2003年08月15日(金) |
光る波 京都駅夏のコラージュ |
グランヴィア ビアガーデン 独り眺めおろしてた 三十万分の一は ジョッキを傾け 乗降客三十万の人形(ひとがた)を写真に収めた 階段を登る人 降りてゆく人 雑踏の中 横たわる人 声をかける警備員 改札へ急ぐ人 駆け足で抜けてゆく人 吸い込まれる人 吐き出される言葉 行き交う電車 行き交う人 消えてゆく言葉 吸い込まれる電車 吐き出される人 行き交う言葉 吐き出される電車 消えゆく人々 吸い込まれる言葉 消えてゆく電車 三十万の顔と姿と言葉が 三十万が手に持つ花と家族と住む部屋が 三十万のそれぞれの夢と願いを語りかけ
青白く光る波が 押し寄せてくる オレンジにきらめく波が 港の中へ 次から次に 寄せては いつしか港の外にまで あふれ出してゆく 舟はもはや 外へと漕ぎ出すこともなく 痺れたように 港が動きを止める 波を涙と感ずることもなく またも黄色な光が押し寄せてくる 痺れたまま受け止め もはや感ずることなく感じるままに 押し戻すこともせず 夢の捨て場所だけは 知っている
線香花火 大きくなった火の玉を 沈み行く太陽 山の端に隠れ行くオレンジ そこに永遠に留めておきたいように
形あるものは夢 夢あるものは語りかけ 捨てられてゆく 人知れぬまま 壁に貼られた巨大な人形(ひとがた) 黒い瞳が 行き交う人を見つめてる 目を閉じても 笑みが洩れだしてくる
青白く光る波 押し寄せて オレンジにきらめく波 入ってくる 次から次へ いつしか港の外にまで あふれ出してゆく もはや 外へと舟は漕ぎ出すこともなく 痺れたよう 港は動きを止める 波を涙と感ずることもなく また黄色な光の波がやってくる 痺れたままに受け止めて もはや感ずることもなく感じるままに 押し戻すこともせずに 夢の捨て場所だけを知っている
線香花火の大きな火の玉が 沈み行く太陽の 山の端に隠れ行くオレンジの陽が そこに永久に留めておきたいように
青白く光る波 押し寄せてくる オレンジにきらめく波 入ってくる 次から次へ いつしか港の外にまであふれ出してゆく しびれて動くことをやめてしまった港 外へと舟が漕ぎ出すこともなく また黄色い光の波がやって来た 波を涙と感じることもなく 痺れたまま受け止めて もはや感じなくなるまで感じるままに 押し戻すことはほとんどできずに どこまで押し返せばいい どこまで押し出せば受け止めてくれる 競わなくてはならないのか 夢の捨て場所はどこにあるのか 知っている
線香花火の大きな火の玉が 沈み行く太陽の 山の端に隠れ行くオレンジの陽が そこに永久に留めておきたいように そこに波を埋もれさせて置く
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