2002年03月30日(土)
「指折り」


周囲の音を遠くで鮮明に聴きながら
今に舞う花びらに想いを内在する

一重ごと確かに見つめながら
静かに強く新しく


そして今日も
桜の樹の下ですれ違う

気付けば
そこは何度目かの春



2002年03月29日(金)
「タイミング」


試すかのように現れた
思いがけない朝に
振動したのは血液のすべて

僕だけが知る時がめぐり
そして息をのむ速さで
二つの時が重なったんだ

あっという間の出来事だった



2002年03月24日(日)
「求められた温度」


柔軟な冷たさの中に
確かに存在する呼吸を求め
熱は熱によって癒される



2002年03月21日(木)
「プロローグ」


扉と鍵


迷路の入り口



2002年03月20日(水)
「意識の階段」


立ち止まり知る


軌跡


後方から
すぐ隣りをすり抜け
目の前を行く


僕が僕を追い越してゆく
僕は僕を追いかけてゆく



2002年03月19日(火)
「表情」








歩調

身体



見つめて
見つめられて
今を言葉にする



2002年03月18日(月)
「細い月」


西に浮かぶは
束の間の夜の吐息



2002年03月17日(日)
「夕焼け空に」


新月が薄目を開ける

夕陽の色を呑んで



2002年03月05日(火)
「現在に夢の星」


覚醒したのは僕

君は尖った時間の神経に
緊張し僕を抱いた


僕の覚醒は君を遠ざけるばかりだった


同じ感触の間で見た夢の数だけ



君と僕の現在の故に




2002年03月01日(金)
「潜在」


まだ気付かない

忘れ物



それはきっと大事な何か








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