へい太の日記

2004年09月18日(土) ひっこし

空っぽになった家は
背中が縦に割れたセミの抜け殻

背中の殻を打ち破り 白い命があらわになる
打つ蝉の身は
市中心部の高層マンションに移り住む

空中都市からの眺めは
街と空が調和しているはずなのに

羽の生えた背中がまた閉じて
茶色く変色してゆく
鬱にこもった蝉

羽化できぬヒトは
こうして羽を持つようになったけれど
羽ばたく前に
再び殻に閉じこもり
もがいている

遷都してきた空蝉の命は最早
大切にしまっておく場所もなく
むき出しのままさらされて



 ← 昔々あるところに・・・  ここはどこ?わたしはだれ?  いつまでもいつまでも・・・ →


へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

My追加