へい太の日記

2002年03月17日(日) 卒業〜別れを約束された日に〜

今まで守ることができた約束の数と
今まで破ってしまった約束の数を
差し引いてみる

あのときの約束は果たせたのだろうか
六年越しの約束

あのときの君は
自分の植えた朝顔の芽が まだ出ないと気にしていたんだね

朝顔の芽を見ぬまま君は逝ってしまった

あれから六年
君に約束もできないまま
この日を迎えてる

未来の夢も抱けぬまま
逝ってしまった君にそっと誓った
心の様を表すこともできなかった君のために

生き残ったみんなは今日旅立つ
残されたみんなは本当によくやったよ
ぼくにその手伝いができたのかどうか

君がいなくなった教室で生や死について語ったよ
自分自身を大事にできなかった誰かのために
フィリピン スモーキーマウンテンのごみ捨て場に生きる子どもたちのことを

君がいなくなった教室で生や死について語ったよ
自分の心の様を大切にできない誰かのために
カンボジア プノンペン郊外の地雷原に生きる人々のことを

君がいなくなった教室で生や死について語ったよ
自分の心をどう表せばよいのか分からない誰かのために
イーハトーブ 「やまなし」を描いた宮沢賢治の一生を

君がいなくなった教室で生や死について語ったよ
自分の心をどのように扱えばよいか分からない誰かのために
ガラパゴス 人々に支えられて生きるゾウガメ達のことを

6年前の約束があったからかな
君はうなずくこともできなかったよね
ひとりぼっちの約束
誰も知らない約束
自分一人だけの約束

持てるだけの花束をみんなに託そう
そこにあるはずだった君の希望のために
そこにあるはずだった君の未来のために

約束は果たされたのか
約束は守られたのか
知っているのはみんながもっている未来だけ


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へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

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