今日も今日とて
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2007年09月22日(土) ポケとおじいさん・ご報告

本日…というか、日付的には昨日ですね、の夕方、ポケじいことT井さんからワタシの携帯にお電話をいただきました。

「いろいろと本当にありがとうございました。
 犬は、間違いなくうちの子でしたので」

だそうです。
ああ、これでやっと本当に安心しましたよ!

「ずっと捜していて、もうどこかで死んじゃったのかな…ってあきらめようとしていたところだったんです」だったそうで。

ホントに、もっと早く、飼い主捜しに本腰入れればよかったですよ。
ポケじいにも気の毒なことをしてしまいました。
一ヶ月以上も心配していたなんて、我が身に置き換えたら想像しただけで落ち込みます。

あらためて我が家にもご挨拶にいらしてくださるとおっしゃってくれているんですが、うちの場所わかるのかしら(°▽°)

でも親しくなっておけば、気兼ねなくポケに会いに行けるので、ポケじいが来てくれたらそれはそれで大歓迎ですけれども。


きょんにも「このたびはあなた、本当に良いことをしたねえ」とねぎらいの言葉をかけさせていただきまして。
なにしろ、ポケがいる間、ポケが吠えたり粗相をするたびに、イラつくワタシにぎゃんぎゃんと怒られ、
理不尽なワタシの怒りに逆ギレすることもなく「ごめんね」としょんぼりしておりましたので。
ワタシったら「あのまま桑畑で死なせてやればよかったんだよ」なんて、ホントに鬼としか言えないようなやつあたりをぶつけておりましたからねえ。
そんなわけで、えらいのはきょんで、ワタシはひどいばかりな鬼畜乙女だったんですが。

ネット上でもさんざん大騒ぎして、みなさまにもご心配やらあたたかいお声がけやらいただきまして、スミマセンやらありがとうやらでございます。

ポケのウジやダニを駆除してくれた院長(怒ってたけど)とトリマーさんから始まり、心優しき宅配人・タナカさん、元町会長夫人、秋田さん、兄貴といった方々のご協力はもとより、こちらで心配して見守ってくださっていたビューワー様方の「気」のようなものも、このたびのメガハッピーに導いてくださったのだろうなーと、心から感謝しております。ぺこぺこ。

オチがなくてなんだか気恥ずかしいですが、今日はマジメに、ご報告とお礼の日記でございました。


ただひとつ、後悔が。


「迷い犬」の地元タウン紙への情報掲載について。
取り消そうにも、ポケをお返しできたのが締め切りを過ぎてからだったもんですから、


6000円、損した(°▽°)


今、夜中なんですが。
朝になれば、ポケの写真入りのタウン紙が新聞に折り込まれてきちゃいますよ。
あらあら。楽しみだこと ァ'`,、('∀`)



追記(2007.9.26)-------------------------

ポケを引き渡した翌日、ポケじいが挨拶に来てくださいました。
会ってみたら、まだ全然じーさんではありませんでしたよ!
そして「兄貴」に顔がそつくりでした(・∀・)

「あの子ね、もううちに17年いるんですよ。
 だから本当に、見つかってうれしいです。
 いなくなった頃は猛暑だったし、保護してもらわなければ死んでたでしょう。
 本当にどうもありがとうございました」

と、ていねいにお礼を言ってくださり、

「飲まれるかどうかわからないまま用意しちゃったんですが」

と、缶ビール1箱をくださいましてね。
辞退したんですが、「それじゃ困るから。お礼したいから」ということだったので、「じゃあ遠慮なく(・∀・)」といただきました。

さらに、「ほんの気持ちですが。エサ代です」と封筒まで出してきたので、それはもう本気で固辞しまして。
「ビールいただけて最高にうれしいですし、
 コロちゃんいてくれたおかげで、私たちも楽しかったですし」と。
優等生でつまらないお返事ですが、事実ですしねえ。
100万円じゃなければいらないの(・∀・)

押し問答の末、受け取らずにいたら、「かえって失礼かもですが!」と帰り際に門のところに置いていっちゃいました。

かかったお金の元とって、お釣りがくるくらい入ってました。
あらあらスミマセンねえ。

車に乗り込むポケじい(じいさんじゃないけど)に

「コロちゃんに会いに行ってもいいですか?」と声をかけましたら

「いつでも寄ってください」とにっこりしてくださいました。


くるりと振り返ってきょんに
「ポケじい、いい人だったね!こづかいもらっちゃったね!」と微笑みましたら

「17歳・・・すげぇ・・・ポケの生命力、すげぇ・・・」

と放心しておりました(°▽°)
猛暑の桑畑で助かったのも「すげぇ」らしいですが、「あんなに歩き続けられてあんなに吠え続けられるなんて・・・」ということにたいそうびつくりしておりました。

仕事が一段落したら、ポケに会いに行ってこようと思います。
ゴンちゃんとお散歩中の秋田さんや、トラクターで作業中の兄貴にも会えたりすると楽しいですね。

同じ団地に、きょんの高校時代の仲良しさんが偶然住んでいるのですが。
先日きょんが犬モノの洗濯を庭でしておりましたら、そのお友達が子どもふたりと犬を連れて家の前を通りがかりましてね。

「あー、きょん。犬どうしたー?」と声をかけてくださり。

良い飼い主さんのところへ帰って行ったよーと教えてあげましたら

「あー、よかったねー。
 うちの子たちに『犬の張り紙がなくなったから、犬がどうなったかきょんちゃんに聞いて』って言われてたんだよね」

とのことで。

ポケはしあわせ者でございますね。
くどいようですが、こちらでポケの心配をしてくださった方々にも、あらためて感謝いたします。
どうもありがとうございました。


2007年09月21日(金) ポケとおじいさん・〆

前回の日記に、引き続き経過を書こうと思ったのですが、エンピツに字数ではねられそうな気もしたので、新たにこちらに書くことにしました。

前回、ポケを確認してくださるT井一族に
「なんか、この子じゃないみたいねぇ」「うん。違うみてえだな」
とダメ出しをされているところからの続きです。

--------------------------

「え! でも、お電話の様子だと、同じワンちゃんだと思うんですけど・・・」
「何が違うんですか?」
と、食い下がるじょりぃときょん。
引き取ってもらわないと困る!という思いよりも、なんか違っていたら、単純にくやしくて。
それに本物だったらポケもポケじいも気の毒じゃないですか、ねえ?

「だって、コロちゃんはこんなにキレイじゃないもん」
「うん。コロよりもずいぶんこざっぱりしてるな」


そんな理由かい!Σ (゚Д゚;)



ていうか、コロちゃんていうのかー。かわいいなー(*´∀`*)
何か、気取りのなさそうなポケじい・T井さんのお人柄がしのばれるようで、ほほえましいです。

きょん「あの、うちで一度洗ったんですよ」
じょり「目ヤニも取りましたし」
秋田「でもねえ・・・何か、同じ犬とは思えないほどキレイだし・・・」

だから洗ったんだってば!
シンデレラはすすを落として本来の美しさを取り戻したんですよ!

秋田「それに、ダニとかノミとか、ものすごかったんですよー」

だから洗ったんだってば!確かにすごかったから!
ていうか、それが判断基準て!

じょり「いや、ダニ、ものすごかったですよ」<失礼
きょん「だから洗ったんです」

秋田「あ、そういえば、コロちゃんは足にコブがあるのよ」
じょり「あ、ありますよ!ほら」
秋田「いや、後ろ足じゃなくて、前足だったと思うわ。もっと大きかったし」
じょり「そうなんですか?」

兄貴「思い出した!そういえば、コロは足にケガしてたろ?!」

だから今その話してるんだってば兄貴!

秋田「でもほら、後ろ足なのよ」
兄貴「おう!後ろ足だったぞ!・・・・そうそう、こんな感じ。コロだろ、これ」

やっと認め始めましたよ。

秋田「コロかしらねえ・・・言われてみれば、コロちゃんかな?」

ほっ。

秋田「あ、でも、しっぽが全然違うじゃない? この子しっぽに毛がないわ」
じょり「あ、ゴメンナサイ。それは刈っちゃったんです」
きょん「お尻にウジが湧いてて、駆除するためにお尻まわりとしっぽの毛を刈ったんですよ」
秋田「あらーー。そこまで良くしていただいて。コロちゃん、よかったねえ、親切な人で」

そろそろコロちゃん扱いしてきました。
ポケがコロになっていきます。
なにか

さびしい(´;ω;)

きょん「この赤い首輪、見覚えありません?」
秋田「それは本人じゃないと・・・本人来れなくてごめんなさいねえ」
兄貴「コロだよ、これ」
秋田「そうねえ。そういえば、ゴンちゃんが全然吠えなかったね」

秋田犬の雑種ゴンちゃん。
うちのシロちゃんと一緒で、日本犬の気質が強そうで、うっかり初対面で「よしよし」なんて手を出すと、ガブリとやられちゃいそうな風情たっぷりのゴンちゃん。
そのゴンちゃん、犬を見ると吠えたてるらしいんですが、ポケには吠えなかったのです。

秋田「とりあえず、ちょっとお庭を歩かせて反応を見てみましょうか」

と言って、きょんからリードを受け取って、ポケを好きに歩かせてみる秋田さん。
しかしポケはボケです。反応なんて、あるかしら・・・。

とて とて とて とて とて とて とて

犬小屋その1を無関心に通り過ぎ。
犬小屋その2はどうだ。 ポケや、おまえのお部屋なら何か感じるかい?

とて とて とて 

無関心に通り過ぎ( ´_ゝ`)

とて とて とて とて とて とて とて

まっすぐ玄関に歩いていき、玄関脇の木の影になるところで止まって、落ち着いている風情のポケ。

秋田「ああ、コロちゃんですね! いつもここで寝転がって帰りを待ってたから」

ポケや!
おまえがそんなことを覚えていたとは!
何もわからないボケ犬かと思っていたよ!
しかも玄関で飼い主を待ってるなんて、なんてけなげでかわいらしい犬なんだ!

これで秋田さんもちょっと安心したのか、「ゴンちゃんと会わせてみればもっとわかるかな?」と。

きょんはここで俄に心配しはじめまして。
ポケがコロちゃんでなかったら、ゴンちゃんが「うがう!うがう!うがう!」とポケに噛みついたりする可能性もありますから。(シロちゃんならやっちまいますから)
「だ、大丈夫ですか?いきなり・・・もしコロちゃんじゃなかったら・・・」と、どぎまぎ。

ポケ、臆することなくゴンちゃんに近づきまして。
ゴンちゃんの鼻先の匂いをくんくんと嗅ぎ。
ゴンちゃんもポケの匂いをくんくんと嗅ぎ。
ああ、うちの犬の匂いが移っているせいでゴンちゃんが怒り始めたらどうしよう。どきどき。

しかし、その後も2頭はくんくんしながら、体を寄せ合っています。

秋田「ああ、コロちゃん、ゴンを舐めてるし、大丈夫みたいね。やっぱりコロだね」と。

ポケがゴンちゃんのどこを舐めたかというと、ち○ち○です(°▽°)仲良しネ☆

ゴンちゃんの反応を見て、すっかり安心したのか、秋田さんと兄貴の口もなめらかになってきました。
いや、最初から割となめらかだったんですが。

秋田「やっぱり庭だからなんて安心して放してちゃダメねえ。
   留守がちでかわいそうだからって、自由にさせてたみたいなんだけど。
   前にも一度いなくなっちゃったことがあって、そのときは近所の用水路に落ちちゃってたのよ」

初犯じゃなかったのか(°▽°)

秋田「でね?今回もいなくなっちゃって、飼い主はもう一生懸命捜しててねー。
   ここ一ヶ月くらい、時間があれば探し回ってて、川もあちこち見たし、
   けっこう遠くまで捜しに行ったりしてたんですよ」
じょり「そうだったんですかー。長く心配かけちゃって申し訳なかったですね。
    コロちゃん、お父さん捜しててくれたんだってよー?よかったね」
秋田「コロちゃん、もう15歳なんですよ」

ホントに年寄りだ!

秋田「だからね?『死に場所探しに出ていっちゃったのかなぁ』なんて、みんなでしょんぼりしてたんですよね」
きょん「死ぬなんてそんな・・・」<静かに怒ってます

秋田「いつ頃から面倒みてくれてたんですか?」
きょん「8月6日に保護したんです」
秋田「あら!じゃあやっぱりそうなのね。
   コロがいなくなった、って言い出しだのが、7月の終わりか8月頭だったものね?」
兄貴「そうそう。川捜しに行ってな!台風のときなんか、えれえ心配しててな!」
秋田「じゃあ1カ月以上面倒見てくれてたのねー。コロちゃん、いい人に見つけてもらえてよかったねー。
   ホントにすっかり良くしてもらって・・・キレイになっちゃったしねえ」

キレイにしたばっかりに、「この子じゃない」と烙印を押されてしまうところでしたが(°▽°)

で、その他に、じょりぃさんちはどのへん?とか、ポケ発見時の様子とかお話しまして、まあ、間違いないだろうということで、秋田さんがポケじいが帰ってくるまで預かってくださることになりまして。

兄貴「じゃあ、引き綱つなぎかえるか!
   ・・・でもオレが持ってきたの、壊れてるんだよなあ」

見てみましたら、首輪につなげる金具のところが欠けちゃってまして、早い話が「引っかかるけど固定できない」という状態。
役に立たないじゃん兄貴!

じょ「あ、このリード使ってませんから、このまま差し上げますよ」
兄貴「それじゃ悪りぃよ!大丈夫だよこれで!」
きょん「それじゃまた逃げちゃうから!ダメ!」

きょん、素が出ちゃってるってば(・∀・;) まったく動物のことになると・・・。
怒っちゃダメ。

じゃあすんませんねえお言葉に甘えてと、リードを受け取ってくださいまして。

秋田「もしコロちゃんじゃなかったらどうしようかな・・・」
じょ「ワタシの電話番号ご存知ですから、またご連絡くださっていいですよ」
兄貴「違っても置いとけばいいんじゃねえか?似てるんだし」 そういう問題か。
秋田「いずれにしても、本人がご挨拶にうかがうと思うんですけどね」
じょ「この子がコロちゃんで、問題がなければ、わざわざいらしていただかなくても大丈夫ですよ」

秋田「帰ってこれてよかったねえ、コロちゃん」
きょ「この子、かわいいですよねえ」
秋田「そうなの。かわいいのよね」
じょ「うちの近所の人たちも、みんなかわいいかわいいって言ってくれてたんですよ。
   何かこう、おだやかでやさしい顔してますよね」
秋田「飼い主がね、すごくやさしい人なのよ。やっぱり何かかわいくてね(笑)
   飼い主に似たのね、きっと」


このひとことで、きょんとワタシがどれだけ安堵したことか。
ああ、ポケ  じゃなくてコロちゃん。
おうちに帰ってこれてよかったね。
おじいさんにまた会えるね。


秋田「あのねえ、うちは、この3軒先の、焦げ茶色の木の塀の家なんだけど・・・わかるかしら?」
きょ「ああ、はい。わかりますよ。大きいおうちですよね?」
秋田「ここらへんはみんな敷地だけは大きいのよ(笑)
   ねえ、よかったら、これから気軽にお茶でも飲みに寄って? せっかくだし」
きょ・じょ「ありがとうございます」
秋田「ホントに来てね。コロちゃんにも会えるし」

我が家がある団地は新興住宅地で、よそから来た若い家族が多いのでつきあいも希薄なんですが。
そして、ちょっと奥に入ったこのあたりは古い家が多くて、田舎で、つきあいとか厄介そうだなあ、なんて敬遠していたんですが。
元町会長さんちといい、秋田さん、兄貴といい、何か田舎ならではの面倒見の良さやらあったかさやらがあって、なんかいいなー、なんて思ったりしました。

もしコロちゃんじゃなかったら連絡ください、うちは夜遅くても全然大丈夫ですからー、とお話して、電話番号もあらためてお渡ししておいたんですが、今の時点で連絡がないということは、たぶん大丈夫なのでしょう。

帰りに元町会長さんのお宅に寄って、なりゆきをご報告し、T井さんに声をかけてくださったお礼を申し上げまして。
「あらよかったわねえ!T井さん、話すなり『その電話番号もらっていいですかね?』って言ったから渡しちゃったんだけど、良い結果になってよかったわー」と奥様。
「また何か困ったことあったら、いつでも寄ってね」ともおっしゃってくださり。
みんなやさしいなあ。ワタシと違って(°▽°)


というわけで、現時点では、という注釈つきですが。

大団円です。メガハッピーです。よかったよかった。



家に帰ってきて。何か物足りなくて。
「せいせいとしてさびしいな!」
とワタシが怒鳴りましたら、きょんは静かに「そうね」と笑っておりました。

ここのところ、いつもポケをとてとてと庭で歩かせていたので、たいてい我が家の門は閉まっていたのですよ。
ワタシたちが出かけるときも閉めていって、ポケを歩かせておりました。
そして、ワタシたちが帰ってくると、わかっているのかわかっていないのか、ポケがとてとてと門のところまで寄ってきたりして、
「ポケ!中に入れないだろ!邪魔だ!あっち行け!」
なんて悪態ついていたじょりぃだったんですが。

さっきもきょんと車で出かけて帰ってきて、自分ちの門が開いてるのを見てですね。
ああ、ポケ、もううちにはいないんだなー、という実感が湧きまして。

「歩いてたのにね」

とワタシが言いましたら

「そうね」

と、きょん。


さびしい自分がくやしい。
あんなに邪魔だったのに。
今この日記を書きながらうるうるしてる自分がもうイヤ。
喉のあたりが詰まって苦しい。アホか。

今のところ、きょんとはほとんどポケちゃんの話はしておりません。
なぜかしら。

コロちゃん じゃなくて、やっぱりポケや。
もう迷子になっちゃダメだよ。


あーあ、さて。
今日から吠え声に悩まされずにゆっくり眠れますよ!( ^ ∀ ^ )
きょんも耳栓なんて買っちゃってたのに、使わないまま無駄になっちゃったな!あははははは。




(´;ω;) サビシイヨウ



2007年09月20日(木) 続・ポケとおじいさん(引き続きリアルタイムメモ)

リアルタイムメモ☆1【11:15am】

昨日、ポケ騒ぎに振り回されたじょりぃは、仕事をしながらさわやかな朝を迎えまして。
ていうか、今日って暑いですね!死ぬ!
朝の8時頃お風呂に入りまして、仮眠を取ろうかどうしようか悩みまして。

今日、というか、前半の体調を重視するなら、仮眠を取らずにこのまま突っ走ったほうが具合がよろしいんですよね。
徹夜明けの1時間くらいの仮眠て、起きてからしばらくがつらくてつらくて。眠くて眠くて。だるくてだるくて。
しかし、明日・明後日のことを考えると、少しでも寝ておいた方がいいのは、経験から学んでおります。
ということで、あまり眠くなかったんですが、午前中はアポも入っていないしということで、1時間仮眠を取ることにしました。

おふとんに入ったものの、なんか寝付けないなーと、15分ほどもぞもぞしてまして。
それでも疲れていたせいか、いつの間にかすうすう眠りまし・・・ぷるるるるるる! ぷるるるるるる!

なんだよ電話かよこんな時間に!
と思わず思ってしまいましたが、もう朝の9時過ぎてる平日ですから、寝てるほうが悪いんですが。
しかし、寝ぼけていたために、間違えて切ってしまいました。いけね☆
着信履歴を寝ぼけまなこで見てみましたが、どうやら携帯に登録していない人からです。
てことは仕事先の人じゃないのかしら。いいや、寝ちゃおう。くう。
すやすやす・・・ぷるるるるるる! ぷるるるるるる!

ぬおおおおおおおおう!誰じゃい!
見ればさっきと同じナンバーからですよ!しつこいな!

は(・o・)

もしかしたら、元町会長夫人から何か情報かも。
と自分に都合良くひらめいたじょりぃは、むっくりと起きあがり、仕方なく電話に出ることに。
ちなみに、ワタシ、寝ていて突然電話に出ても、あたかもしゃっきり起きていた人のように話せます。
きょんが「それってものすごい才能」と褒めてくれるんですが、しゃっきり話すフリをしていても頭は寝ているので、たいてい何を話したか覚えていなくて困ります。
後でまた電話しなおして「あの、お電話いただいたとき、ワタシなんて言ってましたっけ?」とか聞くんですよ何が才能だよというとんちんかんですよ。
で、このときも明るくさわやかに「もしもしー」と電話に出まして。目はうつろですが。

「あ、あの、じょりぃさんですか?」と電話口の男性。
「はい、そうです」
「あの、私、T井と申しまして、Sさんからお話をうかがいましてお電話してるんですが・・・」

ポケじいさんだーーーーーーーー!!!!キタ━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!

「はいはいはい!」

ポケじいさん、じいさんと呼ぶのは申し訳ないような若々しい声でございますよ。
声だけなら、50代前半という感じでしょうか。

で、よ、用件はなんだろ・・・。
「うちの犬じゃないですよ」とか「申し訳ないが飼えなくて放したので・・・」とかだったらどうしよう。
久々にいろいろな道具を出して呪わなきゃならない。

ポケじい「あの、うちの犬がもしかしてそちらにいらっしゃるということで・・・」
じょりぃ「ええ。ワンちゃん保護してるんです。ひと月くらい前から」
ポケじい「その犬は、コリーのちっちゃいようなヤツですか?」
じょりぃ「はい、そうです!」
ポケじい「ちょっと白っぽくて・・・」
じょりぃ「あ、そうです。他のシェルティよりも白っぽいですね」
ポケじい「それで、うちの犬だとすると、年取ってて、ちょっとボケてるんですが・・・」

ま・さ・に( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)ビンゴ!!!

じょりぃ「実はT井さんもボケてるんじゃないかと心配していたんですよ!(・∀・)」

これはウソですスミマセン。

じょりぃ「ええ。ちょっとボケちゃってるみたいですね(笑)そして赤い首輪してます」
ポケじい「ああ!うちの犬ですよ! どうもありがとうございます」

お礼言ってくれてるー(*´∀`*) ポケをかわいがってくれてたんだー。

ていうか、「そのまま飼ってくれるんでしょ!ありがとうございます」なありがとうだったらどうしよう(°▽°)

で、T井さんどうなさりたいですかー、お宅にワンちゃんお届けにうかがっても大丈夫ですかーとお聞きしてみましたら

「いえいえ、とんでもないです。私がじょりぃさんの家へ引き取りにうかがいますから」と。

積極性。 うれしい。 よかった。 ポケをかわいがってくれているに違いない。 (つд-。)くうっ

ポケじい「でも、じょりぃさんのお宅がどこなのかが私にはわからないんですよね・・・」
じょりぃ「ワタシ、T井さんのおうちわかりますから、失礼でなければお届けにうかがいますよー」
ポケじい「そうですか!申し訳ないけど、じゃあ甘えちゃおうかな・・・」
じょりぃ「ええ( ^ ∀ ^ )  で、ご都合の良いお時間は・・・」

ということで、この後時間のすりあわせをし、夕方5時にポケを届けにうかがうことになりました。

連れていってみたら
「あれ? この子じゃない・・・」とかなオチだったらどうしよう。
あるいは
「ふはははははは。罠にかかったな!」と仁王立ちのポケじいがいて、きょんとじょりぃがそのまま縛られてさるぐつわまでされて、船底で海を越えるようなことになったらどうしよう。


しかし、そんなわけで、現時点ではすばらしい朗報です。
大団円になるのか、どんでん返しが待っているのか、結果もこの日記でご報告させていただきます。
とりあえず、ワタシは今とてもうれしいです。
何しろポケじいの人柄が良さそうなのがうれしい。
ポケを愛してくれてそうなのがうれしい。
きょんもにこにこと安心中です。今のところ。

夜になっても日記が更新されなかったら、ふたりして猿ぐつわされて海を渡っているところだと思ってください。


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現在、もう夜の10時過ぎです。
今、きょんとふたりで船底に転がっています。
なんてことはもちろんなくて、忙しい日だったのでリアルタイムメモがままなりませんでした(´・ω・`)ちぇ
なのでここからは、リアルタイムメモを装った、ただの時系列日記となります。
それでは、本日の「ポケにまつわるエトセトラ」、ご報告させていただきます。


リアルタイムメモ風☆2【4:40pm】

もうこの時間には、家に着いていたはずのじょりぃだったのですが、打ち合わせが長引きまして、「ポケじいさんとの時間に遅れてしまうーー!」と夢中で車を走らせておりました。
そうしましたら、きょんからメールが。
「遅いよ!」的お怒りメールかしら・・・と思いながら信号待ちでメールチェックしてみましたら。

件名:お皿に頭を乗せて眠るポケ
本文:もうこっちに向かってる?


件名と本文がちぐはぐですが、見せたい添付画像のタイトルが件名、時間大丈夫?という打診が本文らしいですね。
ワタシのせっぱ詰まり感とは対照的に、のんびりしております。
で、添付画像がこちらでした。

 ぐうぐう

か、か、かわいーーーー(*´∀`*)       (´∀`)       (´・ω・`)

お別れかもしれないのか・・・。

って、いいことじゃん!邪魔者厄介払いですよ!
急がないと、ポケじいに逃げられてしまいます。 5時に間に合うでしょうかワタシ(°▽°)

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リアルタイムメモ風☆3【5:03pm】

ポケじいさんことT井さんの家に向かう路地がほっそーーーーい畑道のような道でしてね。
運転していたきょんが「やば。犬の散歩の人がいる。通れるかな」と。それくらい細い。
「でかい犬!」とワタシ。「秋田犬?」「いや、雑種だね」ときょん。
秋田雑種を散歩させていたおばさん、自分が畑に引っ込んで道を空けてくださいまして。あらスミマセン。
T井さんちのすぐ横の畑では、トラクターでどどどどどどと作業しているおっさんが。
うちも田舎ですが、それでもびっくりするくらい田舎な風景でございます。

T井さんの敷地に車を入れましたらきょん「あれ?帰ってないのかな?車見あたらないけど」と。
「仕事が忙しくて抜けられないのかな? ワタシの時間に合わせてもらっちゃったしなぁ」とワタシ。

車を降りて、どうしようか、なんて話してましたら、秋田雑種おばさんが「あのー」と。

「もしかして、じょりぃさんですか? 私、T井です」

ポケじいさん、こんな、おばさんみたいなおじいさんだったなんて! 驚愕!!

てなわけでなくて「あ、本人がいなくて、私、T井の実家のものなんです」と。
ご本人じゃなかったんですね。当然ですが。
にこにこと人の良さそうな、割ときれいなかわいらしい顔立ちをしたかたでございますよ。
便宜上「秋田さん」と呼ばせていただきます。T井さんですけど秋田さん。

なんでも、ポケじいさんは仕事が抜けられないので、秋田さんに「ポケがポケであるかどうか」の確認を依頼されたらしいのです。
秋田さんはすぐ3軒先に住んでらして、秋田雑種犬(ゴンちゃん)とよく遊びにきているらしく。
親戚ということと、ご近所ということで、日常的に濃いつきあいがあるらしいです。

ご挨拶をしておりましたら、秋田さんの背後から「どうも」とトラクターを運転していたおっさんが。ぬうっと。
「舎弟が迷惑かけちまって。悪かったですね」だそうです。
ポケじいさんのことを舎弟扱いしていますが、この人がいったい何者だったのかは最後までわかりませんでした。
この人もポケちゃんのためにトラクターに乗って待機していたらしいです。

そしてふたりにポケを引き合わせ。
それまでは「いろいろすみませんでしたねえ」「いえいえ」「大変だったでしょう」「いえいえ」なんておしゃべりしていたものが、何かしーーんとしちゃいましてね。
秋田さんの放った、衝撃の第一声がこちら。


「なんか、この子じゃないみたいねぇ」


ウソだろーーーーーーーーーーー!!!!!!Σ ( ゚Д ゚;)

あわてふためくきょんとワタシ。
しかし、ポケじいさんと電話で特徴を伝え合ったときは、ほぼ間違いない!というくらい合致していたのです。
場所的にも合点がいきますし。
何が、何が違うというのですか秋田さん!

「うん。違うみてえだな」  と、兄貴なおっさんも。



・・・と、ここでまた出かけなければならなくなったので、いったんアップさせていただきます。
誤字脱字わかりづらさが心配ですが、後で直そうそうします。
引っ張ってるわけじゃないんですよ! 今日は忙しいんですじょりぃったら。
でも、このままでは猿ぐつわで海を渡っているとご心配をかけちゃうと思いまして、とりあえずできるところまでお知らせしたいと、そんな憎い心意気更新。
と、自分で自分を持ち上げたところで、ちょっと出かけてまいります。
いいところで「つづく」にしちゃう自分がまた憎い。 ああ、出かけねば。ちょっと行って参ります。


2007年09月19日(水) ポケとおじいさん(リアルタイムメモ)

さてさて。
今日はきょんがお休みの日なので、昨日心優しき宅配人・タナカさんが教えてくれた、ポケの飼い主とおぼしきおじいさんの家へ、ポケを連れて行ってみようというわけですが。
オチがどうなるかわからないまま、リアルタイムにてメモしていくというしちめんどくさいことをしてみようと思います。
ワタシ忙しいのに何やってるんだか。

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リアルタイムメモ☆1【11:27am】

ポケをきょんの車に乗せ、出発。
おお、エサも持っていかなければ!

 ポケごはん。ヒルズ老犬用。高いの(´д`)

・・・出発の前に、これでポケは我が家からサヨナラかもしれないので、各々ポケと一緒に記念撮影なんかしまして。
ちょっとさびしいです。

ポケは昨日、きょんに生理食塩水で目ヤニをキレイに拭いてもらって、美人度が上がったんですよ。
ほら。

 「えへ」

そして、ぶっぶーーーと出発。
おじいさんの家は、きょんの「犬のお散歩コース」のひとつになっているくらいなので割と近いです。
それでも歩けば15分くらいでしょうかね。車なら3分くらいですが。
そしてその3分の短い間に、しっかりと車の中でオシッコをしちゃうポケ。
しかもおじいさんちがもう目の前ってとこにきてあなた。
いやがらせがうまいわね。我が家に長くいすぎたかしら(°▽°)

ポケを車から降ろしまして。
田舎の古いおうちなので敷地が広いです。
玄関までてくてくと歩き。
ガレージのような物置のような場所の両脇に、犬小屋がひとつずつ。

むむ。

犬小屋に関しては、廃墟感たっぷり。

てか、最近まで使っていた、という形跡すらないような。
でも台風も来たしな。
それできっと、なおさら荒ぶれて見えるに違いないそうに違いない。
が、きょん、犬小屋の様子を見て「・・・・・・」と。暗いムード満点☆

ちなみに犬小屋の様子。

犬小屋その1


犬小屋その2


でもでも。
犬小屋その2には、雨漏り対策なのか、屋根の上に何かかぶせてあったりして。
ふとんなんかも敷いてあったりしますし。
やさしいおじいさんなのかもしれませんよ。<希望的観測

玄関に到着。割と大きい家なのかな?
おじいさん、ここに一人暮らししているのでしょうか。
呼び鈴を押しまして。ぴんぽーん。

反応なし。

車もないし、お出かけかしら。

少し待ってからもう一度、ぴんぽーん。

反応なし。

ドアを開けようとしてみましたが、カギかかってました。

午後にもう一回出直すことに。
ああ、午後の時間もつぶれるのか(´д`)

「ポケや、ここはおまえの家かね?」と聞いてみますが、相変わらずぽけーっとしております。

車に乗り込みながらきょん、
「・・・もしかして、わざと放したのかなあ・・・」と。

ワタシもちょっと考えましたが。
でもまだわからないし。

ああ、おじいさんに引き取りを拒否されたらどうしよう。
最初のうちは「いざとなれば実家で」と言っていたきょんだったのですが、あまりにも吠えるので実家では難しいかもと言ってるんですよねえ。

午後の訪問に賭けます。

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リアルタイムメモ☆2【2:40pm】

打ち合わせを終えて帰ってきたら、きょんが庭で犬のものを洗濯してました。
そのまま庭先で、どうしようか、何時頃行こうか、と相談を持ちかけてみましたら

「おじいさん、あの家にいるんだろうかね?」ときょん。
「え!もう死んでるとか?」
「(笑)いや、死んでるまではいかなくてもさ、老人ホーム入っちゃったとか」
「むむ」
「でも、庭は手入れされてたね」
「うん。それに、車が通った跡が、新しかった」
「あなたよくそんなもん見てるわね」
「探偵ポワロだから」

「なんかさー」ときょん。「犬小屋が2つとも空だった、てのが気になるのよ」
「ワタシも実は気になった。もう一頭はどうしたんだ?と」
「ねー。もしかして、やっぱり世話ができなくなって、わざと放したのかなーとか思っちゃって」
「むむ・・・もしそうだとしたらさ、あなたの実家、この秘密兵器を献上すれば飼ってくれるかな?」

秘密兵器とは。

ポケちゃんがどこかにつかえずに歩き回れるように、きょん、バスマットを買ってきてこんなものを作ったのでありました。



こんなの効果あるのかしらと思っていたんですが、試しに涼しい夕暮れ時にこの中を歩かせてみましたら、ぐるぐると大人しく歩き続けておりました。
きょん曰く
「なんかね、犬関係の雑誌か何かで、これがいいですよって紹介されてたことがあったのよ。
 でもね、それには『バスマット3枚で丸いサークルを作る』とか書いてあったんだけど、それって無理だよね(笑)」

うん。無理(・∀・)
その人何を考えていたのかしら。

で、この簡易サークルとセットでだったら、実家でも飼えるのでは?と提案したじょりぃなわけですよ。
歩いていれば吠えないんですから。
が、きょんから返ってきた言葉はこちら。

「なんかさ・・・こないだ実家行ったときに聞いたんだけど、今、野良犬が通ってくるらしくて実家でごはんあげてたら、
 いつの間にか居座って子どもまで産んじゃってどうしようかーって悩んでいたのよ」
「なぬ!?Σ (゚Д゚;)」
「だから、ポケどころじゃない・・・ていうか、その子犬の里子手配もあたしがするようかな、とか」

じょりぃ、気絶。

ま、まあ、とりあえず気を取り直して、午後のじーさん訪問に賭けます。ええ。


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リアルタイムメモ☆3【5:38pm】

先ほどじーさんの家に再訪問してまいりました。
が、

留守 orz

もしかして、ホントに住んでないんじゃないのー?と不安になるきょんとじょりぃ。

どうしよう。
ということで「ご近所に、ここんち住んでるか聞いてみよう」と提案するじょりぃ。
とりあえず、この、向かいの家なんてどうかな? と、きょんにたずねてみましたら

「うーーん・・・ここんち、猫屋敷でさ。ちょっと変わってる家かも。って雰囲気なんだよねー」と。
「聞いても教えてくれなそう、ていうか、呼んでも出てきてくれないかもよ」だそうで。
確かに何かこう、「猫だけでなく、妖怪も飼っとる。ついでにわしゃぁ、山姥じゃ!」とかすごむ、みんな同じ顔したおばあさんが5〜6人わらわらと出てきても不思議はないようなたたずまいでありますよ。

ではどうしようということで、じょりぃ、はたとひらめきまして。
おじーさんの家のすぐ近くに、ワタシが隣組長をしていたときに町会長さんをやってらしたお宅があるのです。
集金したお金を届けにきたときに、やさしくて感じが良かったことを思い出しまして。
元町会長さんに、このおじーさんちの様子を、ちょっとうかがってみちゃおう、ということになりました。

ピンポン鳴らして、こんにちはーと声をかけましたら、奥様が出てきてくださいました。
事情を説明し、「たぶん裏のT井さんの犬だと思うんですが、お留守のようなので、いつ頃ならいらっしゃるか、Sさん(元町会長さん)ならおわかりになるかと思いまして、ずうずうしく押し掛けてしまったんですが・・・」と、恐縮しつつ甘えてみましたら。

「ああ、T井さんとこ、確かにワンちゃんいたわねえ。
 でも、T井さん、夜にならないといないみたいよ? 自分の会社のお仕事してるから」

社長さんでしたか!
しかも夜までお仕事してらっしゃるということは、割としゃっきりしてらっしゃいそうで、ちょっと安心。
よたよたしてるようなかたでしたら、犬置いて帰ってくるのも気の毒なのかなーとか、家の中で死んでたらどうしようとかいろいろ心配しちゃってたもんですから(°▽°)

「ああ、じゃあ、夜になったらまたうかがってみます。お騒がせしちゃってスミマセンでした」
「いえいえ。それにしても、ひと月も面倒見ながら探してたの?大変だったわねえ」

ここで同時に
きょん「いえ、そんなこと」  じょりぃ「はい」

さらにずうずうしく「T井さん、お話ししづらそうな、その、気むずかしいかただったりします?」なんてことも奥様に聞いてみちゃったりするじょりぃ。
「(笑)そんなことないですよ。やさしい、気さくなかたですよ」

ほっ(・∀・)-3

じゃあ、お世話になりました、と元町会長さん宅を後にしようとしましたら、奥様が「あ、」と呼び止めてくださいまして。

「T井さんちに電気がついたら、お電話でお知らせしましょうか?」と。

なんてありがたいお申し出!
親切な人っているんですねえ。
素直にご厚意に甘えさせていただき、ワタシの携帯番号と名前をお渡ししまして。

というわけで、元町会長奥様の親切にほっこりしつつも、またもや空振りに終わった、ポケとおじいさんの(もしかしたら)再会でございました。


ここでいったんアップします。
進展したら、この日記に続きをしたためさせていただきますー。


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リアルタイムメモ☆4【9:15pm】

元町会長夫人からなかなか電話が来ないので
「ワタシ、もしかして、自分の携帯番号間違えて教えてしまっただろうか・・・」と不安になっていたのですが。
先ほどお電話をいただきました。


まだ帰ってきていないそうです  orz


もしかしたらもう少し待てば帰ってくるのかもしれませんが、
「これ、お宅の犬?」
なんつー用事で、こんな時間におうかがいするのもアレですし、元町会長夫人様にもいつまでもおじーさんちを見張っていただくわけにもいきませんので(こちらもお年寄りです。きっと早寝)、今日のご親切のお礼を申し上げて電話を切りました。


午前中→空振り。

午後→空振り。

夜→見送り三振。 


ポケは今日もうちの子に決定です。
明日もきょんがお休みなので、引き続きトライしてみますが、明日はワタシ、打ち合わせ詰まっているんですよねえ。
しかもついさっき、「仕事、まだできないの?」なメールもいただきまして、もう泣きたい。


オチがなくてスミマセンていうか、最終的に「このままポケはうちの子になったのでした。めでたしめでたし」なんてオチになってしまったらどうしよう。
ていうか、それってちっともオチてないし!
ああ、困った困った小股。

あ。

キリ番踏んだかたに、ポケちゃんプレゼント! という企画はどうでしょう(・∀・)ナイスアイデーア!

キリ番プレゼントというより、むしろ地雷ですが。
秋の猛暑に涼やかなスリルはいかがでしょうか。
って、そんな企画やりませんから「もう来ない」とか思わないでくださいぐっすん。
ひとりではしゃいでひとりで泣く、秋の夜長のじょりぃ。小股。


2007年09月18日(火) 飼い主を捜せ!

ここのところたびたび日記にもマシマロにも登場していた、きょんが保護した迷い犬・ポケちゃんなんですが。

「えへ」

何しろ保護しなきゃ炎天下で死んでいたでしょうし、毛虫の海の中をかきわけてポケを保護したきょんの心意気も尊重し、黙って様子を見ていたじょりぃだったわけです。
「いざとなったら実家に引き取ってもらう。おとなしいし、飼いやすい子みたいだから」というきょんの言葉もワタシを安心させておりました。

が。

きょんはのんきな性格です。
おまけに、犬猫の世話という点に関しては、苦労をものともしません。
今うちで飼っている犬二頭と一緒に散歩させたりするわけにはいきませんので、運動の面倒からごはんの世話、犬用タオルケットの洗濯その他もろもろ、軽く倍は用事が増えているのですが、そういうのは黙々とこなしていて、この点はえらい。
しかしのんきなので、飼い主捜しについてはいっこうに腰が上がらず。
保護してすぐに、近くの動物病院に連絡を入れたり、近隣の保健所に知らせておいたりはしたのですが、それっきり。
もちろんそれらの手配をさせていただいた先方からは、何の音沙汰もなく。

ワタシは日中、ポケとずっと一緒にいなければならないというリスクがありますが、まあ別にたいした用事もないし、やっぱりのんきにしていたんですが。

ポケ、寝てるときと歩いているとき以外は、ずーーーーーっと吠えているんです。
まだまだ暑いですから、家の中に置いているんですが(老犬ですし)、吠え始めると4〜5時間ぶっ続けで吠えるのですわ。
根詰めて細かい仕事とか頭使わなきゃならない仕事してるときに、しかもさらに頭痛がひどいときなんかにこれやられると、弱虫じょりぃには耐えられないものがありましてね。

で、先日、うがああああああああああ!!!!とキレまくり、仕事中のきょんに電話。
しかもきょんは仕事中は携帯をマナーモードにしていて出ませんから、きょんの勤め先の動物病院に電話。
非常識ですワタシ。
でも頭が狂っていたので、まあしょうがないですね(´∀`)

運良く院長が出かけていたので、心おきなくきょんを罵倒。責め立て。
頭痛いよ!うるさいよ!仕事にならないよ!なんとかしてよ!と。

きょん「ごめーーーん。どうしようねえ・・・(´∀`)」

発狂じょりぃに慣れているので、穏やかに受け答えするきょん。
まあ、病院にまで電話してガンガン言うほどワタシがグロッキーになってるんだろうなーと、気を使ってくれたというのもあると思いますが。
ここ数日、ワタシったらホントに憔悴しちゃってたんですよ、見るからに。

のんきかつ素直に謝られてしまったので、我に返るじょりぃ。
きょんに言ってもしかたないんですよねえ。
でも、飼い主捜しはちゃんとしてもらわないと困るよ!とお伝えし。

そんな発狂事件があったのが数日前。
きょんもボチボチと重い腰を上げて、地元のタウン紙(新聞折込されるものです)の情報欄に載せてもらおうと、ふたりしてあれこれ調べていたのですが。

確か、以前はタダで載せてくれていたこの手の情報。
いつのまにか有料になってました。しかも高い。
1行12文字×5行+2文字の電報みたいな文章に、写真を1枚載せて6000円ですよ!
もう今まででポケにいくら使ったかわかんない!
なんか腹立つ!

これが載るのが22日。当分先です(´д`)
地元のタウン紙なんて見ない人もいますしねえ。

というわけで、「絶対ワタシは何もするもんか」と思っていたんですが、こんなもん作って、家の前に掲示。
A3サイズの良い紙使って、パウチまでしちゃいましたよ。



我が家は団地の外周沿いにあるので、団地内を犬の散歩などで歩く人はたいてい我が家の前を通るんです。
ご近所ネットワーク&犬好きネットワークをあてにしてみたわけです。
さらに、郵便屋さんとか宅配業者さんとかが見て、もしかしたら心覚えがあったりするかもしれませんし。

ということで、これを風にひらひらさせながら家の前に掲げ(みっともないけど)、何事も起こらないまま数日が経ち。
やっぱダメかなあ。

で、今日。
午前中ちょろっと買い物に出かけ、帰ってきたら玄関にメモが挟んであるのを発見。
なんだろー、区費はこないだちゃんと払ったしなーなんて思いながらメモを開きましたら。

おもての貼り紙を見て来ました。
犬の飼い主さんだと思われるお宅を知っています。
私はタナカ
(仮名)と申します。
(携帯番号)です。



おおおおおお!


ついに朗報が!
すぐさまタナカさんに電話をしようと意気込んだじょりぃだったんですが。

ちょっと待て。

どうしよう。何か、詐欺とかだったら。
困ってそうな感じにつけこんで、鍋とか羽毛布団とか売られちゃったらどうしよう。
日頃ワタシの愛らしい姿にハァハァしているご近所の変態な人の罠だったらどうしよう。<ずうずうしいことにマジで考えました(・∀・*)エヘ

と、ちょっと待ってみて、メモの書いてあるチラシの裏を眺めまして。
チラシの表も見てみることにしました。
折込の広告チラシとかでなく、コピー用紙にリソグラフか何かで印刷されているような感じだったので、この人の手元にあったのであろうチラシの内容から、何かこの人の人となりというか情報がつかめるかなーなんて思いまして。

見てみましたら。

図書館だより 第5号

8月のお知らせとかで、全校登校日に図書館を開きます。とか、青春の一冊、なんてタイトルで夏目漱石の「こころ」が紹介されていたり。

こりゃ、ハァハァ路線はなさそうですし、何か健全ですし、たぶん小学生のお子さんがいらっしゃるお母さんかな?と思いまして。
しかもよくよくメモを読んでみれば、字はあまり上手ではありませんが(失礼)、簡潔かつ丁寧にタナカさんのおっしゃりたいこととこちらが知りたいことを伝えてくださっています。
じょりぃ、安心して電話してみました。

ぷるるるる ぷるるるる ぷるるるる ぷ ただいまでんわにでられません

留守電 orz

一応、メモを拝見した旨と、メモをくださったお礼を留守電に残しまして。
その後、もう一度お昼過ぎにかけてみましたが、また留守電。
お仕事なさってる方かもしれませんから、5時過ぎにまた電話をしてみようそうしよう。

仕事をしておりましたら、3時頃に貼り紙の前で立ち止まっている女性ふたりを発見!
も、もしかして、タナカさんが連絡入れてくれて、飼い主さんが訪れてくれたのかな!
じょりぃ、仕事の手を止め、だだだだだだっと玄関へ向かいまして。
奥さん!ここに!あなたのかわいいワンちゃんがいるんですよ!
保護したときより、元気になって毛なみも良くなってますよ!

とお伝えしようとにこにこと庭に出てみましたら、女性たちはもうとことこと先の方へ歩いていっていました。
ひとりはベビーカーを押しながら。

なんだ。
ただの散歩か( ´_ゝ`)
でもやっぱり、貼り紙しておくとみんな見てくれるんだなあ。
体裁悪くてイヤだったけど(ワタシの携帯番号さらしてるし)、やってよかったかも。うん。

そして5時になりまして。
そろそろ電話してみようかな。でももうちょっと待ってみたほうがいいのかな。
お母さんて、夕方は忙しいのかな。でも夜になっちゃったら失礼だしな。
なんて思っておりましたら、家の前にクロネコの軽バンが停まりまして。

まーたきょんが、肌がキレイになるとかなあやしい薬を買ったのかしら、なんて思いつつ見守っておりましたら、ピンポーンと呼び鈴が鳴りまして。
はいはいと出てみましたらクロネコの制服を着た、小柄な女性が。

「あの、メモをさしておいた、タナカなんですが」


タナカさん! ワタシの女神!

「はいはい!どうもありがとうございました!」
「私、メール便を届ける仕事してるんですけどね?
 最近、このワンちゃんがお庭を歩いてるの見かけて、もしかしてーと思っていたんです。
 そしたら今日、貼り紙を見たもので・・・」
「そうでしたか!」<満面の笑みなじょりぃ

で、ここからはタナカさんの話なんですが。
タナカさんのエリアで、ポケに似たワンちゃんを飼っている家があって、推定ポケを見ては「かわいいなー」と思っていたので、印象に残っていたらしく。
そして最近になって我が家の庭をとてとてと歩いているポケを見て「あれ?」と思い。
そういえば、いつもの家で推定ポケを見ていないなー、と思い、メモをさしておいてくださったそうです。

「たぶん間違いないと思うんですけど・・・でも、あの・・・」とタナカさん。
「はい」
「飼ってるの、おじいさんなんですよ」

ポケの様子から見て、たぶん最近の犬の飼い方に疎いお年寄りだろうなあ、とは思っていたので、情報の信憑性が増してうれしいじょりぃ。

「はい」
「で、あの・・・ごはんとか、ちゃんともらえてるのかなこの子って、いつも心配してたんですよね・・・」

むむ。
きょんに聞かせたくないような情報が!

「はあ」
「できればこのまま、こちらで飼ってもらったほうが、なんて思って、実はメモさすの悩んだんです」

悩まないで!

「あはは。でも、おじいさん、すごくかわいがってて心配してらっしゃるかもしれないですしね」とじょりぃ。
「うーーん・・・まあでも一応、場所を説明しますね。地図見た方が早いかな?」

と言って、自分の商売道具のゼンリンの地図(のコピーファイル)を広げてくださいまして。
なるほど。
この家の位置だったら、ポケが発見されたところから考えてもつじつまが合います。
地図を見ながら、タナカさん、丁寧に説明してくれましてね。
さらに「コピー、何枚かあるので、これ差し上げますね」と。
なんてやさしい人なんだ。

「重ね重ねありがとうございます」にこにこにこにこなじょりぃ。
「でも、こちらで飼ってもらったほうがいいなーなんて、私は思っちゃうんですけど(笑)」
「あはははははははははははははは(乾」

めっそうもないこと言わないでくださいタナカさん。
しかも二度も。言霊パワーが怖い。

何度もお礼を申し上げ、タナカさんの車を見送りまして。
明日はきょんが休みだから、一緒にそのおじいさんの家にポケを連れていってあげようっと。
もしかしたら
「何の話じゃ。呪うぞ」
とか、まあ家違いかもしれませんが、あるいは「かわいいポケ、ポケはどこじゃー」なんておじいさんが涙にくれているかもしれませんからね。


・・・・といういきさつを、先ほど仕事から帰ってきたきょんに報告しましてね。
とりあえずまずは、「こちらで飼ってもらったほうが・・・」なくだりは省略して(・∀・)
地図を見ましたらきょん、すぐにわかりまして。なにやらたまに犬の散歩で通るらしく。

「ああ、この家かー。そういえば犬がいたよ。
 ・・・でもシェルティだったかなあ? 二頭飼っているんだろうか」
「まあそれも、明日行ってみればわかるよ!」にこにこにこ。
「・・・でもこの家か・・・なんか・・・心配・・・(´・ω・`)」

げげげ。
そんな、タナカさんもきょんも両者が心配するような心配な家なんだろうか。
じーちゃん、しっかりしてくれ!

「そ、そうなの?」おどおどとワタシ。
「ポケを返したくないような家だったらどうしよう・・・」
「うむ。実はタナカさんもこれこれこういう風に言っていた」白状するじょりぃ。
「・・・じゃあ、うちで飼っちゃう?」おずおず。
「ダメだよそんなの。ポケの家だったらやっぱり返してあげないと」
「だって・・・」
「かわいがりかたは人それぞれだよ。ましてこんな田舎の(特に田舎な場所でした)おじいさんだと、
 昨今の飼育事情なんて知らないだろうしさ。ポケが心の支えかもしれないじゃないか」
「・・・・じゃあそうじゃなくてダメじーさんだったら、このままうちで飼ってもいい?」

「ダメ( ^ ∀ ^ )」


じょりぃ冷たーいって思われるかもしれませんが。
きょん、動物のことに関しては、小学生なみにキリがないんですよ。
どこかで線を引かないといけません。
それに、ちゃんと飼い主さんいるんですし。(まだビンゴかどうかわからないんですが!)

しかし、きょん、すっかり元気がなくなっちゃいましてね。
ポケと離れるのがさびしいのと、心配なのとで、なんだかうるうるしています。
「まあとにかく、明日行くだけ行ってみようよ、ね? 飼い主さん、心配してるかもしれないんだしさ」とワタシ。
きょん、力無く「うん」と言って、犬の世話を始めまして。

しょんぼーーーりしております。
困ったなあ。
きょんの気持ちもわからないではないですが。

でも。
ポケがこんなに誰からも「かわいい」と言われ、かわいがられるということは、もともとの性格もあると思いますが、やっぱりちゃんとかわいがられていたからなのではないかなー、なんて、自分に都合良く考えるじょりぃなんですよ。
それに老犬ですし、自分がいたところに戻ったほうが落ち着くんじゃないかなーとか。
我が家にいても、一日の大半はケージの中でワンワン吠えてますし(該当の家だとすると、敷地内で放し飼いにされていたらしい)(だから逃げちゃったんでしょうけど)、我が家にいるからしあわせって、そりゃあちょっと傲慢かなとも思ったりするわけです。

でもしょんぼりして心配してるきょんもかわいそう。

「まだ、そこんちだってわかったわけじゃないしさ」とワタシ。
「・・・うん」
「もしそこんちだったとしたらさ、まあ会ってみないと人となりはわからないけど、
 せっかくのご縁だし、『犬のことで困ったこととか気になったことがあったらいつでも連絡ください』
 って仲良くなっておくのもいいんじゃない?
 医療費をうちで持つくらいならワタシも全然かまわないし」 貧乏だけど(´д`)
「そうか」 ちょっと元気になるきょん。
「うん。『たまに顔見に寄ってもいいですか?』とかさ。
 うちで飼うという限られた選択でなくても、ポケと関わっていくことは可能なんじゃないかと思うよ」
「偏屈じじいだったらどうしよう」
「そしたらそのときまた考えよう。
 一人暮らしのさびしいじーさんだったら、ワタシたちが様子見に行くのは地域コミュニティにも役に立てるしさ」

死んだときに発見できたりさ(・∀・)

「そうだね。とりあえず、明日行ってみてからだね」
「うん。ごはんもらえてなさそうってのが心配だったら、ポケ返すときに餌もたっぷり置いてきちゃおう」
「それも失礼かなー(笑)
 でも、ポケの分として買っちゃったからーって言って、置いてくれば大丈夫かな?」
「うん」


というわけで。

明日、どうなることやらという感じなんですが。
しかもワタシったらそんなことしてる場合じゃないくらい忙しいんですが。
とりあえず、きょんとふたりでそのおじーーーさんのところへポケを連れていってみます。
メガハッピーな結果になることを祈ってくださるとうれしいじょりぃであります。


2007年09月10日(月) 父と娘 〜グローブと自転車へ捧ぐ〜

ワタシの父は器用です。

絵なんかはささっと描いちゃいますし、楽器もいじっているうちに適当にこなせてしまいます。
お裁縫も得意で、自分の、しかもカスタマイズされた裁縫箱を持っています。単身赴任が多かったからというのもあるんですが。
ワタシが幼い頃の帽子は、ほとんどが彼の手作りでした。

一例。


益子焼に絵付けをしているじょりぃがかぶっている帽子が父の手製です。
やけに刈り上がってますね、ワタシのえりあし。

型紙とかはなくて、持ってる帽子を分解し、作りを理解し、その帽子はまた自分で縫って元通りにし、ちょきちょきと布を裁断して縫い縫いして作る、と。
母は洋裁と編み物が得意でしたので、ワタシの幼少時のお洋服って、両親の手作りが多かったように思います。
しあわせなことですね。

一例。


母が服を作ってくれて、共布で父が帽子を作ってくれたらしいです。
顔出ししちゃってますが、今のワタシと顔が違うので問題ないでしょう。
と思ったんですが、眉毛が今と同じで自分で笑いました。険しい眉山のコドモ。

さらに、もう少し大きくなったじょりぃは仮面ライダーに夢中になりまして。
寝ても覚めても仮面ライダー、特に仮面ライダーV3のときのワタシは、心はV3でござるというくらい夢中だったもんですから。

父がこんなもの作ってくれました。

 V3。

何をどうやって作ったのか不明ですが、よくまあがんばったものです。ありあわせで。
これ、お面でなくて、すっぽりとかぶれるんですよ( ^ ∀ ^ )
首に、たなびくマフラーの代わりにぞんざいなタオルを縛ってるのはどうかと思いますが。
一気に気分は畑仕事。ちょうちん袖の服を着て畑仕事をする仮面ライダーV3。

とまあ、ここまでは父が器用だったために恩恵を受けたという、良い面での話であります。自慢話といってもいいでしょう。
自慢が大好きな父のために、ワタシがかわりに自慢しておきました。よかったね、お父さん。

このへんまでは確かにうれしかったんですよ。
特にV3のときなんかは「うちのおとうさんてせかいいち!」と思ったほどですから。

しかし。
子どもは大人になっていきます。
が、親はなかなか子どもの成長についていくことができません。
その上、うちの親父様はいくらかちょっぴりとんちんかん。
父の「器用・お世話好き」とワタシの受け取りかたに、少しずつ溝ができていくわけです。

小学校の高学年になってきて、図工の課題も難しくなってくると、父がワタシのヘタクソさ加減に業を煮やし始めました。
宿題で持って帰ってやっていると、口を出すだけならまだしも、手も出します。
自分でやるよーと言っても、何かこう、脳にサムシングな生き物が湧いてしまうようで手が勝手に動いちゃうみたいですね。
ワタシもワタシで「親父うぜえ!あっち行け!臭い!」とか言い放てる子どもならばよかったのですが、
「どうしよう・・・お父さんも好意でやってくれてるし・・・」とかもじもじ思って「あっち行け!」と言えないのですわ。
何度かそれをやって、父が母にこっぴどく怒られまして。(そりゃそうだ)

5年生のときの図工で、友達の顔を彫ろう、という彫刻の課題があったのですが。
石の割にはやわらかい、四角いカタマリみたいなものを彫り進めていって、友達の顔を作るんです。
授業だけでは間に合わなかったので、家に持ってかえって、せっせせっせと彫ってました。
我ながらヘタクソだなーと思いましたが、立体造形を掘り進めるという初めての作業が楽しくて、ワタシはいろんな角度から眺めながらせっせと彫っていたわけです。
しかし。その日は父が家におりまして。
やはり何かと口を出してきます。
うるさいなーと思いながらも「うんうん」と右から左へスルーさせ、わたしは隣の席の「さつきちゃん」を彫り上げました。

うん。
上手じゃないけど、さつきちゃんて感じするし。
それにワタシ、初めて人の顔彫ったよ!うれしい!

母はワタシがどんなものを作ってもたいてい「いいのができたねー」と絶賛してくれるので、母に「できたよ!」と見せ、ここがいいのあそこが味があるのと褒めてもらったあとに、お風呂に入って気持ちよく眠ったのであります。

そして翌朝。確か日曜日。
朝起きて、自分が彫った「さつきちゃん」を見に行ってみたら。

顔が変わってました。

ワタシの彫ったそれよりも全体的になめらかになってまして、さらに言えば、横顔のラインが父親好みのそれになってました。
ワタシも相当横顔にこだわりますが、父もすごいんです。
が、ワタシは「さつきちゃん」を彫ったんですから、さつきちゃんの鼻と口のラインにしておったですよ。
ヘタクソですけど。それでもさつきちゃんだったわけですよ。
それが、朝起きてみたら、父の理想とするジェームス・ディーンの横顔に変化。

ここでショックを受けるべきなのでしょうが、ワタシの感想は「またか( ´_ゝ`)」というものでした。
あーあ、明日学校持ってって、また「じょりぃちゃん上手ー!」「すごーい!」とか言われてるときに、へらへらと俯いてなきゃならないのかー・・・と、そんなことを考えておりました。

でも、一応母に言いつけにいきました。

「おかあさん、さつきちゃん、お父さんにいじられちゃった」

母に言いつけた時点で、悲しくなってちょっとじわっと来たのですが。
そしてちょっと腹も立ったのですが。

その後の母の父に対する怒りっぷりで、自分の悲しみや怒りはどこかへすっとんでしまいました。
それくらい、母、父を怒る怒る怒る怒る。

「どうしてそういうことするの!?」と母。もっといろいろ言ってましたが、ワタシ、あわあわしちゃってたのでよく覚えてません。
「・・・だって、良くなっただろ?・・・」
「そういう問題じゃないでしょ!じょりぃのものなんだから、じょりぃの好きにさせてやってよもう!
 それに、じょりぃの作ったさつきちゃんの方が全然よかったよ!」

父、しょんぼーーーーーり。

ワタシは両親が自分のせいでケンカしているというのが怖くてですね。
なぜか父の肩をもってやったりしちゃって。おたおたおた。

このときの母の怒りっぷりはホントにすごくて、父もそれ以降、ワタシの宿題にちょっかいを出さなくなりました。
ワタシがいなくなってからも、たぶん母にくどくどやられたんだと思います。
そしてワタシは父の彫ったさつきちゃん じゃなくてジェームス・ディーンにさらに手を加え、ヘタクソに見えるように努力。
が、もちろん最初よりも厚みがなくなっちゃいましたし、鼻とか少し欠けちゃったりして、この時点でえらく悲しくなりました。

でも、この時点では「お父さん大嫌い!」とかは思わなかったんですわ。
お父さんはすごくて、ワタシはダメだから、まあしょうがないか、という気持ちもあり。

が、しかし。
中学1年のときに、じょりぃがぶち切れる事件が起こったのであります。

ワタシは小2の頃からソフトボールやってましてね。
初めて買ってもらったグローブが青くて子供用のもので、それがもう嬉しくて嬉しくて、毎晩一緒に寝ておりました。
父にグローブの手入れも教えてもらって、オイルもマメに塗り、いつもぴかぴかなワタシのグローブ。
しかし、だんだんグローブが小さくなってしまうわけです。ワタシが大きくなるので。
で、とりあえずお父さんのグローブ使う?と父がくれたそのグローブがいたく気に入りまして。
当時ワタシは王選手のファンだったんですが、長嶋が次々と新しいグローブを使うのに比べて、王は修理手入れしながら、古いグローブを使い続けている、なんてエピソードがあったもんで、その影響もあってお下がり具合が気に入ってました。
新しいの買うよと言ってもらえたんですが、ワタシの心は王貞治だったので、辞退。
渋い小学生です。
中学に入ってからもそれをそのまま使い、毎日手入れして、古くてもピカピカに光るカッコイイグローブを持って学校に通っていたんです。
毎晩その日の汚れを落とし、オイルを塗って、乾拭きしてピカピカにして、ボールを入れてヒモで巻き巻きして形を整えて寝る。
そのようにかわいがっていたワタシのグローブには、ボールが吸い込まれるように入ってきたのですよ実際に。

しかし、中間テストがあったときに、いつものようにグローブの手入れができない日が続いたのです。
部活も休みだし、まあいいか、と思い、ワタシは勉強と試験に専念しておりました。
そしてテスト明け、今日から部活だーという朝、いつものようにグローブを取り出しましたら。


そこには、血のように赤く変色したグローブが。


理解、できない。 なんだ、この色は。
しかもグローブ、かちかちに固くなってしまっている。
ワタシのかわいいグローブ。
あのやわらかくてまるでワタシのお手手のようだった素敵なグローブが。

しばし玄関に固まっておりましたら、母が「まだ行かないの?」とやってきまして。
やはり、グローブを見て絶句。

「・・・・お父さんかな・・・」と、手にしたグローブを見ながら、つぶやくようにワタシ。
「・・・他にいないから・・・そういうことする人・・・」と母。
「ひどいよこれ。何この色。それに、グローブ、かちかちに固くなっちゃってるよ」
「・・・そういえば、昨夜、茶色のマッキー持って嬉しそうにしてた・・・」


茶 色 の マ ッ キ ー ? 


ここで、うわーんうわーんと大泣きするワタシ。
母もびっくりですよ。
今まで父のどんな非業(大袈裟です)にも「まあいいか( ´_ゝ`)」的な態度でいたワタシが、このときばかりは大泣き。
しゃくりあげて苦しいほど泣いておりますよ。

もうこのグローブ使えないよ、色もひどいし(古い皮に茶マッキー塗ると赤くなるんですね!)、固くてボール取れないよ!
大事に使ってたのに!いいグローブだったのに!
それをマッキーなんてもんで塗っちゃうなんて、うわーーーーーーんてなもんです。

母が「新しいの買ってあげるからー」となだめますが、新しいの欲しくて泣いてるわけではありません。
母もわかっているんですが、それ以外言葉のかけようもないですしねえ。

「新しいのなんていらない。このグローブがよかった」と無理を言って泣き続けるワタシ。

ワタシ、毎朝自主練していたもので、朝の時間に余裕があったんです。
なもんで、えぐっえぐっと泣きながらグローブにクリーナーかけてみたりしたんですが、もちろん全然ダメですよ。
さらに、黒のマッキー(中太)で、ローマ字筆記体でワタシの名前がでかでかと書いてあるのも発見して、また泣きました。
ああ、思い出して書いてたらまた泣けてきました。それくらい悲しかったんです。
かわいがっていたペットが死んじゃったくらい悲しかったんです。

「今日、どっちにしろ部活できないだろうから、部活休んでまっすぐ帰ってくれば?
 一緒に新しいグローブ買いに行こ?」 と、母。
どこんちよりも厳しかった母がこんなにやさしいのもめずらしかったので、素直に言うことを聞くことにしまして。
その日のうちに市内のスポーツ店をハシゴして、新しいグローブを買ってもらいました。
その晩、ワタシが喜ぶと思って帰宅し、にこにこにやにやと登場した父は母に怒られ、ワタシからは涙の攻撃を受け(ええ、また泣いたんです。泣いて責め立てました)、もうホントにしょんぼり。

しょんぼりしたものの、まあ、この後もこの手の騒ぎは続きましてね。
もうホントこの親父どうにかしてよ!サイテー!とか、年頃らしくワタシも思うようになりまして。

そして中3の冬。
このころ父は単身赴任で家におりませんでした。
そしてワタシは、自分の自転車ってかっこわるーいと思うようになっていました。
シャレっ気の全然なかった中学入学当時に、母親が適当に選んだキング・オブ・ママチャリで自転車通学していたんですが。
ふとまわりを見回してみれば、ナナとか、当時仲良かった友だちとか、みんなイマドキな自転車に乗っています。

でも。
自転車買ってって言っても、どうせもうすぐ高校生になるからそのときね、って言われるに決まってます。
でもこの自転車じゃイヤー。
せめて、色だけでも今っぽくしたい。・・・そうねえ、赤とかさ!

あ。

自分で塗っちゃえばいいんだ!(・∀・)+*+*キラキラキラ

と本気で発想するあたり、とーちゃんの血を色濃く継いでしまったじょりぃなんですが。

しかもですよ。
マスキングしてスプレー塗料とかで、とか、そんな知恵全然ないですから。
ワタシがチョイスした塗り材は、なんとポスカ(中字)赤でございました。





これを、少ないおこづかいから5本買いましてね。
5本あれば余裕で自転車一台塗れるだろうと思ったんですよ。
で、自転車をきれいに洗ってから、寒い冬空の下、15歳のじょりぃはにこやかに塗り始めました。
作業が終わる頃には、真っ赤でちょっと今っぽくなった自転車に生まれ変わるんだくすくすくす。
明日、ナナとかビックリするだろうなくすくすくすくす。ぬり ぬり ぬり ぬり。

ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬり ぬ

いつまでたっても、ハンドルとサドルをつないでいるフレーム1本が塗り終わりません。
おかしいな。こんなはずでは。
しかも、何か、ムラがひどいです。
今考えてみればあたりまえなんですが。
ポスカで自転車が塗れるはずぁーないんです。水性ですし。
でも、自分の中で、たとえ油性でもマッキーだけは不可というトラウマ的な思いこみがあって、ポスカにしたんですよ。
マットな仕上がりになりそうだしーとか思って。
しかし、塗れない。ムラになる。しかもいつになっても終わりゃしねえよ。

だいぶ日が傾いてしまっても、フレーム1本と、その下のフレームの途中までしか塗れてません。
しかもポスカは既に2本使っちゃってます。

こりゃ無理だ。 と悟ったじょりぃ。
キレイに仕上がるのでしたら時間が数日かかってもやり遂げようと思いますが、自分の行いがどれほど愚かなことなのかは、塗り終わった部分ががなにやらムラムラしていることでよくわかります。
ムラムラするフレーム。欲情するフレーム。情熱の赤。とか思ってる場合ではないんですよ。
明日このまま学校行ったら、ナナに笑われちゃう!

慌てたワタシは、頭フル回転で考えました。
水性って書いてあるし、水で洗えば落ちるかな・・。 ごしごしごしごし。

落ちない上にさらに汚く。

あわあわあわあわあわ。
これはもう、上から何か塗ってもダメだ。ぼこぼこしちゃってるし。どうしようどうしようどうし

はっ。

確かお父さんが、「この色飽きたな」って言って、丸い棒状の何か(何だったか忘れました。当時は覚えていたんですが)を改造していたな!
そうだ、あのときは確か、あれを巻いていた!


 ビニールテープ。

あれだけ嫌がっていたのに、参考にするのが父のおかしな習性しかないというのが泣かせますが、このときはナイスアイデア!と思いまして。
ポスカで汚くなった自転車にまたがり、速攻でビニールテープを大量に購入。
こづかい、なくなりました。

そして、自転車にまきまきまきまきまきまきまきまき。
大変ですが、ポスカよりも全然効率がいいです。
一心不乱にまきまきして、ワタシの赤い自転車ができあがりましたよ!

うん!いい出来……なのかな。
まあほら、赤くなったし。
きっと今までよりカッコイイはず。

と思い、夕飯の支度をしていた母を庭に引っぱり出しまして。
見て見て!自転車、赤くしたんだよ!


母、絶句。
したあと、

「・・・これ、ビニールテープ?」と。
「うん。ポスカで塗ってみたら、うまくいかなくて。えへへ」<照れてます
「・・・お父さんの子ねえ・・・」

あら、ほめてくれなかった。おかしいなあ。
妹は露骨にイヤな顔をしておりました。

翌日、ワタシはちょっぴり得意な気持ちで、赤くなった自転車乗って学校に行きまして。(自転車通学だったんです)
駐輪場で友達に会ったので挨拶しましたら、自転車見て大笑いされまして。

え! もしかして、恥ずかしいのかなこれ!
と、ここにきて慌てるじょりぃ。

帰りにナナにも見せましたら、やはり大笑いされましてね。指さして。

「変かなあ?(*・ω・`)」とワタシが言いましたら
「だってさ、ビニールテープでしょー?」とナナ。

「それにこれ、赤く見えないよ。どっちかって言うと、茶色?」と。

父が茶マッキーでグローブを塗ったときと逆の現象が。
これはいったいなんの呪いでしょう。

帰りは自転車に乗っているのがもう恥ずかしくて恥ずかしくてですね。
朝の意気揚々としたワタシはどこへ。
家に帰って速攻で、今度はビニールテープをはがす作業ですよ。
手指をべとべとにさせながら、ああ、お父さんがいてくれればもう少しマトモに赤くできたかもしれないのになんて思ったりして。
父に頼んだところで似たような結果だったろうなと今となっては思いますが。

はがし終わっても、自転車はべとべとで、乗れたもんではありませんでした。
がっくりと首をうなだれ、お母さんに怒られるーと思いながら事の次第を報告しましたら、案外あっさりと

「じゃ、自分の好きな自転車買ってきなさい。この予算内でね」

と、お金をくれました。

ここでいつもなら妹が「おねえちゃんだけずるーい」と文句を言うのですが、このときは妹も何も言わず。
おかしい。
母はすんなりお金をくれ、妹は文句を言わないなんて。

よっぽどワタシの行動と、いじられた結果の自転車が不憫だったんだと思います、ふたりとも。


そして、このあともワタシはこの手の失敗を何度も何度もやらかして今に至ってもやらかしているわけです。
ワタシが
「なら塗っちゃおうか」
と言ったりすると、きょんもなっちゃんも「やめて」と即答します。「出たよー」とか。 失礼な。

カエルの子はカエル。
と言いたいところですが、父のとんちんかんなところだけ似て、何でもできる器用なところは(以下悲しいので略


2007年09月05日(水) ミッション・インポッシブル・後編

さて、前回の続きでございますよ。

わんわんと声は聞こえるものの姿は見えない、ほんにあなたは屁のような、という古い冗談が頭をよぎるような状態でポケの姿を探したワタシでありますが。
そして前回「とんでもないところ」にいたと気を持たせるようなこと書いて終わりにしたわけですが。
どんなとんでもないところだったかと言いますと。

物置の裏でした。


「なーんだ、そんなところかよ」とかためいきつきながらバカにするのは待ってください!
いっそ「屋根の上にいました!」とかだとセンセーショナルでネタとしては非常に有効なんですが、しかし屋根のほうがどんだけ助けやすいことか。
登って抱いて降ろせばいいんですから。
女に一服盛って抱いて朝になったら何事もなかった顔して帰す、というくらい簡単です。
やったことありませんが。

とはいえ、物置の裏と言われたところでわからないと思いますので、図で説明させていただきます。

ポケのいたところ図解。

 


ありえないから。

よくこんなところ入れたなーと一瞬感心しますが、さてどうやって助けようかと。
物置は2メートルくらいの高さがあります。
ポケのいるところは、とても人間が入っていけるところではありません。
ましてや夜です。暗くて様子もよくわかりません。

ポケのはまった場所を、翌日写真に撮ってみたので、こちらもご覧ください。

 

手前にぼうぼうと伸びているのが、イラガだのドクガだのをいつも養殖しているらしい、裏の家の垣根です。
なんかもう、近寄りたくない危険エリアでございますよ。
でもこの写真だと、狭さがわかりづらいですね。
がんばれば人間入れるんじゃないのー?きょんは細いんだろうよー?とか思われそうなので、こちらも。

 

小さいと評判のワタシの手を、大きさ対比のタバコ代わりに置いてみました。
15センチあるかないかの幅でございますよ。
きょんの薄い体に、ワタシの頭をすげかえることができれば、あるいは横向きに進んでいくことはかろうじてできるかもしれません。
しかしそれでも進むことしかできません。身動きもできないでしょう。
それではポケと一緒です。助けなきゃならないのに、ミイラとりがミイラになってしまいます。

ポケちゃんはこの狭いところに、あっちからもこっちからも到底届かない位置にはまり、わんわん!助けてよう!と吠えまくっていたのでした。

きょんが「ポケちゃん、いたー?」とのんきにやってきたので、
「いたことはいたけど・・・事態は深刻かも」と案内しましたら、きょん、絶句。

「・・・ど、どうしよう・・・」と。

とりあえず懐中電灯を取ってまいりまして。
照らしてみましょう。 おお、はまっとるはまっとる。あはははは。って笑い事じゃないんですよ。
しかも、ポケにもかなり狭い空間だったらしく、ビミョウに宙に浮いてるようにも見えます。
はまっているというより、挟まっているといった感じです。

懐中電灯で照らしながら、きょんは「ポケちゃん、なんとかこっちに後ずさりしておくれー。助けに行けないよー」とポケに話しかけています。
ワタシはといえば、状況を正しく把握したくてですね。
まず、何をどうしたら良いのかきちんと考えなければいけません。

ということで、まずしなければならないことを始めてみるじょりぃ。
何をしたかと言いますと、バイクのキーを取りに行きました。

なんでバイク?と思いましょうが、ワタシ、明るい照明が欲しかったんですよ。
バイクのエンジンかけてライトをつけ、ポケちゃんのいるところを照らしだしてまずは解決策を練ろうと思ったのです。
とにかく現場を知りたかった。
写真は昼間撮ったので状況は一目瞭然ですが、このときは曇り夜空で真っ暗だったんですよ。

ということで、バイクの簡易ガレージを開けましたら、きょんが思いっきり怪訝そうな顔で

「あなた、何がしたいの?」と。

「照明が欲しいなと思って。バイクのエンジンかけるの」 ナイスアイデアに自信たっぷりで答えるじょりぃ。
「・・・・・・」

きょん。 なぜ無言なんだ。

しかしですよ!
この緊急時に、一昨日まではかかっていたバイクのエンジンがかかりゃーしませんよ!
ウンともスンとも言いません。
あのオヤジ、手抜き修理しやがったな!明日速攻で怒りのアフガン電話ですよ!

「・・・バイクのエンジンがかからない・・・(´;ω;)」としょんぼりするじょりぃ。

が、悠長にしょんぼりしている場合ではありません。
ポケちゃんは、いつもより悲壮感をもってわんわんと吠えています。なんとかせねば。
ということで、物置の前に停めてあった、修理工場から借りている代車のエンジンをかけ、ライトをつけまして。
ピンポイントでは照らせませんが、ないよりはいいんじゃないk

「ちょっと!なんで車のライトつけるの?!」 ときょん。
「え? 明るいほうがよくない?」
「関係ないところばっかり明るくて、かえってポケちゃんのところが暗くなって見えないよ」

(´・ω・`) じょりぃはよかれとおもって・・・

しかし怒られたので、ライトをスモールに変えました。
ああ、これくらいだとちょうどいいかもです。
どうせピンポイントで照らせないなら、確かにまわりが明るいと暗いところがなおさら暗くなります。
が、スモールライトのおかげで、自分たちまわりの明かりは、いくらか確保できました。

ああよかった( ^ ∀ ^ )さて、家に入るか!

って、まだ全然何も解決してないんですよ!
とにかく人間はもうあたふたしまくりましてね。
助けようにも手が届かない。
ポケは前進しかできない。しかし前進されたところで人間の足場がない。
しかも今現在、はまってるか挟まっているかして、ポケは動きが取れない。
そしていつもより悲壮感をたたえた大きな声で吠えまくりです。
時間は夜の11時近く。近所迷惑もはなはだしいです。

しかしとりあえず、後ろにさがることはできないんですから、前に進めさせる方法を考えねばなりません。
そこから先のことはその場でまた考えるしかありません。たぶん。
たいてい、手でちょっと押してやればすぐに前に進むポケですが、物置の端からポケのところまでけっこうな距離があります。
ベランダから物干し竿でも持ってこなければ届かなそうですが、その作業を考えただけで、悠長なじょりぃでも
「なんか時間の無駄」と思います。

は!(・∀・)

じょりぃ、そういえば良い買い物をしていたではありませんか。
「ばさばさ」・・・世間ではコウモリと言われているあいつを捕獲するために買ったあの網。
買った途端にコウモリなんて出なくなった、あの役立たずな網。

 じゃーん。

これ、もともと釣り用具なので、柄の長さが変えられて結構な長さになるんです。
それを玄関からいそいそと持ち出しまして。

魚捕りの網を手にたったかと走ってくるじょりぃを迎えるきょんの目が、これまた冷ややか。
まあ、ゴキ退治のときのことなんかを思うと「今度はいったい何・・・?」と警戒する気持ちもわからないではないですが。

柄を目一杯長くしましたら、なんとかポケの尻に届きまして。
網がクッションになるので、そのままちょっと強めにぐいぐいと押しまして。
そうしたら、地面に足がついたのか、かろうじて少しずつ前進するポケ。
がんばれポケ。進むのだ。
ぐぐう、腕が。腕と首が攣るーーー。
毛虫とかクモとか、ワタシにたかるなーーー。
そういえばここはゲジゲジ地帯&ナメクジ地帯でもありんす。
と、突然花魁言葉になるほど恐怖を感じますが、今はそういうことを考えてはいけません。
後で自分にたかっていたら悲鳴をあげて踊りまくろうそうしよう。

が、柄も腕も限界です。
ポケ、なんとか物置の端っこちょっと手前くらいまで進めました。
進んだはいいですが。

これからどうしよう(°▽°)

唯一考えられるのが、お隣さんか「斜め裏んち」に入って、そこから何とかポケを抱え上げ救出、というシナリオですが。
斜め裏んちは該当する角に物置がででーーんと置いてあったので、足場がありませんでした。

そうなるとお隣さんから救出、となるわけですが。
これもできれば遠慮したい。
って、ああもう、ポケの吠え声がうるさくて思考がまとまりませんたら!しかし考えねば。

お隣さんとはマメに挨拶は交わしておりますが、何しろここんち、よく廃墟と間違われるほどに雑草が無法地帯。
地雷があからさまに置いてあったとしても誰も気づかないほどの無法地帯。
できれば入りたくない。きょんにも入らせたくない。
しかし、ポケ救出には、もはやこのルートしかありません。
チョモランマ目指して命をかけてルートを模索する登山隊のような気持ちですが、そろそろ決心しなければ。

というわけで、じょりぃ、柵に腰掛けながらポケちゃんのところに移動してみることに。(どうしてもお隣の無法地帯に入るのはイヤだったんです)
用心深いじょりぃは、これから自分が進んでいく柵の様子を知ろうと、柵を懐中電灯で照らしてみました。らば。

子コオロギの群が! ぴょんぴょんと!
なんでこんな高い位置で遊んでるんだねキミたちは!
コドモは親の目の届くところで遊べ!
てか、親コオロギもたくさんいるってことだろうか・・・(もちろんいます)

確認してよかった。
あやうく子コオロギたちをぶちゅぶちゅと我が尻で潰しまくるところでした。
かわいそうとかでなくて、おそろしい。内蔵怖い(´Д⊂)

そしてじょりぃは、またもや家の中に走ります。
軍手とゴム手袋が一体になっているような、大変重宝する手袋を持ってまいりまして。
手袋をして、さっさっ、とコオロギを追い払い。
絡まるツタをむしりまくり。
ひょこひょこと進み始めました。
腰から上が柵の上に出てしまえば、狭いとはいえ柵に腰掛けながら何とか進んでいけます。ひょこ。ひょこ。ひょこ。

と、悠長に進んでおりましたら、きょん、「あたしが行く」と低くつぶやいたあと、柵を乗り越えてお隣さんの無法地帯へ着地。
ええええええええ!? キミ、勇気あるな!

「いいよ!きょん! そっち行くならワタシが行くから!」

今回は本気で言いました。
だってマジで、どんな危険な虫がいるかわからないんですよ無法地帯。
しかし、いつの間にやら長袖を着込み着替えまで済ませていたきょん、「大丈夫」と進んでいきます。
ていうか、「大丈夫」とかカッコつけてますが、不法侵入です。

「じょりぃじゃたぶん、抱き上げ方がわからないと思う。それに腕の長さも足りないし」と。

まあ確かに、ワタシも「届かなそう…」とは思ってましたが。

きょん、「うわぁぁぁぁぁぁ」と小さく叫びながら、柵の隅に到着。
チョモランマ登頂チームは、こんな配置になりました。



ちなみにこんな場所です。



この写真だと、きょんが立ったところが既に踏みしめられ、イマイチ恐怖感が欠けるので、違うアングルからの写真もご紹介しておきます。

 無法地帯。

ここをかき分け、踏みしめて進んだきょん。
眠り姫を助けるためにイバラを掻き分けて城へ進んだ王子様よりも勇敢です。

で、何をどうしよう、ってもう考えても無駄ということがわかってきたので、早速作業に取りかかります。
とりあえず、きょんがポケちゃんの前足付け根あたりに手を伸ばし、なんとかかろうじてつかまえまして。
「もっとこっち来てごらん。がんばってー」と声をかけつつ(ポケは耳聞こえないっつーのに)、ずりずりと手前に引き寄せまして。
しかし、持ち上がりません。
ポケの体重がある上に、軽くはまってます。
さらに、きょんは腕も腰も伸ばしきった上での中腰というつらい姿勢。
そこでワタシも手を出しますが、ワタシの姿勢もつらい。でもなんとかポケの足に手が届いたんですが

「前足は持たないで! 足が折れちゃうから! 体を持って!」 と、きょんから大声で注意が。

ていうか、ここから先の会話は、すべて大声で読んでください。
必死だったもんで、怒鳴り合うようにお互い会話してました。
そして何がなにやらわからぬうちに、反射神経だけでコトは進んでいきます。
そして暗くて何も見えないものですから、ワタシは自分の行動を逐一きょん現場監督に報告。
ホントに、持ち方によっては、簡単に骨が折れちゃうこともあるそうで。
しかもポケは老犬ですよ。骨粗鬆症かもしれません。冗談ですが。いやどうだろう。

じょ「足と足の間に手が入った!持ち上げる?持ち上げる?」
きょ「待って待って待って! あたしがまだ無理!」
じょ「ポケの下にワタシの足入れた!」 

下から持ち上げようと思ったんです。なかなか良いあんばいだったんですが、きょんは何か違う意味に取ったらしく

きょ「足抜いて!」
じょ「え?」
きょ「足抜いて!」
じょ「はい!」

抜いたら、ちょっと持ち上がっていたポケががくんと下に。

きょ「まずいまずい!どうしよう!うぉおおおおおお!」<持ち上げているらしい
じょ「(無言でもう一度足を入れる)」
きょ「あー!持ち上がってきたけど、こっから先どうにもできんーー!」
じょ「頭!頭!ポケの頭が柵の角にはまっちゃってて動けなくなってるって!」
きょ「わかってるから!ちょっと待って!」
じょ「頭はまってるってば!つかえてるよ!これ痛いんじゃないの?!」
きょ「わかってるってば!動かせないの!」

この時点で、ふたりともありえないような無理な体勢でございますよ。
ポケは体の前半分は浮いているものの、後ろ半分はずりずりと落ちていってます。

じょ「落ちてる落ちてる!」
きょ「わかってるけどどうにもできない!」

ここで、もう片方の足をポケのお尻にすべりこませ、腹筋で持ち上げるアスリートじょりぃ。

じょ「ぬぉおおおおおおお」
きょ「もう少し後ろに引いて!頭出すから!」
じょ「どうにもできんーーーーー!」
きょ「うがああああああ」
じょ「ぬぉおおおおおおおおお」

じょ「ワタシの手、入るよ!前足脇の下に入った!」

何かワタシ、柵の上で前屈して、とんでもない姿勢になっております。
もうこうなってくると、コオロギとかゲジとかイラガとか、どうでもよくなってきます。
ポケ救出終了まで、自分の体力筋力が持つかどうか、思うのはそのことだけです。

きょ「うがああああああ」
じょ「ぬぉおおおおおおおおお」

ふたりがかりで抱え上げ、きょんが最終的にポケちゃんを抱っこ。

物置の手前で、きょんからポケちゃんを受け取りまして。

はふーーーーーー。
ミッション完了。

ていうか

「今回、かなりミッション・インポッシブルだったよねえ」とワタシ。
「うん。あたしも無理かと思った」
「しかし、なぜ今日に限ってこんなところに入っちゃったのだ?今までこんなことなかったのに」
「今朝までは入れなかったのよ」
「なんで?」
「物置の裏のところ、草が繁っていたから」

あ!

そういえば、我が家の庭の惨状を見かねたワタシの両親が、3日がかりで草むしりやら庭木の剪定やらをしていってくれていたのでした。
この日が最終日で、「裏までバッチリきれいになったよ!」と、得意そうにほほえんでいた両親。

それが仇になったか。

「きょん、またもや勇敢だったねえ」と、きょんを褒め称えつつ、きょんに毛虫とかたかっていないか何気なくチェックしておりましたら

「どうしたのー?大丈夫ー?」と、背後からやさしげな女性の声が。

声の方向を振り向きましたら、そこには20年前に死んだおばあちゃんの霊が。
というのはウソで、図にあるのと反対側の斜め裏んちの奥さんが、夫様と3歳になる娘さんを伴って、えらく心配そうな顔で自分ちの庭から声をかけてくださっていました。

ぬおおおおおおおとかぐおおおおおとか頭頭!とかどうしよう!とか、もうものすごい騒ぎになってしまっていたので、何事かと様子を見に来てくださったようです。ありがたいですね( ^ ∀ ^ )
てか、警察に通報されなくてよかった。(マジで)

このご夫婦、いつもやさしげで大変感じがよろしくてですね。
唯一気さくにおしゃべりできるご近所なんですが。

ことの次第を説明して、ポケが吠え続けていたことと、人間様の大騒ぎのお詫びを申し上げまして。

「それはいいんだけどさー。ねえ、この犬、飼ってるの?」と奥さん。
「いえ、これこれこういうわけで・・・」
「そうなんだー。じゃあ飼い主さん探さなくちゃねー。
 ねえこの子さ、すごーーーくかわいい顔してるよねー。いつも思ってたのー」

かわいいってさ、ポケ。

 えへ。

なーんておしゃべりしているワタシたちの脇を、ポケちゃんは何事もなかったかのように、またとてとてとてとてと、うっすらほほえんだような顔で歩いていきます。
この様子だとケガもないようです。

人間様は、腕や胸に幾多のひっかき傷ができましたが( ´_ゝ`)
しかしポケがおとなしい犬でよかったですよ。
これがシロちゃんなら人間ふたりとも、パニックになった彼に噛み殺されていたかもしれません。

まあそんなわけで、終わってしまえばなんてことなかったんですが。
ホントにどうしようかとあわてまくったんですが。
不可能かと思われたミッション、無事に完了いたしました。
チョモランマ登頂成功です。ってもう何の話かわかりませんが。





余談。

バイクのエンジンがウンともスンとも言わなかったのは。

ワタシが「ポケが大変!」と焦りまくっていたせいで、ハンドル握ったはずみにキルスイッチをオンにしてしまったからなのでした・・・初心者かワタシは。初心者だけど。

キルスイッチというのは、非常時のためについている、エンジン停止ボタンです。
これがオンになっていると、もちろんエンジンかけてもウンともスンとも言いません。


2007年09月04日(火) ミッション・インポッシブル・前編

我が家に居候中の、きょんが保護した迷い犬・ポケちゃん。

 ぽけーーーーー。にこーーーーー。

保護したときは死にそうなくらいに弱っていたので、
「死ぬときにひとりぼっちでなくてよかったねえ」
くらいな感じにたかをくくっていたのですが、めきめき元気になりましてね!迷惑ですよ!

とか言いつつ、このポケちゃん、かわいいんですよねえ。

きょんの見立てによると、かなりの老犬で、しかもボケているらしいんですが

「ボケてる犬って、すごくやさしくてかわいい顔になることが多いんだよー」

という、きょんの言葉を裏付けるように、ホントに邪気のない、かわいらしい顔をしております。
それはもう、幼少時のじょりぃに匹敵するほど邪気のないかわいらしい顔です。
と、無理して自分を持ち上げてみましたが、よく考えてみると「ワタシ、幼少時からボケてました!」と申告しているようなものです。失敗。

特別なついてくれたりはしないんですが、抵抗も皆無。
とてとてとてと庭を歩き続けます。
たまに人間に寄ってきたりしますが、人間を人間と認識しているのかどうかもアヤシイ感じです。
ひたすらとてとて。
放っておけば、死ぬまで歩いていると思います。大袈裟でないんですよこれ。
や、死ぬまでは大袈裟かもですが、電池が切れてパタリと眠ってしまうまで歩き続けることでしょう。
庭に出しているあいだは、何時間でも歩いているんです。
ぼーちゃんやシロちゃんなんかは、一通り用事を済ませたり好奇心を満足させた後は、木陰でくつろいだり、灼熱のコンクリートの上で温石したりしてゆったり過ごすんですが、ポケちゃんは、本当にずーーーーーーーーーーーーっと歩き続けます。

そして、どこかにつかえると、そのまま動けなくなります。たとえば、庭の四隅とか。バーベキューテーブルとか。植木とか。
頭がとん、とつかえると、そのままもう身動きできず。
「進む」という観念しかないんです、ポケちゃん。「戻る」ができない。
そうなるとどうするかというと、ひたすら吠えます。たぶん「動けないよー」と訴えているんではないかと。
吠える頭があるならうしろにちょっと下がりやがれおまえはボケてんのか!と罵倒したくなりますが、実際ボケているので罵倒の意味なし。

で、また、この「吠える」についても、希望が叶えられるまで、いつまででも吠えてます。
吠え疲れて眠くなるまで吠えてます。
きょん曰く「ボケてて、限界を感じるはずの何かが壊れてるみたいね。歩けばいつまででも歩くし、吠えればいつまででも吠えてる」と。
「たぶん、餌を与え続ければ、いつまででも食べてると思う」だそうです。

「吠え」については、家の中に入れていても「吠えよう」と思いつくと、やはりいつまででも吠えてます。
一日に3〜4回、1回につき3時間くらい吠え続けます。
ええ、夜中だろうが明け方だろうが。
どこで吠えているかというと、きょんの部屋です。
全力で吠えます。吠え続けます。うるさいです。かないません。

しかし、きょんはその部屋でぐうぐう寝てます。立派。尊敬。無神経。
それでもいつもよりは眠りが浅いみたいで、気の毒ですが。

そして、吠えてなくて歩いていないときは、ひたすら寝ています。
ぴくりとも動かず寝ています。そんなに心頭滅却して寝ちゃってていいのかっつーくらいよく寝てます。
死んじゃえばいいのにとかいつも言ってる割には、たまに様子を見に行ってはその精魂込めた眠りっぷりに驚き、「こ、呼吸してるよね!」とあたふたして腹に手をやり呼吸や心拍を確認してホッとしたりしている、本当に思考と行動に無駄の多いじょりぃなんですが。

とまあ、困った居候犬なんですが、ポケちゃんから発せられる、ボケ犬特有の、「濁りのないやわらかくまっすぐなかわいらしさ」というのは、ワタシ、初めてご対面するものな気がして、非常に興味深かったりします。
ぼけるのも悪くないなーなんて思ったり。人間と犬のそれはまた違いますが。

そのようにかわいらしいので、ワタシなんかも「早く飼い主の元に帰れ!」「きょんのいないうちに勝手に河原にでも捨ててきてしまおう」「今晩のおかずにしてしまおう」とか思いつつ口に出しつつも、ポケちゃんがとてとてと歩いているとなにやらかわいくて、つい「ポケポケ」と目を細めて名前を呼んでみたり、頭をなでてやったり、おいしいものをあげちゃったりして。
そうするときょんが

「やさしいねー、じょりぃ(はぁと」

なんつって、じょりぃの株が上がっちゃうもんで、そんな、動物をかわいがるなんていう甘ったるいことで株が上がってもちっとも嬉しくないワタシとしては、「やさしいねー」と言われるたびに「ポケいつまで生きてるんだボケ」とか「早くどっか行けこのごくつぶし」とか慌てて暴言を吐いて汚名挽回に努めるんですが、きょんもワタシのそういう愛らしさに慣れてしまっているのか、これらの暴言にはまったくの無反応。
かつてのようにデカい犬の皿(ステンレス)(水入り)を投げつけて怒る!みたいなパッショネイトな反応をしてもらえなくなってしまったのはさびしいものです。
ウソですが。もう投げるなあんなもん。

ポケちゃんの説明が長くなってしまいましたが。
そんなわけで、なるべく疲れさせて、人間の睡眠時間はポケにも寝ていてほしい(赤ちゃんみたいですね)、という願いから、夜はきょんが寝る直前まで庭をとてとてと歩かせております。
どこかにつかえると吠えるので、人間は割と忙しいです。
近所迷惑になってしまうので、吠え始めたら、すわ!とばかりに方向転換を手伝いに行かねばならないんですわ(´д`)
で、一昨日、きょんとワタシは夕食をちょっと遠出して(片道40分くらいですが)食べに出かけたんですが、ポケちゃんを疲れさせたいがために、庭にポケを放したまま出かけていったんです。
つかえて吠えたとしても、まだこの時間ならご近所様も大目に見てくれるかなあ、なんて甘えた気持ちとともに。

道のりを往復し、おいしく食事をいただき、家に戻ってきたワタシたちを待っていたのは、ポケの「吠え声のみ」でした。
ええ、姿が見えなかったんです、ポケ。
先に車から降りたワタシは、とにかくポケを動けるようにして吠えるのをやめさせなければー、ちょっとのんびりしすぎて時間も遅くなっちゃったしーと、焦りながら声のする方に探しに行きましたが、やっぱりいない。

と思ったら。

とんでもないところにおったですよ。

というところで、ポケの説明だけで長くなってしまったので
つづく


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