2001年09月18日(火)
「心の飛行石」


涙の温度を知る夜は
これからも幾度となく
渡ってゆくだろう。

肌を透き通る蒼い月夜に
涙は蒼い石となり
胸に揺れ宝になる。

あたたかい涙も
冷えきった涙も

頬にこぼして感じなさい。
蒼い光の前に閉ざさぬよう。

その涙を知りなさい。
蒼い石が力をくれるだろう。


2001年09月16日(日)
「静かに」


今日も明日もそれからも。
あなたを想う夜が訪れる。


2001年09月15日(土)
「存在」


たとえば大好きな毛布。
包まってるだけで安心。


2001年09月13日(木)
「硝子細工」


硝子の夜が
星の蜜と溶けても
覚えているのは


左利きで描かれる輪郭


細い線と浮かぶ涙で
あなたが硝子だったと
気付いた朝に鍵をかけた


2001年09月12日(水)
「視界の向こう」


宙に広がるこの空で

すべてを知るのは

誰ですか。


2001年09月10日(月)
「解放」


そこから見えるものは何。
隠されているものは何。

本当は気付いているのだろう?

開くがいい。
放つがいい。

きっと君も空を飛べるさ。


2001年09月09日(日)
「夢見る空」


もう一度あの話を聞きたくて
君に逢いたいと想うのです。

初めての雪を待ちながら。


2001年09月08日(土)
「歩きだす」


あんなにも求めていた声なのに。

忘れられないようにと
時折思い出したように現れる声に

もう振り返ることはないだろう。

もういいだろう。君も行くがいい。
もう重なる想いはそこにはないのだ。


2001年09月06日(木)
「結晶」


ずっと続いてきた
君と僕だけが知るもの

どんな形で
どんな色で

目には見えないけれど
言葉にもしないけれど

消えないもの


2001年09月05日(水)
「メトロノーム」


始まる光と風の穏
気持ちよく駆けめぐる丘
橋に注ぐ日暮れの息
一呼吸くれる赤信号
フィルターを通るコーヒー
眠る前に想う誰か

何気ない日常
愛して。愛されて。

あなたの譜面は奏でられ生きる


2001年09月03日(月)
「人魚の恋」



どこにも放たれない心の声
人魚が抱き恋した証の涙は
小さな真珠となり海に沈む



2001年09月02日(日)
「休日」


頬杖ついて。

ぼんやりと。

素顔のわたし。







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