今日も今日とて
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ワタシの住居はささやかながら持ち家であります。 築4年の中古住宅を、ほとんど居抜きの状態で買いましてね。 前に住んでいたのが独身男性(40代)で、この方がまた几帳面でキレイ好きで、タバコも吸わなかったようで、本当にキレイな状態で譲り受けることができまして、ラッキーでした。 「結婚して家庭を持とうと思ったんだけどできなくて・・・( ´ω`) 転職して土地を離れることになったし、転居後の資金にしたいから」 という理由での売却ということで、特にいわくもなし。オバケもいません。 めでたしめでたし。
で。
買う前に家を見学に行ったときに、庭の芝生と、1本だけ植えてあったヒメシャラの木がとても感じが良くてですね。 それも割と強い購入動機だったんですよ。 ヒメシャラの枝振りがとにかくキレイでしてね。 もう幹も割と太くなってきていて、頼りがいもありそう。 植えてある位置も良かったのです。
「うん。この木は良い気を運んできそうだ( ^ ∀ ^ )」
と、ワタシはいたく気に入っていたわけです。
月日が流れ。 今年の3月半ばのことです。先月ですね。 きょんと車でご飯を食べに出かけようと、車に乗り込みながらワタシはひょいとヒメシャラの木を見上げてみたのですよ。
そしたら絶句。
ワタシがいつも見ているヒメシャラがこれだとします。
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しかし、この日このときワタシの目に映ったヒメシャラは、こうなっておりました。
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すぱーーーーーーーーんっ
と、
上が、ない。
ちょっとオシッコもれちゃうかと思った。 それくらいビックリした。
あの美しかったヒメシャラの枝振りが。姿が。 これはいったいどうしたことだ。
「・・・これ・・・・どうしたの? あなた切ったの?」とワタシ。 「あー、うん。えへへ。 じょりぃが一日出かけているときに、切っておいたー」
なぜワタシに無断で。 しかもこんな切り方。 見れば幹が太いので、わざわざノコギリで切ってあります。
な、 な、
なんちゅーことしてくれたんじゃーーーーー!!!!!!
と、怒鳴りだしたいのをぐっとこらえ。 昔のワタシでしたら目に涙を浮かべながらきょんを罵倒しまくるところですが。 ワタシも少々大人になっております。 それに、怒鳴ったところでヒメシャラは元には戻りません。 怒鳴って元に戻るのだったら、きょんが家出したくなるくらいヤッチマッタかもしれませんが。
しかし繰り返しますが、怒鳴ったところで元には戻りません。 まずは、なぜこんなことになったのか、なぜ急に切る気になったのかを確認してみることに。
「なんで切ったの?」
穏やかに、を心がけていましたが、どうしても押さえられない部分で むぉーん と怖いオーラを発しているらしいじょりぃ。 きょん、ちょっと引き気味になりながら
「あ・・・電線?電話線? それに引っかかりはじめてたから・・・」 「そう」
無言。
そうか。動機はわかった。動機としては正しい。 しかし。なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。なぜ。 ワタシのいないときに、我が家の庭の顔でもあった木を、ワタシに何のことわりもなく切るのか。 (ワタシの持ち家なのに!って意味じゃありませんですよ? ワタシの方が庭木のカタチやらにうるさいからであります) 気に入っていた木だっただけに、どうしても怒りがふつふつとわいてきます。
無言。
無言で車を走らせるじょりぃ。 なぜ無言かというと、口を開けばイヤなことやキツイことを言ってしまいそうだからです。 ワタシは本当にあの木を気に入っていたのですよ。 それなのに、あんなひどい姿にしてしまうとは。 なんかこう、ちゃんとモノ考えて切ったりしたんだろうか。 バランスとか見栄えとか、そういうことって全然考えないのかあんたは! てかなんで勝手に切るんだよ! 切っちゃったらもう元には戻らないんだから、慎重にコトを進めろっつーの!!
とまあ、無言でいてもアタマの中はそんなことでいっぱい。 だいたい、いつもは楽しくおしゃべりしながら車に乗っているのに、無言てだけできょんも息苦しいはずです。 落ち着け。落ち着くのだじょりぃ。 腹を立てても木は元に戻らない。<これだけがワタシを沈める言葉
でもまたこのようなことが起きたら困ります。 ていうか、イヤです。 「もうこういうことしないでね」ということは伝えたい。 伝えたいけど。
きょんはきっと、好意でやってくれたんですよ。 なっちゃんが不在でワタシが忙しかったので、ずいぶんといろいろ気を遣って家の用事もしてくれておりました。 ヒメシャラが電線に引っかかりそうなのも、気になっていたものの、ワタシに頼みたかったけど頼めなかったのかもしれません。 ならば自分が一肌脱ごう、と一念発起してくれた可能性は十分あります。 ヒメシャラの背丈も高くなってましたから、あの足場の悪いところで脚立に乗ってがんばったのでしょう。 脚立に乗ってノコギリ使うのも難儀だったでしょう。 そして、ワタシが「大変だったでしょ、ありがとう(´∀`)」と喜ぶことすら想像して、ギーコギーコやったのかもしれないではないですか。
なのに「もうこういうことしないでね」とワタシに言われてしまったら、きょんがショボーン(´・ω・`)としてしまうのは火を見るより明らかです。 それは気の毒であります。 とはいえ、もう絶対、二度と、何が何でも、同じことはしないでほしいというのも事実です。
腹を立てたり感謝したりしながらアレコレ考え、ワタシが言った言葉がこちら。
「今度からは、一緒にやろうね。 ああいう大物はさ」
文字にするとやさしい感じですが、どうしても声が冷たくなってしまいました。 でもワタシ、精一杯だったんですよこれで!
きょん「ん、わかった」とだけ答え、やっぱり少ししょんぼり。 そしてちょっとムッとしてもいたようです。 まあ、無理もありません。 あちらはあちらで「おまえ何様だよ」と思っていることでしょう。
そのうちワタシが違う話を振り、だんだんと和やかな雰囲気に戻り、無事に食事も済ませて帰って来たのですが。
それからのワタシは、ヒメシャラを見るたびに
「ああ・・・(つд-。)」
という気分の毎日でありますよ。 本当に不格好になってしまったのです。 そして、家全体のバランスも悪くなりました。 少し前にも書きましたが、ワタシはバランスというものに非常に重きを置きます。 ワタシにとって家相というのは、「北東が云々」「南西が云々」というものではなく、見た目の印象、バランス、受ける「感じ」が大事なのであります。 あと風通し。というか、空気の流れ具合とでもいいましょうか。 その見た目の印象が、バランスが、要するに家相が、なんだか実によろしくない。 と、家主のワタシが思いこむのがよろしくない。 よろしくないんですが。
上へと向かってベクトルが伸びていた造形が、「すぱーーーーーんっ」とその上昇の気を断たれる、といのは、やはり見ていて非常に気持ちが悪いというか、痛々しくさえあるのですよ。 だいいちカッコ悪い。見た目が悪い。美しくない。 このヒメシャラを何とかしたい。 でもあまりにもな「すぱーーーーーんっ」ぶりで、何というか、手の施しようがない、っつー感じなんですよ。
ヒメシャラのカタチが変わってしまった無念さは消えなかったのですが、きょんに対する腹立ちが収まってきた頃、ちょうどなっちゃんが復職してきたので「これ見て」と変わり果てたヒメシャラの姿を見せました。
「あらーーーーー。・・・・どしたのこれ?」となっちゃん。 「実はこれこれこういうわけで」 「・・・・そう。それはショックだったでしょ」 「とてもね・・・。でも、きょんに怒っても木は元に戻らないし」<また言ってるよワタシ 「そうね。 少し周りの枝も剪定すれば、雰囲気変わるんじゃない?」 「そう思ったんだけど・・・なんかどうやっても寸詰まっちゃうし、やりようがあるかねえ?」 「うーーーーーーーん・・・・・でもこのままというわけにも・・・」 「いっそ、これは抜いちゃって、新しい木を植えようかな」 「うーーーーーーん・・・まあ、それも手だけど・・・・」
ぐるぐるとヒメシャラの周りを歩いていろんな角度から眺めつつ、なんとも言いようのないなっちゃん。
そして先日。 きょんもなっちゃんも仕事がお休みの日。 良く晴れた気持ちの良い日でありました。
気分転換に庭に出まして。そしてヒメシャラが視界にイン。 ああ、やっぱり格好悪い。どうにも気がよろしくない。 でもでも。
やっぱり違う木に植え替えるのはなあ。 今まで我が家を守ってくれてたわけですし。(どうかしら) そして実は、きょんもワタシも、気にしないようにはしておりましたが、このヒメシャラの一件は、目に見えない部分で何となくわだかまっていたようにも思いますし。 ていうか、表に出さないだけで、ワタシの気持ち的にはえらくわだかまっておりましたし。 臭いモノにフタをするかのように他の樹木に植え替えて体裁を繕うよりも、このヒメシャラで、きっちりと問題を解決しようじゃないか、と思いましてね。 こんな良い天気ですしね!
「ねえねえ」と、きょんに声をかけるワタシ。 「ん?」 「ヒメシャラさ、なんかバランス悪くなっちゃったと思うんだよね。家相的によろしくないような気がするのだ」 「え!ホント? どうしたらいい?」
ワタシの寝言のような言い分を真剣に受け止めてくれるきょん。
「ちょっとふたりで一緒に剪定してみない? バランス見ながらさ」 「うん」
そしてふたりで、あーじゃないこーじゃないと言いながら、少しずつ枝を切ってカタチを整えていきます。 基本的にワタシのチョイスでバッチンバッチンギーコギーコやっていたのですが、大きめの枝になると、切るべきか残すべきか、どうしても迷いが生じます。 そんなわけで、小さな枝や中くらいの枝を落とせるだけ落とした後、迷いに迷っている大物の1本の枝を最後に残し、しばし黙考するワタシ。
「この枝、どう思う?」とワタシ。 「あたしは切っちゃってもいいように思うけど・・・」 「うーむ」
しかし、切ったがためにけったいなカタチになってしまったことを考えると、「大きめの枝を落とす」という作業に踏ん切りがつかないワタシ。
「どうしようかなあ」 「じょりぃのいいようにすれば? 文句言うのはじょりぃなんだし」 「そうだねえ。・・・じゃあ、切るのはいつでもできるから、今回は残しておいてみようかな」 「うん」
ひととおり作業を終えまして。 うん。だいぶ切ったなあ。 ふたまわりくらい小さくなっちゃって、ちょっとさびしくなっちゃったけど、「不格好」というほどのこともなくなってきたかな? なんだ、やってみればまあまあのセンに落ち着いたではないかー。
きょんが家の中に戻りまして。 しつこいワタシはそれでもまだなお、いろんな角度からヒメシャラを眺め、バランスのチェック。 これからもっと葉が茂ってくれば、もう少しカッコ良くなるかな? うーん・・・でもどうも、何か今ひとつ、しっくり来ない。 「これでよし!」って思えない。
迷った末に残しておいた、きょんは「切っちゃってもいいように思うけど」と言った、大きめの枝に目をやりまして。 これ、切った方がいいのかな。 でも、すぱーーーーんっ てやって、このたびの元凶(失礼)を作った人のセンスを信じてしまって良いのだろうか。 いつもより弱気になっているせいか、さくさくと判断ができない上に、やはり弱気なせいでワタシの気持ち的には「残しておいた方が・・・」と、ついちまちまと考えてしまうのです。 きょんへの不信もあります。
しかしなぜか。
ぎーこ ぎーこ ぎーこ ぎーこ ぎーこ ぎーこ ぎーこ ぎーこ ぎーこ ぎーこ
その枝をノコギリで落としました。 考えるのをやめて、我がフォースときょんのセンスに従ってみたのでした。
らば。
うん! これはいい!
ヒメシャラや、おまえさん、またステキになったよ! いや、以前と比べると寸づまりで気の毒感は否めないけど。 でも、うん、良くなった。 またきっと美人さんになれるよ(*´∀`*)
家の中からきょんを無言で、しかし満面の笑みで引っぱり出しまして。 ヒメシャラの前に連れていきまして。
「きょんが切ったほうがいいって言った枝、切ったらほら、すごく良くなったよ!」と。 「あーホントだ。良くなったね」 「(にこにこにこにこにこにこ)」 「あーよかった。これでもう、じょりぃに怒られなくて済む」 「ワタシ怒らなかったじゃないのー」 「まあ、確かに怒らなかったけどさー(笑)」
怒らなかったけど、不満のオーラはひしひしと出ていたのねきっと(°▽°) ごめんよ、きょん。
葉っぱが大きくなってきて、最近はまた一段と美人になってまいりました、ヒメシャラ。 とはいえ今でも実はえらく不格好ですが、それでもヒメシャラを見るたびに「ああ・・・(つд-。)」と憂鬱になることはなくなりました。 さらに言えば、きょんがすぱーーーーんっとやっちゃう前よりも、今のほうがよっぽどヒメシャラに愛情を注げているじょりぃであります。
という、結果オーライでめでたしめでたしな今日の日記なんですが。
実は、すぱーーーーーーんっ に気づいてすぐに書いて途中になっていた日記の下書きを見つけたのがきっかけで、今日の日記を書いたんですけどね? その下書き
きょんへの悪口雑言だらけでした。
きょんに言えずにいた分だけ、テキスト上で怒りが爆発していたようです。
アップしなくてよかった。
今日、母が竹の子ごはんその他を作ってくれたので、実家に取りに行ってまいりました。 実家に取りに行ったのはワタシだけでなく、なっちゃんも赤ちゃんの顔を見せがてら寄ってくれまして。 さらに叔母(母の姉)も取りに来まして。 そしてさらに、皆で赤ちゃんをあやしながら料理ができるのを待っておりましたら、妹夫婦が「赤ん坊の匂いがする。クンクン」と言いながら登場。 実家と約束していなかったのですが、通りすがりに寄ってみたそうです。 何か一気に我が実家が大所帯に膨れ上がった数時間だったのですが。
妹は、前回なっちゃんが赤ちゃんを連れて実家に来てくれたときも、「たまたま気が向いて」実家にやってきましてね。 そして「赤ちゃん赤ちゃん(*´∀`*)」と、思い切りあやし倒して帰っていったのですが。 ワタシと妹は滅多に顔を合わせないというのに、何この偶然。 あいつには赤ちゃんを嗅ぎ付ける特殊能力があるのか。と本気で思ったりしたんですが。
まあそんな具合に、なっちゃんの赤ちゃん、サービス精神旺盛 というよりサービス精神過剰な我が一族に囲まれ(妹の夫も無類の子ども好きで、かつサービス精神過剰)、
「何のおかまいもしませんで(´∀`)」
とはとても言えないくらい、にぎゃにぎゃとかまわれまくっていたのですが。
途中でなっちゃんが、赤ちゃんにお乳をあげるために別室に行きましてね。 父は庭作業しに行ってしまいまして。 母はずっと台所。 叔母は母の手伝いに。 義弟は仕事の電話をするために外に出まして。
ワタシと妹だけになり、急にしーんとしまして。 ワタシはヒマつぶしに、側に置いてあった、手のひらに収まる大きさの四角い物体を手に取りました。 なんだろう、これ。
答は、折りたたみ式のルーペでした。 父が細かい文字を読むときに使うもののようです。 ルーペをひとしきり覗いたあと、黒い本体の裏側を見てみましたら、白のポスカで、父の名前がでかでかとローマ字筆記体で書いてありました。
またか。 また名前か。 またローマ字筆記体か。
ワタシは無言で妹にそれを見せまして。
妹「名前だね」 じょ「名前だね」 妹「相変わらず、でかいね」 じょ「でかいね」 妹「そしてローマ字か・・・」 じょ「そして筆記体・・・」
無言。 台所からは母と叔母が働く音。
「あなたさー、『あたしのモノに名前書かないでよ!』ってお父さんに怒ったよねー。年頃になったころ(笑)」と、妹をからかうワタシ。 「(笑)最近はお母さんがそうやってお父さんに怒るみたいよ」 「わははははははは」 「グローブをマジックで塗られて泣いた人もいたよね」 「あれは悲しかった・・・」
グローブの話をご存知ない方はこちらをどうぞ。
「でもさ、じょりぃちゃんのグローブは、ムクちゃんに比べたらどうってことないかもよ?」と妹。
ムクちゃん? はて? その話は何だね?
ムクちゃんとは、初めて飼った犬の名前です。柴犬の血の濃い雑種でした。 ワタシが小学校6年生のときに飼い始め、6年くらいしか生きなかったのですが。 もらってきたときに、むくむくとした子犬だったので、ムク。 シンプルな名付けです。 現在の我が家の犬も「ぼーっとしてるからぼーちゃん」「白いからシロちゃん」と実にシンプルですが。
で、そのムクちゃん。 何か気むずかしくてあまりなつかない犬で、しかもしょっちゅう脱走するような犬で。 かわいがっていたつもりだったんですが、飼い方が悪かったんですかねえ? でも犬もなかなかそれぞれ個性が強いので、独立心旺盛な犬だったのかもしれません。 そのムクちゃんが、ワタシのグローブにも増して父からひどい扱いを受けた、と、妹はこう申しているわけであります。 そしてワタシはそのことを覚えておりませんでした。
「え? ムクちゃんにいったい何が?」とワタシ。 「覚えてないの? まずさー、よくお父さんに眉毛描かれてたじゃん」
それは言われてみたら思い出しました。 父は大真面目に「この方がハンサムだ」と、ムクちゃんに黒マッキーで黒々と眉毛を描いていたのでした。 しかも一度や二度ではなかったような気が。
・・・そんなことをされたから、脱走するような犬になってしまったのかしら。 ワタシがムクちゃんでも、脱走したくなるかもしれません。
「はいはい!思い出した!」とワタシ。 「じょりぃちゃん、もしかしてアレも覚えてないの? ピンクの水玉」と妹。
ピンクの水玉? なんですかねそれは。
「覚えてないなあ」
妹が教えてくれた父の行いはこうでした。
「お父さんさー、ムクちゃんをピンクの水玉模様にしちゃったんだよ」
え!
「え! ど、どうやって?」<何も覚えていないワタシ 「ちゃんと紙を水玉柄に切り抜いてマスキング作って、ピンクのスプレー缶で、しゅーーー!っと」 「・・・いったい何のために・・・?」 「これなら脱走しても、すぐにうちの犬だってわかって、保護してもらえるからね( ^ ∀ ^ ) って」
絶(°▽°)句
それならいっそ、ムクちゃんに直接父上様の名前と電話番号でもでかでかと書いておけばよかったのにと一瞬思いましたが、そういう問題ではありません。 それに、薄茶の犬にピンクの水玉模様ってセンスとしてどうなのかと激しく思いますが、そういう問題でもありません。
・・・ムクちゃんが6年で死んでしまったのは、父によるストレスのせいだったのかもしれません。 ていうか、覚えていないだけで、ワタシと妹も父にどんな落書きされてたかわかったもんじゃないですよホントにもう。 しかしワタシもよくこんなショッキングな事件をキレイさっぱり忘れたもんです。 もしかして、共犯だったのかしら・・・罪の意識から記憶消去・・・?
いやいやまさか! いやだーーー! 考えたくないーーーー・゜・(ノД`)・゜・。
とりあえず、動物愛護なきょんにはこの話は伏せておこうと思います。くわばらくわばら。
両親は最近、ビオトープに凝っているらしく、今日も父がなっちゃんの赤ちゃんを抱っこしながら
「ほーら、金魚。メダカもいるよ( ^ ∀ ^ )」
と得意そうに見せていたのですが。
今度実家に行ったときは、父の折り畳み式ルーペを借りて、金魚やメダカに名前や柄が落書きされていないか確認してこようと思います。 とワタシは今、あくまでも冗談で言ってますが、彼の場合ホントにやりかねなくて心配です。
転校してしまったから、学校に行ってもミヨはいないんだなー。 もう学校なんて行きたくない。
・・・とは思わず、あたりまえのように学校に通うじょりぃだったんですが。 ミヨのいないさびしさというのはとてつもないものがあったんですが、子どもの持つたくましいサバイブ能力により、それはそれこれはこれで「ミヨのいない学校生活」にすぐに馴染みました。 まわりの友人に恵まれていたのと、ワタシの無神経な無邪気さにより、「ミヨが転校したせいで、しばらくひとりぼっちでした」という涙を誘うようなエピソードもなく。 そしてこのころから、「誰とでも仲良くするけど、特定の相手と契りを交わしたようにべったり」なつきあい、というのはワタシはしなくなりました。 ミヨで懲りちゃったから、ってことではなくて、ミヨのように仲良くしたい相手がいなかったからだと思います。
さて。 どこに行っちゃったかわからないミヨでしたが、ミヨが転校してすぐに、ワタシは
「絶対ミヨを捜して、ミヨにまた会う」
と心に決めておりました。 この時点では「どんなに長い年月がかかろうとも!」なんて気負いはもちろんあるはずもなく、すぐに見つけてすぐに会いに行って、「これからも仲良くしようね!」と約束したい、という、ただそれだけでありましたが。
で、ミヨとワタシが別れの挨拶も交わせなかったことにちょびっと責任を感じていた上に、ワタシの「ミヨはどこに越したの?」のしつこすぎる攻撃に遭っていた母は、ミヨの住んでいた町が自分の生家に近かったコネを活用して(たぶん)、ミヨの引っ越し先をおぼろげにですが入手してまいりまして。
「ミヨのお母さんの故郷はヒロ○○なんだって。遠いねえ」と母。
なんで伏せ字になっているかというと、情報を伏せたいわけではなくて、忘れてしまったからなんです。 なにしろほら、ワタシったら子どもだったでしょ?ていうかバカでしょ? 聞いてすぐは「ふーん。ヒロ○○かー」と頭に刻んだつもりだったんですが、数ヶ月したら忘れてしまったんですよ!
数年後に母に「ミヨの引っ越し先ってどこだったっけ?」とたずねてみたのですが、母もアホで
「あれ? 忘れちゃった」
もうこの親子どうにかして。
このように数年経ってから母に「ミヨの引っ越し先ってどこだったっけ?」とたずねることになった理由は、ミヨを捜す機会を得たからでした。 小学校4年生になり、ガールスカウトだったじょりぃは、連盟の主催するキャンプに参加できることになりまして。 そのキャンプは県内のガールスカウトが集まって行うのですが、小4のワタシにとって「県内の見ず知らずの仲間がみんな集まる」というのは、とてつもなくグローバルめいたことだったのです。 ワタシが幼かったということに加え、情報網も交通網も発達していなかった当時は、今よりもずっと日本は大きく広かったように思います。
で、「そんなにいろいろなところから人が集まれば、ミヨのことを知っている人に会えるかもしれない!」と、ワタシの期待は高まったのでした。 そして母に「どこだったっけ?」と聞いてみたら「忘れた」と。
( ´_ゝ`)
でもワタシ「ヒロ」が頭につくことは覚えておったのであります。 遠くで「ヒロ」ってことは、広島県に違いない! と思いこんだ ァ'`,、('∀`) 今考えれば、都市名かもしれないんですよ。弘前かもしれませんし、広瀬市かもしれませんし、なんつーか、「ヒロ」が頭につく地名なんて、町名も加えちゃえば束ねて売るほど数があると思います。 しかし4年生な上にアホだったので「ヒロと言えば広島県」だったんですナ。
ということで、キャンプに行ってからは、話す人話す人に「広島に知り合いいないー?」と聞きまくるじょりぃ。 さらに「ミヨって知り合いいないー?」と。下の名前だけで。苗字がわからないですから。 でもミヨの名前って、すごくよくある名前なので、これはホントにアテにならない。 「いるけど・・・でも転校してきた子じゃないよー」という返事がほとんど。 それでも、いったい何人に聞いて回ったろう。すごく変な子だったと思いますワタシ。
で、そのキャンプの収穫というのは、結局「飯ごう炊飯習得」「キャンプファイヤーってすごい!」「トイレのないところでのトイレの作り方と用の足し方」「道しるべの作り方」程度という、ガールスカウト的には成功でもミヨ的には収穫ゼロというものでした。
家に帰って、キャンプの報告と一緒に、母に「ミヨを知ってる人に会えなかった・・・(´・ω・`)」と話しましたら、
「おかあさん、一つ思い出したんだけどさ、ミヨのお母さんの旧姓、□□って聞いたよ。もしかしたら今その苗字かも」と母。
すーごーいー情ーーーーー報ーーーーー!
手がかりが増えた! もしかして再婚してたら苗字変わってるけど・・・と母が念を押しましたが、今まで「ヒロ」と「ミヨ」しか手がかりがなかったのですから、これは大きい情報で、ワタシは小躍りいたしました。
しかしまた、この苗字がありふれてましてね( ´_ゝ`) そして余談ですが、ナナの結婚後の苗字がこの□□で、知ったときは「すごい偶然!」となんだか嬉しくなったりしました。 ロマンチッ子じょりぃはこーゆー偶然が大好きなんです。
苗字がわかって喜んだものの(それも現在本当にソレなのか怪しいものでしたが)、ガールスカウトのキャンプで収穫がゼロだったというのは、子どもじょりぃにはかなりションボリな出来事でありました。 子供な上に単純バカでしたから、「キャンプに行けば誰か一人くらいはミヨを知っている人に会えるだろう(・∀・)」と思いこんでいたのでありますよ。
そんなわけで、「もしかしたら、ミヨにはもう会えないのかもな・・・」なんてことも思い始めた夏休みのある日。 ワタシは「アリの巣の終点を見つける」という目標を達成すべく、その日は午後からずっと庭に穴を掘りまくっておりました。 女王アリというのを見てみたい。アリの巣の終点を見てみたい。というわけわからない衝動に駆られ、小さいシャベルでザクザクと庭を穴だらけにしておりまして。 でも、夕方になっても終点は見つからず。(何をもって終点だと思っていたのかワタシは) アリの卵がたっぷり貯蔵してあるところは見つけて、もう少しかもーと掘ってみるものの、卵をつぶすのがなんだかしのびなくなってきましてね。気持ちが折れた。 終点、見つからないのかー。 女王アリも見つけられなかった・・・。 と思ったら、見つけられないミヨのことも思い出してしまって、夏の夕暮れにさびしさもひとしおです。
ふと顔を上げましたら、隣家との境の垣根の隅に、白い大きな朝顔が咲いてましてね。 毎年咲いていたはずなんですが、子どもって花にはあまり興味なくないですか。ていうか、ワタシ、虫ばかり見ていたもので。 で、なんで朝顔なのに、この時間に咲いてるんだろー?と思ったんですよ。 白くてとてもキレイに咲いていたんです。
で、母親をつかまえて、「これ、朝顔なのに夕方咲くの?」と聞いてみましたら 「夕顔って言うんだよ。これは夕方咲いて、朝にはしぼんじゃうの」と。
それ聞いて、なぜなのかワタシったら、無性にさびしくなっちゃいましてね。 今ならそれはそれで「なんだかロマンチック☆」なんて思いそうなもんですが。 そのときはさびしくなっちゃったんです。夕方咲いて、朝しぼむ、というのが。
ワタシがこのときに見た夕顔は、やけに大きかったように思います。 そして、大きいせいなのか、少し下を向いて咲いていました。 それが転校の日のミヨの姿に重なりました。
ミヨの70%の笑顔よりも、だんだん転校のときの下を向いたミヨの顔の印象の方が強くなってきていたこのころのワタシでありました。 もう一度、ミヨの笑顔が見たい。 会って、話をしたい。
そしてワタシは「やっぱり絶対ミヨを捜そう」と思い直したのでした。単純。
ちなみに、今調べてみたら、ここで言っている夕顔、正確には「ヨルガオ」みたいですね。 一般にはヨルガオも夕顔と呼ばれているらしいですが。
そしてそれからは、ワタシのしつこさが何年にも渡って発揮されたわけです。 とにかく、誰かと知り合いになれば「こういう、ミヨって子知らない?」と聞くわけですよ。 あとは「広島に親戚か知り合いいない?」とかですね。たいてい「なんで?」とビックリされましたが。
そして、ミヨのその後を知っている、という人には会えないまま、ワタシは中学生に。
中学に入って1年の夏過ぎあたりから、ワタシはナナに夢中になりましてね。 それまでにも、幼いながらも恋のようなことはしたことがありましたが、ナナに対するそれは全然違うものだったので、その気持ちに夢中になり、ミヨへの執着心はだいぶ薄れてきました。 それでも、部活で県大会、なんてときには、他チームの人と話す機会があって、その人が気さくな人ならば「ミヨって子・・・」とやらかしておりました。 高校進学も、ワタシにとってはミヨに関する情報を得る楽しみでもありました。 が、もう昔のように無邪気にアホのように聞くことはできず。 それでも聞けそうな人には聞いてましたけど。
不思議なのは、ミヨがいた当時の同級生たちに、ワタシはこのようにミヨを捜し続けている、ということをなんとなく話せずにいることです。 今でも濃いつきあいを続けている高校ソフト部の仲間の中に、当時の同級生もいるんですが、ワタシがこんなにミヨに執着していることは知らないはずです。 てか、ミヨのことを覚えていることすらないかもです。 ミヨが転校してすぐのときも、ワタシはあまりさびしそうにはせず、ミヨの話題もほとんど出しませんでした。 今思うと「なんでかな?」と不思議なのですが、よくわからないなりに、傷ついていたのかもしれません。 傷ついたので、かえって平気なフリをしたのかもしれません。子どもなりに。
そして大人になる頃には「もう会えないんだろうな」と思うようになり、ミヨの存在はワタシの中で薄くなっていきました。 捜そうにも手がかりがありませんし。 ということもわかるようになってしまいました。 で、実際、つい最近まで、もうほとんどミヨのことを考えることはなくなっていたのです。
が。
先日調べ物をしておりましたら、偶然夕顔を見つけましてね。 で、「ああ、ワタシ、中途半端なままにしちゃってることがあったっけなー」と思い出してしまったのでした。 ミヨはしあわせにしているのだろうか。 ワタシのことなんて忘れちゃってるのかなあ。 ワタシはいつから、ミヨを捜すのをあきらめちゃったんだろう。
なんか、このまま終わりにしたくないな、と思いました。 会えなくてもいいや。 ワタシ、ずっとこれからも捜そう。 捜していれば、会いたいと思っていれば、いつかは会えるかも。 ていうか、思わなくなったら会えないやー。
例えば道でバッタリミヨと会う偶然に恵まれても、小学校2年生のときの顔なんて今と全然違いますから、きっとお互いわからないです。 そしてワタシには「ミヨ」という名前とかつてあの町に住んでいたということ、正しいかどうかもわからないミヨのお母さんの旧姓、それと「ヒロ」のつく地名しか手がかりがありません。 なんか、全然会える気しないんですけど。捜しようがあるのかしら。 そしてミヨはワタシのことなんて、もうすっかり忘れている可能性が大ですが。 向こうがワタシに会いたければ比較的簡単にコンタクトが取れるはずですが、今までそれがないということは、ミヨは特別ワタシに会いたいとは思ってないってことですよねぇ。
それでもワタシはやっぱりミヨに会いたいやー。 会ってどうするわけでもありませんが。 できればまた友情を復活させたい。
しあわせでいてくれるといいなあ。 ワタシのこと覚えていてくれてるとうれしいなあ。
という、またひとつ、「じょりぃってホントストーカーっぽくて執念深くて気味悪い」という、長いお話でありました。
まあ、理想としては、うまいこと再会したみたらミヨも実はレズで(ホントにしょーもない妄想なので以下略
源氏物語の巻みたいなタイトルですが。 じょりぃの縁側日記です。むかーしむかしの思い出話です。
みなさまは、何年も何年も、誰かを捜したことってあるでしょうか。 ワタシは『喉に引っかかった小骨を、取りたくて、でも取れなくて、そしていつも気になってまた取ろうとするけどやっぱり取れない』みたいな感じで、ずっとある人を捜していたことがありました。 よくわからない例えですが。 ものすごく幼かったのと、今と違って情報網が発達していなかったのとで、捜そうにも捜す手だてもなく、上記のよくわからない例えみたいな感じで、何年もある女の子を捜していたのであります。 今日はその女の子のお話を、年寄り臭く語らせていただこうと思います。
名前はミヨとしておきましょう。 ミヨとワタシが仲良くなったのは、小学校の2年生のときです。 ワタシの通っていた小学校は2年ごとにクラス替えがあったので、1年生のときも同じクラスだったはずなのですが、どういうわけか1年のときの彼女の記憶がありません。 2年生になってから仲良くなったのですが、そのきっかけも忘れてしまいました。 うっすらと、「もしかしたら、年度始めに行う予防接種か身体測定がきっかけだったかなぁ?」と思ったりしますが、あやふやです。
そのように、仲良くなるきっかけやら、仲良くなる前のことをほとんど覚えていないのですが、仲良くなってからは寝ても覚めてもミヨミヨミヨ、なじょりぃになりまして。 なんであんなに大好きだったのかもわからないんですよね(笑) 一緒にいて、とにかくものすごく安心していられたのは覚えています。 そして、楽しかった。 話の内容が、他の友だちとはちょっと違っていたようにも思います。 校庭に落ちている石をひとつ眺めて、その石についていつまでーーも話していられたり、ずーっと地面に枝で絵を描いておしゃべりしていたり。 そういうとりとめのない会話が、他の友だちとはなんだか違ってましてね。 2年生だったので、「なんか違うー」とすら思わなかったのですが、今考えてみると、彼女との会話は「深かった」のですね。 2年生という幼さなりに、深かった。 昨日のマンガさー(当時はアニメなんて言わなかった)、という、導入は他の子と一緒でも、ふたりとも細かいことをちまちまと掘り下げて話すのが好きだったんですね。
とはいえ、ミヨはどちらかというと寡黙なほうでして。 主にワタシが話して、ミヨはにこにこ話を聞いていて、そしてたまに話すことがとてもおもしろい。 ワタシはミヨのその「たまに」が聞きたくて、一生懸命おしゃべりしていたようにも思います。 声も枯れたようなハスキーな声で、幼いワタシはミヨのハスキーボイスをかっこいーと思ったものでした。 意外とひょうきんで、変な顔とかもして笑わせてくれたり。 そして印象的なのは、ホントにいつもにこにこしていたことです。 彼女の笑ってる顔と、もうひとつの顔しかワタシには思い出せません。 もうひとつの顔は、もう少し後でお話いたしますが。
で、そのにこにこ顔も、ワタシのように脳みそに花が咲いているような人間の笑顔とはちょっと違っていたのです。 なんというか、常に70%、みたいな、そんな笑顔。 わかりやすく言うと、ちょっと影があったのかもです。 それでもミヨがワタシを見て笑ってくれる笑顔はとても嬉しそうで、ワタシはそれが嬉しくて、世界中にミヨとワタシだけなら、ずーーっと一緒に遊んでいられるのになーなんて思ったものでした。 そんなだったので、休み時間はいつもべったり二人でいて、放課後もミヨと少し遊んでから帰る、そんな毎日でありました。 誰かひとりとべったりと過ごすスクールライフというのは、ワタシ、後にも先にもあのときだけかもしれません。 ご飯を食べているときも、夜寝るときも、いつでもミヨのことを考えておりました。 ミヨのことを考えていればほんわりにこにことしあわせな毎日。
ただ、ミヨは自分の家にワタシが遊びに行くことは嫌がりました。 ワタシの好きになる女の子って、なんかこういうタイプが多いですねぇ。なぜなのかしら。 ワタシの家に遊びに来る、ということもありませんでした。 割と家が遠いからということもありましたけれども。 なので、学校にいるときだけがミヨに会える時間でした。 だからワタシは学校が毎日楽しみでした。 もともと学校大好きっ子だったのですが、このころはホントに、ミヨに会うために学校に行っていたようなモノでございましたよ。
が、ある頃から、ミヨの笑顔が50%くらいになってきまして。 寡黙度も増してきました。 笑顔がない日も増えてきました。 あれー?くらいは思ったのですが、なにしろもともとのんきな上に小学校2年生のじょりぃです。 気の使いようもなく、また、それほど気にしていなかったかもです。 ただ、今までと何か違う、ということは感じておりまして、それを母親に話したりしておりました。 ワタシは当時、学校であったことはみーんな母親に話すウザい娘だったのですが、母親はこの当時ミヨの話ばかり聞かされていたのではないでしょうか。
そしてある日。このときのことはなぜかよく覚えております。 母の車にワタシも乗っていて、ガソリンを入れてました。 ワタシはガソリンの匂いが大好きなので、窓を開けてくんくんと匂いを嗅いでおりましたら、母が急に
「ミヨんちは、この近くなんだよ」と。 「えー、そうなんだー(*・∀・*)」それだけでうれしいじょりぃ。 「ねえ、じょりぃ」 「んー?」 「ミヨの家ね、引っ越しするみたいね」 「・・・・・・?」 <よくわかってない 「転校しなきゃならないんだよ、ミヨ。 学校変わっちゃうの」 「え! もうS小来ないの?!」 「うん」 「いつから来ないの?」 「明日たぶん、学校で話があると思うよ」
がーーーーーーーん。
と書きたいところですが、実はよく状況が飲み込めていないというか、それが自分にどんな影響があるのかまだピンと来なかったじょりぃ。
「学校変わっても、ミヨに会いに連れて行ってくれる?(・∀・)」 と、母におねだりするじょりぃ。 「そうね。 近くだったらいいね」 「うん」
この時点でも、引っ越しくらいなら毎日会うくらいできるだろうとなぜか思っていたじょりぃ。 なぜそう思ったのか。 イトコの家が少し前に、市を変わることなく数キロの引っ越しをしたから、そのアタマでいたのかもしれません。
そして翌日。朝。 ひっこし とか てんこう の話をミヨから聞きたいと思ってミヨを探しますが、ミヨの姿がありません。 ちょっと焦るじょりぃ。 ミヨはどこ行ったんだろう。 まだてんこうしてないよね?
朝のホームルームの時間になって、担任の先生と一緒に教室に入ってきたミヨ。 先生と一緒に教壇の横に立ってます。 ワタシはミヨに笑いかけようとしますが、ミヨは下を向いたままです。
「○○さんは、引っ越しが決まって転校することになりました」と先生。 続けて「今日、これでみんなとはお別れです」 と。
急。 すごく急。
と書いてますが、他の転校を知らなかったので「そんな急に!」と思うことすらできなかった2年生じょりぃ。
「じゃ、○○さん、みんなにお別れ言おうか」と先生。
「今まで仲良くしてくれてありがとう。さようなら」
下を向いたままそれだけ言ったミヨ。 ミヨ! こっち向いて! ワタシの顔見て! 笑ってよー! なんか言え! ワタシにだけなんか言え!
と、ワタシは鬼のような勢いでミヨを見つめ続けましたが、ミヨはうつむいて唇をきゅっと結んだまま、そしてワタシのことを一度も見ることなく、先生と一緒に教室を出ていきました。
さすがに呆然とするワタシ。 ミヨ、こっち見てくれなかった。なんで? ミヨはどこに行くんだろう。 新しい住所とか聞かなくちゃ手紙も出せない。なんで教えてくれないんだろう。
ああ、そうか(・∀・)
きっと、学校が終わってから、ワタシと会って話すつもりなんだー(*´∀`*)恥ずかしがり屋だもんね
と、本気で信じて、放課後までそわそわと過ごしたじょりぃ。 帰りの挨拶が終わってから、担任の先生のところへ走って行き「先生、ミヨは?」と聞きました。
「朝、帰ったよ」と先生。がーん。てか、あたりまえです。
「先生、ミヨはどこにひっこすの?」 「先生、知らないんだ」
(´・ω・`)しゅん 先生のくせに知らないのかー・・・
とぼとぼとひとりで家に帰りながら、だんだんと「これは大変なことになってしまった ような きが する?」くらいには気づいてきたじょりぃ。 なんだかよくわからないけど、不安でしかたなくなってしまったのでした。
家に帰って、母親に今日のできごとを話し。 「ミヨがワタシを見てくれなかった。何も話さないで行っちゃった」と話しながらえーんえーんと泣き始め。 「これからミヨの家へ連れて行って」と、ワタシにはめずらしく、母に強く駄々をこねたのですが。
「たぶんもういないよ」と母。 そしてワタシに話してくれました。
ミヨのお父さんとお母さんね、離婚しちゃったんだよ。 それで、ミヨはお母さんの故郷へお母さんと引っ越したの。 今日もう街を出ちゃったんだよ。
離婚の意味はわかってましたので、ミヨがかわいそうでまた泣きました。 当時は今と違って、離婚て本当にとても珍しかったのです。 死別よりも少なかったのではないでしょうか。少なくともワタシの周りでは。 母も話しながら少し泣いておりました。 かわいそうだったんでしょう。ミヨのこともワタシのことも。 そしてミヨの越した先は遠く、ということでした。
ワタシとミヨが仲良しだったので、担任の先生が前日に母には連絡していたのかもしれませんね。 そんな風に気の利く教師には見えなかったんですが(°▽°) が、母もまさか、別れの言葉も交わせずにさよならしちゃうとは思っていなかったので、ちょっと責任を感じてしまっていたようでした。 そして、詳しい住所は母も教えてもらえませんでした。 ワタシも担任に「教えてください!」と必死にお願いしたのですが「それはできない」と言われました。
ワタシが思い出すミヨの顔は、ミヨの70%の笑顔だけではなくなってしまいました。 転校の日の、ワタシを見ずに、下を向いてきゅっと唇を結んだよく見えないミヨの顔。 一度しか見ていないあの顔が、毎日見ていた70%の笑顔と同じくらいの幅を取って、ワタシの脳内に刻まれることになったのでした。
・・・ここで話がおしまいならば、なんだか甘酸っぱく美しい思い出のひとこま、で終了なんですが。 ナナワタで既にうんざりするほどご承知と思いますが、ワタシの「いつまでーも追いかけちゃうヨ☆」な根気強さという長所ゆえ、この先にも長々と尾を引いていくことになるのでありました。(こう書くと自分でもホント怖い)(ナナ、お疲れさま)
長くなっちゃったので、後編に続きます。
2008年04月16日(水) |
オクターブとパスカル |
昨日はK姫と打ち合わせの日でありました。
K姫の会社に着きまして、まずはトイレに入ったじょりぃ。 むむ。 トイレの個室の角の部分のネジが、ひとつ飛び出てますよ! 一般のお客様も使うトイレだというのに、これはいけませんナ!
ということで、K姫のいる事務所に顔を出し、「こんにちは」と挨拶した後に
「トイレのネジがひとつ飛び出てるので、ドライバー貸していただければ締めてきちゃいますけど」とご報告。
K姫、無言で席を立ち、誰かの机の引き出しを開け、ごそごそとドライバー探し。 無言で見つけ、無言でワタシに手渡しまして。
しかしそれが、なんつーか、手元がごろっとして、全体像としては「寸詰まったT字」みたいになっているドライバーだったのであります。 (この説明でわかるだろうか・・・) ワタシが締めたいネジは、まさに角にあるので、これでは締められないかも、とお伝えしまして。
K姫、無言でワタシからドライバーを取り上げ、また無言で探します。
あの。 なぜ無言。
たぶん、声を発するのがめんどくさかったんだと思うのですが。
で、フツウのドライバーが見つからないんですわ。
「K姫、もいっかい、そのドライバー見せてください」とワタシ。 無言で手渡すK姫。
ふむ。 一定方向にしか回せないようになるロックがついていました。 これなら何とかなるかしら。 応急処置ですし。
「これで大丈夫みたい。ちょっとやってみます」
無言でこちらを見るK姫。 頷くことすらしません。 いったいなんの挑戦でしょう。
「じゃ、ちょっと行ってきます。また来ますから、待っててくださいね!」
無言でワタシを見送るK姫。 もしかして、今日、声が出ないのかしら。
トイレに行き、問題のネジをくるくると締め、サービス精神旺盛なじょりぃは他の個室もチェックし。 必要のあるネジは締め。 ついでに自分の頭のネジも締められると良かったのですがというトンチの効いた古典的な冗談はさておき。
「締められましたー( ^ ∀ ^ )」と、K姫に報告し、ドライバーを返すじょりぃ。 K姫、無言で受け取り、引き出しに戻し。 「ありがとう」とか言ってくれてもいいんですよ! と言おうかなと思ったんですが「あたしのトイレじゃないし」とか言われそうな気もしたのでやめておきました。
「じゃ、場所変えましょ」と、歩き出すK姫。 なんだ喋れるんじゃんヽ(`Д´)ノ
てくてくと並んで歩いておりましたら。 む。 むむ。 もしや。
先日ナナと会ったときも思ったんですけどね! どうもナナが縮んだような気がしたんですよ! 今もK姫と並んで歩いていて、どうも身長差が以前より縮んでいる気が。 もちろん、K姫のほうが背が高いんですが。だいぶ。
そこでワタシ、K姫の無言攻撃にもめげず、明るく無邪気に言いました。
「なんかワタシ、背が伸びたと思いません?(=・∀・=)」にこにこにこ
K姫、立ち止まってワタシを横目でちらっと見たあと
「なんで?」 <思いっきり低い声で読んでください
なんでって。 それ、会話がつながっていない気がするんですが! 全然つながっていないのに、なぜか 「なんでいきなりそんなこと言うわけ?しかも全然背なんて伸びてないし伸びるわけないでしょバカ」 という意味が「なんで?」の一言に凝縮されたであろうということが一瞬にしてわかる摩訶不思議。
「そんな低い声で!」 「だって。・・・・あ、何飲む?」 「何もいりません」 「よかった。じゃあいいわね」
お茶入れるのがめんどくさかったらしいK姫。 この会社さん、いつもは「いらない」と言っても、何かしら出してくださるんですが。 本当に何もいらなかったのでいいんですけどね。
そして少しだけお互いの近況報告をしてから打ち合わせをしておりましたら、K姫の同僚・Fさんがやってきまして。 FさんはK姫より少し年上のやはり美人様で、K姫の25倍くらいワタシにも愛想を良くしてくださいます。
「あら。飲み物が出てないのね。ごめんなさいねー」 にっこりとFさん。 「だっていらないって言うんだもん」とK姫。 「あ、ホントにいいんです。えへ」 ワタシ。 「でもじょりぃさんにだけ出さないなんて、ねえ? 何がいい?」とFさん。 「え!Fさんが入れてくださるんですか! ・・・悪いナー・・・ええと、それじゃ・・・」 「抹茶ミルクがいいー」 K姫、すごい高い甘えた声で。
Fさんはワタシに聞いてくれてるんですってば! しかも抹茶ミルクって、タダで飲ませる客に出すモンじゃないんですよ、メニュー的に。 ていうか、さっきワタシが「背が伸びた」って言ったときの「なんで?」と比べると別人みたいなんですけどその声と発声。 1オクターブは違う。
F「えー?抹茶ミルク?(笑) それは手間かかるなー」 K「抹茶飲みたい・・・」 じょ「(無言)」 F「(にこにこにこにこ)」 K「・・・じゃあ、お茶でいいです」 F「お茶ね?」 にこーー
ふむ。 K姫よりFさんの「笑顔で無言圧力」の方が強いのか。
少しして、Fさんがお茶を運んできてくださいまして。 この人、えらい役職のついているかたなんです。なんだか申し訳ない。
「Fさんにお茶入れていただいちゃうなんて・・・どうもスミマセン」とワタシ。 「ありがとーーーー☆」 またもや高い甘え声で、K姫。
「なんですかその甘えたかわいい声!『ありがとーーー☆』」 マネする陰険なワタシ。 「なによ」 「さっきワタシに『なんで?』ってえらく低い声で返事したくせに!」 「わけのわからないこと言うからよ」 <また低い声 「その前は口もきいてくれなかったし!」 「気のせいよ」 なんだ気のせいか(・∀・) なんてことあるかいなヽ(`Д´)ノ
しかしこの後の打ち合わせで、ワタシもK姫の「笑顔で無言圧力」にヤられましてね。 ありえないほど安い値段で、その場で見積を出してしまったのでありました。 イヤだなー、このテク。 まだ低い声で脅されたほうが逃げようがあります。
しかし、自分が発注側になったときは便利かもですよね、このテク。 というわけで、ワタシも「笑顔で無言圧力」テク、習得することにします。 にこにこにこにこ( ^ ∀ ^ ) <およそ15パスカルの笑顔
きょんの仕事関係のお友だちに、動物看護系の専門学校で講師をしている田崎さんという女性がおります。 専門はトリミング。 就職の季節になると、きょんの病院にも生徒を連れてやってきたり、たまーーーーに病院のトリミングも助けてもらったりしている関係もあり、また、田崎さんがサバサバしていてつきあいやすい人でもあるということで、きょんとはプライベートでもメールをやりとりするような間柄であります。
で、その田崎さんが、先日めずらしくパリッとしたスーツを着て、男性と一緒にきょんの勤める病院へやってきたらしいのです。 患者さんやお客様の応対は主にきょんが行いますので、このときもきょんが迎え入れ 「どうしたんですかー今日は。スーツなんか着ちゃってー(・∀・)」と冷やかしましたら
「学校辞めることになったので、引継のご挨拶にうかがったんです」と田崎さん。 「えー? 辞めちゃうんですか?」ときょん。
で、院長も交えてご挨拶やら大人の会話やらをしていたらしいのですが。
当然「田崎さん、なんで辞めちゃうの?」って話になりまして。
「お嫁にいけそうなので、ちょっとその準備をしようかなと思いまして」 と、田崎さん。
院長は「それは良かったわねー。おめでとう」と喜んでくれたらしいのですが。 きょんはそれを聞いて「ん?」と何か腑に落ちなかったのでありました。
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「何が腑に落ちなかったの?」とワタシ。 「なんかさー、田崎さんが結婚、とか、田崎さんが結婚準備のために退職、とゆーのが、ピンと来なかったんだよねー」ときょん。 「あれー? 田崎さんてどんな人だったっけ?」 名前を覚えるのが苦手なんです。 「あなた、何回それ聞くのよ・・・。 じょりぃは一回田崎さんに会ったことあるよ。そのときに『わー、キレイかわいい人だねー(・∀・*)』って喜んでたじゃないの」 「あーあー、はいはい。あの田崎さんか!(*´∀`*)」 って、田崎さんてひとりしかいないんですが。
「確か、プリクラ見せてもらったときも、ワタシ活気づいていたよね?」 「そうそう」 「もいっかいあのプリクラ見せて(・∀・)」 「もう捨てちゃったよ」 「プリクラを捨てる人がいるなんて・・・!」 「あんたは中学生か」
「で、その美人の田崎さんが結婚するのがなぜピンと来ないのだ?」とワタシ。 「だって、なんか、結婚 て感じの人じゃないんだもん」 「田崎さんていくつ?」 「あたしより4つ5つ下かな?」 「へー。微妙な年齢だなぁ。美人で人柄も良くてその年まで独身かぁ。 ふふ。 レズだったりして」 「うん。 なんかマジで、そんな雰囲気のある人なんだよねー」
きょんのゲイダーがめずらしく反応したらしい田崎さん。
「レズだといいな! 美人だし!」 はしゃぐじょりぃ。
しかし勝手にはしゃいでみたものの、どうもイマイチ田崎さんのことがよく思い出せない。 一度しか会ったことがない、ということと、きょんと一緒にいるときにきょんの友人様と遭遇したときなどは、最初と最後ににこやかに会釈するだけにして、ワタシはあまり会話に参加しませんし、お顔もあまり見ないようにしてしまうのです。 恋人とその友だちが偶然会って盛り上がっているときって、相棒は割と所在なかったりしませんか? 「共に盛り上がれ」と言われればいくらでも盛り上がれるお調子者のじょりぃでありますが。 せっかくの、ワタシの介在しないきょんの友情ワールドにずかずか侵入するのも気が引ける気がして、少し離れてぼーっとした顔してるくらいしかすることはありませんです。
ということで、田崎さんのことも最初と最後に姿カタチを見たくらいで、じっくりは見てなかったんですよ。 何を話しているかもどんな話し方や顔の表情なのかもわかりませんし。 これがわかると、ぐっとその人の人となりがリアルになるんですけどね。
ただ、「わ。きょんの職場関係にこんなキレイかわいい人がいたのかー」と思ったのは覚えております。 が、造作が整っている割には、華やかさはなかった、ということも覚えておりまして。 それゆえに印象が薄かったのかもです。 華やかさがない、というよりは、女っぽさがなかったのかもです。 ワタシは女っぽい人が好きなので、そのへんで印象の深さが足りなくなったのではないかと。
とはいえ、その後、きょんが職場のみんなと撮ったプリクラを見たときも
「この人誰? かわいいじゃんね」
と、しっかり田崎さんの美貌に反応していた抜け目のないじょりぃではあったんですが。
で、その田崎さん。 きょんが「レズっぽい雰囲気がある」とめずらしく申しておるわけですよ。 きょんは割とそのへん鈍くてですね。ワタシと長年一緒にいながら。 ナナの方がそのへんは、当たってるかどうかはさておき、カンが良いというか。 ワタシがカムアウトする以前から、例えばテレビや映画を見ていても 「この人(女性)は女の人にモテそうだよね」とかな発言が割とあったりですね。 さらに「ほう」と思うのが、「女の人にモテそうな女性」と「女性を好きな女の人が好きそうな女性」の区別があったりするんですよ。 ゲイに関しても「女性受けするゲイっぽさだね」とか。 ゲイ受けするゲイと女性受けするゲイを、それが正しいかどうかは別として、ナナの中で区別してるというのが「ほう」という感じなんですが。
その点、きょんは非常にのんきというかどうでも良いというか。 自分の中で意識して分類するという習慣がないみたいなんですわ。 が、芸能人ネタで「あの人ゲイなんだってよ」なんて教えてあげると「えー。ステキー」となぜか活気づいてご贔屓にしたりという現象があったりはするんですが。 でも「あの人レズなんだってよ」というネタには「へー」とつまらない返事を返してきます。 ホントオンナに興味ないのですこの人。
背景説明が長くなりましたが。 まあ、そのように「オンナ? レズ? うん、どうでもいいかな(あくび)」というきょんが、「田崎さんはソレっぽい気がして」と思っていた、というのは、ワタシには非常に興味深くてですね!
「えー、なんでそう思うのー?」とワタシ。 「よくわかんないけど。とにかく『男性と結婚、そしてそのために退職』て感じでは全然ないのは確か」 「結婚向きな人ではない、ということとはまた違うの?」 「んー・・・よくわからないけど・・・。 なにしろあんだけ顔立ちもスタイルもいいのに、オトコの影とか匂いとかが全然ないしさ。 それと、ノンケ女性にありがちな『じと』っとした感じが皆無」
じと って。 ノンケ女性のかた、気を悪くしないでくださいね。 ワタシにはこの表現、なんとなくわかるんですよ。 決してネガティブな意味ではなくてですね。 で、レズが「カラ」っとしているかと言えば、決してそんなわけでもなく。 そして言わせてもらえば、きょんには「じと」があるんですよ。 男性と一緒にいるときに発されるオーラとかフェロモンの感じかな?となんとなく思うんですが。 だからレズが好みの女性の前に出れば「じと」ってするんだと思います。 きょんはもっぱら男性にアンテナが向くので、ノンケ女性の「じと」には割と敏感に反応するゆえ「ノンケ女性にありがちな」という形容詞がついたのではないかと。 自分でもこの感じがハッキリくっきり輪郭づいていないので説明がこんなですが、なんとなくは伝わっていただけるでしょうか。
「それにやっぱり、『結婚の準備のために勤めを辞める』ってのが、なにしろ田崎さんらしくないのよ」ときょん。 「それはレズとかそうでないとか関係ないと思うけどね(笑)」 「そうなんだけどーーー」 「でもさ、『結婚決まったんで辞めるんです☆』でなくて、 『お嫁にいけそうなので』って表現が、なんだかレズっぽい気はする。なんつーか、なげやり感があるし(笑)」 「それがレズっぽいかってのは、あたしにはよくわからないけど」 「それと、用心深さを感じるんだよね、なんか。ホントに結婚するんかいな、みたいなさ」 「そうそう! あたしこの話でもっとも言いたかったのは、田崎さんがレズとかそうでないとかでなくて、その部分なんだってば!」
きょんは田崎さんのこの発言を聞いて「ん?結婚てホント?」と思ったと。 会社を円満に辞めるために「結婚するんで」とウソをつくことは、そう珍しいことではありません。(割と後々面倒なんですけどね) 上司に正直に「あんたが気に入らない。このままいると毒を盛ってしまいそうなので辞めます」とはなかなか言えない。 「○○さんと社内不倫してたんですがボロ雑巾のように捨てられたので、復讐に専念するために辞めます」とはなかなか言えない。 そんなときに便利なニセ寿退社。
で、きょんは「田崎さんもホントは他に理由があって辞めるんじゃないかなー」とうっすら思ったそうで。 きょんは結婚にまったく重きを置かないヒトなのですが、田崎さんも同じような感じがして、そういうところにも好感を持っていたらしいんです。 おまけに「レズっぽい」と思っていたものですから、余計に「結婚ーー?」と思った、と。
「でも、院長や石田さん(同僚)なんかは、なんかもう『おめでたいね!』って、何も考えずにえらい盛り上がりようでさー(`Д´*)」 「そ、それはフツウ、疑ってはいけない部分だろうし・・・」
そんな具合に、病院内では「田崎さん結婚!」てな感じで盛り上がってしまっているので、きょんとしては 「もし偽装だったら、田崎さん困るのではないかしら。そしてあたしはどういうスタンスでいればいいのかしら」 と勝手に悩みましてね。 田崎さんにメールしてみることに。
『今日はお疲れさまでしたー。で、結婚て、ホントにーーー?』と。あくまでも軽く。
田崎さんの返事は 『学校側への理由としては、そのように伝えてあるんだー』
「これって、ウソってことじゃなーい?」ときょん。 「うん。ウソっぽいね」
ということで、数回のメールのやりとりの中で
『院長たち、すっかり大盛り上がりしてますけど、それって大丈夫?』めいたことを送りましたら
『とりあえずしばらくは院長にも、そういうことにしておいて』と田崎さん。
「そういうこと ってことは、ウソだよね?」ときょん。 「ウソっぽいね。 田崎さんて頭良さそうな感じするけど、どお?」 「うん。いいよ」 「ますますレズだといいなあ。今度ワタシと親しくなれるようにセッティングしてよ」 「いいけど、しばらく会わないよー? それにレズじゃないかもだし」 「でも美人で賢いから(*´∀`*) おともだちになりたい」
田崎さんの用心深さもとっても気に入ったじょりぃ。 この感じですと、もし田崎さんがレズで、お互いにカムアウトした場合も安心です。 よそで「あたしレズだけどー、じょりぃさんもそうなんだよね」みたいな展開には持っていかなそうな人という気が。
レズ友と浮気相手は、口の堅い人に限ります(・∀・)
しかし。
ワタシも美しくて人柄も良く賢いいい年した独身女性なので、きっとまわりにレズってウワサされているに違いありません。 ああ、ただの「いい年した独身女性」ならばクローゼットも楽なのに・・・。(勝手にやってろワタシ)
夜。 カタカタと仕事をしておりましたら、きょんが仕事部屋にやってきました。
「S先生からメールが来た。 ブログも更新されてた」と。
くどいようですが、S先生とは、きょんが憧れている、恋すらしているんじゃないかという素敵な男性です。 人柄はステキ。ルックスはかわいいって感じでしょうか。なんかちっちゃくてにこにこしてて。
実はS先生、3月から4月にかけて猛烈に忙しかったらしく、メールもブログの更新もコメントへのレスもぷっっっっっつりと途絶えていたらしく。 きょんはひと月ほど、本気の本気で
「S先生、過労で死んでしまったんじゃないか」
と心配しておったのでございますよ。 学校関係は春先は猛烈に忙しいからなんじゃないの? とワタシが言い聞かせても心配はおさまらず。 もう、ホントに寝ても覚めてもって感じで「S先生、生きてるかしら・・・」とえらい勢いで心配していたのです。 死んじゃったんじゃないか、という心配に加え「もしかして、あたし避けられてる?」という、恋する乙女にありがちな不安もあったようで。 とにかく一ヶ月の間、ワタシは毎日S先生についてのきょんのウダウダした気持ちを聞かされておりましたですよ。
あんまり心配するので、ワタシも一緒になって、S先生の名前で検索しまくり、S先生の住む県のお悔やみ情報まで調べちゃったりする始末。 きょんも検索が苦手なりに、夢中になってS先生の痕跡を探しまくるという、ストーカーめいたことをしていたのです。 すっかり変態カップル。 ワタシはS先生に興味ないというのに。
それが4月を幾日か過ぎた頃にブログが更新されたらしく。 大学を移ったりして、やはりご多忙だったようですね。 で、きょんも「よかったー、生きてた(*´∀`*)」と大喜びだったんですが。
しかしまあ、やはり恋する乙女の揺れる気持ちでございますから。 「メールの返事まだ来ない(´・ω・`)」なんて、しょんぼりしていたんですよ。 そんなきょんを「忙しいんだからしかたないって」と慰める日々だったんですが。
それが今日メールが来たということで、ワタシに報告してくれたみたいです。 ブログも更新てことで、そりゃ嬉しかっただろうなーと思い、
「よかったねえ(´∀`)」と声をかけましたら 「うん・・・(´・ω・)」 と、なんだか浮かない様子。
「どしたの?」 「ううん、なんでもない」
いったんリビングに戻ったきょん。 なんじゃらほい? と思いつつ、ワタシも人の恋路なんて気にしてられませんので、また仕事に戻りまして。
すっかり夜も更けた頃、またもやきょんが仕事部屋に。
「仕事の邪魔してゴメン。なんか悶々としちゃって・・・」と。 「どしたの?」 「S先生のことなんだけど」
またか(°▽°)
「ふむ。どしたの?」 「なんかさ・・・ブログのコメント、あたしには冷たいくせに、今やりとりしている人には熱く返しているのよ・・・」
なんだこのめんどくさい女は(°▽°)
「どういうこと?」 「あたしはさー、S先生の専門分野に対してほとんど無知じゃん? だから仕方ないのかもだけど。 その熱くやりとりしている人は、なんか詳しいみたいで、盛り上がってるの」
じゃ、じゃあ、しかたないんじゃないのかしら・・・(°▽°;)
「そりゃ、話が合う人なら、しかも専門分野ならばコメントがこってりするのもしかたないんじゃないの?」 「そうだけど・・・あたしにはそっけなくてさー。なんかおもしろくない」 「それは内容が違うんだし。『きょんに対して』そっけないわけじゃないよ」 「それもそうなんだけどさ・・・」 うじうじうじ。
ワタシ仕事忙しい。 それに、こういうぐずぐずうじうじはあまり好きでない。 と言いつつ、少し前までナナに対して毎日こんな風にぐずぐずうじうじしていたじょりぃでありますが、そういうことは棚に上げます。
「ちょっといじけて考えすぎだって!」とワタシ。 「でもなんかさ・・・悶々としちゃうんだもん・・・他にもあるんだよーその手のことがー」
(´д`)
あなたにとってS先生が特別でも、S先生にしてみればあなたはそうでないんだから、しょーがないじゃないのー。
とまでは言えなかったんですが
「そんなにS先生が冷たいんなら、もうS先生S先生って盛り上がるのやめればー?」
と、ちょっと呆れて軽く突き放してしまったワタシ。 黙ってしまったきょん。
あらしまった。 落ち込んでいるところに、ワタシったら、ちょっと意地が悪かった。これはすまないことをしました。
「で、他にも何を悶々としちゃうの?(´∀`)」 慌ててやさしく問いかけてみました。 「ううん・・・いい・・・じょりぃ忙しそうだし(´・ω・`)」
ワタシ、カタカタ仕事しながら話を聞いていて、さらに突き放しちゃったもんですから。 きょん、肩を落として部屋を出ていってしまいました。
あーーーー。 かわいそうなことをしてしまったーーーー。 後悔。
後悔しつつも、忙しかったので仕事を続行する薄情なじょりぃ。 そのうちそのことも忘れてしまったんですが。
翌日の夜、きょんがネットしてましたので、そうだそうだ昨日のこと!と思い出し、たずねてみました。
「そういえば、悶々て、何を悶々としてるのか教えてー」 「いや、いいのそれはもう」 「えー。 ワタシが冷たかったなら謝るよー。 何があったの?」 「そうじゃなくて」 「ん?」
「じょりぃが『S先生S先生って盛り上がるのやめれば?』って言ったから、もうやめることにした」
え!Σ(゚Д゚;)
「わ、ワタシの一言で決めたの?!」 「うん」 「そんな・・・S先生、やさしくて良い人よ? いろいろ教えてくれるんだし、今まで通りでいいじゃないの」 「んー・・・でもいいや、今んとこ」
それでいいのか。 冷たくされて(実際はきょんが多くを望んでいるだけで冷たくはされてないわけですが)、余程テンションが落ちてしまったのでしょうか。
まあ、また数日すれば「S先生からやさしいメール来たー(*´∀`*)」とか盛り上がりそうな気もしますが。
きょんて何考えてるのかやっぱりよくわかりません。
・・・と、ここまで書いて2日間あたためておりましたら、昨夜になってきょんがまた 「例のあの人がまたS先生のブログに来てる」とぐちぐち言ってましてね。 何よ、S先生やめたんじゃなかったの?(・∀・)ニヤニヤ
「んー。でもじょりぃがS先生いい人だしって言うしー」
またワタシかい。 なんなんでしょうこれはいったい。
で、そのライバル(と勝手に決める)、どうやら女性のようでして。 しかも「なんか、S先生に媚びてるって感じ」だそうです。 「純粋にS先生と動物医療の話がしたいというよりも、S先生のことを専門誌で見て気に入って、ブログでせっせとコメントしてるって感じなんだよねー」と。
なんか。 どこかで聞いたような話ではないですか。 きょんは雑誌で見て、ではなくて実際に研修で会ってS先生を気に入っちゃったわけですが。 ということで
「それって、あなたがそうだから、その人のこともそうだって思っちゃうんじゃないの?」 とワタシ。
怒っちゃうかな?・・・とちょっとドキドキしたのですが、きょんの答はこちら。
「ああ、そういうことか(・∀・) なんだそうかそうか」
・・・それでいいのか(°▽°)
それに勇気づけられたのか、きょん、「ちょっとじょりぃもS先生のブログのコメント欄見てみてよー」とワタシに頼んできまして。 ワタシったら涙が出るほどやさしいですから、S先生が誰かに返している「熱いコメント」とやらとか、きょんに対する「冷たいコメント」やらとかをきょんと一緒に見てみたわけですよ。仕事を中断して。 そしたら、どっちかというと、きょんのことを身内扱いしているような感じで、「お客様」には丁寧に返し、きょんにはもっとラフな気持ちで返している、という風にも読みとれたんです。 まあ、気のせいとか、ワタシがきょんの味方しちゃってるからということもあるかもですが。 で、その旨を伝えてみましたら
「えー、そうかなあ?」
と、疑いつつも、かなりまんざらでもなくなってきた様子でしてね。
スッキリしたらしく、昨夜もたっぷり時間をかけてS先生にメールを書いていました。
めでたしめでたし( ^ ∀ ^ )アホラシー
2008年04月08日(火) |
置いていかれるワタシ |
ナナとデエトした翌日。 きょんは仕事が休みでした。 ちなみに、ナナとのデエトが終わって、朝の5時少し前くらいに家に着いたとき、きょんは煌々と灯りのついたリビングのこたつで寝ていました。
先にちゃんと寝ててね、って言っておいたのにー。 って、ワタシを待ち疲れていつの間にか眠ってしまった・・・なんてかわいらしいなりゆきでは、当然ないわけですけれども。 しめしめ、なんて具合に、実にのびのびと気持ちよくこたつで寝ていたのでございましょう。
で、ワタシも少しだけ寝ましてね。 ナナワタにも書きましたが、耳鳴りと、寝不足による脳内ハイテンションのせいで、うーんうーんと唸りながら寝るような感じだったんですが。 ナナとじっくりこんと話をしたのは本当に久しぶりだったんですが、なんかナナ、成長してたっつーかオトナになったというか、やけにしっかりと将来のビジョンなんかも描いてましてね。 日々の生活、近い将来・遠い将来、ワタシとのこと、どれをとっても、ワタシの考えより先んじていて深いのです。 ナナ、進化してる。
社会人的なことはワタシの方が詳しかったし、モノの考え方なんかもワタシの方が建設的だよな、とかうぬぼれていたというのに。 そしてナナも、ワタシのそーゆーところを頼っていたりしてくれていたというのに。 そういうところでさえ
ワタシ、置いていかれてます。 ナナの進化に追いついていない。 これはショックでございました。 負けず嫌いだから、とかではなくて、「ワタシこの数年、何やってたんだろ!」と焦ってしまったわけです。 何かを先延ばしにしていなかったか。 何かって、なんなんだろ。よくわからないんですが。 そして「日々成長!日々進化!」と思いつつ過ごしているというのに、ワタシ、全然ダメだわこりゃ、と思ったりして。 「停滞している人間は嫌いだ」とかなんとか偉そうにナナに話していたのに、いつの間にか自分が停滞気味になってましたよ!
日常会話でどれだけナナがいばっていようとも、結局のところ 「ほら、がんばれ」「しょうがないなあ」「大丈夫だよ」と偉そうなワタシと、「ぐすんぐすん」と感情の波に飲まれたり「えへへ」とちゃっかり甘えているナナ、というのが今までのナナとワタシのおおまかな構図だった・・・と思っていたわけですが。 ここにきて、ワタシが偉そうにできる部分がひとっつもなくなってしまった感じですよ! いや、別に偉そうにしたいわけではないんですが。 好きな相手を「すごいなー」と尊敬できるというのは、ワタシにとって非常に幸せなことですし、これができなくなったらもう好きでなくなってしまうので、そういう意味でも偉そうにしたいわけではないんですよ、まったく。 ただ、ナナと比べてワタシの停滞っぷりが際立ってしまうと、ワタシがワタシを尊敬できなくなってしまうではありませんか。 それに、バランスが崩れます。
ワタシは何事につけ、大事なのは「バランス」と「タイミング」である、という信念がありましてね。 仕事しかり、人間関係しかり、とにかく人生のあらゆるモノゴトについて、このふたつをコントロールできればサクセスなのでありますよ。 コントロールできない場合は「運」というものが絡んできますけれども。 で、ナナとワタシの場合、というか、うまくつきあえている相手というのは、やはりこの「バランス」「タイミング」がうまくいっていると思うわけです。 単にうまくいっているというより、お互いに努力して、これらの帳尻を合わせ続けているのではないかと。 ナナとワタシも、なんだかんだいって努力してきたと思うのです。 相手を見て、自分を見て、バランスを取り、なかなかうまくいかない「タイミング」というのもできるだけ合わせてきたと思います。 こと人間関係の場合、これは片方がいくらがんばっても、双方の努力がないとうまくいくのは難しいものであります。
ちょっと話がそれちゃいましたが。 よーするに、バランスを取るためにも、ワタシももうちょっと、自分で「よし、自分!」と思える程度には進化したい、と焦ったわけです。
ワタシだって自分の今後を考えていなかったわけでもありませんし、それなりにちょろちょろと次のステップへ向けて勉強したりはしておりましたが。 ナナと比べると焦点がぼやけていました。そしてツメが甘い。まあ、なるようになるだろ、みたいな。 ということで、「うーんうーん(´д`;)」とうなりながら眠るハメになってしまったんですよ!
で、目覚まし鳴ったので起きまして。 ぼけーーーーっとした頭でお風呂入って歯を磨いて仕事を始め。 そうだコーヒー入れよう。 数時間前までガストで6杯立て続けにエスプレッソ飲んだというのに(眠かったんです)、それでもまだカフェインが欲しいのはなぜかしら。 (てか、そんなにカフェイン摂ったから「うーんうーん(´д`;)」になっただけかしら・・・)
コーヒーを落としておりましたら、きょんが声をかけてきまして。
「ナナ、元気だったー?」と。 「うん。元気だった」 「学校、どうなんだろ調子。 相変わらずがんばってるの?」 「うん、がんばってるみたい。で、高看進むって言ってた。そのためにも成績上位をキープしたいんだってさ」 「あー、やっぱそうなるのかー・・・・いいな・・・勉強できて・・・」 「そだね」
きょんも学校行きたがっているのですが、経済的にちょっと難しくて断念中です。かわいそうに。
「でもなんで高看進むことにしたの?」 「なんか、勉強したり実習したりしてるうちに、自分のやりたい看護がハッキリしてきたんだってさ」 「というと?」 「できれば、末期の患者のメンタルケアと痛みの緩和に関わる仕事がしたいんだって」 「え!・・・・」
ひょいときょんを見てみましたら。
やだこの人、なぜうるうるしているの。
「ちょっと感動してうるうるきてしまいました。あはは(照」と、きょん。
そうか。そこって感動するところなのか、きょんの場合。 ワタシなんて「へー、やりたいこと見えてきたなんてうらやましいなー」という感じで、感動という部分はあっさり流してしまったんですが。
動物と人間の違いはあれど、「看護」という分野では共通しているきょんとナナ。 そして、きょんは特に、仕事においてホスピタリティの部分をとても大事にしておりますので、ナナの姿勢に心を打たれたようです。
「それか、精神科がいいんだってさ。 摂食障害とか、なんらかのトラウマによって心身が困った人たちへの医療に関わりたいらしい」 「それはやっぱり・・・親のことがあったから?・・・」ときょん。 「かもね。 本人には聞けなかったけど、関係はあるんじゃないのかな」 「(うるうるうるうる)ナナ・・・えらいな(´;ω;)」 「まあ、自分のためでもあるんだろうけどね。親にしてやれなかったことをしたいのかもだね」 これもまた、ひとつのバランスか。 「(うるうるうるうる)」
実際どうなっていくかはわかりませんが、でも「毎日同じ繰り返しでつまんない」「未来のこと考えると暗い気持ちになる」と言っていたかつてのナナを思うと、今のナナはワタシから見ると「ひええええ、あんた誰?」って感じなのでありますよ。 そして知恵熱。
「きょんさんのすごいところは、あれこれ考え込まずに、本能とカンに委ねて頭とカラダが動くところだよね」
と、デエトのときにナナが言っていたのですが。 まあそのとおりで、感情表現もこのように素直で、ナナやワタシのようなカッコつけにはちょっとうらやましくもあったりします。
「ナナはやさしくて強いな!」 とは、このたびのきょんの弁。
ふたりとも、リスペクトしあっていて結構なことです。
そして、間に入っているワタシが、やっぱり置いていかれております(°▽°)誰かワタシのことも褒めて褒めて!
まずい。 このままでは、ナナときょんが結ばれてしまうことに はなりませんが。
ワタシだってふたりから「さすがだね!」「すごいね!」って思われたいではないですか。 ってこともありますし、本気で先行きが不安なので、自分の近い将来について本腰入れて取り組もうと思ったのでありました。
と言いつつ、次の日はぐっすり眠れましたし、今日もだらだらと仕事してるんですが。 あー、仕事なんてしないで、どっか遊びに行きたーい。 キリギリスの脳とアリの身体を持つじょりぃ。 バランス悪い・・・。サクセス遠いな・・・(´`)
こんなものを買ってみました。
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IDミニカプセル。 携帯につけられるストラップタイプです。 IDカプセルとはなんぞや?という方のために説明させていただきますと、 『IDカプセル内にID用紙が入っており、住所・氏名・電話番号・血液型など持ち主のIDが素早く分かる事で、貴方個人や、ご家族の身を守るチャンスが広がります。ストラップになっているので携帯に付けて常時持っていることができます。』 というものです。
で、なんでこんなモン買ったかというと。
かわいいからー(*´∀`*)エヘ
ってわけではなくてですね。
何かこう、いつ何があるかわからないではないですか。 どんなにワタシがゴルゴ13のように眼光鋭く周りに注意しながら歩いていても、香港で蝶が羽を羽ばたかせればニューヨークあたりで誰かがくしゃみして、その勢いでサハラ砂漠で熱砂の嵐が立ち上がり、上空を飛んでいたステルス機が乱気流に巻き込まれ、クルクルと錐もみ旋回しながらそのステルス機はなぜか日本上空で空中分解し、ワタシの頭にトップガンのヘルメットが直撃してワタシが病院に運ばれる、という恐ろしいまでのバタフライエフェクトな事態が起こらないとは言えないわけですよ! 自分で書いてて途中から何書いてるのかさっぱりわからなくなりましたけども。
でまあ、そのように、いきなりヘルメットが頭を直撃して病院に運ばれるような事態になった場合。 しかも命が危ないとかそういう場合。
やっぱ、実家だけでなく、きょんにもちゃんと連絡してほしいではないですか。 じょりぃが危ないよ!と。
とはいえ、ワタシの頭にステルス機が降ってくるならまだいいんですよ。だんだん頭にぶつかるものが大きくなってますが。 ワタシに何かあった場合、たぶん実家に連絡が行くと思うんですが、そうなったらおそらくワタシの両親はきょんにも連絡を入れるでしょう。 問題はきょんに何かあった場合なのですよ。 きょんに何かあってきょんの実家に連絡が行った場合、あまりハシハシと細かく動くタイプでないきょんの実家が、ワタシに連絡をくれるかというと、これは非常に心許ないです。 ていうか、あの人達、ワタシの携帯の番号とか知っているのかしら。たぶん知らない。
だったら実家に連絡が行く以前に、「じょりぃとやらにも連絡しなきゃいけないらしい」と、誰かに気づいてほしい。 そしてできればそれを実行してほしい。
・・・とまあ、そんな流れのIDカプセル購入でございますよ。 カプセルに入れる紙に、通常の記入事項より目立つように「とにかくこの人物に連絡してほしい。全部わかるようになってるから」めいたことを血液型その他と一緒に書いておき、カプセルにしっかりと入れ(パッキンついてたから、一応防水みたいですよ!)、携帯電話につけておく、と。 普通、病気でいきなりぶっ倒れたとかステルス機が頭にあたって昏倒、なんて場合、やっぱ身元確認のために財布だの携帯だの確認しますよね? すると言ってください。てか、確認しろ。 で、携帯にIDカプセルがついていれば、ウルトラのんきな人でなければ、救急事態に携わる職業のかたならばたいてい中身を見てくれるのではないかと。てか、見ろ。
まあ、その後本当に希望の連絡先に連絡をくれるかどうかはわかりませんが、打てる手は打っておいたほうが良いですからね。 と思いまして。
問題はですね。 きょんに事情を話して「これつけておいてー」と頼んだとして、素直に「いいよ」と言ってくれるかどうかですよ。 「なんかお揃いみたいでイヤー」とか 「ダサい」とか 「不幸に備えるのが不吉」とか 「あんたに連絡したくない」とか 「何はともあれ、じょりぃに『これをつけろ』と指図されるのが気に入らない」(これが一番ありそう)とか なんとなく、嫌がりそうな気がひしひしと。
しかし、恋人同士であるとか、そういうメンタルな部分を抜きにしても、繰り返しますが現在きょんの実家ってハシハシと動ける人間がおりませんので、きょんに何かあった場合、実質ワタシが実働部隊となるわけですよ。 部隊とか言って、ひとりぼっちの部隊ですが。ロンリーソルジャーじょりぃ。 なので、やはりどうしても、きょんに何かあったときの連絡は、ワタシの方へも欲しいわけです。
嫌がられたらなんだかさびしいなー、と思いつつ、昨日ブツが届いたので、きょんに話を切り出すことにしました。
「何が届いたのー?(・∀・)」ときょん。 「うん。良いものだよ(´∀`) ところで、あなたに頼みがあるのですよ」 「・・・なに?」 案の定、この時点でとてもイヤそうな顔をされました。
あらたまって話したので、ちょっと怖かったのかもしれませんが。 りっちゃんなんて、 「じょりぃちゃんが『あのさー』って言うと、すごく怖い」って言いますし。 「あのさー」の一言で相手を怯えさせてしまうワタシって、いったいどんなホラーですか。
でまあ、きょんにもIDカプセル買ったことと、こんなわけなので、携帯につけてもらえないだろうか、ということをお願いしてみましたら。
「死んでもつけない」
なんてことは言われず、意外にもあっさりと「ああ、そだね。わかった。これかわいいし、いいよ」と。
ほっ。
「でもこれって、防水大丈夫なの?」ときょん。 「パッキンついてるけど、念のために手持ちのウォータープルーフの紙に書いて入れておこうと思うんだ」 「そう」 「何か書いてほしい希望ってある? 自分で書く?」 「全部任せる」
あっさり(°▽°)快諾
とまあ、そんなわけで。 どれほど効力があるのかは定かではありませんが、小さな保険をひとつ、携帯にぶら下げてみることにしました。 できればこのIDカプセルが使われることなく、「ただの気休めだねー」「お守りみたいなもんだネ」なんて会話のネタに使われるくらいで日々が過ぎていくと良いなあと思っております。
「IDカプセルなら、こんな情報も入れておくといいよー」というアドバイスなどお持ちのかたは、ぜひ教えてくださいませ(・∀・)
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