へい太の日記

2002年07月21日(日) 鍵をなくした

鍵をなくした 車の鍵を
確かあのとき車から降りて この机の上に置いたはず
あのときは慌てていたからな あのときは疲れていたからな
いいわけを考えてみたけど見つからない
机の上も机の下も探してみたけど どこにも見つからない
部屋の中も鞄の中も探してみたけど どこにも見つからない
家まで電車で帰る
家の鍵もなくしてる

鍵をなくした 心の鍵を
確かあのとき君と別れて この机の上に置いたはず
あのときは慌てていたからな あのときは疲れていたからな
いいわけを考えてみたけど見つからない
机の上も机の下も探してみたけど どこにも見つからない
部屋の中も鞄の中も探してみたけど どこにも見つからない
君まで電車で帰る
君の鍵もなくしてる

鍵をなくした この世界の鍵を
確かあのときこの世から降りて この机の上に置いたはず
あのときは慌てていたからな あのときは疲れていたからな
いいわけを考えてみたけど見つからない
机の上も机の下も探してみたけど どこにも見つからない
部屋の中も鞄の中も探してみたけど どこにも見つからない
この世界まで電車で帰る
この世界の鍵もなくしてる

鍵をなくした 車の鍵を
確かあのとき車から降りて この机の上に置いたはず
あのときは慌てていたからな あのときは疲れていたからな
いいわけを考えてみたけど見つからない
机の上も机の下も探してみたけど どこにも見つからない
部屋の中も鞄の中も探してみたけど どこにも見つからない
家まで電車で帰る
家の鍵もなくしてる







2002年07月20日(土) 光と闇の間(はざま)で飛ぶ

飛び上がる
鴇色に染めつけられた東の雲をつきぬけ 兎へと手を伸ばす
夕刻の雲に半身を遮られた沈みゆく太陽
その増白により 兎の輪郭はさらに際立ってゆく
北西の灰汁の雲は次第に西へ回り込み 瑠璃へと転じてゆく
西の空に輝きを増す一番星 木星 それとも金星か
なぜ この流れる雲の消えゆく様を惜しむものはない
誰も染め替えることなどできはしないからか

一気に地上すれすれまで降りる
黄昏の風に靡く大地 淡萌黄の産毛はまだ半身 水の中
楕円の月を映す 鉄の川の流れに沿って飛ぶ
もじりから大気の中へ飛び込むオイカワの影が いくつも木霊する
なぜ この川の水の流れゆく様を愛おしむものはない
誰も止めてしまうことなどできはしないからか

ふと見上げれば
鴇色の雲はいつの間にやら 白いシーツ
かつては空色の 藤の空へ溶けてゆこうとする
楕円の月を映す鉄の川は さらに漆黒の鏡に

今を過ぎゆく川の流れ 流れゆく雲と出会った
再び巡り会うことのない 
それは見捨てられてしまう畏れか
それとも 
いつもと変わらぬ顔をした川の流れ 流れゆく雲との巡り会い
ここでまた出会う
それは見守られる安心なのか

静かに大地に足を降ろし 肺の奥まで息を入れる
ただ一人 風に靡く淡萌黄の絨毯と
風に流され変じゆく雲の間(ま)に輝く月との間(あいだ)には
見回す限り人の姿はなく
生きる 生きている 生かされている

輝きを増す兎を見上げ 再び今度は遙か月まで 飛ぶ
クレーターを掘り始める
ひたすらクレーターを掘る
とりあえずクレーターから
いくつも掘る まだまだ掘る クレーター掘り
見上げてもここに雲の流れはない
見回してもここに川の流れはない
ただ時という風と水に流されて 地球が暮れてゆく

何のため クレーターを掘っているかは 知らないし
何のため クレーターを掘っているかを 見つけようとして
クレーターだけが残り 何もかもを無くしてしまう
知っているのにがむしゃらに掘り続ける姿と
時に身を委ねて徒に過ごす姿とが見え
余った時に満足すべきだろうに
どれもが現のようで どれもが虚ろのようで
うまく付き合うことなどできはしない
抱えていることも 満たしても
すべては無に帰することも
何もしないまま過ごしても
徒労に終わるにしても
こんな風に考えてることすべてを捨て去ることも含めて
抱えて生きる
すべてがあってすべてが無

きっと再び闇の中から
光が洩れてくる
さあ 戻ろう



2002年07月07日(日) 光と闇の間(はざま)で

夕刻の沈みゆく太陽 その増白によって 兎の輪郭はさらに際立つ
朱鷺色に染め上げられた東雲から 兎へと手が伸ばされる
北西の灰黒の雲は次第に西へと回り込み群青へと転ずる
西の空に輝きを増す一番星は木星なのかそれとも金星か

なぜ 流れる雲の消えゆく様を惜しむものはいない
誰も染め替えることができなかったからなのか

黄昏の風に靡く大地 黄緑の産毛はまだ
半身を水の中に浸けたまま
楕円の月を映す川の流れには
もじりから大気の中へと飛び込むオイカワの黒い影が
いくつも木霊する

なぜ 川の水の流れゆく様を愛おしむものはいない
誰も止めてしまうことなどできなかったからなのか

朱鷺色の雲はいつの間にやら白いシーツのようになり
かつて青かった紫の空の中へ溶けてゆこうとする
楕円の月を映す川は
さらに漆黒の鏡に変じてゆこう

生きている限りもう二度と巡り会うことはない
今過ぎゆく川の流れ 流れゆく雲との出会い
それは見捨てられてしまう恐怖なのか

だのに 生きている限りここに来ればまた出会うことができる
いつもと同じような顔をした川の流れ 流れゆく雲との巡り会い
それは見守られる安心なのか

この大地に足を降ろして深く息をする
見回す限り人と出会うこともなく
やがては大地を覆い隠す風に靡く黄緑の葉の海と
風に流されゆく雲の海に出会う

生きる 生きている 生かされている
これからしなければならないことと
しておきたいことの
いくつかを頭の中に思い浮かべてみるが
結果を心待ちにしているようでもあり
泥沼のように広がる苦しみのようでもあり

一人淋しく穴掘りを続ける姿が見える
ひたすら穴を掘り続ければよいのだろうか
たくさん穴を掘ればよいのか
あちらにも穴が必要なきがする
とりあえずこの穴からはじめることにしよう
やりやすいところからはじめればいい

全部やらなくちゃ バランスを取りながら
できないなら一つにこだわり抜かなくちゃ 渡り歩きながら
時の風と時の水に流され 日が暮れてゆく

何のために穴を掘っているのか 知らないけれど
何のために穴を掘っているのか 答えを見つけようとしている
何もかも無くなってしまうことを知っているのに
がむしゃらに掘り続ける姿と 時に身を委ねて徒に過ごす姿と
どちらの自分の姿も見えるようになり
それからは残された生 余った生 満足すべき生なのに
まだ何が生きることなのか 見極めねばならないのか
確かに何かを続けなければ何も進みはしない 何もできあがりはしない
しかし 結局どれもが現のようで どれもが虚ろのようで

なぜ欲しいものがあるのだろう
欲望と願いにうまくつきあえない
どうせ何もかも無くなってしまうのにどう進めばよいのか
何もかも無くなってしまうことを知っているのに
欲望を持ち続けるのだから
すごい欲望の固まりということになる

欲望を抱えていることも
欲望を満たしても
すべては無に帰することも
何もしないまま過ごしても
失敗に終わるにしても
すべてを抱えて
こんな風に考えてることをすべて捨て去ることも含めて
抱えて生きる
これがすべてがあってすべてが無

きっと再び闇の中から
光が洩れてくる



2002年07月06日(土) 光と闇の間(はざま)

夕刻 沈みゆく太陽 その増白により 兎の輪郭はさらに際立ち
朱鷺色に染め上げられた東雲からは 兎へと手が伸びる
北西の灰黒色の雲は次第に西へと回り込み
青黒から群青へと転ずる
西の空に輝きを増した一番星は木星かそれとも金星か

なぜ 流れる雲の消えゆく様を惜しむものはいないのか
誰も染め替えることはできぬまま

誰そ彼時 風に靡く大地 産毛はまだ
半身が水の中に浸かったまま
楕円の月を映す川の流れには
もじりから大気の中へと飛び込むオイカワの黒い影が
いくつも木霊する

なぜ 川の水の流れゆく様を愛おしむものはいない
誰も止めてしまうことなどできぬまま

朱鷺色の雲はいつの間にやら白いシーツのようになり
青かった空の中へ溶けてゆこうとしている
楕円の月を映す川は
さらに漆黒の鏡に変じてゆく

生きている限り二度と巡り会うことのない
同じ川の水や同じ雲との出会い
見捨てられてしまう恐怖

生きている限りここに来れば出会うことのできる
いつもと同じ川の流れや雲の流れ
見守られる安心

地に足をつけ
見回す限り出会うこともなく
風に靡く葉の海
風に流れゆく雲たちの流れ

生きる 生きている 生かされている
しなければならないことと
しておきたいことと
いくつかを頭の中に思い浮かべてみる
これらは楽しみにしていることなのか
泥沼のように広がる苦しみなのか

全部やらなくちゃ
バランスを取りながら
できないなら拘り抜いて
渡り歩きながら
答えを見つけようとしている

ひたすら穴掘りをしていればいいのか
たくさん穴を掘ろう
あっちにも穴が必要だ
とりあえずこの穴からはじめよう
やりやすいところからはじめよう

品がよくないのかな
形あるものを求めるなんて
どうせ 海に流れ込むまで
目の前で水が流れているだけのことさ

光りと闇の間で
ぼくをめぐる状況はいかに改善されたか
考えてみた
半径100m以内には誰もいない状況でね
漆黒に変ずる川面ともはや緑には見えない風に靡く
苗を見ながら深呼吸
3000m級の山に登った気分

ここで遊んでいていいんだという気持ちと
これもありだなという気持ちと
さらに上を目指してうごめいている 悩んでる 探してる

がむしゃらに飛びつく姿と
流れに身をまかせる様子から
満足して死の対極にある生を見つめ
何が生きることなのか
どれかに決めなければならないのか

何かをしないと何も進まない
何もできあがりはしない
自分を取り巻く思いを目に見える形にしたかったのだけれど
結局どれもが本当でどれもがうそ

自分の欲しいものを欲しがっているだけ
探して見つからないのなら自分で創り出せばいい

なんで欲しいものがあるんだろう
自分の欲望と願いにうまくつきあえないことがある
うまいつきあい方を教えてくれ
どこを探してみても隠されてしまったようで見つからない

なぜ欲望が産まれるのだろう
何を求めているのだろう
お金か名誉か地位か
真善美

どうせ何もかもなくなってしまうのに
どう進めばいいのだろう
何もなくなってしまうことを知っているのに
欲望を持ち続けるのだから
すごい欲望の固まりということになる
だからこそ やる気も産まれてくるんだけれどね
それを抱えて生きるべきなのかな やっぱり

欲望を抱えていることも
欲望を満たしても
すべては無に帰することも
何もしないまま過ごしても
失敗に終わるにしても
すべてを抱えて
こんな風に考えてることをすべて捨て去ることも含めてね
これがすべてがあってすべてが無

また再び闇の中から
光が洩れてくる

−−−−−−−−−−−−−−−−
まだまだ 言い足りない





2002年07月04日(木) 光と闇の間(はざま)

夕刻 沈んだ太陽 その増白により 兎の輪郭はさらに一層際立ち
朱鷺色に染め上げられた東雲からは 兎へと手が伸びる
北西の灰黒色の雲は次第に西へと回り込み
青黒から群青へと転ずる
西の空に輝きを増した一番星は木星かそれとも金星か

なぜ 流れる雲の消えゆく様を惜しむものはいない
誰も染め替えることができぬまま

誰そ彼時 風に靡く大地 産毛はまだ
半身が水の中に浸かったまま
楕円の月を映す川の流れには
もじりから大気の中へと飛び込むオイカワの黒い影が
いくつも木霊する

なぜ 川の水の流れゆく様を愛おしむものはいない

朱鷺色の雲はいつの間にやら白いシーツのようになり
青かった空の中へ溶けてゆこうとしている
楕円の月を映す川は
さらに漆黒の鏡に変じてゆこう

生きている限り二度と巡り会うことのない
同じ川の水や同じ雲との出会い
見捨てられてしまう恐怖

生きている限りここに来れば出会うことのできる
いつもと同じ川の流れや雲の流れ
見守られる安心

地に足をつけ
見回す限り出会うこともなく
風に靡く葉の海
風に流れゆく雲たちの流れ

また再び闇の中から
光が洩れてくる


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