*黎明ノォト*

2008年07月09日(水) 心の在り方

私はいつの間にか自信をなくし、
自分の在り方も定かでなく、
不安を感じることすら放棄して、
ひとりぽつーんと、
此処にいます。

*******

彼女は言いました。

「どの会社でも、女を男より下に見る風潮があることに変わりはないし、
 それは仕方のないことだと思うわ。」

私もそうですね、と頷きました。

女性が結婚や出産等を理由にやむなく退職することは
男性が「ここには居られない」と退職するよりも
確実な割合で発生するでしょうし、
だからこそ女性全体がリスク高く見られ重視されにくい・・・
というのは現実にありえてしまう、と私は思う。

けれど彼女はあまり私の話を聴かず、むしろ遮るように

「会社側も採用や教育に莫大なお金をかけるのだから。」

と言いました。

ふむふむ。と私は頷きました。
そして・・・どういう脈絡だったか私はこう呟いたのです。

そういう上司から抑圧された状態であれば、
サラリーマンである男性はなかなか素直に意見が言えませんね。
女性なら、また別の違ったやり方があるでしょうけど・・・

彼女はあら、と反応しました。
少し笑って(それは一種の余裕に見えました)。

「男も女もやり方は一緒でしょう?
  同じやり方で戦うほうが面白いじゃないですか」

それは私が考えていることとは違って、
けれど彼女の確信に満ちた言い方に
私は反論する言葉を選べませんでした。

“あなたは同じやり方で戦えないの?”

と内心では言われていたのかもしれない。
意地悪な性質の方ではないので、
とてもストレートに、自分の信じるままにそう言っていた、
と思います。

私の中にも、私の信じることがあります。
それはもはや誰かに動かされることない、
誰かとの議論によって生き方が変わるでもない、
身体ですっかり感じて覚えてしまったこと。

けれど私はそのとき彼女の言葉に反応できませんでした。

 あきらめてるってことかも、
 同じように見られないのであれば違うやり方で行くしかない、

などと言葉を連ねましたが、
絶対相手に真相は届かないと思って、結局やめてしまった。
言葉でうまく表現できないことがちょっとショックで、
もごもごと口ごもってしまったのですが、

あとで彼女は
「ごめんなさいね、ちょっとキツい言い方だったかな。
  考え方を押し付けてしまった」
と、言ってくれました。

うん、そうですね、確かに気圧された。

私を傷つける内容ではなかったけれど、
あまりに彼女が自分を信じていて、
確固たる己の考え方を防御していることが伝わって、
聞いてもらえない、と感じたことがキツかった。


後になっても素直に謝れる彼女は、性質のさわやかな方です。
ただ身の内になにか硬いものを抱えていて、
表面よりも、内側で突っ張ってらっしゃる。

周囲が自分と同じでないことを憂慮しているのかな、
それとも不甲斐なく感じているのか・・・
ストイックな自分にコンプレックスがあるのかな。


*************

彼女からしてみれば、単なる脱落者の戯言かもしれないけれど。
他人の在り方を許容する、という余裕がなければ
自分の心の在り方は静まらないと思う。

彼女のストイックなところは見ていて爽やかです。
久しぶりに見る感じなので、新鮮です。

私は頑張っているんだ!という気持ちがもしもあるならば、
それを超えたら楽になるのになって・・・少し思ってしまった。

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うんうん、自分がこんなことを口走るようになるとは思わなかったな。

うんうん、そうね、単なる脱落者の戯言ですね(笑)


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那音 [MAIL]

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