なべて世はこともなし
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|アイルランド真実紀行へ
2002年01月31日(木) |
コンタクトレンズが破れた!目の中に破片が残った!さあどうする? |
スーパーアホバイザーのあまりのアホぶりに頭に来て早退してしまいました。…もちろんほかにも理由があってのことなのですが。その理由はコンタクトレンズ。昨日、使い捨てレンズを装着しようとしたところ入らない。目に入れたものの入らない。で、レンズをよく見ると、わ!破れてる。で、普通のハードレンズを入れて出かけたのだが、今日になってやたらと目がごろごろすることに気がついた。もうお気づきですね。使い捨てレンズの破片が右目に残ったままになっていたのです。
とはいえ何かゴミが入っているような気はするものの、意識しないと痛みも不快感も感じない。だからもしかしたらただ単に、目に傷を入れただけなのかなあと思ったものの、まあ、目のことだから念のためと思って眼科に行こうと思ったわけ。
ん?眼科…そんなもんどこにあったっけ?そう言えば、この国で、眼科って見たことないなあ。まあ仕方がないから、そのコンタクトレンズを買ったGrafton StreetのSpecsaversというメガネ屋に行った。
で、受付で一通りの事情を説明すると、受けつけのおねえさんは私のカルテを持ってきて、しばらく待合室で待つように言われる。おねえさんは友好的で優しい。
で、待つこと20分(かそれ以下)、ようやく「Snigelさんどうぞー」と呼ばれる。中にいるのは若い女医さん。で、事情を説明すると、まず目の検査。「上見て。右見て」と言われるままにしていると突然おねえさんが私の目に指を突っ込んできた(もちろんそんな乱暴にじゃないよ)。で、
「取れた!」
と見せてくれたのは小指の爪の半分の大きさはあると思われる大きなレンズの破片。
「目に傷もついてないみたいだし、明日から普通にレンズをしていいよ」と言われそのまま退散。
レジに行くと、レジのおねえさん
おねえさん:「どうしたの?」
…どうしたのって、レジに誰か来たらフツー金を払おうと思っているんでしょうに。
私:「あの、お金、払いたいんですけど。払いたくないけど払わん訳にはいかんだろうが、ボケッ」 おねえさん:「目の検査?」 私:「そうじゃなくて、かくかくしかじかでレンズの破片を取ってもらったんでけど…」
まあ、20ユーロは覚悟かなと思っていた私の耳におねえさんの次の言葉は信じられなかった。
おねえさん:「ああ、それならタダでいいわよ」 私:「いいんですか?いやー悪いねえ」
と言いつつスキップ踏み踏み退散。タダは予測外だったなー。
で、この話を友人にしたらこんなことを言われた。
「まあ、仮にそのレンズで目に傷でも入っていたらそれこそ裁判沙汰になっていたんだから、まあタダは当然じゃあないかな」
…そんなもんっすかねえ。私はただでしてくれたというその事実に素朴に感謝しているのですが。
いずれにせよ、コンタクトレンズを扱う時は爪を短く切りましょう。今、伸びきっていた爪を切りました。
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2002年01月29日(火) |
ITスペシャリストのとってもトホホな問題解決法 |
「優雅なお金の使い方」と読者さんにご指摘を受けた歯科矯正の話。昨日紹介された矯正歯科に電話をかけてみました。たらい回しにされた挙げ句に、「センセイの秘書がいない」ということで、「今日中に折り返し電話します」ということになった。秘書って、別に政治家のセンセイに電話をかけたわけじゃあないんですが…。
それが昨日の話で、電話がかかってきたのが今日。まあ、電話が一日遅れとはいえかかってきただけマシというふうに思おう。で、電話先のおねえさんとおばさんの境界にいると思われる女性、わたしのジョークにも付き合わず一方的に、
「じゃあ、4/17の朝10時30分に来てください。その時に技術的・金銭的な話をして、それでするかどうか決めてください。いいですか4/17の朝10時30分ですよ。費用は60ユーロです。ガチャ」
「2005年の4/17ですか」(←これがわたしのギャグの限界)とボケる間もなく電話を切られてしまった。だいたい4/17ってなに?ほぼ3ヵ月も先じゃあないか。やはり歯科矯正のセンセイではなく、痔民党の大物代議士にアポを取ったに違いない。いずれにせよ3ヵ月も先の話、絶対にアポを忘れる自信がある。とりあえず、3ヵ月もあるから矯正するかどうかゆっくり考えよう。ついでに忘れてしまおう。
話は突然変わるのですが(いつものこと)、ちょっと今日仕事中にコンピュータが出してきたデータがおかしなことになっていることに気がついた。まあ、詳細を説明しても仕方がないからはしょるけど(とかいいつつ実は分かっていないから書けなかったりするのだが…)、とにかく、必要なデータが取り出せなくなったのだ。
で、誰に聞いても埒があかないから、仕方なくITチームの大御所(女性・新婚←関係ないか)のところに話を聞きに行った。
で、うちのシステムにたとえばA30abcdというファイル名のデータが欲しい場合、A30abcdと打ち込めばそのデータが取り出せる。ところがそれが出来ないのが今日の問題でして。で、彼女のところに行くと、彼女はまず、「A30abcd」とデータをマニュアル通り打ち込んでみる。うまく行かない。次の瞬間彼女はどうしたと思います?なんとすべてのデータを呼び出して「A01aaaa」から順番にスクロールダウンを始めたわけです。
分かりづらい?要はね、pencilという単語を辞書でひくのに、Aから順番に一字一字呼び出しては実行ボタンを押してpencilまでたどり着こうというわけ。で、私はシステム上の総ファイル数をみて呆然とした。そこには9万のファイルが存在しているのだ。つまり、A30abcdというデータにたどり着くまでに、最大9万回エンターキーを押さねばならないわけで…。
結局彼女、30分かけて、約15000回エンターキーを押したところでダウンしました(そこまでやったんです。すごいでしょ)。その間私は彼女のエンターキーを押す指先を見ていただけ。
…この会社が異常なのでしょうか。それとも、アイルランド全体でITのレベルってこんなもんなの?IT革命をイット革命と言ったとか言わないとかのどこぞの国の前総理大臣をバカにすることはとてもできそうにありません。
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2002年01月28日(月) |
アイルランドと日本のパーティ(コンパ)の違いについて考える |
雨風拭く中の通勤ほどブルーになるものはありません。向かい風の中顔に容赦なく降りかかる冷たい雨の中必死にチャリのペダルをこいで通勤。で、しばらくしてからっと晴れたりなんかされた日には…(はあぁぁぁぁぁぁ)。
今日はちょっと体調がよろしくありません。原因は簡単でして…自業自得。昨日「タイカレー」なるものを作ったのですが、これが辛い辛い。辛いものはダメなくせに辛いものを作る大バカ。で、よくかみもせずに飲み込んで気分が悪くなる。
で、昼は何か軽いものを…と思って社員食堂に行くとそこにはタイカレーが…。選択の余地なし。で、今晩も昨日の残りのタイカレーを消費しなくてはならない(残せない性格)。もしかすると、ひでかすが勝手に食べてくれたかなー、などと期待するのですが…。
で、1/18の日記で紹介した通り、私は会社内のパーティの幹事を仰せつかっております。今日は割にヒマだったので、いろんなところに電話をかけまくりました。いやー、この国でのパーティにかかる費用が分かってきました。例えば…
ボーリング場…団体割引なし。1ゲーム5ユーロ(1ユーロは現在115円くらいだそうです)。日本と同じかむしろ高いくらい。ただし、臭い貸し靴はタダ。
会社からボーリング場までのバスの貸切(片道約5キロ)…片道160ユーロ、往復290ユーロ。タクシーの方が安くないか?
パブ…基本的に場所代はタダ。食べ物は一人2ユーロくらいから(揚げ物のつまみ程度を)用意できるらしい。
ホテル…50人程度収容の部屋をDJつきで借りると650ユーロ。食べ物飲み物含まず。…ちょっと予算内では収まらない。
てなわけで、だいぶ見えてきました。まあ、ボーリングに行って、そのあとパブかなあと。
…考えてみたら順序が逆なだけでやっていることは日本と変わらんやんけ!
だいたい、ダブリンにはまともなエンターテイメントというものがない。考えてみると、都内に無数にある遊園地(好きなんだな、これが♪)、ヨーロッパ内を探しても、多分パリのディズニーランド以外には、ウィーンにあるのを確認しているものの、…他にあったっけ?
水族館はBray(市内から南へ20キロ)に、うちの読者さんをして公衆トイレに間違われたしょぼいのがあるだけ。
動物園は…そういえばあるなあ。ひとつ。行く気はしないけど。
とにかく、出かけるとなると、パブとナイトクラブ。よほどウィックロウ山の中でハイキングをするのが好きとでも言わない限り、あまりに思いつくものがなさ過ぎる。
で、結局、何かを企画するにせよ、上に書いた、実は2年前にやったことと同じようのなことしか思いつかないわけで。ま、せめてもの救いは、この会社に2年も勤めている大バカは私くらいでその事実に誰も気がついてないことかな。…いかん、最後に自分で自爆してしまった。
とりあえず、あと1ヵ月近く、悩みは尽きそうにありません。
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2002年01月26日(土) |
ついに殺人事件発生。失速するアイルランド経済と加速する人種差別 |
ちょっと今日は珍しく、眉間にしわを寄せて話すような深刻な話です。
今週の月曜日、29歳の中国人男性がダブリン市内で10代の複数の男に頭を金属で殴られるなどの暴行を受け意識不明の重体に。で、集中治療室での治療も空しく金曜日にこの男性亡くなってしまった。で、これがニュースになり、「人種差別が原因での殺人事件の可能性」なんて報じられたものだからさあ大変。中国人学生のグループが今日抗議行動をするということになった。
で、実はこの日記を書くに当たって細かい状況の確認と今日の抗議行動の様子まで調べておきたかったのですが、どうもニュースのサイトに情報が更新されておらず上に書いた話はラジオのニュースで聞いただけなのでちょっと細かい部分があいまいです。もし間違っていたら後日訂正します。
どうもすごくイヤな感じがするのです。このニュース。実はこのネタを書くにあたって、今まであえて避けてきた話をしなければならないのです。
アイルランドの中国人。
私が1996年に語学留学した時にはクラスにもほとんどいなかった中国人。これが急増してきたのはここ数年の話。数万人の中国人がダブリンに滞在しているらしい。
で、一つの事実として、彼らの違法就労の問題が挙げられる。この前も語学学校の校長と話をする機会があったのだが、この語学学校にもたくさんの中国人がビザ目的で入学を申込んで、いざアイルランドに着くと早々ととんずらしてしまうケースがかなりあるということを聞いた。
で、合法で働いているのか違法で働いているのか調べようがないが、市内の店やパブ、レストランからスーパーにいたるまで、ありとあらゆるところで中国人が働いている。合法的に労働ビザを取ることがかなり難しいことを知る人間として、彼らの多くは違法就労なのではないかと思う。あるいは学生ビザを形だけ持っているのか。
ともあれ、彼らに対するアイルランド人の目は冷たい。もともとガイジン慣れしていないところに、大挙して訪れた中国人。言葉が話せずまともにコミュニケーションが取れない、金に対する異常なまでの執着心、横のつながりばかりを重視して自分たちのコミュニティを作り上げようとする国民性、そんな否定的な印象を彼らはアイルランド人に与えていると思われる。「思われる」ではなく、「与えている」と言い切ってもいいと思う。
で、何が問題かというと、悲しいかな、私はアジア人。アイルランド人にとって中国人も日本人も同じ。アイルランド人の冷たい視線を感じることが最近とみに多くなった気がする。私は英語を話せないと決めてかかられることも多いし、悲しい事実だが、私が日本人と分かると態度が変わる人間もいる。
そんなことに中国人も気がついてきたのか、こんな話も聞いた。とある高級レストランで働くアジア人。とにかく異常なまでに金にこだわり文句を言いほかの同僚に嫌われている。彼は自称「日本人」。最初は同僚も彼は日本人だと思っていたが、今では誰もが疑いの目で見ている。まあ、日本人だとウソをつく中国人というのも存在している訳で、こうなると、ますますわれわれ日本人の立場が悪くなる。
で、アイルランドの経済の失速、そして増え続ける中国人。軋轢が増えてきたところに起こった今回の殺人事件。こう考えるとある意味で起こるべくして起こった事件ともいえる。
どんな理由があっても人を殺したり傷付けていいわけはない。が、心のどこかでこの殺人事件が「ついに起こったか」と思ったことは否定できない。
今後もたぶんこの人種差別問題は経済の失速とともに悪くなることはあれどよくなることはないと思う。とりわけ中国人の横のつながりを重視し、アイルランド社会に溶け込まない体質ならなおさらだ。となると、私の頭に金属の凶器が振り下ろされないという保証はどこにもない。
今回の事件が一過性のものにすぎないことを祈っている。
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2002年01月25日(金) |
やはりダブリンは狭かった。ダブリンではありがちなお話…。 |
なんだか忙しい一日でした。まず、会社を早引けして歯医者へ。歯医者では最後の治療をしてもらいました。何だかんだで歯の治療は完了。で、センセイは何やら紹介状なるものを書いてくれました。
センセイ:「Snigelさんの歯ねえ、ほら1本並びが悪いのがあるから、治したらどうかと思って。知り合いの矯正歯科の先生に紹介状書いといたから」 私:「はあ…」 センセイ:「まあ、安くはないけど、一生のうちで一番有意義なお金の使い方だからぜひともやるべきだよ」
うーん、確かにこの並びの悪い歯にはいつも何とかしたいと考えていたものの、思うだけで何もしてませんでした。確かに何かをする価値はあるかもしれないなあ。そこで…
私:「いくらくらいかかるんですか」 センセイ:「まあ、私は専門じゃあないからなんだけど、たぶん30-40万円くらいじゃないかなあ」
…一瞬卒倒しかかったものの、確かに有意義なお金の使い方かなあ…とも思います。そこで、まあ、話だけは聞いてみようかと、この紹介されたセンセイに電話をしてみるつもりです。ちなみに日本で歯科矯正をされた方、この30-40万円って値段は一体どんなもんなんですか?念のために申し添えますが、Snigelの銀行口座にはそんな大金ある訳ありません。
で、一度帰宅した後、麻酔も切れた午後9時過ぎに改めて外出。考えてみると、かなり久しぶりに金曜日の夜街に出かけました。行き先はオコンネル橋のたもとにあるパブMessr Mauire。
バスを降りてオコンネル橋のたもとの信号で信号待ちをしていると反対側の歩道から手を振る人が数人。…うちの同居人とその友人ご一行様。前にも書いた通り、ダブリンってホントに小さな街だから、こうして知り合いにばったり出くわす可能性が高い。
で、そのご一行も合流して、約束をしていたMessr Maguireへ。金曜の夜の10時前。そりゃもうというくらい混んでまして。ついでに音楽が耳をつんざくばかり。話をしたかったらほとんど叫ばないと聞こえない。私はこういうパブは大嫌いなのだが、こういうパブを好む人の方が多いようでして…。
当然、座るところなどある訳もなく、4フロアあるうちの一番下、地下のバーの近くの一隅に立つことに。
混んだフロアーのうちの半分は、どうもプライベートパーティに貸し切りのようで、壁には
Von Voyage Fiona
と書いた紙が貼ってある。一緒に行った友人と、
「あのFionaって誰?」 「知るわけないじゃん」
なんて話す。
で、バーに行き注文をしていると、突然横から、
「あー、Snigelじゃあない!」
と叫ぶ女性の声。
みると、そこには見覚えのあるアイルランド人女性。
… … …
考えること0.2秒。ああ、昔一緒に働いてた同僚だい!
いろいろ世間話をしていると、実は例の「Von Voyage Fiona」は彼女の妹であることが判明。…ダブリンはとっても狭いと再確認させられた夜でした。
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2002年01月24日(木) |
就職フェアーがやってくる。3年前を思い出す。 |
ご存知かも知れませんがダブリン在住の方のためにちょっとおせっかいなお知らせです。
アイルランド最大の恒例の就職フェアー(就職合同説明会と訳せるかな)がもうすぐRDSでありますです。2/1から2/4までの4日間。去年は13万人の人が参加したとか。で、たまにメールを頂くアイルランドで就職活動をしている方、それからこれから就職活動をしようと思っている方、いろんな企業や人材派遣会社の人間と直接話のできるいい機会ですので、ぜひ足を運んでみましょう。
かく言う私も3年前のこのフェアーにリュックサックいっぱいの履歴書を持って参加したりもしました。その後、いくつかの企業から引き合いが来たりもしたので、行かない手はありません。いろんな無料の講座もあったりとかするし、無料でボールペンなどももらえます(こらこら)。
この件に関しての詳しいお話はオフィシャルウェブサイトへどぞ。
いやー、懐かしいなーと思います。もうあれから3年がたったのだなーって。バブル真っ直中のアイルランドで就職活動をして何を血迷ったのか、この会社が私を採用してはや3年です。結局、このフェアーの後にあった、別の小規模のフェアーの時にばらまいた履歴書がこの会社の人事の目に触れたわけです。
で、私にとってラッキーだったのは、この会社の人事に履歴書を渡したこと。この会社のパビリオン、はっきり言って私の記憶に残っていません。見た感じ、何の変哲もなく、とても日本人なんか雇う雰囲気ではなかったから覚えていないのだと思うのです。でも、私は本気で必死でしたから(あんなに何かに一生懸命になったのは、人生において後にも先にもあの時だけです)、そんな目立たない会社にまでじゅうたん爆撃で履歴書を置いていき、結果、どうも他の日本人はこの会社に履歴書を置いていかなかったようで。実はそれが私がこの会社に間違って採用された理由という説も…。ま、いずれにせよ、私が言いたいのは、どこにチャンスが転がってるか分かりませんから、就職活動中の方はぜひRDSに足を運んで、いろんな人と話をして自分を売り込んで、がんばって欲しいなということです。特にアイルランドのバブルが弾けた今、就職は前にも増して大変なようですから…。
ちなみに私も見物がてら行くかもしれません。もう履歴書を全部の会社においてゆく若さはありませんので単に見物です。会場で見かけたら声をかけてください。
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2002年01月23日(水) |
アイルランド人には商才もないのではないか…という仮説 |
こういう書き方をすると、私がどこで働いているかバレそうですが(…って言うかもう手遅れ?)私が勤めている会社は、某ビジネスパークの中にあります。日本語でもビジネスパークって言いましたっけ?まあ、「商業団地」とでも訳すのが適当かと。
で、この某ビジネスパーク、街から歩ける範囲にあるにもかかわらず、とんでもない陸の孤島にあったりする。DARTの駅からこのビジネスパークまでは歩いて10分程度ながら、この間には民家1軒ないので、夜女性ひとりで歩くのにはちょっと勇気がいる…というか、過去に強盗から強姦事件まで発生している。ちょっとキケンがアブない。
で、このビジネスパーク、テナントにそうそうたる企業名が並んでまして(うちの会社のような例外もあり)数千人の人間が働いているそうな。ところが、このビジネスパーク内にはコンビニが一軒あるだけ。
最近になって、コーヒーショップと銀行が相次いでオープンしたが、テナント会社の中には社員食堂を持っていない会社もあり、お昼になるとコンビニには、サンドイッチを求める人の行列がコンビニの外にまで溢れんばかりになっている。まさに独占状態。まあ、考えてみたら、丸の内のオフィス街に状況が似ていないともいえなくもない。コンビニのオーナーはさぞかし笑いが止まらないに違いない。
で、サンドイッチバーと銀行がオープンしたのと時を同じくして、コンビニのあるビルの2階にパブがオープンした。このパブ、このビジネスパークがオープンして三代目のパブになるらしい。
このビジネスパークがオープンした当初、パブも同時にオープンしたらしいのだが、しばらくして、共同経営者のひとりが売上をネコババしてとんずらしてしまい、その後しばらく空家となっていたらしい。
で、私が何を血迷ったかいまの会社に採用されてしばらくして、この空家だったパブにレストランがオープンした。上にも書いた通り、お昼には昼食難民が発生するようなとこだから、さぞかし大儲けができるだろうなと思っていた。
ところが、このレストラン、オープンして1ヶ月も経たないうちに撤退した。撤退の理由は、「お客がいないから」待て待て待て。こんな独占状態でどうしてお客がいないとかほざけるんだ?私がオーナーだったら、たった一か所しかないビジネスパークの入口で100円引きのクーポンのついたチラシをがんがん配って固定客をつかんで一気に安定経営を狙うけどなあ。ある程度の値ごろ感を出せば経営は安定すると思うのだが。どうもアイルランド人にはそういう商才というものが根本的に欠けているような気がする。
で、そんなことを考えていると、数ヶ月前に例の3代目のパブがオープンした。今度のパブは前のレストランと違い、アルコールの販売免許を持っている(アイルランドではなぜかワインを除いて、アルコールの販売は免許制)。で、今度のパブのオーナーはなかなかやり手と見えて、例えばビールもほかのパブでは見ないような、ドイツ産やチェコ産のビール、ついでに地ビールまで置いてお客を集めようとして、これが結構うまくいっている。お昼時になると、パブ内はお客で溢れている。
なんでこんな話を始めたかというと、今そのパブに行って帰ってきたところなんです。…オチは何かって?…ないっす。すんません。何にせよ、会社から徒歩1分にあるパブは便利。潰れないで欲しいなあ。
ところで。ブリティッシュミッドランドから手紙が来ました。帰ってきたら、真っ青のブリティッシュミッドランドのロゴの書かれた郵便物を見つけたので色めき立ったのですが、内容は、
「手紙受け取りました。4週間以内に返事するから待っててね」
というもの。要するに何の進展もないわけで。まあ、こんな手紙まで出すその姿勢には素朴に感心します。さすがはイギリスの会社、アイルランドの会社ではこうもいかないに違いない。
ま、この返事が来たら、「ドイツへの長い道」完結編として、メインページまたはエッセイのページに更新します。ブリティッシュミッドランドさん、ここまで誉めてるんだからちゃんと返事書いてね。
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2002年01月22日(火) |
首相が近所で酒を飲んでいたら、そりゃあびっくりするだろうなあ…というお話 |
アイルランドの首相の名前はアハーン首相です。Snigel得意のうち間違いではありません。アハーン(Ahern)首相です。こうなると、山本晋也監督ならずとも、じゃあ、次の首相は、イヤーン首相かとか、ウフフーンさんが副首相になったらアイルランドの外交がどうなるのか…なんて寒いことを考えたりするわけです。
で、昨日(月曜日)の朝、会社で繰り広げられていた、AとBの会話。この会社ではアイルランド人は少数派ですから(なんちゅう会社やねん)、AもBもアイルランド人ではありません。
A:「土曜日街でアハーン首相見ちゃった」 B:「えー?どこでー?」 A:「オコンネル通りのカフェにいたら外をてくてく歩いてるんだもん」 B:「えー、どんな感じだった?」 A:「うーん、テレビで見た時みたいにあまりカリスマ性を感じなかった。フツーの人って感じ」 B:「ええー、じゃあ、フツーに歩いてたんだ」 A:「うん、SPとか連れてなかったし…」
うーん、考えてみると、小泉首相が新宿の紀伊国屋の前をてくてくふつうに歩いていたらまあびびりますよね。いくらアイルランドは小国とはいえ首相が市内をてくてく警備もつけずに歩いてていいものか。そんなことを考えていると、アイルランド人のCがこの会話に割り込んできました。
C:「アハーン首相ならねえ、うちの近所のパブでいつも飲んでるよ。珍しくもない」
…ホントかウソかは知りませんよ。だけどCが言うには、某Dublin5区にあるパブでしょっちゅう飲んでいるそうな。で、この国には「首相公邸」なるものはなく、アハーン首相はフツーの家にフツーに住んでいるそうな。で、フツーに近所のパブに行って飲むという…フツーの人らしい。
これがホントなら少しアイルランドの首相に親近感を覚えるなあ。
で、そんな折りも折り、昨日のRTE(国営放送)の6時1分のニュースでこんなニュースがあったらしい。「らしい」というのは、私は自慢ではないが、アイルランドでは全くテレビを見ないから。
「アイルランドの成人女性の20%はアル中、または、依存症の兆候がある」
…「男性」ではありません。「女性」です。うーん、データの上からもアイルランド人が深刻な酒飲みであることが分かるようです。…とすると、アハーン首相が飲みに行くと、そのパブにいる5人にひとりの女性はアル中またはその予備軍で、アハーン首相は…やめた、考えるの。
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2002年01月21日(月) |
Snigelのギャグのセンスはアイルランド人に近づいている? |
髪を切ったことに誰も気がついてくれず、少しいじけ気味です。まあ、男の髪になんて気をつけているやつの方が珍しいでしょうから…(と自分に言い聞かせる)。
髪を切ったのが土曜日。土曜日に行きつけの美容室に行ってきました。実はひでかすと一緒に出かけたのですが(注意:ひでかすは格安の床屋に行っているので単に街に一緒に行っただけです)、バスに乗り、2階席に腰掛けた瞬間ひでかすが叫ぶのです。
ひでかす:「あーあーあーあーあー。これ…」
といいつつ、床から何かを拾い上げる。ばばっちいなあと思いつつひでかすの拾い上げたものを見ると…
あれま、ユーロスターターパックの袋。
そう、誰からユーロスターターパックの封を開けて使ったらしいのです。…物の価値を知らぬということは恐ろしい。…もっとも、ダブリンバスでのことですから、そのゴミが1ヶ月前からずっと床にあったという可能性も否定できないですがねえ…。
で、Temple Barのいつもの美容室へ行くと、土曜日だというのになぜかヒマそう(ちなみに給料日前は土曜日でも割とヒマらしい)。ここの美容室の良いところは私の顔を覚えていてくれていること。入るなりに、「Hi, Snigel!」と言ってくれると、「ぼく常連なんだけんね」という何の意味のない優越感に浸ることができる(←カクテルバーで、女の子を連れて、「いつもの」とバーマンに頼み「なんですか?」と聞き返されるアホ男に通じるところがある)。腕がいいとは決して思わないが(まあ日本を規準に考える私がアホタレなんでしょうが)この点だけで、私は4週間に1回大枚25ユーロを払っている。
で、私の担当のKerryさん(…あ、本名書いちゃったよ)は9月の末に赤ん坊が生まれて、とにかく未だに嬉しくてたまらないらしい。そのことをとにかく話しつづける。
Kerry:「もう4ヵ月…っていうか16週間になるんだけど、さいきんちょっとぽっちゃりしてきてねえ」 私:「離乳食にソーセージ食べさせてるの?」(←って4ヵ月で離乳食はないだろうが) Kerry:「私のママも同じこといってたわ。わっはっはっ」
…私のギャグはアイルランド人並みになってきたのでしょうか。はああああ。
最近どうも面倒くさがりやになってしまった感が否めません。昔ならそれこそ週に2-3回はパブに行って飲んでいたものですが、最近は週に1回も行っていないのではないでしょうか。今日も映画に誘われたのに断る始末。外に出て日記のネタを見つけ出さねばならないと思いつつ、結局出かけない…そんなちょっとだれた空気の中に生きています。いかんなあ。
ところで。メールのお返事がかなり遅れておりますです。現状先週頂いたメールのお返事が済んでおりません。頂いたメールにはお返事をすることをモットーとしておりますので、お返事がきとらん!とお怒りの方、今しばらくお待ちくださいませ。
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2002年01月20日(日) |
日本だけじゃあない。ダブリンにもいるぞ、放火魔。 |
日本の冬の風物詩といえば放火ですが…って、それじゃああまりに問題のある表現だな。
ま、何にせよ、冬になると増えるのが放火。これは事実ですよね。考えてみたらなんでなんでしょうねえ。寒いから暖をとるため?んなわけないですよね。やはり気候が人を落ち込ませて、人の気を狂わせたりするところがあるのでしょうか。ともあれ、何の罪のない人の家財や命を奪う卑劣で憎むべき犯罪であることは議論の余地のないところだと思います。
で、なんとなく、放火って日本特有のもの、あるいは特に日本で多く発生していることのような気がしていたのですが、実際はそうでもないようです。というのも、今日(日曜日)、こんなチラシがうちのポストに投げ込まれていたのです。
WARNING
DUE TO THE BURNING OF MANY REFUSE BINS OVER THE LAST FEW WEEKENDS AND AN ATTAMPTED ARSON ATTACK ON THE HOUSE INVOLVING A REFUSE BIN, RESIDENTS ARE WARNED NOT TO PUT OUT BINS BEFORE 8am ON THE MORNING OF COLLECTION.
THIS MATTER IS NOW IN THE HANDS OF THE GARDAI. FURTHER INFORMATION WILL BE PROVIDED IN OUR FORTHCOMING NEWSLETTER.
ええと、言葉の解説。 まず、arsonとは放火。Arsonistはご賢察の通り放火魔。Gardaiは警察。警察官はGarda。英語ではなくアイルランド語です。
<去年からほかの国に遅れること数十年、ダブリンでもようやくゴミの分別回収が始まりまして、写真ようなごみ箱を使っての回収が始まっています。ちなみに右の緑のごみ箱は資源ゴミ用。で、これに火をつける輩がいるらしい。
で、まあ、「この事件は警察当局により調査中」なんて言われても、この国の警察なんて全然信用できないし(1/7の日記参照)、消防だって怪しいもの(1/14の日記参照)。結局自衛するしかないわけで。仕方がないので、いつもは前庭に置いてあった二つのごみ箱を今裏庭に持って行ったところ。
何にせよ、ロクな事件じゃないことは確かです。
全然関係ないのですが、今、これを書いてたら、突然玄関に誰かがたずねてきた。行ってみると、「タクシーでーす」…って呼んでねえよ。お前なんか。
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2002年01月18日(金) |
目指せ名幹事!アイルランドでパーティを企画 |
毎日代わり映えのない刺激のない日々が続いています。…特に会社では。で、なにか堂々とサボれる口実を作れないだろうかと思っていると、「パーティ幹事募集」とのメールが来た。社内の私が所属する部を含む50人くらいのパーティの幹事をやらないかとのこと。別に目的はない。アイルランド人は飲めればいいのだ。とくに、会社がその金を出してくれるというんだから何の文句があろうはずはない。すぐに応募したところ案の定そんなものをやりたがるアホはおらず、幹事になった。
物好きと言われればそれまでですが、こっちでパーティを企画するといくらくらいかかるか、どんな感じなのか一度体験してみたかったのだ。まあ、日本で大学生をやっていた頃を思い出すと、まあ、北の家族(←潰れたってば)にでも予約を入れて、ひとり5000円も出せば十分飲み食いができる。これで幹事をやったことがあるような気がするが昔の話なのでいまいち記憶が定かではない。で、会社は日本円にして4000円程度までだしてくれるそうだから、この4000円で何ができるかを考えないといけない。たかが4000円ながら、50人ものグループになるので、合わせて20万円。…結構な大金だね。
まずアイルランドの場合(ちょっとパーティのことは忘れてね)、パブは食べることよりも飲むことを中心に考える。で、お会計は、飲み物を買うたびにカウンターで払うのが普通。普通以外の状況としては、食べ物を一緒に頼んだ場合、食べ物と一緒に後で払うことも考えられるが、食い逃げをするやつがいるのか、食べ物すら前払いのパブすらある。しかも、不特定多数のやつがパブ内に居るから、日本のように、「ン万円に行くまでどんどん注文取って」なんてやり方は通用しない。
じゃあこっちのパーティではどうするかというと、まず、食べ物は、「フィンガーフード」というオードブルの皿にして、適当なテーブルに適当な量を置く。で、飲み物は、「ドリンクバウチャー」というまあ言わば「前売券」を配っておいて、それを個人が勝手にカウンターに持っていく…というのがよくあるやり方。日本でいえば、「立席パーティ」に近いかな。
で、このフィンガーフードにドリンクバウチャーにもし貸切の会場を借り、(パブには良く貸切の部屋がある)ついでに会社から会場までバスを借り切ると…うーん、いったいいくらになるんだ?20万じゃあ到底足りない気がしてきたぞ。
で、まずは手始めに、ダブリンバスに電話してみた。よく貸切のバスを街中で見かけるのでいくらくらいになるか興味本位で聞いてみようと思ったのだ。
私:「かくかくしかじかで、金曜日の夕方、会社(街からおよそ3キロ)から街までバスを貸切るといくらになる?」 おねえさん:「バスは出払っているわ」 私:「へ?まだ1ヶ月も先なのに?」 おねえさん:「その夕方の時間帯は、みんな路線バスに出払っていて、余力のバスはないの」
…ああそうですか。夕方のラッシュ時によく車庫行きの方向幕をつけて空で走っているバスを見かけますが、あれはきっと私の見間違いなのですね。
で、ついでに某大型の劇場(ストリップではない)にメールで問い合わせを書いてみた。もちろん書いたばかりだから返事は来てない。
で、そんなことをしているうちに時間は結構早く過ぎて行った。これは私の狙い通り、しばらく堂々とサボれそうだ。うまく行けば「名幹事」なんて言われたりして(その逆もありえるが)。
この話は、随時書いていきますね。
で、全然関係ないですが、最近掲示版の投稿が少なく作者はいささかへこんでおります。日記でいいネタを提供しないからだとか言うな。こらぁ。今カキコすると作者の熱烈歓迎を受けますのでぜひカキコしたことのない方はカキコしてみませんか。常連さんもいつも以上に歓迎です。
日記才人の投票ボタンです *
2002年01月17日(木) |
ドイツでホワイトクリスマス |
今日は日記はお休みを頂きまして、その代わりに「ドイツでホワイトクリスマス」というコーナーを「エッセイ」のコーナーに作りましたです。このサイトにしては珍しく、文章よりも写真の方が多いという作りになっています。ドイツのクリスマスがどんなものか興味があるというキトクな方はまあご覧くださいませ。
突貫工事なのでエラーがあるかも。あったら教えてくださいませ。
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2002年01月16日(水) |
インターネットバンキング…アイルランドで始めるまでのひとかたならぬ苦労とは? |
思い立って、「インターネットバンキング」なるものを始めてみようと思った。理由は簡単で、まともに昼間働く私が午後4時(木曜日は午後5時)に閉まる銀行に行くのはほぼ無理なので。くだらない送金や公共料金の支払いを全部ネット上で済ましてしまおうと画策したわけ。それに、残高がいつでも確認できるのもいい。
で、先週他の用事があって銀行の窓口に行った時、どうやったらインターネットおよび電話で取引ができるか聞いてみた。すると、窓口ではできないので、電話でやってくれとのこと。で、専用の電話がロビーに設置してあるとのこと。
ロビーの片隅に確かにひっそりと電話はあった。ただし、何の説明書きもなく、ただうちにあるのと全く同じ家庭用の電話機がぽつんと置いてある。普通の人はこれは内線電話だと思ってまず触らない。で、受話器と取ると…おお、何もダイヤルしないのにどこかにつながった。
「XX銀行テレフォンバンキングへようこそ。通常お取り引きの方は1を、新規のお客様は2を…」
例によってテープの案内。2をダイヤル。すると、
「こんにちは。XX銀行テレフォンバンキング担当XXです」
…おお、すぐにつながった。
新しく、テレフォンバンキングとインターネットバンキングを始めたいのですが…」 「かしこまりました。口座番号を頂けますか」 「XXです」 「お名前を頂けますか」 「Snigelです」 「ミスタースニーゲルさん、いつもありがとうございます。それでは本人確認のため、いくつかの質問をさせていただきます。まず、お取り引きの支店名を頂けますか」 「XX支店です」 はい。ではお手元のデビットカードのカード番号を頂けますか」 「1234567890です」 「ありがとうございます。それからミスタースニッゲルさんは投稿に他の口座をお持ちでしょうか」 「はい。残高はともかく定期の口座があります」 「それから、XXさん(大家)宛てに毎月自動引き落としがあるかと思いますがその金額をいただけますか」
あのー、私はあんたの銀行の支店から電話しとるんじゃ。こんな質問を何個も電話でするより、支店でサインでも書いた方がよほど信憑性が高いと思うのだが…。で、次のオペレータの一言。
「はい、それではミスタースニーゲルさんのご住所…あれ?」 「はい?」
なんだ?電話の向こうのお兄さん、なぜか凍ってしまった。
「あのー、お客様のご住所、東京になってますねえ。」 「はぁ?」 「ご登録のご住所はアイルランド国内じゃないといけない規則でして」
何を血迷ったことを言ってるんだこいつは?
「って、いつも通帳や小切手、ダブリンの住所に間違いなく送ってもらってますけど。なんで、ここで東京の住所が出てくるんですか?」
お兄さん困った声で、
「いえ、このシステム上ではミスタースニーゲルさんのご住所は東京になってまして。いえ、あの、投稿の住所登録は2ヶ所ありまして。で、大元の方をアイルランド国内に変更していただかないことには…。あのー、この変更はすぐに支店の方でできますので…。」 「ああそう、今支店にいるから今すぐにしてかけ直すわ」
というわけで、再び支店内に戻り、住所変更。窓口では、ただ新しい住所(というか2年以上住んでいるダブリンの住所)を口頭で伝えただけ。本人確認も何もなし。これならなんで電話でできないんだ?
で、再びロビーに戻り、電話。さっきのお兄さんとは別のおねえさんが出たものの、まさにマニュアル通り再びさっきと全く同じ質問が繰り返される。
「それではご住所…」
…おい、同じところで同じように凍るなよ。
「住所、東京なんでしょう。さっきそういうふうに言われて、たった今変えてきたところなんだけど」 「そうですか。いえ実は、いまこのシステム上ではお客様のご住所は東京になっておりまして…」 「だーかーらー、今支店で変えてきたんだってば!」 「いえ、あの、その、システム上で何らかの変更が行われた場合、その変更が実際にシステムに反映されるまで数時間かかりまして…」
なんでそれを早く言わんのだ?というわけで、撃沈。
で、翌日、再び電話。また別のオペレーターさんと全く同じ問答を繰り返す。
「…それではミスタースニーゲルさん、暗証番号を郵送しますので、その暗証番号が届きましたら、またお電話いただけますか」
…脱力。いつになったら電話とインターネットで取り引きができるようになるの?
で、週末を挟んで翌週(今週なんだけどさ)、ようやく暗証番号が届いた。さっそく電話。
「はい、ミスタースニーゲルさん、お客様のご登録は問題なく済んでおります。実際にお取り引きができるようになるまであと10日ほどかかります」 「って、おめえ、『暗証番号が来たら電話しろ』って手紙に書いてあるじゃないか!なんで暗証番号を聞いても来ないで、あと10日もかかるとかいえるんだよ!」(←キレかけ) 「あの、そのような規則になっておりまして」
…いったい私がインターネットバンキングができるようになるのはいつ?
で、ここから先は全く蛇足なのだが、どうもこの私の口座のある、アイルランドの最大手の銀行の一つは評判がよろしくない。
「クレジットカードを申請したのに3回も拒否された」
とか
「ローンを組んでくれなかった」
とか。特に、クレジットカードの申請時、あるオペレーターは、
「アイルランドで6ヵ月仕事をしていれば大丈夫」
と言ったり、
「最低でも1年が必要」
と言ったり。
で、ある外国人がクレジットカードの申請をしたところ見事に拒否されたそうな。で、電話をしたところ、
「一度クレジットカードの申請が拒否された場合、最低1年待たないと次の申請も自動的に拒否されるわよ」
と脅されたそうな。で、彼女、その2ヶ月後に再び申請を出したところ、見事にクレジットカードをもらえたそうな。…いい加減もここまで来ると立派です。
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2002年01月15日(火) |
ドイツの文化におけるバースデーケーキに立てるろうそくの数と実際の年齢の不一致の規則性とは? |
ひでかすの誕生日でした。で、うちの住人の女の子が気を遣って、ひでかすのためにスーパーに行ってケーキを買ってきた。…まあこっちのスーパーで売っているケーキなんてフレッシュクリームを使ってないので、小学校の時に給食に出てきたクリスマスケーキ並みなのですが。で、サイズも両手の指で輪っかを作ったくらいの小さいもの。で、彼女はそれにご丁寧にろうそくまで立ててくれた。
で、そのケーキをまじまじを見詰めたひでかすが一言。
「ろうそくが1本多い!」
作者の身の安全のためにひでかすがいくつになったかは書かないが、いずれにせよ、その小さなケーキの上には相当な数のろうそくが。バースデーケーキというよりはほとんど墓標立ち並ぶ八ツ墓村状態。で、数えてみると、確かにひでかすの年齢X+1本のろうそくが立ててある。
「ボクはX+1歳じゃない!X歳だ!!」
とひとりでぷりぷりしている。ひでかすくらいのトシになれば、X歳もX+1歳も変わらないと思うのだが…。
で、ろうそくを立てたドイツ人本人に文句を言おうにも、本人は仕事の為不在。で、ひでかすは、そのケーキとタイカレーとビールを同時に食べ始める。…この人に味覚はないのだろうか。
で、後日、ろうそくを立てたドイツ人に聞いてみた。すると、
「ああ、あれはねえ、ドイツでは長寿を祈って年齢+1歳のろうそくを中心に立てるのよ。だからあれでいいの」
という答え。その時は、「ほっほー」(注:関口宏のマネではありません)と思ったのだが、この話を友人にしたところ、
「あんた、そのドイツ人、自分の間違いをごまかすためにテキトーなことを言ったんじゃないの?」
と一言。うーん、誰かドイツ人に聞いて見よう。
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2002年01月14日(月) |
ケーサツに続き、消防士にも疑問を覚えるボヤ騒ぎ |
最近理由あってあまり元気がありません。いろいろ心配ごとがあるのです。ここに書けたらいいなあと思うのですが、なかなかそうもいかず。
で、まあ、そんな感じで月曜日の憂鬱の中、黙々と、オランダマーケットの仕事をこなしていました。時刻は朝の10時ごろ。突然、
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリ
とベルが鳴り響きます。
ん?火災報知器?
最初は誤作動かと思ったのですが、鳴り止みません。ちなみに火災報知器のベルが私の席のすぐ近くにあるのでそのうるささは尋常ではありません。とりあえず、無視して仕事。
1分経過。まだ鳴り止みません。
2分経過。ほかの社員が出口に向かってぞろぞろと移動を始めます。
ああ、訓練か。
そう言えば半年くらい前にも火災訓練が行われ、こんな感じでぞろぞろと雁首そろえて外に出て行ったっけ。待てよ、その時は、事前に総務から予告メールが来てたよなあ。今回は狡猾にも抜き打ち訓練というわけか。
面倒くさいが、まあ、みんなが外に行くので自分だけ行かないというわけにも行かないのでそのままその外へ向かう行列の後ろに連なる。
外にはうちの会社以外にもビルのすげてのテナントと思われる連中が暇そうに立っている。別に点呼があるわけでも、中学校の訓練のようにストップウォッチを持った教師がしたり顔で説教をタレるわけでもなく、ただぼーっと外で待つ。
前回の火災訓練の時もそう。なんとなく外で5分くらいぼーっとして、何も起こらないから、そのまま自分の机に戻った。で、今回も5分くらいぼーっと待つが、誰かが説教をタレるわけでもなく、何人かの同僚が建物に戻るのを見て私も自分の机に戻る。
机に戻って、新着メールを開けた瞬間、
「Snigel!消防車が来てる。もう1回外に出て」
と同僚の声。
そう言えば、さっきビルに戻る時、消防車が二台、こちらに向かって走って来てた。サイレンを鳴らすわけでもなく、ゆっくり走って来てたので気にも止めなかったのだが。
外に出てみると、確かに消防士を満載した消防車が2台。ついでに消防署の乗用車が1台。中にはヒマそうに消防士たちが乗り込んだまま。
で、はしご車を見ながら、「そう言えば小学校の社会見学の時はしご車に乗ったなあ」なんて思い出しながらもう一度外へ。
消防士から何らかの講釈(消火器の使い方なぞ)があるのかと期待していたのだが、そのようなものは一切なし。ビルの管理会社の人間が、
「持ち場に戻っていいですよ」
と言うので、再びビルの中へ。…なんちゅうオチのない弛みきった火災訓練やねん。
数時間後、この一件の意外な真相を聞き私は唖然とするのでした。
「あれ、訓練じゃなくて、3階のキッチンの煙探知器が作動したんだってね」
…じゃあ何ですか。あれは訓練でもなんでもなく、本当に火災だったんですか。
「まあ、トースターのパンが焦げただけらしいけど」
…うーん、あれがもっと深刻な火災だったら私はまず間違いなく焼け死んでいたな。それにしても、アイルランドの消防車、あんな呑気にサイレンも鳴らさずやって来ていいのか。ついでに言うと、あんたらが現場に着くまでに10分くらいかかってるぞ。
この国は警察といい、消防署といい、お上を信用しようとするだけばかな気がします。
教訓:火災報知器が鳴ったらとりあえず避難しよう。
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2002年01月13日(日) |
アイルランドで歯医者初体験(その2) |
さて、なんだかおざなりになっていた歯医者のお話です。
行ったのは、いよいよ明日からドイツに行こうという12/21のこと。4時のアポに間に合うために、2時30分きっかりに会社を出た私は最寄りのDART駅へ。DARTに乗ると相変わらず空き缶やポテトチップスの袋、訳の分からんべとつく液体などが床に散らばり汚い。
で、貫通路に近い窓際の席に座り本を広げた私。とにかくDARTの雰囲気が嫌いなものだから(なぜかバスは我慢できる)本に集中することで下界との干渉を一切シャットアウト。隣りと向かいの席に誰かが座ってきたが一切無視。とにかく、本というシャッターを使い自分の世界に入っていた。
なのに…そのシャッターを破ってくるやつがいる。隣りの席から私の本をじいーっと見つめてくる人間がいるのだ。で、
「いい本だろ?それ?」
で、声の主をみると、服じゅうペンキだらけの男がひとり。で、よく見ると、私の座る4人かけの席、私以外の3人はペンキだらけの男たち。そう、私は気がつけばペンキ屋に囲まれていた。
私は無難に、
「うん、すごくいい本だよ。読んだんだ?」
なんて言って本に戻ろうとする。すると三人の男から矢継ぎ早に、
「どこからきたの?」 「どこへ行くの?」 「アイルランドはどうだい?」
などと質問攻め。
で、当たり障りのない答えを返していると。
「日本の女とアイルランドの女とどっちがいい?」
というこのテの事態の時に定番の質問がやってくる。なぜかは知らないが、アイルランドでワーカークラスの人間と話すと必ずこの質問が来るのだ(万国共通という気がしなくてもないが…)
私はバカな答えをしてしまった。
「うーん、よくわかんないなあ。今の彼女もドイツ人だし」
すると3人同時に大声で
「ドイツ人?!?!?!」
…おいおい、ドイツ人の彼女を持つことはそんなに驚きなのか?男のひとりが、
「大変だねえ」
と本気で同情してくる。…待ってくれい。ドイツ人だと何がいけないんだ?
実は次の瞬間私はとんでもない下ネタジョークを飛ばしこの3人を床にダウンさせることに成功するのだが、書いてみるとあまりに品がないので割愛(いちおうこのホムペ、女性読者の方が多いし、女性にそっぽを向かれたくないのです=正直な気持ち)。
で、ようやく40分かけてDARTはBrayの駅へ。そこからいつもの歯医者へ。
で、歯医者に約束の時間の5分前に着くと受付のおねえさん、
「ごめんなさいねえ。今日は予定が押していて、ちょっと遅れそうなの。コーヒーでも飲んで4時30分にまた来てくれる?」
…コーヒーでも飲んでって、私が会社できちんと歯を磨いてきたのを真っ向から否定するような発言を。私は読みかけの本も気になるし、そのまま待合室で待つことに。
で、実際に治療が始まったのは4時40分頃。
例のだだっ広い診療室に入ると、センセイが
センセイ:「おお、待たせて悪かったねえ」 私:「いいんですよ」 センセイ:「(助手に向かい)おお、見てごらん。一時間も待たされたのに彼は文句一つ言わない。これこそ武士道だよ。日本のサムライの道だねえ」
で、さっそく麻酔を歯茎に打つ。
前回に続いて今回と二回続けて起こったので自信を持って書くが、どう考えてもアイルランドの麻酔の方が日本のそれより強い。だいたいセンセイは麻酔の注射を打つ時、日本ならぴっと歯茎に射してぴっとすばやく抜くが、こっちでは
ブスッ … … … … … … … … …
と抜くまでにかなりの時間針を刺しっぱなしにするのだ。
仮説:アイルランドの歯医者は日本の歯医者よりもはるかに下手である。ゆえに、より強い麻酔を刺す。
…あくまで仮説で論証はまだです。できる限り自らの体を持って論証をしたくないものだと思います。
で、そのまま一度待合室に戻り麻酔が回るのを待つ。
10分後、再び診療室。
この日確信を深くしたのだが、このセンセイ、やたらめったら、"Well done"という言葉を使いたがる。
"Well done, Snigel. Now wash your mouth." "Well done Snigel. You are very patient man."
といった具合。二つ目のには思わず、
"That's why we call ourselves as patient!"
などと言ってしまった。
で、治療は30分程度で終了。
帰りのDARTの中でいろいろ考えたのだが、どうも私は日本の歯医者よりもアイルランドの歯医者の方に好感を覚える。理由はただ一つ、センセイが自分にじっくり時間をかけてくれる気がするから。30分という短い時間ながら、センセイがじっくり私の面倒を見てくれる。考えてみると日本の歯医者はセンセイが診療台をあちらこちらと駆け回っている。確かに、時間当たりの効率という点で考えると日本の方がはるかに高いのだが、その効率ゆえに、自分の治療がきちんとされているか不安になるのだ。
ま、予約に1ヶ月待たされることを考えると、どちらがいいかはにわかには断じがたいのですが…。
日記才人の投票ボタンです *
2002年01月10日(木) |
ドケチ大家の安物買いの銭失い |
金曜日です。明日は土曜日です。…出勤です。最近クリスマスを挟んで6-7連続土曜出勤をしています。偉いなあおれって(言わせておいてください)。
突然うちのボイラーが止まったのは数日前のこと。ボイラーが止まるということは、お湯が使えなくなる(ただしシャワーは瞬間湯沸器使用なので使える)。で、何よりも暖房が止まる。
ちなみにコドモの頃部屋に暖房のなかった私にとって、暖房がなくてもそんなに困らないのだが、同居のドイツ人の女の子が本気で寒がっていたので、仕方なくサービスを呼ぶ。果たしてサービスはすぐにやってきた。
「うーん、これはボイラーの『頭脳』の交換ですねえ。端末がいっちゃってる。350ユーロかかるね」
350ユーロ?
そんな大金払えないので、大家に電話をする。大家、怒る。
「その部品なら2-3年前に変えたばかりよ。なんでそんなにすぐに壊れるの。お金は払うけどちゃんと理由を聞いてちょうだい」
おかんむり。で、昨日、ボイラーがボイラーの中に入っている基盤を持ってやってきた。
基盤交換にかかった時間はわずか10分。ボイラーは何事もなく動き始めた。で、私は、仕方なく大家に聞けといわれた質問をしてみた。
「うーん、確かにこの部品は97年に交換されてるね(4年前じゃねえか>大家)。確かにもう少し長持ちしてもよさそうな気はするね。ただねえこのボイラー、2ベッドルームアパート用のボイラーで、本来使うべき大きさの倍の大きさの家に使われているからねえ。過労気味なのかもよ」
うーん、何とまあ、この家がいつも寒いのにはこんな理由があったのね。大家、ケチだから普通取りつけるべき半分の大きさのボイラーを据え付けて、そのボイラーを酷使しているから問題が起こるわけだ。
ちなみに、半年くらい前にもガス漏れ騒動があった。その時にも修理に相当なお金がかかっている。これは、「安物買いの銭失い」のあまりに典型的な例ではないか。
とりあえず、大家さん、立て替えた350ユーロ早く返してください。
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2002年01月09日(水) |
Mausiは食べた。「ゲテモノ」料理 |
何だかんだで、11月にMausiと行った日本のことについて全然書いてません。写真が用意できていなかったということも確かにあるのですが、それ以上に、あまりネタとしては…どうかな…という思いがあったのです。小学生の夏休みの作文のように、「Mausiちゃんとお台場に行きました。レインボーブリッジがとても大きかったです」てなことは書けても、なにか超越したことが起こったかというと、…なかなかそうもいかず。
私が素朴に驚いたことは、彼女が日本をいたく気に入ったこと。実は彼女はベジタリアン(とはいえ魚は食べるというまあ中途半端なベジタリアン)。で、考えてみると、日本でベジタリアンってあまり見かけませんよね。ヨーロッパでレストランに行くと、まず絶対の確率で「ベジタリアンメニュー」が用意されています(マクドナルドにすらある)。あるいはメニューに「ベジタリアンの方にもOK」などと書いてある。ところが(まあ、最近の日本のレストラン事情を知らないのですが)日本ではそんなものはまず見かけない。
で、一番あたふたしたのはうちのかあちゃん。だいたい私のもてない人生において家にガールフレンドを連れて行ったことなどないし、ましてや初めてやってくるガールフレンドの目が青く(ウソ、Mausiの目はブラウン…まあモノの例えということで)、しかもベジタリアンとなれば慌てない方がどうかしている。
そんな訳で私自身はもとよりかあちゃんまで巻き込んで彼女の食べ物の心配をしたのですが、結局彼女は肉以外の何でも食べました。たとえば、
これ、地元の(というには少し遠いが)すし屋に連れて行った時に食べたスシ。ちなみに一人前3000円(こんな高いモノ私の稼ぎじゃ払えませんので、親に連れて行ってもらいました。感謝)。よく見ると、半分づつに切られていることにお気づき?実は板さんが「これじゃ大きすぎて食べづらいだろう」と言って半分に切ってくれたのです。で、見ての通り、ウナギもあればタコもあり。
で、一部の例外はあるにせよ、ヨーロッパのたいがいの国ではウナギやタコは「ゲテモノ」の部類に入れられます。が、彼女、食べました。しかも、おいしいと言いました。お世辞ではなく本心だったと確信しています。で、後日、「キミはウナギを食ったんだよ。覚えてる?」と聞いたら、「んなもんは絶対に食ってない!」という答えが返ってきました。食わず嫌いというやつですよね。結局は。
ま、断章にはなりますが、これ以外にも日本のこと、思い出したら書いていこうと思っています。
日記才人の投票ボタンです *
2002年01月08日(火) |
持ってるもんね。ユーロスターターパック |
また更新が遅くなってしまいました。
掲示版のカキコでとってもいいことを聞きました。何でも「ユーロスターターパック」がコインコレクターの間で人気とか(参考資料=ただしリンク切れ御免)中でも、フィンランドとルクセンブルグとアイルランドのは希少価値があって、10倍のプレミアムがついているそうな。
へへ。
へへへ。
けけけ。
…持ってるもんね。未開封のユーロスターターパック。…さすがは日本人、価値が出るのを見越していたのです。ただ、二パックしか手にしなかったという点で(しかもそのうちの一つは開けた)、あまり商売人の素質はなさそうです。何せ10倍の価値ですから、その日会社を休んでダブリンじゅうの銀行・郵便局を駆け回りたとえば100個のパックを手にしていれば、労せずして£4500(60万円!!!!)の儲けになっていたわけで。ちっ、仕事なんかしてる場合じゃなかった。ま、10倍の価値が出るなんて私の予測外でしたけどね。
でも人間というのは欲の皮が厚いもので、こうなると売りたくなくなるんですよ。「もっと価値が出るかな」って。…そんなこんなで結局墓場まで持っていきそうな気配です。だれか破格の値段を提示してくれれば売りますが(あくまで冗談)。
ところで。どうもアイルランドではアイリッシュポンドからユーロへの変更はほぼ済んだようです。ほとんどの取り引きは今やユーロで行われているそうで。ふたを開けてみると、結局混乱があったのは最初の2−3日だけであとは意外なほどスムーズにことが済んだようです。
ま、それくらいかな。大した内容じゃなかったですが、ま、たまにはこの日記にも中休みを下さいませ。
日記才人の投票ボタンです *
2002年01月07日(月) |
犯罪被害者の保護と、警察官の安全 |
気がつくと午後5時30分。一時間も残業してしまいました。なんだか今日はいろいろな事件が起こって、あたふたしているうちに一日が終わってしまいました。
さて、昨日予告していた「大ネタ」です。
突然ですが、私の友人宅にドロボーが入りました。あまり詳しく書けないのですが、真夜中に、何物かが音もなく窓をこじ開けて、そこから手を伸ばして偶然机の上にあった財布を盗み、こちらも偶然机の上にあったキーホルダーで、玄関のドアーを開けようとしていたところを家人に発見され逃走。…というのがおおよその概況です。
ドロボーに入られました。お財布盗まれました。さて、あなたならどうします?
まあ、普通の人は何はともあれ警察に通報しますよね。それからクレジットカード会社だとか銀行だとかその筋に電話をして、自分の口座を守る。もちろん、この不幸にしてドロボーに入られて人もそうしました。
さて、ここで日本の常識で考えると、警察に通報してから警官が現場に到着するまで…5分とかそれ以下…ですよね。ところが、警察に通報してから実際に警察が到着したのは
1時間後。
これだけで私たちの持っている常識がアイルランドでいかに無意味か分かろうというものですが、態度デカ吉警官、この家の玄関先までくわえタバコでやってきて、そのタバコをぴっと玄関先に投げ捨てます。
で、この被害者、当然、なんでこんなに来るのが遅かったのか聞きます。警官の答え。
警官:「車がなかった」
…脱力。ちなみにこの被害者の説によると、アイルランドの警官は丸腰。ゆえに、犯人がまだいるかもしれない犯罪の現場にはすぐには来ないのだそうな。警官の身の安全を考えて。
すると何ですか。例えば、犯人が現場に戻ってきて、口封じの為に被害者を殺したとかそういう感じで被害者が二次的な被害に遭っても関係ないとおっしゃるのですか。この国の警察は。この人の話を聞いていて本気で怒りが込み上げてきました。
で、この到着した警官は、一通り基本的な質問(犯人を見たかとか、何を盗られたかとか)を聞き、早々と退散。
で、翌朝、今度は鑑識がやってきた。指紋を取るためだそうな。で、二人組でやってきた鑑識のおじさん方、窓枠のところについていた指紋などを採取。で、玄関先を見ると、たばこの吸い殻発見。で、鑑識のおじさんはひとこと…
「あ、これからも指紋が採れるかもしれない」
…採れるでしょうよ。身内の警官の指紋がべっちょりと。で、この鑑識のおじさん、本当にこの吸い殻を証拠として持って帰ってしまったそうな。犯人が捕まらないに私は幾らも入っていないが財布ごと賭けたっていい。ま、賭けにならないだろうけど。
本気で脱力する限りの話ですが、よくよく考えてみると、「ダブリン家がない」の時に書いたドロボーの時も、同じような感じでした。警察のは割にすぐに到着したと思いますが、そのあと一通りの事情聴取をして、翌朝指紋採取のおじさんが二人で来たというのは全く同じです。
…とりあえず、日本は「水と安全がタダ」というのは多分本当だと思います。早いとここの国から逃げようと思います。
日記才人の投票ボタンです *
2002年01月06日(日) |
前代未聞。思いつく限りのすべての災難に遭ったドイツへの長い道(その4) |
過去3回にわたり引っ張りまくってきた「ドイツへの道」もようやく本日最終回です。とりあえず、長いですが、その1、その2、その3をお読みでない方はそちらからどうぞ。
雪が舞いキリで何も見えないハノーバー空港に到着し、入国審査もいつも通り問題なく通過。で、次は、ロンドンヒースローで滝汗を流して運んだ30キロ超の荷物の受け取り。ベルトコンベアの荷物の吐き出し口のところにいつも通り陣取って荷物を待つ。
一つ目の荷物、スーツケースは過ぎに出てきた。残すは、クリスマス用にわざわざ持ってきたスーツなどが入ったかばん(スーツなんかを二つ折りにして入れれるやつ。たまにビジネスマンが持っているのを見かけるあれ。正式名称は知らん)。
で、荷物が一通り出てきたものの、ヒコーキに乗っていた半分以上のお客はまだ荷物を待っている様子。どうやら荷物が2台のトラックに分けられて運ばれており、2台目がまだ着かないようだ。
10分以上半分以上の客とともどもぼーっと自分の荷物を待つ。
ベルトコンベアが止まる。
…ウソでしょ?
そう、荷物、見事になくされました。
どうも、いろんな話を総合し、私の推理を加えると、こんな会話がロンドンヒースローでの離陸の前にコックピットで繰り広げられたらしい。
機長:「乗客および荷物の積載は済んだかね」 副機長:「はい。乗客が終わりましたが、荷物はまだのようです」 機長:「もう待てん、行くぞ」 副機長:「はい」
あるいは、昨日のキャンセルされたヒコーキに乗るはずの貨物がたくさんあって、そちらを優先したとかいう可能性も否定できませんが。いずれにせよ、機長さんは、乗客の半分の荷物を載せずに出発すると言う快挙を成し遂げてくれたのです。
で、よくよく見ると、何とかたどり着いた布製のスーツケースは…
思いっきり破られてる(「もう笑うしかない」とはこのことです。)
ハンドルのところを始点にして、思いっきり5センチ以上の引っ掻き傷を入れられている。…こりゃクレームもんだわ。
そんなこんなで、ベルトコンベアのところから半分の客と共に、「Luggage Tracing Center」と書かれたところへ。
もう一度書きますが、ヒコーキに乗っていた半分以上の乗客の荷物が無くされたわけです。その半分以上の客が小さく目立たない「Luggage Tracing Center」なる事務所に殺到するとどうなるか…当然に帰結として、せまい事務所の前には大行列。私の番が来たのは、かれこれ一時間以上待った頃。疲れ果てた私のカウンターでの最初のひとこと。
私:「ヒコーキは飛ばず、荷物はなくなり、着いた荷物は傷つけられ、踏んだり蹴ったりな日だよ。今日は」(←すべて本当なんだから恐れ入る)
これに対し、カウンターの向こうのやたら尖ったメガネをかけたジョークなど全く通じそうもない典型的ドイツ人おばさんは一言。
係:「私にとっても踏んだり蹴ったりな日よ」(外には未だに大行列)
はあああああああああああああ
…ふたりでため息を付き合いましたとさ。
で、スーツケースの引っ掻き傷、文句をつけたところ…
係:「このスーツケースいくらでした?」 私:「ン千円です」 係:「買ったのはいつ頃?」 私:「半年前」 係:「じゃ、弁償するから、この紙上のチケットオフィスに持っていって」
と言われ、一枚の紙をもらう。その紙を持って上のチケットオフィスに行くと…なんとまあ、スーツケース代金全額弁償してくれました。言ってはみるものです。
んで、こののち、彼女は、「行方不明の荷物はクリスマスまでに届けるわ」と約束。で、その荷物がタクシーで届いたのは12/26…クリスマスに間に合ってないやんけ。何の為に、スーツ用に別のカバンを持ち、ロンドンの空港を走り回ったのか全くナゾ。
とまあ、とんでもなく悪運続きだったかのように見えるこの旅行、実はかなりラッキーでして。何せ、私がハノーバーに降り立った日、ドイツの誇るアウトバーンは、大雪のせいで40キロくらいで走るのろのろ運転、で、翌日には再びどかっと大雪が降り…そう、着陸できたこと自体がもはや奇跡に近いわけでして…。で、しかも、どこぞのエアフランスと違って、トラブルの後のフォローが割にしっかりしてるから、空港のカウンターを叩きながら怒鳴るような真似をする必要もなかった。これだけのトラブルがあっても、まだ、ブリティッシュミッドランドをまた使おうと思っている。(ちょっと、エアフランス、聞いてる?…って聞いてないだろうなあ)
とかいいつつ、実はブリティッシュミッドランドにクレームの手紙を書くことにきめ、昨日書き終わったところです。なんでクレームの手紙を書く気になったかって?だって、
帰りのヒコーキでも同じ荷物を再びなくしたんです。こいつら。(どうしてここまで話に芸術的なオチがつくんだろう?実話なのに…)
クレームの手紙、返事が来たら公開したいと思っております。しばらくお待ちを。
日記才人の投票ボタンです *
2002年01月05日(土) |
前代未聞。思いつく限りのすべての災難に遭ったドイツへの長い道(その3) |
昨日は土曜日だったというのに出勤。それで…というわけではないのですが、日曜日の今日は完全に何もやる気がありません。天気は悪くないのですが多分このまま一日家にいるのではないかと思います。
で、引っ張りに引っ張っている、ドイツ行きの話その3です。その1、その2をお読みでないお方は、まずはそちらからどうぞ。
何だかんだでホテルで一泊。何でも朝の5時15分に最初のシャトルバスが空港に出るとやらで、昨日のターミナル2の混雑ぶりを思い出して、朝7時のフライトにはちょっと早いと思いつつも、それに乗って空港に向かうことに。
で、シャトルバスに乗りターミナル2の出発ロビーに着いてみると、昨日ほどではないによ、それでも相当多くの人がすでに行列を作っている。で、ひときわ長い行列ができているのが、ルフトハンサとブリティッシュミッドランドのカウンター。文句を言っても始まらないのでとりあえず列に参加。
列が全然進まない。よく見ると、カウンターは一つしか開いておらず、そのカウンターに向かい、何と3方向から列ができている。しかも、カウンターはかなりもめている様子。
20分近く並んだ6時頃、私の真後ろに並んでいた女性が話し掛けてきた。ダンナさんと思われる男性と一緒の、50代後半の思わず、「ご婦人」と呼びたくなる品位を感じさせる女性(アイルランドにそんな人はいない)。
女性:「あなたも、昨日の6時のフライトに乗れなかったの?」
あなたも?とは?私は昨日の体験をかいつまんで話した。すると、女性…
女性:「私たちも昨日の6時のフライトでハノーバーに行く予定だったんだけど、大雪でフライトが『天候調査』になり、ずっと搭乗ゲートで待つ羽目に。結局フライトはキャンセルになり、荷物が返されて、再予約なんかが終わったのが昨日の夜10時過ぎ。大変だったのよ」
ダンナらしき男性が口を挟んでくる。
男性:「で、今日ここに来る時タクシーの運ちゃんが言ってたんだけど、今朝もドイツは雪で騒ぎらしいよ」
女性:「そう、実はこのフライトも飛ぶかどうか何の保証もないと言われたわ」
…つまりなんですか、私がダブリンのコンピュータトラブルで間に合わなかったヒコーキ、実は間に合っていたとしてもキャンセルされていたんですか。で、夜の11時近くまでかかり…つまり、午後7時すぎの時点で早々とホテルをあてがわれ、しかも朝一番のフライトに再予約を入れることができた私は実は相当運が良かった?
何だかんだで私の前の人までチェックインの順番が来たのは、並んでから1時間以上経った6時40分。朝7時のフライトでまだ私の後ろにチェックインが終わっていない人がたくさんいるところから見て、またこのフライト遅れるな。いや、その前に、このフライト本当に飛ぶのかな?
私の前のカップルと搭乗カウンターのおねえさんとの会話。
係:「(必要以上に事務的口調)それでは安全に対する質問をさせていただきます。この荷物はあなたのものですか?」 客:「はい」 係:「あなたが荷造りをしてそのあと誰かが荷物を開けましたか?」 客:「いいえ」 係:「あなたのもの以外の荷物を誰かのために運んでいますか?」 客:「いいえ」 係:「クリスマスパーティー用のクラッカーなどは入っていますか?」 客:「はい」 係:「…没収します」
…早くしようよ。そんなクリスマスクラッカーで何をしろというんだよー。
で、前の人がかばんを開け中身を取り出し数分のロスのあとにようやく私の番がやってきた。おねえさん、やはりやたらと事務的な口調で、
係:「今日はハノーバーまでですね」 私:「ホントは昨日飛ぶ予定だったんだけどね。雪は大丈夫なの」 係:「問題があるという報告は入ってません。お席は通路際と窓際どちらがいいですか。」 私:「エマージェンシーロー(←いつも私が指定する席)空いてますか」 係:「はい。それでは安全に関する(以下同じ)」
うーん、さすがはシルバークラスカード、この状況下でも、問題無く搭乗できて、しかも自分の座りたい席までゲットできた。どこかのエアフランスの時とは大違いだ。(実際、この日の体験までは、こんなフレクエントフライヤーズカード何の役にも立つまい…と思っていただけに、素朴に驚いたのです)
で、セキュリティチェックも大行列。搭乗ゲートについたのは7時15分。行ってみると、まだ搭乗を開始していない。…遅れ確実。
何だかんだで完全に搭乗が終わり、完全に満席のA321が動きはじめたのは午前8時少し前。…1時間遅れ。
で、ついに、ようやく、とうとう飛び立ったヒコーキのフライト中機長からのアナウンスが入る。
機長:「おはようございます。機長です。当機は高度37000フィートでハノーバーにむけて順調に飛行中です。当機、昨日の大雪のため、昨日のフライトがキャンセルされたことなどの影響で、およそ40分遅れの運行になっています。現在のハノーバーの天候ですが…」
機内が一瞬静まったのが分かる。
機長:「天候は…雪でキリ、気温はマイナス15度との報告が入っています。あと30分ほどで通常通り着陸の予定です。天候がよくなるのを祈りましょう。それでは楽しいフライトを」
マイナス15度?うーん、数年前の冬のスウェーデンよりも寒い。…というか、これって、完全に異常気象の世界でしょう(実際にこの日、一部地方では「100年に一度」の大寒波だったらしい)。
で、機長が、「業務連絡。あと10分で着陸。」と言ったのち、ヒコーキはさらに高度を下げ霧の中へと突入。何も見えなくなる。
で、「そろそろ着陸のはずなのに…」と思っていると、突然
ドン!
という衝撃が走る。一部の乗客から短い悲鳴が上がる(ホントだよ)。
…着陸の瞬間でした。で、スッチーさんが、「ようこそハノーバーへ。規定により、飛行機が完全に停止し、機長がシートベルト…」といういつもの放送を始めたことで、どうやら着陸したことが分かる。…それにしても、何もみえない。外はまさに真っ白。ランウェイにあるランプすら見えないのだ。で、ヒコーキがターミナルビルに横付けされても、ターミナルビルはほとんど見えない。
…よく着陸できたもんだ。
さすがは最新鋭のA321。YS11とかなら間違いなく着陸できていないと思う。
で、これで終わりと思うでしょ?無事にハノーバーに着いたんだから。私だって、ボーディングブリッジをくぐりいつもの「Welcome to Hanover」という看板を見て安心した。…がこのあと、まさに「駄目押しの災難」が私を襲うのでした。このお話、あともう一回だけおつきあい下さいませ。
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2002年01月04日(金) |
前代未聞。思いつく限りのすべての災難に遭ったドイツへの長い道(その2) |
昨日の続きです。昨日の日記をお読みでない方は、まずは、 昨日の日記からどうぞ。
イライライライライライライライライライラ
荷物が出てこない。
ベルトコンベアの荷物の吐き出し口のところに陣取って荷物を待つのだが、なかなか自分の荷物が出てこない。時間だけが経ってゆく。ようやく預けた二つの荷物が出てきたのは到着15分後の17時25分。人類滅亡次のフライトまであと40分。いかん!走れ!!
というわけでターミナル1のコンコースに出てターミナル2への道を探すが…慌てているから見つからない。ようやく見つけたが、エスカレーターに乗らないと行けない。エレベーターでのんびり下りているようなヒマはないのでカートを捨てて、そのまま30キロ超の荷物を抱えて階下へ。
さらに地下に下りて5年前に迷子になったやたらと長い地下道を走る。
30キロ超の荷物が肩に食い込み、ダウンジャケットなんかを来ている私は汗ばむ。が、そんなことを気にしているヒマはない。走れ!
で、驚異的なスピードでたどり着いたターミナル2。時刻は17時40分。あと25分。何とかなるかな…と思った私の目の前にあった光景。
上野のアメ横と見まがうようなチェックインのフロアー。
そりゃもう全く身動きが取れないというくらいの人混み。長い行列がぐにゃぐにゃ曲がって、何がどうなっているかもまったく分からない。しかももともと天井が低いから更なる圧迫感を感じる(ちなみにさっきから写真が何枚か出てきていますが、これらの写真は言うまでもなく帰りにわざわざフライトコネクションセンターに行かずに外に出て撮ってきたものです。この時に写真を撮る余裕なんかある訳ありません。ところで、家で写真を加工した時はなんでもなかったのに、ウェブに載せるとやたらと暗くなったのはなぜ?)で、右の写真のフロアーが本気で人で埋まっていたのです。
とてもチェックインカウンターにたどり着けそうもなかったので、目と鼻の先にあったルフトハンサのチケットカウンターに。ここも当然長い行列。仕方ないので「ファーストクラスチェックイン」のオババに
「すいません。出発まで後20分しかなく、乗り遅れそうなんですが…。」
と言ってみる。するとこのオババ、心底うんざりした顔をして、
「あなただけじゃないわ」
とひとこと。このオババ、ファーストクラス以外の客には冷たくするように仕込まれているのだろうか。殺意を抱きそうな場面だが、そんな余裕もなかった。で、見るに見かねたエコノミークラスの方に行列をしていた人が、「乗り遅れそうなら先に行きなさい」と言ってくれる(どこにでも神はいるものです。感謝)。で、カウンターのおねえさん、
係:「18時5分発で今は…17時45分。…悪いけどもう遅いわ」 私:「私のせいじゃないんですけどねえ」 係:「事情はともあれ、もう間に合わないわ。次の便の手配をするからターミナル1のブリティッシュミッドランドのチケットオフィスに行って。」
…こうしてロンドンで見事に飛行機に乗り遅れる。
諦めきれない私は、白い目で見られつつも人ごみを掻き分けチェックインカウンターへ。しかし言われたことは同じ。
こうして、今度はカートを丸い背中で押しつつ長い長い地下道をターミナル1まで戻る。
くそー、荷物さえなけりゃ余裕で間に合ったのに。 だいたいなんでコンピューターがダウンするんだよ。 いくらルフトハンサのチケットカウンターとはいえ、あんなつっけんどんな対応をするんだよ。
思いつく限りの罵詈雑言を頭の中に浮かべつつ、ターミナル1のブリティッシュミッドランドのチケットオフィスへ。カウンターのおねえさんは感じのよさそうな人。
私:「かくかくしかじかこういう訳でハノーバー行きのヒコーキに乗り遅れました。今日中にフランクフルトでもいいのでドイツに行きたいのですがなんとかならないでしょうか(ハノーバー行きの飛行機は乗り遅れた18時5分発が最終)。 係:「うーん。ちょっと待っててね」
ここでは20分も「ちょっと」のうちに入るらしく。おねえさんが戻ってきたのは20分後。
係:「お待たせしてすいません。いま、ダブリンに電話をして連絡を取ろうとしたんだけど、連絡がつかないのよ」 私:「きっと今もパニクってるんじゃないの?(←イヤミ)」 係:「もう少し待ってて」
で、数分後おねえさんが戻ってきて…
係:「今回の乗り遅れはあなたのせいじゃないし(当たり前じゃ)、とりあえずホテルを手配致しました。で、フライトは…」 私:「明日の朝一番のに乗れますよね?もしかして、これ、役に立ちます?」
と言いつつ、自分の財布から取り出すのは、スターアライアンスのシルバークラスのフレクエントフライヤーズカード(マイレージカード)。これを出した瞬間に、おねえんさんの態度が変わった…ような気がする。何の根拠もないけど。
係:「(コンピュータのキーボードを叩きつつ)じゃ、朝7時のフライトにリストをしておきました」
と言うわけで、ホテルとホテルまでのシャトルバスのバウチャーをもらった私は、バスで指定されたMarriottホテルへ。シャトルバスの中で、バウチャーを見ると、「シングルルーム。レート£45」と書いてある。「ああ、どうせ空港近くのくそ狭いホテルなんだろうな」と思っていると、バスはやたらと立派なホテルの入口に社長付けされる。
え?ここ?
そこにあるのは、何の変哲もないものの、それなりの格式を感じる立派なシティホテル。そう、£45というのはあくまで航空会社向けの特別割引料金で(一説によると、通常料金の半額以下らしい)、私は海外では泊まったこともないようなやたらと立派なホテルに一泊できることになったわけ。しかもタダで。
ちなみに諸般の事情で、パリでフライトがキャンセルになったことがある。このとき、シャルルドゴール空港のエアフランスの対応は最悪以下のもので、結局、宿無し文無しになった経験がある。本気で怒った私は抗議の手紙を書いた。以来一年近く立つが、エアフランスからの返事は未だ来ていない。以前にもエアフランスで痛い目にあっている私は、「絶対に例えタダでもエアフランスには乗らない」という信念を持っている。
閑話休題。部屋に行ってみると、…セミダブルのベッドが二つ。ここに1人で泊まってどうしろと言うのだ?やたらと立派な部屋で一瞬どうしたものかと思案に暮れるが、吹き抜けのロビーにあったバーへ行ってみることに。
で、バーで、夕食とワインを4杯飲んでいるうちに(ほぼボトル1本開けた計算になるな…)何時の間にか時間も経ち、ついでだからと久しぶりに風呂にも入り、その日は安眠。
で、話は翌日へ。…話はさらに予測不可能な方向へと転がっていくのだが、その話はまた明日に続く。
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2002年01月03日(木) |
前代未聞。思いつく限りのすべての災難に遭ったドイツへの長い道(その1) |
昨日書いた「ユーロへの移行」のお話。ラジオによると、ダブリンでは予定以上の早さでアイリッシュプントの淘汰が進んでおり、今週中にはほとんどすべての取引はユーロで行われるようになるとのこと。…ということは、
アイルランド人は現金を持っていない
…ということになるのかな。うーん。
で、今日のお題は「ドイツへの道」です。出発前にこんなカキコをしていったのを皆さんはご覧になられたでしょうか。
あと24時間ほどでハノーバーに飛びます。今朝のニュースによると、明日が「年で一番ダブリン空港が忙しい日」らしい。鬱。
で、どうなったかというと…これがまた、前代未聞のとんでもない旅になったのです。。
12月22日。いよいよ家を出ようという時、玄関先で、二つあった荷物のうちの一つの金具がドアに引っかかる。なんだか不吉な予感がよぎる。
午後2時前。15時15分発の飛行機に乗るために1時間30分も前に空港に到着した私。やはりといえばやはりダブリン空港は悲惨な状況。人が溢れている。とはいえ、電光のディスプレイを見なくてもどこのカウンターに行けばチャックインできるか覚えているくらい慣れた空港。ブリティッシュミッドランドのカウンターへ行ってみると…まあ、すごい行列でして。文句を言っても始まらないので、行列の一番後ろに並ぶ。
で、気がついたのだが、列が全然動いていない。列の先頭のカウンターを見ると、なんだか仕事をしているような感じではないのだ。
しばらくするとアナウンスが流れる。
「XX航空XX便XX行きご利用のお客様にご案内申し上げます。ただいま、コンピューターのトラブルの為、搭乗手続きを一時見合わせていただいております。まもなく、復旧の見通しですので、お急ぎのところ恐れ入りますがしばらくお待ちください」
そのアナウンスに続いて、各航空会社が同じような放送を始める。…おいおい、空港全体でコンピュータのダウンか。
ちなみに、このダウンの影響を全く受けていないと思われる会社がたったひとつ。…ライアンエアー。あいつらチェックインに元々コンピュータを使っていないので何の影響もないように見えた。ちなみに彼ら、チェックインカウンターは、紙にプリントアウトされた、乗客名簿に、ラインマーカーで印をしてゆくという香ばしい作業をしている。
で、さらに待つこと30分。ようやく機械に頼らない「マニュアル」で、搭乗手続き開始。これがまた時間のかかることかかること。列に参加して1時間30分後、ようやく私の番が来た時にはすでに時刻出発時刻寸前。…遅れは確実。で、カウンターのおねえさん、信じられないことを言い始める。
係:「今日は…ハノーバーまで、お預けの荷物は二つ、このスーツケースとバッグですね」 私:「そうです」 係:「申し訳ないんですが、本日、ダブリン空港のコンピュータがダウンしてまして、一回乗り換えのロンドンヒースロー空港で荷物を受け取って、一度外に出て新たにロンドン−ハノーバー間の搭乗手続きをお願いできますか」 私:「乗り換え時間、90分なんですが。で、この状況だと、ヒコーキ、確実に遅れるでしょ。間に合うの?」 係:「大丈夫ですよ(←出た!アイルランド人の何の根拠もない「大丈夫」) 私:「ふつうに荷物なしでFCC(フライトコネクションセンター=ヒースローでの乗り換え客はここでパスポートコントロールやセキュリティチェックを受ける)経由で行っても45分は軽くかかるんですよ(大げさ。30分あれば大丈夫)。本当に大丈夫でしょうね」 係:「大丈夫…なはずです。で、こちらが搭乗券ですね。ゲートは…ゾーンCの…どこか。搭乗時刻は…まもなくですね。」
搭乗券を見ると、搭乗時刻は14時45分。で、現在は午後3時10分。矛盾してる。…そんなことよりも何よりも、この搭乗券、前代未聞の手書き。それこそ何度となくヒコーキに乗ったけど、手書きの搭乗券は生まれて初めて見るわ。よく見ると、搭乗ゲートも書いてなきゃ、席番号も書いてない…。
私:「あの、席は…」 係:「自由席です」 私:「ついにブリティッシュミッドランドもライアンエアーみたいになってきたねえ(←言うまでもなく大イヤミ)」 係:「ハハハ。よいご旅行を」
前途多難。
で、搭乗ゲートに行ってみた。どうせ遅れるに違いないと、定刻を過ぎているのにチョコレートをお土産に買う余裕ぶり。15時30分。つまり定刻の15分後に搭乗ゲートに行ってみると、…今ようやく搭乗を開始したところ。
で、結局ヒコーキが飛び立ったのは16時過ぎ。定刻より40分以上遅れている。(ヒコーキの「出発時刻」は「出発ゲートを離れた時」)
で、スッチー(ド)さんたちが、サンドイッチを放り投げんばかりの勢いで乗客に配り(それくらいフライト時間は短いのに食事と飲み物を提供する)あっという間に着陸態勢。
で、忙しいフライトは17時10分、定刻より35分遅れでロンドンヒースロー第一ターミナルに着。
「次のフライトは18時5分。で、搭乗手続きの締切は普通出発の30分前だから、17時35分までにターミナル2につけばなんとかなるな…。で、地下道を走れば、ターミナル1から2まで10分で行くだろうから、つまり17時25分。あと15分以内で荷物を受け取れれば、多分何とかなるな」
と頭の中でこれからの行動のシュミレーションを立て、一抹の不安を感じつつも、「何とかなるさ」という結論に至る。
で、この後、上に書いたシュミレーションは見事に崩れ去る結果となるのだが…この続きは明日に続く。
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2002年01月02日(水) |
ユーロが街にやってきた(その3...だっけ?)アイルランドの巷の騒動 |
新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
と、まあ、おざなりなごあいさつを書いたところで。実は、今日の日記はすでにドイツまでの長く険しい道のりについて書いたんです。…が、訳あって、「記事の差し替え」をすることにしました。今日の緊急のネタはユーロについてです。
ご存知の通り、EU統合の目玉ともいえる「ユーロ」という新通貨が昨日から一般に流通を始めました。で、昨日は休日でしたから、実質上は今日が初めてのユーロの流通開始日とも言えるわけでして。で、まあ、予想していたこととはいえ、これがまあ混乱に混乱を呼ぶこととなりまして。
あ、いちおう基礎知識として、だいたい£1=100p=€1.27=127c=¥135です。これを頭に入れて読んでいただければ間違いないと思います。(あ、「ユーロ」って機種依存文字じゃないですよね?もし文字化けしているような方がいればお知らせ下さい)。
まず、朝、会社の社員食堂に行ったわけです。ここで、いつものスコーンとバターを買ったところ、今まで45pだったものが、70c。つまり55p。…しっかりと便乗値上げしています。で、£1コインで払ったところ、お釣はユーロ。なんだか良く分からないままその場は退散。何だか損をしたような感覚だけが残ります。
で、これはまさに嵐の前の静けさでして。今度はお昼に社員食堂に行くと、レジの前には行列。レジはあからさまにあたふたしています。
で、私の前にいた私の友人の番になると、レジ係が
「アイリッシュプントのコインは受け付けません」
と宣言。…あんたなあ、朝はちゃんと受け取っただろ。しかも、そんな宣言、何の根拠もないぞ。が、口論をしようにも後ろには行列。視線が痛い。結局私がまとめてユーロで払うことで決着。で、気がついたらお盆の上のランチはすでに冷め切っており仕方なくレンジでチンする羽目に。
で、会社帰りに郵便局に行き、ロトと切手を買おうとしたのだが、これがまた行列、ここで待つこと10分。切手とロトを買ったのだが、全部で£5.1のところ、€10ノートで払ったところ、お釣は€3程度。今、これを書きながら計算をして、間違っていないことに気がついたのだが、まさに今の今まで、お釣りを間違えられた気がしていた。で、それに対する恨み言日記を書こうとしてたのが、急遽路線を変更せざるを得なくなってしまった。
どうしても感覚的に€10を£10と考えてしまって、お金の減りがやたらと早くなったような気がするのだ。前にも書いた通り、アイルランドがユーロ参加国の中で唯一、物価が高くなったと錯覚を起こす国。たとえば、ドイツでは€1=1.95DMと「半額セール」が始まったかのような感覚に陥る。これはアイルランド以外の国すべてに共通で、アイルランドだけが、急に物価が高くなったような錯覚に陥るのだ。もしかしたらアイルランドの景気の冷え込みはユーロ導入によって加速されたりして。
で、まあ、家に帰ってみると、財布の中は小銭だらけ。とにかく値段が良く分からないし面倒くさいので札で払ってしまうのだ。海外旅行でよくある現象と同じ。ラジオでは「受け取ったコインは早く使ってコインを流通させましょう」なんてコマーシャルが流れていた。なるほど、こういうことだったのね。
ちなみにうちの住人のひとりは今日テスコ(スーパー)に買い物に行って、レジに30分並んだとか。多分明日会社に行ったらこんな話をたくさん聞くんだろうなあ。
郵便局のあとに行ったニュースエージェントのレジのおねえさんは
"Give me a break!!"
なんて叫んでいました。気持ちはよーく分かる。よほど一日中混乱していたんでしょうね。アイルランド政府、あるいはEUは「2002年1月はすべての決済をクレジットかどまたはデビットカードで行わなくてはならない」なんて法律を作ればよかったのに…とすら思いました。まそんなの現実的には無理でしょうが。
まとまりが無くなりましたが、これがアイルランドの本日の現状です。多分、あと1週間もすれば落ち着くんだろうけど、取り合えず今日は大混乱してました。
明日は聞くも涙のドイツへ行くお話。ラッキー、明日は日記書かなくていいや。もう書いてあるもん。
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