桃色に染まる
空
見上げて
抱きしめたのは
明日の純粋
一歩先の深呼吸
それは
春雨に濡れて霞む
鼓膜の奥で
あなたが実在する
海深く潜る封印は誰のもの
鎮まる底に満ちゆく月光が 迷子の君を包み導いていくだろう
さぁ 息を止めて まぶたを閉じて 君の力で弓を放ってごらん
放たれた弓は振動を持し音を成す
広がる余響が封印の正体を 明かしてくれるだろう
そして 知ることができたなら 表現しなさい
おそれることなく
歩き方も走り方も ペンの握り方も文字も 指も腕もひざこぞうも頭の形も 髪の柔らかさも目元のほくろも 眠い時の目も 耳の後ろの匂いも
出逢った日のことも 初めて抱かれた日のことも 泣きながら離れた冬のことも 再会した夜のことも
あなただけが言ってくれた言葉も
私はまだ使ったことがないその言葉は
生涯 私の胸の中で愛しくこだまするだろう
記憶の泉が永遠に枯れ果てるまで
ワタシ
本当は
泣きたい
なのに涙が消えたみたいなの どこかに忘れてきたみたい 探そうと思ったけど戻ることができないの
誰かが呼んでるんだもの
ワタシの名前を
いつも同じじゃない だからこそ大事に音を奏でよう
これまでもこれからもすべて
軋む音に怯えず離れないで
異なる音を拾いながら協和してきたこと 近すぎて手が触れられる今に求めすぎて
忘れていないだろうか
音合わせ 滑らかに進むばかりじゃない
君らは互いの音を欲してるんだ
言葉につまずいたのは本当
もうこれ以上離れないで 会えない距離に強がっただけなの
互いの身体をもって感じた夜に 私たちは何を抱いて眠ったのだろう
触れる肌から体温に安心した
ねぇ 同じ夢を見ていたかもしれないね
今宵 あなたに守られて 眠る
涙の跡も隠さずに
裸のまま
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