物を40ユーロで弁償して、遅れた荷物をタクシーで配達して(特にドイツは空港から70キロも離れていると来たもんだ)挙げ句に90ユーロもバウチャー出して…税金まで考えると大赤字ですね。まあ、また乗りますから、その時はよろしく。
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2002年02月08日(金) |
人生の縮図?洪水に見舞われた就職の大事な大事な面接の日(後編) |
昨日の日記の続きです。お読みでない方はまずは昨日の日記からどうぞ。
で、冠水した区間を抜けたHeuston駅の前でバスを降りた私。Heuston駅に向かい走りつつ、タクシーを捜す。去年の今ごろ大もめをして倍増されたはずのタクシー。普段はうじゃうじゃ見かけるのに必要な時に限って見つからない。今日も確かにタクシーは走っているものの、空車のタクシーは全く見つからず。
就職の面接の時、何はともあれきちんとした身なりをしていること、そして時間を厳守することは面接以前の問題でして。これが守れないような人間は、門前払いを食らったって文句は言えないと思う。で、時刻は2時30分。指定された時間前に到着することを考えれば、もう遅いくらい。せっかくいい条件の面接だったのに…と頭の中には諦めも漂うがまだ諦めるには早すぎる。
で、通りの反対側を見ると、ちょうど進行方向に向かってタクシーがお客を降ろしている。これはチャンスとばかり、飛び出し御免、通りを渡りそのままタクシーの助手席に乗り込む(注:「自動ドア」なんて日本くらいのものじゃないかと思います)。タクシーの運ちゃんに一言
「さあ、行くよ!」
で、タクシーに乗り、行き先を説明。面接まであと30分しかないことを冗談めかしつつも告げると運ちゃん
「XXまであと30分?大丈夫だよ。間に合うよ」
と優しい一言。「た、助かったー」
…と一瞬でも思った私がチンパンジーだった。自分がこのホムペで「アイルランド人の言う『大丈夫』はちっとも大丈夫じゃない」と言い続けてきたのだった。確かに最初の2分はタクシーは走った。しかし、すぐに再び大渋滞に巻き込まれる。
「こんなところが混むなんて。タクシーの運転手何年もやってきたけど初めてだね」
アイルランド、たぶんひいてはヨーロッパ全体に言えることだろうと思うが、こちらには「渋滞抜け道」というものがほとんど存在しない。生活道路は通過車両の進入を防ぐためにあちこちでわざと寸断され、結局表通りを走らざるを得ないように設計されている。で、せっかくタクシーに乗ったものの、結局は渋滞の中。どうやらこの異常気象がダブリンじゅうをパニックに陥れているらしい。ラジオが大騒ぎしている。
タクシーは動きもしないのにメーターだけはしっかり上がっていく。この時点で2時45分。残りの距離と道路状況から考えて遅刻は確定。仕方がないのでリクルートメントエージェンシーに連絡。
「いまどこ?まだそんなとこ?」
…こっちだってタクシーに乗ったり必死でやってるよ!
「…分かった。とりあえず先方には連絡しておくから」
で、タクシーが渋滞を抜け、見たことも聞いたこともないところにある某社のオフィスについたのは午後3時25分。25分の遅刻。…だめだこりゃ。
で、オフィスのドアを恐る恐る開けると、そこには受付も何もなく…。ただ、ドアにいちばん近い席に座っていたおばさんが私を見て目を丸くして…
「あんた来たの?」
聞けばこの前代未聞の大雨のせいでダブリン・ひいてはアイルランド全域で大騒ぎになっていたそうな。一部地区では停電などの被害も出ており、それから道路の冠水などもあるとラジオ等で大騒ぎをしていたそうな(証拠)。
で、この大遅刻にもかかわらず何やらマネージャー用の小部屋に案内された私。ふっと気がついたが、面接用に考えておいた問答集、この騒動で頭の中からスッコーンと抜け落ちてしまっている。
そこに、マネージャーとその手下らしき女性2人登場。まず最初の言葉
「今日はもう来なくていいってリクルートメントエージェンシーに言ったんだけど…ホントによく来たわね」
…そんな人の苦労を無にするような発言を。一気に脱力。
私は何はともあれ常識として遅れたことを丁寧にわび、それからずっと書いてきた今日の洪水の体験を話す。面接官二人、面接を忘れてしまったかのように床で笑い転げている。で、気がつけば、面接なんだか雑談なんだか分かんないうちに30分以上が経過していた。何せ緊張している余裕がなく、しかも、面接の最初でいきなり笑い話で「つかみ」を取ってしまったので、完全に私のペース。ただ、考えてみれば、こんなの面接とは言えないぞ。パブでの雑談以外の何者でもなかった。
で、マネージャーさん
「とりあえず、かなりたくさんの人を面接しなくてはならないので、結果は来週リクルートメントエージェンシーを通じて発表します」
ということで退散。
ちなみに帰りも大変。Clontarf地区の一部がやはり冠水してしまったらしく、道路はまさにパニック状態。バスは全然動かないが、もう時間に押されているわけでもなく、本に夢中になっているうちに家に到着。2時間近くかかった気がするが、まあいい。
で、気になる面接の結果ですが、まあ、これについては後日発表ということで。採用だろうと不採用だろうときちんと報告しますので(約束)。ちなみに20人弱が受けて採用は3人とかいう狭き門のようです。ハイ。
日記才人の投票ボタンです
2002年02月07日(木) |
ちょいと教えてくれると嬉しい… |
ちょいとアイルランド・海外にお住まいの方に質問です。
全く脈略がないのですが、車をゲットしようと思っています。で、海外特にアイルランドで万が一車を日本から輸入したと言う方、大変恐れ入りますが、メールまたは掲示板でお知らせ願えればと思います。いったいどうやったら送れるのか想像もつきませんが、ウワサでは過去に日本から個人で自分の車を持ってきたつわものがいるとか…。
さらに、アイルランドで車を買った方の情報も募集。どこでどうやって買われましたか?また、帰国予定等で車を売ろうとお考えの方、こちらもお知らせくださいませ。
以上、作者からのお願いでした。なお、昨日の続きの日記はこちら時間の明日の午後までに更新するよう努力しますです。 *
2002年02月06日(水) |
人生の縮図?洪水に見舞われた就職の大事な大事な面接の日(前編) |
日記を毎日チェックされているありがたい常連さんはご存知でしょうが、先週の金曜日、私は仕事を休みました。実は就職の面接なるものがあったのだ。そう、日記には一切書いてきませんでしたが、「Snigel転職プロジェクト」が水面下で着々と進行しているのです。
で、紆余曲折の末、ようやく辿り着いた某社の最終面接。先方の会社と私の間を取り持ってくれたリクルートメントエージェンシーの「Snigelは仕事もあるだろうから面接は都合のいい日でいいよ、と先方が言っているよ」というお言葉に甘え、一番休みが取りやすい金曜日の午後3時に面接をお願いした。それが今にして思えば悲劇の始まりでした。
で、金曜日。「最終面接に行く前にちょっと会おうよ」というリクルートエージェンシーの兄ちゃんとStephens Green近くにある彼の事務所で会うことに。私は、「街から面接先の会社まで大方バスで30分というところだろうから、1時30分に街でバスに乗れば、余裕を持って面接に臨めるだろう」と踏んで、12時30分という時間を指定したのでした。
この日は前の晩からの激しい雨と風が止まないまま。「まあ、よりによってこんな日に面接なんて自分の今後の人生を暗示しているなあ」なんて考えつつ、久々にスーツに袖を通す。
で、家を出て、Stephens Green近くにあるリクルートメントエージェンシーに着く頃には、案の定スーツのズボンの裾は雨でびしょびしょ。担当の兄ちゃんとちょっとした話をして、面接に遅れないようにと早々とおいとまして、午後1時30分前にはAston QuayのVirgin Megastoreの前のバス停に来た。
Liffey川沿いにあるN4(国道4号線)、川の北側は上り、川の南側は下りで片側2-3車線ある。で、ダブリン港からアイルランドの西部・南部に向かう車は、北に大回りしない限りすべてここを通ることになるのでいつも混んでいる。トラックからの排気ガスなんかもひどい。
で、この日も当然混んでいたんだけど、その混み方が尋常ではないのだ。全く車が動いていない。「まあ、事故でもあったんだべえ」なんて思っているとバスレーンを巧みに使ってバスが到着。乗り込む。
乗り込んだバスはダブリンにしては珍しく2階建てではないふつうのバス。バスは立ち客が出るくらい混んでいる。バスに乗りふとLiffey川を見ると…わ、増水してる。
Millenium橋からO'Conneel橋まで最近川の上に川に沿って橋を架け遊歩道にしているのだが、その遊歩道が水没してる。で、1メートルくらいあると思われる堤防ぎりぎりまで水位が上がっている。まあ、この時点で、この水位とこの渋滞が関係しているなんて夢にも思わなかったけど。
で、N4が河原を離れるHeuston駅までおよそ2.5キロ。駅まであと500メートルの地点までの所要時間は何と50分。つまり時刻は2時20分。普段なら10分とかから内と思われるこの区間の渋滞。歩いてもこんなにはかからない。この時点で3時の面接に遅れる可能性があることを予知した私はとりあえずリクルートメントエージェンシーに電話。やはりケータイはこういう時に便利。すると、担当の兄ちゃんは、
「15分前になったらどこにいるか知らせて。それにしてもなんでそんなに渋滞しているの?」 「こっちが聞きたいがな!」
で、その兄ちゃんの質問への答えはその後すぐに分かりました。Heuston駅まであと500メートルの地点の橋のたもとにGarda(警察)と書かれたジープが止まって道路を封鎖しています。ついでに消防車まで来ています。
「だれかがこの増水した川に飛び込んだのか!」
ととっさに思います。バスの中の乗客全員が身を乗り出して右側の川を見つめます。
バスの運ちゃんが左折しようとしたところ、警察官が「真っ直ぐ行け」と手で指示。どうやらバスだけは通行止めの規制対象外のようです。
何にせよ、このままばか面をしてバスに乗っていては面接に遅刻しますので運ちゃんに頼んで降ろしてもらうことにしました。で、運転席の方に歩いていくと…そこには信じられない光景が。
Heuston駅の近くの河原は南側がギネスの工場なので、その高い塀以外は何もありません。ちょうど府中刑務所の外側を歩いているような感覚になります。で、今まで気にも留めなかったのですが、その関係でか、道路が他のところよりも若干低いようなのです。もうお分かりですね、道路が冠水していたのです。
で、バスのフロントガラスから見るこの風景は圧巻でした。どうしてカメラを持っていないのか悔やまれました。川沿いに縦列駐車した車はみんなボンネットまで完全に水没しています。
で、バスはその水没した道路の手前で立ち往生。運ちゃんに「降ろして」と言うと、「ここじゃなんだからHeuston駅で降ろしてあげるよ」と一言。ま、あんたが正しい。こんなとこでお客を降ろせるわけがない。
で、バスが意を決したように水没した道路に入っていきます。バスが立てた波が縦列駐車をしてお気の毒に水没した車を洗い、それだけでなくその波のおかげで車がふわっと浮かび、前後の車にぶつかります。
…車って浮くんだ…
この日の新発見でした。で、そんなバカなことを考えていると次の瞬間に更に信じられないことが起こったのです。
バスの中まで浸水してきたーーー!
そう、地面より2段高いバスの車内の床まで水が来たのです。運転手は運転席脇でばか面をしてたっていた私に向かい
「下がってろ」
と一言。確かにこのバス、後ろに向かってだんだん床が高くなっています。まあ、浸水した量は多分高さにして1センチ程度でしたが、見せたかった…バスの中の乗客がみんなで足を上げているマヌケな光景を…。
バスはそろりそろりと水没地点を進みます。これでエンジンが止まった日にはレスキュー隊のお世話になりそうです。まあ、何とかバスは止まらずに何とか水没地点を通過。私が煽るつもりで拍手をするとバスの中は拍手喝采。
そんなバカなことをやっている場合じゃありません。すっかり忘れかけていましたが、私は面接に行く途中なのです。どうせブレーキが利かなくなり立ち往生するに決まっているバスに早々と見切りをつけて私はHeuston駅でバスを降りました。
時刻は2時30分。面接まであと30分。さあ、Snigelは面接に間に合うのか?後半に続く。
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2002年02月05日(火) |
日本人として誇れること…暗算力の高さ |
さてさて、どうやら明日は先週の金曜日の「大ネタ」を含め、大ニュースを発表できそうです。ちょっと今日はまだ書けないのでもう少し待ってください(…引っ張りたい放題引っ張ってるなあ)。
私が日本人として誇れることの一つは「計算力」です。確かに「やってて良かった公文式」で、その昔算数は得意だった(でも高校の時に数学の授業をボイコットしてそれ以来駄目になった)のですが、まあそれを引き算に入れても、日本人の計算力の高さは称賛に値すると思います。
割に多くの人がご存知とは思いますが、こっちの人はお釣の計算を足し算でします。例えば140円の買物をして500円払った場合、日本人は500-140=360で360円のお釣と計算しますよね。こっちの人は、
「商品が140円で、50円、10円で200円。あと100円3枚で500円」
と足し算をするわけです。
で、今日の夕方郵便局に行き、41セントの切手10枚と、2.5ユーロのロト1枚を買いました。簡単です。0.41x10+2.5=6.6 計6.6ユーロですよね。この計算が郵便局のおばさんにはできない。このおばさんの場合、
「まず切手代をちょうだい。5ユーロと10セントコインある?」
で、私が合計の6.6ユーロを出すと、
「私は5ユーロ10セントちょうだいって言ったのよ!」
とひとりで怒っている。…こういうふうに少しでも自分の想定したシナリオと違うことをされるとパニくるのがアイルランド人の特徴だと思うのですが…。それにしても、もう少し応用力をつけてくれ。
そうかと思えばうちのマネージャーさん。キツネ目のドイツ人女性なのだが、彼女のもとに、例のパーティの予算を承認してもらうべく彼女の小部屋を訪ねた。
で、私は、
「某所の食事と1ドリンクを含む入場料25ユーロx40人で1000ユーロ。それからもう1ドリンクが別料金で4.5ユーロx40人で180ユーロ。計1180ユーロになります。予算内ですので問題ないと思いますが…」
と言ったところ、計算機で
「25x40+4.5x40=1180、それから1180÷40=29.5。ああ、ひとり29.5ユーロね」
…おい、どうしてそんな複雑な計算をしなくてはいかんのだ?25+4.5でいいじゃないか?
と心の中で思った。無論命が惜しいから口には出さなかったけど。
で、何だかんだで企画を練ったパーティですが、結局、某コメディショーに確定しました。この企画、大体の人に喜んでもらえたのですが、Howthに住むアイルランド女性から、
「私、そんな品のないところに行かない!」
とボイコットされてしまいました。まあ、みんながみんなを喜ばせることは不可能なんでしょうが、…アイルランド人に嫌われるアイリッシュジョークって何?と考えてしまいました。
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2002年02月04日(月) |
学生必見。物理のテストで0点を免れる方法 |
このページの古い読者さんならご記憶にあるかもしれませんが、私は去年の夏、「ドイツ語夏季集中コース」なるものを酔狂に受講し、仕事の後に毎日4時間、3週間にわたってドイツ語の集中レッスンを受けたことがありました。で、それっきりになっていたのですが、これじゃあいかんというわけで、月曜日から再びドイツ語のコースに通い始めました。今回は週に2回、1回2時間と前回3週間で終わらせた半年分の内容を今回は半年かけてゆっくり終わらせようという計画。言うまでもなく、前回の続きです。
で、久しぶりにFitzsimons Squareにある学校の教室へ。行ってみると、クラスにいる10人弱の生徒のほとんどは昨年9月に始まったコースからそのまま受講を続けている模様。つまり、私は転校生状態。
転校生状態なのはいいとして、何だか先生、ドイツ語で言うとそれに対し生徒は何の苦なくドイツ語で答えている。
コース間違えたんじゃあないだろうか?
そんな不安を打ち消すように、私が持っているテキストから講義を始める先生。…やば、いきなり落ちこぼれ状態。まあ、「こんなコース簡単すぎる」と思うよりいいんだろうけどねえ…。
で、久しぶりに学校なんかに行ったせいか、自分が塾の先生をしている夢を見た。ちなみに学生時代に場末の個人経営塾で塾の先生なぞをやっていた経験がある。で、教室なんか狭くて生徒も少ないのに、大きな声を出して授業してたなあ。…で、よく声がかれていた。
で、夢の中で声がかれてきたなあ、喉が痛いなあと思ったら、目が覚めた。…風邪をひいて喉が痛かった。
ちなみに、塾の先生になりたかった時期があった。なぜ学校の先生ではないかと言えば理由は簡単で、中学そして特に高校の時に学校という名の監獄にとことん嫌気が差したから。学校が本気で嫌いだった。まあ、この話をすれば長いから書かないのだけど、私の通っていたイナカの学校、所詮片田舎の学校に過ぎないのに、やれ進学率がいいだの何だので毎日7時間の授業などをやっていた。で、私はとある事件を契機に全く学校の勉強をやめてしまった。その代わり、塾の勉強だけはしっかりやって、何とか某私大に滑り込んだ。
そんな高校時代の小話の一つ。理科に全く興味のない私は特に物理など全く興味がなかった。しかも高校一年の時に物理を選択せねばならず、さらに悪いことにはこの物理の教諭はただ黒板にぶつぶつ言っているだけ。で、私は当然何も聞いていない。
季節は流れ期末試験がやってきた。全く勉強をしないで臨んだ試験。案の定何も分からない。特に物理の試験はなんとかキログラム重とか良くは知らんがやたらと難しい単位をつけたがる。その単位が何になるかとんと想像がつかない。で、仕方がないので、25問くらいあった問題のすべての答えを
0(ゼロ)
にして提出した。すると、おそらくサービス問題だったのだろう
「ボールを投げ上げた時、最高点にあるボールの速度は何か」
とかいう問題があり、見事に0点だけは免れましたとさ。で、科学の方で若干の点を稼ぎ、赤点だけは免れたという実話があります。これ以外にも、とにかく学校の試験は一切無視しておりまして、しまいにゃあ学年末試験で進学コース90人中89番(ブービー賞とも言う)という香ばしい記録を残し、進学コースから追い出されましたとさ。それでいて、業者テストはいつでもかなり上の方だったのだから本気で嫌な生徒だったと思います。ま、過去の話ですけどね。
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2002年02月02日(土) |
アイルランドのパブの前に立ちはばかるBouncerに対する傾向と対策 |
週末です。まあ、飲みに行ったりいろいろです。今回は、ダブリン一の高級デパートBrown Thomasの裏手にあるAkaというパブに行ってきました。
まずはこの日聞いた信じられない笑い話を一つ。本人いわく「知人から聞いた絶対に実話」だそうで、私も「さもありなん」という気がします。
場所は夏の暑い盛りのドイツ。とある女の子(話し手の友人)が彼と一緒に新しいアパートに移ったそうな。新しいアパートはまあこっちでよく見かける半地下室のアパート。つまり、窓が地面の高さくらいの位置にあるのだ。で、暑い盛りのこと、窓を閉めずにブラインドだけ下ろして過ごしていたそうな。
で、夜が更けて、若い二人は恥じらいなど足蹴にして電気を点けたまま夜の生活(←(C)桂三枝)へと突入。で、ことを終えて二人はお幸せに眠りについたそうな。
で、翌朝、ブラインドを開けてみると…なんだと思います?彼女は窓の外に何かを発見して凍り付いてしまいます。そこにあったもの…
20マルク札(1200円くらい相当だと思う)が干してあった。
どういうことか分からない方へ。一言で言えば、田代●●しが昨夜窓の向こうにいて、ことを干渉した彼が彼がお金を置いていったんですね。タダで覗きはしないというドイツらしいといえばドイツらしい話なんですが…(それもちょっと違う気がする)。まあ、このあと、「夜の生活の時に電気はつけるのか」だの、「彼らの夜の生活は20マルクの価値しかないのか」というような真剣かつ白熱した会話が繰り広げられたことは言うまでもないかと…。
でもって、そんなバカなことを話していると、私のケータイが珍しく鳴る。声の主はどうも今日参加するはずの会社で隣りの席の陽気なイタリア人のようなのだが、なにせこのパブは地下でしかもうるさい。何も聞こえない。で、仕方なく、階段を上って外へ走って行くと、なぜか電話をかけている本人がそこにいる。で、彼の前にはでんとbouncerが立っている。
多分この日記には初登場の言葉bouncer。何となく柔軟仕上げ材を思い浮かべそうですが、それはあながち間違ってません。パブやナイトクラブの入口に立って怪しいお客の入店を拒否したり、問題行動を起こしたやつをつまみ出すのがお仕事。まあ、用心棒でいてくれるとありがたい…なんて考える人はダブリンに来たことのない人だと思う。まあ、この人たち、とにかく、いろんなへ理屈をつけて人の入店を拒否しようとする。やれ、
「23歳以上じゃないとダメ」
だとか
「ジーンズだからダメ」
だとか
「荷物が大きいからダメ」
だとか、果ては
「白い靴下を履いてるからダメ」
に至るまで、まあ、いろんなへ理屈を持ち出してくる。まあ、これがへ理屈なのは火を見るより明らかで、「23歳未満はダメ」と言ったかと思えば、その次に行ったら「21歳未満はダメ」と言ったり、一貫性がないのです。で、最近は年を取った落ち着いてきたせいか文句を言われることはほとんどなくなったのですが、語学学校に通ってた頃はこいつらのいい餌食になってました。
で、話は土曜日へ戻る。この、会社で私の隣りに座るイタリア人、タイヤのミシェランのキャラクターのようなおなかが妙にかわいいローマ出身の男。彼と彼女が一緒にやってきたのだが、なぜか彼は被攻撃誘発性があるらしく(早い話がいじめられっ子)いつもパブに入るのに苦労する。今日はどんな居ちゃもんをつけられたのかと、とりあえず彼の前に立ちふさがるBouncerに話しかける。
私:「なにか問題でも?」 男:「今日は『常連さんのみ』」(←やたらえらそげ) 私:「ってことは何ですか。私たちが常連じゃあないと言うわけ?」 男:「ここには2年働いてるけど、あんたたちを見たことなんかないね」 私:「おれもねえよ」
私がこのパブに着いた時このバカBouncerは居なかった。つまり、夜だけ働いていると思われるわけで…。
私:「おれらさあ、いつも昼間来るからあんたを見たことないんだけど…」 男:「昼間っていつ?」 私:「うーんと、朝7時に働き始めるから(←よくこんなウソがしゃあしゃあと出てくるもんだ)、夕方の4時から5時かなあ」 男:「そんな時間開いてねえよ」 私:「うそつけい(←と言いつつウソがばれたかと思いちょっとあせってる)。いつも開いてるよ。じゃあ何時に開くの?」 男:「4時」 私:「だから4時っていってるじゃん!!!」 男:「わかった。はいんな」
というわけで、大ウソの技ありで私の勝ち。パブに入れない十嘆きの語学留学中の皆さん。諦めないで話してみましょう。何とかなる時の方が多いです。で、帰るときは、下出に出て相手の名前を聞いて握手をしときましょう。次回問題なく入れてくれます。経験者は語るのです。
PS 実は、金曜日はとんでもない日だった。ちょっと今は書けない内容なので、多分今週末には書けるのではないかと思います。久々の大ネタですので乞うご期待。
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