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曖昧な日々。
大槻
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2001年07月14日(土)
7/14×日常。

「あいつマジむかつく!」
ロッテリアの3階、女性専用ルームにAの大きな声が響く。
私はシェークの残りを、音を立てて啜った。
周りにいた2、3人の女子高生が少し驚いたように一瞬こっちを見た。
「ん〜」
生返事を返しながら、私は窓の外を見た。
「だってむかつくやろー?調子のってんじゃねーよ!何なんあいつ〜?てかマジ、あんな奴にふられたってのが、あたしの一生の汚点!!」
この前別れた好青年をAは力の限り蔑んだ。
「ふぅん」
窓の外に見えるのは、夏の光を浴びた、向かい側の商店街のアーケード。
私たちはここで、友人Yを待っていた。
『今向かってます〜』
そこへ来たYからのメール。
『早く来いよ〜A怖いんですけど…』
私は即行それを打って送りつけた。
「誰から?」
「Y。もーすぐ来るって」
外に出たくなかった。
今日はYの服を買うのに付き合うのだが、この夏空の下をフラフラするのは自殺行為な気さえした。

「ねーなんかさぁ、マサ?と、逢う事になってるんやけど…」
JACKで服を見ながらAは言った。
マサはYの従兄弟で、私とAのメル友だ。
「マジ!?あいつかなり女に飢えてるんやね〜展開速すぎっ!」
Yが半ば呆れ気味に言った。
「いやー、男なんかそんなもんでしょ!」
何かを悟ったように私とAが言って、みんな笑った。

私たちは、それぞれの普通の生活の中で生きていた。
全ての人間共通な普通など、知らなくて良かった。
知りたくもなかった。今更。
楽しいことを探した。難しい事なんていらない。
快楽主義だと、刹那主義だと言われてもかまわなかった。
それが私たちの日常。
それ以外の世界なんて、知らない。