2002年06月30日(日) |
光と闇の間(はざま)で |
夕刻 沈みゆく日の光の増白によって 兎の輪郭はさらに一層際立って 朱鷺色に染め上げられてしまった東雲から 月へと手が伸びて行く 北西の灰黒色の雲は次第に西へと回り込み 青黒から群青へと転ずる 西の空に輝きを増した一番星は木星かそれとも金星か
なぜ 流れる雲の消えゆく様を惜しむものはいない 誰も染め替えることができぬまま
誰そ彼時 風に靡く大地の産毛はまだ 半身水の中に浸かったまま 楕円の月を映す川の流れには もじりから大気の中へと飛び込むオイカワの黒い影が いくつも木霊する
なぜ 川の水の流れゆく様を愛おしむものはいない 誰も染めることのできぬまま
朱鷺色の雲はいつの間にやら白いシーツのようになり 青かった空の中へ溶けてゆこうとしている 楕円の月を映す川は さらに漆黒の鏡に変じてゆこう
生きている限り二度と巡り会うことのない 同じ川の水や同じ雲との出会い 見捨てられてしまう恐怖
生きている限りここに来れば出会うことのできる いつもと同じ川の流れや雲の流れ 見守られる安心
地に足をつけ 見回す限り出会うこともなく 風に靡く葉の海 風に流れゆく雲たちの流れ
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としましたが まだまだです。
人の悪いところは 誰もが ドラマの主人公に なりたがることである
石垣からヘビが出た ふと足元を見るとヘビがいた 足をあげるとその下にもヘビがいる 横に飛び退こうと思うとそこにもヘビがいた そしてあたりを見回すと ヘビが互いに絡み合い もう足を降ろす場所どころか 逃げ出す道もない そんな夢をよく見る
人間とはタマネギ いくら剥いても中心は見えず 涙が出るばかり
ジェット機が地平線の彼方に沈む 空から大きな目が僕を見つめる 僕は立ちつくしたまま動かない どこを向いても道はない どこを向いても緑の草はない 灰色の土と石
目は僕に問いかける いったい何をしに来たのだと 白い雲は動かない 風が吹く 僕の目の前だけ時が流れていく
問題を解決するのに すべてを投げ出してしまうことほど 簡単な方法はない
すべてが終わった後で 愚痴をこぼすことにすれば あなたの人生はもっと ましなものになる
「今」はいつの間にか「未来」に入り込み 「今」はいつの間にか「過去」に流れ去って足跡を残す 「今日」を満たすことができるなら 「昨日」も「明日」も満たすことができるだろう 「今日さえ楽しければいい 明日は死ぬかもしれないのだから」 とは言わない方がいい 「明日」になればまた「今日」がやってきて 死ぬまで「毎日」楽しくしなくちゃならなくなるよ
今ここで肉まんを食べようとしている 確かに他のところにもっとうまい食べ物があるし 金さえあれば買える しかし目の前の肉まんを捨てるのか? ほっといたら冷めてしまうし 肉まんは熱いうちに食べるのが一番
針と糸をください このぼろぼろになった心を繕うための
もしもタイムマシンが開発されたら タイムマシン開発以前にもどり 自分が開発したことにすれば ボロもうけができる
エヴァンゲリオンの碇シンジが 宇宙戦艦ヤマトに乗り込んだら 彼はイスカンダルまで行けただろうか
私にもあんな足が欲しい どこまでも歩いてゆくことができ 風のように走ることもできる なんてすばらしいんだろう 人間は −大空の鳥
夢を喰って生きている動物が バクの他にもう一つあるとすれば それはきっと人間に違いない
狼のようにさもしくはなれないし 子羊のように 迷ったような顔もしていられない だからといって 狐のようにだましてはいられないし タヌキのように死んだふりをしてる場合じゃあない そして かごの鳥のように歌ってもいられない
ミツバチやアリみたいにせっせと働きたくもないし 蝶みたいに花から花へと飛び回りたくもない クモみたいに獲物をじっと待つ気にもなれない
フクロウみたいに夜中に一人でしゃべるのもイヤだね
オウムのように人のまね コウモリのようにあっちへこっちへ ハイエナのように人の物をあさっては ロバみたいにこけにされ でもやっぱり僕はバク
2002年06月22日(土) |
光りと闇の間(はざま)で |
夕刻 沈みゆく陽光の蛍光増白により兎の輪郭は一層際だち 朱鷺色に染め上げられた東雲から手が伸びる 北西の灰黒色の雲は次第に西へと回り込み 青黒から群青へと転ずる 西の空に輝きを増した一番星は木星かそれとも金星か
なぜ 流れる雲の消えゆく様を惜しむものはいない
風に靡く大地の産毛はまだ 半身水の中に浸かったまま 楕円の月を映す川の流れには もじりから大気の中へと飛び込むオイカワの黒い影が いくつも木霊する
なぜ 川の水の流れゆく様を愛おしむものはいない
朱鷺色の雲はいつの間にやら白いシーツのようになり 青かった空の中へ溶けてゆこうとしている 楕円の月を映す川は さらに漆黒の鏡に変じてゆこう
生きている限り二度と巡り会うことのない 同じ川の水や同じ雲との出会い 永遠を生きているのは私なのかもしれない
マーレン マーレン マーレン 君のあの勇気で目覚めたはずの雨姫は 今どうしているんだい もう一度あの洞穴(どうけつ)の薄暗い奥底まで ゆっくり降りて行き そっと見て来てはくれないだろうか
マーレン 火の玉おやじの方は相変わらず 元気なままだ 桜だって 蛍だって 半月も早めにやってきた ついでのことだから ニイニイゼミやツクツクボウシやらに すぐさまのご登場願って 七年と七日の命をおやじとともに 燃やし尽くしてしまえばいいと思うのだけれども どうにもあのおやじ このまま居座り続けてしまいそうで コオロギの出番が 萩や薄の陰で縛り付けられたままのような
マーレン 雨姫は本当はどうしてるんだろう これから見に行ってもらうわけにはいかないだろうか
もしかすると 読みかけの絵本 閉じられてしまった物語の中で 十と二年もの間 井戸の前に佇んだまま 眠り続けてしまったのか あのとき目覚めたはずの雨姫に 誰かが再び呪文を唱えることもなく うつらうつらと夢と現(うつつ)を行き来していたのかもしれない
母の羊水の中で揺られつつ 橙の湯舟の中で守られながらも シャワーノズルからは幾筋ものTHM(トリハロメタン)の やがては浴槽いっぱいに満ちあふれ
カランから 茶碗の中へ ボトルの中から ケトルへと 売られゆく浄められたはずの やがてはLAS(アルキルベンゼン)とともに シンクの中へ沈みゆく汚(けが)れ
トイレの中に渦巻く銀河が産まれ 汚(けが)れた星々と共に吸い込まれてゆく青方変移 曝気槽の中でエピスティリスやカルケシウムと共に息を吹き返し やがてはこの星の羊水へとそそがれゆく流れ
そんなおまえたちは みんな雨姫の影 井戸の前の雨姫は眠ってはいなかったか それともおまえたちと共に嘆き悲しんでいたのか 雨姫よ 元気でいるかい
マーレン マーレン マーレン すまないが もう一度雨姫の様子を見に行って来てはくれないだろうか もう 私には精霊を見る力すら 残ってはいないのだ
マーレン マーレン マーレン 君のあの勇気で目覚めたはずの雨姫は 今どうしているんだい もう一度あの洞穴(どうけつ)の薄暗い奥底まで ゆっくり降りて行き そっと見て来てはくれないだろうか
マーレン 火の玉おやじの方は相変わらず 元気なままだ 桜だって 蛍だって 半月も早めにやってきた ついでのことだから ニイニイゼミやツクツクボウシやらに すぐさまのご登場願って 七年と七日の命をおやじとともに 燃やし尽くしてしまえばいいと思うのだけれども どうにもあのおやじ このまま居座り続けてしまいそうで コオロギの出番が 萩や薄の陰で縛り付けられたままのような
マーレン 雨姫は本当はどうしてるんだろう これから見に行ってもらうわけにはいかないだろうか
もしかすると 読みかけの絵本 閉じられてしまった物語の中で 十と二年もの間 井戸の前に佇んだまま 眠り続けてしまったのか あのとき目覚めたはずの雨姫に 誰かが再び呪文を唱えることもなく うつらうつらと夢と現(うつつ)を行き来していたのかもしれない
母の羊水の中で揺られつつ 橙の湯舟の中で守られながらも シャワーノズルからは幾筋ものTHM(トリハロメタン)の やがては浴槽いっぱいに満ちあふれ
カランから 茶碗の中へ ボトルの中から ケトルへと 売られゆく浄められたはずの やがてはABS(アルキルベンゼンスルフォン酸)とともに シンクの中へ沈みゆく汚(けが)れ
トイレの中に渦巻く銀河が産まれ 汚(けが)れた星々と共に吸い込まれてゆく青方変移 曝気槽の中でエピスティリスやカルケシウムと共になんとか息を吹き返し やがてはこの星の羊水へとそそがれゆく流れ
そんなおまえたちは みんな雨姫の影 井戸の前の雨姫は眠ってはいなかったか それともおまえたちと共に嘆き悲しんでいたのか 雨姫よ 元気でいるかい
マーレン マーレン マーレン すまないが もう一度雨姫の様子を見に行って来てはくれないだろうか もう 私には精霊を見る力すら 残ってはいないのだ
マーレン マーレン マーレン 君のあの勇気で目覚めたはずの雨姫は 今どうしているんだい もう一度あの洞穴(どうけつ)の薄暗い奥底まで ゆっくり降りて行き そっと見て来てはくれないだろうか
マーレン 火の玉おやじの方は相変わらず元気にしているようだ 桜だって 蛍だって 半月も早めにやってきた ついでのことだから ニイニイゼミやらツクツクボウシやらに すぐさまご登場願って 七年と七日の命をおやじとともに 燃やし尽くしてしまえばいいと思うのだけれども どうにもあのおやじ このまま居座り続けてしまいそうで コオロギの出番が 萩や薄の陰で縛り付けられているような
マーレン 雨姫は本当はどうしてるんだい これから見に行ってもらうわけにはいかないだろうか
もしかすると 読みかけの絵本 閉じられた物語の中で 十と二年も井戸の前に佇み 眠り続けてしまったのではないだろうか あのとき目覚めたはずの雨姫に 誰かが再び呪文を唱えることもなく うつらうつらと夢と現(うつつ)を行き来していたのかもしれない
母の羊水の中で揺られつつ 橙の湯舟の中で守られつつ シャワーノズルからは幾筋もの恵みの雨がほとばしり出る やがてこの星の羊水へとそそがれてゆく
カランから 茶碗の中へ ボトルの中から ケトルへと 浄められた幾筋もの流れが注がれゆく 売られゆく トイレの中には渦巻く銀河が産まれ 汚(けが)れた星々と共に吸い込まれてゆく青方変移
曝気槽で再び息を吹き返す そんなおまえたちはみんな雨姫の影 井戸の前の雨姫は眠っているのか それともおまえたちとともに歌っていたのか 雨姫よ 元気でいるかい
マーレン マーレン マーレン すまないが もう一度雨姫の様子を見に行って来てはくれないか もう 私には精霊を見る力すら 残ってはいないのだ
マーレン マーレン マーレン 君のあの勇気で目覚めたはずの雨姫は どうしているんだい もう一度あの洞穴(どうけつ)の奥底まで ゆっくり降りていき 見て来てはくれないだろうか
マーレン 火の玉おやじの方は相変わらず元気にしているぞ 桜だって 蛍だって 半月も早めにやってきた ついでのことだから ニイニイゼミやらツクツクホウシやらに すぐさまご登場願って 七年と七日の命をおやじとともに 燃やし尽くしてしまえばいいと思うのだけれども どうにもあのおやじ このまま居座り続けてしまいそうで 萩や薄の出番は コオロギといっしょに縛り付けられているに違いない
マーレン 雨姫は本当はどうしてる これから見に行ってもらうわけにはいかないか
もしかすると 読みかけの絵本 閉じられた物語の中で 十と二年も井戸の前に佇み 眠り続けてしまったのではないだろうか あのとき目覚めたはずの雨姫に 誰かが再び呪文を唱えることもなく うつらうつらと夢と現(うつつ)を行き来していたのかもしれない
母の羊水の中で揺られつつ 橙の湯舟の中で揺られながら シャワーノズルから幾筋もの恵みの雨がほとばしり出て やがてはこの星の羊水へとそそがれゆく
カランから 茶碗の中へ ボトルのまま ケトルの中へと 清浄な雨姫は注がれ売られてゆく トイレの中では渦巻く宇宙が 汚(けが)れた水と共に吸い込まれゆく青方変移
曝気槽で再び息を吹き返す そんなおまえらはみんな雨姫の影 井戸の前の雨姫は眠っているのか それともおまえたちとともに歌っていたのか 雨姫よ 元気でいるかい
マーレン マーレン マーレン すまないが もう一度雨姫の様子を見に行ってはくれないか もう 私には精霊を見る力すら 残ってはいないのだ
マーレン マーレン マーレン 目覚めたはずの雨姫は最近どうしたんだろう もう一度見に行ってきてはくれまいか 火の玉おやじの方は相変わらず元気なようで 桜も蛍も半月早めにやってきた どうせなら ついでに秋も 早めに来ればいいのだけど どうも火の玉おやじが居座りそうで 雨姫はどうしているか 見てきてはくれないか
もしかすると閉じられた物語の中で 雨姫は井戸の前でまたもや眠り続けたまま ようやく目覚めたと思ったけれど 再びうつらうつらしているのかも
羊水の中で揺られながら 湯舟の中で揺られながら シャワーノズルからいつものようにやってくる この星の羊水へと流れゆく
カランから茶碗の中へ ボトルのままケトルへと 清浄な雨姫が注がれ売られゆく トイレでは渦巻く宇宙が 汚(けが)れた水と共に吸い込まれてゆく青方変移
曝気槽で再び息を吹き返した そんなおまえたちはみんな雨姫の影 井戸の前の雨姫は眠っているのか それとも
雨姫よ 元気でいるか マーレン マーレン マーレン すまないが もう一度雨姫の様子を見に行ってはくれないか もう 私には精霊を見る力すら残ってはいない
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