境界を越え包囲される
見えない月をたよりに 迷路を歩いた
雨夜の月
空気を振動させ触れる 見えない月に導かれ
光りが覗く
鈍さと鋭さの中に見えるもの
あの角を曲がってみよう
一人で泣きたい夜に
会いたい人がいる
冷たく平らな夜に 覚えている温度が蘇る
膝を抱えて数える 涙の意味
あなたは
私より私の本当を知っていた
昇るところがあること
道標
きっと見つかる
辿り着くよ 光を浴びよう
夜を抱く涙も いつか違う涙に変わる
君は特別だと思っているけど 僕にとったら普通にすぎない
そう言うと 君は僕を特別扱いする
君は特別をよく好むんだ
それは周囲を時々窮屈にさせる
けれど それが君なんだ そんな君と僕は出逢ったんだ
僕は君の特別を特別だとは思わないよ
ありのままの君だ
水は表情があり 結晶を持す
意に応え輝く
声を読む結晶は 六角形を成し透き通る
水は生きる 水に生きる
潤う余裕に身を委ね守りゆく
知ってるかい?
僕たちには 羽根があるんだって
「飛び方を忘れてるだけ」
その人は教えてくれた
羽ばたける空 きっともう少しの勇気
そう 僕たちは知っている
香り立つ湯気に透けて 君が泣いている
ほら
あったかいコーヒーが入ったよ
僕は君の隣りに座って 君の両手の中のカップを見ていた
話したくなったら話せばいいさ
空気
絹糸が張るかの朝 鳥声が空を切る
わたしの細胞に染む 森の夜明け
霧を越え
静
|