馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2008年09月14日(日) がばい佐賀ばい・2〜緩やかにいこう

水野晴郎映画塾の面々と。
『島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん』
この映画の撮影の見学&出演(エキストラですけど)のため、2週間弱、九州は佐賀に行ってきました。
ミクシィ日記と並行してその様子を点描してまいります。

   ◆

今回の映画は昭和30年代が舞台です。
およそ50年前ですね。

建物保存地区にしていされているような、昔の建物がそのまま残っている通りでのロケ。
ただし地面はアスファルトだから、前面に砂を敷いてこれを隠します。

ここの撮影でエキストラとしてカメラの前に立ちました。

主人公の少年が40メートルを歩く長回し。
町の住人として少年の横を通ります。

さて、カメラが回ってエキストラが動き出します。
しかし、すぐに島田洋七監督がカットをかけました。

「エキストラの歩くスピードが速い」

というのです。
速いったって、みんな普通に歩いてるだけです。
誰も意識して速くなんか歩きゃしないですよ。

それでも監督は速いと言う。
そうなんかなー。

   ◆

エキストラや見学の日程を全て終えて、帰る前日は自由行動となりました。
気の会う仲間と武雄温泉に繰り出して、1日中のんびりぶらぶら。

田舎っていうのは、人との触れ合いがあるんですね。

いや、陳腐なこと言ってるのは分かりますが、実感するんですよ。
あーんなに見ず知らずの人に挨拶するなんて東京じゃなかなかないですよ。

そして佐賀人の、まあ優しいこと。

温泉街の人も。
ずっとお世話になったタクシー会社の人も。
今回宿泊した施設の人も。
駅員さんも。
現場近くの地元の人も。

時には会社・店の利益なんか度外視で、実に親身にしてくれました。
今さら書くのも恥ずかしいけれど、田舎の人たちって、あったかいねー。

でね、そういう人たちと一緒にいるとね、全てが緩やかになるんですね。
歩くスピードもゆっくりになる。
せかせかする必要が無いからね。

あ、なるほど。

確かにあのエキストラの歩きは速かったかもしれません。
田舎の人たちのテンポじゃなかった。

なるほど。
カメラの前では違和感を持ってわざとゆっくり歩いたけれど。
温泉街をぶらぶらしているときは同じスピードで楽しんでたわけです。

でもね、東京に帰ってきちゃうとすぐに元のテンポに戻っちゃう。
まあ、そういうものだとは思うけれどもさ。


 < 過去  もくじ  未来 >


稲葉 馨

My追加